JP3325225B2 - N−炭化水素オキシカルボニルアミノ酸エステルの製造方法 - Google Patents
N−炭化水素オキシカルボニルアミノ酸エステルの製造方法Info
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Description
なN−炭化水素オキシカルボニルアミノ酸エステルを高
純度で製造する方法に関する。
エステルはHIVプロテアーゼ阻害剤およびその他の生
理活性物質の中間体として極めて重要な化合物である。
ノ酸エステルの製造方法としては、例えばアミノ酸エス
テル塩を有機溶媒中で化学量論量のトリエチルアミンや
ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基の存在下にジ
−t−ブチルジカーボネートと反応させる方法が知られ
ている(ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリ
ー(J.Med.Chem.)26巻、4号、549−
554頁、1986年)。
ノ酸エステル塩は、アミノ酸にアルコールおよび強酸ま
たは塩化チオニルを反応させることにより得ている。
法では、大量に副生するアンモニウム塩の処理を行わな
ければならない上、反応工程がアミノ酸エステル塩の製
造工程とN−炭化水素オキシカルボニル化反応の工程に
分かれているため、アミノ酸エステル塩の単離操作を行
う必要があった。この問題を解決するために、塩基とし
て無機塩基を使用した一段合成方法を以前提案した(特
開平7−101928号公報)。
を単離する工程は省略できたが、無機塩基の添加方法に
幾つかの問題を有していた。即ち、上記方法では、無機
塩基を水溶液として添加するか、或いは有機媒体中に懸
濁させて用いるため、前者の場合副反応としてアミノ酸
エステルの加水分解が起こり、収率の低下を招く原因と
なる。また、後者の方法では加水分解は抑制できるもの
の、中和反応が十分に進行せず比較的大量の無機塩基を
使用することになる他、中和反応の終点の見極めが困難
となる欠点があった。更に、次工程であるN−炭化水素
オキシカルボニル化剤であるジカーボネート化合物と共
に添加すると、中和反応とジカーボネート化合物による
N−炭化水素オキシカルボニル化反応が平行して進行す
るため、中和反応が急激に進行した時、N−炭化水素オ
キシカルボニル化反応も同時に急激に進行し、反応液が
反応容器から噴出するという危険性を有していた。
鑑み、加水分解反応が抑制されかつ好適に反応を進行さ
せる製造方法を鋭意検討した。その結果、中和剤として
比表面積が0.8m2/g以上の無機炭酸塩基を添加す
ることによって、加水分解反応の抑制が可能で、しかも
無機塩基の水溶液を用いるのと同様にアミノ酸エステル
塩の中和が瞬時に起こるため、中和反応とN−炭化水素
オキシカルボニル化反応を分けて行えることを見い出
し、本発明を完成させるに至った。
存在下にアミノ酸とアルコールとを反応させて得られ
る、該アミノ酸のエステルを含む酸性反応液を中和後、
下記一般式(I)
キル基、アルケニル基またはアラルキル基を示す。)で
表されるジカーボネート化合物と混合しN−炭化水素オ
キシカルボニルアミノ酸エステルを得る一連の反応工程
において、該中和工程に用いる中和剤として、比表面積
0.8m2/g以上の無機炭酸塩基を用いることを特徴
とするN−炭化水素オキシカルボニルアミノ酸エステル
の製造方法である。
少なくとも1個のアミノ基と少なくとも1個のカルボキ
シル基を有する公知の化合物が何等制限なく使用され
る。ここでアミノ基とは所謂アミノ基(−NH2)およ
びイミノ基(>NH)の総称であり、例えばアルキル基
またはアラルキル基などの炭化水素残基で置換されたモ
ノ置換アミノ基、ピロリジル基、ピペリジル基等、窒素
原子に少なくとも1個の水素原子が結合しているグルー
プである。
ル基(−COOH)、その塩類およびエステル基類等で
あって、本発明におけるエステル化反応が可能なカルボ
キシル基およびその誘導体基を含むものとする。
を具体的に示せば、例えば、グリシン、フェニルグリシ
ン、N−メチルグリシン、N−エチルグリシン、N−ベ
ンジルグリシン、ヒドロキシフェニルグリシン、アラニ
ン、N−メチルアラニン、N−エチルアラニン、N−ベ
ンジルアラニン、β−アラニン、N−メチル−β−アラ
ニ、N−エチル−β−アラニン、N−ベンジル−β−ア
ラニンン、セリン、ホモセリン、イソセリン、O−ベン
ジル−セリン、システイン、S−アセトアミド−システ
イン、シスチン、ホモシスチン、トレオニン、O−ベン
ジル−トレオニン、メチオニン、ホモメチオニン、バリ
ン、N−メチルバリン、N−エチルバリン、N−ベンジ
ルバリン、ノルバリン、N−メチルノルバリン、N−エ
チルノルバリン、N−ベンジルノルバリン、ロイシン、
N−メチルロイシン、N−エチルロイシン、N−ベンジ
ルロイシン、ノルロイシン、N−メチルノルロイシン、
N−エチルノルロイシン、N−ベンジルノルロイシン、
イソロイシン、N−メチルイソロイシ、N−エチルイソ
ロイシンン、N−ベンジルイソロイシンン、フェニルア
ラニン、N−メチルフェニルアラニン、N−エチルフェ
ニルアラニン、N−ベンジルフェニルアラニン、ヒドロ
キシフェニルアラニン、チロシン、O−ベンジル−チロ
シン、チロニン、O−ベンジル−チロニン、プロリン、
ヒドロキシプロリン、O−ベンジル−ヒドロキシプロリ
ン、トリプトファン、アスパラギン酸、アスパラギン、
グルタミン酸、ホモグルタミン酸、グルタミン、アルギ
ニン、N−トシルアルギニン、N−ベンジルアルギニ
ン、リシン、オルニチン、ヒスチジン、α−アミノ酪
酸、β−アミノ酪酸、γ−アミノ酪酸、α−アミノイソ
酪酸、リジン等を挙げることができる。これらのアミノ
酸は、それぞれ置換基を有していてもよく、それらが保
護されてもよく、光学異性体を含むラセミ混合物であっ
てもよく、更に異種のアミノ酸混合物であってもよい。
に使用されるアルコールは特に制限されないが、エステ
ル化反応の反応性から好適には、炭素数が1〜10のも
のが好ましい。具体的に示せば、メチルアルコール、エ
チルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアル
コール、t−ブチルアルコール、n−アミルアルコー
ル、イソアミルアルコール、t−アミルアルコール、n
−ヘキシルアルコール、シクロヘキシルアルコール、ア
リルアルコール、ベンジルアルコール等を挙げることが
できる。中でも、エステルへの転換が容易なメチルアル
コール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、
イソプロピルアルコール、n−ヘキシルアルコール、シ
クロヘキシルアルコール、ベンジルアルコール等が好ま
しい。これらのアルコールは、2種類以上組み合わせて
使用しても良く、目的に応じて選択使用される。
しては、エステル化反応がアミノ酸とアルコールの当量
反応であるため、アミノ酸のカルボキシル基に対して1
当量以上あれば何等制限はない。一般に溶媒の役割も持
たせるため、過剰量が用いられる。しかし、あまり量が
多いと、一バッチ当たりの収量が低下し経済的ではない
ため、通常アルコール中のアミノ酸の濃度が0.1〜9
0重量%、好ましくは1〜80重量%になるように用い
ると良い。
ても良いが、他の溶媒を混合して用いても差し支えな
い。それらは有機溶媒であって溶質であるアミノ酸やア
ルコールと反応しないものが用いられる。具体的に例示
するとジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロ
ロエタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン等のハロゲ
ン化脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸n−プロピ
ル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチ
ル、酢酸t−ブチル、ギ酸エチル、ギ酸n−プロピル、
ギ酸イソブチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n
−ブチル、プロピオン酸t−ブチル等のエステル類、ベ
ンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−
キシレン等の芳香族炭化水素、クロロベンゼン、o−ジ
クロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロ
ベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素、ジエチルエー
テル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ブチ
ルエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテ
ル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン等のケトン類、ジメチルカーボネート等のカー
ボネート類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニ
トリル類、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、トリメチルペンタン等の脂肪族炭化水素類、シクロ
ヘキサン等の環状脂肪族炭化水素類、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルス
ルホキシド等である。また、これらの有機溶媒は2種類
以上組み合わせて使用しても良い。
コールの使用量や有機溶媒の種類によっても異なるた
め、一概には言えないが、通常アミノ酸の濃度が0.1
〜90重量%、好ましくは1〜80重量%となるよう
に、アルコールと有機溶媒との総量を定めるのが一般的
である。
大きく阻害されるため、本反応に使用されるアルコール
および有機溶媒中の水の含量は、アミノ酸に対して1重
量%以下、好ましくは0.5重量%以下となるように調
製する。アルコール及び有機溶媒の脱水方法としては、
化合物の種類によって大きく異なるため、一概には言え
ないが、一般的には共沸脱水法、塩化カルシウム、酸化
カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、カル
シウムハイドライド、ナトリウムハイドライド、ナトリ
ウム、五酸化二リン等の脱水剤を用いる方法が、採用さ
れる。
を強酸または塩化チオニルの存在下に反応させると、ア
ミノ酸エステル塩を含有する反応液を得ることができ
る。
酸のエステル化反応に使用される公知のものが何等制限
なく使用される。好ましくは、水溶液中におけるpKa
が2.0以下、好適には1.0以下の酸を用いるのが良
好である。ここで、上記酸のpKaは、該酸が硫酸のよ
うな多塩基酸の場合であれば、その値が最も小さくなる
第1段の解離での値をいう。なお、こうした小さいpK
aである酸性基を有する化合物であっても、アミノ酸の
如く同時にアミノ基のような塩基性基を有する化合物は
分子全体としては強酸性を呈さないため、本発明におけ
る強酸とは区別される。
体的に示せば、塩化水素、硫酸、硝酸、りん酸等の鉱
酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メ
タンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。これらの中で
も、高いエステル化率が期待できる塩化水素または硫酸
を用いるのが最も好ましい。
限されるものではないが、アミノ酸が有するアミノ基に
対して当量以上であることが好ましい。強酸として塩化
水素を使用する場合は、反応溶媒として使用する前記ア
ルコールまたはアルコールと有機溶媒中にアミノ基に対
して当量以上吹き込んで使用するのがよい。
ノ酸、アルコール、および強酸または塩化チオニルの添
加方法には特に制限はない。しかし、塩化チオニルを使
用して該エステル化反応を行う場合、特にセリン等のよ
うに分子中に水酸基を有するアミノ酸を使用する際に
は、あらかじめ塩化チオニルとアルコールを混合した
後、アミノ酸を添加する方法が目的とするエステル化反
応の収率を向上させる面から好ましい。
のいずれの場合も実施可能である。
あるが、その場合大気中の水分によって、反応の進行が
阻害される場合もあるため、通常、反応液は塩化カルシ
ウム等の乾燥剤を通して大気に開放させるか、または窒
素、アルゴン、ヘリウム等の不活性気体雰囲気下、或い
は密閉下で行うのが好ましい。
テル化反応が進行するに連れ、副生する水による影響を
受け、反応が止まってしまう場合がある。このような場
合には適宜、副生した水を蒸留等によって除去し、新し
いアルコールまたはアルコールと有機溶媒を添加するこ
とによって反応を進行させることも可能であり、しばし
ば好ましい結果をあたえる。
すぎるとアミノ酸のラセミ化を生じ、低すぎると著しく
エステル化反応速度が低下するため、通常は系の凝固点
〜反応時の圧力下での沸点、例えば100℃の範囲、好
ましくは−20〜80℃の範囲で選択される。本反応に
要する時間は反応温度、使用するアルコールおよびアミ
ノ酸の種類によっても異なるが、通常は1〜120時間
の範囲である。
可能である。
液には、目的物であるアミノ酸エステル塩の他、未反応
の強酸あるいは塩化チオニルを使用した場合に副生する
塩化水素および二酸化イオウが共存し酸性である。
塩を生成させた後、この酸性反応液を無機炭酸塩基を用
いて中和する。
質と反応しこれを中和すると共に二酸化炭素を副生する
ものであれば公知のものが何等制限なく使用される。具
体的には炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カ
リウム等のアルカリ金属炭酸塩および酸性炭酸塩、炭酸
マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等のアル
カリ土類金属の炭酸塩および塩基性炭酸塩類が用いられ
る。好適には炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水
素カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等が用
いられる。
れる無機炭酸塩基としてB.E.T.式による比表面積
が0.8m2/g以上のものを用いる。一般に無機炭酸
塩基の結晶粒子は緻密であり、その比表面積は通常0.
5m2/g程度またはそれ以下である。従って本発明に
おいて中和剤として用いる場合には、これを粉砕するこ
とも必要に応じて行われる。このような粉砕は公知の粉
砕機、例えばロッドミル、ロールミル、ボールミル、振
動ミル、タワーミル、コロイドミル、各種のジェット粉
砕機等により行うことができる。中でも、気力を用いる
衝撃粉砕型の粉砕機が好適に使用される。
工程において、反応や析出条件等をコントロールする方
法、或いは分級によって本発明の中和剤として適する比
表面積を得ることもできる。
上、好ましくは1.0m2/g以上の無機炭酸塩基を
得、これを本発明の中和工程に用いることにより無機塩
基水溶液を用いた場合と何等遜色なく、ほぼ瞬時に中和
反応が進行し、しかも水が存在しないために、加水分解
が生じるおそれも少ない。その上二酸化炭素の気泡発生
が止まる時点に基づいて、中和の終点が容易に確認でき
るという利点もある。
g以下の無機炭酸塩基を使用すると、中和反応が瞬時に
は進行せず、またその終点の見極めが困難となるため、
往々にして次工程であるN−炭化水素オキシカルボニル
化剤を混合した後も尚、中和反応が継続し、後術する実
施例の図1に示す如く、中和およびN−炭化水素オキシ
カルボニル化工程に長時間を必要とする。更に、中和反
応とN−炭化水素オキシカルボニル化反応が並列に進行
する場合の問題点の一つは中和反応が何らかのきっかけ
により、急激に進行すると無機炭酸塩基の分解による二
酸化炭素の発生に加え、N−炭化水素オキシカルボニル
化で副生する二酸化炭素による二重の発泡が生じ、反応
液面が上昇し反応容器から噴出をする危険性がある。
の無機炭酸塩基を用いても最早技術的利点はなく、粉砕
機等を用いて微紛状にしても、経済的にも有利な中和剤
とは言い難くなる。
8〜3.0m2/gの範囲とした無機炭酸塩基により中
和反応を瞬時に進行させ、使用する無機炭酸塩基の分解
によって発生する二酸化炭素の有無を目視することによ
り、中和反応の終点が確認でき、中和反応とN−炭化水
素オキシカルボニル化反応を分割させ、安全に反応を行
うことが可能となる。
記酸性反応液と接触させてもよいが、該無機炭酸塩基を
有機溶媒に懸濁させ前記反応液と接触させても良い。そ
の場合、有機溶媒としては特に制限されないが具体的に
は、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルア
ルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコー
ル、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、t
−アミルアルコール、n−ヘキシルアルコール、シクロ
ヘキシルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコー
ル類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロ
ロエタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン等のハロゲ
ン化脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸n−プロピ
ル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチ
ル、酢酸t−ブチル、ギ酸エチル、ギ酸n−プロピル、
ギ酸イソブチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n
−ブチル、プロピオン酸t−ブチル等のエステル類、ベ
ンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−
キシレン等の芳香族炭化水素、クロロベンゼン、o−ジ
クロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロ
ベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素、ジエチルエー
テル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ブチ
ルエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテ
ル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン等のケトン類、ジメチルカーボネート等のカー
ボネート類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニ
トリル類、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、トリメチルペンタン等の脂肪族炭化水素類、シクロ
ヘキサン等の環状脂肪族炭化水素類、ジメチルホルアミ
ド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスル
ホキシド等が用いられる。好適には前記アミノ酸のエス
テル化反応で使用されたアルコールと同じメチルアルコ
ール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブ
チルアルコール、t−ブチルアルコール、n−アミルア
ルコール、n−ヘキシルアルコール、シクロヘキシルア
ルコール、ベンジルアルコールが使用される。また、こ
れらの有機溶媒は単独で使用しても良いが、2種類以上
組み合わせて使用しても良い。
すぎると非経済的であり少なすぎると次工程のN−炭化
水素オキシカルボニル化反応が進行しないため、前記エ
ステル化反応液中の酸性成分の当量に対して0.8〜
2.0倍当量、好ましくは1.0〜1.5倍当量の範囲
から選択すれば良い。
いが、あまり温度が高いと加水分解等の副反応を助長
し、あまり温度が低いと、反応系の粘度が上昇して攪拌
機等に支障をきたすため、通常は−40〜80℃、さら
には−20〜40℃の範囲で行うのが好ましい。
め、無機炭酸塩基と該反応液を接触させると瞬時に二酸
化炭素が発生する。このため、中和に際しては二酸化炭
素の発泡による液面の上昇に十分注意しながら中和を行
う必要がある。
ルの溶液が、次のN−炭化水素オキシカルボニル化反応
に供される。この時中和によって副生した塩を固液分離
によって分離しても良いが、一般的にはスラリー溶液の
まま次の反応に用いられる。本発明においてN−炭化水
素オキシカルボニル化反応に使用する反応剤としては、
一般式(I)
キル基、アルケニル基またはアラルキル基を示す。)で
示されるジカーボネート化合物である。
ート化合物(I)中の2個のR1は互いに同種であって
もまたは異種であってもよく、アルキル基、アルケニル
基、またはアラルキル基であり好ましくは炭素数10以
下の炭化水素残基から選ばれる。これらの炭化水素残基
は、置換基、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等
のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t
−ブチル基、t−アミル基等のアルキル基;シクロヘキ
シル基等のシクロアルキル基;アリル基、グリシジル基
等のアルケニル基;フェニル基等のアリール基;ベンジ
ル基等のアラルキル基;水酸基;アルコキシ基;アシル
基;メトキシカルボニル基、アセトキシ基等のエステル
基;ジアルキルアミノ基;カルバモイル基等を1個また
は2個以上有していても良い。
エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチ
ル基、イソブチル基、t−ブチル基、t−アミル基等の
炭素数1〜10の低級アルキル基が好適であり、アルケ
ニル基はアリル基、グリシジル基が好適であり、アラル
キル基はベンジル基が好適である。
ネート化合物を具体的に例示すると、ジメチルジカーボ
ネート、ジエチルジカーボネート、ジイソプロピルジカ
ーボネート、ジ−i−ブチルジカーボネート、ジ−t−
ブチルジカーボネート、ジ−t−アミルジカーボネー
ト、ジアリルジカーボネート、ジベンジルジカーボネー
ト等を挙げることができる。
用するジカーボネート化合物の使用量は、あまり過剰に
用いると経済的ではないため、通常は保護したいアミノ
酸エステルのアミノ基に対して1.0〜5.0当量、好
ましくは1.0〜2.5当量、更に好ましくは1.0〜
1.5当量の範囲で選べばよい。
いが、あまり温度が高いと原料のジカーボネート化合物
および生成物が分解するため、通常は系の凝固点〜10
0℃の範囲、好ましくは0〜80℃の範囲であることが
好適である。
減圧のいずれの場合も実施可能であり、反応に要する時
間は反応温度、原料のアミノ酸の種類によっても異なる
が、通常は1〜120時間の範囲である。反応は回分
式、連続式のいずれでも実施可能である。
るアルコールを溶媒とし、実質的に他の有機溶媒を用い
ず前記アミノ酸のエステル化反応液の中和反応を、無機
炭酸塩基を粉体のままで反応系に添加するか、または溶
媒成分が該アミノ酸のエステル化反応で原料として用い
たアルコールと同種のアルコールに懸濁させて使用する
場合、上記N−炭化水素オキシカルボニル化反応の反応
媒体は、大部分が該アミノ酸のエステル化反応で用いた
ものと同種のアルコールで占められる。従って、こうし
た場合には、前記N−炭化水素オキシカルボニル化反応
の開始前や終了後に、該反応媒体のアルコールの任意の
量を減圧留去等により回収し、必要に応じて精製後、再
度、アミノ酸のエステル化反応のアルコール原料等とし
て用いることができる。使用するアミノ酸がセリン等の
分子中に水酸基を有するアミノ酸である場合は反応前に
アルコール回収を行うと、アミノ酸の2量体エステルの
副生の危険性があるため、特にN−炭化水素オキシカル
ボニル化反応の終了後に行うのが好ましい。
シカルボニルアミノ酸エステルの有機溶媒溶液から、N
−炭化水素オキシカルボニルアミノ酸エステルを単離す
る方法としては、公知の方法が何等制限なく使用でき
る。
によって副生した塩および過剰の無機炭酸塩基を除去し
た後、N−炭化水素オキシカルボニルアミノ酸エステル
を有機溶媒に抽出することによって単離する方法等を挙
げることができる。
機炭酸塩基を除去する方法としては、反応溶液中に析出
している結晶を、自然濾過、遠心濾過、加圧濾過或いは
デカンテーションのような公知の固液分離方法によって
分離した後、可能な限りアルコールを留去し、得られた
溶液に水を加えて、水溶性の塩および無機炭酸塩基を水
相に溶解させる方法、或いは上記反応溶液から可能な限
りアルコールを留去した後、水を加えて全ての塩および
無機炭酸塩基を水に溶解させる方法等を挙げることがで
きる。
溶媒で抽出することによってN−炭化水素オキシカルボ
ニルアミノ酸エステルは単離される。
炭化水素オキシカルボニルアミノ酸エステルを溶解し、
水と相溶しない有機溶媒であれば何等制限なく使用でき
る。具体的にはジクロロメタン、クロロホルム、1,2
−ジクロロエタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン等
のハロゲン化脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸n−
プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イ
ソブチル、酢酸t−ブチル等のエステル類、ベンゼン、
トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン
等の芳香族炭化水素、クロロベンゼン、o−ジクロロベ
ンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン
等のハロゲン化芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、ブ
チルエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエー
テル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン
等のケトン類、ジメチルカーボネート等のカーボネート
類、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、トリ
メチルペンタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン
等の環状脂肪族炭化水素類等を挙げることができる。中
でも、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロ
ロエタンのハロゲン化脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、
酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチ
ル、酢酸イソブチル、酢酸t−ブチル、ギ酸エチル、ギ
酸プロピル、ギ酸イソブチル、プロピオン酸エチル、プ
ロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸t−ブチル等のエ
ステル類、トルエン、m−キシレン等の芳香族炭化水
素、クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素、ジ
エチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル
類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類、ジメチルカーボネート等のカーボネート類、
n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、シ
クロヘキサン等の環状脂肪族炭化水素類等が好適に使用
される。
水素オキシカルボニルアミノ酸エステルの種類によって
異なるため一概には言えないが、あまり温度が高いと加
水分解反応を助長し、あまり温度が低いと界面を形成す
るのに時間を要したり、大量のエマルジョンを発生させ
る原因となるため、0℃ないし使用する溶媒の沸点以下
の温度、通常は0〜60℃、好ましくは5〜50℃の範
囲で行うのがよい。
キシカルボニルアミノ酸エステルはこのままでも十分産
業上の有用な原料として使用可能であるが、場合によっ
ては原料のアミノ酸或いは中間物であるアミノ酸エステ
ル等の不純物が少量含まれているため、これらを除去し
ても良い。不純物の除去方法としては、公知のものが何
等制限なく用いられる。例えば、上記溶液を酸性水溶液
で洗浄して、アミノ酸およびアミノ酸エステル等の不純
物を水相に取り除いた後、塩基性水溶液で酸を中和し、
最後に水で洗浄して微量に溶解する塩及び塩基を取り除
く方法等を挙げることができる。
酸、硫酸、硝酸、りん酸等の鉱酸が好適に使用され、さ
らに好ましくは塩酸、硫酸、硝酸が使用される。濃度と
しては、あまり高すぎるとN−炭化水素オキシカルボニ
ルアミノ酸エステルが分解し、低すぎると未反応物が除
去できないため、通常は0.0001〜12N、好まし
くは0.001〜10Nの範囲から選択すれば良い。
は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化マグネシウム等のアルカリ金属水酸化物、炭
酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウ
ム等のアルカリ金属重炭酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等のアルカ
リ金属炭酸塩、アンモニアが使用され、好適には水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、等のアルカリ金属水酸化
物、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素
カリウム等のアルカリ金属重炭酸塩、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩が使用される。濃
度としては、あまり高すぎるとN−炭化水素オキシカル
ボニルアミノ酸エステルが加水分解され、低すぎると酸
の中和が十分に行われないため、通常は0.0001〜
12N、好ましくは0.001〜10Nの範囲から選択
すれば良い。
媒を留去すれば、N−炭化水素オキシカルボニルアミノ
酸エステルを得ることができる。目的物が液体または油
状物である場合はそのままあるいは、該有機溶媒の溶液
として単離可能であるが、結晶として回収する場合は、
かかる抽出液から再結晶や再沈等の公知の方法により、
N−炭化水素オキシカルボニルアミノ酸エステルを晶析
させても良い。
ボニルアミノ酸エステルの固液分離方法は公知の方法が
特に制限されることなく採用され、例えば、自然濾過、
加圧濾過、減圧濾過等の濾過方法、デカンテーション、
あるいは遠心分離等の方法が挙げられる。
ルの存在下にアミノ酸とアルコールとを反応させて得ら
れる、該アミノ酸のエステルを含む酸性反応液を、比表
面積0.8m2/g以上の無機炭酸塩基で中和を行うこ
とで、加水分解反応を抑制し、しかも無機塩基の水溶液
を用いる場合と同様に中和反応が瞬時に起こるため、中
和反応とN−炭化水素オキシカルボニル化反応を分けて
行え、N−炭化水素オキシカルボニルアミノ酸エステル
を安全に製造できる。従って本発明は、N−炭化水素オ
キシカルボニルアミノ酸エステルの製造方法として工業
的に極めて有用である。
本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
窒素雰囲気下、10℃以下でメタノール248g(7.
74mol)に塩化水素72.92g(2.00mo
l)を注入し、L−フェニルアラニン165.19g
(1.00mol)を添加した。その後、反応溶液を3
5℃にして12時間攪拌した。反応終了後、10℃以下
で比表面積0.8m2/gの炭酸ナトリウム222.6
g(2.10mol)を二酸化炭素の発生に伴う反応溶
液の液面上昇に注意しながら、液温を15℃以下にコン
トロールして、30分かけて滴下した。滴下終了後14
分で二酸化炭素の発生は停止した。この時高速液体クロ
マトグラフィー(HPLC)で加水分解物の含有量を定
量したところ、0.3%であった。さらに液温を20℃
以下にコントロールしながら、ジ−t−ブチルジカーボ
ネート216.1g(0.99mol)を添加しN−t
−ブトキシカルボニル−L−フェニルアラニンメチルエ
ステルを得た。滴下終了後35分、HPLCで反応の完
結を確認した。反応終了後、メタノールおよび副生する
t−ブチルアルコールを326g留去した。次に、n−
ヘキサン400mlおよび水1000mlを加え目的物
をn−ヘキサン相に抽出し、さらに、0.4Nの塩酸2
00ml、0.2Nの炭酸ナトリウム水溶液60ml、
水60mlの順でn−ヘキサン相を洗浄し、n−ヘキサ
ンを留去したところN−t−ブトキシカルボニル−L−
フェニルアラニンメチルエステルを収量258.4g
(収率92.5%)で取得することができた。
ナトリウムを使用し、炭酸ナトリウムとジ−t−ブチル
ジカーボネートを同時に添加したこと以外、実施例1と
同様に行った。その結果、N−t−ブトキシカルボニル
−L−フェニルアラニンメチルエステルを収量248.
6g(収率89.0%)で取得できたが、中和反応、N
−炭化水素オキシカルボニル化反応に12時間要した。
ナトリウムを使用し、炭酸ナトリウムとジ−t−ブチル
ジカーボネートを同時に添加したこと以外、実施例1と
同様に行った。その結果、N−t−ブトキシカルボニル
−L−フェニルアラニンメチルエステルを収量245.
8g(収率88.0%)で取得できたが、中和反応、N
−炭化水素オキシカルボニル化反応に16時間要した。
積の無機炭酸塩基を用いた以外は実施例1と同様に操作
した。その結果を表1に示す。また、実施例1〜7、比
較例1〜2を無機炭酸塩基の比表面積に対する中和時間
とN−炭化水素オキシカルボニル化に要するトータル時
間のプロットを図1に示す。
窒素雰囲気下、10℃以下でメタノール248g(7.
74mol)、硫酸392.4g(4.00mol)を
注入し、L−フェニルアラニン165.19g(1.0
0mol)を添加した。その後、反応溶液を40℃にし
て12時間攪拌した。反応終了後、10℃以下で比表面
積1.3m2/gの炭酸水素ナトリウム352.8g
(4.20mol)を二酸化炭素の発生に伴う反応溶液
の液面上昇に注意しながら、液温を15℃以下にコント
ロールして、30分かけて滴下した。滴下終了後14分
で二酸化炭素の発生は停止した。この時HPLCで加水
分解物を定量したところ、0.4%であった。さらに液
温を20℃以下にコントロールしながら、ジ−t−ブチ
ルジカーボネート216.1g(0.99mol)を3
0分かけて滴下し、N−t−ブトキシカルボニル−L−
フェニルアラニンメチルエステルを得た。滴下終了後3
0分、HPLCで反応の完結を確認した。その後、メタ
ノールおよび副生するt−ブチルアルコールを329g
留去した。次に、酢酸エチル400mlおよび水600
mlを加え目的物を酢酸エチル相に抽出し、さらに、
0.4Nの塩酸200ml、0.2Nの炭酸ナトリウム
水溶液60ml、水60mlの順で酢酸エチル相を洗浄
し、酢酸エチルを留去したところN−t−ブトキシカル
ボニル−L−フェニルアラニンメチルエステルを収量2
60.6g(収率93.3%)で取得することができ
た。
した比表面積の無機炭酸塩基を用いた以外は実施例8と
同様に操作した。その結果を表2に示す。
水素ナトリウムを使用し、炭酸水素ナトリウムとジ−t
−ブチルジカーボネートを同時に添加したこと以外、実
施例8と同様に行った。その結果、N−t−ブトキシカ
ルボニル−L−フェニルアラニンメチルエステルを収量
250.0g(収率89.5%)で取得できたが、中和
反応、N−炭化水素オキシカルボニル化反応に11時間
要した。
窒素雰囲気下、10℃以下でメタノール248g(7.
74mol)、D−フェニルアラニン165.19g
(1.00mol)を加え、塩化チオニル124.9g
(1.05mol)を添加した。その後、反応溶液を2
5℃にして10時間攪拌した。反応終了後、10℃以下
で比表面積2.2m2/gの炭酸ナトリウム183.4
g(1.73mol)を二酸化炭素の発生に伴う反応溶
液の液面上昇に注意しながら、液温を15℃以下にコン
トロールして、30分かけて滴下した。滴下終了後14
分で二酸化炭素の発生は停止した。この時HPLCで加
水分解物を定量したところ、0.2%以下であった。さ
らに液温を20℃以下にコントロールしながら、ジ−t
−ブチルジカーボネート210.8g(0.97mo
l)を30分かけて滴下し、N−t−ブトキシカルボニ
ル−D−フェニルアラニンメチルエステルを得た。滴下
終了後35分、HPLCで反応の完結を確認した。さら
に、メタノールおよび副生するt−ブチルアルコールを
330g留去した。次に、ジクロロメタン400mlお
よび水1200mlを加え目的物をジクロロメタン相に
抽出し、さらに、0.4Nの塩酸200ml、0.2N
の炭酸ナトリウム水溶液60ml、水60mlの順でジ
クロロメタン相を洗浄し、ジクロロメタンを留去したと
ころN−t−ブトキシカルボニル−D−フェニルアラニ
ンメチルエステルを収量264.0g(収率94.5
%)で取得することができた。
の炭酸ナトリウムを用いた以外は実施例18と同様に操
作した。その結果を表3に示す。
窒素雰囲気下、10℃以下でメタノール248g(7.
74mol)に塩化水素72.92g(2.00mo
l)を注入し、L−フェニルアラニン165.19g
(1.00mol)を添加した。その後、反応溶液を3
5℃にして12時間攪拌した。反応終了後、10℃以下
で比表面積1.1m2/gの炭酸ナトリウム222.6
g(2.10mol)を二酸化炭素の発生に伴う反応溶
液の液面上昇に注意しながら、液温を15℃以下にコン
トロールして、30分かけて滴下した。滴下終了後35
分で二酸化炭素の発生は停止した。この時HPLCで加
水分解物の含有量を定量したところ、0.3%であっ
た。さらに液温を20℃以下にコントロールしながら、
ジ−t−ブチルジカーボネート216.1g(0.99
mol)を添加しN−t−ブトキシカルボニル−L−フ
ェニルアラニンメチルエステルを得た。滴下終了後35
分、HPLCで反応の完結を確認した。反応終了後、メ
タノールおよび副生するt−ブチルアルコールを326
g留去した。次に、トルエン400mlおよび水100
0mlを加え目的物をトルエン相に抽出し、さらに、
0.4Nの塩酸200ml、0.2Nの炭酸ナトリウム
水溶液60ml、水60mlの順でトルエン相を洗浄
し、トルエンを留去したところN−t−ブトキシカルボ
ニル−L−フェニルアラニンメチルエステルを収量25
8.4g(収率92.5%)で取得することができた。
に示した比表面積の炭酸ナトリウムを用いた以外は実施
例23と同様に操作した。その結果を表4に示す。
の比表面積と中和時間およびN−炭化水素オキシカルボ
ニル化時間との関係を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】強酸或いは塩化チオニルの存在下にアミノ
酸とアルコールとを反応させて得られる、該アミノ酸の
エステルを含む酸性反応液を中和後、下記一般式(I) 【化1】 (但し、R1は置換基を有しても良いアルキル基、アル
ケニル基またはアラルキル基を示す。)で表されるジカ
ーボネート化合物と混合しN−炭化水素オキシカルボニ
ルアミノ酸エステルを得る一連の反応工程において、該
中和工程に用いる中和剤として、比表面積0.8m2/
g以上の無機炭酸塩基を用いることを特徴とするN−炭
化水素オキシカルボニルアミノ酸エステルの製造方法。
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JP10918298A JP3325225B2 (ja) | 1998-04-20 | 1998-04-20 | N−炭化水素オキシカルボニルアミノ酸エステルの製造方法 |
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JPH11302244A JPH11302244A (ja) | 1999-11-02 |
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