JP3324848B2 - ポリウレタン弾性繊維巻糸体及びその製造法 - Google Patents

ポリウレタン弾性繊維巻糸体及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、ポリウレタンを溶
融紡糸して得られ、耐熱水性や弾性回復性などの各種物
性の均質性に優れたポリウレタン弾性繊維の製造法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタン弾性繊維の製造法として
は、乾式紡糸法や湿式紡糸法、溶融紡糸法が知られてい
る。最近は、溶融紡糸法により得られるポリウレタン弾
性繊維が細デニール化が可能なこと、透明性が良好なこ
と、コストが低いことなどから注目され、生産量が伸び
ている。溶融紡糸法により得られるポリウレタン弾性繊
維は、熱可塑性ポリウレタンを一度溶融するため、強固
なハードセグメントが生成され難く、高温下からの回復
性、抵抗力等の耐熱性、耐熱水性が、乾式紡糸法や湿式
紡糸法に比べ劣る傾向にある。溶融紡糸法により得られ
るポリウレタン弾性繊維は、高温下からの回復性、抵抗
力等の耐熱性を改良させるため様々な工夫がなされてい
るが、改良法の一つとして、熱可塑性ポリウレタンを溶
融、紡糸、チーズなどに巻き取った後、60〜150℃
の温度で1〜24時間の熱処理により固相重合及びハー
ドセグメントの結晶化を行う方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、固相重
合法を用いた溶融紡糸法ポリウレタン弾性繊維は、同一
チーズ内での均質性に問題があり、ナイロン、ポリエス
テル等の他の繊維と交編織して高温染色や高温高圧染色
した場合に、密度斑や経筋の発生が起こる。本発明は、
同一チーズ内での均質性に優れ、ナイロン、ポリエステ
ル等の他の繊維と共に高温や高温高圧で染色した場合に
密度斑、経筋の発生が起こらない溶融紡糸法ポリウレタ
ン弾性繊維の製造法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、溶融紡糸法により得られたポリウレタ
ン弾性繊維の固相重合法を検討した結果、従来公知の溶
融紡糸法ポリウレタン化合物を用い、固相重合時の糸に
含有される水分量を制御することにより、同一チーズ内
での耐熱水性、弾性回復性、等の各種物性の均質性に優
れ、ナイロンやポリエステル繊維等と交編織して高温染
色や高温高圧染色した場合の密度斑や経筋の発生を抑え
られることを見出し、本発明に至った。
【0005】すなわち、本発明は、以下の(イ)または
(ロ)の方法によって調製された、水分含有量が100
0ppm以下のポリウレタン弾性繊維を熱処理すること
からなるポリウレタン弾性繊維の製造法を提供する。 (イ)ポリウレタン弾性繊維の溶融紡糸および巻取り
を、上記した水分含有量のポリウレタン弾性繊維が得ら
れるような低湿度下で行う。 (ロ)溶融紡糸され巻き取られたポリウレタン弾性繊維
を80℃以下の温度で減圧下に脱水する。
【0006】本発明の溶融紡糸されたポリウレタン弾性
繊維は、高分子ジオール、有機イソシアナート、鎖伸長
剤を反応せしめて得られる熱可塑性ポリウレタン重合物
を溶融紡糸してなるポリウレタン弾性繊維である。ポリ
ウレタンを溶融紡糸する場合、溶融状態ではポリウレタ
ンの一部はNCO基とOH基に解離しており、紡糸後に
解離状態の再結合反応が進行し、糸質および熱的性質が
経時的に変化していく。これは解離したNCO基がアル
コール、水などと反応しウレタン結合、ウレア結合を生
成し、さらに解離したNCO基がウレタン結合、ウレア
結合との反応によりアロハナート結合、ビュレット結合
などの架橋を生成することによる。このため、紡糸後、
低湿度下60〜150℃程度での熱処理を1〜48時間
実施し、反応を完結させることが必要であり、この反応
の進行により弾性回復性の向上、耐熱水性の向上などが
改良される。
【0007】本発明者らの検討によると、溶融紡糸した
ポリウレタン繊維を熱処理して固相重合を行う時、ポリ
ウレタン繊維に含まれる水分量が多くなると、上記反応
が同一チーズ内の各層において不均一となるため、弾性
回復性、耐熱水性などが同一チーズ内の各層において変
動し、ナイロンやポリエステル繊維と交編織して高温染
色した場合に密度斑や経筋が発生することを見いだし
た。溶融紡糸直後のポリウレタン繊維の水分率を低くし
ても、熱処理までの一時保管や熱処理室への移動時の雰
囲気の相対湿度が高いと、ポリウレタン繊維は吸湿しや
すく、チーズ内の層間での水分率が不均一となり、ま
た、加熱時の温度斑などに起因して反応が均一に進行し
ないものと推定される。すなわち、熱処理時にポリウレ
タン弾性繊維に含まれる水分率が高いと、NCO基と水
が反応し、鎖伸長が起こるため、ポリウレタン弾性繊維
のミクロ相分離性、ハードセグメント凝集性の進行を阻
害し、さらに同一チーズ内の各層のミクロ相分離性も不
均一になるものと推定される。
【0008】ポリウレタン弾性繊維に含まれる水分率を
1000ppm以下とした後に熱処理することにより、
均質性の高いポリウレタン弾性繊維を得ることができ
る。
【0009】ポリウレタン弾性繊維中の水分率を100
0ppm以下にする方法としては、溶融紡糸および巻き
取りをポリウレタン弾性繊維中の水分率が1000pp
m以下に維持できる低湿度下で取り扱う、あるいは、溶
融紡糸され巻き取られたポリウレタン弾性繊維を80℃
以下の温度で減圧下に脱水する方法が採用される。脱水
時の温度が80℃より高いと、脱水速度によっては得ら
れるポリウレタン弾性繊維が不均一なものとなることが
ある。脱水時の温度は、50℃以下であることが好まし
い。
【0010】水分含有量が1000ppm以下とされた
ポリウレタン弾性繊維は、通常、60〜150℃程度の
温度で1〜48時間熱処理され、弾性回復性、耐熱水性
が向上した、同一チーズ内の各層の貯蔵弾性率(動的粘
弾性)や吸熱ピーク量の差の小さい、弾性回復率、耐熱
水性等の均一性に優れたポリウレタン弾性繊維となる。
【0011】本発明で使用するポリウレタンの製造に用
いられる高分子ジオールとしては、平均分子量500〜
5000、好ましくは1000〜3000のポリエステ
ルジオール、ポリカーボネイトジオール、ポリエーテル
ジオールおよびポリエーテルエステルジオールの少なく
とも1種を使用することができる。
【0012】特に、ポリエステル繊維と交編織して高温
高圧染色を行う場合には、ポリウレタン弾性繊維は、ポ
リエステル繊維の染色条件である高温高圧に耐える必要
があるため、上記のように動的粘弾性における130℃
以上での貯蔵弾性率を1.0×108dyne/cm2
上とする必要があり、このような場合には、高分子ジオ
ールはメチル分岐を1つ有する炭素数6〜10のジオー
ルを必須成分として合成される平均分子量が500〜5
000、好ましくは1000〜3500であるポリエス
テルジオール、ポリカーボネイトジオール、ポリエステ
ルポリカーボネートジオールが好ましい。このような高
分子ジオールの合成に用いられるメチル分岐を1つ有す
る炭素数6〜10のジオールとしては3−メチル−1,
5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタン
ジオール等が、また、ジカルボン酸としてはアジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸などが好ましい例として
挙げられる。好ましい高分子ジオールとしては、ポリ−
3−メチル−1,5−ペンタンアゼレート、ポリ−3−
メチル−1,5−ペンタンセバケート等のポリエステル
ジオール、ジフェニルカーボネートと1,9−ノナンジ
オール/2−メチル−1,8−オクタンジオールから合
成されるポリカーボネートジオールやこれらの共重合体
が挙げられる。これらは原料ジオールで、或いは高分子
ジオールで混合して用いてもよい。
【0013】本発明でポリウレタンの合成に用いられる
有機ジイソシアナートとしては、4,4´−ジフェニル
メタンジイソシアナート、p−フェニレンジイソシアナ
ート、1,5−ナフチレンジイソシアナート、4,4´
−ジシクロヘキシルメタンジイソシアナートなどの分子
量500以下のジイソシアナートがあるが、好ましくは
分子量200〜500の有機ジイソシアナートであり、
とりわけ4,4´−ジフェニルメタンジイソシアナート
が好ましい。なお、有機ジイソシアナートとしては、遊
離のイソシアナートに変換される封鎖されたイソシアナ
ート基を有する化合物を使用しても良い。
【0014】また、鎖伸長剤としては、イソシアナート
と反応しうる水素原子を少なくとも2個有する低分子化
合物、例えば、分子量400以下の1,4−ブタンジオ
ール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼ
ン、1,6−ヘキサンジオール、ヒドラジン、プロピレ
ンジアミン等があるが、特に好ましくは1,4−ブタン
ジオール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベ
ンゼンである。
【0015】本発明は、高分子ジオール(A)、有機イソ
シアナート(B)、鎖伸長剤(C)を、組成比において、
(B)/[(A)+(C)]のモル比が1.00〜1.15の
イソシアナート過剰系で重合した熱可塑性ポリウレタ
ン、あるいは、紡糸時にポリイソシアナート化合物ある
いは封鎖ポリイソシアナート化合物を添加混合し、(B)
/[(A)+(C)]のモル比が1.00〜1.15のイソ
シアナート過剰のポリウレタンを紡糸することにより前
記(B)/[(A)+(C)]のモル比が1.00〜1.15
とした溶融紡糸により製造されるポリウレタン弾性繊維
であり、溶融紡糸法については、従来公知の方法に従っ
て紡糸すれば良い。
【0016】ポリウレタン弾性繊維は該繊維を構成する
ポリウレタンの重合度は、特に限定するものではない
が、対数粘度(ηinh)が0.2〜1.6dl/g、特
に0.5〜1.4が好ましい。この範囲とすることによ
り、耐熱水性、弾性回復性に優れた繊維となる。
【0017】なお、対数粘度は以下の方法により測定し
た。すなわち、ポリウレタン弾性繊維を、0.5g/d
lとなるようにn−ブチルアミンを1重量%含むN,N
−ジメチルホルムアミドに溶解し、24時間後30℃の
恒温漕中でウベローデ型粘度計で測定し、次式より計算
する。 ηinh=Ln(t/t0)/C ここに、ηinhは対数粘度である。tは試料溶液につい
て測定した落下秒数であり、t0は同一ウベローデ型粘
度計で溶剤のn−ブチルアミン1重量%含有N,N−ジ
メチルホルムアミドについて測定した落下秒数である。
Cはg/dlの単位を有する試料濃度で約0.5であ
る。
【0018】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する。
なお、本発明で採用した測定方法などは以下の通りであ
る。
【0019】1.弾性回復率 試料を300%伸長し10分間保持した後、張力を除
き、2分間放置した後の弾性回復率を測定 弾性回復率={1−(l 1 −l 0 )/l 0 }×100(%) 1 張力除去後3分間放置した後の試料の長さ l0 :伸長前の試料の長さ
【0020】2.動的粘弾性 長さ60mmのポリウレタン弾性繊維33〜37mg
を、厚さ1.0mm、幅5.0mmになるように均一に
並べ、両端を接着剤で接着し、動的粘弾性測定装置
((株)レオロジ社製:DVEレオスペクトラー)を用
い、正弦波歪波形、ストップ加振変位振幅10mm、周
波数11Hz、昇温速度3℃/分で貯蔵弾性率E’の温
度分散を測定する。
【0021】3.耐熱水性 試料を木枠を使用し200%伸長した状態で固定し、1
30℃で30分熱水処理し、200%伸長のままの応力
をインストロンを使用して測定したときの応力ををR
(g/80dr)で示す。また、応力開放直後の試料の長
さより次式に従い残留歪を計算し、S(%)で示した。
Sは熱水処理後の試料の伸びしろを表す尺度であり、S
の値が小さい程好ましい。 S={(L−L0)/2L0}×100 L:熱水処理後の試料の長さ L0:熱水処理前の試料の長さ
【0022】4.染色後の経筋 40デニールのナイロン繊維またはポリエステル繊維の
ツーウェイトリコットの振り糸として、同一チーズの最
外層、中層、最内層のポリウレタン弾性繊維が順次並ぶ
ように挿入して編地を編成した。これらの編み地を下記
条件で高温染色または高温高圧染色した後の経筋の程度
を下記の基準で評価した。 高温染色条件(ナイロン繊維): 染色温度 95℃ 染色時間 30分 浴比 1/20 染料 Suminol Milling Brilliant Red BS
【0023】高温高圧染色条件(ポリエステル繊維): 染色温度 125℃ 染色時間 60分 浴比 1/30 染料 Sumikaron Navy Blue SE-RPD
【0024】経筋の評価: ◎ 経筋の発生がみられない ○ 経筋の発生がほとんどみられない △ 経筋の発生がやや見られる × 経筋の発生が多くみられる
【0025】各測定は試料の同一チーズ最外層、中層、
最内層の各3層を行った。測定を行った試料の同一チー
ズ各層の採取箇所について説明する。繊維がフルチーズ
で巻かれた状態において、チーズ外周部分の最も外側か
ら2mm以内を最外層、最も糸管に近いチーズ内側部分
の糸管から2mm以内を最内層、最外層と最内層の中間
の部分を中層とした。ただし、チーズ端面部分の端面か
ら2mm以内は測定から除外した。なお、フルチーズの
大きさは、糸管から最外層までのチーズ径が30mm、
チーズ幅が40mmである。
【0026】用いた化合物は略号を用いて示したが、略
号化合物の関係は以下の通りである。 MPD :3−メチル−1,5−ペンタンジオール AD :アジピン酸 AZ :アゼライン酸 BD :1,4−ブタンジオール PMPA:MPDとADからなる数平均分子量2000
のポリエステルジオール PMAZ:MPDとAZからなる数平均分子量2000
のポリエステルジオール PBMA:MPD/BD(4/1)の混合物とADから
なる数平均分子量2000のポリエステルジオール MDI :4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
【0027】実施例1〜4 表1に示すポリエステルジオールとBDとからなり30
℃に加熱された混合物と50℃に加熱溶融したMDIと
を、ポリエステルジオール/MDI/BDの使用組成モ
ル比が表2の組成になるように定量ポンプにより二軸押
出機に連続的に供給し、連続溶融重合を行い、これをそ
のまま、紡糸機に供給し、紡糸温度230℃、冷却風露
点10℃、紡糸速度500m/minで紡糸し、チーズ
に巻き取り、40デニール/1フィラメントの水分40
00ppmのポリウレタン繊維巻糸体を得た。この繊維
を40℃で5時間、圧力1Torrの減圧乾燥機で脱水
し糸含有水分量を500ppmにした後、露点が−30
℃の湿度下で100℃×24時間熱処理してポリウレタ
ン弾性繊維巻糸体を得た。得られたポリウレタン弾性繊
維の物性及び高温染色後の経筋の発生を評価したとこ
ろ、表2に示すように好ましい結果を得た。また、実施
例2についてはさらにポリエステルと交編して高温高圧
染色も行ったが、表4に示すように経筋の発生がなく好
ましい結果が得られた。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】 (注) *:g/80dr **:×10 dyne/cm
【0030】比較例1、2 実施例1、4の水分4000ppmのポリウレタン繊維
巻糸体を、乾燥処理することなく、それぞれ実施例1と
同一条件で熱処理してポリウレタン弾性繊維巻糸体を得
た。得られたポリウレタン弾性繊維の物性及び高温染色
後の経筋の発生を評価したところ、表2に示すように、
耐熱水性、弾性回復性、同一チーズ内の均質性に劣り、
染色時に経筋が発生した。
【0031】実施例5 実施例1において、紡糸ノズルから巻取までの工程を露
点が−30℃の乾燥空気の出る筒状物で覆った紡糸機を
用いる以外同様にして糸含有水分量が500ppmのポ
リウレタン繊維巻糸体を得た。このポリウレタン繊維巻
糸体を、そのまま実施例1と同一条件で熱処理し、得ら
れたポリウレタン弾性繊維の物性を評価したところ、表
2に示すように好ましい結果が得られた。
【0032】実施例6、7、比較例3 実施例1の水分4000ppmのポリウレタン繊維巻糸
体を、圧力1Torrの減圧乾燥機で80℃で3時間
(実施例6)、40℃で2時間(実施例7)、100℃
で5時間(比較例3)脱水し、糸含有水分量をそれぞれ
500ppm、900ppmとした後、実施例1と同一
条件で熱処理し、得られたポリウレタン弾性繊維の物性
を評価したところ、表2に示すように80℃以下で減圧
脱水したものは好ましい結果が得られたが、100℃で
減圧脱水したものは耐熱水性、弾性回復性、同一チーズ
内の均質性に劣り、染色時に経筋が発生した。
【0033】実施例8 表3に示す使用組成モル比の原料を用いて実施例1と同
一条件で溶融重合、紡糸を行い、40デニール/1フィ
ラメントの水分4000ppmのポリウレタン繊維巻糸
体を得た。この繊維を実施例1と同一条件で減圧脱水、
熱処理してポリウレタン弾性繊維巻糸体を得た。得られ
たポリウレタン弾性繊維の物性及びポリエステルと交編
して高温高圧染色後の経筋の発生を評価したところ、表
4に示すように好ましい結果を得た。
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】 (注) *:g/80dr **:×10 dyne/cm
【0036】実施例9 実施例2と同様にして溶融重合を行い、紡糸ノズルから
巻取までの工程を露点が−30℃の乾燥空気の出る筒状
物で覆った紡糸機により、紡糸温度230℃、紡糸速度
500m/minで紡糸し、40デニール/1フィラメ
ント、糸含有水分量が500ppmのポリウレタン繊維
巻糸体を得た。この繊維を実施例2と同一条件で熱処理
し、得られたポリウレタン弾性繊維の物性及びポリエス
テルと交編して高温高圧染色後の経筋の発生を評価した
ところ、表4に示すように好ましい結果を得た。
【0037】実施例10、11 実施例2の水分4000ppmのポリウレタン繊維を、
圧力1Torrの減圧乾燥機で80℃で3時間(実施例
10)、40℃で2時間(実施例11)脱水し、糸含有
水分量をそれぞれ500ppm、900ppmとした
後、実施例2と同一条件で熱処理し、得られたポリウレ
タン弾性繊維の物性及びポリエステルと交編して高温高
圧染色後の経筋の発生を評価したところ、表4に示すよ
うに好ましい結果を得た。
【0038】比較例4、5 実施例2、8の水分4000ppmのポリウレタン繊維
巻糸体を、それぞれ乾燥処理することなく、実施例2と
同一条件で熱処理してポリウレタン弾性繊維巻糸体を得
た。得られたポリウレタン弾性繊維の物性及び高温高圧
染色後の経筋の発生を評価したところ、表4に示すよう
に、耐熱水性、弾性回復性、同一チーズ内の均質性に劣
り、染色時に経筋が発生した。
【0039】比較例6 実施例2の水分4000ppmのポリウレタン繊維巻糸
体を、圧力1Torrの減圧乾燥機で、100℃で5時
間脱水し、糸含有水分量を200ppmとした後、実施
例2と同一条件で熱処理し、得られたポリウレタン弾性
繊維の物性を評価したところ、表4に示すように耐熱水
性、弾性回復性、同一チーズ内の均質性に劣り、染色時
に経筋が発生した。
【0040】本発明の製造法によって得られるポリウレ
タン弾性繊維は、耐熱水性、弾性回復性などの均質性に
優れるため、ナイロン繊維やポリエステル繊維等と交編
織して高温染色や高温高圧染色した場合に、密度斑、経
て筋などの発生が起こらない。このため、付加価値の高
い交編織染色製品とすることができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(イ)または(ロ)の方法によっ
    て調製された、水分含有量が1000ppm以下のポリ
    ウレタン弾性繊維を熱処理することからなるポリウレタ
    ン弾性繊維の製造法。(イ)ポリウレタン弾性繊維の溶融紡糸および巻取り
    を、上記した水分含有量のポリウレタン弾性繊維が得ら
    れるような低湿度下で行う。 (ロ)溶融紡糸され巻き取られたポリウレタン弾性繊維
    を80℃以下の温度で減圧下に脱水する。
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