JP3325350B2 - レーザ露光装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

レーザ露光装置及び半導体装置の製造方法

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JP3325350B2 JP20227693A JP20227693A JP3325350B2 JP 3325350 B2 JP3325350 B2 JP 3325350B2 JP 20227693 A JP20227693 A JP 20227693A JP 20227693 A JP20227693 A JP 20227693A JP 3325350 B2 JP3325350 B2 JP 3325350B2
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Lasers (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スペクトル幅を狭帯域
化し狭帯域レーザ光を用いて半導体ウエハ等の露光処
理を行うレーザ露光装置及び半導体装置の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】レーザ露光装置としては、例えばSPI
E Vol.633 Optical Microlithography Vに記載
されている一般的である。図22はかかるレーザ露光装
置の構成図である。このレーザ露光装置は、露光光源と
なる狭帯域エキシマレーザ発振装置1から出力された狭
帯域レーザ光2を投影露光装置3に導く構成となってい
る。
【0003】このうち狭帯域エキシマレーザ発振装置1
は、レーザ共振器を形成する各ミラー4a、4bを有
し、これらミラー4a、4b間に放電部5が形成され
る。又、このレーザ発振装置1には、出力安定化装置6
及び波長安定化装置7が備えられている。
【0004】一方、投影露光装置3は、入射した狭帯域
レーザ光2を、反射鏡8、走査ミラー9を経て複眼レン
ズ(フィーズド・アレイ・レンズ)10に通し、さらに
開口部11、コールドミラー12、コンデンサレンズ1
3を通してレチクル14に照射する。このレチクル14
を通過したレーザ光は、投影レンズ(焼付レンズ)15
でにより集光されて半導体ウエハ16に焼き付けられ
る。このレーザ光の照射によりレチクル14に形成され
たパターンが、半導体ウエハ16に転写される。
【0005】このようなレーザ露光では、投影レンズ1
5の焦点距離を一定にすることが必要であるため、狭帯
域レーザ光の波長も図23に示すように一定に制御して
いる。
【0006】このレーザ光の波長の安定化は、波長安定
化装置7により行うが、現在のレーザ露光装置として要
求されている波長の安定度は、Proc.of1989 Int
erm.Symp on.MicroProcess Conference pp2
2−24に述べられているように±0.5pm以内であ
る。
【0007】一方、露光用の狭帯域レーザ光は、Hgラ
ンプのg線(0.436μm)、i線(0.365μ
m)、よりも短波長(KrF;0.248μm、Ar
F;0.193μm)であるので、0.2〜0.4μm
の微細な回路パターンに加工に適用される。
【0008】この場合、レーザ露光における解像度Rと
焦点深度DOFとは、それぞれ次式により表される。 R =±k1 ・λ/N.A. …(1) DOF=±k2 ・λ/N.A.2 …(2) ここで、λは狭帯域レーザ光の波長、N.A.は投影レ
ンズ15の開口数、k1、k2 は定数である。
【0009】これら式から図24に示すように、解像度
Rを向上させるためには、投影レンズ15の開口数N.
A.を増大すること、狭帯域レーザ光の短波長化が有効
であることが分かる。逆に焦点深度DOFを向上させる
には、この逆であることが分かる。従って、現在では、
解像度Rを向上させ、さらに焦点ずれ等に対する許容度
を得るための焦点深度DOFを確保することが重要とな
っている。
【0010】例えば、狭帯域レーザ光の波長0.248
μmにおいて、N.A.=0.5、k1 =0.8、k2
=0.7とすると、解像度Rとしては0.4μmが得ら
れるが、焦点深度DOFとしては0.7μm程度とな
る。
【0011】このように焦点深度DOFを向上させる必
要の理由としては、 (1) 半導体ウエハ16を載置するX−YステージのZ方
向の位置決めを精度高くすることが困難であり、又、X
−Yステージの振動や半導体ウエハ16の歪みに対する
許容度がなくなる。 (2) 写真食刻工程(PEP;Photo Engraving Pro
cesc)において数回の露光を行うと、半導体ウエハ16
に対する積層の厚みが変化し、露光の光軸方向における
ベストな焦点位置が異なることが挙げられる。
【0012】一方、上記焦点ずれの因子としては、レン
ズに起因するもの、オートフォーカスの誤差、デバイス
のパターンを含めた半導体ウエハ上の凹凸が挙げられ
る。ここで、0.35μmデザインルール(64MD相
当)を例に挙げて説明すると、レンズに起因する誤差が
0.5μm、オートフォーカス誤差が0.1μm、半導
体ウエハ上の凹凸が0.55μmであり、トータルで
1.15μm程度の誤差が存在する。従って、少なくと
も1.15μm以上の焦点深度DOFを確保することが
必要である。
【0013】これに対して現状は、0.8μm程度(レ
ーザ光248.4nm、N.A.=0.5、k2 =0.
8)しか得られておらず、焦点深度DOFの向上が急務
とされている。
【0014】又、半導体ウエハ上の凹凸に関しては、ウ
エハ自体の平坦化、レジスト厚さのばらつき、デバイス
の平坦度等が挙げられる。このうちデバイスの平坦度に
関しては、デバイスの高スピード化の要求に伴い、Al
の多層配線を行うことにより凹凸が増えている。図25
はかかるAlの多層配線を示しており、シリコン基板1
7a上には、絶縁膜17bが形成され、その上にAl一
層配線17cが形成されている。さらに、保護膜17d
が形成され、その上にAl二層配線17eが形成されて
いる。現在ではAl一層配線17cの段差を抑えるため
の工程を入れている。これらの工程も露光時の焦点深度
の許容度を得るために行われている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上のように解像度R
を向上させるために開口数N.A.を増大させ、逆に焦
点深度DOFを向上させるに開口数N.A.を減少しな
ければならない状況下にあって、解像度Rを向上させ、
さらに焦点深度DOFを確保することが要求されてい
る。
【0016】
【0017】
【0018】そこで、本発明は、レーザ露光において焦
点深度を向上できるレーザ露光装置及びこのレーザ露光
装置を用いた半導体装置の製造方法を提供することを目
的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1によれば、レチ
クルに形成されたパターンを被処理体に転写するため
に、少なくとも2つの波長のレーザ光を露光光学系に入
射するレーザ発振装置を備えたレーザ露光装置におい
て、レーザ発振装置のレーザ共振器内に配置され、この
レーザ共振器内の光を狭帯域化する第1の狭帯域化素子
と、レーザ共振器内に配置され、第1の狭帯域化素子よ
りもさらに光を狭帯域化する第2の狭帯域化素子と、こ
れら狭帯域化素子のレーザ共振器の光軸に対する配置位
置を調整して各狭帯域化素子に入射するレーザ光の入射
角を可変する発振調整手段と、レーザ発振装置から出力
されたレーザ光の光量及び波長に関する情報を取得する
ための手段とを備え、2つの波長のレーザ光の光量比及
び波長の双方を調整する必要があるときは、第2の狭帯
域化素子の配置位置の調整を行うよりも先に第1の狭帯
域化素子の配置位置の調整を行なうように制御すること
を特徴とするレーザ露光装置である。
【0020】請求項2によれば、上記レーザ露光装置に
おいて、第1及び第2の狭帯域化素子は、エタロンであ
る。
【0021】請求項3によれば、上記レーザ露光装置に
おいて、2つの波長の間隔を5pm以内とする。
【0022】請求項4によれば、上記レーザ露光装置に
おいて、レーザ発振装置は、エキシマレーザ発振装置で
ある。
【0023】請求項5によれば、半導体基板に回路を形
成するために、レチクルに形成されたパターンを転写し
て露光する露光工程を備える半導体装置の製造方法にお
いて、露光工程は、光を狭帯域化する第1の狭帯域化素
子及びこの第1の狭帯域化素子よりもさらに光を狭帯域
化する第2の狭帯域化素子をレーザ共振器内に備えるレ
ーザ発振装置から出力された少なくとも2つの波長のレ
ーザ光を露光光学系に入射する工程と、レーザ発振装置
から出力されたレーザ光の光量及び波長に関する情報を
取得する工程とから成り、かつ2つの波長のレーザ光の
光量比及び波長の双方を調整する必要があるときは、第
2の狭帯域化素子のレーザ共振器の光軸に対する配置位
置を調整して当該第2の狭帯域化素子に入射するレーザ
光の入射角を可変する工程と、この工程の後に、第1の
狭帯域化素子のレーザ共振器の光軸に対する配置位置を
調整して当該第1の狭帯域化素子に入射するレーザ光の
入射角を可変する工程とから成ることを特徴とする半導
体装置の製造方法である。
【0024】請求項によれば、上記半導体装置の製造
方法において、半導体装置は、多層配線構造を備えてい
る。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【作用】請求項1によれば、レチクルに形成されたパタ
ーンを被処理体に転写するために、レーザ共振器内に配
置されて光を狭帯域化する第1の狭帯域化素子と、この
第1の狭帯域化素子よりもさらに光を狭帯域化する第2
の狭帯域化素子とのレーザ共振器の光軸に対する配置位
置を発振調整手段により調整して各狭帯域化素子に入射
するレーザ光の入射角を可変し、レーザ発振装置から出
力されたレーザ光の光量及び波長に関する情報を取得
し、2つの波長のレーザ光の光量比及び波長の双方を調
整する必要があるときは、第2の狭帯域化素子の配置位
置の調整を行うよりも先に第1の狭帯域化素子の配置位
置の調整を行なう。
【0034】この場合、請求項2によれば、第1及び第
2の狭帯域化素子はエタロンであり、請求項3によれ
ば、2つの波長の間隔を5pm以内とし、請求項4によ
れば、レーザ発振装置は、エキシマレーザ発振装置であ
る。
【0035】請求項5によれば、半導体基板に回路を形
成するために、レチクルに形成されたパターンを転写し
て露光するのに、第1及び第2の狭帯域化素子をレーザ
共振器内に備えたレーザ発振装置から出力された少なく
とも2つの波長のレーザ光を露光光学系に入射し、又レ
ーザ発振装置から出力されたレーザ光の光量及び波長に
関する情報を取得し、かつ2つの波長のレーザ光の光量
比及び波長の双方を調整する必要があるときは、第2の
狭帯域化素子のレーザ共振器の光軸に対する配置位置を
調整して当該第2の狭帯域化素子に入射するレーザ光の
入射角を可変し、この後に、第1の狭帯域化素子のレー
ザ共振器の光軸に対する配置位置を調整して当該第1の
狭帯域化素子に入射するレーザ光の入射角を可変する。
【0036】この場合、請求項6によれば、半導体装置
は多層配線構造を備えている。
【0037】
【0038】
【0039】
【実施例】(1) 以下、本発明の第1実施例について図面
を参照して説明する。なお、図22と同一部分には同一
符号を付してその詳しい説明は省略する。図1は狭帯域
レーザ発振装置を用いたレーザ露光装置の構成図であ
る。露光用光源としての狭帯域エキシマレーザ発振装置
20は、レーザ媒質としてKrF、ArFを用いたもの
で、その波長はKrFで0.248μm、ArFで0.
193μmである。
【0040】この狭帯域エキシマレーザ発振装置20
は、レーザ本体21内に気密容器22が設けられ、この
気密容器22の両端側にそれぞれレーザ共振器を形成す
る各ミラー23a、23bが配置されている。
【0041】気密容器22内には、レーザ媒質としてK
rFエキシマレーザの場合にNe、F2 、Krの混合ガ
スが封入され、又、ArFエキシマレーザの場合にN
e、F2 、Arの混合ガスが封入されるものとなる。
【0042】又、気密容器22内には、レーザ媒質が放
電励起される放電部24が形成される。上記レーザ共振
器(各ミラー23a、23b)の具体的な構成について
図2を参照して説明する。
【0043】レーザ共振器ミラー23aには、狭帯域化
素子としてのエタロン25が配置されている。このエタ
ロン25は、レーザ共振器中のレーザ光のスペクトル幅
を3pmまで狭帯域化する機能を有している。
【0044】このエタロン25は、回転ステージ26上
に設けられており、この回転ステージ26はステッピン
グモータ27の駆動によりステップ状に回転するものと
なっている。なお、28は高反射ミラーである。
【0045】このように回転ステージ26をステップ状
に回転することによりエタロン25に対するレーザ共振
器光軸が断続的に変化する。すなわち、エタロン25に
入射するレーザ共振器中のレーザ光の入射角度が断続的
に変化する。この入射角度の変化によりレーザ光の波長
は、図3に示すようにステップ状に変化する。
【0046】又、ステッピングモータ27に代えてアナ
ログ式マイクロメータ付の回転ステージを使用すると、
エタロン25に入射するレーザ光の角度は連続的に変化
し、レーザ光の波長は、図4に示すように連続的に変化
する。
【0047】一方、レーザ共振器ミラー23bには、出
力ミラー29及びビームスプリッタ30が配置され、か
つシャッター31が設けられている。波長安定化装置
(スペクトルモニタ)32は、ビームスプリッタ30に
より分岐される狭帯域レーザ光を入射し、この狭帯域レ
ーザ光の波長をモニタして制御装置33に送る機能を有
している。
【0048】この制御装置33は、波長安定化装置32
によるモニタ波長とレーザ露光装置3から送られてくる
レーザ波長設定値との差を求め、この波長差を無くす駆
動制御信号をステッピングモータ27に送ってフィード
バック制御する機能を有している。なお、制御装置33
は、モニタ波長とレーザ波長設定値とが一致したときに
シャッター31を開放する機能を有している。
【0049】又、狭帯域エキシマレーザ発振装置20に
は、電源34、ガス供給排気装置35及びエネルギーモ
ニタ36を備えている。次に上記の如く構成された装置
の作用について説明する。
【0050】レーザ露光装置3は、1回露光における各
波長の設定値及びその間隔を、狭帯域エキシマレーザ発
振装置20の制御装置33に送る。これら波長の設定値
は、例えば、図5(a) に示すように波長λ1 、λ2 、λ
3 (λ2 <λ1 <λ3 )となっている。
【0051】かかる状態に、制御装置33により電源3
4から電力が供給されてレーザ共振器内のレーザ媒質が
放電励起されると、このレーザ共振器からレーザ光が取
り出される。
【0052】このとき、波長安定化装置32は、ビーム
スプリッタ30により分岐される狭帯域レーザ光を入射
し、この狭帯域レーザ光の波長をモニタして制御装置3
3に送る。
【0053】この制御装置33は、波長安定化装置32
からのモニタ波長を受け、このモニタ波長とレーザ波長
設定値λ2 との差を求め、この波長差を無くす駆動制御
信号をステッピングモータ27に送る。
【0054】これによりステッピングモータ27は、駆
動して回転ステージ26をステップ状に回転させ、これ
に伴ってエタロン25に入射するレーザ共振器中のレー
ザ光の角度が変化する。このようにレーザ光の入射角度
が変化すると、レーザ共振器中のレーザ光の波長が変化
する。
【0055】この波長変化によりモニタ波長とレーザ波
長設定値λ2 とが一致すると、制御装置33はシャッタ
ー31をレーザ露光装置3から設定された期間だけ開放
する。
【0056】かくして、狭帯域エキシマレーザ発振装置
20から波長λ2 の狭帯域レーザ光が出力される。この
狭帯域レーザ光は、反射鏡8、走査ミラー9を経て複眼
レンズ10を通り、さらに開口部11、コールドミラー
12、コンデンサレンズ13を通してレチクル14に照
射する。このレチクル14を通過した狭帯域レーザ光
は、投影レンズ15により集光されて半導体ウエハ16
に照射される。
【0057】次に制御装置33は、波長安定化装置32
からのモニタ波長を受け、このモニタ波長とレーザ波長
設定値λ1 との差を求め、この波長差を無くす駆動制御
信号をステッピングモータ27に送る。
【0058】これにより上記同様にステッピングモータ
27の駆動により、エタロン25に入射するレーザ共振
器中のレーザ光の角度が変化し、モニタ波長とレーザ波
長設定値λ1 とが一致すると、制御装置33はシャッタ
ー31をレーザ露光装置3から設定された期間だけ開放
する。
【0059】かくして、狭帯域エキシマレーザ発振装置
20から波長λ1 の狭帯域レーザ光が出力され、この狭
帯域レーザ光がレチクル14を通して半導体ウエハ16
に照射される。
【0060】次に制御装置33は、上記同様にモニタ波
長とレーザ波長設定値λ3 との差を求め、この波長差を
無くすようにステッピングモータ27を駆動し、エタロ
ン25に入射するレーザ共振器中のレーザ光の角度を変
化させる。そして、モニタ波長とレーザ波長設定値λ3
とが一致すると、制御装置33はシャッター31をレー
ザ露光装置3から設定された期間だけ開放する。
【0061】かくして、狭帯域エキシマレーザ発振装置
1から波長λ3 の狭帯域レーザ光が出力され、この狭帯
域レーザ光がレチクル14を通して半導体ウエハ16に
照射される。
【0062】この結果、半導体ウエハ16に対する1回
の露光が終了する。このように各波長λ1 、λ2 、λ3
(λ2 <λ1 <λ3 )の狭帯域レーザ光を順次半導体ウ
エハ16に照射すると、半導体ウエハ16に対して図6
に示すように各波長λ1 、λ2 、λ3 ごとに異なった位
置に焦点面が形成される。この場合、波長λ2 の焦点面
が上面で形成され、波長λ1 の焦点面が中間で形成さ
れ、さらに波長λ3 の焦点面が下面で形成される。
【0063】従って、レチクル14に形成されたパター
ンが、焦点面を変えて多重に露光することになり、最終
的に形成されるパターンは、光軸方向において各波長λ
1 、λ2 、λ3 の光の強度分布の合成像となる。
【0064】図7には各波長λ1 、λ2 、λ3 の焦点位
置に対する光強度分布及びその合成像の光強度分布を示
すとともに従来装置での光軸方向の光強度分布が示され
ている。同図に示すように各波長λ1 、λ2 、λ3 の合
成像による露光の方が、従来よりも焦点深度DOFが向
上することが分かる。
【0065】例えば、従来において単一波長248.4
nmのレーザ光により露光した場合の焦点深度DOFが
0.8μmであるのに対し、本実施例において λ2 =248.400−0.002nm λ1 =248.4nm λ3 =248.400+0.002nm と設定すれば、焦点深度DOFは、1.6μmとなり約
2倍に向上する。
【0066】このように上記第1実施例においては、レ
ーザ共振器内にエタロン25を配置し、このエタロン2
5に入射するレーザ光の入射角度を、ステッピングモー
タ27の駆動により断続的に可変するようにしたので、
1回の露光において各波長λ1 、λ2 、λ3 の合成像に
よる露光を行い、この露光により焦点深度DOFを向上
させる狭帯域レーザ光を出力でき、かつこの狭帯域レー
ザ光を用いて露光処理することにより半導体ウエハ16
における焦点深度DOFを向上できる。
【0067】又、各波長λ1 、λ2 、λ3 に変化させて
焦点面を変化させるので、半導体ウエハ16を上下移動
させてアライメントする必要がなく、かつスループット
低下を抑えることができる。
【0068】さらに、1μm以下の微妙な焦点位置の変
動を可能にできる。なお、上記第1実施例は、次のよう
に種々変形してもよい。各波長λ1 、λ2 、λ3 の出力
順序は、図5(b) に示すように波長λ3 、λ1、λ2 の
順序としてもよく、又、同図(c) に示すように波長λ1
、λ2 、λ3 の順序としてもよい。このように各波長
λ1 、λ2 、λ3 の出力順序を種々変更して設定する
と、その出力順序の組み合わせ総数は8通りとなり、そ
の処理に応じて波長の出力順序を決定するようにしても
よい。
【0069】さらに、各波長は、次のように連続的又は
断続的に変化させてもよい。例えば図8に示すように波
長λ3 から連続的に長くし、波長λ1 を経て波長λ2 へ
と変化させてもよい。
【0070】又、図9に示すように波長λ1 より僅かに
短い波長から波長λ3 に向かって連続的に変化させ、次
に波長λ2 より僅かに短い波長から波長λ1 に向かって
連続的に変化させ、さらに同様に波長λ2 に向かって連
続的に変化させてもよい。
【0071】又、図10に示すように所定間隔毎(0〜
t1 、t1 〜t2 、t2 〜t3 )に波長λ3 から連続的
に波長λ2 以上の波長に向かって長く変化させることを
繰り返すようにしてもよい。
【0072】さらに上記第1実施例では、エタロン25
に代えて回折格子、プリズム等を用いてもよい。次に上
記第1実施例において、1回の露光に用いる狭帯域レー
ザ光の波長を、5pmの間で断続的に変化させる場合に
ついて説明する。
【0073】ここで、各波長λ1 、λ2 、λ3 は、例え
ば λ3 =253.9975nm λ1 =254.000nm λ2 =254.0025nm を用いる。この場合、波長λ1 の焦点面に対して、各波
長λ2 、λ3 の焦点面はそれぞれ光軸方向において±
0.5μmずれた位置に形成され、焦点深度DOF約
1.8μmが得られる。
【0074】次に上記第1実施例において、1回の露光
に用いる狭帯域レーザ光の波長を、1pmの間で断続的
に変化させる場合について説明する。波長を1pmの間
で断続的に変えると、焦点面は光軸方向に0.2μmず
れて形成され、波長を変化させる回数nに対して焦点深
度DOFは、0.2μm向上する。例えば、1回の露光
において、n=0の時の焦点深度DOFを1μmとする
と、狭帯域レーザ光を1pmづつ4回変化させると、焦
点深度DOFは1.8μmとなる。 (2) 次に本発明の第2実施例について説明する。なお、
図2と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は
省略する。
【0075】図11はレーザ露光装置に適用される狭帯
域レーザ発振装置の構成図である。レーザ共振器ミラー
23aには、狭帯域化素子としての各エタロン40、4
1が配置されている。
【0076】これらエタロン40、41は、レーザ共振
器中のレーザ光のスペクトル幅を狭帯域化するもので、
図12に示すように第1段目のエタロン40によりレー
ザ共振器による得られる広帯域のレーザ光をその10分
の1程度までに狭帯域化し、第2段目のエタロン41に
より同時に2つの波長帯域λ10、λ11を得る機能を有し
ている。
【0077】これらエタロン40、41は、それぞれ回
転ステージ42、43上に設けられている。これら回転
ステージ42、43は、それぞれステッピングモータ4
4、45の駆動によりステップ状に回転するものとなっ
ている。
【0078】なお、これらエタロン40、41は、その
配置位置を逆にしてもよい。これら回転ステージ44、
45のステップ状の回転により、各エタロン40、41
は、レーザ共振器の光軸に対してその配置位置が変更す
るものとなっている。
【0079】又、各ステッピングモータ44、45に代
えてアナログ式マイクロメータ付の回転ステージを使用
すると、各エタロン40、41に入射するレーザ光の角
度が連続的に変化するものとなっている。
【0080】制御装置33は、波長安定化装置32から
のモニタ波長を受け、このモニタ波長と2つのレーザ波
長設定値とに基づいて駆動制御信号を各ステッピングモ
ータ44、45に送る機能を有している。
【0081】具体的には、2つの波長λ10、λ11の間隔
を5pmに設定する。この場合、第2段目のエタロン4
1のFSRを5pmとする。又、2つの波長λ10、λ11
の間隔を1pmに設定してもよい。さらに、各波長λ1
0、λ11の間隔をN(pm)(N≧1)としたとき、F
SR=N(pm)(N≧1)とする。
【0082】次に上記の如く構成された狭帯域エキシマ
レーザ発振装置をレーザ露光装置に適用した場合につい
て説明する。なお、レーザ露光装置は、図1に示す装置
を適用している。
【0083】レーザ露光装置3は、1回露光における各
波長λ10、λ11の設定値及びその間隔(Npm)を、狭
帯域エキシマレーザ発振装置の制御装置33に送る。か
かる状態に、レーザ共振器内のレーザ媒質が放電励起さ
れると、このレーザ共振器からレーザ光が取り出される
と、波長安定化装置32は、ビームスプリッタ30によ
り分岐される狭帯域レーザ光を入射し、この狭帯域レー
ザ光の波長をモニタして制御装置33に送る。
【0084】この制御装置33は、このモニタ波長とレ
ーザ波長設定値λ10、λ11とに基づいて駆動制御信号を
ステッピングモータ44に送る。先ず、ステッピングモ
ータ44が駆動されて第1段目のエタロン40のレーザ
共振器光軸に対する配置角度が変えられる。この配置調
整により、図12に示すようにレーザ共振器による得ら
れる広帯域のレーザ光が10分の1程度までに狭帯域化
される。
【0085】次にステッピングモータ45が駆動されて
第2段目のエタロン41のレーザ共振器光軸に対する配
置角度が変えられる。この配置調整により、2つの波長
λ10、λ11が得られる。
【0086】このようにして同時に2つの波長λ10、λ
11が得られると、制御装置33はシャッター31を開放
する。かくして、狭帯域エキシマレーザ発振装置から2
つの波長λ10、λ11を有する狭帯域レーザ光が出力され
る。
【0087】この狭帯域レーザ光は、上記同様に反射鏡
8、走査ミラー9を経て複眼レンズ10を通り、さらに
開口部11、コールドミラー12、コンデンサレンズ1
3を通してレチクル14に照射する。このレチクル14
を通過した狭帯域レーザ光は、投影レンズ15により集
光されて半導体ウエハ16に照射される。
【0088】このように2つの波長λ10、λ11を含む狭
帯域レーザ光を半導体ウエハ16に照射すると、半導体
ウエハ16に対して図13に示すように2つの波長λ1
0、λ11ごとに異なった位置に焦点面が形成される。こ
の場合、波長λ11の焦点面が上面で形成され、波長λ10
の焦点面が下面に形成される。
【0089】従って、レチクル14に形成されたパター
ンが、焦点面を変えて同時にかつ多重に露光することに
なり、最終的に形成されるパターンは、光軸方向におい
て2つの波長λ10、λ11の光の強度分布の合成像とな
る。
【0090】従って、2つの波長λ10、λ11の合成像に
よる露光の方が、従来よりも焦点深度DOFが向上する
ことは上記の通りである。例えば、レーザ光の中心波長
λo =248.400nmにおいてN.A.=0.5、
2 =0.8とすると、従来において焦点深度DOFは
0.8μmとなるが、本第2実施例において、 λ10=248.400+0.001nm λ11=248.400−0.001nm(λ10とλ11の
間隔は2pm) の2つの波長帯域を用いると、焦点深度DOFは、1.
2μmまで向上する。
【0091】又、上記の如く2つの波長λ10、λ11の間
隔を5pmとした場合、例えば λ10=254.0025nm λ11=253.9975nm とした場合、焦点面は光軸方向において1μm離れた位
置に形成され、焦点深度DOFは約1.8μmが得られ
る。
【0092】又、2つの波長λ10、λ11の間隔を1pm
以上とした場合、それぞれの焦点面は光軸方向に0.2
N(μm)離れた位置に形成され、焦点深度DOFも
0.2N(μm)向上する。
【0093】このように上記第2実施例においては、各
エタロン40、41を用いて狭帯域レーザ発振装置から
2つの波長λ10、λ11を有するレーザ光を出力し、これ
をレーザ露光装置3に入射してレチクル14に形成され
たパターンを半導体ウエハ16に転写するようにしたの
で、1回の露光において2つの波長λ10、λ11の合成像
による露光を行い、この露光により焦点深度DOFを向
上させる狭帯域レーザ光を出力でき、かつこの狭帯域レ
ーザ光を用いて露光処理することにより半導体ウエハ1
6における焦点深度DOFを向上できる。従って、2つ
の波長λ10、λ11を有するレーザ光により各焦点面を形
成することになり、半導体ウエハ16を上下移動させて
アライメントする必要がなく、かつスループット低下を
抑えることができる。さらに、1μm以下の微妙な焦点
位置の変動を可能にできる。
【0094】なお、上記第2実施例に次のように種々変
形してもよい。例えば、狭帯域化する波長は、上記2つ
の波長λ10、λ11に限らずに複数の波長に狭帯域化して
もよく、この場合複数のエタロンや回折格子等の狭帯域
化素子を用いる。
【0095】又、2つの波長λ10、λ11の関係は、中心
波長をλo とするとき、 λ10>λo >λ11 λ10=λo >λ11 λ10>λo =λo λo >λ10>λ11 λ10>λ11>λo に設定してもよい。 (3) 次に本発明の第3実施例について説明する。なお、
図1と同一部分には同一符号をしてその詳しい説明は省
略する。
【0096】図14はレーザ露光装置の全体構成図であ
る。レーザ露光装置3には、露光制御装置50が備えら
れている。この露光制御装置50は、露光回数に対する
半導体ウエハ16表面上の平坦度、つまり高低差を予め
保持し、この高低差に対応した波長帯域の数及びその間
隔を決定して狭帯域レーザ発振装置20の制御装置3に
送る機能を有している。なお、露光時における半導体ウ
エハ表面上の高低差は、プロセス上周知のことである。
【0097】例えば、写真食刻工程において、第1回目
の露光では半導体ウエハ16に凹凸は存在しないが、第
2回目、第3回目、…の露光では半導体ウエハ16に凹
凸が形成され、その高低差に応じて狭帯域レーザ光の波
長帯域の数及びその間隔を決定する。
【0098】例えば、半導体ウエハ16に凹凸の高低差
に応じて狭帯域レーザ光の波長設定値λ20、λ21を決定
し、さらに写真食刻工程を重ねて高低差が大きくなる
と、3つの波長設定値λ22、λ23、λ24を決定する。図
15は半導体ウエハ16の凹凸高低差に対する波長の数
及びその間隔の例が示されている。
【0099】又、各波長λ20、λ21及びλ22、λ23、λ
24を発振するタイミングは、1回の露光において、図1
6に示すように2つの波長λ20、λ21の場合、同図(a)
に示すように波長λ20、λ21の順序に発振したり、又同
図(b) に示すように波長λ20からλ21に変え、再び波長
λ20で発振するようにしてもよい。
【0100】又、3つの波長の場合、同図(c) に示すよ
うにλ22、λ23、λ24の順序に発振したり、同図(d) に
示すようにλ24、λ23、λ22の順序に発振、さらには同
図(e) に示すようにλ23、λ22、λ24の順序に発振して
もよい。
【0101】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて説明する。レーザ露光装置3の露光制御装置50
は、1回目の露光に対する波長の設定値を、狭帯域エキ
シマレーザ発振装置20の制御装置33に送る。
【0102】かかる状態に、レーザ共振器内のレーザ媒
質が放電励起されると、このレーザ共振器からレーザ光
が取り出され、このときに波長安定化装置32は狭帯域
レーザ光の一部を入射してその波長をモニタする。
【0103】制御装置33は、モニタされた波長を受
け、このモニタ波長とレーザ波長設定値との差を求め、
この波長差を無くす駆動制御信号をステッピングモータ
27に送る。これによりエタロン25のレーザ共振器光
軸に対する角度が変化し、これに伴ってレーザ共振器中
のレーザ光の波長が変化する。
【0104】この波長変化によりモニタ波長とレーザ波
長設定値とが一致すると、制御装置33はシャッター3
1をレーザ露光装置3から設定された期間だけ開放す
る。かくして、狭帯域エキシマレーザ発振装置20から
波長設定値の狭帯域レーザ光が出力され、このレーザ光
が反射鏡8、走査ミラー9を経て複眼レンズ10を通
り、さらに開口部11、コールドミラー12、コンデン
サレンズ13を通してレチクル14に照射する。このレ
チクル14を通過した狭帯域レーザ光は、投影レンズ1
5により集光されて半導体ウエハ16に照射される。
【0105】次に半導体ウエハ16に対する2回目の露
光では、半導体ウエハ16の表面上の凹凸の高低差が形
成されているので、この高低差に応じて、例えば2つの
波長設定値λ20、λ21及びその間隔が決定される。
【0106】すなわち、露光制御装置50は、2回目の
露光に対する2つの波長λ20、λ21の設定値及びその間
隔を、狭帯域エキシマレーザ発振装置20の制御装置3
3に送る。
【0107】この制御装置33は、モニタ波長とレーザ
波長設定値λ20との差を求め、この波長差を無くす駆動
制御信号をステッピングモータ27に送る。これにより
エタロン25に入射するレーザ光の角度が変化し、レー
ザ共振器中のレーザ光の波長が変化する。この波長変化
によりモニタ波長がレーザ波長設定値λ20と一致する
と、狭帯域エキシマレーザ発振装置20からその波長λ
20の狭帯域レーザ光が出力される。
【0108】しかして、この狭帯域レーザ光が、レチク
ル14を通過して半導体ウエハ16に照射される。続い
て制御装置33は、モニタ波長がレーザ波長設定値λ21
と一致するようにエタロン25に入射するレーザ光の角
度を調整する。この調整によりモニタ波長がレーザ波長
設定値λ21と一致すると、狭帯域エキシマレーザ発振装
置20からその波長λ21の狭帯域レーザ光が出力され、
この狭帯域レーザ光が、レチクル14を通過して半導体
ウエハ16に照射される。
【0109】以上により2回目の露光が終了する。これ
以降、2回目、3回目、…の露光では、半導体ウエハ1
6の表面上の凹凸の高低差に応じて、例えば2つの波長
λ20、λ21、又は3つの波長λ22、λ23、λ24の設定値
及びその間隔が決定される。
【0110】このように上記第3実施例においては、半
導体ウエハ16に対する露光回数に応じた狭帯域レーザ
光の波長帯域の数及びその間隔を設定するようにしたの
で、半導体ウエハ16上の平坦度に応じて焦点深度DO
Fを変化させることができ、半導体ウエハ16の位置を
光軸方向に数μm程度移動及びアライメントする必要が
なくなり、スループットの低下を抑えることができる。 (4) 次に本発明の第4実施例について説明する。
【0111】図17は狭帯域レーザ発振装置の構成図で
ある。レーザ共振器を形成する各レーザミラー60、6
1の間には、レーザチャンバ62が配置されている。こ
のレーザチャンバ62内には、レーザ媒質が封入される
と共に各放電電極63、64が対向配置されている。
又、レーザチャンバ62におけるレーザ共振器の光軸方
向には、各窓65、66が形成されている。
【0112】レーザ共振器レーザミラー60とレーザチ
ャンバ62との間には、2つのエタロン67、68が配
置されている。このうち第1段目のエタロン67はレー
ザ共振器による得られる広帯域のレーザ光をその10分
の1程度までに狭帯域化する機能を有し、第2段目のエ
タロン41は2つの波長λ30、λ31を得る機能を有して
いる。
【0113】これらエタロン67、68は、それぞれ回
転ステージ69、70に設けられ、各エタロン駆動部7
1、72によりレーザ共振器光軸に対してその配置位置
が変化するものとなっている。
【0114】一方、ビームスプリッタ73がレーザ光の
出力光路上に配置され、狭帯域レーザ光の一部を分岐
し、これをミラー74、レンズ75、モニタ用エタロン
76、結像レンズ77を通してラインセンサ78に結像
する光学系が形成されている。又、この光学系には、参
照光源79からの参照光がミラー74を通して入射され
ている。
【0115】制御部80は、狭帯域レーザ光を波長λ3
0、λ31に制御する機能を有するもので、具体的に次の
各機能を有している。狭帯域レーザ光に含まれる各波長
λ30、λ31の各光量バランス変化を検出して各エタロン
67、68のうちバランス調整用のエタロン67のレー
ザ共振器光軸に対する配置位置を調整する光量調整手
段、狭帯域レーザ光に含まれる各波長λ30、λ31のうち
いずれか一方の波長が設定内であるかを検出して波長調
整用のエタロン68のレーザ共振器光軸に対する配置位
置を調整する波長調整手段である。
【0116】次に上記の如く構成された装置における波
長制御動作について説明する。各放電電極63、64間
で放電が発生すると、この放電励起によりレーザ共振器
レーザミラー60、61間にレーザ共振が起こる。この
レーザ光は、図18(a) に示すように広帯域であり、こ
れが第1段目のエタロン67を透過することにより同図
(b) に示すよう狭帯域化され、さらに第2段目のエタロ
ン68を透過することにより同図(c) に示すように2つ
の波長λ30、λ31に狭帯域化される。この狭帯域化によ
り2つの波長λ30、λ31の狭帯域レーザ光が出力され
る。
【0117】この狭帯域レーザ光の一部はビームスプリ
ッタ73により分岐し、これがミラー74、レンズ7
5、モニタ用エタロン76、結像レンズ77を通してラ
インセンサ78に結像する。これと共に参照光源79の
参照光が、ミラー74が入射してレンズ75、モニタ用
エタロン76、結像レンズ77を通してラインセンサ7
8に結像する。これによりラインセンサ78上には干渉
縞が生じる。図19はかかる干渉縞に対応したモニタ出
力波形を示している。
【0118】レーザ共振器の調整後、参照光源79の参
照光を用いて較正を行い、狭帯域レーザ光の発振波長λ
30、λ31と参照光との較正用パラメータを決定し、一定
時間毎に環境変化に応じた補正を行う。以下、この補正
について説明する。
【0119】先ず、制御部80は、図20の光量バラン
ス量算出流れ図に従い、ステップ#1において2つの波
長λ30、λ31間の光量(強度)バランスrを次式 r=(Dλ30−Dλ31)/(Dλ30+Dλ31) …(3) を用いて算出する。なお、Dλ30は波長λ30の光量、D
λ31は波長λ31の光量である。続いて制御部80は、ス
テップ#2においてバランス調整判断値r1、r2を決
定する。
【0120】次に制御部80は、図21に示す波長制御
流れ図に従い、ステップ#10においてラインセンサ7
8の出力信号を取り込み、次のステップ#11において
図18(c) に示す干渉縞のピークp1、p2を求めてそ
れぞれ波長に変換する。
【0121】次にステップ#12において (Dλ30−Dλ31)/(Dλ30+Dλ31)≧r1 であるかを判断し、この条件を満足すれば、制御部80
は、光量バランスが取れていないとして次のステップ#
13で光量バランス調整用のエタロン67のエタロン駆
動用パラメータを算出し、次にステップ#14において
このパラメータに従ってエタロン駆動部71を駆動して
回転ステージ69を回転させる。
【0122】この回転によりエタロン67は、レーザ共
振器光軸に対して配置位置が変化し、エタロン67への
レーザ光の入射角度が変化する。このエタロン67の配
置位置調整により2つの波長λ30、λ31の光量バランス
が調整される。
【0123】次に制御部80は、ステップ#15におい
て2つの波長λ30、λ31のうち一方の波長、例えば波長
λ30が設定内にあるかを判断する。すなわち、 |λ30−λ|≧ε を判断する。なお、他方の波長λ31については、レーザ
共振器内のエタロン67、68の特性により決定される
ので、制御のために確認の必要はない。
【0124】この判断の結果、上記条件を満足すれば、
制御部80は、波長λ30が設定外であるとして次のステ
ップ#16で波長調整用のエタロン68のエタロン駆動
用パラメータを算出し、次にステップ#17においてこ
のパラメータに従ってエタロン駆動部72を駆動して回
転ステージ70を回転させる。
【0125】この回転によりエタロン68は、レーザ共
振器光軸に対して配置位置が変化し、エタロン68への
レーザ光の入射角度が変化する。このエタロン68の配
置位置調整により2つの波長λ30、λ31の波長が設定内
に入る。
【0126】次に制御部80は、再び光量バランスの調
整を行なう。すなわち、制御部80は、ステップ#18
において (Dλ30−Dλ31)/(Dλ30+Dλ31)≧r2 であるかを判断し、この条件を満足すれば、光量バラン
スが取れていないとして次のステップ#19で光量バラ
ンス調整用のエタロン67のエタロン駆動用パラメータ
を算出し、次にステップ#20においてこのパラメータ
に従ってエタロン駆動部71を駆動して回転ステージ6
9を回転させる。
【0127】なお、大幅な光量バランスのくずれがある
場合、光量バランス調整の前に波長の調整を行なうと、
図19に示すように2つの波長λ30、λ31の干渉縞デー
タが得られなくなる可能性がある。
【0128】このように上記第4実施例においては、狭
帯域レーザ光の2つの波長λ30、λ31の各光量バランス
変化を検出して調整し、次に一方の波長λ30が設定内で
あるかを検出して波長調整するようにしたので、2つの
波長λ30、λ31を有する狭帯域レーザ光の波長を精度高
く安定に保持し制御できる。
【0129】従って、このように安定に制御された2つ
の波長λ30、λ31を有する狭帯域レーザ光をレーザ露光
装置に適用すれば、被処理体としての例えば半導体ウエ
ハにおける焦点深度を向上させることができ、実用性が
高い。
【0130】なお、上記第4実施例は次のように変形し
てもよい。例えば、エタロンを複数配置して複数の波長
を含む狭帯域レーザ光を出力する装置の波長制御にも適
用できる。
【0131】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、
処理体上の平坦度に応じて焦点深度を変化させることが
できるレーザ露光装置及びこのレーザ露光装置を用いた
半導体装置の製造方法を提供できる。又、本発明によれ
ば、レーザ露光において焦点深度を向上するために2つ
以上の波長帯域を有する狭帯域レーザ光を出力するにあ
たって、その発振波長及び光量バランスを常に安定に保
って半導体ウエハにおける焦点深度を向上できる半導体
装置の製造方法を提供できる。
【0132】
【0133】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるレーザ露光装置の第1実施例を
示す構成図。
【図2】同装置に適用される狭帯域レーザ発振装置の構
成図。
【図3】エタロンの配置位置をステップ状に変化したと
きの波長シフト量を示す図。
【図4】エタロンの配置位置を連続的に変化したときの
波長シフト量を示す図。
【図5】1回の露光における狭帯域レーザ光の波長変化
を示す図。
【図6】半導体ウエハ上における狭帯域レーザ光の各波
長の焦点面位置を示す図。
【図7】各波長の焦点深度を示す図。
【図8】狭帯域レーザ光の連続的な波長変化の一例を示
す図。
【図9】狭帯域レーザ光の連続的な波長変化の一例を示
す図。
【図10】狭帯域レーザ光の連続的な波長変化の一例を
示す図。
【図11】本発明に係わるレーザ露光装置の第2実施例
に適用される狭帯域レーザ発振装置の構成図。
【図12】同装置の発振波長を示す図。
【図13】半導体ウエハ上における狭帯域レーザ光の各
波長の焦点面位置を示す図。
【図14】本発明に係わるレーザ露光装置の第3実施例
を示す構成図。
【図15】半導体ウエハ表面の高低差に応じた波長の数
及びその間隔を示す図。
【図16】1回の露光における狭帯域レーザ光の波長変
化を示す図。
【図17】本発明に係わる狭帯域レーザ発振装置の第4
実施例を示す構成図。
【図18】同装置の発振波長を示す図。
【図19】同装置で波長調整を先に行なった場合の例を
示す図。
【図20】光量バランス調整判断値を求める流れ図。
【図21】波長制御動作の流れ図。
【図22】従来装置の構成図。
【図23】同装置の発振波長を示す図。
【図24】解像度と焦点深度との関係を示す図。
【図25】半導体ウエハにおける多層配線を示す図。
【符号の説明】
3…投影露光装置、8…反射鏡、9…走査ミラー、10
…複眼レンズ、12…コールドミラー、13…コンデン
サレンズ、14…レチクル、15…投影レンズ、16…
半導体ウエハ、20…狭帯域エキシマレーザ発振装置、
23a,23b…レーザ共振器ミラー、25…エタロ
ン、26…回転ステージ、27…ステッピングモータ、
32…波長安定化装置、33…制御装置、40,41…
エタロン、42,43…回転ステージ、44,45…ス
テッピングモータ、50…露光制御装置、60,61…
レーザミラー、67,68…エタロン、69,70…回
転ステージ、71,72…エタロン駆動部、78…ライ
ンセンサ、79…参照光源、80…制御部。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−212437(JP,A) 特開 平4−73926(JP,A) 特開 昭63−228693(JP,A) 特開 昭64−22087(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 3/00 - 3/30 G03F 7/20 505 H01L 21/027 JICSTファイル(JOIS)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レチクルに形成されたパターンを被処理
    体に転写するために、少なくとも2つの波長のレーザ光
    を露光光学系に入射するレーザ発振装置を備えたレーザ
    露光装置において、 前記レーザ発振装置のレーザ共振器内に配置され、この
    レーザ共振器内の光を狭帯域化する第1の狭帯域化素子
    と、 前記レーザ共振器内に配置され、前記第1の狭帯域化素
    子よりもさらに光を狭帯域化する第2の狭帯域化素子
    と、 これら狭帯域化素子の前記レーザ共振器の光軸に対する
    配置位置を調整して前記各狭帯域化素子に入射するレー
    ザ光の入射角を可変する発振調整手段と、 前記レーザ発振装置から出力されたレーザ光の光量及び
    波長に関する情報を取得するための手段とを備え、 前記2つの波長のレーザ光の光量比及び波長の双方を調
    整する必要があるときは、前記第2の狭帯域化素子の配
    置位置の調整を行うよりも先に前記第1の狭帯域化素子
    の配置位置の調整を行なうように制御することを特徴と
    するレーザ露光装置。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2の狭帯域化素子は、エ
    タロンであることを特徴とする請求項1記載のレーザ露
    光装置。
  3. 【請求項3】 前記2つの波長の間隔を5pm以内とす
    ることを特徴とする請求項1記載のレーザ露光装置。
  4. 【請求項4】 前記レーザ発振装置は、エキシマレーザ
    発振装置であることを特徴とする請求項1記載のレーザ
    露光装置。
  5. 【請求項5】 半導体基板に回路を形成するために、レ
    チクルに形成されたパターンを転写して露光する露光工
    程を備える半導体装置の製造方法において、 前記露光工程は、光を狭帯域化する第1の狭帯域化素子
    及びこの第1の狭帯域化素子よりもさらに光を狭帯域化
    する第2の狭帯域化素子をレーザ共振器内に備えるレー
    ザ発振装置から出力された少なくとも2つの波長のレー
    ザ光を露光光学系に入射する工程と、 前記レーザ発振装置から出力されたレーザ光の光量及び
    波長に関する情報を取 得する工程とから成り、 前記2つの波長のレーザ光の光量比及び波長の双方を調
    整する必要があるときは、前記第2の狭帯域化素子の前
    記レーザ共振器の光軸に対する配置位置を調整して当該
    第2の狭帯域化素子に入射するレーザ光の入射角を可変
    する工程と、 この工程の後に、前記第1の狭帯域化素子の前記レーザ
    共振器の光軸に対する配置位置を調整して当該第1の狭
    帯域化素子に入射するレーザ光の入射角を可変する工程
    と、 から成ることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記半導体装置は、多層配線構造を備え
    ていることを特徴とする請求項5記載の半導体装置の製
    造方法。
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