JP3323752B2 - 斜面安定工法 - Google Patents

斜面安定工法

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泰弘 山田
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は斜面の崩壊を防ぐ
ための斜面安定工法に関するものであり、特にプレキャ
ストコンクリートブロックをグラウンドアンカーによっ
て斜面に固定して崩壊を防ぐ斜面安定工法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】設計上の斜面の勾配角度は、斜面の安定
設計面での要求の他、降雨による災害防止や美観、植栽
などからの都合によって決定される。つまり、あまりに
も急角度な勾配の斜面であると、斜面の崩落や地滑りの
可能性を高めたり、美観上も良好でなく、また植栽にも
適しない。従って、実際の斜面全体の勾配は、多くの場
合、急勾配とならないのが現状である。
【0003】他方、近年斜面の崩壊を防ぐために、プレ
キャストコンクリート製のブロックを斜面の土砂荷重を
受ける受圧構造物として採用し、地盤に形成した削孔内
に挿入して、この削孔内にグラウト材を注入して定着し
たグラウンドアンカーにこの受圧構造物を固定して地山
を押える工法が行われている。プレキャストコンクリー
ト製品は製造形状を標準化し大量生産する場合に、製品
品質の高さや現場施工の優位さなどでその有利性が発揮
される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たように比較的急勾配でない斜面にそのまま受圧構造物
を設置して、地山に打設したアンカーに固定した場合、
図9のような事態が生じる。つまり、図に矢印で示すよ
うに、土砂荷重は斜面とほぼ平行に斜め下向きに作用す
るため、アンカーbに対しては交叉する方向に作用し、
受圧構造物aに向ってはほとんど作用せず、斜面の崩壊
を押えるための受圧構造物aとして全く有効に機能しな
いことになってしまう。受圧構造物を有効に機能させる
ためには、図10に示すように、アンカーbは土砂荷重
の作用方向と出来るだけ平行なほぼ水平方向に配し、受
圧構造物aは土砂荷重に対して出来るだけ直交するよう
設置することが、有効に機能させるための重要な要件で
ある。
【0005】他方、グラウンドアンカーの打設角度には
施工的な限界があり、削孔内へのグラウト注入を容易に
するために、削孔は奥へ向って深くなるよう或程度傾斜
していなければならず、通常、削孔の傾斜角度は最低1
5度から20度は必要である。このように傾斜したグラ
ウンドアンカーに対し、出来るだけ直交するように受圧
構造物を設置しようとすると、設置面はかなりな急勾配
でなくてはならない。しかしながら、斜面は既述したよ
うに必ずしも急勾配の斜面でなく、アンカーや受圧構造
物の施工や設計に都合のよいようには形成出来ないこと
が多く、施工が出来ないとされる場合が多くあった。
【0006】また、急勾配斜面にプレキャストコンクリ
ート製の受圧構造物を搬入する難しさや、設置する場合
に急勾配上に設置することの危険性や困難さが生じるた
め、支保工などで仮止めしてズレ落ちないように施工す
る必要があり、それでも多くの危険と困難を伴うもので
あった。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる斜面安
定工法は、斜面の一部を急勾配面に形成して、その面に
受圧構造物を設置することにより、斜面全体の勾配を保
ちながら受圧構造物とアンカーの角度を理想的なものに
近づけるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】この発明にかかる斜面安定工法
は、斜面の一部に急勾配面を形成するものである。斜面
とは、切り崩して形成した斜面でも山岳地などの斜面で
あってもよい。この一部に急勾配面を形成する。急勾配
とは、斜面全体の勾配よりも傾斜を大きくしたことを意
味するもので、その急勾配面の傾斜角度は、アンカーの
打設角度から算出される。例えば、グラウンドアンカー
の傾斜角度を20度とした場合、本来ならば、受圧構造
物の設置面はこのアンカーに対して直角であることが望
ましい。これはアンカーの自由長部にプレストレス力を
正確に与えるために、アンカーが受圧構造物に対し大き
く屈曲することは好ましくないためである。従って受圧
構造物を設置する急勾配面は70度程度の傾斜角度であ
ることが望ましい。
【0009】しかしながら受圧構造物に対し、多少のグ
ラウンドアンカーを角度をつけてプレキャスト部材を使
用しても実際上は問題なく対応出来、その部材における
調整角度の限界は15度程度である。すると、急勾配面
の傾斜角度は55度であればよいことになる。斜面全体
の勾配が45度であった場合、急勾配面は斜面全体より
も10度だけ傾斜させて形成することになる。
【0010】急勾配面は、受圧構造物ひとつ分よりも若
干大きく形成してもよいし、同じ高さに位置させる受圧
構造物複数個分の面積を水平に連続して形成してもよ
い。ともあれ、急勾配面は受圧構造物を余裕を持って置
ける広さに形成しておく。急勾配面の下には段部を形成
し、この段部仮設足場に利用する。これら急勾配面から
地盤に向って削孔を掘削する。シースの中に複数本の引
張材を通したグラウンドアンカーをこの削孔内に挿入
し、セメントミルクなどのグラウト材を注入して定着す
る。引張材としてはPC鋼線やPC鋼より線の他、カー
ボンファイバーなどの化学繊維を使用可能である。化学
繊維を引張材として使用した場合には、必ずしもシース
を使用しないこともある。
【0011】急勾配面にプレキャストコンクリート製の
受圧構造物を設置する。段部によって受圧構造物を支え
ることができるため、支保工の規模が著しく小さくな
り、構造物が落下・転倒するなどの事故もなくなる。受
圧構造物の形状としては様々なものが採用可能であり、
四角形や円形、十文字形状など斜面の安定に使用されて
いる従来の受圧構造物が広く採用できる。受圧構造物の
アンカー孔には調整角度が与えられている。調整角度の
限界は15度程度である。この受圧構造物のアンカー孔
に既述したグラウンドアンカーの地表からの突出部分を
通し、ジャッキにて緊張してプレストレス力を与える。
鋼製の引張材であればクサビなどによってアンカーヘッ
ドに定着し、化学繊維の引張材であれば地上にて折り返
してその部分を受圧構造物のアンカー孔に配して硬化材
によって固定するなどして定着する。
【0012】段部の端に沿って客土用土留壁を設置し、
段部に客土を詰める。ここに植栽することができる。ま
た掘削した急勾配面と受圧構造物を埋設するように埋め
戻して、その上に植栽することも可能である。
【0013】
【実施例】以下、図に示す実施例に基づきこの発明を詳
細に説明する。図において1は切り崩した斜面であり、
その傾斜角度α1は45度である。その一部に急勾配面
2を形成する。グラウンドアンカー3の打設角度α2を
水平から20度傾斜させる場合、アンカー3に対し受圧
構造物4を直交させるならば、90―20=70とな
り、急勾配面2の傾斜角度α4は70度が理想である。
しかしながら本願発明では、図8に示すように、アンカ
ー孔12が調整角度α3だけ傾斜した受圧構造物を使用
する。その調整角度の限界は15度程度である。従って
グラウンドアンカー3の受圧構造物4に対する調整可能
角度α3を15度程度確保でき、70−15=55とな
り、急勾配面2の傾斜角度α4は55度とすればよい。
つまり55−45=10となり、斜面1よりも急勾配面
2が多く傾斜させる角度α5は10度となる。図8に示
すような受圧構造物4のアンカー孔12の調整角度が1
5度程度であるのは、製品の製造上の問題以外に、20
度以上となると水平力が大きくなり過ぎて、受圧構造物
4が上方へ移動してしまうことがあるからである。急勾
配面2は図5に示すように受圧構造物4を設置する箇所
に各々形成してもよいし、図6に示すように水平に連続
して受圧構造物4複数個を設置する広さを掘削してもよ
い。急勾配面2の下には水平な段部5が形成されてい
る。
【0014】急勾配面2から、前記したように傾斜角度
20度で地盤に向って削孔6を掘削する。この中に合成
樹脂製の自由長部シース7と鋼製の異形定着部シース8
の中に、PC鋼より線からなる複数の引張材9を配した
グラウンドアンカー3を挿入し、セメントミルクなどの
グラウト材を注入して定着する。このグラウンドアンカ
ー3の地上への突出部分をアンカー孔12に通して、受
圧構造物4を急勾配面2に沿わして設置する。受圧構造
物4としては四方にビーム部が伸びる十文字形の構造物
を使用している。この受圧構造物4の下端を段部5に載
せて沿わすもので、大がかりな支保工が不要で危険が少
ない。グラウンドアンカー3の引張材9を緊張して、ク
サビにてアンカーヘッド13に定着し、受圧構造物4を
固定する。
【0015】段部5の端に沿って、図1〜3に示すよう
に客土用土留壁14を設置し、上下に貫通するロックボ
ルト15や鉄筋アンカーと、受圧構造物4から取ったア
ンカー16によって固定する。ロックボルト15とアン
カー16はいずれかひとつを採用してもよいこともあ
る。客土用土留壁14としてはプレキャストコンクリー
ト製の他、土嚢や竹、木などを組んだもの、様々な材料
のものが使用可能である。この客土用土留壁14の内側
の段部5上に客土17を詰め、植栽する。植えられた草
木によって受圧構造物4が隠れ、また自然と調和した斜
面景観を造ることができる。
【0016】図4に示すように、掘削して形成した急勾
配面2に受圧構造物4を設置し、その受圧構造物4を埋
設するように土砂18を埋め戻し、その上に植栽を行い
受圧構造物4を完全に覆うことも可能である。
【0017】
【発明の効果】受圧構造物は斜面の傾斜角度でなく、
グラウンドアンカー角度に合わせて形成した急勾配面に
沿わして設置するため、斜面全体の傾斜角度に関係な
く、受圧構造物をより土圧に直交する角度に設置可能と
なる。段部に形成した客土空間や埋め戻し部分に植生
や植栽することにより、プレキャスト受圧構造物を見え
難く或いは見えなくするとともに、自然的潤いのある斜
面景観とできる。アンカーは土砂荷重と平行に近いほ
ぼ水平に配し、アンカー孔に調整角度を与えた受圧構造
物は、急勾配面の勾配を出来るだけ小さくして土砂荷重
に対しほぼ直交する角度に近く設置することが可能であ
り、荷重の伝達がより効果的である。受圧構造物のア
ンカー孔に調整角度を与えて傾斜させたため、その分急
勾配の傾斜角度を小さくすることができ、受圧構造物の
設置もし易く、作業上の危険も少ない。受圧構造物の
アンカー孔に与えた調整角度の限界は15度程度であるた
め、受圧構造物に水平力が働き難く、上方へズレて移動
してしまうこともない。急勾配面の下には段部が形成
されており、大規模な支保工を使用しなくとも受圧構造
物の転倒や落下が無くなり、危険性が著しく減少する。
斜面全体を急勾配に形成するのではなく、一部を急勾
配とするため自然のままの山岳地にもそのまま施工で
き、経済的な施工が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の縦断面図である。
【図2】図1の実施例の正面図である。
【図3】図1の実施例の横断面図である。
【図4】他の実施例の縦断面図である。
【図5】個別に形成した急勾配面に設置した受圧構造物
の正面図である。
【図6】水平に連続して形成した急勾配面に設置した受
圧構造物の正面図である。
【図7】斜面に全体にこの発明を実施した縦断面図であ
る。
【図8】受圧構造物の一実施例の一部断面図である。
【図9】傾斜面に受圧構造物を置いた従来例である。
【図10】理想的な受圧構造物の設置例である。
【符号の説明】
1 斜面 2 急勾配面 3 グラウンドアンカー 4 受圧構造物 5 段部 6 削孔 7 自由長部シース 8 異形定着部シース 9 引張材 11 グラウト材 12 アンカー孔 13 アンカーヘッド 14 客土用土留壁 15 ロックボルト 16 アンカー 17 客土

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 斜面の一部を掘削してその斜面よりも傾
    斜角度の大きい急勾配面とその下に段部を形成し、この
    急勾配面に沿わしてアンカー孔が傾斜した調整角度α3
    を有するプレキャストコンクリート製の受圧構造物を設
    置し、急勾配面から地盤に向けて掘削した削孔内に挿入
    して定着したグラウンドアンカーを前記受圧構造物に通
    して固定してなる斜面安定工法。
  2. 【請求項2】 段部に沿って客土用土留壁を設け、段部
    に客土を詰めて植栽することを特徴とする請求項1記載
    の斜面安定工法。
  3. 【請求項3】 掘削した部分に土砂を埋め戻して急勾配
    面を受圧構造物とともに埋設し、植栽することを特徴と
    する請求項1記載の斜面安定工法。
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CN110249813B (zh) * 2019-07-15 2021-05-25 大连地拓环境科技有限公司 一种在采矿坑高陡岩质边坡绿化方法

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