JP2002054162A - L形擁壁用コンクリートブロック及び擁壁 - Google Patents
L形擁壁用コンクリートブロック及び擁壁Info
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- JP2002054162A JP2002054162A JP2000240194A JP2000240194A JP2002054162A JP 2002054162 A JP2002054162 A JP 2002054162A JP 2000240194 A JP2000240194 A JP 2000240194A JP 2000240194 A JP2000240194 A JP 2000240194A JP 2002054162 A JP2002054162 A JP 2002054162A
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- concrete block
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 L形擁壁用コンクリートブロックを用いて構
築された擁壁の耐土圧力を向上させる技術手段を得るこ
とにより、壁板の上縁の高さを越える高さの盛土を可能
にする擁壁構造を提供する。 【解決手段】 擁壁を構築しているL形擁壁用コンクリ
ートブロックの壁板の背面に、当該壁板の背後の土中に
延びるアンカー部材を連結する。アンカー部材は、壁板
の背面上下方向に多段に設けるのが好ましい。必要によ
り、L形擁壁用コンクリートブロックの底板に基礎中に
打込んだ杭部材を貫通して、底板の水平方向滑りを防止
する。
築された擁壁の耐土圧力を向上させる技術手段を得るこ
とにより、壁板の上縁の高さを越える高さの盛土を可能
にする擁壁構造を提供する。 【解決手段】 擁壁を構築しているL形擁壁用コンクリ
ートブロックの壁板の背面に、当該壁板の背後の土中に
延びるアンカー部材を連結する。アンカー部材は、壁板
の背面上下方向に多段に設けるのが好ましい。必要によ
り、L形擁壁用コンクリートブロックの底板に基礎中に
打込んだ杭部材を貫通して、底板の水平方向滑りを防止
する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、壁板と底板とを
側面視でL形に一体成形した擁壁用コンクリートブロッ
クと、そのようなブロックを左右に並べて構築した擁壁
の構造に関するものである。
側面視でL形に一体成形した擁壁用コンクリートブロッ
クと、そのようなブロックを左右に並べて構築した擁壁
の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】擁壁面を形成する壁板と基礎上に定置さ
れる底板とを側面視でL形に一体成形したL形擁壁用コ
ンクリートブロックは周知であり、この種のブロックを
用いて擁壁を構築する際の設計ないし強度計算の方法も
ほぼ確立しているといえる。L形擁壁用コンクリートブ
ロックは、基礎に設けた段部によって活動を阻止され、
底板上に作用する擁壁背後の土の重量によって壁板の立
設状態を保持しているため、壁板の高さに応じた幅の底
板が必要であるとともに、擁壁の背後にブロックの上縁
の高さを越える高さで盛土をすることができない。これ
は、そのような盛土をすることによって、壁板の背後に
作用する水平方向の土圧力が大きくなり、かつその作用
点が上方に移動するので、擁壁を倒壊させる危険が増大
するためである。
れる底板とを側面視でL形に一体成形したL形擁壁用コ
ンクリートブロックは周知であり、この種のブロックを
用いて擁壁を構築する際の設計ないし強度計算の方法も
ほぼ確立しているといえる。L形擁壁用コンクリートブ
ロックは、基礎に設けた段部によって活動を阻止され、
底板上に作用する擁壁背後の土の重量によって壁板の立
設状態を保持しているため、壁板の高さに応じた幅の底
板が必要であるとともに、擁壁の背後にブロックの上縁
の高さを越える高さで盛土をすることができない。これ
は、そのような盛土をすることによって、壁板の背後に
作用する水平方向の土圧力が大きくなり、かつその作用
点が上方に移動するので、擁壁を倒壊させる危険が増大
するためである。
【0003】また、L形擁壁用コンクリートブロックに
は、背面に常時水平方向の土圧が作用しており、地震な
どで振動を繰返し受けた場合など、前方に滑り動く可能
性を否定できない。本願出願人は、特開平2-2686
79号公報によりL形擁壁用コンクリートブロックの水
平方向の滑りを防止する技術手段を提唱している。
は、背面に常時水平方向の土圧が作用しており、地震な
どで振動を繰返し受けた場合など、前方に滑り動く可能
性を否定できない。本願出願人は、特開平2-2686
79号公報によりL形擁壁用コンクリートブロックの水
平方向の滑りを防止する技術手段を提唱している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、L形擁壁
用コンクリートブロックを用いて構築された擁壁の耐土
圧力を向上させる技術手段を得ることを課題としてお
り、これによりL形擁壁用コンクリートブロックの底板
の幅を従来より狭くすることを可能にしたり、壁板の上
縁の高さを越える高さの盛土を可能にする擁壁構造を提
供しようとするものである。
用コンクリートブロックを用いて構築された擁壁の耐土
圧力を向上させる技術手段を得ることを課題としてお
り、これによりL形擁壁用コンクリートブロックの底板
の幅を従来より狭くすることを可能にしたり、壁板の上
縁の高さを越える高さの盛土を可能にする擁壁構造を提
供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明では、擁壁を構
築しているL形擁壁用コンクリートブロック1の壁板3
の背面に、当該壁板の背後の土中に延びるアンカー部材
8、17を連結することにより上記課題を解決してい
る。アンカー部材8、17は、壁板3の背面上下方向に
多段に設けることができ、更には、L形擁壁用コンクリ
ートブロック1の底板2に基礎13中に打込んだ杭部材
12、14を貫通して、底板2の水平方向滑りを防止す
ることもできる。
築しているL形擁壁用コンクリートブロック1の壁板3
の背面に、当該壁板の背後の土中に延びるアンカー部材
8、17を連結することにより上記課題を解決してい
る。アンカー部材8、17は、壁板3の背面上下方向に
多段に設けることができ、更には、L形擁壁用コンクリ
ートブロック1の底板2に基礎13中に打込んだ杭部材
12、14を貫通して、底板2の水平方向滑りを防止す
ることもできる。
【0006】すなわち、この発明の擁壁構造は、断面L
形の擁壁用コンクリートブロック1を左右に並べて構築
された擁壁において、各ブロック1の背面上部に当該ブ
ロックの背後の土中に水平に延びるアンカー材8、17
が連結されていることを特徴とするものである。更に
は、各ブロックの底板2に当該底板の下の基礎13に打
込まれた杭材12、14が貫通していることを特徴とす
る。
形の擁壁用コンクリートブロック1を左右に並べて構築
された擁壁において、各ブロック1の背面上部に当該ブ
ロックの背後の土中に水平に延びるアンカー材8、17
が連結されていることを特徴とするものである。更に
は、各ブロックの底板2に当該底板の下の基礎13に打
込まれた杭材12、14が貫通していることを特徴とす
る。
【0007】上記構造により、L形擁壁用コンクリート
ブロック1の上縁の高さを越える高さで当該ブロックの
背後に盛土24を設けた擁壁を構築することができる。
ブロック1の上縁の高さを越える高さで当該ブロックの
背後に盛土24を設けた擁壁を構築することができる。
【0008】また、上記構造の擁壁を構築するために使
用するこの発明のL形擁壁用コンクリートブロックは、
壁板3の背面上部の左右対称位置にアンカー材連結用の
埋め込みナット4を備えている。埋め込みナット4を一
段のみ設けたときは、底板2の左右対称位置にアンカー
ブロック挿通用の開口10が設けられる。
用するこの発明のL形擁壁用コンクリートブロックは、
壁板3の背面上部の左右対称位置にアンカー材連結用の
埋め込みナット4を備えている。埋め込みナット4を一
段のみ設けたときは、底板2の左右対称位置にアンカー
ブロック挿通用の開口10が設けられる。
【0009】アンカー材としては、板状ないし杆状のコ
ンクリートブロック8や、ジオグリッドなどと呼ばれて
いる可撓性のある合成樹脂繊維のネット状のもの17を
用いることができる。前者は、ステンレス棒材5などに
よってL形擁壁用コンクリートブロックの壁板3の背面
に連結することができ、後者であれば、壁板3の背後に
横桟状に棒材18を連結して、可撓性アンカー材の先端
辺を巻き付けて連結するという構造を採用することがで
きる。アンカー材8、17は、図11で模式的に示す滑
り面30の背後(図の右側)の土中に達する長さで設ける
必要がある。アンカー材8、17の幅は、できるだけ広
くするのが望ましく、通常はL形擁壁用ブロック1と同
幅にする。
ンクリートブロック8や、ジオグリッドなどと呼ばれて
いる可撓性のある合成樹脂繊維のネット状のもの17を
用いることができる。前者は、ステンレス棒材5などに
よってL形擁壁用コンクリートブロックの壁板3の背面
に連結することができ、後者であれば、壁板3の背後に
横桟状に棒材18を連結して、可撓性アンカー材の先端
辺を巻き付けて連結するという構造を採用することがで
きる。アンカー材8、17は、図11で模式的に示す滑
り面30の背後(図の右側)の土中に達する長さで設ける
必要がある。アンカー材8、17の幅は、できるだけ広
くするのが望ましく、通常はL形擁壁用ブロック1と同
幅にする。
【0010】L形擁壁用コンクリートブロックの土留め
作用を検討するときには、ブロックの底板2の先端辺か
ら垂直に立上る仮想受圧面31と、斜めに立上る滑り面
30とを想定する(図10、11参照)。滑り面30は土
の崩落が生じない限界の斜面で、土の法面が滑り面より
急勾配になると、法面が崩落する危険が生ずる。仮想受
圧面31とブロックの壁板3との間の土32は、ブロッ
クを倒伏させようとする力を生じず、その重量に比例す
る摩擦力により、ブロックの水平方向の滑りが防止され
ると考えられる。一方、滑り面30の背後の土34は、
ブロック1を倒伏させたり、ずらせたりするような力を
生じない。従って、ブロック1を倒伏させたりずらせた
りする力は、仮想受圧面31と滑り面30との間の土3
3の重量によって生ずる。この部分の土の量が多ければ
多いほど、ブロック1従って擁壁が倒壊する危険が増
す。
作用を検討するときには、ブロックの底板2の先端辺か
ら垂直に立上る仮想受圧面31と、斜めに立上る滑り面
30とを想定する(図10、11参照)。滑り面30は土
の崩落が生じない限界の斜面で、土の法面が滑り面より
急勾配になると、法面が崩落する危険が生ずる。仮想受
圧面31とブロックの壁板3との間の土32は、ブロッ
クを倒伏させようとする力を生じず、その重量に比例す
る摩擦力により、ブロックの水平方向の滑りが防止され
ると考えられる。一方、滑り面30の背後の土34は、
ブロック1を倒伏させたり、ずらせたりするような力を
生じない。従って、ブロック1を倒伏させたりずらせた
りする力は、仮想受圧面31と滑り面30との間の土3
3の重量によって生ずる。この部分の土の量が多ければ
多いほど、ブロック1従って擁壁が倒壊する危険が増
す。
【0011】L形擁壁用コンクリートブロック1の背後
にその上縁の高さを越える盛土をしたときは、図11に
示すように、仮想受圧面31と滑り面30との間の土3
3の量が大幅に増加する。そのために擁壁が倒壊する危
険が生ずるが、アンカー材8、17を滑り面30の背後
の土34中にまで延ばしたこの発明の擁壁構造によれ
ば、盛土によって増加した分の土圧を安定した土34中
のアンカー材が受ける摩擦抵抗力によって受け持たせる
ことができる。アンカー材8、17を壁板3の上端近く
にのみ設けたときは、増加した土圧力によって滑りが生
ずる危険があり、これを防止するために、底板に杭材1
4を貫通させる。一方、図11に示すように、アンカー
材8、17を多段に設けたときは、下段のアンカー材に
よってブロックの滑りが防止されるので、底板を杭材で
固定する必要は必ずしもない。
にその上縁の高さを越える盛土をしたときは、図11に
示すように、仮想受圧面31と滑り面30との間の土3
3の量が大幅に増加する。そのために擁壁が倒壊する危
険が生ずるが、アンカー材8、17を滑り面30の背後
の土34中にまで延ばしたこの発明の擁壁構造によれ
ば、盛土によって増加した分の土圧を安定した土34中
のアンカー材が受ける摩擦抵抗力によって受け持たせる
ことができる。アンカー材8、17を壁板3の上端近く
にのみ設けたときは、増加した土圧力によって滑りが生
ずる危険があり、これを防止するために、底板に杭材1
4を貫通させる。一方、図11に示すように、アンカー
材8、17を多段に設けたときは、下段のアンカー材に
よってブロックの滑りが防止されるので、底板を杭材で
固定する必要は必ずしもない。
【0012】アンカー材8、17を多段に設けたとき
は、各段のアンカー材の安定な土34内での長さが一定
長さになるようにするのが施工の上で最適である。アン
カー材8、17は、滑り面背後の土34を掘削してアン
カー材を配置した上に土を埋め戻して転圧するという工
程で設置されるので、掘削される土の量が最も少なくな
るように、アンカー材の取付位置と長さとを決定すべき
である。
は、各段のアンカー材の安定な土34内での長さが一定
長さになるようにするのが施工の上で最適である。アン
カー材8、17は、滑り面背後の土34を掘削してアン
カー材を配置した上に土を埋め戻して転圧するという工
程で設置されるので、掘削される土の量が最も少なくな
るように、アンカー材の取付位置と長さとを決定すべき
である。
【0013】
【発明の実施の形態】図1ないし図3は、この発明の第
1実施例を示す図で、図1は擁壁の側面図、図2は斜視
図、図3は杭材部分の拡大断面図である。L形擁壁用コ
ンクリートブロック1の基本形状は、従来のブロックと
特に異なるところはないが、底板2の幅Wは、従来のも
のより狭くすることが可能である。ブロックの壁板3の
背面上部には、左右対称の位置にインサートナット4が
埋設されており、このインサートナットに両端に雄ねじ
を設けたステンレス製の連結棒5が螺着されている。こ
の連結棒5の他端部分には、ブロック1を設置した後そ
の背後に土を埋め戻す時に、両端部に取付孔7を設けた
短冊板状のコンクリート製のアンカーブロック8が挿通
されて、ナット9で固定される。その上に更に土を埋め
戻して転圧することにより、アンカーブロック8が土中
に埋設される。
1実施例を示す図で、図1は擁壁の側面図、図2は斜視
図、図3は杭材部分の拡大断面図である。L形擁壁用コ
ンクリートブロック1の基本形状は、従来のブロックと
特に異なるところはないが、底板2の幅Wは、従来のも
のより狭くすることが可能である。ブロックの壁板3の
背面上部には、左右対称の位置にインサートナット4が
埋設されており、このインサートナットに両端に雄ねじ
を設けたステンレス製の連結棒5が螺着されている。こ
の連結棒5の他端部分には、ブロック1を設置した後そ
の背後に土を埋め戻す時に、両端部に取付孔7を設けた
短冊板状のコンクリート製のアンカーブロック8が挿通
されて、ナット9で固定される。その上に更に土を埋め
戻して転圧することにより、アンカーブロック8が土中
に埋設される。
【0014】ブロック1の底板2には、左右対称の位置
に30cm角程度の開口10が左右対称の位置に設けら
れている。この開口10には、中心に杭孔11を有する
偏平な直方体状の杭ブロック12が嵌合され、杭孔11
には基礎13に打込まれた杭14が貫通している。ブロ
ックの底板2は、充填した石材15の上面をモルタル1
6でならした基礎13上に設置されるので、この基礎に
杭14及び杭ブロック12を設け、これに開口10を嵌
め込むような形でL形擁壁用コンクリートブロック1を
設置する。
に30cm角程度の開口10が左右対称の位置に設けら
れている。この開口10には、中心に杭孔11を有する
偏平な直方体状の杭ブロック12が嵌合され、杭孔11
には基礎13に打込まれた杭14が貫通している。ブロ
ックの底板2は、充填した石材15の上面をモルタル1
6でならした基礎13上に設置されるので、この基礎に
杭14及び杭ブロック12を設け、これに開口10を嵌
め込むような形でL形擁壁用コンクリートブロック1を
設置する。
【0015】以上説明した第1実施例では、アンカーブ
ロック8をL形擁壁用コンクリートブロックの壁板3の
上端部分にのみ連結した構造で、ブロックの倒れをアン
カーブロック8で防止し、ブロックの滑りを杭14及び
杭ブロック12で防止する構造である。
ロック8をL形擁壁用コンクリートブロックの壁板3の
上端部分にのみ連結した構造で、ブロックの倒れをアン
カーブロック8で防止し、ブロックの滑りを杭14及び
杭ブロック12で防止する構造である。
【0016】図4はこの発明の第2実施例を示す斜視図
で、第1実施例と同様なアンカーブロック8をL形擁壁
用コンクリートブロック1の壁板3の背面に上下2段に
設けた例を示している。アンカーブロック8の連結構造
は、第1実施例のものと同じであり、図面中に第1実施
例で用いた符号と同じ符号を付して、その説明は省略す
る。この第2実施例では、アンカーブロック8を上下2
段に設けて、L形擁壁用コンクリートブロック1の倒れ
と滑りとを防止するので、底板2を杭や杭ブロックで固
定しなくてもよい。
で、第1実施例と同様なアンカーブロック8をL形擁壁
用コンクリートブロック1の壁板3の背面に上下2段に
設けた例を示している。アンカーブロック8の連結構造
は、第1実施例のものと同じであり、図面中に第1実施
例で用いた符号と同じ符号を付して、その説明は省略す
る。この第2実施例では、アンカーブロック8を上下2
段に設けて、L形擁壁用コンクリートブロック1の倒れ
と滑りとを防止するので、底板2を杭や杭ブロックで固
定しなくてもよい。
【0017】図5はアンカー材として可撓性のネット状
部材17を用いた第3実施例を示す斜視図である。ジオ
グリッドなどと呼ばれている可撓性ネット17は、その
先端辺を取付杆18に巻き付け、この取付杆18を固定
ボルト19でブロックの壁板3の背面に埋設したインサ
ートナットに固定することによって、ブロックの壁板3
の背面に連結されている。図5の実施例では、アンカー
材となる可撓性ネット17を1段のみ設けているので、
杭による底板2の固定構造を採用している。この第3実
施例のものでは、鉄筋を入れた直径20cm、長さ50
cm程度のコンクリート製の杭ブロック12を底板2に
設けた円形の開口10に挿通して固定する構造を採用し
ている。なお、アンカー材として可撓性ネットを用いた
構造においても、可撓性ネットを多段に設けることが可
能であり、そのようにした場合には、底板2の杭止め構
造を設けないことができることは、前述した通りであ
る。
部材17を用いた第3実施例を示す斜視図である。ジオ
グリッドなどと呼ばれている可撓性ネット17は、その
先端辺を取付杆18に巻き付け、この取付杆18を固定
ボルト19でブロックの壁板3の背面に埋設したインサ
ートナットに固定することによって、ブロックの壁板3
の背面に連結されている。図5の実施例では、アンカー
材となる可撓性ネット17を1段のみ設けているので、
杭による底板2の固定構造を採用している。この第3実
施例のものでは、鉄筋を入れた直径20cm、長さ50
cm程度のコンクリート製の杭ブロック12を底板2に
設けた円形の開口10に挿通して固定する構造を採用し
ている。なお、アンカー材として可撓性ネットを用いた
構造においても、可撓性ネットを多段に設けることが可
能であり、そのようにした場合には、底板2の杭止め構
造を設けないことができることは、前述した通りであ
る。
【0018】図6ないし図9は、この発明の擁壁構造が
有効に適用される施工の例を示した図である。図6は、
擁壁の背後に草付の法面20を有する盛土をして、その
上面を道路21とした例である。図7は、擁壁の上に造
成した宅地に石垣22を造成して、その上に植樹23を
した例である。このような石垣22は、アンカー材8を
有しない従来構造の擁壁の場合には、擁壁の設計時に想
定した以上の土圧力をL形擁壁用コンクリートブロック
1に与えるおそれがあるため、安全性の保証ができない
が、この発明の擁壁構造であれば、石垣22による土圧
の増加はアンカー材8によって受けることができるた
め、設計強度内での石垣22の造成などが可能である。
有効に適用される施工の例を示した図である。図6は、
擁壁の背後に草付の法面20を有する盛土をして、その
上面を道路21とした例である。図7は、擁壁の上に造
成した宅地に石垣22を造成して、その上に植樹23を
した例である。このような石垣22は、アンカー材8を
有しない従来構造の擁壁の場合には、擁壁の設計時に想
定した以上の土圧力をL形擁壁用コンクリートブロック
1に与えるおそれがあるため、安全性の保証ができない
が、この発明の擁壁構造であれば、石垣22による土圧
の増加はアンカー材8によって受けることができるた
め、設計強度内での石垣22の造成などが可能である。
【0019】図8は、擁壁の背後にジオグリッドなどで
法面の崩落を防止した急勾配の盛土24を設けた例であ
る。また、図9は、擁壁の背後に緑化ポットを有する積
みブロックを用いて、緑化された法面を有する盛土24
を設けた例である。擁壁構造の背後にこのような構造で
急勾配の盛土を設けることにより、人口密度の高い地域
における施工にも、この発明の擁壁構造を採用すること
が可能になる。
法面の崩落を防止した急勾配の盛土24を設けた例であ
る。また、図9は、擁壁の背後に緑化ポットを有する積
みブロックを用いて、緑化された法面を有する盛土24
を設けた例である。擁壁構造の背後にこのような構造で
急勾配の盛土を設けることにより、人口密度の高い地域
における施工にも、この発明の擁壁構造を採用すること
が可能になる。
【図1】第1実施例の擁壁構造の側面図
【図2】第1実施例の擁壁構造の要部の斜視図
【図3】第1実施例の擁壁構造の底板の杭止め構造を示
す断面図
す断面図
【図4】第2実施例の擁壁構造の要部を示す斜視図
【図5】第3実施例の擁壁構造の要部を示す斜視図
【図6】この発明の擁壁構造を用いた施工の第1例を示
す模式的な断面図
す模式的な断面図
【図7】施工の第2例を示す図6と同様な図
【図8】施工の第3例を示す図6と同様な図
【図9】施工の第4例を示す図6と同様な図
【図10】従来構造の擁壁における土圧の作用を示す説
明図
明図
【図11】この発明の擁壁構造における土圧の作用を示
す説明図
す説明図
1 L形擁壁ブロック 2 底板 3 壁板 4 インサートナット 8 アンカーブロック 12 杭ブロック 14 杭 17 可撓性ネット 24 盛土
Claims (5)
- 【請求項1】 底板(2)の左右対称位置にアンカーブロ
ック挿通用の開口(10)を備え、壁板(3)の背面上部の左
右対称位置にアンカー連結用の埋め込みナット(4)を備
えている、L形擁壁用コンクリートブロック。 - 【請求項2】 壁板(3)の背面の左右対称位置にアンカ
ー連結用の埋め込みナット(4)を上下方向に多段に備え
ている、L形擁壁用コンクリートブロック。 - 【請求項3】 断面L形の擁壁用コンクリートブロック
(1)を左右に並べて構築された擁壁において、各L形ブ
ロック(1)の背面上部に当該ブロックの背後の土中に水
平に延びるアンカー材(8,17)が連結されていることを特
徴とする、擁壁。 - 【請求項4】 断面L形の擁壁用コンクリートブロック
(1)を左右に並べて構築された擁壁において、各L形ブ
ロック(1)の背面上部に当該ブロックの背後の土中に水
平に延びるアンカー材(8,17)が連結されており、各ブロ
ックの底板に当該底板の下の基礎に打込まれた杭材(12,
14)が貫通していることを特徴とする、擁壁。 - 【請求項5】 擁壁用コンクリートブロック(1)の上縁
の高さを越える高さで当該ブロックの背後の埋め土上に
盛土(24)が設けられている、請求項3又は4記載の擁
壁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000240194A JP2002054162A (ja) | 2000-08-08 | 2000-08-08 | L形擁壁用コンクリートブロック及び擁壁 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000240194A JP2002054162A (ja) | 2000-08-08 | 2000-08-08 | L形擁壁用コンクリートブロック及び擁壁 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002054162A true JP2002054162A (ja) | 2002-02-20 |
Family
ID=18731596
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000240194A Pending JP2002054162A (ja) | 2000-08-08 | 2000-08-08 | L形擁壁用コンクリートブロック及び擁壁 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002054162A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2439293B (en) * | 2004-09-30 | 2010-05-26 | Jujo Paper Co Ltd | Laminated sheet |
KR101501733B1 (ko) * | 2014-05-30 | 2015-03-18 | 대한이.이엔.씨(주) | 친환경 프리캐스트 앵커고정 옹벽 구조물 |
JP2019090230A (ja) * | 2017-11-14 | 2019-06-13 | 株式会社竹中工務店 | 拡張施設、及び施設の拡張方法 |
JP2020023860A (ja) * | 2018-07-31 | 2020-02-13 | 株式会社プラス | 土留めユニット及びそれを用いた土留め方法 |
CN113127962A (zh) * | 2021-04-29 | 2021-07-16 | 辽宁工程技术大学 | 一种狭小空间下锚杆复合l型悬臂式挡墙规格的确定方法 |
-
2000
- 2000-08-08 JP JP2000240194A patent/JP2002054162A/ja active Pending
Cited By (5)
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