JP3325700B2 - 光ファイバ放射温度計 - Google Patents
光ファイバ放射温度計Info
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Description
測温する放射温度計に関するものである。
は、たとえば「新編温度計測」(計測自動制御学会、平
成4年10月25日初版発行)第231頁の図4.29
に記載の通り、種々の利用形態がある。光ファイバを利
用すると、狭隘で折曲した箇所の測温が可能となるばか
りか、測定光路上に放射光を阻害するような媒体があっ
たとしても、これを回避することができる。しかも、光
ファイバの外形が小さいことから、装置への組み込みが
容易になるなど数々の優れた特性を有する。
イバは高純度石英を素材としているため、たとえ外形を
1mm以下に細くしても、可撓性に自ずから限界があ
り、強く折曲したとき、あるいは強い衝撃を与えたと
き、破断するおそれがあり、高い温度に晒された場合も
同様である。もちろん、光ファイバの外周を、ゴム、プ
ラスチックあるいは波形管などの弾性体で外装すること
で、この欠点を補えるが、外形が太くなり、かつコスト
を押し上げてしまう。
はギザツキ、光の表面反射が増大するので、光学的に研
磨する必要がある。測定中、応急の処置として、この作
業を行うのは、研磨に用いる用具が一般に普及していな
いこともあって容易ではない。しかも、光ファイバの長
さが変化することによる透過率の変化を補正するため、
再度目盛校正を行わなければならず、これも応急には難
しい。
光路長の影響を受けにくい2色温度計を用い、光ファイ
バ固有の光学特性をあらかじめ補正し、以後ファイバ長
が変化しても、全く影響なく温度計測ができる光ファイ
バ放射温度計を提供することである。
ら光ファイバを介して入射する放射エネルギーを分光す
る分光手段と、この分光手段で分光されたれた光のうち
2つの異なる測定波長帯についての光を検出する検出素
子と、この検出素子の2つの測定波長帯についての出力
信号の比率を求め温度を演算する演算手段と、前記分光
手段で分光され検出素子に入射する2つの測定波長帯の
一方又は両方を調整とし両波長についての光ファイバの
透過率が等しくなるようにするための調整手段とを備え
るようにした光ファイバ放射温度計である。
図で、図において、1は光ファイバで、その集光部とし
ての先端部1aは、レンズ3等により測定対象2からの
放射エネルギーを集光する。この光ファイバ1の他端部
1bは光コネクタ等とされ、先端部1aからの放射エネ
ルギーを集光し、放射温度計4に導く。そして、この放
射エネルギーは、ハーフミラー5を介し、2方に分岐
し、互いに異なった測定波長帯λ1、λ2の光を透過す
る分光手段としてのフィルタ61、62を介し、検出素
子71、72で検出される。各検出素子71、72の各
出力は増幅手段A1、A2で増幅処理され、増幅手段A
1、A2の出力は比率演算手段80で比率がとられ、こ
の比率信号に基いて、演算手段8は演算を行い温度信号
を得るようにする。このとき、フィルタ61は、入射す
る光に対して調整手段9により所望の角度θ傾けること
ができ、透過する波長を可変として調整することがで
き、波長λ1、λ2における光ファイバ1の吸収係数が
等しくなるように選定し、光ファイバ1の長さの影響を
受けずに温度信号を得るようにすることができる。な
お、比率演算手段80や演算手段8等にマイクロコンピ
ュータを用い、デジタル的に2色演算等の処理をしても
よい。
1、λ2の放射輝度比を求める2色温度計について考え
ると、波長λ、温度Tの分光放射輝度L(λ、T)は、
ウィーンの公式より L(λ、T)=2C1λ5 exp(−C2/λT) (1) で与えられるので、その比率出力R(T)は次式とな
る。
吸収係数がα、長さがxのとき、透過率はexp(−α
x)で表されるから、測定波長帯λ1、λ2における吸
収係数が夫々α1、α2で、長さxなる光ファイバを介
して温度T(K)の黒体を計測したときS(K)なる示
度を得たとすると、 R(S)=[exp(−α1x)/exp(−α2x)]・R(T) (3) なる関係が成立する。R(S1,2 )とR(T)にウィー
ンの公式を適用して整理すれば次式を得る。
バの分光吸収係数、したがって、分光透過率が互いに等
しいとき、T=Sとなって光フアイバの長さxに関係な
く測定誤差は発生しないことになる。
覧」(1984年8月科学新聞社発行)第34頁の図
2.3.1(超高感度光ファイバの損失特性)から引用
して図2に示す。これによると、分光吸収としての損失
(dB)は、測定波長が0.6μmより長くなるにつれ
て減少し、1.4〜1.6μm帯で最低となって、1.
6μm以上では再び増加する。しかも、(2)式より理
解されるように、2色温度計の感度は、2つの測定波長
λ2、λ1が互いに離れているほうが大きくなる。それ
ゆえ、図2を参考に、互いに離れた波長帯で、かつ、損
失の等しい波長帯を選定することが望ましい。このよう
な観点から、たとえば、λ1=1.30μm、λ2=
1.62μm、又は、λ1=1.40μm、λ2=1.
60μmなど種々の組み合わせが選定できる。このよう
に選定し、α1=α2が実現できれば、基本的には、光
ファイバ長の変化による指示誤差は生じない。
ト間の微妙なバラツキ、あるいは、測定波長帯を制御す
る光フィルタのロット間のバラツキは避けられず、必ず
しもα1=α2は成立しない。α1≠α2のとき、
(5)式から明らかなように、光ファイバ長xによる指
示変化を発生する。たとえば、長さ1Kmの光ファイバ
を用いてT=1300Kの場合、互いの損失の差異が±
1%でも(5)式から、λ1=1.30μm、λ2=
1.62μmのとき、TとSの差は±7.2K、同じ
く、λ1=1.40μm、λ2=1.60μmのとき、
TとSの差は±12.4Kとなり、しかも、これらの誤
差は、(5)式から明らかなごとく長さに比例するか
ら、精密な温度計測を実現するため、この誤差は無視で
きない。
は双方の波長帯を調整できる構成とし、測定を行う前
に、あらかじめ、各測定波長帯λ1、λ2の光ファイバ
1における吸収係数α1、α2について、α1=α2が
成立するように測定波長帯を調整することを本願発明の
目的としている。
渉膜フィルタとし、調整手段9により角度θ傾けると、
その透過中心波長λmは λm=2nh・[1−(sin θ/n)2 ]1/2 /m (6) で与えられる。ここで、厚みh,屈折率n,次数mとし
た。これによれば、透過中心波長λmは光軸の傾きθの
関数ゆえ、この傾きを調整することにより、透過中心波
長λmを変えることができる。たとえば、nが1.5〜
2のとき、θを±45度調整すると、透過中心波長λm
は、12〜6%変動する。このことは、θが0度のと
き、たとえば波長λm=1.6μmとすれば、0.19
〜0.1μmまで変化することができることになり、図
2から明らかなごとく、透過率の調整が実用的に可能と
なる。
両波長の透過率を等しくするように調整する。つまり、
この波長λmが、図1におけるフィルタ61の波長λ1
であり、この波長λ1の光ファイバ1における透過率α
1と、フィルタ62の波長λ2の光ファイバ1における
透過率α2の関係がα1=α2となるように、あらかじ
め測定開始前に、測定波長帯を調整すれば、光ファイバ
1の長さによる影響はなくなる。なお、フィルタ62の
角度も同様に調整するようにし、両波長とも調整するよ
うにしてもよい。
示す。図示しない光ファイバから入射する放射エネルギ
ーをハーフミラー5を介して2方に分岐し、一方の光は
波長λ2の光を透過するフィルタ62を介して検出素子
72に入射させ、他方の光は、プリズム、グレーティン
グ(回折格子)等の連続スペクトルを発生する分光手段
60で分光し、この分光手段60の角度を可変とし調整
手段91で傾けることで、所定の波長λ1の光をスリッ
ト10aを介し検出素子71に入射させる。この分光手
段60による波長λ1の光ファイバ1における透過率α
1と、フィルタ62の波長λ2の光ファイバ1における
透過率α2の関係がα1=α2となるように測定波長帯
を調整すれば、光ファイバ1の長さによる影響はなくな
る。
入射する放射エネルギーの光を、プリズム、グレーティ
ング(回折格子)等の連続スペクトルを発生する分光手
段60で分光し、所定位置の検出素子71にスリット1
0aを介し波長λ1の光を入射させ、また、別の所定位
置の検出素子72にスリット10bを介し波長λ2の光
を入射させる。これら検出素子71,72の位置を調整
手段92で可変とし調整することにより、分光手段60
で分光された光の特定波長λ1、λ2の光を検出素子7
1、72に入射する。この分光手段60による波長λ1
の光ファイバ1における透過率α1と、波長λ2の光フ
ァイバ1における透過率α2の関係がα1=α2となる
ように測定波長帯を調整すれば、光ファイバ1の長さに
よる影響はなくなる。
で求めた測定波長帯が実現されるように調整する必要が
あるが、実際に調整を行うには、図4で示すように、た
とえば図1で示した光ファイバ1の先端部1aを所定温
度T(K)の黒体炉11の空洞部に挿入し、黒体炉11
の温度を熱電対等の温度センサ12で検出し、測定手段
13で温度Tを測定し、指示手段13aで表示する。ま
た、光ファイバ1からの放射エネルギーは、たとえば図
1で示すハーフミラー5、フィルタ61、62、検出素
子71、72、増幅手段A1、A2、比率演算手段8
0、演算手段8等を含む放射温度計4に相当する測定手
段14で測定され、温度Sを指示手段14aに表示す
る。そして、調整手段9を調整して、各測定手段13、
14の指示手段13a,14aの指示温度T、Sが一致
するうにし、その後、光ファイバ1を測定に用いれば、
正しい温度Tが、光ファイバ1の長さに関係なく測定す
ることができる。
明したが、3波長以上を利用した放射温度計についても
同様に適用して、光ファイバの長さに関係なく正しい温
度測定を行うことができる。
イバを介し、2つの異なる測定波長帯の検出出力から2
色演算を行うとともに、測定を行う前に、測定波長帯の
一方もしくは双方の測定波長帯を調整し、各測定波長帯
の光ファイバにおける透過率が等しくなるようにしたも
のである。このように、透過率が等しい測定波長帯を用
いて2色演算を行っているので、光ファイバの透過率の
影響を受けることなく高精度の測温を行うことができ、
しかも、長さについての考慮は不要で、ファイバ長の変
化の影響を受けずに、連続的に長い時間測定が安定的、
高精度に可能となる。
Claims (1)
- 【請求項1】測定対象から光ファイバを介して入射する
放射エネルギーを分光する分光手段と、この分光手段で
分光されたれた光のうち2つの異なる測定波長帯につい
ての光を検出する検出素子と、この検出素子の2つの測
定波長帯についての出力信号の比率を求め温度を演算す
る演算手段と、前記分光手段で分光され検出素子に入射
する2つの測定波長帯の一方又は両方を調整し両波長に
ついての光ファイバの透過率が等しくなるようにするた
めの調整手段とを備えたことを特徴とする光ファイバ放
射温度計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08555494A JP3325700B2 (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 光ファイバ放射温度計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08555494A JP3325700B2 (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 光ファイバ放射温度計 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07270242A JPH07270242A (ja) | 1995-10-20 |
JP3325700B2 true JP3325700B2 (ja) | 2002-09-17 |
Family
ID=13862051
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08555494A Expired - Lifetime JP3325700B2 (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 光ファイバ放射温度計 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3325700B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7024644B2 (ja) * | 2017-07-21 | 2022-02-24 | 日本製鉄株式会社 | 温度測定装置、温度測定方法及びプログラム |
-
1994
- 1994-03-31 JP JP08555494A patent/JP3325700B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07270242A (ja) | 1995-10-20 |
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