JP3325299B2 - 電源装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電源装置に関し、特
に、瞬間的な停電が許容されない電池応用機器に用いら
れる電源装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ＧＰＳ受信機による衛星を利用した地球
上の地点間の測量や、温，湿度，気圧などの各種の気象
条件の屋外における連続測定では、電源装置として一般
的に電池が用いられている。この種の測量ないしは測定
では、かなり長時間ＧＰＳ受信機や測定装置が稼働さ
れ、しかも、これらの装置類には、瞬間的な停電が許さ
れない。そこで、この種の測量ないしは測定では、装置
類の稼働に必要な主電源以外に補助電源を準備すること
が一般的に行われている。

【０００３】ところが、主電源が消耗した時に補助電源
を装置類に切替える手段では、例えば、スイッチなどを
使用したとしても、主電源から補助電源に切替える際
に、瞬間的な停電状態になる。このような瞬間的な停電
状態を回避する手段として、例えば、図２に示す電源装
置が考えられる。同図に示す電源装置は、主および補助
直流電源が接続され、負荷Ｒに対して並列接続される一
対の入力端子Ａ，Ｂと、この入力端子Ａ，Ｂと前記負荷
Ｒとの間にそれぞれ設けられた一対の逆電流防止用ダイ
オードＤとから構成されている。

【０００４】このように構成された電源装置では、入力
端子Ａ，Ｂにそれぞれ主および補助直流電源を接続して
おくと、主ないしは補助直流電源のうち電圧の高い方の
いずれか一方のダイオードＤがオン状態になって、負荷
Ｒに電力を供給するので、一方の直流電源が消耗したと
しても、電源が切り替わる際に瞬間的な停電状態が発生
しない。しかしながら、このような電源装置には、以下
に説明する技術的課題があった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】すなわち、図２に示し
た電源装置では、負荷Ｒに電力を供給している側のダイ
オードＤには、常に負荷Ｒに対応した順方向の電流が流
れ、この電流に伴い電圧降下（Ｖ_F ＝１．０〜１．６
ｖ）が発生している。この電圧降下は、消費電流が小さ
い場合にはさほど影響はないが、例えば、消費電流が数
Ａ程度になると、かなり大きくなり、このダイオードＤ
での損失が問題になる。

【０００６】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、電力損失を可及的に低減
しつつ、しかも、瞬間的な停電状態の発生が防止できる
電源装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、主および補助直流電源が接続され、負荷
に対して並列接続される一対の入力端子と、この入力端
子と前記負荷との間にそれぞれ設けられた常閉型の一対
のリレー接点と、前記常閉型のリレー接点にそれぞれ並
列接続された一対の逆流防止用ダイオードと、前記入力
端子と前記負荷との間にそれぞれ設けられ、前記直流電
源のうち電源電圧が高い方から低い方に向かう逆電流を
検出した時に、逆電流が発生している側のリレーを作動
させて、その常閉型接点を開放させる一対の逆電流検出
センサとを有することを特徴とする。

【０００８】

【作用】上記構成の電源装置によれば、負荷と並列接続
された入力端子の一方に主直流電源が、また、他方に補
助直流電源が接続されているので、これらの電源のうち
電源電圧が高い方から常閉型のリレー接点を介して負荷
に電力が供給されているので、いずれか一方の電源電圧
が低下した場合にも、瞬間的な停電状態になることが防
止される。この時に供給される電流は、常閉型のリレー
接点を介して行われるので、この部分での電力損失は殆
ど発生しない。そして、電源電圧の高い方から低い方に
逆電流が流れると、これを逆電流検出センサが検知し
て、逆電流が発生している側のリレーを作動させて、そ
の常閉型接点を開放する。この時の接点のチャッタリン
グは接点に並列に接続されている逆流防止用ダイオード
で吸収されるとともに、逆電流が電源側に流れることが
防止される。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の好適な実施例について添付図
面を参照にして詳細に説明する。図１は、本発明にかか
る電源装置の一実施例を示している。同図に示す電源装
置は、一対の入力端子ＣＮ_1,ＣＮ₂ と、一対のフューズ
Ｆ₁₁，Ｆ₂₁と、一対の保護ダイオードＤ₁₁，Ｄ₂₁と、一
対の逆流防止用ダイオードＤ₁₂，Ｄ₂₂と、一対のリレー
Ｒ₁₁，Ｒ₂₁と、一対の逆電流検出センサＳ₁₃，Ｓ₂₃とを
有している。

【００１０】この実施例では、リレーＲ₁₁，Ｒ₂₁は、１
つの常閉型接点Ｓ_111,Ｓ₂₁₁ と、励磁用コイルＬ_111,Ｌ
₂₁₁ とを有するものが用いられている。また、逆電流検
出センサＳ₁₃，Ｓ₂₃は、磁界が加わる方向によってオ
ン，オフするホール素子Ｐ₁₃₁，Ｐ ₂₃₁と、ホール素子
Ｐ₁₃₁ ，Ｐ ₂₃₁の励磁用コイルＬ₁₃₁ ，Ｌ ₂₃₁とから構
成され、本実施例では、ホール素子Ｐ₁₃₁ ，Ｐ ₂₃₁は、
定常状態でオンになるように励磁用コイルＬ₁₃₁ ，Ｌ
₂₃₁の磁界が設定されている。

【００１１】入力端子ＣＮ_1,ＣＮ₂ には、それぞれ主お
よび補助直流電源Ｅ_1,Ｅ₂ （具体的には電池電源であ
る）が接続されるとともに、各入力端子ＣＮ_1,ＣＮ₂ に
は、ヒューズＦ₁₁，Ｆ₂₁の一端が接続されている。ヒュ
ーズＦ₁₁，Ｆ₂₁の他端側には、カソード側が接地された
保護ダイオードＤ₁₁，Ｄ₂₁のアノード側が接続されると
ともに、逆流防止用ダイオードＤ₁₂，Ｄ₂₂のカソード側
が接続されている。

【００１２】逆流防止用ダイオードＤ₁₂，Ｄ₂₂には、各
リレーＲ₁₁，Ｒ₂₁の常閉型接点Ｓ_{11 1,}Ｓ₂₁₁ がそれぞれ
並列接続されている。また、逆流防止用ダイオード
Ｄ₁₂，Ｄ ₂₂のアノード側には、各逆電流検出センサ
Ｓ₁₃，Ｓ₂₃の励磁用コイルＬ₁₃₁ ，Ｌ ₂₃₁の一端が接続
されている。励磁用コイルＬ₁₃₁ ，Ｌ ₂₃₁の他端には、
一端が接地された負荷Ｒが接続されるとともに、逆電流
検出センサＳ₁₃，Ｓ₂₃のホール素子Ｐ₁₃₁ ，Ｐ ₂₃₁の一
端が共通接続されている。各ホール素子Ｐ₁₃₁ ，Ｐ ₂₃₁
の他端側には、一端が接地されたリレーＲ₁₁，Ｒ₂₁の励
磁用コイルＬ_111,Ｌ₂₁₁が接続されている。

【００１３】以上のように構成された電源装置では、主
および補助直流電源Ｅ_1,Ｅ₂ が、ヒューズＦ₁₁，Ｆ₂₁，
リレーＲ₁₁，Ｒ₂₁の常閉型接点Ｓ_111,Ｓ₂₁₁ ，逆電流検
出センサＳ₁₃，Ｓ₂₃の励磁用コイルＬ₁₃₁ ，Ｌ ₂₃₁を介
して、負荷Ｒに対して並列接続されている。いまここ
で、主および補助電源Ｅ_1,Ｅ₂ の各出力電圧がそれぞれ
Ｖ_1,Ｖ₂ であり、かつ、Ｖ₁ ＞Ｖ₂ であるとすると、負
荷Ｒには、主電源Ｅ₁ からフューズＦ₁₁, 常閉型接点Ｓ
_111,励磁用コイルＬ₁₃₁ を通る回路により電流が供給さ
れる。

【００１４】この時、補助電源Ｅ₂ 側では、Ｖ₂ がＶ₁
よりも低いので、負荷Ｒ側から電源Ｅ₂ に向けて逆電流
が流れようとするが、逆電流が発生すると、逆電流検出
センサＳ₂₃の励磁用コイルＬ ₂₃₁の磁界の方向が定常状
態と逆になり、これによりホール素子Ｐ ₂₃₁がオン状態
になる。ホール素子Ｐ ₂₃₁がオン状態になると、リレー
Ｒ₂₁の励磁用コイルＬ₂₁₁ に電流が流れ、リレーＲ₂₁が
作動して、その常閉型接点Ｓ₂₁₁ が開放され、補助電源
Ｅ₂ は逆流防止用ダイオードＤ₂₂を介して負荷Ｒと接続
されることになるので、逆電流がダイオードＤ₂₂により
阻止され、補助電源Ｅ₂ に流入することが防止される。

【００１５】この場合、逆流防止用ダイオードＤ₂₂は、
常閉型接点Ｓ₂₁₁ のチャッタリングを防止する機能も有
している。そして、例えば、ＧＰＳ受信機による測量が
進行して、主電源Ｅ₁ が消耗し、補助電源Ｅ₂ との出力
電圧の関係が逆転してＶ₁ ＜Ｖ₂ となると、今度は、補
助電源Ｅ₂ からフューズＦ₂₁, 常閉型接点Ｓ_211,励磁用
コイルＬ₂₃₁ を通る回路により負荷Ｒに電流が供給され
るとともに、逆電流によりホール素子Ｐ ₁₃₁がオン状態
になって、逆流防止用ダイオードＤ₁₂により逆電流が阻
止され、電源の切替えが行われる。

【００１６】さて、以上のような構成の電源装置によれ
ば、主および補助電源Ｅ_1,Ｅ₂ のうち電源電圧が高い方
から常閉型のリレー接点Ｓ_111,Ｓ₂₁₁ を介して負荷Ｒに
電力が供給されているので、いずれか一方の電源電圧が
低下した場合にも、瞬間的な停電状態になることが防止
される。この時に供給される電流は、常閉型のリレー接
点Ｓ_111,Ｓ₂₁₁ を介して行われるので、この部分での電
力損失は殆ど発生しない。

【００１７】そして、電源電圧の高い方から低い方に逆
電流が流れると、これを逆電流検出センサＳ₁₃，Ｓ₂₃の
ホール素子Ｐ₁₃₁ ，Ｐ ₂₃₁が検知して、逆電流が発生し
ている側のリレーＲ₁₁，Ｒ₂₁を作動させて、その常閉型
接点Ｓ_111,Ｓ₂₁₁ を開放する。この時の接点Ｓ_111,Ｓ
₂₁₁ のチャッタリングは、接点Ｓ_111,Ｓ₂₁₁ に並列に接
続されている逆流防止用ダイオードＤ₁₁，Ｄ₂₁で吸収さ
れるとともに、逆電流が電源側に流れることが防止され
る。

【００１８】なお、上記実施例で示した保護ダイオード
Ｄ₁₁，Ｄ₂₁は、電源Ｅ_1,Ｅ₂ の極性を逆接続した場合に
負荷Ｒを保護するためのものである。

【００１９】

【発明の効果】以上、実施例で詳細に説明したように、
本発明にかかる電源装置によれば、簡単な構成により、
瞬間的な停電状態が回避できるとともに、電力損失が非
常に少なくなり、電源電池の使用寿命も長くすることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる電源装置の一例を示す回路図で
ある。

【図２】従来の電源装置を示す回路図である。

【符号の説明】

Ｅ₁ 主直流電源 Ｅ₂ 補助直流電源 Ｒ 負荷 ＣＮ_1,ＣＮ₂ 入力端子 Ｆ₁₁，Ｆ₂₁ ヒューズ Ｄ₁₁，Ｄ₂₁ 保護ダイオード Ｄ₁₂，Ｄ₂₂ 逆流防止用ダイオード Ｒ₁₁，Ｒ₂₁ リレー Ｓ₁₃，Ｓ₂₃ 逆電流検出センサ Ｓ_111,Ｓ₂₁₁ 常閉型接点 Ｌ_111,Ｌ₂₁₁ 励磁用コイル Ｐ₁₃₁,Ｐ ₂₃₁ ホール素子 Ｌ₁₃₁,Ｌ ₂₃₁ 励磁用コイル

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 主および補助直流電源が接続され、負荷
   に対して並列接続される一対の入力端子と、この入力端
   子と前記負荷との間にそれぞれ設けられた常閉型の一対
   のリレー接点と、前記常閉型のリレー接点にそれぞれ並
   列接続された一対の逆流防止用ダイオードと、前記入力
   端子と前記負荷との間にそれぞれ設けられ、前記直流電
   源のうち電源電圧が高い方から低い方に向かう逆電流を
   検出した時に、逆電流が発生している側のリレーを作動
   させて、その常閉型接点を開放させる一対の逆電流検出
   センサとを有することを特徴とする電源装置。