JP3325327B2 - 感熱溶融転写材料およびその製造方法 - Google Patents

感熱溶融転写材料およびその製造方法

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JP3325327B2
JP3325327B2 JP04500593A JP4500593A JP3325327B2 JP 3325327 B2 JP3325327 B2 JP 3325327B2 JP 04500593 A JP04500593 A JP 04500593A JP 4500593 A JP4500593 A JP 4500593A JP 3325327 B2 JP3325327 B2 JP 3325327B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱転写に用いられる
感熱溶融転写材料およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱転写記録方法は、他の記録方法に比
べて低騒音、メンテナンスが容易であり、装置の簡便
性、小型軽量化が可能であるなどの理由で、コンピュー
タやファクシミリ等の各種の出力装置として、広く用い
られている。感熱転写記録媒体は、熱伝導性の良好な基
体の表面に、少なくとも一層の熱転写性の色材層を有し
ており、色材層は、加熱時に軟化あるいは溶融するワッ
クスやその他の低融点物質等と、カーボンブラックなど
の色材を混合したものを塗設したものであって、被記録
媒体と感熱転写記録媒体とを密着させた状態で、所望の
パターンが発熱したサーマルヘッドから与えられる熱に
よって感熱転写記録媒体から被記録媒体上に印字する方
法である。
【0003】また、サーマルヘッドによって所望のパタ
ーンを形成しながら画像を形成する方法以外に、感熱転
写方法には、基体上に形成した静電潜像を着色材を含む
熱溶融転写材料によって現像し、着色材による像を基体
上に形成した後に、記録紙等の記録媒体に加熱によって
熱転写を行うことによって印字する方法も行われてい
る。
【0004】さらに、感熱転写による記録方法では、印
字は黒の一色に限らず、多色の記録も行われており、
黄、赤、藍、および墨等2色以上の色から成る多色画面
を形成する場合には、これらの2色以上の感熱転写材料
を用意し、各色を順次同一の被転写材の同一表面に重ね
て転写を行い多色画像を形成している。
【0005】このような感熱転写記録媒体を使用して、
鮮明な印字を意図して多量の着色材を混入すると、色材
層からの印字すべき紙への付着が不十分になり、かえっ
て印字品質が劣るという問題がある。この傾向は、特に
表面平滑性度の低い用紙を用いたときに著しい。また、
印字の光沢も低く、綺麗さ・美麗しさにおいて満足する
ものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、サー
マルヘッドによる加熱の際、あるいは静電潜像の現像に
よって形成した画像を熱転写する際に、溶融剥離性が高
く、かつ転写面への接着性が良好で普通紙に対しても鮮
明で光沢のある高品質着色印字物を与える感熱記録材料
を提供することにある。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明は、加熱によっ
て記録媒体上に転写を行う着色剤を含有した感熱転写材
料において、カルボキシル基又はエステル基を有するオ
レフィン系熱可塑性樹脂、又は着色剤を添加したカルボ
キシル基又はエステル基を有するオレフィン系樹脂と大
部分の液状脂肪族炭化水素とからなる感熱溶融転写材料
において、少なくとも12の炭素原子を含む2価の飽和
または不飽和の脂肪族炭化水素、または少なくとも6個
の炭素原子を含む2価の芳香族炭化水素で、またヒドロ
キシ基とカルボキシル基との間には少なくとも4個の炭
素原子を有するヒドロキシカルボン酸エステルをモノマ
ーとする3〜10量体のポリ−12−ヒドロキシカルボ
ン酸エステルおよび液状脂肪族炭化水素と相溶性を有す
る電荷調整剤および感熱溶融可能なワックスを存在させ
た感熱溶融転写材料である。
【0008】また、形成された静電潜像に対して現像可
能であり、かつ帯電特性を阻害しないような熱可塑性樹
脂および−30℃〜150℃のガラス転移温度を有しか
つ500〜30,000の分子量を有するワックスより
なる感熱溶融転写材料である。また、全固形分に対して
顔料の占める割合が20〜75重量%である感熱溶融転
写材料である。
【0009】また、カルボキシル基またはエステル基を
有するオレフィン系熱可塑性樹脂、又は着色剤を添加し
たカルボキシル基又はエステル基を有するオレフィン系
樹脂該樹脂の溶解度の温度依存性が大きな溶媒に加熱溶
解して樹脂溶液とした後に、樹脂溶液を少なくとも12
の炭素原子を含む2価の飽和または不飽和の脂肪族炭化
水素、または少なくとも6個の炭素原子を含む2価の芳
香族炭化水素で、またヒドロキシ基とカルボキシル基と
の間には少なくとも4個の炭素原子を有するヒドロキシ
カルボン酸エステルをモノマーとする3〜10量体のポ
リ−12−ヒドロキシカルボン酸エステル、電荷調整剤
および感熱溶融可能なワックスの存在下に冷却した液状
の脂肪族炭化水素中に投入し樹脂粒子を析出させるとと
もに、樹脂を溶解した溶媒を該脂肪族炭化水素で置換す
る感熱溶融転写材料の製造方法である。
【0010】以下に、本発明の感熱溶融転写材料につい
て詳細に説明する。オレフィン系樹脂としては、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体としては、商品名で挙げると、東ソー
(株)製ウルトラセン・シリーズ、例えば510X,515F,53
0,537,537L,537S,525,520F, 540,540F,541,541L,625,63
0,630F,682,627,631,633,680,681,635,634,710,720,72
2,725,751,750,760等、住友化学工業(株)製スミテー
ト・シリーズ、例えばDD-10,HA-20,HC-10,HE-10,KA-10,
KA-20,KA-31,KC-10,KE-10,MB-11,RB-11 等、三井デュポ
ンケミカル (株)製エバフレックス・シリーズ、例えば
45X,Y-W,150,210,220,250,260,310,360,410,420,450,46
0,550,560 等、日本合成工業(株)ソアグレン・シリー
ズ、例えば BH,CH,CI,DH等、同ソアレックスシリーズ、
例えば RBH,RCH,RDH等、武田薬品工業(株)デュミラン
・シリーズ、例えばデュミランD-219 、D-229、D-251
S、C-2280、C-2270、C-1590、C-1570、C-1550等が挙げ
られる。また、三菱油化(株)製ユカロン−エバ、米国
デュポン社製エルパックス等を使用できる。
【0011】その他、ポリオレフィン樹脂を変性しカル
ボキシル基を導入したもの、一例を商品名で挙げると、
日本石油化学(株)製Nポリマー、東燃石油化学(株)
製東燃CMP−HAシリーズ、三菱油化(株)製MOD
IC、住友精密化学工業(株)製ザイクセン、三井東圧
化学工業(株)製ロンプライ、三井石油化学工業(株)
製アドマー等、また、エチレンとアクリル酸との共重合
体としては、商品名で挙げるとダウケミカル社製ダウE
AAコポリマー、三菱油化(株)ユカロンEAA、三井
・デュポンポリケミカル(株)ニュクレル、住友化学
(株)アクリフト等、更に、エチレンとアクリル酸又は
メタアクリル酸との共重合体、或いは更にそれらを架橋
させたいわゆるアイオノマー、商品名で挙げると米国デ
ュポン社製サーリン、三井・デュポンポリケミカル
(株)製ハイミラン、旭化成(株)製コーボレンラテッ
クス等、BASF社EVA1ワックス、また、エチレン
と酢酸ビニルとの共重合体の部分ケン化物、商品名で挙
げると、武田薬品工業(株)製デュミラン等、エチレン
とアクリル酸エステルとの共重合体、商品名で挙げると
日本ユニカー(株)製DPD−6169等、更にカルボ
キシル性のカルボニル基を含有するポリオレフィン系樹
脂等を挙げることができ、これらの樹脂を1種若しくは
2種以上を混合して使用することができる。
【0012】ワックス類としては、カルナバワックス、
モンタンワックス、蜜ろう、ライスワックス、キャンデ
ィワックス、ラノリンワックス、パラフィンワックス、
マイクロリスタリン、ポリエチレンワックス、サゾール
ワックス、酸化ワックス、アミドワックス、シリコンワ
ックスなどが挙げられる。
【0013】その中でも特に本発明に適したワックスの
具体例としては、エステル系ワックスとしてWAX
E、WAX F、WAX KPSおよびWAS BJが
挙げられ、部分鹸化エステル系ワックスとしてWAXO
P、WAX OM、WAX VWAX FL3(いずれ
もヘキスト社製)が挙げられる。
【0014】着色剤としては、公知の有機若しくは無機
の着色剤を使用することができる。ブラック系の着色剤
としては無機系のカ−ボンブラック、四三酸化鉄、有機
系のシアニンブラックが挙げられる。イエロー系着色剤
としては、無機系の黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸
化鉄、チタン黄、オーカー等が挙げられる。また、難溶
性金属塩(アゾレーキ)のアセト酢酸アニリド系モノア
ゾ顔料としては、ハンザイエローG( C.I.No. pigment
Yellow 1、以下、同様)、ハンザイエロー10G( p
igment Yellow 3)、ハンザイエローRN( pigment Y
ellow 65)、ハンザブリリアントイエロー5GX( p
igment Yellow 74)、ハンザブリリアントイエロー1
0GX( pigment Yellow 98)、パーマネントイエロ
ーFGL( pigment Yellow 97)、シムラレーキファ
ストイエロー6G( pigment Yellow 133)、リオノ
ールイエローK−2R( pigment Yellow 169)、ま
たアセト酢酸アニリドジスアゾ顔料としては、ジスアゾ
イエローG( pigment Yellow 12)、ジスアゾイエロ
ーGR( pigment Yellow 13)、ジスアゾイエロー5
G( pigment Yellow 14)、ジスアゾイエロー8G
( pigment Yellow 17)、ジスアゾイエローR( pig
ment Yellow 55)、パーマネントイエローHR( pig
ment Yellow 83)が挙げられる。
【0015】縮合アゾ顔料としては、クロモフタルイエ
ロー3G( pigment Yellow 93)、クロモフタルイエ
ロー6G( pigment Yellow 94)、クロモフタルイエ
ローGR( pigment Yellow 95)が挙げられる。更
に、ベンズイミダゾロン系モノアゾ顔料としては、ホス
タパームイエローH3G( pigment Yellow 154)、
ホスタパームイエローH4G( pigment Yellow 15
1)、ホスタパームイエローH2G( pigment Yellow
120)、ホスタパームイエローH6G( pigmentYell
ow 175)、ホスタパームイエローHLR( pigment
Yellow 156)が挙げられる。また、イソインドリノ
ン系顔料としては、イルガジンイエロー3RLTN( p
igment Yellow 110)、イルガジンイエロー2RL
T、イルガジンイエロー2GLT( pigment Yellow 1
09)、ファストゲンスーパーイエローGROH( pig
ment Yellow 137)、ファストゲンスーパーイエロー
GRO(pigment Yellow 110)、サンドリンイエロ
ー6GL( pigment Yellow 173)が挙げられ、その
他、スレン系顔料であるフラバントロン( pigment Yel
low 24)、アントラミリミジン( pigment Yellow 1
08)、フタロイルアミド型アントラキノン( pigment
Yellow 123)、ヘリオファストイエローE3R( p
igment Yellow 99)、金属錯体顔料であるアゾ系ニッ
ケル錯体顔料( pigment Green10)、ニトロソ系ニッ
ケル錯体顔料( pigment Yellow 153)、アゾメチン
系銅錯体顔料( pigment Yellow 117)、更にキノフ
タロン顔料であるフタルイミドキノフタロン顔料( pig
ment Yellow 138)等が挙げられる。
【0016】また、マゼンタ系着色剤としては無機系の
カドミウムレッド、ベンガラ、銀朱、鉛丹、アンチモン
朱が挙げられる。また、アゾ系顔料のアゾレーキ系とし
ては、ブリリアントカーミン6B( pigment Red57:
1)、レーキレッド( pigment Red53:1)、パーマ
ネントレッドF5R( pigment Red48)、リソールレ
ッド( pigment Red49)、ペルシアオレンジ( pigme
nt Orange17)、クロセイオレンジ( pigment Orange
18)、ヘリオオレンジTD( pigment Orange1
9)、ピグメントスカーレット( pigment Red60:
1)、ブリリアントスカーレットG( pigment64:1)、ヘリ
オレッドRMT( pigment Red51)、ボルドー10B
( pigment Red63)、ヘリオボルドーBL( pigment
Red54)が挙げられ、また、不溶性アゾ系(モノア
ゾ、ジスアゾ系、縮合アゾ系)としては、パラレッド
( pigment Red1)、レーキレッド4R( pigment Red
3)、パーマネントオレンジ( pigment Orange5)、
パーマネントレッドFR2( pigment Red2)、パーマ
ネントレッドFRLL( pigment Red9)、パーマネン
トレッドFGR( pigment Red112)、ブリリアント
カーミンBS( pigment Red114)、パーマネントカ
ーミンFB( pigment Red5)、P.V.カーミンHR
( pigment Red150)、パーマネントカーミンFBB
( pigmentRed146)、ノバパームレッドF3RK−
F5RK( pigment Red170)、ノバパームレッドH
FG( pigment Orange38)、ノバパームレッドHF
4B( pigment Red187)、ノバパームオレンジH
L.HL−70( pigment Orange36)、P.V.カ
ーミンHF4C( pigment Red185)、ホスタバーム
ブラウンHFR( pigment Brown25)、バルカンオレ
ンジ( pigment Orange16)、ピラゾロンオレンジ(
pigment Orange13)、ピラゾロンレッド( pigment R
ed38)が挙げられ、更に、縮合アゾ顔料としてクロモ
フタールオレンジ4R( pigment Orange31)、クロ
モフタールスカーレットR( pigment Red166)、ク
ロモフタールレッドBR( pigment Red144)が挙げ
られる。
【0017】また、縮合多環系顔料であるアントラキノ
ン顔料としてピランスロンオレンジ( pigment Orange
40)、アントアントロンオレンジ( pigment Orange
168)、ジアントラキノニルレッド( pigment Red1
77)が挙げられ、チオインジゴ系顔料としてチオイン
ジゴマゼンタ( pigment Violet38)、チオインジゴ
バイオレット( pigment Violet36)、チオインジゴ
レッド( pigment Red88)が挙げられ、ペリノン系顔
料としてペリノンオレンジ( pigment Orange43)が
挙げられ、更にペリレン系顔料として、ペリレンレッド
( pigment Red190)、ペリレンバーミリオン( pig
ment Red123)、ペリレンマルーン(pigment Red1
79)、ペリレンスカーレット( pigment Red14
9)、ペリレンレッド( pigment Red178)が挙げら
れ、キナクリドン系顔料としてキナクリドンレッド( p
igment Violet19)、キナクリドンマゼンタ( pigme
nt Red122)、キナクリドンマルーン( pigment Red
206)、キナクリドンスカーレット( pigment Red2
07)が挙げられ、その他、縮合多環顔料としてピロコ
リン系顔料、赤色系フルオルビン系顔料、染付けレーキ
系顔料(水溶性染料+沈殿剤→レーキ化固着)が挙げら
れる。
【0018】シアン系着色剤としては、無機系の群青、
紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー等が挙げら
れ、またフタロシアニン系として、ファーストゲンブル
−BB( pigment Blue 15)、スミトン・シアニン・
ブルーHB( pigment Blue 15)、シアニンブルー5
020( pigment Blue 15:1)、スミカプリント・
シアニン・ブルーGN−O( pigment Blue 15)、フ
ァスト・スカイブルーA−612( pigment Blue 1
7)、シアニン・グリーンGB( pigment Green7)、
シアニングリーンS537−2Y( pigment Green3
6)、スミトン・ファストバイオレットRL( pigment
Violet23)が挙げられ、また、スレン系顔料である
インダントロンブルー(PB−60P,PB−22,P
B−21,PB−64)、塩基性染料レーキ顔料である
メチルバイオレット・リン・モリブデン酸レーキ(PV
−3)等が挙げられる。その他、上記着色剤の表面に樹
脂をコーティングしたいわゆる加工顔料と呼ばれる着色
剤も同様に使用することができる。
【0019】また、感熱溶融転写材料の保存安定性、ま
たは得られた画像の透明性、混色性を考慮すると、上記
着色剤の中でも、ブラック系ではカ−ボンブラック、イ
エロー系としてはベンジジンイエロー及びハンザイエロ
ーの混合物、マゼンタ系ではブリリアントカーミン6
B、シアン系ではフタロシアニンブルーを使用すること
が好ましい。
【0020】着色剤は、二次凝集状態で粒径30〜15
0μmの粉末状のものを使用するとよく、またその使用
量は、樹脂重量に対して0.0001〜2000重量%
の範囲で任意に選択しうるが、オフセット印刷と同等の
多色の連続諧調を再現するためには、各色の感熱溶融転
写材料の被転写体への溶融転写後の光学反射濃度が0.
7以上あることが必要であり、特にシアンおよびブラッ
クに関しては1.0以上あることが望ましい。各色につ
いて光学反射濃度を0.7以上とするには、ブラック及
びシアンの場合、上記と同様の重量基準で10〜150
重量%であり、マゼンタの場合40〜150重量%、イ
エローの場合10〜100重量%とするとよい。いずれ
の色についても上記の範囲を越えると、現像後、地汚れ
を生じやすくなる。
【0021】また、電荷調整剤としてジアルキルスルホ
コハク酸金属塩、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸カル
シウム、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸コバル
ト、ナフテン酸鉄、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケ
ル、ナフテン酸クロム、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸マ
グネシウム、オクチル酸マンガン、オクチル酸カルシウ
ム、オクチル酸ジルコニウム、オクチル酸鉄、オクチル
酸鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸クロム、オクチ
ル酸亜鉛、オクチル酸マグネシウム、ドデシル酸マンガ
ン、ドデシル酸カルシウム、ドデシル酸ジルコニウム、
ドデシル酸鉄、ドデシル酸鉛、ドデシル酸コバルト、ド
デシル酸ニッケル、ドデシル酸クロム、ドデシル酸亜
鉛、ドデシル酸マグネシウム等の金属石鹸、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸カルシウム、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸バリウム
等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、レシチン、セハリ
ン等の燐脂質、n−デシルアミン等の有機アミン類等を
好ましく添加しうる。特に、ジアルキルスルホコハク酸
の遷移金属塩(コバルト、マンガン、ジルコニウム、イ
ットリウム、ニッケル等)を使用することが望ましい。
添加量は、電荷調整効果を示す最低限の量でよいが、通
常、電気絶縁性液体中で0.01〜50重量%とするの
がよい。
【0022】電荷調整剤は、樹脂溶液、着色剤分散液、
及びそれらの混合液、また造粒工程、最終の感熱転写材
料中いずれの段階で添加してもよいが、樹脂溶液中に添
加するのが好ましい。これにより、使用可能な電荷調整
剤が電気絶縁性液体により限定されないという利点があ
る。すなわち、電荷調整剤は電気絶縁性液体の電気抵抗
を著しく低下させるため、電気絶縁性液体中の存在量は
なるべく少ない方が望ましい反面、感熱溶融転写材料粒
子に確実に電荷調整剤を吸着させるために、電気絶縁性
液体中の電荷調整剤濃度は高い方が望ましく両者の条件
は相反する。しかしながら、樹脂溶液中に電荷調整剤を
添加して感熱溶融転写材料粒子への吸着を十分行わしめ
ることによって電気絶縁性液体中の電荷調整剤の量を十
分に低い値に保持することが可能となる。
【0023】次に、ポリヒドロキシカルボン酸エステル
について説明する。ポリヒドロキシカルボン酸エステル
は、造粒工程に添加されると得られる樹脂粒子が粒度分
布の揃ったものが得られることから、造粒調整機能を有
し、更に、感熱溶融転写材料中において樹脂粒子と親和
性を有することから分散剤としての機能も有することが
見いだされた。
【0024】重合原料であるヒドロキシカルボン酸エス
テルは、式HO−X−COOHのエステル等の誘導体で
あり、式中Xは少なくとも12の炭素原子を含む2価の
飽和または不飽和の脂肪族炭化水素、または少なくとも
6個の炭素原子を含む2価の芳香族炭化水素で、またヒ
ドロキシ基とカルボキシル基との間には少なくとも4個
の炭素原子がある。このようなヒドロキシカルボン酸誘
導体として好ましいものは、例えば12−ヒドロキシス
テアリン酸メチルエステル、12−ヒドロキシステアリ
ン酸エチルエステル等のヒドロキシカルボン酸アルキル
エステル、12−ヒドロキシカルボン酸リチウム、12
−ヒドロキシカルボン酸アルミニウム等のヒドロキシカ
ルボン酸の金属塩、またヒドロキシカルボン酸アマイ
ド、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0025】ポリヒドロキシカルボン酸エステルは、ヒ
ドロキシカルボン酸エステルを少量のアミン類もしくは
触媒の存在下、部分鹸化することにより重合させて得ら
れるもの、その重合形態として分子間でのエステル化に
よるもの、また分子内でのエステル化によるもの等の種
々の形態のものを含有するものである。本発明における
ポリヒドロキシカルボン酸エステルは、ヒドロキシカル
ボン酸エステルの3〜10量体が好ましく、淡灰褐色の
ワックス状物質である。ポリヒドロキシカルボン酸エス
テルは、その重合度が3より小さいか、または10より
大きいと、液状の脂肪族炭化水素と相溶性がなく、造粒
工程に使用しても樹脂粒子の粒度分布は所期のものは得
られない。ポリヒドロキシカルボン酸エステルの添加量
は、特に限定されないが、樹脂重量あたり0.01〜2
00重量%の割合で使用される。
【0026】ポリヒドロキシカルボン酸エステルは樹脂
溶液、あるいは顔料分散液中に添加してもよく、またポ
リヒドロキシカルボン酸エステルのミセルを形成する溶
液中に混合、さらには超音波によって分散してもよく、
造粒工程で添加してもよい。
【0027】本発明の造粒工程は、樹脂溶液、ポリヒド
ロキシカルボン酸エステル、着色剤、電荷調整剤等をの
原料を撹拌混合した後に液状脂肪族炭化水素からなる電
気絶縁性液体中に投入することにより行なわれる。造粒
工程では撹拌しなくてもよいが、好ましくは撹拌及び/
又は超音波照射等の分散手段により、析出する樹脂粒子
の分散を良くすることが望ましい。冷却速度については
ドライアイス、液体窒素等を使用して急冷しても、また
冷却した電気絶縁性液体に投入してもよく、また自然放
冷してもよい。樹脂溶液は電気絶縁性液体中に投入され
ると、樹脂溶液の温度差による樹脂粒子の析出と同時
に、樹脂に対する貧溶媒である電気絶縁性液体との溶解
度差により樹脂粒子が析出するものである。
【0028】この造粒工程において、ポリヒドロキシカ
ルボン酸エステルは電気絶縁性液体に相溶性を有し、他
方樹脂粒子と強い親和性を有するので、析出する樹脂粒
子は、その粒径がサブミクロン単位のものが得られ、か
つ粒度分布の狭いもの得られるものと考えられる。すな
わち、得られる粒子の粒径は0.1〜10μmの範囲
で、かつ平均粒径を示すD50が0.6〜0.8μmの単
一ピークを示し、従来の方法で必要とされていた樹脂粒
子のボールミリング操作、分級等を必要としないが、必
要に応じてボールミル、ピンピルあるいはジェットミル
等の粉砕機にて更に微粉砕しても良いことはいうまでも
ない。
【0029】次に、樹脂粒子を造粒した後に電気絶縁性
液体中から含まれている他の溶媒を除去することが望ま
しい。その方法としては、静置若しくは遠心分離等の手
段により析出樹脂粒子を分離、洗浄して溶媒を除去した
後に、電気絶縁性液体濃度を上げてもよいし、揮発性の
大きな樹脂の溶媒を使用している場合には、自然蒸発法
や、面積の大きな容器中において液面に熱風を送る方
法、減圧蒸留等の方法によって容易に除去することがで
きる。
【0030】このようにして得られる感熱溶融転写材料
中の樹脂粒子は、プラス或いはマイナスに帯電してい
る。例えばプラスに帯電しているものは、マイナス帯電
で使用する電子写真用感光体、例えば酸化亜鉛/樹脂感
光体においてポジ画像を与えるものである。
【0031】電荷調整剤は、樹脂溶液、着色剤分散液、
及びそれらの混合液、また造粒工程、最終の感熱溶融転
写材料中のいずれの段階で添加してもよいが、樹脂溶液
中に添加するのが好ましい。これにより、使用可能な電
荷調整剤が電気絶縁性液体により限定されないという利
点がある。すなわち、電荷調整剤は電気絶縁性液体の電
気抵抗を著しく低下させるため、電気絶縁性液体中の存
在量はなるべく少ない方が望ましい反面、感熱溶融転写
材料粒子に確実に電荷調整剤を吸着させるために、電気
絶縁性液体中の電荷調整剤濃度は高い方が望ましく両者
の条件は相反する。しかしながら、樹脂溶液中に電荷調
整剤を添加して感熱転写材料粒子への吸着を十分行わし
めることによって電気絶縁性液体中の電荷調整剤の量を
十分に低い値に保持することが可能となる。
【0032】また、本発明で得られる感熱溶融転写材料
には、その他の添加剤を用いることができる。例えば定
着剤として電気絶縁性液体に可溶な各種樹脂、例えば変
性或いは未変性のアルキッド樹脂、通常のアクリル樹
脂、合成ゴム、ポリアルキレンオキシド、ポリビニルブ
チラールを含むポリビニルアセタール、酢酸ビニル樹脂
等を添加できる。
【0033】また、本発明で得られる感熱溶融転写材料
には、分散剤として多くのアニオン系、カチオン系、両
性、或いはノニオン系の界面活性剤を添加でき、この
他、上記電荷調整剤として使用される脂肪族酸塩、また
上記定着剤として使用される合成樹脂等を分散剤として
用いることができる。
【0034】本発明による感熱溶融転写材料を静電潜像
で現像した後に、通常の紙等の転写対象に対して熱転写
すると、溶融剥離性が高く、かつ転写面への接着性が良
好であり、鮮明で高品質な画像を得ることができる。
【0035】また、本発明の感熱溶融転写材料を基体フ
ィルムの一方の面に着色剤を含む熱可塑性樹脂の層およ
びワックス層を設けたものである場合について説明す
る。合成樹脂、ワックス、着色剤を主成分として造粒し
た感熱溶融転写材料をバインダー樹脂、柔軟剤等ともに
混合して、塗布液を作製する。塗布液中の固形分100
重量部に対して着色剤、バインダー樹脂およびワックス
がそれぞれ20〜80重量部、10〜90重量部および
3〜35重量部の割合で配合されているものが好まし
い。
【0036】本発明において使用する基体フイルムは、
熱転写時に伸びたり破れたりしない強度を有し、記録用
熱ヘッドの熱により変形もしくは部分的に溶融しないも
のであればいずれのものでもよく、具体的には、ポリエ
ステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネ
ート、ポリイミドおよびその他のプラスチックフィル
ム、グラシン紙、コンデンサ紙、帳票用紙、インディア
ン紙およびその他の紙、金属箔ならびに以上のような各
材料の複合体であるアルミニウム−紙複合シート、金属
蒸着紙もしくは金属蒸着フィルムなどがあげられる。
【0037】基体フイルムとしてプラスチックフィルム
を使用した場合、感熱転写層が形成された面と反対の面
には、熱ヘッドが接するので、熱ヘッドへのスタッキン
グを防止する耐熱保護層は、耐熱性のある樹脂層、熱離
型剤または滑剤の働きをする物質等を主成分とすること
ができる。
【0038】基体フイルムの表面に形成する剥離層、ま
たは感熱転写インキ層の表面に形成する接着層は、ワッ
クスを主成分としており、使用するワックスとしては従
来公知のワックスがいずれも使用できる。ワックス類と
しては、カルナバワックス、モンタンワックス、蜜ろ
う、ライスワックス、キャンディワックス、ラノリンワ
ックス、パラフィンワックス、マイクロリスタリン、ポ
リエチレンワックス、サゾールワックス、酸化ワック
ス、アミドワックス、シリコンワックスなどが挙げられ
る。
【0039】その中でも特に本発明に適したワックスの
具体例としては、エステル系ワックスとしてWAX
E、WAX F、WAX KPSおよびWAS BJが
挙げられ、部分鹸化エステル系ワックスとしてWAXO
P、WAX OM、WAX VWAX FL3(いずれ
もヘキスト社製)が挙げられる。
【0040】添加剤としては、各種界面活性剤、高級脂
肪酸類(ステアリン酸、パミチン酸、ラウリン酸な
ど)、長鎖アルコール類(ステアリルアルコールな
ど)、長鎖脂肪酸の金属塩(ステアリン酸カルシウムツ
パルミチン酸亜鉛など)、酸化防止剤、各種可塑剤、シ
ランカップリング剤などを代表とする表面改質剤および
滑剤、シリコーンオイル、滑り防止粉体、熱電導率をコ
ントロールするような金属微粒子や粉。などが挙げられ
る。
【0041】また支持体(基体)と熱転写層の間に好ま
しく形成される剥離層は熱転写層に用いられたワックス
類、熱可塑性樹脂類、添加剤等を組合せて用いられる。
加熱時に溶融または軟化することによってそれ自体が凝
集破壊できる層であっても良いし、または、他の樹脂と
の組み合わせで比較的接着力を示しにくい樹脂、例え
ば、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂(ポリテトラフル
オロ樹脂、フッ素含有アクリル樹脂ど)、ポリシロキサ
ン樹脂、アセタール樹脂(ポリビニルブチラール、ポリ
ビニルアセタール、ポリビニルホルマールなど)、エチ
レン系樹脂(エチレンビニル樹脂、エチレンアクリレー
ト系樹脂、エチレンアクリル酸系アイオノマー樹脂)を
用いた層で構成できる。ただし、後者の接着力を示しに
くい樹脂による層構成の場合は、これに隣接する層の組
成によって、離型層の素材も大きく変化するものであっ
て上述はその一例である。その離型層は熱軟化性である
ことが好ましい。
【0042】あるいは支持体と剥離層の間に別に熱軟化
層を有することもできる。熱軟化性を有する離型層ある
いは熱軟化層は、熱可塑性樹脂からなり、熱転写時のお
んどで軟化する性質を有するものである。該熱可塑性樹
脂としては軟化点が−30〜150℃のものが好まし
い。ここで示す軟化点温度とはVICAT軟化点または
環球法で示した値である。具体的には、ポリエチレン、
ポリプロピレンなどのポリオレフィン:エチレンと酢酸
ビニル、エチレンとアクリル酸エステル、エチレンとア
クリル酸のごときエチレン共重合体:ポリ塩化ビニル:
エンカビニルと酢酸ビニルのごとき塩化ビニル共重合
体:ポリ塩化ビニリデン:塩化ビニリデン共重合体:ポ
リスチレン:アクリルエステルビニルと無水マレイン酸
のごときスチレン共重合体:アクリル酸エステルとビニ
ルのごときアクリルエステル共重合体:ポリメタクリル
酸エステル:メタクリル酸メチルと酢酸ビニル、メタク
リル酸メチルとアクリル酸のごときメタクリル酸エステ
ル共重合体:ポリ酢酸ビニル:酢酸ビニル共重合体:ビ
ニルブチラール樹脂:ナイロン、共重合ナイロン、N−
アルコキシメチル化ナイロンのごときポリアミド樹脂:
合成ゴム:石油樹脂:塩化ゴム:ポリエチレングリコー
ル:ポリビニルアルコールハイドロジンフタレート:セ
ルローズ誘導体、セルローズアセテートフタレート、セ
ルローズアセテートサクシネート:シェラック:ワック
スなどを挙げることができる。
【0043】熱軟化層の厚さは1〜50μmの範囲が適
当であり、好ましくは、5〜30μmの範囲である。上
記本発明の多色感熱転写記録紙を用いて記録する際に、
使用する被転写体は何等制限されない。例えば、プラス
チックフィルム、紙、金属、木材、ガラス、繊維等が使
用できる。
【0044】
【作用】本発明は、加熱によって溶解した樹脂溶液を電
気絶縁性液体中に投入、冷却して樹脂粒子を析出させる
造粒工程において、ヒドロキシカルボン酸エステルをモ
ノマーとする3〜10量体のポリヒドロキシカルボン酸
エステルを存在させるとともに、ワックス、着色剤を使
用している。その結果、ポリヒドロキシカルボン酸エス
テルは電気絶縁性液体との相溶性、樹脂粒子との親和性
を有するとともに、造粒調整機能を有しているが、この
ポリヒドロキシカルボン酸エステルの特性と特定の物性
を有するカーボンブラックを用いることによって、析出
する樹脂粒子の粒径はサブミクロン単位で、かつ粒径分
布の極めて狭いものを得ることができ、ボールミリング
操作等を必要とせず、容易に粒径分布が優れた感熱溶融
転写材料を製造し得るものである。また、得られた感熱
溶融転写材料は、溶融剥離性が高く、かつ転写面への接
着性が良好で普通紙に対しても高品質な画像を形成する
ことができる。
【0045】以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細
に説明する。
【0046】
【実施例】
静電記録シートの作成 下記の組成の耐熱保護層組成物を調製し、厚さ9μmの
ポリエチレンテレフタレートフィルム「S−PET」
(東洋紡製)の感熱溶融転写層を形成する面とは反対の
面にミヤバー#8で塗布した後、温風乾燥し、さらに6
0℃のオーブン中で20時間かけて硬化処理した。乾燥
後の塗布量は0.9g/m2 であった。 (耐熱保護層組成物) ポリビニルブチラール「エスレックBX−1」(積水化学) 4.5重量部 トルエン 45.0重量部 メチルエチルケトン 45.5重量部 リン酸エステル (「プライサーフA−208S」 第一工業製薬) 0.45重量部 ジイソシアネート「タケネートD−110N」 /75%酢酸エチル溶液 (武田薬品) 2.0重量部 以上で得られた静電記録シートを各実施例において感熱
溶融転写材料の基体として使用した。
【0047】実施例1 200ml丸底フラスコにEVA(エチレン−ビニルア
セテート共重合体、三井・デュポンポリケミカル
(株)、エバフレックス250)1.0g、EVA1W
ax BASF(エチレン−ビニルアセテート共重合体
を主成分としたポリエチレンワックス、BASF社製)
1.0g、Hoechst Wax V (ヘキスト社
製)1.0g、電荷調整剤BBP(バリウムペトロネー
ト ウイトコ・ケミカル製)250mgとテトラヒドロ
フラン80mlを混合し、80℃で1時間加熱攪拌し、
樹脂溶液を調製した。
【0048】一方、別の容器にSumika GNO−
PP(金属フタロシアニン顔料、住友化学(株)製)
3.0g、ポリ−12−ヒドロキシステアリン酸エステ
ル3量体(伊藤製油(株)製)108mgをテトラヒド
ロフラン100ml中に超音波ホモジナイザー(日本精
機製作所(株)、US−300T)を用いて分散させ
た。これを先に樹脂溶解させたフラスコ中に一度に投入
し、さらに90℃で1時間攪拌混合し顔料分散液とし
た。顔料分散液を室温放置下約60℃まで下げた後、−
5℃に冷却したアイソパーG(エクソン社製)100m
l中に超音波ホモジナイザーを使用しながら分散混合し
た。この顔料分散液はロータリーエバポレーター(東京
理科機械(株)製、EYELA NE−1T型)を用い
て、アイソパーGに溶媒置換した。さらに同じアイソパ
ーGで印刷濃度1%に現像液の濃度調製をした。粒度分
布測定はマイクロトラックマークII SRA型(日機
装(株)製)で測定した。樹脂粒度の粒度分布を測定し
た結果、樹脂粒子は0.17〜1.01μm、d50
0.44μmに単一に分布を有するものであった。粒度
分布を図1に示す。
【0049】静電記録紙上に表面電荷50〜150Vま
での種々の静電パターンを形成させた後、ローラー現像
機にて現像印刷特性を評価した。現像機速度は2.6m
/分および10.0m/分で行った。さらに、微小電流
計 Keythley社製237 HIGH VOLT
AGE SOUCE MEASURE UNITを使用
し1cmの間隔で、面積4.5×5.0cmの金属電極
板間に上記の顔料分散液を満たし、両電極間に1000
Vの直流電圧の印加を行い、電流値測定および電気泳動
特性の評価を行った。印刷物の測光測色評価は、分光測
色計システム(CM−1000ミノルタ(株))で、O
D値はマクベスRD914により行った。電気泳動特性
の測定は、ゼータ電位計測定装置(MATEC APP
LIEDSCIENCE社製、装置名ESA−800
0、超音波ゼータ電位分析システム)を使用して測定し
た。現像特性は、正極性(負静電潜像印刷可)を示す。
OD値1.4以上、1000V直流電圧の印加の際の初
期電流値606nA、60秒後電流値157nA、Q/
m=178μC/gの特性を示した。移動度は4.57
×10-11 2 /秒・Vであり、ゼータ電位は16.6
mVであった。
【0050】コロナ帯電により、耐熱保護層を作製した
静電記録シートの全面に負静電潜像を形成させた後、作
成した感熱溶融転写材料によってローラー現像機にて現
像することにより感熱溶融転写シートを作成した。感熱
溶融転写シートをコート紙(神崎製紙(株)製、S−ト
ップコート紙)と合わせて東芝製サーマルヘッドを装着
した印字機に、印加電圧12Vおよび印加時間2m秒の
条件で通電したところ、印字品質のよい青色の画像が得
られた。OD値1.0であった。
【0051】これとは別に熱転写アイロン装置(商品
名:ハリロンプレッサー HP−1000WE、羽島
(株)製)により130℃にて2分間加熱し、感熱溶融
転写シートからコート紙(神崎製紙(株)製、S−トッ
プコート紙)への溶融転写を行った。転写効率は90%
程度であった。ただし、剥離剪断力が0.6g/1cm
と小さく、はぎれも良好であった。同様の方法で作成し
た感熱溶融転写シート上に、アセトン:トルエン=1:
1の混合溶媒を溶剤としたカルバナワックスの10%溶
液をミヤバーにて単層コートした。その後、熱転写アイ
ロン装置(商品名:ハリロンプレッサー HP−100
0WE、羽島(株)製)により130℃にて2分間加熱
し、感熱溶融転写シートからコート紙(神崎製紙(株)
製、S−トップコート紙)への溶融転写を行った。転写
効率は70%程度であった。
【0052】実施例2 実施例1におけるヘキストWAX V(ヘキスト社製)
に代えて、ヘキストWAX Eフレーク(ヘキスト社
製)1.0gを使用した以外は、実施例1と同様にして
顔料分散液を作成した。印刷その他の評価は実施例1と
同様にした。樹脂粒子の粒度分布を測定した結果、樹脂
粒子は0.17−1.01μm、d50=0.40μmに
単一に分布を有するものであった。粒度分布を図2に示
す。
【0053】現像特性は、負極性(正静電潜像印刷可)
を示す。OD値1.4以上。1000V直流電圧を印加
した場合の初期電流値140nA、60秒後電流値66
nA、Q/m=100μC/gのトナー物性を示した。
移動度は2.90×10-11 2 /秒・Vであり、ゼー
タ電位は10.6mVであった。
【0054】静電記録シート上に負静電潜像を形成させ
た後、作成した感熱溶融転写材料を用いてローラー現像
機にて現像することにより感熱転写シートを作製した。
【0055】次いで、感熱転写シートをコート紙(神崎
製紙(株)製、S−トップコート紙)と合わせて東芝製
サーマルヘッドを装着した印字機に、印加電圧12Vお
よび印加時間2msecの条件で通電したところ、印字
品質のよい青色の画像が得られた。OD値は0.98で
あった。
【0056】熱転写アイロン装置(商品名:ハリロンプ
レッサー HP−1000WE、羽島(株)製)により
130℃にて2分間加熱し、溶融転写紙からコート紙
(神崎製紙(株)製、S−トップコート紙)への溶融転
写を行った。転写効率は90%程度であった。同様の方
法で作成した感熱転写シート上に、アセトン:トルエン
=1:1の混合溶媒を溶剤としたカルバナワックスの1
0%溶液をミヤバーにて単層コートした。その後、熱転
写アイロン装置(商品名:ハリロンプレッサー HP−
1000WE、羽島(株)製)により130℃にて2分
間加熱し、感熱転写シートから普通紙への溶融転写を行
った。転写効率は70%程度であった。
【0057】実施例3 実施例1におけるヘキストWAX V(ヘキスト社製)
に代えて、ヘキストWAX 2106(ヘキスト社製)
1.0gを使用した以外は、実施例1と同様にして顔料
分散液を作成した。印刷その他の評価は実施例1と同様
にした。樹脂粒子の粒度分布を測定した結果、樹脂粒子
は1.69〜3.73μmを含み、0.17〜3.73
μm、d50=0.65μmの領域に分布を有し、この領
域に2つのピークを有するものであった。粒度分布を図
3に示す。現像特性は、正極性(負静電潜像印刷可)を
示す。OD値1.4以上であった。1000V直流印加
時の初期電流値56121nA、60秒後電流値298
80nA、Q/m=5972μC/gのトナー物性を示
した。移動度は1.21×10-10 2 /秒・Vであ
り、ゼータ電位は44.6mVであった。
【0058】静電記録シート上に負静電潜像を形成させ
た後、作成した現像液を用いてローラー現像機にて現像
することにより感熱転写シートを作製した。得られた感
熱転写記録シートをコート紙(神崎製紙(株)製、S−
トップコート紙)と合わせて東芝サーマルヘッドを装着
した印字機に、印加電圧12Vおよび印加時間2mse
cの条件で通電したところ、印字品質のよい青色の画像
が得られた。OD値0.88であった。
【0059】熱転写アイロン装置(商品名:ハリロンプ
レッサー HP−1000WE、羽島(株)製)により
130℃にて2分間加熱し、感熱転写シートからコート
紙(神崎製紙(株)製、S−トップコート紙)への溶融
転写を行った。転写効率は90%程度であった。
【0060】同様の方法で作成した感熱転写シート上
に、アセトン:トルエン=1:1の混合溶媒を溶剤とし
たカルバナワックスの10%溶液をミヤバーにて単層コ
ートした。その後、熱転写アイロン装置(商品名:ハリ
ロンプレッサー HP−1000WE、羽島(株)製)
により130℃にて2分間加熱し、感熱転写シートから
普通紙への溶融転写を行った。転写効率は70%程度で
あった。
【0061】実施例4 実施例1におけるヘキストWAX V(ヘキスト社製)
1.0g、EVA(エチレン−ビニルアセテート共重合
体、三井・デュポンポリケミカル(株)、エバフレック
ス250)1.0gおよびSumika GNO−PP
(金属フタロシアニン顔料、住友化学(株)製)3.0
gを除き、ハイワックス1105A(三井石化(株)
製)1.0g、デュミラン2270(エチレン−ビニル
アセテート共重合体部分鹸化変性品、武田薬品工業
(株)製)1.0gおよびMonastral Blu
e FBR(ICI社製、金属フタロシアニン顔料)
3.0gをそれぞれ使用した以外は、実施例1と同様に
して顔料分散液を作成した。印刷その他の評価は実施例
1と同様にした。
【0062】樹脂粒子の粒度分布を測定した結果、樹脂
粒子は0.17〜1.01μm、d50=0.38μmで
単一に分布を有するものであった。粒度分布を図4に示
す。現像特性は、負極性(正静電潜像印刷可)を示す。
OD値1.4以上であった。1000V直流印加/ 初
期電流値2834nA、60秒後電流値1106nA、
Q/m=88.2μC/gのトナー物性を示した。移動
度は3.58×10-11 2 /秒・Vであり、ゼータ電
位は13.1mVであった。
【0063】静電記録シート上に正静電潜像を形成させ
た後、作成した現像液を用いてローラー現像機にて現像
することにより感熱転写シートを作製した。その後、感
熱転写シートをコート紙(神崎製紙(株)製、S−トッ
プコート紙)と合わせて東芝製サーマルヘッドを装着し
た印字機に、印加電圧12Vおよび印加時間2m秒の条
件で通電したところ、印字品質のよい青色の画像が得ら
れた。OD値0.96であった。
【0064】さらに熱転写アイロン装置(商品名:ハリ
ロンプレッサー HP−1000WE、羽島(株)製)
により130℃にて2分間加熱し、感熱転写シートから
コート紙(神崎製紙(株)製、S−トップコート紙)へ
の溶融転写を行った。転写効率は90%程度であった。
【0065】同様の方法で作成した感熱転写シート上
に、アセトン:トルエン=1:1の混合溶媒を溶剤とし
たカルバナワックスの10%溶液をミヤバーにて単層コ
ートした。その後、熱転写アイロン装置(商品名:ハリ
ロンプレッサー HP−1000WE、羽島(株)製)
により130℃にて2分間加熱し、感熱転写シートから
普通紙への溶融転写を行った。転写効率は50%程度で
あった。
【0066】実施例5 実施例1におけるヘキストWAX V(ヘキスト社製)
1.0g、EVA(エチレン−ビニルアセテート共重合
体、三井デュポンケミカル(株)、エバフレックス25
0)1.0gおよびSumika GNO−PP(金属
フタロシアニン顔料、住友化学(株)製)3.0gを除
き、これらの代わりにハイワックス1105A(三井石
化(株)製)1.0g、プライオライト−VTAC(グ
ッドイヤー社製 ビニルトルエン−アクリル共重合体樹
脂)1.0gおよびMonastral Blue F
BR(ICI社製、金属フタロシアニン顔料)3.0g
をそれぞれ使用した以外は、実施例1と同様にして顔料
分散液を作成した。
【0067】印刷その他の評価は実施例1と同様にし
た。樹脂粒子の粒度分布を測定した結果、樹脂粒子は
0.17〜3.73μm、d50=0.80μmおよび2
9.85〜60.00μmの領域に分布を有し、この領
域に2つのピークを有するものであった。粒度分布を図
5に示す。現像特性は、正極性(負静電潜像印刷可)を
示す。OD値1.4以上であった。1,000V直流印
加/ 初期電流値19826nA、60秒後電流値88
19nA、 Q/m=3390μC/gのトナー物性を
示した。移動度は8.01×10-11 2 /秒・Vであ
った。ゼータ電位は29.3mVであった。
【0068】感熱転写シート上に負静電潜像を形成させ
た後、作成した現像液を用いてローラー現像機にて現像
することにより感熱転写シートを作成した。この感熱転
写シートをコート紙(神崎製紙(株)製、S−トップコ
ート紙)と合わせて東芝製サーマルヘッドを装着した印
字機に、印加電圧12Vおよび印加時間2m秒の条件で
通電したところ、印字品質のよい青色の画像が得られ
た。OD値0.85であった。
【0069】さらに熱転写アイロン装置(商品名:ハリ
ロンプレッサー HP−1000WE、羽島(株)製)
により130℃にて2分間加熱し、溶融転写紙からコー
ト紙(神崎製紙(株)製、S−トップコート紙)への溶
融転写を行った。転写効率は70%程度であった。
【0070】同様の方法で作成した感熱転写シート上
に、アセトン:トルエン=1:1の混合溶媒を溶剤とし
たカルバナワックスの10%溶液をミヤバーにて単層コ
ートした。その後、熱転写アイロン装置(商品名:ハリ
ロンプレッサー HP−1000WE、羽島(株)製)
により130℃にて2分間加熱し、感熱転写シートから
普通紙への溶融転写を行った。転写効率は50%程度で
あった。
【0071】実施例6 実施例1におけるヘキストWAX V(ヘキスト社製)
1.0g、EVA(エチレン−ビニルアセテート共重合
体、三井デュポンケミカル(株)、エバフレックス25
0)1.0gおよびSumika GNO−PP(金属
フタロシアニン顔料、住友化学(株)製)3.0gを除
き、これらの代わりにハイワックス1105A(三井石
化(株)製)1.2g、デュミラン2270(エチレン
−ビニルアセテート共重合体部分鹸化変性品、武田薬品
工業(株)製)0.6gおよびMonastral B
lue FBR(ICI社製、金属フタロシアニン顔
料)3.0gをそれぞれ使用し、またEVA 1 Wa
xBASFの使用量を1.2gとした以外は、実施例1
と同様にして顔料分散液を作成した。
【0072】印刷その他の評価は実施例1と同様にし
た。樹脂粒子の粒度分布を測定した結果、樹脂粒子は
0.17〜3.73μm、d50=0.57μmに2つの
ピークを有するものであった。粒度分布を図6に示す。
現像特性は、正極性(負静電潜像印刷可)を示す。OD
値1.4以上であった。1000V直流印加/ 初期電
流値158nA、60秒後電流値97nAであった。移
動度は2.28×10-11 2 /秒・Vであり、ゼータ
電位は8.33mVであった。
【0073】静電記録シート上に負静電潜像を形成させ
た後、作成した現像液を用いてローラー現像機にて現像
することにより感熱転写シートを作成した。その後、熱
転写アイロン装置(商品名:ハリロンプレッサー HP
−1000WE、羽島(株)製)により130℃にて2
分間加熱し、感熱転写シートからコート紙(神崎製紙
(株)製、S−トップコート紙)への溶融転写を行っ
た。転写効率は80%程度であった。
【0074】同様の方法で作成した感熱転写シート上
に、アセトン:トルエン=1:1の混合溶媒を溶剤とし
たカルバナワックスの10%溶液をミヤバーにて単層コ
ートした。その後、熱転写アイロン装置(商品名:ハリ
ロンプレッサー HP−1000WE、羽島(株)製)
により130℃にて2分間加熱し、感熱転写シートから
普通紙への溶融転写を行った。転写効率は70%程度で
あった。
【0075】実施例7 実施例1におけるヘキストWAX V(ヘキスト社製)
1.0g、EVA(エチレン−ビニルアセテート共重合
体、三井デュポンケミカル(株)、エバフレックス25
0)1.0gおよびSumika GNO−PP(金属
フタロシアニン顔料、住友化学(株)製)3.0gを除
き、これらに代えてハイワックス1105A(三井石化
(株)製)1.5g、EVA 1 Wax (BASF
社製)1.5gおよびMonastral Blue
FBR(ICI社製、金属フタロシアニン顔料)3.0
gとした以外は、実施例1と同様にして顔料分散液を作
成した。
【0076】印刷その他の評価は実施例1と同様にし
た。樹脂粒子の粒度分布を測定した結果、樹脂粒子は
0.17〜7.46μm、d50=0.67μmの領域に
分布を有するものであった。粒度分布を図7に示す。現
像特性は、正極性(負静電潜像印刷可)を示す。OD値
1.4以上であった。1000V直流印加/ 初期電流
値74nA、60秒後電流値20nAであった。移動度
は3.75×10-11 2 /秒・Vであり、ゼータ電位
は13.7mVであった。
【0077】静電記録シート上に負静電潜像を形成させ
た後、作成した現像液を用いてローラー現像機にて現像
することにより感熱転写シートを作成した。その後、熱
転写アイロン装置(商品名:ハリロンプレッサー HP
−1000WE、羽島(株)製)により130℃にて2
分間加熱し、感熱転写シートからコート紙(神崎製紙
(株)製、S−トップコート紙)への溶融転写を行っ
た。転写効率は80%程度であった。
【0078】同様の方法で作成した感熱転写シート上
に、アセトン:トルエン=1:1の混合溶媒を溶剤とし
たカルバナワックスの10%溶液をミヤバーにて単層コ
ートした。その後、熱転写アイロン装置(商品名:ハリ
ロンプレッサー HP−1000WE、羽島(株)製)
により130℃にて2分間加熱し、感熱転写シートから
普通紙への溶融転写を行った。転写効率は70%程度で
あった。
【0079】実施例8 実施例1におけるヘキストWAX V(ヘキスト社製)
1.0g、EVA 1Wax (BASF社製)1.5
gを除き、EVA(エチレン−ビニルアセテート共重合
体、三井デュポンケミカル(株)、エバフレックス25
0)の使用量を3.0gとした以外は、実施例1と同様
にして顔料分散液を作成した。
【0080】樹脂粒子の粒度分布を測定した結果、樹脂
粒子は0.17〜5.27μm、d50=1.55μmの
領域に単一分布を有するものであった。粒度分布を図8
に示す。現像特性は、正極性(負静電潜像印刷可)を示
す。OD値1.4以上であった。1000V直流印加/
初期電流値1592nA、60秒後電流値602n
A、 Q/m=461μC/gの物性を示した。移動度
は8.76×10-11 2/秒・Vであり、ゼータ電位
は32.0mVであった。
【0081】静電記録シート上に負静電潜像を形成させ
た後、作成した現像液を用いてローラー現像機にて現像
することにより感熱転写シートを作成した。その後、熱
転写アイロン装置(商品名:ハリロンプレッサー HP
−1000WE、羽島(株)製)により130℃にて2
分間加熱し、感熱転写シートからコート紙(神崎製紙
(株)製、S−トップコート紙)へ、画像は溶融転写を
しなかった。
【0082】同様の方法で作成した感熱転写シート上
に、アセトン:トルエン=1:1の混合溶媒を溶剤とし
たカルバナワックスの10%溶液をミヤバーにて単層コ
ートした。その後、熱転写アイロン装置(商品名:ハリ
ロンプレッサー HP−1000WE、羽島(株)製)
により130℃にて2分間加熱し、感熱転写シートから
普通紙への溶融転写を行った。転写効率は30%程度で
あった。
【0083】実施例9 実施例1におけるヘキストWAX V(ヘキスト社製)
1.0g、EVA(エチレン−ビニルアセテート共重合
体、三井デュポンケミカル(株)、エバフレックス25
0)1.0g、EVA 1 Wax (BASF社製)
1.0gおよびSumika GNO−PP(金属フタ
ロシアニン顔料、住友化学(株)製)3.0gを除き、
デュミラン2270(エチレン−ビニルアセテート共重
合体部分鹸化変性品、武田薬品工業(株)製)3.0g
およびMonastral Blue FBR(ICI
社製、金属フタロシアニン顔料)3.0g使用をした以
外は、実施例1と同様にして顔料分散液を作成した。
【0084】樹脂粒子の粒度分布を測定した結果、樹脂
粒子は0.17〜3.73μm、d50=0.95μmの
領域に単一な分布を有するものであった。粒度分布を図
9に示す。現像特性は、正極性(負静電潜像印刷可)を
示す。OD値1.4以上であった。1000V直流印加
/ 初期電流値9202nA、60秒後電流値1391
nA、 Q/m=102μC/gの物性を示した。移動
度は1.90×10-11 2 /秒・Vであり、ゼータ電
位は6.9mVであった。
【0085】静電記録シート上に負静電潜像を形成させ
た後、作成した現像液を用いてローラー現像機にて現像
することにより感熱転写シートを作成した。その後、熱
転写アイロン装置(商品名:ハリロンプレッサー HP
−1000WE、羽島(株)製)により130℃にて2
分間加熱し、感熱転写シートからコート紙(神崎製紙
(株)製、S−トップコート紙)へ、画像は溶融転写を
しなかった。
【0086】同様の方法で作成した感熱転写シート上
に、アセトン:トルエン=1:1の混合溶媒を溶剤とし
たカルバナワックスの10%溶液をミヤバーにて単層コ
ートした。その後、熱転写アイロン装置(商品名:ハリ
ロンプレッサー HP−1000WE、羽島(株)製)
により130℃にて2分間加熱し、感熱転写シートから
普通紙への溶融転写を行った。転写効率は30%程度で
あった。
【0087】比較例1 厚さ9μmの耐熱保護層付きPETに以下の各色の転写
インキ組成物を乾燥時基準で2.5g/m2 の割合で4
色グラビア印刷機で各色ごとに区分けして塗布および乾
燥して本発明の比較用感熱転写シートを得た。 ・ヘキスト社製 WAX−V 30部 ・色材 3部 ・トルエン 67部 色材としては下記のものを使用した。 ・黄インキ: C.I.21090 ・赤インキ: C.I.21090 ・藍インキ: C.I.21090 ・墨インキ: カーボンブラック顔料 溶融転写特性に関する評価法を以下に示す。
【0088】この感熱転写シートをコート紙(神崎製紙
(株)製、S−トップコート紙)と合わせて東芝サーマ
ルヘッドを装着した印字機に、印加電圧12V及び印加
時間2msecの条件で通電したところ印字品質の良い
青色の画像が得られた。OD値1.01であった。
【0089】これとは別に熱転写アイロン装置(商品
名:ハリロンプレッサー HP−1000型、羽島
(株)製)により130℃にて2分間加熱し、感熱転写
シートからコート紙(神崎製紙(株)製、S−トップコ
ート紙)への溶融転写を行った。転写効率は90%程度
でった。ただし、剥離剪断力が大きく(1g/1c
m)、はぎれに若干力を要した。
【0090】同様の方法で作成した感熱転写シート上
に、アセトン:トルエン=1:1の混合溶媒を溶剤とし
たカルバナワックスの10%溶液をミヤバーにて単層コ
ートした。その後、熱転写アイロン装置(商品名:ハリ
ロンプレッサー HP−1000型、羽島(株)製)に
より130℃にて2分間加熱し、感熱転写シートから普
通紙への溶融転写を行った。転写効率は70%程度であ
った。
【0091】
【発明の効果】本発明の溶融転写型現像材を用いれば、
コロナ帯電等により形成された静電潜像を現像可能と
し、かつ感熱溶融転写を同時に実現する。従って、該様
相転写型現像剤は通常の静電潜像の可視化用途の現像液
を目的とするのみならず、現像によた画像形成された溶
融転写紙とての記録保存が可能である。静電書き込みを
行い、これを反対電荷の溶融転写型現像剤により現像す
るため、この画像における表現可能な階調は構成された
システムにより容易に制御可能である。さらに溶融転写
可能な樹脂層で顔料が被覆されたものを使用しているた
め、従来から使用されている溶融型リボンと熱転写プリ
ンターの組み合わせによる階調表現より高い階調画像が
得られ、かつ剥離が容易である。また、該溶融転写紙は
必要に応じて感熱溶融転写可能であるので、基材にとら
われないさまざまな商品への転写印字が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の樹脂粒子の粒径分布を説明する図。
【図2】実施例2の樹脂粒子の粒径分布を説明する図。
【図3】実施例3の樹脂粒子の粒径分布を説明する図。
【図4】実施例4の樹脂粒子の粒径分布を説明する図。
【図5】実施例5の樹脂粒子の粒径分布を説明する図。
【図6】実施例6の樹脂粒子の粒径分布を説明する図。
【図7】実施例7の樹脂粒子の粒径分布を説明する図。
【図8】実施例8の樹脂粒子の粒径分布を説明する図。
【図9】実施例9の樹脂粒子の粒径分布を説明する図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−201894(JP,A) 特開 平2−229073(JP,A) 特開 平3−18866(JP,A) 特開 平4−78581(JP,A) 特開 平4−163091(JP,A) 特開 平4−212890(JP,A) 特開 平5−247370(JP,A) 特開 平6−255272(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/38 - 5/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感熱転写記録媒体の製造に使用するカル
    ボキシル基又はエステル基を有するオレフィン系熱可塑
    性樹脂と着色剤を添加したカルボキシル基又はエステル
    基を有するオレフィン系樹脂と大部分の液状脂肪族炭化
    水素とからなる感熱溶融転写材料において、少なくとも
    12の炭素原子を含む2価の飽和または不飽和の脂肪族
    炭化水素、または少なくとも6個の炭素原子を含む2価
    の芳香族炭化水素で、またヒドロキシ基とカルボキシル
    基との間には少なくとも4個の炭素原子を有するヒドロ
    キシカルボン酸エステルをモノマーとする3〜10量体
    のポリ−12−ヒドロキシカルボン酸エステルおよび液
    状脂肪族炭化水素と相溶性を有する電荷調整剤、感熱溶
    融可能なワックスを存在させることを特徴とする感熱溶
    融転写材料。
  2. 【請求項2】 カルボキシル基またはエステル基を有す
    るオレフィン系熱可塑性樹脂、又は着色剤を添加したカ
    ルボキシル基又はエステル基を有するオレフィン系樹脂
    を溶解度の温度依存性が大きな溶媒に加熱溶解して樹脂
    溶液とした後に、樹脂溶液を少なくとも12の炭素原子
    を含む2価の飽和または不飽和の脂肪族炭化水素、また
    は少なくとも6個の炭素原子を含む2価の芳香族炭化水
    素で、またヒドロキシ基とカルボキシル基との間には少
    なくとも4個の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸
    エステルをモノマーとする3〜10量体のポリ−12−
    ヒドロキシカルボン酸エステル、および感熱溶融可能な
    ワックスの存在下に冷却した液状の脂肪族炭化水素中に
    投入し樹脂粒子を析出させるとともに、樹脂を溶解した
    溶媒を該脂肪族炭化水素で置換することを特徴とする感
    熱溶融転写材料の製造方法。
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