JP3322106B2 - 自動車ボデーの組立精度確認方法及び自動車のボデー構造 - Google Patents
自動車ボデーの組立精度確認方法及び自動車のボデー構造Info
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Description
ラックのキャブ等、自動車ボデーの組立精度確認方法、
及び組立精度の確認が容易な自動車のボデー構造に関す
るものである。
構造、及びその組立方法を、便宜的に、本発明の好まし
い実施形態の一例を示した図1の分解斜視図を援用して
説明する。図中に符号10で総括的に示されたキャブ
は、3個のサブアセンブリ又は分割部材、即ち前方組立
体12と後方組立体14と下方組立体16とを組立て一
体的に結合して構成されている。
ラー18と、ウインドシールドガラスが取付けられる前
方窓開口20を上記フロントピラー18と協働して限界
するフロントパネル22及びフロントレール24とを主
要構成部材とし、さらに、これら主要構成部材に図示を
省略されている種々の付属部品を取付けたサブアセンブ
リである。また、上記後方組立体14は、左右の側壁2
6と、車巾方向の両端部を上記左右の側壁26の後端に
結合された後壁28と、その左右側端及び後端を上記左
右側壁26及び後壁28の上端に結合されたルーフ30
とを主要構成部材とし、これら主要構成部材に図示を省
略されている種々の付属部品を装着して形成されたサブ
アセンブリである。また、上記下方組立体16は、車体
前後方向に延在しキャブ10の主要強度部材を構成する
左右一対のアンダフレーム32(図では、夫々の前端部
分のみが示されている)と、同アンダフレーム32の上
側に固着されて車室の床を構成し、その上方に運転席や
助手席、及びこれらシートの後方に配置され車巾方向に
延在する仮眠用ベッド等が設けられるフロア34と、同
フロア34の左右両側部分に装着された左右のフェンダ
36とを主要構成部材とし、これら主要構成部材に図示
を省略されている種々の付属部品を取付けて形成された
サブアセンブリである。
下方組立体16は、大型トラックの場合、車巾方向及び
車体前後方向の長さ、並びに高さが、夫々略3メートル
前後の箱形の枠体からなる組立治具内に、適宜の搬送装
置により搬入され、自動的に多数のクランプにより要所
を固定された状態で、ロボットが決められた位置を自動
的にスポット溶接し一体的に結合されて、キャブ10の
ホワイトボデーが製造される。図示のキャブ10の場
合、後方組立体14における側壁26のルーフ30に隣
接する前端接合部Aが、前方組立体12のフロントピラ
ー18の上端接合部Bに、外側から重ね合わせられてス
ポット溶接により結合され、また後方組立体14におけ
る側壁26の下端かつ前端の接合部Cが、下方組立体1
6のフェンダ36の前後方向中間部分の接合部Dに、外
側から重ね合わせられてスポット溶接により結合され
る。さらに、前方組立体12におけるフロントピラー1
8の下端の接合部Eが、下方組立体16の前端下部の接
合部Fに、外側から重ね合わせられてスポット溶接によ
り結合される。
のホワイトボデーにおいて、前方組立体12の前方窓開
口20のホワイトボデーに組立てられた状態での形状寸
度が、同開口20に取付けられるウインドシールドガラ
ス周縁部の水漏れ防止及び外観の見栄え向上のため重要
であり、また前方組立体12、後方組立体14及び下方
組立体16の3者によって左右側部に限界されるドア開
口38の形状寸度が、ドア周縁部の水漏れ防止及び外観
の見栄え向上のため重要である。
び下方組立体16は、何れも通常薄鋼板をプレス成形し
た複数の板金部品の組立体であって、板金部品自体に夫
々製作誤差があり、また複数の板金部品を組付ける際に
も不可避的な組立誤差が発生することを免れず、また各
組立体12,14及び16は、夫々サブアセンブリとし
て完成した後も、薄板構造物であるため本質的に撓み易
い性質がある。さらに、上記各組立体12,14及び1
6の夫々複数個所をクランプして、上記接合部AとB,
CとD,EとFをスポット溶接して結合する組立治具に
も、製作技術上不可避的な誤差があり、なおまた、多数
のホワイトボデーの組立てが繰り返し行なわれるため
に、クランプ装置の位置が変化したり、クランプ部が摩
耗する等によって、治具側にも誤差が発生する。
に際して、上記前方窓開口20及びドア開口38の形状
寸度を確認して組立精度を確認する必要がある。そこ
で、従来は、組立て終ったキャブホワイトボデーを、品
質管理上予め設定された台数毎に、検査用の治具を用い
て組立精度を確認する作業が行なわれていた。上記検査
治具の一例として、ドア開口38用の治具が図4に示さ
れている。総括的に符号40で示されている治具は、車
体左側のドア開口38の形状寸度を調べるもので、ドア
開口38の戸当り部においてドアの外周縁に相当する位
置に配置された多数の検具42と、同検具42を外周部
分に装着したパイプ製の格子状枠体44と、同枠体44
を、前方組立体12のフロントピラー18に設けられた
ドアヒンジ取付部46及び48の取付ボルト孔を利用し
てキャブホワイトボデーに固定する支持部50及び52
とを具えている。
かつなるべく軽量の適宜の材料によって作られ、枠体4
4は例えば樹脂パイプによって形成される。また多数の
検具42のうち、ドア開口38の下側縁に沿い配置され
た検具42aには、図中に一点鎖線で示されているドア
開口38のドア外周縁に対向する戸当り輪郭面38aと
の間に、予め定められた適宜の隙間を設定するためのセ
ットボルト54が設けられ、またドア開口38の後方縦
縁に対向して配置された検具42bには、ドア開口縁を
限界するフランジ部38b(図中に二点鎖線でその一部
のみが示されている)を把持するねじ式クランプ56が
設けられている。
18のドアヒンジ取付部46及び48に取付ボルトによ
り固定すると共に、上記セットボルト54及びねじ式ク
ランプ56を用いて治具40をドア開口38に正しく取
付けたのち、多数の検具42の外側縁とドア戸当り輪郭
面38aとの隙間Sを調べ、隙間Sが設定間隙(例えば
5±1mm)内に収まっているかどうかを検査する。同
様に、前方組立体12の前方窓開口20にも、その正規
形状及び寸度に応じた治具を取付けて各検具と窓開口縁
の隙間を検査し、組立てられたキャブホワイトボデーが
商品として適合するものであるかどうかを判断する。
認には、治具の取付け取外しに多大の手間を要するので
検査コストが高くなり、また治具が重い(大型トラック
用の上記ドア検査用の治具の場合、通常20kg以上と
なる)ため作業者の疲労が著しい欠点があり、さらに、
前方組立体12、後方組立体14及び下方組立体16
を、組立治具内に搬入しクランプした状態では、検査を
行なうことができず、ホワイトボデーの完成後にしか検
査できないため、不合格製品となる以前即ち溶接施工前
に組立治具内で、必要な修正を行なうことができない不
具合があった。
鑑み創案されたもので、複数の分割部材からなる自動車
ボデーの組立てに当り、組立治具内で分割部材の組立精
度を簡単かつ正確に確認することができ、この結果、自
動車ボデーの組立作業コストを低減し得ると共に、作業
者の疲労を大巾に軽減することができる組立精度確認方
法及び組立精度の確認が容易な自動車のボデー構造を提
供することを目的とするものである。
め、本発明は、複数の分割部材の接合部を互に重ね合わ
せ溶接により結合して自動車ボデーの組立てを行なうに
当り、上記接合部において外側に位置する一方の分割部
材に精度確認用の穴を穿設すると共に、同接合部におい
て内側に位置する他方の分割部材の上記精度確認用穴に
対応する部位に十字形等の刻印を刻設し、上記精度確認
用穴と刻印との相対関係位置により上記一方の分割部材
と他方の分割部材との組立て精度を確認することを特徴
とする自動車ボデーの組立精度確認方法を提案するもの
である。また本発明は、接合部を互に重ね合わせて溶接
結合される複数の分割部材からなり、上記接合部におい
て外側に位置する一方の分割部材の同接合部に、適宜の
形状を有する穴が穿設され、かつ上記接合部において内
側に位置する他方の分割部材の上記穴に対応する部位に
適宜形状の刻印が設けられていることを特徴とする自動
車のボデー構造を提案するものである。
図1ないし図3について具体的に説明する。(なお、従
来の技術を説明するために、図1を援用して既に説明し
た事項については、再述を省略する。) 先ず、図1の分解斜視図において、前方組立体12と後
方組立体14との接合部A及びBのうち、外側に位置す
る接合部Aのドア開口38を限界するフランジ部14a
に、精度確認用の丸穴58が穿設されると共に、内側に
位置する接合部Bのドア開口38を限界するフランジ部
12aの上記丸穴58に対応する部位に十字状の刻印6
0が刻設されている。
の接合部C及びDのうち、外側に位置する接合部Cには
精度確認用の丸穴62が穿設され、同接合部Cと重ね合
わされて内側に位置するフェンダ36の対応する接合部
Dには、十字状の刻印64が刻設されている。さらに、
前方組立体12と下方組立体16との接合部E及びFの
うち、重ね合わされて外側に位置する接合部Eには精度
確認用の丸穴66が穿設され、内側に位置する接合部F
には、上記丸穴66に対応して十字状の刻印68が刻設
されている。
6、十字状の刻印60,64及び68は、各組立体1
2,14及び16の対応する構成部材を、プレス加工す
る際に夫々穿設され、或いは刻設される。上記丸穴5
8,62及び66、刻印66,64及び68をプレス成
形時に設けられた構成部材は、各組立体を構成する他の
部材と共に、サブアセンブル工程で夫々別個の治具を用
いて組立てられ、前方組立体12、後方組立体14及び
下方組立体16として、キャブ10のホワイトボデー組
立治具に搬入され、同組立治具に設けられた多数のクラ
ンプ装置により、夫々の要所をクランプされる。
治具内でクランプされた状態て、各接合部AとB,Cと
D,EとFにおける丸穴58と刻印60、丸穴62と刻
印64、丸穴66と刻印68の相対関係位置を調べる。
図3の拡大側面図に実線で示されているように、丸穴の
中心と刻印の中心とが一致しておれば、各組立体12,
14及び16それぞれの製作精度、及び各組立体12,
14及び16の組立治具内における相対関係位置が、正
しい状態であることが確認され、また、図3に点線で示
されているように、丸穴の中心と刻印の中心とが多少ず
れていても、なお商品性に問題がない許容し得る範囲で
あるかどうかが確認される。上記のようにして組立治具
内で目視確認を行なったのち、品質上問題がなければ、
各接合部AとB,CとD,EとFが夫々スポット溶接に
より一体的に結合され、図2に示されているようなキャ
ブ10のホワイトボデーが製造される。従って、キャブ
10のホワイトボデー組立作業中に、図4に示したよう
な重い検査治具を用い、多大の取付け取外し時間を費し
て組立精度の検査を行なう必要がなく、作業コストの低
減及び作業者の疲労を軽減し得る利点があり、また各組
立体12,14及び16が組立治具内にあってクランプ
され、溶接が行なわる以前に、組立品質の確認が行なわ
れるので、即時に必要な対策を施すことができ、従来の
ように、溶接後の検査で不適格であることが発見され、
廃却せざるを得ない不合格品が発生する不具合がない。
イトボデーの組立てが行なわれると、組立治具側にクラ
ンプの位置ずれや摩耗等が発生し、一方、前方組立体1
2、後方組立体14及び下方組立体16側にも、夫々の
構成部品のプレス成形型の摩耗による構成部品の品質の
変化、或いは各組立体のサブアセンブル用治具の変形や
摩耗等によって寸度誤差が発生する。これらの場合に
も、上記各接合部AとB,CとD,EとFにおける丸穴
58と刻印60、丸穴62と刻印64、丸穴66と刻印
68の相対関係位置を連続的に調べることによって、キ
ャブ10の組立品、即ちホワイトボデーとしての品質の
傾向を確認することができ、必要な対策、例えば組立治
具のクランプ等の位置修正、摩耗したクランプ等の交換
等の補修、サブアセンブル用治具の同様な補修、場合に
よりプレス成形型の補修等を適時適切に行ない得る利点
がある。
ては、上記前方組立体12、後方組立体14及び下方組
立体16の各結合部における精度確認用の丸穴58,6
2及び66と、対応する刻印60,64及び68とを夫
々一致させると共に、キャブホワイトボデー全体の商品
性(全高,全巾,全長、及び前方窓開口20、ドア開口
38の形状寸度)を確認しながら、前述したように縦、
横、高さが夫々3メートルにも及ぶ枠型の組立治具及び
同治具に多数装着されるクランプ等の付属機器の位置決
めを行なうことによって、上記丸穴と刻印とを、その後
の生産用組立治具を確定するための有効なツールとして
逆に利用し得る利点がある。
の穴58,62及び66が夫々プレス加工時に穿設容易
な丸穴として例示されているが、楕円孔その他任意形状
の穴とすることができ、また協働する刻印60,64及
び68も、例示されている十字形以外の人形等任意形状
の刻印に変更し得ることは、明らかである。さらに、本
発明は、キャブオーバ型トラック用キャブの組立に限定
されず、ワンボックス車のボデー組立等に広く適用する
ことができる。
ーの組立精度確認方法は、複数の分割部材の接合部を互
に重ね合わせ溶接により結合して自動車ボデーの組立て
を行なうに当り、上記接合部において外側に位置する一
方の分割部材に精度確認用の穴を穿設すると共に、同接
合部において内側に位置する他方の分割部材の上記精度
確認用穴に対応する部位に十字形等の刻印を刻設し、上
記精度確認用穴と刻印との相対関係位置により上記一方
の分割部材と他方の分割部材との組立て精度を確認する
ことを特徴とし、重くかつ取付け取外しに多大の手間を
要する検査治具を用いることなく、迅速容易に組立精度
を確認することができるので、製造コストを低減し得る
と共に、作業者の疲労を軽減することができ、さらに、
各分割部材が組立治具内にあって溶接結合される以前に
組立精度を確認し必要な対策を施すことができるので、
不合格品の発生を事前に防止得る等の利点がある。
は、接合部を互に重ね合わせて溶接結合される複数の分
割部材からなり、上記接合部において外側に位置する一
方の分割部材の同接合部に、適宜の形状を有する穴が穿
設され、かつ上記接合部において内側に位置する他方の
分割部材の上記穴に対応する部位に適宜形状の刻印が設
けられていることを特徴とし、自動車のホワイトボデー
組立時に、特別の検査治具等を用いることなく、目視に
よって組立精度を迅速容易かつ的確に、確認することが
できるので、製造コストを低減すると共に、作業者の検
査作業の労力を軽減し得る効果がある。
型トラックのキャブ組立に適用した実施形態を示す分解
斜視図である。
る。
した拡大側面図である。
ア開口用検査治具の側面図である。
16…下方組立体、18…フロントピラー、20…前方
窓開口、22…フロントパネル、26…側壁、28…後
壁、30…ルーフ、32…アンダフレーム、34…フロ
ア、36…フェンダ、38…ドア開口、58,62及び
66…精度確認用丸穴、60,64及び68…十字状刻
印、A,B,C,D,E及びF…接合部。
Claims (2)
- 【請求項1】 複数の分割部材の接合部を互に重ね合わ
せ溶接により結合して自動車ボデーの組立てを行なうに
当り、上記接合部において外側に位置する一方の分割部
材に精度確認用の穴を穿設すると共に、同接合部におい
て内側に位置する他方の分割部材の上記精度確認用穴に
対応する部位に十字形等の刻印を刻設し、上記精度確認
用穴と刻印との相対関係位置により上記一方の分割部材
と他方の分割部材との組立て精度を確認することを特徴
とする自動車ボデーの組立精度確認方法 - 【請求項2】 接合部を互に重ね合わせて溶接結合され
る複数の分割部材からなり、上記接合部において外側に
位置する一方の分割部材の同接合部に、適宜の形状を有
する穴が穿設され、かつ上記接合部において内側に位置
する他方の分割部材の上記穴に対応する部位に適宜形状
の刻印が設けられていることを特徴とする自動車のボデ
ー構造
Priority Applications (1)
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1995
- 1995-12-27 JP JP35482895A patent/JP3322106B2/ja not_active Expired - Fee Related
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