JP3324596B2 - ワイヤソー用ワイヤの製造方法 - Google Patents
ワイヤソー用ワイヤの製造方法Info
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- JP3324596B2 JP3324596B2 JP2000106478A JP2000106478A JP3324596B2 JP 3324596 B2 JP3324596 B2 JP 3324596B2 JP 2000106478 A JP2000106478 A JP 2000106478A JP 2000106478 A JP2000106478 A JP 2000106478A JP 3324596 B2 JP3324596 B2 JP 3324596B2
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- Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、シリコン、太陽
電池に使用される半導体材料等の硬質材料の切断、スラ
イスに用いられる高炭素鋼線からなるワイヤソー用のワ
イヤを製造する方法に関するものである。
電池に使用される半導体材料等の硬質材料の切断、スラ
イスに用いられる高炭素鋼線からなるワイヤソー用のワ
イヤを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】ワイヤソーは、複数の溝ロー
ラに所定のピッチでワイヤを巻き掛けたワイヤ列を走行
させ、このワイヤ列に被切断材(ワーク)を押し付けな
がら、ワイヤ列とワークとの間に砥液を注ぎつつ、砥粒
の研削作用により、ワークを多数のウエハに切断する装
置である。
ラに所定のピッチでワイヤを巻き掛けたワイヤ列を走行
させ、このワイヤ列に被切断材(ワーク)を押し付けな
がら、ワイヤ列とワークとの間に砥液を注ぎつつ、砥粒
の研削作用により、ワークを多数のウエハに切断する装
置である。
【0003】ところで、このようなワイヤソーに使用さ
れるワイヤに求められる特性としては、切断工程におい
てワイヤのフリーコイル径やねじれ、うねりといった線
癖が変化しないということが重要である。切断後、フリ
ーコイル径が初期よりも小さくなったり、ワイヤに微小
な波(うねり)といった悪い線癖が付くと、スライス面
の精度を著しく低下させるという問題が生じる。
れるワイヤに求められる特性としては、切断工程におい
てワイヤのフリーコイル径やねじれ、うねりといった線
癖が変化しないということが重要である。切断後、フリ
ーコイル径が初期よりも小さくなったり、ワイヤに微小
な波(うねり)といった悪い線癖が付くと、スライス面
の精度を著しく低下させるという問題が生じる。
【0004】そこで、この発明は、切断後においても、
良好な線癖を保持する高炭素鋼線からなるワイヤソー用
ワイヤを製造する方法を提供しようとするものである。
良好な線癖を保持する高炭素鋼線からなるワイヤソー用
ワイヤを製造する方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、最終パスの
ダイス、あるいは伸線工程の最終パスを含む複数のパス
のダイスを加熱した状態で伸線加工し、また、伸線工程
の最終パスのダイスに挿入する前、あるいは伸線工程の
最終パスを含む複数のパスのダイスに挿入する前に、高
炭素鋼線からなるワイヤを加熱してワイヤソー用ワイヤ
を製造するものである。
ダイス、あるいは伸線工程の最終パスを含む複数のパス
のダイスを加熱した状態で伸線加工し、また、伸線工程
の最終パスのダイスに挿入する前、あるいは伸線工程の
最終パスを含む複数のパスのダイスに挿入する前に、高
炭素鋼線からなるワイヤを加熱してワイヤソー用ワイヤ
を製造するものである。
【0006】一般的には、高炭素鋼線の伸線工程におい
て、ダイスは冷却すべきものとされており、加熱するこ
とは、靭性の点でワイヤの特性劣化させるということが
常識であるとされている。この発明では、上記のよう
に、ダイスあるいはダイス挿入前のワイヤを加熱するこ
とにより、必要な引張り強度を低下させることなく、使
用後における線癖の低下を抑制することができる。
て、ダイスは冷却すべきものとされており、加熱するこ
とは、靭性の点でワイヤの特性劣化させるということが
常識であるとされている。この発明では、上記のよう
に、ダイスあるいはダイス挿入前のワイヤを加熱するこ
とにより、必要な引張り強度を低下させることなく、使
用後における線癖の低下を抑制することができる。
【0007】上記ダイスあるいはワイヤの加熱温度は、
150℃以上300℃以下であり、好ましくは200℃
以上300℃以下である。特に、200℃以上の温度
で、線癖を良好に保持する効果が顕著である。また、3
50℃以上の温度では、ワイヤソー用ワイヤとして、必
要な引張り強度を保持できなくなるので、上限は300
℃とした。
150℃以上300℃以下であり、好ましくは200℃
以上300℃以下である。特に、200℃以上の温度
で、線癖を良好に保持する効果が顕著である。また、3
50℃以上の温度では、ワイヤソー用ワイヤとして、必
要な引張り強度を保持できなくなるので、上限は300
℃とした。
【0008】
【発明の実施の態様】φ0.16mmのワイヤソー用ワ
イヤを伸線加工によって作製する際に、伸線加工工程に
おける最終ダイスの加熱を行ったものと、加熱を行わな
いものとを使用して、シリコンインゴットの切断を行
い、使用後のワイヤの線癖を評価した。
イヤを伸線加工によって作製する際に、伸線加工工程に
おける最終ダイスの加熱を行ったものと、加熱を行わな
いものとを使用して、シリコンインゴットの切断を行
い、使用後のワイヤの線癖を評価した。
【0009】表1に、ダイスの加熱温度、使用後のワイ
ヤの線癖、総合評価を示す。但し、総合評価は、ワイヤ
ソー用ワイヤとしての十分な強度を有し、使用後の線癖
が良好なものを○とした。
ヤの線癖、総合評価を示す。但し、総合評価は、ワイヤ
ソー用ワイヤとしての十分な強度を有し、使用後の線癖
が良好なものを○とした。
【0010】
【表1】
【0011】表1の通り、ダイスの加熱をしていない試
料Aのワイヤ、及びダイスを100℃に加熱した試料B
のワイヤは、使用後の線癖が悪く、好ましくない。一
方、150〜300℃にダイスを加熱して伸線加工を行
った試料C〜Fのワイヤは、使用後も700mm以上の
フリーコイル径を保持し、うねりも存在せず、良好な線
癖を有する。また、ダイスを350℃に加熱して伸線加
工を行ったFのワイヤは、ワイヤソー用ワイヤとして必
要な引張り強さが低下したため、総合評価は×とした。
料Aのワイヤ、及びダイスを100℃に加熱した試料B
のワイヤは、使用後の線癖が悪く、好ましくない。一
方、150〜300℃にダイスを加熱して伸線加工を行
った試料C〜Fのワイヤは、使用後も700mm以上の
フリーコイル径を保持し、うねりも存在せず、良好な線
癖を有する。また、ダイスを350℃に加熱して伸線加
工を行ったFのワイヤは、ワイヤソー用ワイヤとして必
要な引張り強さが低下したため、総合評価は×とした。
【0012】また、表1の通り、ダイスを150℃以上
に加熱して伸線加工を行った場合、使用後のワイヤのう
ねりがなくなり、フリーコイル径もダイスが100℃以
下のA材、B材よりも大きく、線癖が良好になる。この
傾向は、150℃以上の加熱でさらに顕著になる。
に加熱して伸線加工を行った場合、使用後のワイヤのう
ねりがなくなり、フリーコイル径もダイスが100℃以
下のA材、B材よりも大きく、線癖が良好になる。この
傾向は、150℃以上の加熱でさらに顕著になる。
【0013】以上のことから、150〜300℃にダイ
スを加熱して伸線加工を行ったワイヤは、使用後におい
て良好な線癖を有することが確認できた。
スを加熱して伸線加工を行ったワイヤは、使用後におい
て良好な線癖を有することが確認できた。
【0014】次に、φ0.16mmのワイヤソー用ワイ
ヤを伸線加工によって作製する際に、伸線加工工程にお
ける最終ダイスの手前で、ワイヤを高温の熱風が吹き込
まれたパイプに通してワイヤを加熱して伸線を行ったも
のと、加熱しないで伸線を行ったものとを使用して、シ
リコンインゴットの切断を行い、使用後のワイヤの線癖
を評価した。
ヤを伸線加工によって作製する際に、伸線加工工程にお
ける最終ダイスの手前で、ワイヤを高温の熱風が吹き込
まれたパイプに通してワイヤを加熱して伸線を行ったも
のと、加熱しないで伸線を行ったものとを使用して、シ
リコンインゴットの切断を行い、使用後のワイヤの線癖
を評価した。
【0015】表2に、ワイヤの加熱温度、使用後のワイ
ヤの線癖、総合評価を示す。但し、総合評価は、ワイヤ
ソー用ワイヤとしての十分な強度を有し、使用後の線癖
が良好なものを○とした。
ヤの線癖、総合評価を示す。但し、総合評価は、ワイヤ
ソー用ワイヤとしての十分な強度を有し、使用後の線癖
が良好なものを○とした。
【0016】
【表2】
【0017】表2の通り、ワイヤの加熱をしていない試
料Aのワイヤ、及びワイヤを100℃に加熱した試料B
のワイヤは、使用後の線癖が悪く、好ましくない。一
方、150〜300℃にワイヤを加熱して伸線加工を行
った試料C〜Fのワイヤは、使用後も700mm以上の
フリーコイル径を保持し、うねりも存在せず、良好な線
癖を有する。また、ワイヤを350℃に加熱して伸線加
工を行ったFのワイヤは、ワイヤソー用ワイヤとして必
要な引張り強さが低下したため、総合評価は×とした。
料Aのワイヤ、及びワイヤを100℃に加熱した試料B
のワイヤは、使用後の線癖が悪く、好ましくない。一
方、150〜300℃にワイヤを加熱して伸線加工を行
った試料C〜Fのワイヤは、使用後も700mm以上の
フリーコイル径を保持し、うねりも存在せず、良好な線
癖を有する。また、ワイヤを350℃に加熱して伸線加
工を行ったFのワイヤは、ワイヤソー用ワイヤとして必
要な引張り強さが低下したため、総合評価は×とした。
【0018】また、表2の通り、ワイヤを150℃以上
に加熱して伸線加工を行った場合、使用後のワイヤのう
ねりがなくなり、フリーコイル径もダイスが100℃以
下のA材、B材よりも大きく、線癖が良好になる。この
傾向は、150℃以上の加熱でさらに顕著になる。
に加熱して伸線加工を行った場合、使用後のワイヤのう
ねりがなくなり、フリーコイル径もダイスが100℃以
下のA材、B材よりも大きく、線癖が良好になる。この
傾向は、150℃以上の加熱でさらに顕著になる。
【0019】以上のことから、150〜300℃にワイ
ヤを加熱して伸線加工を行ったワイヤは、使用後におい
て良好な線癖を有することが確認できた。
ヤを加熱して伸線加工を行ったワイヤは、使用後におい
て良好な線癖を有することが確認できた。
【0020】
【発明の効果】この発明によれば、使用後においても線
癖が良好で、700mm以上のフリーコイル径を保持
し、うねりも存在しない、良好なワイヤソー用ワイヤを
製造することができる。
癖が良好で、700mm以上のフリーコイル径を保持
し、うねりも存在しない、良好なワイヤソー用ワイヤを
製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−309108(JP,A) 特開 平6−134517(JP,A) 特開 昭57−115916(JP,A) 特開 昭56−59530(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21C 1/00 - 19/00 B24B 27/06
Claims (4)
- 【請求項1】 シリコン、太陽電池に使用される半導体
材料等の硬質材料の切断、スライスに使用される高炭素
鋼線からなるワイヤソー用ワイヤを、複数のダイスに通
す多パスの伸線工程を経て製造する方法において、伸線
工程の最終パスを、ダイスを150〜300℃に加熱し
た状態で行うことを特徴とするワイヤソー用ワイヤの製
造方法。 - 【請求項2】 シリコン、太陽電池に使用される半導体
材料等の硬質材料の切断、スライスに使用される高炭素
鋼線からなるワイヤソー用ワイヤを、複数のダイスに通
す多パスの伸線工程を経て製造する方法において、伸線
工程の最終パスを含む複数のパスのダイスを150〜3
00℃に加熱した状態で行うことを特徴とするワイヤソ
ー用ワイヤの製造方法。 - 【請求項3】 シリコン、太陽電池に使用される半導体
材料等の硬質材料の切断、スライスに使用される高炭素
鋼線からなるワイヤソー用ワイヤを、複数のダイスに通
す多パスの伸線工程を経て製造する方法において、伸線
工程の最終パスのダイスに挿入する前に加工するワイヤ
を150〜300℃に加熱することを特徴とするワイヤ
ソー用ワイヤの製造方法。 - 【請求項4】 シリコン、太陽電池に使用される半導体
材料等の硬質材料の切断、スライスに使用される高炭素
鋼線からなるワイヤソー用ワイヤを、複数のダイスに通
す多パスの伸線工程を経て製造する方法において、伸線
工程の最終パスを含む複数のパスのダイスに挿入する前
に加工するワイヤを150〜300℃に加熱することを
特徴とするワイヤソー用ワイヤの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000106478A JP3324596B2 (ja) | 2000-04-07 | 2000-04-07 | ワイヤソー用ワイヤの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000106478A JP3324596B2 (ja) | 2000-04-07 | 2000-04-07 | ワイヤソー用ワイヤの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001286928A JP2001286928A (ja) | 2001-10-16 |
JP3324596B2 true JP3324596B2 (ja) | 2002-09-17 |
Family
ID=18619638
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000106478A Expired - Fee Related JP3324596B2 (ja) | 2000-04-07 | 2000-04-07 | ワイヤソー用ワイヤの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3324596B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5542738B2 (ja) * | 2011-05-18 | 2014-07-09 | 株式会社ノリタケカンパニーリミテド | ワイヤ工具製造方法 |
-
2000
- 2000-04-07 JP JP2000106478A patent/JP3324596B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001286928A (ja) | 2001-10-16 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |