JP3690587B2 - 波長可変光フィルタ、レーザ装置及びレーザ波長安定化方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はターゲット波長からのレーザ波長の偏移を高精度に検出し安定化するための技術に関し、絶対波長確度を必要とする波長多重方式の光通信や光計測等に用いて有用である。
【0002】
【従来の技術】
マルチメディアサービスを支えるネットワークシステムの基盤技術として、波長多重光ネットワークは重要である。このような光ネットワークに要求される機能は、単に通信容量の増大のみならず、アッド、ドロップ、マルチプレクシングなど、光特有の機能が要求される。このような機能を実現するためには、光キャリアの高精度な波長制御技術を確立しなければならない。
【0003】
上記課題を解決ために従来より用いられている光フィルタや装置の典型は、図6に示すようなファブリペロー共振器の急峻な透過特性を利用したレーザ波長安定化装置である。図6において、符号50は透過波長スペクトル(以下、透過曲線)を示す。例えば、図7に示すように、ファブリペロー共振器の或る透過曲線50に対して、透過率が透過曲線の肩にかかる範囲(例えば透過率が0.1〜0.9の範囲)になるような波長λ0 をターゲット波長として設定し、レーザ光源の光出力強度は一定のまま波長のみ変化(ディザリング)させてレーザ光をファブリペロー共振器に入力し、透過光強度と予め定めた基準値との差を調べる。基準値とは、ゼロ基準α0 で示すレーザ波長がターゲット波長λ0 に等しいときの透過光強度である。透過光強度と基準値との差は、ターゲット波長λ0 に対するレーザ波長の波長偏移量と波長偏移方向を表す誤差信号となっている。従って、この誤差信号をレーザ光源の波長制御部に負帰還させ、誤差信号が常に0となるように、ループ利得等各種パラメータを最適化することにより、レーザ波長をターゲット波長λ0 にロックすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、レーザ光源の光出力強度を一定に保持する理由は、基準値に対する透過光強度の差により波長偏移を検出しているためであり、もしレーザ光源の光出力強度を一定に保持しないと、これによっても透過光強度が変化するため波長偏移(波長偏移量及び波長偏移方向)の検出精度が低下して、波長ロックの精度が低下する。従って、上述のようにレーザ光源の光出力強度を一定に保持したままレーザ波長を変化させる必要がある。
【0005】
しかし、多くのレーザ光源、特に半導体レーザでは、光出力強度を一定に保持したままレーザ波長を変化させることは難しく、結果的に、波長偏移を高精度に検出することができず、波長ロックが安定しないという問題点がある。なぜならば、レーザの発振波長を変化させる手段は、注入キャリア密度による実効屈折率制御やキャリア密度変化を伴う温度制御を用いて共振器長を間接的に制御する手段であるため、レーザ波長の変化は、光出力強度の変動を必然的に伴うからである。
【0006】
これとは別に、ファブリペロー共振器の透過帯域幅を狭くして波長偏移検出の感度を上げようとすると、安定な波長ロックが困難になるとう問題点がある。その理由を以下に述べる。
【0007】
(1) 図7に示すように、波長偏移検出の基準値に等しい透過光強度を与えるもう1つ別の波長λ0 ' が、透過中心波長を挟んでターゲット波長λ0 に対し反対側に存在する。
(2) この波長λ0 ' と本来のターゲット波長λ0 との差は、ファブリペロー共振器の透過帯域幅を狭くすると、極めて近くなる。
(3) 従って、別の波長λ0 ' 近傍ではなく、ターゲット波長λ0 近傍でレーザ波長が偏移する状態で、波長ロックを行う必要がある。
(4) レーザ波長がターゲット波長λ0 近傍で偏移する状態と、別の波長λ0 ' 近傍で偏移する状態とでは、誤差信号の変化の位相(誤差信号の変化方向と波長偏移方向との関係)が反転する。
(5) 従って、誤差信号がDC近傍の低周波領域である場合(波長変化の速度が緩慢な場合)は、誤差信号の変化の位相から、上記2つの状態を判別することができ、レーザ波長をターゲット波長λ0 にロックすることができる。
(6) しかし、波長多重方式の光通信等でレーザ波長を或るターゲット波長から別のターゲット波長に高速に切り換えてロックさせるような場合は、誤差信号がDC近傍よりも高い周波数領域となるため、位相遅れ等の影響を受けて、2つの状態を誤差信号の変化の位相から判別することは困難となる。その結果、レーザ波長を誤って別の波長λ0 ' にロックしようとする場合が生じ、負帰還ループが発振するなどの不安定な状態を引き起こす恐れがある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術に鑑み、本発明の第1の課題は、レーザ光源の光出力強度が変動しても、精密に波長偏移を検出できることである。また、本発明の第2の課題は、ファブリペロー共振器の透過帯域幅を狭くしても、安定な波長ロックを実現できることである。
【0011】
請求項1に係る発明は、入力した光を2分岐する分岐手段と、透過中心波長が互いに異なり、該2つの透過中心波長から等しく離れた中間の波長(以下、ターゲット波長)での透過率が0.1〜0.9の範囲で互いに等しくなるように共振器長の差が調整され、かつ、前記分岐手段により分岐された2つの光が1つずつ入射される2つのファブリペロー共振器と、該2つのファブリペロー共振器の共振器長を同時に制御する共振器長制御手段とを有し、前記2つのファブリペロー共振器として、表裏に多層膜からなる高反射率層を持ち、かつ、板厚が円周方向または直線方向に沿って線形に変化する1つの基板を有すること、前記共振器長制御手段は前記基板を回転または並進させることにより前記分岐手段から入射された2つの光の透過場所での共振器長を同時に制御するものであることを特徴とする波長可変光フィルタである。なお、2つのファブリペロー共振器となる基板からの透過光がフィルタ出力となる。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の波長可変光フィルタと、該波長可変光フィルタの分岐手段にレーザ光を入力するレーザ光源と、前記波長可変光フィルタが出力する2つの透過光の強度を独立に検出する2つの光検出器を有し、該2つの光検出器により検出された光強度の差が0となるように前記レーザ光源の波長を制御するものであることを特徴とするレーザ装置である。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のレーザ装置において、絶対波長安定化レーザ光源と、該絶対波長安定化レーザ光源が発生するレーザ光及び前記レーザ光源が発生するレーザ光のうち任意の一方を選択して前記光分岐手段に入力する選択手段を有し、該選択手段により前記絶対波長安定化レーザ光源が発生するレーザ光が選択された場合は前記2つの光検出器により検出された光強度の差が0となるように前記共振器長制御手段を制御し、前記選択手段により前記レーザ光源が発生するレーザ光が選択された場合は前記検出された光強度の差が0となるように前記レーザ光源の波長を制御するものであることを特徴とする。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の波長可変光フィルタのターゲット波長を前記共振器長制御手段により設定し、前記波長可変光フィルタにレーザ光源が発生するレーザ光を入力し、前記波長可変光フィルタが出力する2つの透過光の強度差が0となるように前記レーザ光源の波長を制御することを特徴とするレーザ波長安定化方法である。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載のレーザ波長安定化方法において、前記レーザ光源とは別の絶対波長安定化レーザ光源が発生するレーザ光を前記波長可変光フィルタに入力し、このときに前記波長可変光フィルタが出力する2つの透過光の強度差が0となるように、前記共振器長制御手段により前記ターゲット波長を設定することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図5及び図8を参照して、本発明を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態を示す。図2は本発明の第2の実施の形態を示し、図3は回転角度により共振器長が変化する様子を示し、図4は角度調整手段の一例を示す。図5は本発明の第3の実施の形態を示す。図8は2つのファブリペロー共振器の透過曲線(透過波長スペクトル)の典型例を示す。
【0017】
[発明の原理」
まず、図8を参照して本発明の原理を説明する。図8に示す典型例では、2つのファブリペロー共振器は、下記の条件(1) 〜(2) を満たすように、それぞれの共振器長の差が調整されている。図8において、曲線1は1つのファブリペロー共振器の透過曲線であり、波長λ1 はその透過中心波長である。曲線2はもう1つのファブリペロー共振器の透過曲線であり、波長λ2 はその透過中心波長である。また、波長λ0 は2つの透過中心波長λ1 、λ2 から等しく離れた中間の波長である。
(1) 2つの透過中心波長λ1 、λ2 は互いに異なる。
(2) 2つの透過中心波長λ1 、λ2 から等しく離れた中間の波長λ0 で、互いの透過率は0.1から0.9の範囲の1点で互いに等しい。この中間の波長λ0 がターゲット波長とされる。
【0018】
このように共振器長の差が調整された2つのファブリペロー共振器に、安定化しようとするレーザ光源からのレーザ光を光分岐手段により2分岐して、1つずつ入射する。
【0019】
レーザ波長がターゲット波長λ0 に一致している場合は、入射光に対する2つのファブリペロー共振器の透過率はそれぞれ、ゼロ基準α0 で示す透過率に等しい。従って、2つのファブリペロー共振器を透過したレーザ光の強度を各々光検出器で測定し、検出した光強度の誤差信号を差動増幅器等で求めれば、誤差信号は0となる。
【0020】
一方、レーザ波長がターゲット波長λ0 から偏移している場合は、誤差信号は波長偏移(ターゲット波長λ0 からのレーザ波長の偏移)の方向と量を反映したものであり、一般には、誤差信号は波長偏移に対してS字状の誤差曲線を描く。この誤差曲線は、安定化しようとするレーザ光源の光出力強度の高低にかかわらず、ターゲット波長λ0 で原点(誤差信号がゼロの点)を通過する。従って、レーザ光源の波長をターゲット波長λ0 近傍で変化させたときに光出力強度が緩やかに変動するのにとどまれば、誤差信号を適当なループフィルタを通過させて増幅した後、レーザ光源の波長制御部に負帰還させることにより、レーザ波長をターゲット波長λ0 にロックすることが可能となる。
【0021】
即ち、レーザ光源の光出力強度が多少変動しても、この変動は誤差信号を求める際に相殺されるから、光出力強度の変動に影響されず、精密に波長偏移を検出でき、精度良くレーザ波長を安定化することができる。
【0022】
更に、上記の負帰還ループの引き込み範囲は、2つのファブリペロー共振器の透過曲線1、2の形状に依存するものの、半値全幅程度に渡り、従来よりも広い。また、この範囲では、引き込むレーザ波長は唯一であり、従来のようなターゲット波長近くの別の波長λ0 ’に起因する不安定な挙動を示すことがないから、透過曲線1、2の帯域幅が狭くても、また、波長変化が速くても、安定な波長ロックを実現することができる。
【0023】
以上を要するに、「入力光を少なくとも2分岐する分岐手段と、透過中心波長が互いに異なり、該2つの透過中心波長から等しく離れたターゲット波長での透過率が互いに等しくなるように共振器長の差が調整され、かつ、前記分岐手段により分岐された2つの光が1つずつ入射される2つのファブリペロー共振器とを有する」という構成の光フィルタを用いることにより、レーザ光源の光出力強度の変動に影響されずに、ターゲット波長に対する波長偏移を精密に検出でき、従って、精度良くレーザ波長を安定化できる。また、2つのファブリペロー共振器の透過曲線の帯域幅を狭くしたり、波長偏移を速くても、安定な波長ロックを実現できる。
【0024】
また、このような光フィルタに、2つのファブリペロー共振器の共振器長を同時に制御する共振器長制御手段を追加することにより、ターゲット波長が可変となるので、波長可変光フィルタが得られる。波長可変光フィルタの場合は、ターゲット波長を可変設定することにより、レーザ波長を可変範囲で任意の波長にロックできる。
【0025】
ここで、2つのファブリペロー共振器のターゲット波長(中間の波長)λ0 での透過率について述べる。ターゲット波長λ0 での透過率は、ターゲット波長での透過率は0.1から0.9の範囲の値であれば良い。好ましくは、例えば0.3から0.7の範囲の値、より好ましくは0.4から0.6の範囲の値を挙げることができ、1点のみ挙げるならば、例えば0.5とすれば良い。なお、ターゲット波長λ0 での透過率が0に近ほど、負帰還ループの引き込み範囲が広くなり、0に近過ぎると、ターゲット波長前後で誤差信号の変化が少なくなる。
【0026】
[第1の実施の形態]
図1を参照して、第1の実施の形態として、波長可変光フィルタを説明する。図1において、3は分岐比が50対50の方向性結合器、4と5は入射光用ファイバコリメータ、6は回転ステージ、7は平行平面基板、8と9は高反射率層、10と11は透過光用ファイバコリメータ、12と13は光ファイバ、14は波長可変光フィルタである。平行平面基板7は段差7aが付いたものであり、その表裏両面に、高反射率層8、9を備えている。回転ステージ6はそれのモータ6aにより回転軸周りに回転する。モータ6aとしては、例えばステッピングモータや超音波モータが利用可能である。
【0027】
本例の波長可変光フィルタ14は、表裏に高反射率層8、9を持つ段差7a付きの平行平面基板7を、2つのファブリペロー共振器として有している。この場合、平行平面基板7上に段差7aによって設けられた2つの領域が、2つのファブリペロー共振器に相当する。また、段差7aの量が、平行平面基板7上の2つの領域(2つのファブリペロー共振器)の共振器長の差となり、透過中心波長のずれに対応する。
【0028】
このような2つのファブリペロー共振器(表裏に高反射率層8、9を持つ平行平面基板7上の段差7aで区画される2つの領域)は、段差7aの量と共振器のQ値との条件合わせにより、透過中心波長が互いに異なり、かつ、2つの透過中心波長から等しく離れたターゲット波長(中間の波長)での透過率が0.1〜0.9の範囲で互いに等しくなるように、共振器長の差が調整されている。
【0029】
波長可変光フィルタ14は、また、方向性結合器3を分岐手段として有しており、この方向性結合器3は入力光を2分岐し、分岐した2つの光を1つずつ、上述した2つのファブリペロー共振器(表裏に高反射率層8、9を持つ段差7a付きの平行平面基板7の2つの領域)に入射する。本例では、方向性結合器3で分岐された2つの光をそれぞれファイバコリメータ4、5を介して平行ビームに変換し、得られたコリメート光4a、5aを上述した2つのファブリペロー共振器に入射することとしている。
【0030】
波長可変光フィルタ14は、また、回転ステージ6を共振器長制御手段として有しており、表裏に高反射率層8、9を持つ段差7a付きの平行平面基板7は回転ステージ6上に縦に配置されている。この回転ステージ6が回転軸回りに回転することにより、2つの光の入射方向に沿う高反射率層8、9間の距離が回転角度に応じて同時に変化するので、入射された2つの光の透過場所での共振器長が同時に変化し、従って、それぞれの透過中心波長が同時に変化する。平行平面基板7の上記2つの領域(2つのファブリペロー共振器)の各透過光がフィルタ出力である。本例では、2つの透過光をそれぞれファイバコリメータ10、11を介して平行ビームに変換し、得られたコリメート光を光ファイバ12、13を介して出力することとしている。
【0031】
ここで、平行平面基板7の表裏の反射層は基本的には限定されないが、反射率を高くするために多層膜からなる高反射率層8、9を用いている。本例では高反射率層8、9を、それぞれ屈折率が異なる2種類の4分の1波長の誘電体膜を交互に積層して構成してある。外側の2つの層は同じ屈折率を持つように配置してあり、このため、各高反射率層8、9とも全層数は奇数となる。
【0032】
一方、透過スペクトル(透過曲線)の形状は、上述した2つのファブリペロー共振器(平行平面基板7の2つの領域)の共振器長とは無関係に、共振器のQ値に依存する。従って、Q値に応じた段差7aの量、または、段差7aの量に応じたQ値のいずれかの条件合わせを行うことにより、ターゲット波長(2つの透過中心波長から等しく離れた中間の波長)における互いの透過率を0.1〜0.9の範囲で等しくすることができる。
【0033】
ファブリペロー共振器のQ値は、高反射率層8、9の反射率、即ち、高反射率層8、9を構成する誘電体多層膜の総数に依存し、計算によって正確に予測可能である。また、エッチング等、半導体プロセスにおいて成熟した技術を用いれば、ナノメートルオーダーで段差7aの量を制御可能である。従って、ターゲット波長における互いの透過率を0.1〜0.9の範囲で等しくするように、Q値に応じた段差7aの量、または、段差7aの量に応じたQ値のいずれかの条件を満たすように、2つのファブリペロー共振器(平行平面基板7の2つの領域)を設計し、作成することが可能である。
【0034】
レーザ光源の波長を安定化するには、波長可変光フィルタ14のターゲット波長を回転ステージ6の回転により予め設定し、波長可変光フィルタ14にレーザ光源が発生するレーザ光を入力し、波長可変光フィルタ14が出力する2つの透過光の強度差が0となるようにレーザ光源の波長制御部に負帰還をかけて波長を制御することで実現できる。従って、波長可変光フィルタ14と、それの方向性結合器3にレーザ光を入力するレーザ光源を組合せ、波長可変光フィルタ14の2つの透過光の強度を光検出器で独立に検出し、検出された光強度の差が0となるようにレーザ光源の波長を制御するように構成することにより、波長が安定化したレーザ装置が得られる。
【0035】
また、レーザ波長の安定化に際し、安定化対象のレーザ光源とは別の絶対波長安定化レーザ光源を用意し、絶対波長安定化レーザ光源が発生するレーザ光を波長可変光フィルタ14に入力し、このときに波長可変光フィルタ14が出力する2つの透過光の強度差が0となるように、モータ6aの回転駆動でターゲット波長を設定することにより、レーザ波長が極めて安定化する。従って、波長可変光フィルタ14と、それの方向性結合器3にレーザ光を入力するレーザ光源、これとは別の絶対波長安定化レーザ光源を組合せ、絶対波長安定化レーザ光源が発生するレーザ光及びレーザ光源が発生するレーザ光のうち任意の一方を選択手段で選択して方向性結合器3に入力し、絶対波長安定化レーザ光源が発生するレーザ光を選択した場合に光検出器で独立に検出した2つの透過光の強度の差が0となるようにモータ6aを制御し、レーザ光源が発生するレーザ光を選択した場合に検出した光強度の差が0となるようにレーザ光源の波長を制御するように構成することにより、波長が極めて安定化したレーザ装置が得られる。
【0036】
[第2の実施の形態]
図2、図3、図4を参照して、第2の実施の形態として、別の波長可変光フィルタを説明する。図2において、3は方向性結合器、4と5は入射光用ファイバコリメータ、8と9は高反射率層、10と11は透過光用ファイバコリメータ、12と13は光ファイバ、15はウェッジ形円板、16は波長可変光フィルタ、24はモータである。ウェッジ形円板15は、その表裏両面に、高反射率層8、9を備えている。モータ24はウェッジ形円板15をその軸の周りに回転駆動する。モータ24としては、例えばステッピングモータや超音波モータが利用可能である。
【0037】
本例の波長可変光フィルタ16は、表裏に高反射率層8、9を持つウェッジ形円板15を、2つのファブリペロー共振器として有している。ウェッジ形円板15自体は、その板厚が円周方向に沿って線形に変化する円形の基板である。本例では、ウェッジ形円板15の板厚は半径方向には一様なものとしている。
【0038】
この場合、表裏に高反射率層8、9を持つウェッジ形円板15上の、円周方向に離れた2つの点が、2つのファブリペロー共振器に相当する。また、これら円周方向の2点での板厚の差が、当該2点(2つのファブリペロー共振器)の共振器長の差となり、透過中心波長のずれに対応する。
【0039】
このようなウェッジ形円板15の2点(2つのファブリペロー共振器)は、板厚差と共振器のQ値との条件合わせにより、透過中心波長が互いに異なり、かつ、2つの透過中心波長から等しく離れたターゲット波長(中間の波長)での透過率が0.1〜0.9の範囲で互いに等しくなるように、共振器長の差が調整される。
【0040】
波長可変光フィルタ16は、また、方向性結合器3を分岐手段として有しており、この方向性結合器3は入力光を2分岐し、分岐した2つの光を1つずつ、上述した2つのファブリペロー共振器(表裏に高反射率層8、9を持つウェッジ形円板15の2点)に入射する。本例では、方向性結合器3で分岐された2つの光をそれぞれファイバコリメータ4、5を介して平行ビームに変換し、得られたコリメート光4a、5aを上述した2つのファブリペロー共振器に入射することとしている。
【0041】
波長可変光フィルタ16は、また、モータ24を共振器長制御手段として有しており、モータ24は表裏に高反射率層8、9を持つウェッジ形円板15をディスク回転軸回りに回転する。これにより、図3に示すように、2つの光の入射方向に沿う高反射率層8、9間の距離が、ディスク回転軸回りの角度Ψに比例して同時に変化するので、入射された2つの光の透過場所(表裏に高反射率層8、9を持つウェッジ形円板15の2点)での共振器長が同時に変化でき、従って、それぞれの透過中心波長が同時に変化する。ウェッジ形円板15の上記2点(2つのファブリペロー共振器)の各透過光がフィルタ出力である。本例では、2つの透過光をそれぞれファイバコリメータ10、11を介して平行ビームに変換し、得られたコリメート光を光ファイバ12、13を介して出力することとしている。
【0042】
ここで、ウェッジ形円板15の表裏の高反射率層8、9は、第1の実施の形態と同様の誘電体の多層膜からなっている。
【0043】
また、透過スペクトル(透過曲線)の形状は、上述した2つのファブリペロー共振器(ウェッジ形円板15の2つの点)の共振器長とは無関係に、共振器のQ値に依存する。従って、Q値に応じたウェッジ形円板15の2つの点での板厚差、または、ウェッジ形円板15の2つの点での板厚差に応じたQ値のいずれかの条件合わせを行うことにより、ターゲット波長(2つの透過中心波長から等しく離れた中間の波長)における互いの透過率を0.1〜0.9の範囲で等しくすることができる。
【0044】
ファブリペロー共振器のQ値は、前述のように、高反射率層8、9の反射率、即ち、高反射率層8、9を構成する誘電体多層膜の総数に依存し、計算によって正確に予測可能である。また、エッチング等、半導体プロセスにおいて成熟した技術を用いれば、ウェッジ形円板15の円周方向に沿う板厚の線形変化量をナノメートルオーダーで制御可能である。
【0045】
従って、第1の実施の形態と同様、ターゲット波長における互いの透過率を0.1〜0.9の範囲で等しくするように、Q値に応じたウェッジ形円板15の2つの点での板厚差、または、ウェッジ形円板15の2つの点での板厚差に応じたQ値のいずれかの条件を満たすように、2つのファブリペロー共振器(ウェッジ形円板15の2つの点)を設計し、作成することは可能である。
【0046】
本例では、図3に示すように、2つの光4a、5aがウェッジ形円板15を透過する場所(位置)がなす角度ΔΨによってウェッジ形円板15の2つの点での板厚差、即ち共振器長差が変化することに着目し、この角度ΔΨを調整することにより、2つのファブリペロー共振器の互いの透過率を0.1〜0.9の範囲で等しくなるようにしている。図4に角度ΔΨの調整手段の一例を示す。
【0047】
図4において、17と19はコリメートビーム系の取付具、18はモータである。取付具17はファイバコリメータ4を取り付けるものであり、その位置は固定している。取付具19はファイバコリメータ5を取り付けるものであり、その位置はウェッジ形円板15のディスク面と平行な面内に回転可能である。モータ18は位置可変の取付具19を回転駆動する。モータ18の回転により角度ΔΨが調整される。このようなモータ18としては、例えばステッピングモータや超音波モータが利用可能である。図4中の4aと5aはウェッジ形円板15に入射される2つの光であるが、これらの位置は角度ΔΨの調整時のビームの透過位置を示している。前述のように、表裏に高反射率層8、9を有するウェッジ形円板15は円周方向には線形の透過波長の変化特性を有しているが、半径方向には一様である。このため、調整時のビーム透過位置が角度ΔΨとともに変化しても、実効的に上記2つのファブリペロー共振器の共振器長の差を変えることができる。
【0048】
レーザ光源の波長を安定化するには、上記角度調整手段を有する波長可変光フィルタ16全体をモータ24で回転駆動して、2つのファブリペロー共振器の透過中心波長を一括制御することにより、ターゲット波長を予め設定し、波長可変光フィルタ16にレーザ光源が発生するレーザ光を入力し、波長可変光フィルタ16が出力する2つの透過光の強度差が0となるようにレーザ光源の波長制御部に負帰還をかけて波長を制御することで実現できる。従って、波長可変光フィルタ16と、それの方向性結合器3にレーザ光を入力するレーザ光源を組合せ、波長可変光フィルタ16の2つの透過光の強度を光検出器で独立に検出し、検出された光強度の差が0となるようにレーザ光源の波長を制御するように構成することにより、波長が安定化したレーザ装置が得られる。
【0049】
また、レーザ波長の安定化に際し、安定化対象のレーザ光源とは別の絶対波長安定化レーザ光源を用意し、絶対波長安定化レーザ光源が発生するレーザ光を波長可変光フィルタ16に入力し、このときに波長可変光フィルタ16が出力する2つの透過光の強度差が0となるように、モータ24の回転駆動でターゲット波長を設定することにより、レーザ波長が極めて安定化する。従って、波長可変光フィルタ16と、それの方向性結合器3にレーザ光を入力するレーザ光源、これとは別の絶対波長安定化レーザ光源を組合せ、絶対波長安定化レーザ光源が発生するレーザ光及びレーザ光源が発生するレーザ光のうち任意の一方を選択手段で選択して方向性結合器3に入力し、絶対波長安定化レーザ光源が発生するレーザ光を選択した場合に光検出器で独立に検出した2つの透過光の強度の差が0となるようにモータ24を制御し、レーザ光源が発生するレーザ光を選択した場合に検出した光強度の差が0となるようにレーザ光源の波長を制御するように構成することにより、波長が極めて安定化したレーザ装置が得られる。
【0050】
[第2の実施の形態のバリエーション]
上述した第2の実施の形態では、表裏に高反射率層8、9を持つ基板として、板厚が円周方向に沿って線形に変化するウェッジ形円板15を用いたが、ウェッジ形円板15の代わりに、板厚が直線方向に沿って線形に変化する基板を用いることが可能である。この場合の共振器長制御手段は、板厚の変化方向に沿って基板を移動させるもの、つまり基板を並進させるものであれば良く、この並進駆動により、方向性結合器3から入射された2つの光の透過場所での共振器長が同時に制御できる。
【0051】
[第3の実施の形態]
次に、図5を参照して、第3の実施の形態として、第2の実施の形態で説明した波長可変光フィルタ16を用いたレーザ装置及びレーザ波長安定化方法を説明する。図5において、3は方向性結合器、4と5は入射光用ファイバコリメータ、10と11は透過光用ファイバコリメータ、16は図2〜図4に示したウェッジ形円板を用いた波長可変光フィルタ、20は安定化対象のレーザ光源、21は絶対波長安定化レーザ光源、22はハーフミラー、23は1×2の光スイッチ、24を波長可変光フィルタ16の共振器長制御用モータ、25はモータ24の駆動回路、26はロータリーエンコーダ、27はカウンタ、28はと29はフォトダイオード等の光検出器、30と31は利得調整回路、32は差動増幅器、33はアナログ/デジタル変換器、34はバス、35は演算処理回路(CPU)、36はメモリ、37はインターフェイス、38は位置指令信号、39は駆動信号、40は位置検出信号、41は位置検出データ、42は波長制御信号、43は波長が安定化されたレーザ光である。レーザ光源20としては、波長可変範囲の狭いもの、あるいは、波長可変範囲の広いいわゆる波長可変レーザ光源、いずれも用いることができる。インターフェイス37は、外部との適宜な信号授受に使用される。
【0052】
絶対波長安定化レーザ光源21は波長基準として用いられるものである。このような絶対波長安定化レーザ光源21としては、アセチレンやHCNなど1.55μm帯に吸収線を持つガスセルを用いた絶対波長安定化DFBレーザが使用可能である。
【0053】
本例では、この絶対波長安定化レーザ光源21の波長をアンカーとして、2つのファブリペロー共振器として機能する波長可変光フィルタ16のFSR(free spectral range:例えば波長多重における1nmの波長間隔)毎にずれた波長で、レーザ光源20のレーザ波長をロックする。
【0054】
ここで、図5に示すレーザ装置は、基本的には、波長可変光フィルタ16と、レーザ光源20と、絶対波長安定化レーザ光源21と、絶対波長安定化レーザ光源21が発生するレーザ光及びレーザ光源20が発生するレーザ光のうち任意の一方を選択して波長可変光フィルタ16の方向性結合器3に入力する1×2の光スイッチ23と、波長可変光フィルタ16が出力する2つの透過光の強度を独立に検出する2つの光検出器28、29を有し、光スイッチ23により絶対波長安定化レーザ光源21が発生するレーザ光が選択された場合は2つの光検出器28、29により検出された光強度の差が0となるようにモータ(共振器長制御手段24)を制御し、レーザ光源20が発生するレーザ光が選択された場合は検出された光強度の差が0となるようにレーザ光源20の波長を制御するするものである。
【0055】
まず、絶対波長安定化レーザ光源21から出力される光を1×2光スイッチ23で選択した後、波長可変光フィルタ16に入力する。この場合、波長可変光フィルタ16では、入力光を分岐比が50:50の方向性結合器3により2分岐した後、各々透過中心が異なる2つのファブリペロー共振器を透過し、2つの光検出器28、29で2つの透過光の強度を独立に検出し、それぞれの検出信号を差動増幅器32に入力する。ここで、2つの光検出器28、29の検出出力をターゲット波長において全く等しくするために、2つの光検出器28、29からの検出信号は、利得調整回路30、31により個別に信号強度を補償した後、差動増幅器32に入力される。つまり、2つの光検出器28、29の検出感度のバラツキを補償している。差動増幅器23の出力信号は、波長可変光フィルタ16の2つのファブリペロー共振器を透過した光の強度差に比例した信号(誤差信号)である。この誤差信号が0となるように、波長可変光フィルタ16の2つのファブリペロー共振器の透過中心波長を調整することにより、以下に述べる手順で、波長可変光フィルタ16に絶対波長安定化レーザ光源21による波長基準を与えることができる。
【0056】
波長可変光フィルタ16に属する2つのファブリペロー共振器の透過中心波長を一括調整するには、第2の実施の形態と同様に、波長可変光フィルタ16のウェッジ形円板15を回転させれば良い。光波長可変光フィルタ16における光ビームの透過位置と透過中心波長は一義的に決まるので、本例では、高確度で透過中心波長を制御するために、絶対的な回転角度制御を行う。このため、ウェッジ形円板15の外縁部に回転角度検出用のマークを付与してある。そして、そのマークをセンサで読み取ることにより原点からそのマークまでの移動角度を検出するロータリーエンコーダ26を、波長可変光フィルタ16と一体となって組み込んである。また、絶対回転角度情報を得るために、ロータリーエンコーダ26で検出した位置信号40を角度に変換するためのカウンター27を設けている。このようにして得られる角度情報(位置データ)40と、差動増幅器32が発生する誤差信号をそれぞれデジタル値に変換し、バス34を介してメモリ36に蓄積し、更に、CPU35で誤差信号を0とするような回転移動角度を算出する。この回転移動角度の値を位置指令信号38として駆動回路25に与え、この駆動回路25が位置指令信号38に基づいて発生する駆動信号39をウェッジ形円板15ドライブ用のモータ24に負帰還して与える。このようにして、誤差信号が常に0となるまで、または、誤差信号が或る許容値以下となるまで、波長可変光フィルタ16の回転制御を行うことにより、絶対波長安定化レーザ光源21による波長基準を波長可変光フィルタ16に与えることができる。
【0057】
かくして、波長可変光フィルタ16のターゲット波長は、絶対波長安定化レーザ光源21の波長を基準として、FSR毎に刻まれる。ここで、波長多重の場合、波長多重における各チャンネルはグリッドと呼ばれ、各チャンネルの波長はグリッド波長と呼ばれる。従って、波長可変光フィルタ16のターゲット波長はグリッド波長に相当する。
【0058】
次に、CPU35はバス34を介して1×2光スイッチ23を制御し、1×2光スイッチ23により、波長可変光フィルタ16に入力する光源をレーザ光源(例えば波長可変レーザ光源)20に切り換える。これにより、レーザ光源20からの光の一部がハーフミラー22を通して波長可変光フィルタ16の方向性結合器3に入力する。そして、絶対波長安定化レーザ光源21を選択した上記の場合と同様、2つの光が波長可変光フィルタ16を透過することによる誤差信号を、光検出器28、29及び差動増幅器32により得る。但し、今度の誤差信号は、絶対波長安定化レーザ光源21の波長を基準として波長可変光フィルタ16のFSR毎に刻んだグリッドの中で、レーザ光源20のレーザ波長に最も近いグリッド波長と、レーザ光源20のレーザ波長との差に相当する。
【0059】
そこで、目標となるグリッド波長を選択し、その近傍にレーザ光源の波長が来るように、まずレーザ光源20を祖調整する。その後、上記の誤差信号を波長制御信号42としてレーザ光源20の波長制御部に負帰還する。その際、適当なループパラメータの元で誤差信号が0または或る許容値以下となるように、レーザ光源20の波長を制御することにより、レーザ光源20を目標のグリッド波長(ターゲット波長)にロックオンすることができる。従って、ハーフミラー22を通して、波長が安定化したレーザ光43が出力される。
【0060】
本例では、レーザ波長の安定化をデジタル回路処理で行っているため、波長安定化に用いる波長可変フィルタ16やレーザ光源(波長可変レーザ光源を含む)20に合わせて、最適な制御パラメータをソフトウェア的に設定することができるという利点がある。また、バス34を介して外部通信用にインターフェイス37を設けることにより、レーザ光源20の波長を遠隔制御することが可能となる。デジタル回路処理以外の手法でレーザ波長を安定化するようにしても良い。
【0061】
図5に示すように、本例では、2つの利得調整回路30、31を用いたが、一方のみでも、光検出器28、29の出力が等しくなるように補償することができる。2つの光検出器28、29間に感度のバラツキがなければ、利得調整回路30、31は不要となる。また、処理速度向上のために2つの光検出器28、29を用いて独立に2つの透過光の強度を検出する代わりに、処理速度は遅くなるが、1つの光検出器で2つの透過光の強度を交互に検出することも可能である。更に、分岐手段(方向性結合器3)としては分岐比が50:50のものが好ましいが、それ以外でも、利得調整回路30、31の両方または一方を用いて信号強度を補償することにより、使用可能である。
【0062】
また、本例では、表裏に高反射率層8、9を持つウェッジ形円板15を利用した波長可変光フィルタ16を用いているが、その代わりに、表裏に高反射率層8、9を持つ段差付きの平行平面基板7を利用した波長可変光フィルタ14(第1の実施の形態)や、表裏に高反射率層8、9を持つ板厚が直線方向に沿って線形に変化する基板(第2の実施の形態のバリエーション)を用いても、同様に、レーザ光源20を目標のグリッド波長(ターゲット波長)にロックオンすることができる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、レーザ光源の光出力強度が変動に影響されず、常にターゲットとする波長との偏移を精密に検出ことができ、これによって、精密な波長ロックを実現することができる。また、ファブリペロー共振器の透過帯域幅を狭くしても、安定な波長ロックを実現できることである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る波長可変光フィルタの構成を示す図。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る波長可変光フィルタの構成を示す図。
【図3】回転角度により共振器長が変化する様子を示す図。
【図4】角度調整手段の一例を示す図。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係るレーザ装置の構成を示す図。
【図6】ファブリペロー共振器の透過波長スペクトル(以下、透過曲線)を示す図。
【図7】ファブリペロー共振器を用いた従来のレーザ波長安定化技術を示す図。
【図8】本発明の原理説明のため、2つのファブリペロー共振器の透過曲線(透過波長スペクトル)の典型例を示す図。
【符号の説明】
3 方向性結合器
6 回転ステージ
6a モータ
7 平行平面基板
7a 段差
8、9 高反射率層
14、16 波長可変光フィルタ
15 ウェッジ形円板
20 レーザ光源
21 絶対波長安定化レーザ光源
24 モータ
28、29 光検出器
32 差動増幅器
Claims (5)
- 入力した光を2分岐する分岐手段と、
透過中心波長が互いに異なり、該2つの透過中心波長から等しく離れた中間の波長(以下、ターゲット波長)での透過率が0.1〜0.9の範囲で互いに等しくなるように共振器長の差が調整され、かつ、前記分岐手段により分岐された2つの光が1つずつ入射される2つのファブリペロー共振器と、
該2つのファブリペロー共振器の共振器長を同時に制御する共振器長制御手段とを有し、
前記2つのファブリペロー共振器として、表裏に多層膜からなる高反射率層を持ち、かつ、板厚が円周方向または直線方向に沿って線形に変化する1つの基板を有すること、
前記共振器長制御手段は前記基板を回転または並進させることにより前記分岐手段から入射された2つの光の透過場所での共振器長を同時に制御するものであることを特徴とする波長可変光フィルタ。 - 請求項1に記載の波長可変光フィルタと、
該波長可変光フィルタの分岐手段にレーザ光を入力するレーザ光源と、
前記波長可変光フィルタが出力する2つの透過光の強度を独立に検出する2つの光検出器を有し、
該2つの光検出器により検出された光強度の差が0となるように前記レーザ光源の波長を制御するものであることを特徴とするレーザ装置。 - 請求項2に記載のレーザ装置において、
絶対波長安定化レーザ光源と、
該絶対波長安定化レーザ光源が発生するレーザ光及び前記レーザ光源が発生するレーザ光のうち任意の一方を選択して前記光分岐手段に入力する選択手段を有し、
該選択手段により前記絶対波長安定化レーザ光源が発生するレーザ光が選択された場合は前記2つの光検出器により検出された光強度の差が0となるように前記共振器長制御手段を制御し、
前記選択手段により前記レーザ光源が発生するレーザ光が選択された場合は前記検出された光強度の差が0となるように前記レーザ光源の波長を制御するものであることを特徴とするレーザ装置。 - 請求項1に記載の波長可変光フィルタのターゲット波長を前記共振器長制御手段により設定し、
前記波長可変光フィルタにレーザ光源が発生するレーザ光を入力し、
前記波長可変光フィルタが出力する2つの透過光の強度差が0となるように前記レーザ光源の波長を制御することを特徴とするレーザ波長安定化方法。 - 請求項4に記載のレーザ波長安定化方法において、
前記レーザ光源とは別の絶対波長安定化レーザ光源が発生するレーザ光を前記波長可変光フィルタに入力し、
このときに前記波長可変光フィルタが出力する2つの透過光の強度差が0となるように、前記共振器長制御手段により前記ターゲット波長を設定することを特徴とするレーザ波長安定化方法。
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