JP3322009B2 - 冷凍サイクル用圧縮機制御装置 - Google Patents

冷凍サイクル用圧縮機制御装置

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JP3322009B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の空調装置にお
いて、冷凍サイクルの圧縮機を電動機駆動する圧縮機制
御装置に関し、特に電気自動車への搭載に適するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】内燃機関を搭載した自動車の空調装置の
冷凍サイクルにおいては、冷媒圧縮機は電磁クラッチを
介して内燃機関によって駆動されており、その制御は、
所定範囲内の冷凍能力が維持できるように、冷凍能力が
基準値より低下した場合(例えば、蒸発器の温度が高く
なった場合)に冷媒圧縮機を作動し、所定範囲内の冷凍
能力になったときに冷媒圧縮機を停止させるように、冷
媒圧縮機の作動と停止とのいずれかの状態を選択するよ
うに切り替えが行われている。このため、冷媒圧縮機の
作動、停止の切り替わりの際に、空調装置の吹出し温度
変動が大きいため快適さが損なわれ、切り替わりに伴う
違和感が大きいとともに、冷媒圧縮機が作動、停止の何
れかに段階的に変化するため、省力化を図ることが困難
である。
【0003】これに対し、電気自動車用の冷凍サイクル
に用いられる冷媒圧縮機は電動機駆動されるため、例え
ば、特公平5−32660号に開示されるように、イン
バータを用いた電動機の回転数制御によって冷媒圧縮機
の能力制御を行うことによって、空調装置の運転中に冷
媒圧縮機の作動、停止の切替えを伴わないようにするこ
とができるため、吹出し温度の変動が小さく、快適さを
確保することができるとともに、冷媒圧縮機に必要最小
限の能力を与えることが可能であるため容易に省力化を
図ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電気自
動車は内燃機関自動車と比較して、まだ普及台数が十分
多くなく、個々の電気自動車の仕様に応じた制御機能を
有する空調装置を開発するには、その種類が多種にわた
るため、開発費用の負担が大きくなり、電気自動車用の
空調装置の単価が高くなる。この結果、各電気自動車に
適した安価な空調装置を搭載することができにくいとい
う問題がある。
【0005】本発明は、自動車用空調装置として快適さ
を確保できるとともに価格が高価にならず、各種の電気
自動車への搭載が容易な冷凍サイクル用圧縮機制御装置
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、冷凍サイクル
に設けられた圧縮機を駆動する電動機をインバータによ
って通電し、該インバータの制御手段によって前記電動
機の回転数を制御する冷凍サイクル用圧縮機制御装置に
おいて、電源から前記インバータへ供給される電力の入
力部として設けられ、前記電源と接続された電源配線が
自在に接続可能な電力入力用接続手段と、前記インバー
タから前記電動機へ供給される電力の出力部として設け
られ、前記電動機と接続された駆動用配線が自在に接続
可能な電力出力用接続部と、前記電動機の起動、停止を
制御するための動作信号の入力部として設けられ、前記
動作信号の伝送配線が自在に接続可能な動作信号入力用
接続部と、前記電動機の回転数を制御するための目標回
転数信号の入力部として設けられ、前記目標回転数信号
の伝送配線が自在に接続可能な目標回転数信号入力用接
続部と、前記電動機の起動、停止を前記動作信号に応じ
て制御するとともに、前記電動機の回転数を前記目標回
転数信号に応じて制御する電動機制御手段と、前記電動
機の電流値を検出する電流値検出手段、前記圧縮機の温
度を検出する圧縮機温度検出手段、前記インバータの温
度を検出するインバータ温度検出手段の少なくとも一つ
を備え、前記各検出手段の検出値がそれぞれ所定値を越
えた場合に、前記電動機に供給される電力を低減して回
転数を低下させる圧縮機能力低減手段手段とを一体に具
備したインバータコンポーネントを形成したことを技術
的手段とする。
【0007】
【作用】本発明では、電源と接続された電源配線を電力
入力用接続部に接続し、圧縮機を駆動する電動機と接続
された駆動用配線を電力出力用接続部に接続し、冷凍サ
イクルを制御する制御手段からの動作信号および目標回
転数信号の伝送配線を、それぞれ動作信号入力用接続部
および目標回転数信号入力用接続部に接続することによ
って、電動機制御手段によって電動機の作動、停止と回
転数を制御手段の制御状態によって制御できる。
【0008】また、電流値検出手段、圧縮機温度検出手
段、インバータ温度検出手段のいずれか検出値が、それ
ぞれ所定値を越えた場合には、圧縮機能力低減手段によ
って、電動機へ供給される電力が低減されて圧縮機の能
力が低減される。従って、圧縮機の負荷が大きくなり過
ぎる前に、圧縮機の能力を下げることができるため、圧
縮機を継続して作動させることができる。
【0009】
【発明の効果】本発明では、インバータコンポーネント
には、電力入力用接続部、電力出力用接続部、動作信号
入力用接続部、目標回転数信号入力用接続部が備えられ
ているため、それぞれの接続部との接続を行うだけで、
空調装置の制御手段の制御状態に応じて圧縮機を制御す
ることができる。従って、例えば、多種に亙って設けら
れている既存の内燃機関自動車用の空調装置の制御装置
を、吹出し温度制御、吹出し風量制御、吹出し口制御な
どについては、そのまま利用し、圧縮機制御系統を目標
回転数を指令するように部分的に変更するだけで、圧縮
機制御系統を除く内燃機関自動車用の空調装置の制御装
置をそのまま流用することができる。この結果、電気自
動車用空調装置の開発、設計においては、既存の内燃機
関自動車の空調装置を利用して、圧縮機制御系統の設計
変更を行うだけで、様々な仕様の空調装置とすることが
できる。
【0010】また、インバータコンポーネントには、電
動機制御手段とともに圧縮機能力低減手段が設けられて
いて、電動機の回転数を目標回転数に応じて制御するこ
とができるとともに、圧縮機の負荷が所定より大きくな
った場合に圧縮機の能力を低減させることができる。こ
のため、必要以上の能力が圧縮機に要求されず、冷凍サ
イクルの運転状態に応じた能力付近で圧縮機の作動を継
続させることができ、空調装置の運転中に圧縮機が停止
することがない。従って、快適さを確保することができ
るとともに、冷凍サイクルの運転状態に応じた能力で圧
縮機を作動させることができるため、省力化を図ること
が容易である。この結果、電気自動車に適した空調装置
の制御装置の開発負担が減少し、安価で、しかも快適さ
が確保された空調装置を提供することができる。
【0011】
【実施例】次に本発明の冷凍サイクル用圧縮機制御装置
を、電気自動車の空調制御装置1において適用した実施
例について説明する。図1に示す空調制御装置1は、冷
凍サイクルにおいて圧縮機10を駆動制御する圧縮機制
御ユニット100と、圧縮機制御ユニット100に対し
て圧縮機動作用信号を送出する空調制御ユニット200
とからなる。なお、2は、高電圧バッテリ(例えば、2
88V)からなる主電源バッテリ、3はメインリレー、
4は突入電流制限抵抗、5は電流突入用リレー、6は低
電圧(例えば12V)バッテリからなる補機電源用バッ
テリである。
【0012】圧縮機10は、空調制御装置1の冷凍サイ
クルにおいて冷媒を圧縮、循環するために設けられたも
ので、駆動部として三相固定子巻線11および磁石式ロ
ータ12からなるDCブラシレスモータ10Aを備え、
磁石式ロータ12のシャフトによって圧縮部13を駆動
する。また、圧縮部13の温度を検出する圧縮機用サー
ミスタ14が備えられている。
【0013】圧縮機制御ユニット100は、主電源バッ
テリ2から圧縮機10の三相固定子巻線11へ供給され
る電流を制御するためのインバータを構成するもので、
主電源バッテリ2から三相固定子巻線11への通電回路
には、電源平滑コンデンサ15、電流検出用のシャント
抵抗16、IGBTモジュール20が設けられている。
【0014】電源平滑コンデンサ15は、メインリレー
3の接点3aを介して主電源バッテリ2と並列に接続さ
れ、シャント抵抗16は、IGBTモジュール20と直
列接続されている。IGBTモジュール20はインバー
タの主回路で、三相固定子巻線11の各相U、V、Wに
対応したIGBT21〜26および各IGBT21〜2
6に並列接続されたフライホイールダイオード21a〜
26aからなる。
【0015】また、圧縮機制御ユニット100には、シ
ャント抵抗16を流れる電流を検出してDCブラシレス
モータ10Aおよび圧縮部13を保護するための制御信
号を発する電流検出回路17と、IGBTモジュール2
0の各IGBT21〜26のゲートを駆動するゲート駆
動回路18と、IGBTモジュール20の温度を検出す
るために備えられたサーミスタ19と、圧縮機10の三
相固定子巻線11への通電回路に接続されて、各相U、
V、Wの端子電圧からロータ12の回転位置をセンサレ
スで検出するロータ位置検出回路30と、圧縮機制御用
マイコン40が設けられている。
【0016】ロータ位置検出回路30は、図2に示すと
おり、三相固定子巻線11の各相U、V、Wに対応して
3系統の検出回路を形成しており、初段に抵抗31a、
31b、31cとコンデンサ32a、32b、32cと
によってそれぞれ一次積分フィルタを形成して各相の誘
起電圧VU 、VV 、VW を90°位相遅れの波形とし、
バッファ33a、33b、33cによって増幅した電圧
1 、V2 、V3 を抵抗34a、34b、34cを介し
て加算した仮想中性点の電圧V4 と比較器35a、35
b、35cで比較し、出力電圧VA 、VB 、VC をそれ
ぞれ出力する。
【0017】各比較器35a、35b、35cの各出力
電圧VA 、VB 、VC は、ロータ位置検出回路30内に
設けられたマイコン(図示なし)に入力され、1周期を
6分割した位相角60°毎に、通電切替え信号を発生す
る。
【0018】圧縮機制御用マイコン40は、後述する空
調制御ユニット200からの動作用信号に応じてトラン
ジスタ41、42を駆動して各リレー3、5を通電する
とともに、電流検出回路17、ロータ位置検出回路3
0、サーミスタ19および圧縮機用サーミスタ14から
の各検出信号をモニター入力して、空調制御ユニット2
00からの圧縮機動作用信号に応じて圧縮機10の制御
状態を決定し、その制御状態に応じた制御信号をゲート
駆動回路30へ送出する。ゲート駆動回路18は、圧縮
機制御用マイコン40から送出される制御信号に応じ
て、圧縮機10の起動、運転、停止および運転時の回転
数に対応したスイッチング信号をIGBTモジュール2
0へ送出する。
【0019】なお、圧縮機制御ユニット100には、補
機電源用バッテリ6により作動するチョッパ等からなる
電源回路50が備えられ、IGBTモジュール20の駆
動用電源および圧縮機制御用マイコン40その他の制御
用電源として各部へ電力を供給する。
【0020】図3および図4に、以上の構成から形成さ
れた圧縮機制御ユニット100の具体的な形状としての
インバータコンポーネント100Aを示す。図1で示さ
れたものは、各図において、図1と同一符号で示す。
【0021】各図3、4において、51は、各リレー
3、5を介して主電源バッテリ2の電力を圧縮機制御ユ
ニット100へ供給するための入力部として設けられた
電源接続用コネクタで、図1においては、端子51a、
51bとして示されるものである。また、52は、圧縮
機制御ユニット100から圧縮機10の三相固定子巻線
11へ電力を供給するための出力部として設けられた圧
縮機接続用コネクタで、図1においては、端子52a、
52b、52cとして示されるものである。さらに、5
3は、空調制御ユニット200から送出される圧縮機動
作用信号が伝送される信号の入力部として設けられた信
号用コネクタであり、図1においては、その一部分が端
子53a、53bとして示されるものである。
【0022】54は、圧縮機10の通電回路として設け
られる主にIGBT20を中心とした高電圧回路用プリ
ント基板で、図1の一点鎖線Mより上方位置に記された
構成要素が実装されており、55は、低電圧回路用プリ
ント基板で、図1の一点鎖線Mより下方位置に記された
構成要素が実装されている。サーミスタ19は、ケーシ
ング56のIGBTモジュール20に近接した箇所に取
付けられている。電源回路50は、高電圧回路用プリン
ト基板54とケーシング56との間の空間に配置され、
高電圧回路用プリント基板54に半田付けさせてある。
このように、分離配置させることによって、耐ノイズ性
を向上させている。
【0023】56はインバータコンポーネント100A
のケーシングで、IGBTモジュール20の放熱のため
に熱伝導に優れたアルミ製で、多数の冷却用フィン56
aを備えている。57は、ケーシング56を覆う蓋とな
るカバーである。
【0024】以上のインバータコンポーネント100A
を形成した圧縮機制御ユニット100に対して圧縮機1
0の動作指示信号を送出する空調制御ユニット200
は、電気自動車において、エアコンスイッチ、温度設定
スイッチの操作に応じて、車室温度、吹出し温度、日射
量、設定温度、冷凍サイクルにおける蒸発器の下流空気
温度等に基づいて、ブロワの吹出し風量、吹出し口やエ
アミックスダンパを制御するとともに、圧縮機10の動
作状態を決定して、そのための圧縮機動作用信号を圧縮
機制御用マイコン40へ送出する。なお、圧縮機動作用
信号としては、圧縮機10の起動・停止信号と、回転数
指示信号とがある。
【0025】次に、以上の構成からなる空調制御装置1
における圧縮機制御ユニット100の基本制御動作を図
5に基づいて説明する。空調制御ユニット200から圧
縮機制御用マイコン40への起動・停止信号が停止から
起動へ切り替わると(ステップ1においてYES)、ト
ランジスタ41がオンになり(ステップ2)、電流突入
用リレー5が通電されて主電源バッテリ2の電流が、突
入電流制限抵抗4、電流突入用リレー5を介して圧縮機
制御ユニット100へ流れ、電源平滑コンデンサ15が
主電源バッテリ2の電圧まで充電される。
【0026】トランジスタ41がオンになってから約2
秒経過すると(ステップ3においてYES)、トランジ
スタ42がオンになってメインリレー3が通電され、続
けてトランジスタ41がオフになって電流突入用リレー
5が開放されて(ステップ4)、以上でスタンバイ動作
を完了する。この様子を、図6に示す。図において、期
間Aがスタンバイ期間であり、スタンバイ期間Aの後の
期間Bは、以下の通常運転動作期間である。
【0027】スタンバイ動作に続く通常運転動作として
は、空調制御ユニット200から制御動作に応じた目標
回転数信号がある目標回転数を示すと(ステップ5にお
いてYES)、圧縮機制御用マイコン40はリセット運
転を行う(ステップ6)。リセット運転では、IGBT
モジュール20のIGBT21、23、25をオンにし
て、U相、W相からV相に電流を2秒間流して、圧縮機
10の磁石式ロータ12をあらかじめ決められた位置に
初期設定する。その後、あらかじめ決められた通電パタ
ーンに従いIGBTモジュール20の各IGBT21〜
26をオンにする他制運転(同期運転)を行う(ステッ
プ7)。他制運転では、20秒間にDCブラシレスモー
タ10Aの制御回転数を低回転(150rpm)から徐
々に加速し、500rpmまで上昇させる。
【0028】DCブラシレスモータ10Aの回転数が5
00rpmまで上昇すると(ステップ8においてYE
S)、自制運転に切り替わる(ステップ9)。自制運転
では、ロータ位置検出回路30において、図7に示すよ
うに、各相U、V、Wの誘起電圧VU 、VV 、VW が現
れ、各一次積分フィルタの出力波形である電圧V1 、V
2 、V3 に基づいて各比較器の出力電圧VA 、VB 、V
C によってマイコン(図示なし)から1周期を〜に
6分割した位相角60°毎に通電切替え信号が発生され
て、センサレスでロータ位置が検出されて通電される。
なお、図7において、各通電期間の白塗り部分は、IG
BTモジュール20における上アームの各IGBT2
1、22、23がそれぞれ通電されることを示し、黒塗
り部分は、下アームの各IGBT22、24、26がそ
れぞれ通電されることを示す。
【0029】自制運転における目標回転数制御は、キャ
リア周波数10kHzで、上アーム(又は下アーム)の
IGBTをオン/オフし、そのデューティ比を可変する
ことで目標回転数に制御する。実回転数は、ロータ位置
検出回路30の出力電圧VA、VB 、VC から、マイコ
ン(図示なし)で周期を検出し、演算する。目標回転数
と実回転数との偏差が大であれば、目標回転数に近づけ
るために、デューティ比を変更する。以上のリセット運
転、他制運転、自制運転におけるDCブラシレスモータ
10Aの回転数の変化を図8に示す。図において、期間
Cはリセット運転期間、期間Dは他制運転期間、Eは自
制運転期間を示す。
【0030】空調制御ユニット200からの起動・停止
信号が起動である間は(ステップ10においてNO)、
自制運転を継続し、起動・停止信号が停止に切り替わる
と(ステップ10においてYES)、圧縮機10の運転
を停止する。
【0031】次に、上記の本実施例の基本制御動作にお
けるパワーセーブ運転について説明する。パワーセーブ
運転は、負荷が上昇した時に、直ちに圧縮機10の運転
を停止するのではなく、能力を下げて運転を継続させる
ことによって、温度の快適さを維持するとともに、異常
時に限って直ちに運転を停止させるようにしたものであ
る。これらによって、省力化を図ることもできる。
【0032】初めにシャント抵抗16および電流検出回
路17で検出されるIGBTモジュール20を流れる電
流値に基づいたパワーセーブ運転モードについて図9に
基づいて説明する。検出電流値が基準値の下限値(1
7.5A)以下の場合には(ステップ11においてN
O)、目標回転数に応じて圧縮機10の回転数が目標回
転数になるように通常運転モードに制御される(ステッ
プ12)。従って、必要に応じた能力が得られる。
【0033】検出電流値が基準値の下限値(17.5
A)より大きく上限値(18A)以下の場合には(ステ
ップ13においてNO)、電流がそれ以上増えないよう
にするために、目標回転数が上昇しても、圧縮機10の
制御回転数は、その時点の回転数に保持される現回転数
保持モードに制御される(ステップ14)。この結果、
圧縮機10を駆動するIGBTモジュール20の負荷電
流値がそれ以上上昇することはなく、IGBTモジュー
ル20の発熱量が増えることがない。従って、IGBT
モジュール20および圧縮機10を保護することができ
る。
【0034】検出電流値が18Aより大きい場合には
(ステップ13においてYES)、圧縮機10の回転数
を徐々に下降させて、負荷電流を減少させる回転数下降
モードに制御される(ステップ15)。従って、圧縮機
10の運転は継続され、圧縮機10の能力が急激に低下
することがない。以上のように、検出電流値に基づいて
圧縮機10の回転数を制御するようにしたため、電流値
が大きくなった場合にも、圧縮機10の運転を継続させ
ることができ、同時に、電流値が下がるように圧縮機1
0を制御することができる。従って、快適さを維持しつ
つ、IGBTモジュール20および圧縮機10を保護す
ることができる。
【0035】次に、IGBTモジュール20の温度を検
出するサーミスタ19の検出温度に基づいた運転モード
を図10に基づいて説明する。サーミスタ19の検出温
度が95℃以下の場合には(ステップ21)、IGBT
モジュール20の許容温度範囲以下であるため、目標回
転数に応じて圧縮機10の回転数が目標回転数になるよ
うに通常運転モードに制御される(ステップ22)。従
って、必要に応じた能力が得られる。
【0036】検出温度が95℃より大きく100℃以下
の場合には(ステップ23においてNO)、温度を95
℃以下に下げるために、圧縮機10の回転数を下げる回
転数下降モードで運転を行う(ステップ24)。この結
果、圧縮機10を駆動するIGBTモジュール20の負
荷電流が小さくなり、IGBTモジュール20の発熱量
が下がるため、温度を下げることができる。
【0037】上記の回転数下降モードで運転したにも拘
らず、応答遅れによって十分に温度を下げることができ
ず、検出温度が95℃以上になった場合には(ステップ
23においてYES)、検出温度が100℃以上に達す
ることがある。このような場合には、直ちにIGBTモ
ジュール20から圧縮機10への通電を停止させて、圧
縮機10の運転を停止させる(ステップ25)。これに
よって、IGBTモジュール20の発熱を防止するた
め、IGBTモジュール20および圧縮機10を保護す
ることができる。
【0038】次に、圧縮機10の温度を検出する圧縮機
用サーミスタ14の検出温度に基づいた運転モードを図
11に基づいて説明する。圧縮機用サーミスタ14の検
出温度が118℃以下の場合には(ステップ31)、圧
縮機10の圧縮部13の許容温度範囲以下であるため、
目標回転数に応じて圧縮機10の回転数が目標回転数に
なるように通常運転モードに制御される(ステップ3
2)。従って、必要に応じた能力が得られる。
【0039】検出温度が118℃より高く121℃以下
の場合には(ステップ33においてNO)、圧縮部13
の負荷が比較的大きいものの、圧縮機10の作動に影響
はない状態であるため、圧縮機10の運転を確保するた
めに、目標回転数が上昇しても、圧縮機10の制御回転
数がその時点の回転数に保持される現回転数保持モード
に制御される(ステップ34)。この結果、圧縮部13
の仕事量が増えることがないため、圧縮部13の発熱量
が増加することがなく、温度上昇を免れることができ、
同時に、圧縮機10としての動作を確保することができ
るため、快適さが損なわれない。
【0040】検出温度が121℃より大きく126℃以
下の場合には(ステップ35)、温度を121℃以下に
下げるために、圧縮機10の回転数を下げるように制御
する回転数下降モードで運転を行う(ステップ36)。
この結果、圧縮機10の回転数が低下し、圧縮部13の
仕事量が減少するため、圧縮部13の温度を下げること
ができる。同時に、圧縮機10の作動が確保されるた
め、快適さが損なわれない。従って、圧縮機10を保護
しつつ圧縮機10の動作を確保できる。
【0041】上記の回転数下降モードで運転したにも拘
らず、応答遅れによって十分に温度を下げることができ
ず、検出温度が126℃以上になった場合には(ステッ
プ37においてYES)、直ちにIGBTモジュール2
0から圧縮機10への通電を停止させて、圧縮機10の
運転を停止させる停止モードにする(ステップ37)。
これによって、圧縮部13の発熱を防止するため、圧縮
部13を保護することができる。
【0042】以上のように、電流値、各温度を監視し
て、各値の許容範囲内では、圧縮機10の能力を低下さ
せながら圧縮機10をできるだけ作動させるようにした
ため、圧縮機10の停止によって快適さが損なわれるこ
とが少なく、また、圧縮機10およびIGBTモジュー
ル20等を保護することができる。従って、過負荷の場
合に、直ちに運転を停止する従来の場合と比較して、快
適さが損なわれ難い。
【0043】また、圧縮機制御ユニット100をインバ
ータコンポーネント100Aとして形成し、電源接続用
コネクタ51、圧縮機接続用コネクタ52、信号用コネ
クタ53を備えて、主電源バッテリ2やDCブラシレス
モータ10Aおよび空調制御ユニット200との接続す
るようにしたため、空調制御ユニット200からの制御
信号のみでインバータとして作動させることができるた
め、空調制御ユニット200から作動用信号を送出する
ようにすれば、簡単に冷凍サイクルを制御することがで
きる。従って、既存の内燃機関自動車の空調制御ユニッ
ト等を部分的に設計変更するだけで、電気自動車の空調
装置に適用することができるため、電気自動車用の空調
装置の開発負担が減少し、安価な空調装置とすることが
できる。上記の実施例では、圧縮機10の駆動用電動機
として、DCブラシレスモータ10Aを用いたが、AC
誘導モータでもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す空調制御装置のブロック
図である。
【図2】本実施例の空調制御装置におけるロータ位置検
出回路を示す部分回路図である。
【図3】本実施例の圧縮機制御ユニットを形成するイン
バータコンポーネントを示す平面図である。
【図4】図3のインバータコンポーネントの側面図であ
る。
【図5】本実施例の圧縮機制御ユニットの制御動作を説
明するためのフローチャートである。
【図6】本実施例の圧縮機制御ユニットの起動時の動作
を説明するためのタイムチャートである。
【図7】本実施例のロータ位置検出回路の動作およびロ
ータ位置検出回路の出力に基づく圧縮機制御ユニットの
自制運転を説明するためのタイムチャートである。
【図8】本実施例の圧縮機制御ユニットの各運転動作と
DCブラシレスモータの回転数との関係を示す特性図で
ある。
【図9】本実施例の圧縮機制御ユニットにおける検出電
流に基づくパワーセーブ運転モードを説明するためのフ
ローチャートである。
【図10】本実施例の圧縮機制御ユニットにおけるIG
BTモジュールの温度に基づくパワーセーブ運転モード
を説明するためのフローチャートである。
【図11】本実施例の圧縮機制御ユニットにおける圧縮
機の温度に基づくパワーセーブ運転モードを説明するた
めのフローチャートである。
【符号の説明】
2 主電源バッテリ(電源) 10A DCブラシレスモータ(電動機) 13 圧縮部(圧縮機) 14 圧縮機温度検出用サーミスタ(圧縮機温度検出手
段) 17 電流検出回路(電流値検出手段) 19 サーミスタ(インバータ温度検出手段) 20 IGBTモジュール(インバータ) 40 圧縮機制御用マイコン(電動機制御手段、圧縮機
能力低減手段手段) 51 電源接続用コネクタ(電力入力用接続手段) 52 圧縮機接続用コネクタ(電力出力用接続部) 53 信号用コネクタ(動作信号入力用接続部、目標回
転数信号入力用接続部) 100 圧縮機制御ユニット(冷凍サイクル用圧縮機制
御装置) 100A インバータコンポーネント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−72135(JP,A) 特開 平5−300793(JP,A) 特開 平1−131841(JP,A) 特開 昭62−3178(JP,A) 特公 平5−32660(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 1/32 F25B 1/00 F25B 49/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷凍サイクルに設けられた圧縮機を駆動
    する電動機をインバータによって通電し、該インバータ
    の制御手段によって前記電動機の回転数を制御する冷凍
    サイクル用圧縮機制御装置において、 電源から前記インバータへ供給される電力の入力部とし
    て設けられ、前記電源と接続された電源配線が自在に接
    続可能な電力入力用接続手段と、 前記インバータから前記電動機へ供給される電力の出力
    部として設けられ、前記電動機と接続された駆動用配線
    が自在に接続可能な電力出力用接続部と、 前記電動機の起動、停止を制御するための動作信号の入
    力部として設けられ、前記動作信号の伝送配線が自在に
    接続可能な動作信号入力用接続部と、 前記電動機の回転数を制御するための目標回転数信号の
    入力部として設けられ、前記目標回転数信号の伝送配線
    が自在に接続可能な目標回転数信号入力用接続部と、 前記電動機の起動、停止を前記動作信号に応じて制御す
    るとともに、前記電動機の回転数を前記目標回転数信号
    に応じて制御する電動機制御手段と、 前記電動機の電流値を検出する電流値検出手段、前記圧
    縮機の温度を検出する圧縮機温度検出手段、前記インバ
    ータの温度を検出するインバータ温度検出手段の少なく
    とも一つを備え、前記各検出手段の検出値がそれぞれ所
    定値を越えた場合に、前記電動機に供給される電力を低
    減して回転数を低下させる圧縮機能力低減手段手段とを
    一体に具備したインバータコンポーネントを形成したこ
    とを特徴とする冷凍サイクル用圧縮機制御装置。
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