JP3323388B2 - 紙葉類結束機 - Google Patents

紙葉類結束機

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JP3323388B2
JP3323388B2 JP01230496A JP1230496A JP3323388B2 JP 3323388 B2 JP3323388 B2 JP 3323388B2 JP 01230496 A JP01230496 A JP 01230496A JP 1230496 A JP1230496 A JP 1230496A JP 3323388 B2 JP3323388 B2 JP 3323388B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙幣、証券等の紙
葉類を集積して結束させる紙葉類結束機に関する。
【0002】
【従来の技術】所定枚数の紙幣、証券等の紙葉類を集積
して結束させ収納部に収納する紙葉類結束機として、例
えば、実公平6−27527号公報に開示されたものが
ある。この紙葉類結束機では、結束されたのち搬送され
てきた束紙葉類としての束紙幣を長手方向を横方向に沿
わせ表裏方向を鉛直に沿わせた水平状態で受箱に投入
し、該受箱を、金種や収納量の多少に応じて選択された
収納部上に移動させて、その底部を開放することによ
り、収納部に束紙幣を水平状態のまま落下させて収納す
るようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
紙葉類結束機では、結束後一旦収納部に収納してしまっ
た束紙幣を取り出すためには、収納部を引き出し、該収
納部から手作業で取り出すという煩雑な作業が必要であ
った。一方、束紙幣を自動放出する装置に関するものと
して、特開昭57−57159号公報に開示されたもの
がある。この装置では、収納箱の揺動レバーを揺動させ
ることにより、収納箱に収納された束紙幣を繰り出すよ
うになっているが、束紙幣は予め手作業で収納しておか
なければならないという問題があった。したがって、本
発明の目的は、結束後の束紙葉類の自動収納および自動
繰出しを簡単な構造で行うことができる紙葉類結束機を
提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、搬入された紙葉類を表裏方
向に集積しテープを巻き回して結束させる結束部と、該
結束部で結束された束紙葉類を表裏方向を横方向に沿わ
せた状態で横方向に多数収納可能な収納部と、前記結束
部で結束された束紙葉類を搬送し表裏方向を横方向に沿
わせた状態で前記収納部に投入する束紙葉類搬送部とを
有し、前記収納部は、一の横方向に沿って一端側と他端
側との間で前後移動可能に設けられた第1の板部材と、
該第1の板部材を強制的に前後移動させる駆動部と、前
記第1の板部材の前記他端側に該第1の板部材の移動方
向に沿って前後移動自在に設けられた第2の板部材と、
該第2の板部材を前記一端側に向け付勢する付勢部材
と、前記一端側に位置する前記第1の板部材に対し前記
他端側に設けられた、前記束紙葉類搬送部から束紙葉類
が投入される投入口と、該投入口位置よりさらに前記他
端側に設けられ、前記第1の板部材および該第1の板部
材で押圧される束紙葉類の前記一端側から前記他端側へ
の移動と前記第1の板部材の前記他端側から前記一端側
への移動とを許容する一方、前記他端側に配置された前
記第2の板部材および該第2の板部材により押圧される
束紙葉類の前記他端側から前記一端側への移動を規制す
る規制部材と、前記規制部材に対し前記他端側に位置す
る前記第1の板部材と前記第2の板部材とで挾持された
束紙葉類を側方に押し出すプッシャーと、該プッシャー
で押し出された束紙葉類を外部へ繰り出させる繰出口
と、を具備することを特徴としている。
【0005】そして、駆動部で第1の板部材を前記一端
側に位置させた状態においては、投入口より前記他端側
に配置された規制部材により第2の板部材が前記一端側
への移動が規制されているため、第1の板部材および第
2の板部材が投入口を間に介して離間状態にある。この
状態で束紙葉類を投入口から投入させ、第1の板部材と
第2の板部材との間に束紙葉類を位置させた状態から、
駆動部で、第1の板部材を前記他端側に移動させ、束紙
葉類とともに移動が許容された規制部材を通過させた
後、該第1の板部材を前記一端側に戻すと、該第1の板
部材とともに第2の板部材が付勢部材の付勢力で束紙葉
類とともに前記一端側に向け移動するが、束紙葉類は規
制部材で前記一端側への移動が規制されるため、付勢部
材の付勢力により規制部材と第2の板部材とで挾持され
る。このようにして、投入口に投入された束紙葉類を、
規制部材と第2の板部材または該第2の板部材ですでに
支持されている束紙葉類との間に順次挾持させて、収納
を行う。一方、駆動部で、第1の板部材を前記他端側に
移動させ、規制部材と第2の板部材とで挾持された束紙
葉類を押圧させると、第1の板部材と第2の板部材とが
付勢部材の付勢力で束紙葉類を挾持しつつ規制部材に対
し前記他端側に位置する。この状態で、プッシャーによ
り第1の板部材と前記第2の板部材とで挾持された束紙
葉類を側方に押し出して繰出口から外部へ繰り出させ
る。
【0006】請求項2記載の発明は、請求項1記載のも
のに関して、前記収納部が着脱可能であることを特徴と
している。これにより、収納部を取り外すことにより、
該収納部を持ち運び可能な金庫としてそのまま利用でき
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の紙葉類結束機の一の実施
の形態について、図面を参照して以下に説明する。な
お、この実施の形態の紙葉類結束機は、紙葉類として紙
幣を取り扱うものである。
【0008】図1はこの実施の形態の紙葉類結束機を示
す全体構成図であり、この紙葉類結束機は、紙幣の判
別、収納および払出等を行う図示せぬ紙葉類処理機に付
設されて用いられるものである。
【0009】紙葉類結束機は、その外郭をなす箱状の機
体11と、該機体11内の紙葉類処理機付設側(図1に
おける右側)に配置されるとともに、紙葉類処理機から
紙幣を受け入れこれを搬送する搬送部12と、機体11
内の紙葉類処理機付設側に対し反対側(図1における左
側)かつ上側に配置されるとともに、搬送部12で搬送
されてきた紙幣を集積させ結束処理を行う上結束機本体
部13と、機体11内の該上結束機本体部13の下側に
配置されるとともに、搬送部12で搬送されてきた紙幣
を集積させ結束処理を行う下結束機本体部14と、全体
制御部35および収納繰出制御部36(ともに図3参
照)からなるコントローラと、で構成されている。
【0010】搬送部12は、紙葉類処理機から、機体1
1の前後方向(図1紙面に直交する方向)に長手方向を
沿わせた姿勢で紙幣を受け入れる一つの受入経路16
と、該受入経路16から上下方向に四つに分流されそれ
ぞれ前記姿勢のままで紙幣を搬送する分流経路17a,
17b,17c,17dと、分流部分に設けられた振分
部18とを有している。なお、紙葉類処理機側には紙葉
類結束機側に繰り出す紙幣の金種を判別する金種判別部
が設けられており、コントローラの全体制御部35は該
金種判別部からの金種信号を受けて紙幣の金種を判別し
あるいは金種別の数量を計数して、搬送される紙幣を分
流経路17a〜17dの所定のものへ、振分部18を制
御して振り分けるようになっている。
【0011】上結束機本体部13は、二つの集積部20
a,20bと、これら集積部20a,20bの搬送部1
2に対し反対側に設けられた一対のチャック部材31,
32および結束部21と、集積部20a,20b、チャ
ック部材31,32および結束部21の下側に並列され
た、集積部20a,20bと同数すなわち二つの第1束
収納繰出部(収納部)22aおよび第2束収納繰出部
(収納部)22bと、これら第1束収納繰出部22aお
よび第2束収納繰出部22bの搬送部12に対し反対側
に設けられた端数収納部23と、チャック部材31,3
2および結束部21と第1束収納繰出部22a、第2束
収納繰出部22bおよび端数収納部23との間に設けら
れた束等搬送部(束紙葉類搬送部)24と、機体11の
前面11A側に設けられた機外放出部25と、機体11
の前面11A側に設けられた束払出部26とで構成され
ている。
【0012】各集積部20a,20bは、同形状をなし
ており、水平方向の位置を一致させ上下方向にのみ位置
をずらして配置されている。上側の集積部20aは最も
上側の分流経路17aに接続され、下側の集積部20b
は前記の一つ下側の分流経路17bに接続されており、
各分流経路17a,17bで搬送された紙幣は、各集積
部20a,20bで、機体11の前後方向に長手方向を
沿わせかつ表裏面方向を鉛直に沿わせた状態で、水平方
向の位置を一致させるよう整列させられながら載置板2
8上に上下方向に集積される。これら集積部20a,2
0bは、載置板28上に載置された集積紙幣S1を、図
示せぬ押出機構により搬送部12側から集積状態のまま
押して、搬送部12に対し反対側方に水平移動させるよ
うになっている。
【0013】チャック部材31,32は、集積部20
a,20bで集積され図示せぬ押出機構により側方に出
された結束すべき所定枚数(通常100枚)の集積紙幣
S1を機体11の前後方向に長手方向を沿わせかつ表裏
方向を鉛直に沿わせた姿勢のまま集積方向における両側
すなわち上下から若干中央を屈曲させるよう挾持する。
結束部21は、結束テープを所定長さ供給するテープ供
給部30と、チャック部材31,32で挾持された集積
紙幣S1の短手側にテープ供給部30から供給された結
束テープを巻回させる図示せぬ巻付機構と、結束テープ
の重合部分を熱接着させかつ捺印を施して、束紙幣とす
る図示せぬ接着部とで構成されている。
【0014】なお、チャック部材31,32は、上下移
動可能とされており、上側の移動限界位置が上側の集積
部20aから集積紙幣S1を受け入れる位置とされ、下
側の移動限界位置が束等搬送部24へ束紙幣S2等を受
け渡す位置とされ、これらの間に下側の集積部20bか
ら集積紙幣S1を受け入れる位置が位置するように、集
積部20a,20bおよび束等搬送部24との位置関係
が設定されている。
【0015】また、コントローラの全体制御部35は、
集積部20a,20bのうち、結束すべき所定枚数の集
積紙幣S1が集積された側から押出機構で集積紙幣S1
を押出し、チャック部材31,32で集積紙幣S1を受
け入れさせ、これを束等搬送部24に向け下降させ該下
降と並行して結束処理を実施し、また束等搬送部24へ
束紙幣を受け渡した後は、集積部20a,20bのう
ち、次に結束すべき所定枚数の集積紙幣S1が集積され
た側へ移動させるよう制御する。さらに、コントローラ
の全体制御部35は、チャック部材31,32で受け入
れた集積紙幣S1を、結束部21により結束させずにそ
のまま束等搬送部24に受け渡すようチャック部材3
1,32および結束部21を制御することもできる。
【0016】束等搬送部24は、チャック部材31,3
2が下限位置に位置するときに、結束された束紙幣S2
または結束されていない集積紙幣S1を、機体11の前
後方向に長手方向を沿わせかつ表裏方向を鉛直に沿わせ
た姿勢のままで受け入れ、コントローラの全体制御部3
5により制御されて、金種あるいは収納量に応じて第1
束収納繰出部22a、第2束収納繰出部22b、機外放
出部25および端数収納部23のいずれかに振り分ける
よう搬送する。
【0017】なお、束等搬送部24による第1束収納繰
出部22aおよび第2束収納繰出部22bへの束紙幣S
2の受け渡しは、図2に示すように、機体11の前後方
向に長手方向を沿わせかつ表裏方向を鉛直に沿わせた姿
勢の束紙幣S2を、その長手方向を上下方向に沿わせか
つ表裏方向を機体11の前後方向に沿わせた立位姿勢に
姿勢変更を行った後に、下方に移動させることにより行
われる。
【0018】上記は、例えば、機体11の前後方向に長
手方向を沿わせかつ表裏方向を鉛直に沿わせた姿勢の束
紙幣S2を、上下両方向から一対の挾持板で挾持し、こ
の挾持板の機体11における後面11B側を上昇させる
ことで、束紙幣S2をその長手方向を上下方向に沿わせ
かつ表裏方向を機体11の前後方向に沿わせた立位姿勢
にし、この状態で挾持板を機体11における左右方向に
移動させることで第1束収納繰出部22aおよび第2束
収納繰出部22bのいずれか一方の上側所定位置に位置
させ、さらに、挾持板に形成された切り欠き等を介し
て、立位姿勢の挾持板で挾持された束紙幣S2にローラ
等を当接させ、該ローラの回転で束紙幣S2を挾持板間
から下方に移動させることで行われる。
【0019】機外放出部25は、束等搬送部24で搬送
された束紙幣S2または集積紙幣S1を、収納すること
なくそのまま機外へ放出させるための開口部で、束紙幣
S2または集積紙幣S1を放出させる時にコントローラ
の全体制御部35により自動的に開作動されそれ以外は
閉状態とされる図示せぬシャッタを具備している。
【0020】高さ方向が一致された状態で機体11の左
右方向に並列された同形状の第1束収納繰出部22aお
よび第2束収納繰出部22bは、束等搬送部24で立位
姿勢とされ下方に移動される束紙幣S2をそのままの姿
勢で受入れ、コントローラの収納繰出制御部36で制御
されて、これをそのままの姿勢で順次機体11の前方側
から後方側に並べて多数収納するとともに、収納された
束紙幣S2を水平方向にスライドさせて機体11の前面
11A側から一束ずつ、第1束収納繰出部22aおよび
第2束収納繰出部22bの間に横方向に繰り出すもので
ある。なお、第1束収納繰出部22aおよび第2束収納
繰出部22bは、機体11の前面11A側に設けられた
図示せぬ扉を開作動させることにより形成される開口部
から取り出すことができるよう着脱可能とされている。
【0021】束払出部26は、第1束収納繰出部22a
と第2束収納繰出部22bとの間であって機体11の前
面11A側に配置された引き出し状のもので、第1束収
納繰出部22aおよび第2束収納繰出部22bから繰り
出された束紙幣S2を受け取りその底面26a上に載置
させた状態で、コントローラの全体制御部35で制御さ
れて機体11の前面11Aから外側に突出して束紙幣S
2を機体11外へ受け渡し可能となるよう搬出する。
【0022】端数収納部23は、束等搬送部24で搬送
される集積紙幣S1を、機体11の前後方向に長手方向
を沿わせかつ表裏方向を鉛直に沿わせた姿勢のまま、受
け入れて上下方向に集積させて収納するもので、機体1
1の前面11A側に設けられた図示せぬ扉を開作動させ
ることにより形成される開口部から取り出すことができ
るよう着脱可能とされている。
【0023】なお、コントローラは、金種信号の計数状
況から、集積部20a,20bのいずれかで集積された
集積紙幣S1が結束させるべき所定枚数に達したと判定
した場合に、該集積紙幣S1をチャック部材31,32
で挾持して結束部21により結束させることになり、例
えば紙葉類処理機で一取引分の処理終了後、上下の集積
部20a,20bのいずれかに結束されていない端数の
集積紙幣S1がある場合には、該端数の集積紙幣S1を
チャック部材31,32で挾持し結束部21で結束させ
ることなく束等搬送部24に搬送させ、該束等搬送部2
4により上記端数収納部23に収納させる。
【0024】次に、第1束収納繰出部22aおよび第2
束収納繰出部22bについてさらに説明する。なお、第
1束収納繰出部22aおよび第2束収納繰出部22bは
ほぼ同様の構成であるため、以下は例として第1束収納
繰出部22aについて説明する。
【0025】図4〜図6は第1束収納繰出部22aを示
すものであり、図中符号40は、第1束収納繰出部22
aの外郭をなす直方体状の筐体を示している。すなわ
ち、この筐体40は、機体11内に装填された状態で、
前面11A側に該前面11Aと平行をなして鉛直配置さ
れる前面部40A、後面11B側に鉛直配置される後面
部40B、上側に水平配置される上面部40C、下側に
水平配置される下面部40D、前面11A側から見て左
側に鉛直配置される側面部40Eおよび同右側に鉛直配
置される側面部40Fで構成されている。なお、以下に
おいては、機体11内に配置された状態をもって説明す
る。
【0026】筐体40内の側面部40E側の上下には、
該側面部40Eに平行をなしかつ水平に延在するガイド
軸42,42が筐体40に対し位置固定となるよう配置
されており、これらガイド軸42,42には、これらガ
イド軸42,42に沿って(すなわち一の横方向に沿っ
て)、前面部40A側(他端側)と後面部40B側(一
端側)との間の所定範囲で前後移動可能となるよう後板
(第1の板部材)43が支持されている。該後板43
は、その基端側に両ガイド軸42,42を摺動自在に嵌
合させた状態で、先端側の押圧面部44を前面部40A
に平行をなすよう側面部40F方向に延出させている。
【0027】また、筐体40内の側面部40E側には、
前面部40A側および後面部40B側にそれぞれ配置さ
れた一対のローラ45,45で支持されることによりガ
イド軸42,42と平行をなしてこれらの間に延在する
無端状のベルト46が配置されており、該ベルト46は
その一点が後板43に固定されている。そして、後面部
40B側のローラ45が、後面部40Bに近接して設け
られるとともにコントローラの収納繰出制御部36のC
PU37(図3参照)で回転方向および回転角度が制御
される後板移動モータ(駆動部)47の回転軸48に固
定されており、これにより、後板移動モータ47の正逆
回転でベルト46が正逆回転し、その一点に固定された
後板43がガイド軸42,42に沿って強制的に前後移
動する。
【0028】ガイド軸42,42には、後板43に対し
前面部40A側に、該ガイド軸42,42に沿って(す
なわち一の横方向に沿って)前後移動可能となるよう前
板(第2の板部材)50が支持されている。該前板50
は、その基端側にガイド軸42,42を摺動自在に嵌合
させた状態で、先端側の押圧面部51を前面部40Aに
沿うよう側面部40F方向に延出させている。
【0029】また、筐体40内の側面部40E側には、
一端側が後面部40B側に固定されたのち、前面部40
A側に配置された回転自在のローラ53にかけられ、さ
らに、後面部40B側に配置された回転自在のローラ5
4にかけられ、他端側が前板50に固定されたバネ(付
勢部材)55が、下側のガイド軸42とベルト46との
間に配置されている。このバネ55は引張力を前板50
に付与するもので、これにより前板50は後面部40B
方向すなわち後板43方向に付勢されていて、この付勢
力により該後板43との間で束紙幣S2を挾持可能とな
っている。
【0030】上面部40Cには、後板移動モータ47に
より後面部40B側の移動端に位置する後板43に対し
前面部40A側に位置して、束等搬送部24から束紙幣
S2が、その長手方向を上下方向に沿わせ表裏方向を前
後方向に沿わせた立位状態で投入される平面視長方形状
の投入口57が上下に貫通して形成されている。ここ
で、当然のことながら投入口57は、長手方向の面部5
8が束紙幣S2の短手方向の長さより若干長くかつ後面
部10Bに平行に形成されており、短手方向の面部59
が束紙幣S2の厚みより若干長くされている。
【0031】下面部40Dには、中央に、平坦な底面6
0を有する周囲より一段凹んだ平面視長方形状の凹部6
1が形成されている。この凹部61は、前面部40Aお
よび後面部40Bに沿う短手側の面62が、投入口57
の面部58と延在方向における位置および長さを一致さ
せており、側面部40Eに沿う長手側の面63が後面部
40B側の移動端に位置する後板43より後面部40B
側の所定位置から前面部40A側の移動端にある前板5
0より前面部40A側の所定位置まで延在されている。
これにより、投入口57より投入された束紙幣S2は、
ほぼ投入時の立位姿勢のまま凹部61にその下部が入り
込んで底面60上に載置され、後面部40B側から前面
部40A側へ移動する後板43により、ほぼ立位姿勢の
まま底面60上を前面部40A側に移動させられること
になる。
【0032】投入口57より所定距離前面部40A側に
は、鉛直方向に延在する一対の軸部65,65が凹部6
1の両外側位置に、筐体40に対し位置固定で配置され
ており、該これら軸部65,65には、それぞれ、一対
の略長方形状の面部66,67を有しこれら面部66,
67を長手方向を鉛直方向に沿わせかつ相互に直角をな
すよう連結部68で連結した形状の可動板(規制部材)
69が、前記連結部68において回転自在となるよう支
持されている。
【0033】また、各軸部65,65の前面部40A側
には、それぞれ、相互に所定角度をなす一対の長方形状
の面部71,72からなる固定板73が、面部71を側
面部40E,40Fに平行させ面部72を前面部40A
側が凹部61側に近接するよう傾斜させた状態で固定さ
れている。そして、可動板69は、それぞれが、一方の
面部66を固定板73の外側に当接させた状態で他方の
面部67を後面部40Bに平行して凹部61方向に延出
させており、このように面部66を固定板73に当接さ
せる定状態になるよう図示せぬバネで付勢されている。
【0034】ここで、両可動板69,69は、後板43
の後面部40B側から前面部40A側への移動および前
面部40A側から後面部40B側への移動のいずれにお
いても干渉せず許容するようになっている。また、両可
動板69,69は、その間隔が、表裏方向を前後方向に
ほぼ沿わせた状態で凹部61に沿って移動される束紙幣
S2の同方向の長さより短くされており、該束紙幣S2
の後面部40B側から前面部40A側への移動を揺動に
より許容し前面部40A側から後面部40B側への移動
を固定板73,73で揺動が規制されることにより規制
するようになっている。さらに、両可動板69,69
は、前板50をこれら可動板69,69よりも前面部4
0A側に配置することで、該前板50の前面部40A側
から後面部40B側への移動を固定板73,73で揺動
が規制されることにより規制するようになっている。
【0035】すなわち、これら可動板69,69は、投
入口57から投入され後板43の移動で凹部61に沿っ
て前面部40A側に移動する束紙幣S2を、図7(a)
から図7(b)に示すように通過させ(このとき該束紙
幣S2は後板43と前板50との間に挾持される)、通
過後に図示せぬバネの付勢力で図7(b)に破線で示す
ように定状態に戻り、この状態から後板43が後面部4
0B側に移動すると、図7(c)に示すように該後板4
3の移動は許容するものの束紙幣S2の同方向への通過
を規制する(このとき該束紙幣S2は可動板69,69
と前板50との間で挾持される)。
【0036】上記固定板73,73よりも前面部40A
側であって前板50の前面部40A側の移動端近傍に
は、図4および図8(a),(b)に示す繰出機構75
が設けられている。この繰出機構75は、筐体40内の
前面部40A側の上下に、該前面部40Aに平行をなし
かつ水平に延在するよう、筐体40に対し位置固定で配
置されたガイド軸76,76と、ガイド軸76,76の
それぞれに摺動自在に嵌合された状態で後面部40B方
向に突出するとともに、前面部40A方向に突出するピ
ン77が固定されたプッシャー78,78と、を有して
おり、またガイド軸76,76間の中心に、筐体40外
すなわち機体11側に配置され収納繰出制御部36のC
PU37で回転方向および回転角度が制御されるプッシ
ャー移動モータ80(図3参照)で回転される回転軸8
1が設けられている。
【0037】この回転軸81には、回転円盤82がその
中心において固定されており、該回転円盤82の外周側
の所定位置には、後面部40B側に突出するピン83が
固定されている。該ピン83の先端部には、直線形状の
アーム84の一端部が回転自在に取り付けられており、
該アーム84の他端部には、後面部40B側に突出する
ピン85が固定されている。
【0038】ここで、このピン85は、該ピン85の移
動を案内する、筐体40に対し位置固定の案内溝86に
挿通されており、この案内溝86は、回転軸81より側
面部40F側(図8における右側)から側面部40E方
向にガイド軸76,76に平行に延在して配置されてい
る。これにより、回転円盤82の回転によりピン83が
公転するとピン85は、前記案内溝86内を直線的に往
復移動し、しかも、回転円盤82の半回転で往行程を移
動し続く同方向または逆方向の半回転で復行程を移動す
る。
【0039】該ピン85と各プッシャー78,78のピ
ン77,77との間には、それぞれ同形状のアーム8
7,87が設けられている。これらアーム87,87
は、それぞれが、両端にその長さ方向に延在する長穴8
8,89を有しており、その中間所定位置が、ピン85
の移動範囲における中間の上下にそれぞれ筐体40に対
し位置固定で配置されたピン90に回転自在に支持され
ている。そして、一方の長穴88にプッシャー78のピ
ン77を他方の長穴89にアーム84のピン85をそれ
ぞれ挿通させている。
【0040】そして、図8(a)に示すように、ピン8
5が最も回転軸81に対し離間した位置にあるとき、ア
ーム87のプッシャー78側を最も側面部40E側(図
8における左側)に位置させており、この状態から回転
円盤82が回転を開始しピン85が回転軸81方向に移
動するとピン90を中心にアーム84をそのプッシャー
78側が側面部40F側に移動するよう揺動させ、図8
(b)に示すように、ピン85が回転円盤82の半回転
で最も回転軸81に近接した位置に位置するとアーム8
4のプッシャー78側を最も側面部40F側に位置させ
る。さらに、この状態から回転円盤82が半回転してピ
ン85が最も回転軸81に対し離間した位置に位置する
と、アーム84のプッシャー78側を最も側面部40E
側に位置させる。
【0041】このようにして、上下のプッシャー78,
78を、側面部40E側の、後板43および前板50に
挾持された束紙幣S2に干渉しない移動端と、側面部4
0F側の、後板43および前板50に挾持された束紙幣
S2を側面部40F方向に、挾持力が及ばない位置まで
移動させる移動端との間で水平方向の位置を一致させつ
つ往復移動させることになる。
【0042】このプッシャー78,78の側面部40E
側から側面部40F側への移動で、後板43および前板
50に挾持された束紙幣S2のうち、該プッシャー7
8,78の移動範囲に位置する一つの束紙幣S2のみを
側面部40F方向に挾持力が及ばない位置まで押し出す
ことができる。なお、前板50は、上下のプッシャー7
8,78の間であってその移動に干渉せぬ位置に位置す
るよう、上下方向の長さおよび位置が設定されている。
【0043】側面部40Fのプッシャー78,78の移
動の延長位置には、筐体40の内外を連通させ、上記プ
ッシャー78,78で押し出される束紙幣S2を外部に
繰り出させる繰出口92が貫通形成されている。この繰
出口92は、長手側の面93が束紙幣の長手方向の長さ
より若干長くされており、短手側の面94が水平方向の
幅を束紙幣S2の厚みより若干長くされていて、下側の
面94は凹部61まで延在してそのプッシャー78側の
高さを凹部61の底面60に一致させている。なお、下
側の面94は、外側が下側に位置するように傾斜してお
り、プッシャー78,78で後板43および前板50間
から押し出された束紙幣S2を、該傾斜により完全に外
側に繰り出させる。そして、この繰出口92の外部開口
側に、下側の面94より低い位置に底面26aを配置し
た状態で束払出部26が設けられている。
【0044】筐体40内には、その長手方向に沿って両
端付近に配置された受光素子と発光素子とからなるフォ
トインタラプタである束検知センサ96が設けられてお
り、該束検知センサ96は、表裏方向を前後方向に沿わ
せ長さ方向を上下方向に沿わせた状態で凹部61の底面
60上に載置された束紙幣S2により光路が遮断されか
つ該束紙幣S2がない状態では前記光路が通じる位置に
設けられていて、受光素子による受光が停止されること
により束紙幣S2を検知して検知信号を出力するように
なっている。
【0045】また、投入口57の下側には、該投入口5
7の長手方向に沿って配置された受光素子と発光素子と
からなるフォトインタラプラである投入検知センサ97
が設けられており、該投入検知センサ97は、投入口5
7を通過する束紙幣S2を、該束紙幣S2により受光素
子による受光が停止されることにより検知して検知信号
を出力するようになっている。
【0046】ガイド軸42の後面部40B側かつ側面部
40E側には、後板43が投入口57より後面部40B
側の移動端位置に位置したとき該後板43を検知して検
知信号を出力する後板初期位置検知センサ98が、ま
た、固定板73の側面部40E側の側方に、後板43が
束紙幣S2を可動板69,69を完全に通過させ前面部
40A側に位置させて該束紙幣S2を前板50との間に
挾持する収納位置に位置したとき、該後板43を検知し
て検知信号を出力する後板収納位置検知センサ99がそ
れぞれ設けられており、さらに、ガイド軸42の前面部
40A側かつ側面部40E側に、前板50が前面部40
A側の移動端位置に位置し該前板50に接する束紙幣S
2の表裏方向における位置が繰出口92の同方向におけ
る位置と一致したときに、該前板50を検知して検知信
号を出力する前板繰出位置検知センサ100が、また、
その後面部40B側に、束紙幣S2の一つの厚み分だけ
前面部40A側の移動端位置から移動した位置に前板5
0が位置したとき該前板50を検知して検知信号を出力
する前板繰出完了位置検知センサ101が、それぞれ設
けられている。
【0047】加えて、ガイド軸76の前面部40A側か
つ側面部40E側には、プッシャー78が凹部61より
外側の最も側面部40E側の移動端に位置したとき、該
プッシャー78を検知して検知信号を出力するプッシャ
ー初期位置検知センサ102が、ガイド軸76の前面部
40A側かつ側面部40F側には、プッシャー78が最
も側面部40F側すなわち繰出口92側の移動端に位置
したとき、該プッシャー78を検知して検知信号を出力
するプッシャー繰出位置検知センサ103が、それぞれ
設けられている。
【0048】ここで、後板初期位置検知センサ98、後
板収納位置検知センサ99、前板繰出位置検知センサ1
00、前板繰出完了位置検知センサ101、プッシャー
初期位置検知センサ102およびプッシャー繰出位置検
知センサ103は、後板43、前板50あるいはプッシ
ャー78から突設された突片を例えばフォトインタラプ
タで検出するもので、例えば図6に示す後板初期位置検
知センサ98のように、後板43に下方に突出する突片
105を設け、該突片105をフォトインタラプタ10
6で検出するものである。
【0049】そして、以上のセンサ96〜103は、図
3に示すように、それぞれ収納繰出制御部36のCPU
37に接続されており、該CPU37に向け検出信号を
出力する。
【0050】収納繰出制御部36は、第1束収納繰出部
22aの作動を制御するためのもので、CPU37と、
これに接続される上記センサ96〜103と、後板移動
モータ47と、プッシャー移動モータ80と、センサ9
6〜103で検知した情報等を記憶しておくRAM10
8と、収納および繰出し等の作動プログラムが予め記憶
されたROM109と、第1束収納繰出部22aおよび
第2束収納繰出部22b等を除く紙葉類結束機の全体の
作動を制御する全体制御部35に接続させるためのI/
Oインタフェース110とを有している。
【0051】なお、第2束収納繰出部22bは、繰出口
92を間の束払出部26側に向かせるために第1束収納
繰出部22aに対し鏡面対象をなしており、それ以外は
同様の構成とされている。
【0052】加えて、下結束機本体部14は、以上に述
べた上結束機本体部13と同様の構成をなしており、該
上結束機本体部13と水平方向の位置を一致させ上下方
向にのみ位置をずらして下側に配置されている。なお、
上結束機本体部13と同様の構成であるが、集積部20
aに対応する上側の集積部20cには、搬送部12の上
から三番目の分流経路17cが接続され、集積部20b
に対応する下側の集積部20dには、搬送部12の最下
の分流経路17dが接続されており、また、上記第1束
収納繰出部22aに対応して第1束収納繰出部22c
が、第2束収納繰出部22bに対応して第2束収納繰出
部22dがそれぞれ設けられている。勿論、上記以外の
束収納繰出部22b〜22dにも同様の収納繰出制御部
36がそれぞれ設けられている。
【0053】以上の構成のこの実施の形態の紙葉類結束
機のコントローラの制御内容を以下に説明する。まず、
コントローラの全体制御部35による作動制御について
説明する、全体制御部35は、例えば、紙葉類処理機側
からすべての金種の紙幣がランダムに搬送されてくる
と、搬送量の最も多い金種すなわち例えば万券を、上結
束機本体部13の各集積部20a,20bに交互に集積
させ、他の金種すなわち例えば千券を下結束機本体部1
4の集積部20cに、さらに他の金種すなわち例えば五
千券を下結束機本体部14の集積部20dに集積させ、
また、集積部20aで集積された金種すなわち万券を第
1束収納繰出部22aに、集積部20bで集積された金
種すなわち万券を第2束収納繰出部22bに、集積部2
0cで集積された金種すなわち千券を第1束収納繰出部
22cに、集積部20dで集積された金種すなわち五千
券を第2束収納繰出部22dに収納させるよう制御す
る。
【0054】また、上結束機本体部13においては、同
一金種を扱うため、第1束収納繰出部22aおよび第2
収納繰出部22bに対しては、どちらか一方が最大収納
状態になるまで一方のみに束紙幣S2を投入するよう制
御し、下結束機本体部14においては、異金種を扱うた
め、第1束収納繰出部22cおよび第2収納繰出部22
dに対しては、各金種に応じて束紙幣S2を投入するよ
う制御する。
【0055】そして、集積部20a〜20dのいずれか
の集積紙幣S1が結束すべき所定枚数に達すると該集積
紙幣S1に結束部21のうち対応するものにより結束処
理を行わせる。例えば、集積部20aの集積紙幣S1が
結束すべき所定枚数に達したとすると、上結束機本体部
13において、チャック部材31,32を該集積部20
aの水平側方に位置させた後に、載置板28上の集積紙
幣S1を図示せぬ押出機構により水平移動させ、チャッ
ク部材31,32間に集積紙幣S1が位置した時点でチ
ャック部材31,32で集積紙幣S1を挾持させる。な
お、この挾持が完了すると、押出機構は元の位置に戻
り、よって次の紙幣の集積を行う。
【0056】集積紙幣S1を挾持した状態のチャック部
材31,32を、束等搬送部24方向に移動させなが
ら、結束部21により、結束テープの集積紙幣S1への
供給、巻き付けおよび熱接着すなわち結束処理を行わせ
る。そして、チャック部材31,32が下限位置に位置
すると、結束処理が終わった状態の束紙幣S2を束等搬
送部24に受け渡し、該束等搬送部24で、第1束収納
繰出部22aあるいは第2束収納繰出部22bに向け搬
送し、第1束収納繰出部22aあるいは第2束収納繰出
部22bのうち対応するものに、その収納繰出制御部3
6に後述する収納処理を実行させることにより収納さ
せ、さらには対応するものからその収納繰出制御部36
に後述する繰出処理を実行させることにより束払出部2
6に繰り出させ、そののち束払出部26を機体11から
突出させることにより外部への払い出しを行うことにな
る。
【0057】次に、収納繰出制御部36のCPU37に
よる作動制御について図9および図10を参照して説明
する。全体制御部35から第1束収納繰出部22a〜2
2dのいずれかに束紙幣S2を収納させるべき指令が出
力されると、収納を行うべきものに対応する収納繰出制
御部36は、収納作動を実行させるべく、まず、後板初
期位置検知センサ98で後板43が検知され検知信号が
出力状態にあるか否かを判定し(ステップA1)、検知
信号が出力状態にない場合、後板移動モータ47を所定
方向に回転させて後板43を後面部40B側に移動させ
(ステップA2)、このような後面部40B側へ移動を
該後板初期位置検知センサ98から検知信号が出力状態
となる(ステップA1)まで繰り返し行い、出力状態と
なると停止させる。ここで、後板初期位置検知センサ9
8で検知信号が出力状態であると、後板43は後面部4
0B側の移動端に位置しており、他方、投入口57より
前面部40A側に配置された可動板69,69により、
前板50および可動板69,69を前面部40A側にす
でに越え収納されている束紙幣S2が後面部40B側へ
の移動が規制されているため、後板43および前板50
が投入口57を間に介して離間状態にある。
【0058】そして、後板初期位置検知センサ98で検
知信号が出力状態であると(ステップA1)、全体制御
部35に向け、束紙幣S2の投入が可能である旨を示す
信号を出力する(ステップA3)。なお、この信号を受
けて全体制御部35では、投入口57から束紙幣S2を
投入させることになる。続いて、投入口57から束紙幣
S2が投入され投入検知センサ97で束紙幣S2が検知
され検知信号が出力されたか否かを判定し(ステップA
4)、検知信号が出力されるまで待機する。ここで、こ
の検知信号が出力されそののち出力が停止されたタイミ
ングで、投入口57から投入された束紙幣S2が、後板
43と前板50との間に位置し凹部61の底面60上に
載置されることになる。
【0059】また、全体制御部35に向け信号を出力し
た(ステップA3)のち、投入検知センサ97で検知信
号が出力されると(ステップA4)、後板収納位置検知
センサ99で後板43が検知され検知信号が出力される
まで後板移動モータ47を駆動して後板43を前面部4
0A側に移動させ、検知信号が出力された時点で停止さ
せる(ステップA5,A6)。ここで、後板収納位置検
知センサ99で検知信号が出力される位置まで移動する
と、該後板43は、揺動が許容された方向に可動板69
を揺動させたのち該可動板69が接触が解除されること
により図示せぬバネの付勢力で定状態に戻るまで束紙幣
S2とともに前面部40A側に移動している。また、こ
の移動の際に束紙幣S2を、その前に可動板69に当接
されていた前板50、または該前板50と可動板69と
の間にすでに挾持収納されていた束紙幣S2に当接さ
せ、すべて一体に前面部40A方向にバネ55の付勢力
に抗して移動させる。
【0060】そして、後板収納位置検知センサ99で検
知信号が出力された(ステップA5)のち、後板初期位
置検知センサ98で後板43が検知され検知信号が出力
されるまで後板移動モータ47を駆動して後板43を後
面部40B側に移動させ、検知信号が出力されると停止
させる(ステップA7,A8)。この後板43の後面部
40B側の移動端への移動で、該後板43とともに前板
50がバネ55の付勢力で後板43との間で挾持してい
た束紙幣S2とともに後面部40B側に向け移動する
が、可動板69,69が固定板73,73で揺動が規制
されることにより、束紙幣S2は該可動板69,69で
後面部40B側の移動端への移動が規制されるため、バ
ネ55の付勢力により可動板69,69と前板50とで
挾持される。以上により、収納作動が終了する。
【0061】このような収納作動を繰り返して、投入口
57から一つずつ投入された束紙幣S2を、可動板6
9,69と前板50または該前板50ですでに支持され
ている束紙幣S2との間に順次挾持させて、収納を行
う。
【0062】一方、全体制御部35から第1束収納繰出
部22a〜22dのいずれかに収納された束紙幣S2を
束払出部26に繰り出させるべき指令が出力されると、
繰り出しを行うべきものに対応する収納繰出制御部36
は、繰出作動を実行させるべく、まず、後板初期位置検
知センサ98で後板43が検知され検知信号が出力状態
にあるか否かを判定し(ステップB1)、検知信号が出
力状態にない場合、後板移動モータ47を所定方向に回
転させて後板43を後面部40B側に移動させ(ステッ
プB2)、このような後面部40B側へ移動を該後板初
期位置検知センサ98から検知信号が出力状態となる
(ステップB1)まで繰り返し行い、出力状態となると
停止させる。ここで、後板初期位置検知センサ98で検
知信号が出力状態にあると、該後板43は、上記した後
面部40B側の移動端位置に位置する。
【0063】次に、後板初期位置検知センサ98から検
知信号が出力状態にある場合(ステップB1)には、プ
ッシャー初期位置検知センサ102でプッシャー78が
検知され検知信号が出力状態にあるか否かを判定し(ス
テップB3)、検知信号が出力状態にない場合、プッシ
ャー移動モータ80を回転させてプッシャー78を側面
部40E側に移動させ(ステップB4)、このような側
面部40E側へ移動を該プッシャー初期位置検知センサ
102から検知信号が出力状態となる(ステップB3)
まで繰り返し行い、出力状態となると停止させる。ここ
で、プッシャー初期位置検知センサ102から検知信号
が出力状態にあると、プッシャー78は凹部61より外
側の側面部40E側の移動端に位置する。
【0064】また、プッシャー初期位置検知センサ10
2から検知信号が出力状態となると(ステップB3)、
前板繰出位置検知センサ100で前板50が検知され検
知信号が出力されるまで後板移動モータ47を駆動して
後板43を前面部40A側に移動させ、検知信号が出力
されると停止させる(ステップB5,B6)。この移動
中に後板43は可動板69,69と前板50とで挾持さ
れていた束紙幣S2を押圧し、可動板69,69から離
間させつつ前板50とで挾持して移動する。ここで、前
板繰出位置検知センサ100で検知信号が出力される位
置まで移動した時点で、前板50は前面部40A側の移
動端位置に位置し該前板50に接する束紙幣S2の表裏
方向における位置を繰出口92の同方向における位置と
一致させる。
【0065】そして、前板繰出位置検知センサ100で
検知信号が出力された(ステップB6)のち、プッシャ
ー繰出位置検知センサ103で繰出口92側の移動端に
あるプッシャー78が検知され検知信号が出力されるま
でプッシャー移動モータ80を駆動してプッシャー78
を繰出口92側に移動させ、検知信号が出力されると停
止させる(ステップB7,B8)。このプッシャー78
の繰出口92側の移動端への移動で、後板43と前板5
0との間に挾持されていた束紙幣S2であって前板50
に接していた一つが繰出口92側へ、挾持力が解除され
るまで押し出される。そして、その後、繰出口92の傾
斜により束払出部26の底面26a上に放出される。な
お、前板50は、上下のプッシャー78,78の間に位
置するようその上下方向の長さおよび位置が設定されて
いるため、プッシャー78,78の移動に干渉すること
はない。
【0066】ここで、プッシャー78,78で束紙幣S
2が一つ繰り出されると、後板43は停止状態にあるた
め、該前板50が束紙幣S2の一つ分だけバネ55の付
勢力で後板43の方向に移動する。すると、前板繰出完
了位置検知センサ101で前板50が検知され検知信号
が出力される。
【0067】この検知信号の出力を確認すると(ステッ
プB9)、連続して束紙幣S2を繰出す必要があるか否
かを、全体制御部35から指令された数の束紙幣S2が
放出されたかをRAM108のデータに基づいて割り出
し(ステップB10)、続けて束紙幣S2を放出させる
場合には、収納された束紙幣S2があって束検知センサ
96からの検知信号が出力されているか否かを判定し
(ステップB11)、検知信号が出力状態にない場合、
データエラーとしてアラームを発生させ(ステップB1
2)、他方、検知信号が出力状態にあれば、ステップB
3に戻って、次の束紙幣S2の繰り出しを行わせること
になる。
【0068】続けて束紙幣S2を放出させる必要がない
場合(ステップB10)には、後板初期位置検知センサ
98で後板43が検知され検知信号が出力されるまで後
板移動モータ47を駆動して後板43を後面部40B側
に移動させ、検知信号が出力されると停止させる(ステ
ップB13,B14)。この後板43の後面部40B側
の移動端への移動で、該後板43とともに前板50がバ
ネ55の付勢力で間に挾持していた束紙幣S2とともに
後面部40B側に向け移動するが、可動板69,69が
固定板73,73で揺動が規制されることにより、束紙
幣S2は該可動板69,69で後面部40B側の移動端
への移動が規制されるため、バネ55の付勢力により可
動板69,69と前板50とで挾持される。以上により
繰出作動を終了する。
【0069】なお、以上に述べた正常作動に対し各セン
サ96〜103で検出信号が出力されるべきタイミング
で出力されない場合あるいは停止されるべきタイミング
で停止されない場合、収納繰出制御部36はこのセンサ
位置において異常が発生したものと判定して、各部の作
動を停止させるとともに、アラームを発生させ、さらに
いずれのセンサ位置で異常が発生したかを図示せぬ表示
部に表示させる。
【0070】以上に述べたように、この実施の形態の紙
葉類結束機によれば、結束後の束紙幣S2の自動収納お
よび自動繰出しを行うことができる。しかも後板43を
駆動するのみで束紙幣S2の収納および繰出位置への移
動を行うことができるため、構造を簡素化することがで
き、よって、コストを低減できるとともに故障も少なく
できる。
【0071】また、第1束収納繰出部22a,22cお
よび第2束収納繰出部22b,22dが機体11に対し
着脱自在とされているため、これらを取り外すことによ
り持ち運び可能な金庫としてそのまま利用できる。よっ
て、セキュリティの面からも安全である。
【0072】なお、上記の実施の形態は、紙幣に限定さ
れることなく他の種々の紙葉類を結束させる際に用いて
好適である。
【0073】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の発
明によれば、第1の板部材を一端側に位置させた状態で
束紙葉類を投入口から投入させ、駆動部で、第1の板部
材を他端側に移動させ、束紙葉類とともに移動が許容さ
れた規制部材を通過させた後、該第1の板部材を前記一
端側に戻すと、紙葉類は規制部材で前記一端側への移動
が規制されるため、付勢部材の付勢力により規制部材と
第2の板部材とで挾持される。このようにして、投入口
に投入された束紙葉類の収納を行う。一方、駆動部で、
第1の板部材を前記他端側に移動させ、規制部材と第2
の板部材とで挾持された束紙葉類を押圧させると、第1
の板部材と第2の板部材とで束紙葉類を挾持しつつ規制
部材に対し前記他端側に位置する。この状態で、プッシ
ャーにより第1の板部材と第2の板部材とで挾持された
束紙葉類を側方に押し出して繰出口から外部へ繰り出さ
せる。以上のように、結束後の束紙葉類の自動収納およ
び自動繰出しを行うことができる。しかも第1の板部材
を駆動するのみで束紙葉類の収納および繰出位置への移
動を行うことができるため、構造を簡素化することがで
き、よって、コストを低減できるとともに故障も少なく
できる。
【0074】また、請求項2記載の発明によれば、前記
収納部が着脱可能であるため、収納部を取り外すことに
より、該収納部を持ち運び可能な金庫としてそのまま利
用できる。よって、セキュリティの面からも安全であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紙葉類結束機の一の実施の形態の全体
構成を概略的に示す正断面図である。
【図2】本発明の紙葉類結束機の一の実施の形態の束収
納繰出部周辺を示す、図1右側から見た側断面図であ
る。
【図3】本発明の紙葉類結束機の一の実施の形態の制御
系のブロック図である。
【図4】本発明の紙葉類結束機の一の実施の形態の第1
束収納繰出部を示す平断面図である。
【図5】本発明の紙葉類結束機の一の実施の形態の第1
束収納繰出部を示す、図4における下方から見た側断面
図である。
【図6】本発明の紙葉類結束機の一の実施の形態の第1
束収納繰出部の内部を示す、図4における左側から見た
側断面図である。
【図7】本発明の紙葉類結束機の一の実施の形態の第1
束収納繰出部の収納作動時の状態を示す平面図であっ
て、(a)は後板および束紙幣が可動板を通過する直前
の状態を、(b)は後板および束紙幣が可動板を通過し
た後の状態を、(c)は束紙幣が収納された状態をそれ
ぞれ示している。
【図8】本発明の紙葉類結束機の一の実施の形態の第1
束収納繰出部の繰出機構の一状態を示す側面図であっ
て、(a)はプッシャーが束紙幣を繰り出す前の状態、
(b)はプッシャーが束紙幣を繰り出した後の状態をそ
れぞれ示している。
【図9】本発明の紙葉類結束機の一の実施の形態の束紙
幣収納作動時の制御フローチャートである。
【図10】本発明の紙葉類結束機の一の実施の形態の束
紙幣繰出作動時の制御フローチャートである。
【符号の説明】
21 結束部 22a,22c 第1束収納繰出部(収納部) 22b,22d 第2束収納繰出部(収納部) 24 束等搬送部(束紙葉類搬送部) 43 後板(第1の板部材) 47 後板移動モータ(駆動部) 50 前板(第2の板部材) 55 バネ(付勢部材) 57 投入口 69 可動板(規制部材) 78 プッシャー 92 繰出口 S2 束紙幣(束紙葉類)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65B 61/28 B65B 27/08 B65H 1/30 320 G07D 9/00 401

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 搬入された紙葉類を表裏方向に集積しテ
    ープを巻き回して結束させる結束部と、該結束部で結束
    された束紙葉類を表裏方向を横方向に沿わせた状態で横
    方向に多数収納可能な収納部と、前記結束部で結束され
    た束紙葉類を搬送し表裏方向を横方向に沿わせた状態で
    前記収納部に投入する束紙葉類搬送部とを有し、 前記収納部は、 一の横方向に沿って一端側と他端側との間で前後移動可
    能に設けられた第1の板部材と、 該第1の板部材を強制的に前後移動させる駆動部と、 前記第1の板部材の前記他端側に該第1の板部材の移動
    方向に沿って前後移動自在に設けられた第2の板部材
    と、 該第2の板部材を前記一端側に向け付勢する付勢部材
    と、 前記一端側に位置する前記第1の板部材に対し前記他端
    側に設けられた、前記束紙葉類搬送部から束紙葉類が投
    入される投入口と、 該投入口位置よりさらに前記他端側に設けられ、前記第
    1の板部材および該第1の板部材で押圧される束紙葉類
    の前記一端側から前記他端側への移動と前記第1の板部
    材の前記他端側から前記一端側への移動とを許容する一
    方、前記他端側に配置された前記第2の板部材および該
    第2の板部材により押圧される束紙葉類の前記他端側か
    ら前記一端側への移動を規制する規制部材と、 前記規制部材に対し前記他端側に位置する前記第1の板
    部材と前記第2の板部材とで挾持された束紙葉類を側方
    に押し出すプッシャーと、 該プッシャーで押し出された束紙葉類を外部へ繰り出さ
    せる繰出口と、を具備することを特徴とする紙葉類結束
    機。
  2. 【請求項2】 前記収納部が着脱可能であることを特徴
    とする請求項1記載の紙葉類結束機。
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