JP3322639B2 - 携帯用液晶表示装置 - Google Patents

携帯用液晶表示装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポータブル型音響
機器用リモコン、その他の携帯用液晶表示装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポータブル型音響機器の付属品と
して、図3に示すようなリモコンが提案されている。こ
れは、操作モード等を示す液晶表示部(4)を有する表示
器本体(1)の一端部に、2手に分かれるコード(6)を接
続し、該コード(6)の先端部にイヤーパッド(60)(60)を
設けたものである。表示器本体(1)上にて、液晶表示部
(4)の下方には、操作キー(11)(11)が設けられている。
液晶表示部(4)には一般的に、ドットマトリックスタイ
プの液晶パネルが使用される。表示器本体(1)には、ク
リップ(10)が設けられており、該クリップ(10)を使用者
の衣服の胸ポケットに取り付け、表示器本体(1)を縦向
きにして使用することが多い。使用者は液晶表示部(4)
を見降ろして、表示内容を確認する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】実際の使用では、表示
器本体(1)は、長手方向が下を向く正規の向きばかりと
は限らず、正規の向きから傾いて取り付けられることが
ある。即ち、表示器本体(1)が液晶表示部(4)の表示面
を含む略鉛直面内にて傾くことがある。この場合、使用
者が液晶表示部(4)を見降ろしたときに、表示内容が正
規の向きでないから、内容の確認が困難な場合がある。
また、表示器本体(1)を正規の方向に向けて、表示内容
を確認するには、表示器本体(1)を一旦胸ポケットから
外して、正しい姿勢に向きかえねばならず、この外す手
間が煩わしく感じられる。本発明は、表示器本体の向き
に拘わらず、表示内容を確認できる携帯用液晶表示装置
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決する為の手段】携帯用液晶表示装置は、表
示器本体(1)内に、複数の画素(49)(49)を縦横に配列し
たドットマトリックスタイプの四辺形の液晶表示部(4)
と、表示器本体(1)内に設けられ、略鉛直面内に於ける
表示器本体(1)の傾きに応じて、ON、OFFが切り替
わるスイッチ手段と、該スイッチ手段からの信号により
表示器本体(1)の傾き姿勢を検出し、該傾き姿勢に対応
して液晶表示部(4)の表示内容を座標変換する場合に通
電すべき画素(49)(49)の座標を算出する演算回路(3)
と、演算回路(3)の計算結果により、変換後の表示内容
を液晶表示部(4)に表示する制御回路(5)とを有する。
スイッチ手段は、液晶表示部(4)の各辺に対向して設け
られ、制御回路(5)は表示器本体(1)が回動してスイッ
チ手段の何れか1つがON状態のときに、座標変換後の
表示内容を液晶表示部(4)に表示する機能を有する。
【0005】
【作用及び効果】本発明に係わる装置にあっては、表示
器本体(1)が液晶表示部(4)の表示面を含む略鉛直面内
にて傾いたときに、演算回路(3)が傾き姿勢を算出し、
制御回路(5)がこの算出結果に基づいて変換(例えばマ
トリックス変換)後の表示内容を液晶表示部(4)に表示
する。これにより、使用者が傾いた表示器本体(1)を見
ても、傾き姿勢に対応して回動された表示内容が写し出
されているから、液晶表示部(4)に写し出された内容を
違和感なく確認できる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一例を図を用いて
詳述する。従来と同一構成については、同一符号を用い
て、詳細な説明を省略する。図1は、表示器本体(1)内
のブロック図を示す。表示器本体(1)は、衣服に正しく
装着されれば、図3に示すように、縦向きであり、操作
キー(11)は液晶表示部(4)の下方に位置する。液晶表示
部(4)の表示面は矩形状であり、4辺に対向してスイッ
チ(SW1)(SW2)(SW3)(SW4)が設けられている。各
スイッチは、箱体(8)内に一対の電極(85)(85)を配備す
るとともに、水銀等の導電性の液体(80)を封入して構成
される。該液体(80)は、両電極(85)(85)が箱体(8)の上
面及び側面に位置した状態のときは、両電極(85)(85)に
同時に接触しない程度の深さに封入されている。液晶表
示部(4)には、使用者からの操作信号が入力される制御
回路(5)が接続され、該制御回路(5)には液晶表示部
(4)に写すべき画像が格納されたビデオRAM(50)が接
続されている。4つのスイッチ(SW1)(SW2)(SW3)
(SW4)のON、OFF信号は、何れのスイッチがON
になったかを検知する判別回路(2)に入力され、該判別
回路(2)は後記するマトリックス変換を行う演算回路
(3)に接続される。演算回路(3)には演算プログラムが
格納されたROM(30)が接続されている。
【0007】図7(a)、(b)は、液晶表示部(4)の分解斜
視図である。液晶表示部(4)は、周知の如く、2枚の透
明な表示基板(44)(45)間に液晶を封入して構成され、両
表示基板(44)(45)の外側には、夫々偏光板(90)(91)が配
備されている。表示基板(44)(45)の一面に凹設された配
向溝(42)(43)は、互いに90度ずれて対向しており、両
表示基板(44)(45)を突き合わせると、配向溝(42)(43)に
仕切られた多数の小空間が縦横に形成される。各小空間
に、液晶分子(9)はねじられて閉じこめられる。液晶表
示部(4)に上から入射する光は、振動面が互いに直交す
る2つの偏光が合成された不定偏光であり、偏光板(90)
(91)は何れか一方の偏光の通過を許す。上側の偏光板(9
0)と下側の偏光板(91)とでは、夫々通過する偏光の振動
面が異なる。
【0008】表示基板(44)(45)間に電界がないと、図7
(a)に示すように、上側の偏光板(90)を通過した偏光
は、液晶分子(9)のねじれにより90度曲げられなが
ら、下側の偏光板(91)を通過する。従って、液晶表示部
(4)にて白く表示される。表示基板(44)(45)間に電界が
印加されていると、図7(b)に示すように、液晶分子
(9)が縦並びになり、上側の偏光板(90)を通過した偏光
は液晶分子(9)の隙間を素通りする。該偏光は下側の偏
光板(91)に遮断されるから、液晶表示部(4)にて黒く表
示される。液晶表示部(4)は、各小空間毎に電界の有無
を切換えることにより、文字や記号を黒く表示する。こ
の構成を以下に示す。
【0009】図4は、下側の表示基板(45)の平面図であ
る。表示基板(45)の下面には、横に向かって平行に配列
されたX電極(46)(46)と、縦に向かって平行に配列され
たY電極(47)(47)が配備され、表示基板(45)上のX電極
(46)とY電極(47)の交点近傍に、両電極(46)(47)から給
電されるTFT(Thin Film Transistor)(48)が配備され
ている。該TFT(48)は、前記配向溝(42)(43)に仕切ら
れた各小空間に対応している。TFT(48)は表示基板(4
5)上の画素(49)に繋がり、TFT(48)のON、OFFに
より画素(49)の明暗が切り換えられる。即ち、TFT(4
8)がONならば、電界が印加されて、偏光が液晶表示部
(4)を通過しないから、画素(49)は黒く表示される。T
FT(48)がOFFならば、電界が印加されないから、画
素(49)は白く表示される。表示基板(45)の上辺及び側部
には、駆動回路(55)(56)が配備され、X電極(46)は
X駆動回路(55)、Y電極(47)はY駆動回路(56)から
給電される。図2は、図1の液晶表示部(4)の拡大図で
ある。X電極(46)の番号を左端から右向きに1、2…N
とし、Y電極(47)の番号を上端から下向きに1、2…M
とすると、各画素(49)の位置は、両電極(46)(47)の交点
として、(N、M)のように表される。
【0010】液晶表示部(4)に表示する内容として、再
生中の曲の順番である数字の”1”を例示する。図1に
示す状態では、使用者は斜め上から液晶表示部(4)を確
認することになり見ずらい。そこで、数字”1”を縦向
きに表示すれば、使用者にとって見やすい。この数字”
1”は、使用者からの操作信号に基づき、制御回路(5)
がビデオRAM(50)内から読み込む。尚、液晶表示部
(4)の表示は数字に限定されず、操作モードを表す記号
でもよい。液晶表示部(4)にて、縦向きに”1”を表す
には、図2に示すn番目のX電極(46)をONにして、座
標が(n、1)、(n、2)……(n、M)の画素(49)(図4
参照)を黒くする。
【0011】図1に示す状態では、当初はスイッチ(S
W1)はONになっている。表示器本体(1)が略鉛直面内
にて傾き回動したときの、判別回路(2)の動作は、図5
のフローチャートに示される。液晶表示部(4)への通電
後に(S1)、仮に、図1に示す表示器本体(1)が反時計
方向に90度回動すると、スイッチ(SW1)(SW2)内の
液体(80)が移動し、スイッチ(SW1)がOFFとなり(S
2)、スイッチ(SW2)がONとなる。判別回路(2)はス
イッチ(SW2)のON信号を受けて、表示器本体(1)が
反時計方向に90度傾き回動したことを検知し、演算回
路(3)に信号を送る(S4)。演算回路(3)は、反時計方
向に90度マトリックス変換するプログラムをROM(3
0)から読み出す。次に、前記座標(n、1)、(n、2)…
…(n、M)を90度反時計方向に回動させた座標を演算
して求める。演算後の座標は、(1、n)、(2、n)……
(M、n)で与えられ、演算回路(3)は番号nのY電極(4
7)をONにする旨の信号を制御回路(5)に発する。液晶
表示部(4)には、図2に点線で示すように、数字”1”
が横たわって表示される(S9)。
【0012】同様に、表示器本体(1)が180度、27
0度傾き回動すると、夫々スイッチ(SW3)、(SW4)が
ONとなるから(S3、S5)、演算回路(3)は、ROM(3
0)から反時計方向に180度、270度マトリックス変
換するプログラムを読み出す(S8、S10)。演算回路
(3)は通電すべき画素(49)の座標を求め、制御回路(5)
はX電極(46)又はY電極(47)のON、OFFを切り換え
て、数字”1”を縦向き又は横向きに表示する。仮に、
表示器本体(1)がスイッチ(SW1)がONの状態から、
45度反時計方向に傾き回動すると、2つのスイッチ
(SW1)(SW2)がともにONとなる。この場合は、図5
のフローチャートのステップS7にて、マトリックス変
換しないことが判断されているから、表示内容は変わら
ない。尚、ステップS1からS4までの間に、どのスイ
ッチ(SW1)(SW2)(SW3)(SW4)もONにならないと
きは、何らかの原因により、スイッチ(SW1)(SW2)
(SW3)(SW4)が故障している虞れがある。この場合に
は、エラーとして表示内容は変更しない(S6)。
【0013】尚、表示器本体(1)の回動角度を検出する
手段として、4つのスイッチ(SW1)(SW2)(SW3)(S
W4)を用いる代わりに、図6に示すように、加速度セン
サ(7)を用いても良い。これは、液晶表示部(4)に重な
る矩形状の支持体(71)の各辺から、突片(72)を外向きに
突出した導電体(70)を具えている。支持体(71)の各辺の
外側には、互いに平行な一対の固定電極(75)(75)から構
成される電極体(74)が配備され、導電体(70)の突片(72)
は対応する電極体(74)の固定電極(75)(75)間に位置す
る。固定電極(75)(75)及び導電体(70)は、判別回路(2)
に繋がり、固定電極(75)(75)と導電体(70)の突片(72)が
接近離間すれば、固定電極(75)と突片(72)間の容量が変
わる。図6は、加速度センサ(7)を水平に載置した状態
を示すが、導電体(70)は4隅をバネ(73)(73)にて支持さ
れている。表示器本体(1)を立てると、導電体(70)は自
重により下がり、突片(72)が何れかの固定電極(75)に接
近する。表示器本体(1)が鉛直面内に於いて90度ずつ
回転すると、導電体(70)は夫々異なる固定電極(75)に接
近し、判別回路(2)はどの固定電極(75)との間で容量が
変化したかを検出することにより、表示器本体(1)がど
れだけ回動したかが判る。
【0014】本例に係わる装置にあっては、表示器本体
(1)が液晶表示部(4)の表示面を含む略鉛直面内にて傾
いたときに、該傾き姿勢に対応して表示内容を回動させ
る。これにより、使用者が傾いた表示器本体(1)を見て
も、表示内容が変更されているから、違和感なく液晶表
示部(4)に写し出された内容を確認できる。尚、本例に
あっては、表示器本体(1)としてリモコン機器を例示し
たが、他の機器、具体的には画像を液晶表示する携帯用
パーソナルコンピュータでもよい。
【0015】上記実施例の説明は、本発明を説明するた
めのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定
し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本
発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲
に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは
勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】表示器本体内のブロック図である。
【図2】液晶表示部の平面図である。
【図3】表示器本体の斜視図である。
【図4】液晶表示部の駆動回路を示す平面図である。
【図5】表示器本体の傾きに対する各スイッチの作動状
態を示すフローチャートである。
【図6】加速度センサの構成を示す平面図である。
【図7】液晶表示部の分解斜視図であり、(a)は両表示
基板間に電界がない状態を、(b)は両表示基板間に電界
が印加された状態を夫々示す。
【符号の説明】
(1) 表示器本体 (3) 演算回路 (4) 液晶表示部 (5) 制御回路 (8) 箱体 (49) 画素 (80) 液体

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表示器本体(1)内に、複数の画素(49)(4
    9)を縦横に配列したドットマトリックスタイプの四辺形
    液晶表示部(4)と、表示器本体(1)内に設けられ、略
    鉛直面内に於ける表示器本体(1)の傾きに応じて、O
    N、OFFが切り替わるスイッチ手段と、該スイッチ手
    段からの信号により表示器本体(1)の傾き姿勢を検出
    し、該傾き姿勢に対応して液晶表示部(4)の表示内容を
    座標変換する場合に通電すべき画素(49)(49)の座標を算
    出する演算回路(3)と、演算回路(3)の計算結果によ
    り、変換後の表示内容を液晶表示部(4)に表示する制御
    回路(5)とを有する携帯用液晶表示装置に於いて、スイッチ手段は、液晶表示部(4)の各辺に対応して設け
    られ、制御回路(5)は表示器本体(1)が回動してスイッ
    チ手段の何れか1つがON状態のときに、座標変換後の
    表示内容を液晶表示部(4)に表示する機能を有する 携帯
    用液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 スイッチ手段は、箱体(8)内に一対の電
    極(85)(85)を配備するとともに、導電性の液体(80)を封
    入して構成され、該液体(80)は両電極(85)(85)が箱体
    (8)の上面及び側面に位置した状態で、両電極(85)(85)
    と同時には接触しない深さに設けられ、 表示器本体(1)の傾きに応じて液体(80)は箱体(8)内を
    移動し、スイッチ手段は両電極(85)(85)が、液体(80)に
    接したときに導通する請求項1に記載の携帯用液晶表示
    装置。
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