JP3324864B2 - 映像カラオケ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、歌詞表示の背景に再生
映像を使用し、伴奏音楽に合わせて歌唱して楽しむこと
が可能な映像カラオケ装置に関するものであり、更に詳
細には、伴奏音楽に最適な再生映像を再生する映像カラ
オケ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の映像カラオケ装置では、映像デー
タと歌詞データ及び演奏データとを一曲毎に記憶したビ
デオディスク等を再生することによりカラオケ曲を出力
してきた。このような映像カラオケ装置に用いられるビ
デオディスク等に記憶されている映像データは、演奏デ
ータのイメージに合致するよう編集されており、一の曲
に対しては一の映像が対応するものである。従って、一
曲、一曲の演奏イメージに合致した背景画像が得られ、
視覚的にも利用者を満足させることができた。

【０００３】しかし、このような映像カラオケ装置を業
務用に用いる場合、利用者のリクエストニーズに応える
ためには、装置１台当り数千曲もの演奏データ等が必要
となり、一曲毎に別個のデータとして演奏データ等を記
憶しているビデオディスクを数多く用意する必要があっ
た。これら多数枚のビデオディスクは、専用の収納ケー
スに収納され、オートチェンジャ等を用いてリクエスト
に応じたディスクが選択、再生されるものであるから、
多くのディスクを収納する専用収納ケース及びオートチ
ェンジャが占有する面積が大きくなり、特に業務用とし
てはコンパクト化が希求されていた。

【０００４】そこで、映像カラオケ装置をコンパクト化
するため一案として実現されているのが、演奏データと
映像データを別の記憶媒体に記憶させておき、演奏デー
タ再生時に、映像データを別個に再生して背景画像とし
て表示するものである。この背景画像となる映像データ
はビデオディスクに収められることが多いが、例えば１
枚のビデオディスクに２時間分の映像データが納められ
ている場合、１時間の演歌用映像データと、１時間のポ
ップス用映像データといった具合いに２種類の映像デー
タが収められているのが一般的である。詳しくは、演歌
・ポップスといった演奏データのジャンルに対応して、
４分程度で区切りのつく演歌用・ポップス用の編集映像
が複数収められている。そして、リクエスト曲を演歌と
ポップスとに分類して、演歌→演歌→ポップス→演歌→
ポップスの順番にリクエストがなされた場合には、例え
ば映像データは、演歌→演歌→ポップス→演歌
→ポップスの順番に読み出されて表示されるのであ
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような映像カラオケ装置では、例えば、１曲の演奏時間
が４分程度であるとして、演歌用・ポップス用の映像デ
ータとしてそれぞれ１４〜１５種類の映像データを有す
るに留まるため、演奏頻度が高くなるにつれ同じ背景画
像が繰り返し再生されることになる。従って、利用者
は、演奏される曲が異なるにもかかわらず、背景画像は
同じといった状況に頻繁に遭遇することになり、盛り上
がりに欠ける原因となると共に、新鮮味がなくなり飽き
を感じさせてしまうという問題があった。

【０００６】また、演奏ジャンルを分類するにあたり、
上述のように演歌とポップスの２種類の演奏ジャンルに
よって分けるとすれば、演歌の場合は比較的対応可能で
あるものの、ポップスの場合、アニメ曲や童謡、外国の
フォークソング等をも含まなくてはならないことから曲
の内容・趣向に不向きなものが出てくるという問題があ
る。また、冬の曲であるにもかかわらず夏の風景が映し
出されたり（季節感の不対応）、曲のスピード感に合わ
ないのどかな風景が映し出されたりして、上記１４〜１
５程度の映像データだけでは対応しきれず、利用者に違
和感を与えるといった問題がある。

【０００７】特に、アップテンポの演奏データに対して
は、スピード感にあふれる映像データが要求されるので
あるが、ポップス用の映像データとして１４〜１５種類
の映像データを有するに留まる状況下においては、他の
曲にも汎用できることが要求されることから、アップテ
ンポな演奏データに対してのみ用いることができるよう
なスピード感のある映像データを用いることができない
という問題があった。この問題を解決するため、別にア
ップテンポ用の映像データを備えるとすれば、再び映像
カラオケ装置の肥大化を招くこととなり、一方、演奏デ
ータを１０種類程度の映像ジャンルによって区分した場
合には、複数の映像データ（すなわち複数の映像ジャン
ルに跨っている）を用いて表現しなければ演奏データと
映像データとのマッチングを十分に図ることができない
という問題が生じる。ところで、スピード感にあふれる
映像データは、その編集にあたって、被写体の切替を頻
繁に行うことにより得られるものが多い。

【０００８】本発明は、上記従来の問題点を解消するた
めになされたものであり、必要最小限の映像データを用
いて数多くの演奏データに対して適切な背景画像を表示
することができる映像カラオケ装置を提供することを目
的とし、特に、スピード感にあふれる映像データを表示
するために特別な映像データを備えることなく、スピー
ド感にあふれる映像データを背景画像として表示するこ
とができる映像カラオケ装置を提供することを目的とす
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明に係る映像カラオケ装置は、選択手段、楽音デー
タ出力手段、映像ジャンル識別手段、映像データ読出手
段、編集映像データ読出制御手段を備え、映像データ記
憶手段が記憶する複数の編集映像データの映像出力を行
う映像カラオケ装置において、前記選択手段は、所望の
カラオケ曲を選択可能であり、前記楽音データ出力手段
は、選択されたカラオケ曲の楽音データを再生出力し、
前記映像ジャンル識別手段は、選択されたカラオケ曲に
対応する映像ジャンルを識別し、前記映像データ読出手
段は、前記映像データ記憶手段から選択された編集映像
データを読出して映像出力し、前記編集映像データ読出
制御手段は、前記映像ジャンル識別手段が出力する映像
ジャンルが所定ジャンル以外である場合には、映像ジャ
ンルに対応する編集映像データを第１の所定時間毎に切
替選択するよう前記映像データ読出手段を制御し、前記
映像ジャンル識別手段が出力する映像ジャンルが所定ジ
ャンルである場合には、映像ジャンルに対応する編集映
像データを前記第１の所定時間よりも短い第２の所定時
間毎に切替選択するよう前記映像データ読出手段を制御
することを特徴とする。

【００１０】ここで、前記映像データ読出手段は、複数
台のプレーヤで構成され、 前記編集映像データ読出制御
手段は、切替選択毎に異なるプレーヤから編集映像デー
タを読み出すよう制御することが望ましい。

【００１１】

【作用】前記構成を有する本発明では、選択手段によっ
て複数のカラオケ曲の中から所望の曲が選択されると、
選択されたカラオケ曲の楽音データが楽音データ出力手
段によって再生される。 また、映像データ記憶手段に
は、複数の編集映像群データが記憶されている。

【００１２】編集映像データ読出制御手段は、映像デー
タ読出手段を制御して、映像ジャンル識別手段が出力す
る映像ジャンルが所定ジャンル以外である場合には、映
像ジャンルに対応する編集映像データを第１の所定時間
毎に切替選択し、また、映像ジャンル識別手段が出力す
る映像ジャンルが所定ジャンルである場合には、映像ジ
ャンルに対応する編集映像データを第１の所定時間より
も短い第２の所定時間毎に切替選択する。

【００１３】また、映像データ読出手段が、複数台のプ
レーヤで構成される場合には、識別された映像ジャンル
に応じて編集映像データ読出制御手段によって切替選択
毎に異なるプレーヤから編集映像データが読み出され
る。

【００１４】

【実施例】以下、本発明を映像カラオケ装置に具体化し
た一実施例について図面を参照して説明する。ここに、
図１は本実施例の映像カラオケ装置の構成を示すブロッ
ク図である。図１に示す通り本映像カラオケ装置は、各
種制御処理を行うコマンダ１０を核にして構成され、こ
のコマンダ１０に、映像データ再生ディスクを再生する
ディスクプレーヤ３０、演奏データを増幅すると共に、
演奏データと後述するマイク５４から入力された歌唱デ
ータをミキシングして音声データとするアンプミキサ５
０、アンプミキサ５０から入力された音声データを外部
に出力するスピーカ５２、利用者が歌唱データを入力す
るマイク５４、映像データが表示されるモニタテレビ５
６から構成されている。

【００１５】利用者は、コマンダ１０を操作することに
よって歌いたい曲を選択する。コマンダ１０には、曲デ
ータとして歌詞データおよび演奏データが格納されてお
り、曲が選択されると、コマンダ１０はこれら歌詞デー
タおよび演奏データを同期させて出力するので、利用者
はモニタテレビ５６に表示される歌詞を参照しながら演
奏に合わせて歌を歌うことになる。コマンダ１０から出
力される演奏データは、アナログの演奏信号に変換され
た後、アンプミキサ５０へ送られて電気的に増幅される
とともに、マイク５４を介して入力される利用者の歌唱
データと適度な割合でミキシングされる。こうしてミキ
シングされた演奏データと歌唱データは、音声信号とし
てスピーカ５２に入力され、スピーカ５２から外部へ出
力される。

【００１６】一方、演奏データと同期してコマンダ１０
により出力される歌詞データは、ディスクプレーヤ３０
から送られるＮＴＳＣ映像信号と合成（スーパーインポ
ーズ）されてモニタテレビ５６に表示される。ディスク
プレーヤ３０から送られるＮＴＳＣ映像信号は、ディス
クプレーヤ３０により映像再生ディスクを再生すること
で生成されるものであり、このＮＴＳＣ映像信号は、利
用者が歌詞を参照しながら歌う際にモニタテレビ５６に
背景映像として表示される。従って、利用者が選択する
曲の内容やイメージに合わせた内容の映像ジャンルとす
る必要がある。

【００１７】次に、コマンダ１０の内部構成についてさ
らに説明する。図１に示す通り、コマンダ１０は、コン
トローラ１２、操作パネル１４、シリアル入出力回路
（ＳＩＯ）１６、モデム１８、ハードディスク２０、Ｍ
ＩＤＩ音源２２、ビデオミキサ２４などを備えている。
コントローラ１２は、コマンダ１０を制御するためのマ
イクロコンピュータであり、利用者により曲が選択され
た場合、その曲に予め付されている映像ジャンルデータ
を判断してディスクプレーヤ３０に送信したり、曲の演
奏が進行されるのに応じてハードディスク２０から曲デ
ータ（演奏データ及び歌詞データ）を読み出し、ＭＩＤ
Ｉ音源２２へ演奏データを、ビデオミキサ２４へ歌詞デ
ータを送信する等の制御を行う。また、本実施例におい
ては、予め演奏データに付されている映像ジャンルデー
タがアップテンポを示す映像ジャンルデータに該当する
場合には、再生時間を後述する所定時間よりも短くする
ようマイコン３８に指令を送信する。操作パネル１４
は、利用者が歌いたい曲を選択するための操作パネルで
あり、また、操作パネル１４に対してはリモコン１４ａ
が備えられており、利用者は遠隔操作によって選曲など
を行うことができる。

【００１８】シリアル入出力回路（ＳＩＯ）１６は、シ
リアル通信回線１７を介して選択された曲に付された映
像ジャンルをディスクプレーヤ３０に送信するためのイ
ンタフェース回路である。本実施例では、ＲＳ２３２Ｃ
ケーブルを用いている。モデム１８は、電話回線を介し
て送られてくる曲データを受信したり、どのような曲が
演奏されているかといった情報を外部へ送信したりする
際、通信路を通して伝送される信号の変調および復調を
行う変復調装置である。本実施例に係る映像カラオケ装
置では、常に最新の曲を備えている状態を維持するた
め、夜間に電話回線にて新曲のデータが、図示しないホ
ストコンピュータからモデム１８を介してコマンダ１０
に送信され、ハードディスク２０に格納される。

【００１９】ハードディスク２０は、曲データとして演
奏データと歌詞データとを格納する記憶装置である。演
奏データとしてはＭＩＤＩ（ミュージカル・インストゥ
ルメント・ディジタル・インタフェース）規格に基づい
たデータが格納されている。このＭＩＤＩ音源２２は、
各種楽器の演奏音を格納しており、ハードディスク２０
から送られる演奏データに基づき、楽器の演奏信号を生
成する音源である。生成された楽器の演奏信号は、アン
プミキサ５０に送信される。ビデオミキサ２４は、ハー
ドディスク２０から送信される歌詞データと、ディスク
プレーヤ３０から送られるＮＴＳＣ映像信号とを合成す
る装置である。歌詞データは楽器の演奏が出力されるの
に同期して、歌詞を反転させ利用者に該当する歌唱部分
を知らせる。ディスクプレーヤ３０はコマンダ１０から
送信される曲に付された映像ジャンルデータに基づき、
該当する映像ジャンルの映像をＮＴＳＣ映像信号として
コマンダ１０へ送るディスクプレーヤである。このディ
スクプレーヤ３０において映像再生ディスク（図示せ
ず）が再生されることにより映像信号が生成される。

【００２０】本実施例で用いる映像再生ディスクは以下
に示す特徴を有している。映像再生ディスクは、１２ｃ
ｍのＣＤ（コンパクトディスク）サイズのビデオディス
クであり、映像データがＭＰＥＧ１の規格で圧縮されて
記憶されている。圧縮されていることで、ＣＤサイズの
ディスク一枚に６５分の映像データが記憶されている。
一枚の映像再生ディスクには、同一の映像ジャンルを構
成するように編集された２以上の編集映像データからな
る編集映像郡データが映像データとして記憶されてお
り、複数の異なる曲イメージ、曲調を有する演奏データ
であっても、異なる映像ジャンルに属する複数の編集映
像データを組み合わせて再生することで、最適な背景画
を得ることができると共に、映像ジャンル区分の細分化
を防止できるものである。

【００２１】そして、本実施例では、映像ジャンルとし
て８種類、枚数にして１６枚の映像再生ディスクが用い
られている。ここで、映像再生ディスクは各映像ジャン
ルにつき２枚ずつ用意されており、これらは映像ジャン
ルとしては同一であるものの、収録されている編集映像
データは各々異なっている。映像再生ディスクに記憶さ
れている編集映像データが属する各映像ジャンルについ
て説明すると、ジャンルＡは、演歌系で冬をテーマとし
た曲に対応する映像ジャンルであり、ジャンルＢは、演
歌系で酒をテーマとした曲に対応する映像ジャンルであ
り、ジャンルＣは、演歌系で海をテーマとした曲に対応
する映像ジャンルであり、ジャンルＤは、演歌系で特に
テーマを持たない演歌一般に対応する映像ジャンルであ
る。また、ジャンルＥは、ポップス系で夏をテーマとし
た曲に対応する映像ジャンルであり、ジャンルＦは、ポ
ップス系で回顧調の曲に対応する映像ジャンルであり、
ジャンルＧは、ポップス系でアニメや童謡等の曲に対応
する映像ジャンルであり、ジャンルＨは、前記以外のポ
ップス一般に対応する映像ジャンルである。

【００２２】また、これら各映像ジャンルＡ〜Ｈの映像
データは、１の編集映像を所定時間３０秒として２４本
の編集映像データからなる編集映像群データとして構成
されており、本実施例では各映像ジャンルとも１２分の
映像からなっている。以後、この３０秒の編集映像をチ
ャプタと呼ぶことにし、チャプタ番号としてＡ−１〜Ａ
−２４という具合いに表すことにする。これら１映像ジ
ャンル内における２４本のチャプタ間には、ストーリー
性を特につけていない。

【００２３】次に、このような映像再生ディスクを再生
するディスクプレーヤ３０の内部構成について図２を用
いて説明する。ここに、図２はディスクプレーヤ３０の
概略構成を示すブロック図である。図２に示す通り、デ
ィスクプレーヤ３０は、シリアル入出力回路（ＳＩＯ）
３２、第１のディスクチェンジャプレーヤ（以下、第１
プレーヤという）３４ａ、第２のディスクチェンジャプ
レーヤ（以下、第２プレーヤという）３４ｂ、切換回路
３６、マイコン３８、データ読取回路４０、圧縮データ
復号化回路４２、ＮＴＳＣコンバータ４４などを備えて
いる。

【００２４】シリアル入出力回路（ＳＩＯ）３２は、コ
マンダ１０から送られる選択された曲の映像ジャンルデ
ータを受信するためのインタフェース回路である。第
１、第２プレーヤ３４ａ、３４ｂは、各々周知のチェン
ジャ部とプレーヤ部（共に図示せず）とから構成されて
いる。各チェンジャ部は、各々８枚の映像再生ディス
ク、すなわち２つのチェンジャ部で合計１６枚の映像再
生ディスクを備えており、所定の順番あるいはマイコン
３８からの指令に従って映像再生ディスクを取り替え
る。プレーヤ部は、チェンジャ部により取り替えられセ
ットされた映像再生ディスクを再生するものであり、第
１、第２プレーヤ３４ａ、３４ｂにより再生すべき映像
再生ディスクを選択し、マイコン３８により再生処理が
実行される。このとき、演奏データに付されている映像
ジャンルデータに映像ジャンルデータＵが含まれない場
合には、１つの編集映像データが記憶されている所定時
間である３０秒が経過するまで、編集映像データを再生
することが繰り返し実行される。一方、映像ジャンルデ
ータに映像ジャンルデータＵが含まれている場合には、
コントローラ１２からの指令を受けたマイコン３８によ
って、第１プレーヤ３４ａ、第２プレーヤ３４ｂは、所
定時間である３０秒が経過するよりも短い時間間隔で編
集映像データを再生することを繰り返す。

【００２５】切換回路３６は、第１、第２プレーヤ３４
ａ、３４ｂから出力される映像信号のどちらをデータ読
取回路４０へ送るかを切り換えるための回路であり、こ
の切替回路からの指令信号に基づき第１、第２プレーヤ
３４ａ、３４ｂは交互に切り換えられ、各編集映像デー
タを再生する。また、該当映像再生ディスクから各編集
映像データを読み出すに際しては、ランダム数値Ｒを発
生させることにより読み出すチャプタがランダムに変更
され、再生される編集映像データの偏りを防止する。マ
イコン３８は、ディスクプレーヤ３０全体の作動を制御
するマイクロコンピュータである。マイコン３８により
実行される処理については、図３乃至図５に基づき後述
する。

【００２６】データ読取回路４０は、サブマイコン４１
を備えており、切換回路３６から送信される電気信号を
ディジタルデータとして読み取るための装置である。デ
ータ読取回路４０により読み取られたディジタルデータ
は、圧縮データ復号化回路４２へ送信される。圧縮デー
タ復号化回路４２は、データ読取回路４０から送信され
る圧縮されたディジタルデータを映像信号に復号化する
電気回路である。圧縮データ復号化回路４２により復号
化された映像信号はＮＴＳＣコンバータ４４に送信され
る。ＮＴＳＣコンバータ４４は、圧縮データ復号化回路
４２により復号化された映像信号を商用カラーテレビジ
ョン信号（ＮＴＳＣ）に変換する電気回路である。ＮＴ
ＳＣコンバータ４４により変換されたＮＴＳＣ映像信号
はコマンダ１０のビデオミキサ２４に送信される。

【００２７】次に、このように構成された映像カラオケ
装置の映像・演奏制御処理について、図３を参照して説
明する。ここに、図３は映像ジャンル判断処理のフロー
チャートである。カラオケ利用者が選曲を行うと、選択
された曲データを構成する演奏データに付されている映
像ジャンルデータの読み込みが行われる（Ｓ１００）。
ここで、映像ジャンルデータについて説明する。この映
像ジャンルデータは、選択された曲のイメージ、曲調等
に合致する映像ジャンルを示すデータであり、ハードデ
ィスク２０から読み出される曲データを構成する各演奏
データに付されている。具体的には、前記した映像再生
ディスクに記憶されている編集映像データが属する映像
ジャンルＡ〜Ｈに対応する映像ジャンルデータＡ〜Ｈの
他に、選択された曲データがアップテンポな曲であるこ
とを示す映像ジャンルデータとして映像ジャンルデータ
Ｕが用意されている。そして、１つの演奏データに対し
て、１または、２以上の映像ジャンルデータが付されて
おり、また、映像ジャンルデータＵは単独で指定される
ことはなく、映像ジャンルデータＡ〜Ｈといった他の映
像ジャンルデータと併用して指定される。

【００２８】具体的に説明すれば、カラオケ利用者がリ
モコン１４ａを用いて、あるいは直接、操作パネル１４
を操作し、選曲を行うことにより、コマンダ１０内のコ
ントローラ１２によって選択された曲に対応する曲デー
タがハードディスクから読み出される。このとき、曲デ
ータを構成する演奏データには、映像ジャンルデータが
付されおり、その映像ジャンルデータがいずれの映像ジ
ャンルに対応するものであるかをコントローラ１２が判
断して、シリアル入出力回路（ＳＩＯ）３２を介してデ
ィスクプレーヤ３０に送信する。なお、本実施例では、
映像ジャンルＡ〜Ｈからなる８種類の映像ジャンルに属
する編集映像データによって、アップテンポの映像ジャ
ンルデータＵを含む９種類の映像ジャンルデータが表現
され得る。

【００２９】このように本実施例に係る映像カラオケ装
置は、映像ジャンルデータに映像ジャンルデータＵが含
まれる場合には、８種類の映像ジャンルＡ〜Ｈのいずれ
かに属する編集映像データを編集映像データが記憶され
ている所定時間である３０秒よりも短い時間間隔で編集
映像データをランダムに再生して背景画を得るものであ
る。例えば、選択された演奏データに映像ジャンルデー
タＦとＵが付されていた場合には、映像ジャンルＦに属
する映像再生ディスクを用いて後述するアップテンポ処
理が実行され、選択された演奏データに映像ジャンルデ
ータＨとＵが付されていた場合には、映像ジャンルＨに
属する映像再生ディスクを用いて後述するアップテンポ
処理が実行される。

【００３０】従って、先にコントローラ１２によって判
断された演奏データに付されている映像ジャンルデータ
に、演奏データがアップテンポであることを示す映像ジ
ャンルデータＵが含まれているか否かが判断され（Ｓ１
１０）、映像ジャンルデータＵが含まれていないと判断
された場合には（Ｓ１１０：ＮＯ）、通常の再生処理が
実行される（Ｓ１１５）。すなわち、他の映像ジャンル
が判断され、所定時間である３０秒毎に再生する編集映
像データを切り替える再生処理が実行される。一方、映
像ジャンルデータに映像ジャンルデータＵが含まれてい
る場合には（Ｓ１１０：ＹＥＳ）、アップテンポ用の設
定時間を設定し、アップテンポ再生処理が実行される
（Ｓ２００）。このアップテンポ再生処理は、アップテ
ンポと同時に指定されている他のジャンルの映像再生デ
ィスクから編集映像データを読み出す処理であり、ま
た、本実施例では、アップテンポ用の設定時間を１０秒
に設定している。ここで、読出時間を１０秒としたの
は、読出時間が極端に短い場合には背景映像があまりに
頻繁に切り替わることから、利用者にスピード感を感じ
させるよりも煩雑感を感じさせてしまい、一方、読出時
間が長い場合には利用者にスピード感を感じさせること
ができないからである。従って、適切な設定時間として
は、５秒から１０秒の間であることが要求される。

【００３１】次にアップテンポ再生処理（Ｓ２００）の
うち、選択された演奏データに映像ジャンルデータＨと
Ｕが付されていた場合、すなわちジャンルＨアップテン
ポ処理（Ｓ１０００）について、図４を参照して説明す
る。ここに、図４はジャンルＨアップテンポ再生処理の
フローチャートである。ジャンルＨアップテンポ再生処
理が開始されると、まずコントローラ１２からの再生ス
タート指令の入力があるか否かを判断し（Ｓ２０５）、
再生スタート指令が入力されたと判断した場合には（Ｓ
２０５：ＹＥＳ）、第１、第２プレーヤ３４ａ、３４ｂ
のうち、再生するプレーヤを指示するプレーヤ番号Ｐを
０とする（Ｓ２１０）。プレーヤ番号Ｐは「０」と
「１」があり、本実施例ではプレーヤ番号Ｐ＝０の場合
は第１プレーヤ３４ａにより再生がなされ、プレーヤ番
号Ｐ＝１の場合は他方の第２プレーヤ３４ｂにより再生
がなされるように設定されている。従って、再生開始時
には、第１プレーヤ３４ａによってジャンルＨを記憶す
る編集映像データが再生されることになり、また、本処
理では、第１プレーヤ３４ａのみが作動する。

【００３２】設定時間は１０秒と設定されており、読み
出す編集映像データをランダムに選択するため、ランダ
ム数値Ｒを発生させる処理が実行され（Ｓ２２０）、続
いて、発生されたランダム数値Ｒが１≦Ｒ≦２４を満た
すか否かが判断される（Ｓ２２５）。そして、ランダム
数値Ｒが１≦Ｒ≦２４を満たさない場合には（Ｓ２２
５：ＮＯ）、１≦Ｒ≦２４を満たすランダム数値Ｒが得
られるまでＳ２２０の処理が繰り返し行われ、ランダム
数値Ｒが１≦Ｒ≦２４を満たしたところで（Ｓ２２５：
ＹＥＳ）ランダム数値Ｒを再生用チャプタ番号Ｓに変換
する処理が実行される（Ｓ２３０）。

【００３３】ここで、Ｓ２２５において、ランダム数値
Ｒが１≦Ｒ≦２４に該当する場合にだけ、次のステップ
に進むようにしているのは、本実施例では１枚の映像再
生ディスクにおいて、短い時間間隔で次々と編集映像デ
ータを読み出すことによって、スピード感のある背景映
像を提供するからである。すなわち、１枚の映像再生デ
ィスクには、映像ジャンルＨであればＨ−１〜Ｈ−２４
の２４本のチャプタが記憶されており２４本のチャプタ
が再生用チャプタ番号Ｓとして候補となり、ランダム数
値Ｒの１から２４までが映像ジャンルＨの再生用チャプ
タ番号Ｓと対応するからである。

【００３４】再生用チャプタ番号Ｓについて図５を参照
して更に、詳しく説明する。ここに、図５はチャプタ番
号を再生用チャプタ番号Ｓに対応させるためのテーブル
を示す説明図である。マイコン３８中のメモリ（図示せ
ず）には、８種類の各映像ジャンルについて編集映像毎
につけられたチャプタ番号（Ａ−１、Ａ−２等）を再生
用チャプタ番号Ｓに対応させるためのテーブルが記憶さ
れている。図５（Ｂ）には映像ジャンルＨ用テーブルを
示す。この場合は、チャプタ番号Ｈ−１〜Ｈ−２４に対
して再生用チャプタ番号Ｓの１〜２４がそれぞれ対応し
ている。

【００３５】図４に戻り説明を続けると、Ｓ２３０でラ
ンダム数値Ｒを再生用チャプタ番号Ｓに変換した後、再
生用チャプタ番号Ｓに該当する編集映像データが第１プ
レーヤ３４ａによって再生される（Ｓ２３５）。このと
き、編集映像データを再生するに当たっては、必ずしも
編集映像データの最初から再生する必要はない。編集映
像データを一定の時間で区切り、その区切りの始めから
再生を開始するようにしても良い。それにより３０秒間
の編集映像データから複数の映像データを読み出すこと
ができ、データベースの数が増加するため、映像データ
の組み合せ数をさらに増大することができ、常に異なる
編集映像データを選択して読み出すことが可能となる。

【００３６】そして、再生開始からの再生時間が１０秒
を経過したか否かを判断し（Ｓ２４０）、未だ１０秒経
過していない場合には（Ｓ２４０：ＮＯ）、再生を継続
する。一方、再生時間が１０秒経過したところで（Ｓ２
４０：ＹＥＳ）、再生中の編集映像データが再生すべき
最後の編集映像データであるか否か、あるいは、再生終
了の指令が入力されたか否かを判断して（Ｓ２４５）、
最後の編集映像データでない場合、あるいは、再生終了
でない場合には（Ｓ２４５：ＮＯ）、Ｓ２２０に戻り、
次に読み出す編集映像データの再生チャプタ番号Ｓを決
定するためランダム数値Ｒを発生させることが繰り返し
て実行され、最後の編集映像データである場合、再生終
了の場合には（Ｓ２４５：ＹＥＳ）、プレーヤＰ＝０に
よる再生を中止して（Ｓ２５０）本処理が終了する。上
述した図４の処理を行うことによって、第１プレーヤ３
４ａにおいて再生される映像再生デイスク中の映像ジャ
ンルＨ中の各チャプタが短時間間隔でランダムに順次選
択されて、モニタテレビ５６（図１）に背景映像として
表示される。

【００３７】その一例を図６に示す。ここに、図６はア
ップテンポ再生処理において再生されるチャプタの順番
の一例を模式的に示す説明図である。この場合は、チャ
プタＨ−２から始まり、Ｈ−３、Ｈ−５、Ｈ−１０、Ｈ
−２３の順番で順次再生される。このように、編集映像
データを１０秒という短時間間隔で種々組み合わせて再
生することにより、アップテンポの演奏データに即した
スピード感に富んだ背景画像を表示することができ、ま
た、アップテンポのために映像再生ディスクを用意する
必要もなくなり、更に、１枚のアップテンポ用の映像再
生ディスクを再生することによっては得ることができな
いバラエティに富んだ背景映像が得られるものである。

【００３８】以上詳細に説明した通り、本実施例に係る
映像カラオケ装置は、選曲された演奏データにアップテ
ンポの曲であることを示す映像ジャンルデータＵが付さ
れていた場合には、通常、３０秒毎に行っている編集映
像データの読出切替を１０秒毎に行うようにしたので、
アップテンポ用の編集映像データが収録された映像再生
ディスクを用いることなく、アップテンポの曲に対応す
るスピード感にあふれる背景画像を表示できる。また、
映像ジャンルデータＵ以外の映像ジャンルデータが付さ
れている場合には、他の映像ジャンルデータに対応する
映像再生ディスクを用いて、アップテンポ再生処理を実
行するものであるから、単にスピード感に富む背景画像
を表示できるに留まらず、選択された演奏データのイメ
ージにより近い背景画像を表示することができる。

【００３９】更に、アップテンポ用の映像再生ディスク
を別に備える必要がないことから、映像カラオケ装置全
体としての映像データを減らすことができる一方で、映
像ジャンルに捕らわれることのない幅広い編集映像デー
タが記憶された映像再生ディスクを備えることができ、
これらを適切に組み合わせることにより、数多くの背景
映像を得ることができると共に、同じ演奏データであっ
ても毎回、新鮮な背景映像を表示することができるもの
である。

【００４０】以上、実施例に基づき本発明を説明した
が、本発明は上記実施例になんら限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形改良が
可能であることは容易に推察されるものである。例え
ば、上記実施例では、１枚の映像再生ディスクを用いて
アップテンポ再生処理を実行する場合について説明した
が、演奏データに映像ジャンルデータＵを含んで３以上
の映像ジャンルデータが付されている場合には、第１プ
レーヤ３４ａによって一方の映像ジャンルデータに対応
する映像再生ディスクをアップテンポ再生処理し、第２
プレーヤ３４ｂによって他方の映像再生ディスクをアッ
プテンポ再生処理するようにすれば、一方の映像ジャン
ルに片寄ることのない演奏データに最適な背景画像を表
示することができると共に、よりバラエティーに富んだ
背景画像を表示することができるため利用者を飽きさせ
ることがない。

【００４１】この場合、３つの映像ジャンルに跨って編
集映像データを再生するためには、上記、図４における
フローチャートに第１プレーヤ３４ａから第２プレーヤ
３４ｂへ、あるいは、第２プレーヤ３４ｂから第１プレ
ーヤ３４ａへ再生プレーヤを変換する処理、一方のプレ
ーヤが再生中の場合に他方のプレーヤの再生を待機させ
る処理等が必要となる。さらに、上記実施例ではカラオ
ケ利用者がリモコン１４ａ等を用いて操作パネル１４を
操作し、選曲を行うと、コマンダ１０内のコントローラ
１２がその曲の対応する映像ジャンルを判断してディス
クプレーヤ３０に送信していたが、コントローラ１２は
選曲情報のみをディスクプレーヤ３０側に送信し、ディ
スクプレーヤ３０内のマイコン３８がその曲に対応する
映像ジャンルを決定するように構成してもよい。

【００４２】

【発明の効果】以上説明した通り本発明に係る映像カラ
オケ装置は、必要最小限の映像データを用いて数多くの
演奏データに対して適切な背景画像を表示することがで
き、特に、スピード感にあふれる映像データを表示する
ために特別な映像データを備えることなく、スピード感
にあふれる映像データを表示することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例に係る映像カラオケ装置の構成を示す
ブロック図である。

【図２】ディスクプレーヤの概略構成を示すブロック図
である。

【図３】映像ジャンル判断処理のフローチャートであ
る。

【図４】アップテンポ再生処理のフローチャートであ
る。

【図５】チャプタ番号を再生用チャプタ番号Ｓに対応さ
せるためのテーブルを示す説明図である。

【図６】アップテンポ再生処理において再生されるチャ
プタの順番の一例を模式的に示す説明図である。

【符号の説明】

１０ コマンダ １２ コントローラ １４ 操作パネル ２０ ハードディスク ２２ ＭＩＤＩ音源 ２４ ビデオミキサ ３０ ディスクプレーヤ ３４ａ 第１プレーヤ ３４ｂ 第２プレーヤ ３６ 切換回路 ３８ マイコン ４０ データ読取回路 ４２ 圧縮データ復号化回路 ４４ ＮＴＳＣコンバータ ５２ スピーカ ５４ マイク ５６ モニタテレビ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平４−191882（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) H04N 5/93 G10K 15/04 302 G11B 20/02 G11B 27/34 H04N 5/262

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 選択手段、楽音データ出力手段、映像ジ
   ャンル識別手段、映像データ読出手段、編集映像データ
   読出制御手段を備え、映像データ記憶手段が記憶する複
   数の編集映像データの映像出力を行う映像カラオケ装置
   において、前記選択手段は、所望のカラオケ曲を選択可能であり、 前記楽音データ出力手段は、選択されたカラオケ曲の楽
   音データを再生出力し、 前記映像ジャンル識別手段は、選択されたカラオケ曲に
   対応する映像ジャンルを識別し、 前記映像データ読出手段は、前記映像データ記憶手段か
   ら選択された編集映像データを読出して映像出力し、 前記編集映像データ読出制御手段は、 前記映像ジャンル識別手段が出力する映像ジャンルが所
   定ジャンル以外である場合には、映像ジャンルに対応す
   る編集映像データを第１の所定時間毎に切替選択するよ
   う前記映像データ読出手段を制御し、 前記映像ジャンル識別手段が出力する映像ジャンルが所
   定ジャンルである場合には、映像ジャンルに対応する編
   集映像データを前記第１の所定時間よりも短い第２の所
   定時間毎に切替選択するよう前記映像データ読出手段を
   制御する ことを特徴とする映像カラオケ装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載するものにおいて、前記映像データ読出手段は、複数台のプレーヤで構成さ
   れ、 前記編集映像データ読出制御手段は、切替選択毎に異な
   るプレーヤから編集映像データを読み出すよう制御する
   ことを特徴とする映像カラオケ装置。