JP3321594B2 - 写真用支持体 - Google Patents

写真用支持体

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JP3321594B2 JP29373392A JP29373392A JP3321594B2 JP 3321594 B2 JP3321594 B2 JP 3321594B2 JP 29373392 A JP29373392 A JP 29373392A JP 29373392 A JP29373392 A JP 29373392A JP 3321594 B2 JP3321594 B2 JP 3321594B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真用支持体に関する
ものであり、詳しくは、強度を保持しつつ、これを用い
たときの感光材料においてパーフォレーション穿孔性、
現像処理中の処理機器適性、現像処理の後の巻きぐせ解
消性にも優れ、かつ熱安定性に優れた、ハロゲン化銀写
真感光材料に好適な写真用支持体に関するものである。
【0002】
【発明の背景】手軽に撮影でき、取り扱いや携帯にも便
利な小型カメラが実用化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、携帯に便利で
手軽さを考えると、より一層の小型化が望まれるが、小
型化を追求する上で、内蔵される写真フィルムの収納ス
ペースのコンパクト化が不可欠である。通常、写真フィ
ルムとしては、ロール状フィルムをスプールに巻返した
状態のものが内蔵されるので、そのスペースをコンパク
ト化して、なおかつ一定の撮影枚数(例えば36枚撮り)
を確保するためには、写真フィルム自体の厚さを薄くす
る必要がある。特に、写真フィルムの支持体の厚みは現
行でも 120〜 125μm程度あり、その上の感光層の厚み
(25〜30μm程度)と比べてもかなり厚いものであるた
め、この支持体の厚みを薄くすることが、写真フィルム
全体の厚みを薄くする上で最も有効な手段と考えられ
る。ところで、従来使用されているプラスチックフィル
ム支持体としては、トリアセチルセルロース(TAC)
などのトリアセテートフィルムが代表的であるが、TA
Cフィルムはもともと機械的強度が弱いため現行よりも
薄くすることは不可能であり、フィルムの膜厚が100μ
m以下では、自動現像処理機で現像処理する際に処理機
内でフィルムの折れが発生するという致命的な欠点があ
った。また、TACは、フィルム作製の際にメチレンク
ロライドを多量に使用しており、環境保護の点から回収
装置等多くの付帯設備が必要でコスト高になる。
【0004】一方、支持体としてポリエチレンテレフタ
レートが従来知られており、X線用フィルムや製版用フ
ィルムに用いられてきた。強度が優れていることからカ
ラーネガフィルムへの応用も考えられる。しかし、ポリ
エチレンテレフタレート支持体は強度は優れているもの
のいったんついた巻きぐせが現像処理後もほとんど取れ
ないという、巻きぐせ解消性に劣るという欠点がある。
【0005】ポリエステル支持体の巻きぐせをなくす手
段として、ポリエステル支持体に親水性を持たせる方法
が考えられるが、例えば特開平2-120857号公報及び特開
平1-244446号公報には親水化による改良技術が示されて
いるが、現像処理後の巻きぐせ解消性をTACと同程度
まで向上させるための共重合成分量を添加し、ただ単に
親水化しただけでは、強度が低下してしまい実用に耐え
なかった。
【0006】また写真フィルムは、カメラに内蔵される
ため、撮影中、及び撮影後の巻戻しのためにフィルムの
巾手の両端に搬送用の歯車が噛み込むための穴である、
パーフォレーションが必要であるが、上記のフィルムに
おいては、パーフォレーションの穿孔不良が一部起こ
り、実際に写真機に内蔵されたときに搬送できず、この
点でも実用性に耐えなかった。
【0007】また、米国特許 5,138,024号においては親
水性を付与した共重合ポリエステルを重合して得る際
に、主成分のエチレングリコールと芳香族ジカルボン酸
の誘導体である芳香族ジカルボン酸エステルとをエステ
ル交換する前に共重合成分を一緒に混合し、溶融重合を
行い共重合ポリエステル樹脂を得て、支持体フィルムを
作製しているが、これを用いた感光材料においては前述
のパーフォレーション穿孔に問題はないが、巻きぐせ解
消性は理由は明確ではないが不十分であった。また、写
真感光材料としては夏場での保存を考えると高温下にお
ける熱安定性が良くなければいけないのだが、明らかで
はないがエステル交換する前に共重合成分を添加してい
るために共重合成分が反応しきれず低分子量物を作る為
もあるのか、高温下での保存の際、この支持体を用いた
ときの感光材料のヘーズが増大し、これを用いてポジ型
感光材料であるプリントを得たときに画像が劣化し実用
に耐えなかった。
【0008】このように、小型カメラに使用できる薄手
の感光材料を得るためには、パーフォレーション穿孔性
に優れ、現像処理後の巻きぐせ解消性、及びこれを用い
たときの感光材料においての熱安定性に優れ、さらに強
度の優れた薄手にしても現像処理機で問題の起こらない
支持体の開発が必要である。
【0009】
【発明の目的】本発明は、上記従来の課題に鑑みなされ
たもので、その目的は、機械強度が保持され、薄膜化が
可能で現像処理中の処理機器適性、現像処理後の巻きぐ
せ解消性にも優れ、またパーフォレーション穿孔性に優
れ、かつ、これを用いたときの感光材料において熱安定
性に優れた、カメラに用いて特に好適な写真用支持体を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、金属スルホネート基を有
する芳香族ジカルボン酸の共重合成分(A)を全エステ
ル結合に対して2〜10モル%、及びポリアルキレングリ
コールの共重合成分(B)を全重量に対して2〜10重量
%含有し、固有粘度が0.55以下である共重合ポリエステ
ルからなるポリエステルフィルムであり、該共重合ポリ
エステルが、上記共重合成分(A)及び(B)をグリコ
ールと芳香族二塩基酸とがエステル交換された後に添加
し溶融重合されたものであることを特徴とする写真用支
持体であり、請求項2に記載の発明は、前記ポリエステ
ルフィルムが共重合ポリエステルの単一の層からなるこ
とを特徴とする請求項1記載の写真用支持体であり、請
求項3に記載の発明は、前記ポリエステルフィルムが少
なくとも一層の共重合ポリエステルと少なくとも一層の
ポリエステルとの積層構成からなる請求項1記載の写真
用支持体であり、請求項4に記載の発明は、前記ポリア
ルキレングリコールがポリエチレングリコールであるこ
とを特徴とする請求項1,2又は3記載の写真用支持体
であり、請求項5に記載の発明は、前記ポリアルキレン
グリコールの数平均分子量が 600〜5000であることを特
徴とする請求項1,2又は3記載の写真用支持体であ
り、請求項6に記載の発明は、該共重合ポリエステル
が、酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1〜
5のいずれか1に記載の写真用支持体である。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明の写真用支持体は、金属スルホネー
ト基を有する芳香族ジカルボン酸の共重合成分(A)を
全エステル結合に対して2〜10モル%、及びポリアルキ
レングリコールの共重合成分(B)を全重量に対して2
〜10重量%含有し、固有粘度が0.55以下である共重合ポ
リエステルからなるポリエステルフィルムであり、該共
重合ポリエステル(以下本発明の共重合ポリエステルと
いう。)が上記共重合成分(A)及び(B)をグリコー
ルと芳香族二塩基酸とがエステル交換された後に添加し
溶融重合されたものであることを特徴とする写真用支持
体である。
【0013】本発明のポリエステルフィルムからなる写
真用支持体に用いられる本発明の共重合ポリエステル
は、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸
(A)とポリアルキレングリコール(B)を共重合成分
とし、芳香族二塩基酸とグリコールを主構成成分とする
共重合ポリエステルであり、芳香族二塩基酸としてはテ
レフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸などがあり、グリコールとしてはエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、ジエチレングリコール、p−キシレングリコールな
どがある。なかでもテレフタル酸とエチレングリコール
を主構成成分とする共重合ポリエチレンテレフタレート
が好ましい。また、共重合ポリエステルの固有粘度とし
ては下限は特に限定されないがパーフォレーション穿孔
性と処理機器適性を良好ならしめるには0.55以下であ
り、好ましくは0.40〜0.55である。
【0014】本発明の金属スルホネート基を含有する芳
香族ジカルボン酸は、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、4−ナトリウ
ムスルホテレフタル酸、4−ナトリウムスルホ−2,6
−ナフタレンジカルボン酸などがあり、なかでも特にそ
のエステル形成性誘導体、及びこれらのナトリウムを他
の金属(カリウム、リチウムなど)で置換した化合物が
用いられる。
【0015】本発明の共重合ポリエステル中における、
金属スルホネート基を含有する芳香族ジカルボン酸成分
の割合は、現像処理後の巻きぐせをなくし、パーフォレ
ーション穿孔性と処理機器適性を良好ならしめるには、
全エステル結合に対して2〜10モル%、特に好ましくは
3〜7モル%である。
【0016】更に、本発明の写真用支持体を形成するポ
リエステルフィルムの全ポリエステル中には、巻きぐせ
解消性、機械的強度に優れ、フィルムの延伸性と平面性
とを考慮すると、ポリアルキレングリコール共重合成分
を、本発明の共重合ポリエステルの全重量に対して2〜
10重量%、特に好ましくは3〜7重量%含有するのが好
ましい。
【0017】その場合、本発明のポリアルキレングリコ
ールにはポリエチレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコールが用いられ、数平均分子量は特に限定されな
いが、高温下での保存によるヘーズの発生を防ぎ、巻き
ぐせ解消性を良好ならしめるためには、好ましくは、 3
00〜 10000、特に好ましくは 600〜5000である。特にポ
リアルキレングリコールとしてはポリエチレングリコー
ルが好ましい。
【0018】本発明の共重合ポリエステルには、本発明
の効果を阻害しない範囲で、更に他の成分が共重合され
ていても良いし、他のポリマーがブレンドされていても
かまわない。
【0019】本発明の共重合ポリエステル及びポリエス
テルはともに、重合段階でリン酸、亜リン酸およびそれ
らのエステルならびに無機粒子(シリカ、カオリン、炭
酸カルシウム、リン酸カルシウム、二酸化チタンなど)
が含まれていてもよいし、重合後ポリマーに無機粒子な
どがブレンドされていてもよい。さらに重合段階、重合
後のいずれかの段階で適宜顔料、紫外線吸収剤などを添
加してもかまわない。
【0020】本発明の共重合ポリエステルを得るには、
前述の共重合成分(A)及び(B)をエステル交換後に
添加した後に溶融重合が行なわれる。固有粘度は適宜ト
ルク管理などによって、目的の固有粘度の本発明の共重
合ポリエステルを得ることができる。前記共重合成分
(A)及び(B)をエステル交換前に添加した混合物を
用いて溶融重合を行った場合は、固有粘度を本発明内の
範囲にした場合、明らかではないがエステル交換する前
に共重合成分を添加していることが原因で共重合成分が
反応しきれず低分子量物を作る為もあるのか、高温下で
の保存の際、このフィルムを用いたときの感光材料のヘ
ーズが増大し熱安定性に劣り、本発明の優れたパーフォ
レーション穿孔性と熱安定性を同時に満足することはで
きない。
【0021】また、本発明の共重合ポリエステルは酸化
防止剤を含有することが好ましく、その量は支持体フィ
ルム作製時の溶融押出しの際の熱劣化ポリエステルの着
色等を考慮に好ましくは全重量に対して0.01〜5重量
%、更に好ましくは 0.1〜1重量%である。酸化防止剤
としては公知のものが用いられるが、好ましく用いられ
る酸化防止剤はヒンダードフェノール系酸化防止剤であ
り、例えばCIBA−GEIGY社製のIrganox
245、Irganox1010等が挙げられる。
【0022】さらに、本発明の写真用支持体を構成する
ポリエステルフィルム中には、種々の添加剤を含有せし
めることができる。たとえば、写真乳剤層を塗設したフ
ィルムに光がエッジから入射した時に起こるライトパイ
ピング現象(ふちかぶり)を防止する目的として、該ポ
リエステルフィルム中に染料を添加することもできる。
フィルム染料は、種類は特に限定されないが、ポリエス
テルフィルム製膜工程上、耐熱性に優れたものが好まし
く、例えば、アンスラキノン系化学染料などが挙げられ
る。また、フィルム色調としては、一般の感光材料に見
られるようにグレー染色が好ましく、1種類もしくは2
種類以上の染料を混合して用いても良い。
【0023】本発明の写真用支持体を構成するポリエス
テルフィルムが積層構造からなる場合には、共重合ポリ
エステルと一緒に用いられるポリエステルは、芳香族二
塩基酸とグリコールを主構成成分とするポリエステルで
あり二塩基酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸などがあり、グリコー
ルとしてはエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4
−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコー
ル、p−キシレングリコールなどがある。なかでもテレ
フタル酸とエチレングリコールを主構成成分とするポリ
エチレンテレフタレートが好ましい。また、ポリエステ
ル本来の優れた性質を損なわない範囲で、これらの主た
る繰り返し単位が85モル%以上の共重合体であっても良
いし、他のポリマーがブレンドされていても良い。好ま
しいポリエステルの固有粘度としては特に限定されない
が0.40〜0.80である。
【0024】本発明の写真用支持体に用いられるポリエ
ステルフィルムは、本発明の共重合ポリエステルの単一
の層からなっていても良いし、少なくとも1層のポリエ
ステルと少なくとも1層の共重合ポリエステルが二層、
三層と何層積層されていても構わない。
【0025】積層構造の場合には、製造設備が複雑化す
る等の点から一般的には二層又は三層が好ましい。本発
明の支持体を構成するポリエステルフィルムが三層の場
合には内層にポリエステル層、外層に本発明の共重合ポ
リエステル層でもよいし、内層に本発明の共重合ポリエ
ステル層、外層にポリエステル層でもよい。好ましく
は、内層にポリエステル層、外層に本発明の共重合ポリ
エステル層である。
【0026】各層の厚さは、用いるポリエステル及び本
発明の共重合ポリエステルによって適宜決定しうるが、
写真用支持体に対する優位性、パーフォレーション穿孔
性、巻きぐせ解消性を考慮して好ましくはポリエステル
層の厚みd1 に対する共重合ポリエステル層の厚みの総
和d2 の比が 0.7≦d2 /d1 ≦3、さらに好ましくは
1≦d2 /d1 ≦2であり、ポリエステル層一層の厚さ
は好ましくは50μm以下、さらに好ましくは40μm以下
である。
【0027】積層された支持体の厚みの総和は特に限定
されないが40〜 130μm、特に65〜100μmが好まし
い。
【0028】また、積層する場合には、フィルムの取扱
い状の点から該フィルムに巾手方向のカールを有するこ
とが好ましく、該フィルムがポリエステルと共重合ポリ
エステル層が積層されている場合には、二層、三層構成
が好ましい。三層構成の場合は外層二層の厚みは異なる
ことが好ましく、写真用支持体としては5〜30m-1、更
に好ましくは5〜20m-1である。
【0029】また、本発明のフィルムが共重合ポリエス
テルの単一層からなる場合には、単一層ポリエステルフ
ィルムを二軸延伸後に、有機溶剤、例えばトルエン、フ
ェノール、ヘキサン等の溶剤でフィルムの片面を浸透処
理後、熱処理、乾燥を行い巾手カールを付与することが
できる。
【0030】本発明の共重合ポリエステルからなる単一
層のポリエステルフィルムの製造方法について説明す
る。未延伸シートを得る方法は従来公知の方法でよく、
例えば得られた樹脂を十分乾燥後、フィルターおよび口
金などを通じてシート状に溶融押出し、回転する冷却ド
ラム上にキャストして冷却固化する方法が挙げられる。
【0031】出来上がったシートを二軸延伸する方法と
しては例えば、次の(A)〜(C)のプロセスが採用で
きる。 (A)未延伸シートをまず縦方向に延伸し、次いで横方
向に延伸する方法。 (B)未延伸シートをまず横方向に延伸し、次いで縦方
向に延伸する方法。 (C)未延伸シートを1段または多段で縦方向に延伸し
た後、再度縦方向に延伸し、次いで横方向に延伸する方
法。
【0032】上記延伸は、フィルム支持体の機械的強
度、寸法安定性等を満足させるために面積比で4〜16倍
の範囲で行われることが好ましい。また熱固定は 150〜
240℃の温度範囲で行うことができる。
【0033】また、ポリエステル層、共重合ポリエステ
ル層の積層からなる本発明の写真用支持体の製造方法と
しては、例えばポリエステルと本発明の共重合ポリエス
テルを別々の押出機から溶融押出した後、溶融ポリマー
の導管内または押出口金内において層流状で多層に接合
せしめて押出、冷却ドラム状で冷却固化し未延伸フィル
ムを得た後、二軸延伸し熱固定する方法、もしくはポリ
エステル又は共重合ポリエステル単体及び、積層フィル
ムを押出機から溶融押出し、冷却ドラム上で冷却固化し
た未延伸フィルムまたは該未延伸フィルムを一軸延伸し
た一軸配向フィルムの面に、必要に応じてアンカー剤、
接着剤等をコーティングした後その上にポリエステル又
は共重合ポリエステル単体及び、積層フィルムをエクス
トルージョンラミネートし、次いで二軸延伸を完了した
後熱固定するエクストルージョンラミネート方法などが
あるが、工程の簡易性から共押出法が好ましい。
【0034】この場合フィルムの延伸条件は特に限定さ
れないが、一般的にはポリエステル層、または共重合ポ
リエステル層のガラス転移温度(Tg)の高い方のTg
からTg+ 100℃の温度範囲で二軸方向に上記単層ポリ
エステル層の延伸方法と同様にA,B,Cの方法を採る
ことができる。延伸倍率は面積比で4〜16倍の範囲で行
われることが好ましい。また熱固定は 150〜 240℃の温
度範囲で行うことができる。
【0035】本発明の写真用支持体は、現在知られてい
る各種用途に適用可能であるが、特にロール状フィルム
に用いられる写真用支持体に有用である。
【0036】本発明のポリエステルフィルムからなる写
真用支持体は、少なくとも一方の側に、少なくとも一層
以上のハロゲン化銀乳剤層を有することにより、ハロゲ
ン化銀写真感光材料を構成する。乳剤層は、支持体の片
面に少なくとも一層設けられていることもあるし、支持
体の両面に少なくとも一層、または二層以上設けられて
いることもある。また、前述したように積層及び下引処
理等により本発明内の、巾手のカールを有する支持体の
場合には、支持体の凸面側に、少なくとも一層以上のハ
ロゲン化銀乳剤層を有する。そして、このハロゲン化銀
乳剤層は支持体上に直接塗設されるか、あるいは他の層
例えばハロゲン化銀乳剤を含まない親水性コロイド層を
介して塗設されることができ、さらにハロゲン化銀乳剤
層の上には、保護層としての親水性コロイド層を塗設し
てもよい。またハロゲン化銀乳剤層は、異なる感度、例
えば高感度及び低感度の各ハロゲン化銀乳剤層に分けて
塗設してもよい。この場合、各ハロゲン化銀乳剤層の間
に、中間層を設けてもよい。すなわち必要に応じて親水
性コロイドから成る中間層を設けてもよい。またハロゲ
ン化銀乳剤層と保護層との間に、中間層、保護層、アン
チハレーション層、バッキング層などの非感光性親水性
コロイド層を設けてもよい。
【0037】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
るハロゲン化銀としては、任意の組成のものを使用でき
る。例えば塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、純臭化銀も
しくは沃臭化銀がある。
【0038】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤に
は、増感色素、可塑剤、帯電防止剤、界面活性剤、硬膜
剤などを加えることもできる。
【0039】本発明のハロゲン化銀写真感光材料を現像
処理するには、例えば、T.H.ジェームス著ザ・セオ
リー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス第4版
(Theory of the Photographic Process, Fourth Editi
on)第 291頁〜 334頁及びジャーナル・オブ・ザ・アメ
リカン・ケミカル・ソサエティ(Journal of the Ameri
can Chemical Society)第73巻、第3100頁(1951)に記
載されているごとき現像剤が使用し得るものである。
【0040】本発明における物性値の評価方法を以下に
記す。 [評価方法] 《固有粘度》ウベローデ型粘度計を用いて行った。混合
溶媒としてのフェノールと1,1,2,2−テトラクロ
ロエタンの重量比約55:45(流下時間42.0± 0.1秒に調
整)のものを用い、サンプル濃度 0.2, 0.6, 1.0(g
/dl)の溶液(温度20℃)を作製した。ウベローデ型粘
度計によって、それぞれの濃度(C)における比粘度
(ηsp)を求め、次式
【0041】
【数1】 により濃度零に外挿し固有粘度[η]を求めた。
【0042】なお、感光材料作製後、感光材料の支持体
に塗設された、両側のハロゲン化銀乳剤層及び/または
ゼラチンバック層等を、パンクレアチン、または次亜塩
素酸ナトリウム水溶液を使用して剥離した支持体を同様
に切り出し評価しても、ほぼ同じ固有粘度が得られる。
また、感光材料作製後にこのようにして剥離後、積層フ
ィルムの場合は、顕微鏡等で観察しながらそれぞれのポ
リエステル層を削り取った後、これを溶かし固有粘度を
測定した。
【0043】
【実施例】以下に本発明の具体的実施例を述べるが、本
発明の実施の態様はこれらに限定されない。
【0044】実施例1 テレフタル酸ジメチル 100重量部、エチレングリコール
64重量部にエステル交換触媒として酢酸マンガンを0.05
重量部添加し、常法によりエステル交換反応を行った。
得られた生成物に5−ナトリウムスルホ−ジ(β−ヒド
ロキシエチル)イソフタル酸(略称;SIP)のエチレ
ングリコール溶液(濃度35重量%)22重量部(4モル%
/全酸成分)、ポリエチレングリコール(略称:PE
G)(数平均分子量:1000)11重量部( 8.5重量%/ポ
リマー)、酢酸ナトリウム0.05重量部、三酸化アンチモ
ン0.05重量部、リン酸トリメチルエステル0.13重量部、
酸化防止剤としてイルガノックス1010(CIBA−
GEIGY社製)を生成物ポリマーに対して 0.5重量%
になるように添加した。次いで徐々に昇温、減圧にし、
270℃、0.5mmHg で重合を行い固有粘度0.45の共重合
ポリエステルを得た。
【0045】得られた共重合ポリエステルを 150℃で真
空乾燥した後、押出機を使用してTダイから 280℃でフ
ィルム状に溶融押し出しを行い、冷却ドラム状で急冷し
て未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを80℃に
予熱し、縦延伸( 3.4倍)後、温度80℃にて横延伸(
3.4倍)し、さらに 210℃で熱固定を行い、膜厚90μm
の二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0046】該フィルムの物性値を表1に示した。
【0047】(感光材料の作成)得られた一層構成の二
軸延伸ポリエステルフィルムからなる支持体の両面に、
8W/(m2・min)のコロナ放電処理を施し、一方の面
に下記下引塗布液B−3を乾燥膜厚 0.8μmになるよう
に塗布して下引層B−3を形成し、また支持体の他方の
面に下記下引塗布液B−4を乾燥膜厚 0.8μmになるよ
うに塗布して下引層B−4を形成した。
【0048】 <下引塗布液B−3> ブチルアクリレート30重量%、t−ブチルアクリレート20重量%、スチ レン25重量%、および2−ヒドロキシエチルアクリレート25重量%の共 重合体ラテックス液(固形分30%) 270 g 化合物(UL−1) 0.6 g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレン尿素) 0.8 g 水で仕上げる 1000ml
【0049】 <下引塗布液B−4> ブチルアクリレート40重量%、スチレン20重量%およびグリシジルアク リレート40重量%の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270 g 化合物(UL−1) 0.6 g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレン尿素) 0.8 g 水で仕上げる 1000ml
【0050】更に、下引層B−3および下引層B−4の
上に8W/(m2・min)のコロナ放電を施し、下引層B
−3の上には、下記塗布液B−5を乾燥膜厚 0.1μmに
なるように塗布して下引層B−5を形成し、下引層B−
4の上には、下記塗布液B−6を乾燥膜厚 0.8μmにな
るように塗布して帯電防止機能を持つ下引層B−6を形
成した。
【0051】 <塗布液B−5> ゼラチン 10 g 化合物(UL−1) 0.2 g 化合物(UL−2) 0.2 g 化合物(UL−3) 0.1 g シリカ粒子(平均粒径:3μm) 0.1 g 水で仕上げる 1000ml
【0052】 <塗布液B−6> 水溶性導電性ポリマー(UL−4) 60 g 化合物(UL−5)を成分とするラテックス液(固形分20%) 80 g 硫酸アンモニウム 0.5 g 硬化剤(UL−6) 12 g ポリエチレングリコール(重量平均分子量600) 6 g 水で仕上げる 1000ml 使用した化合物(UL−1〜6)の構造は、まとめて後
掲する。
【0053】下引層B−5の上に25W/(m2・min)
のコロナ放電を施し、又、下引層B−6の上に8W/
(m2・min)のコロナ放電を施した。さらに下記の乳剤
層等を前記下引き層B−5の上に、下記のバック層の塗
布液を下引き層B−6の上に、順次に形成してハロゲン
化銀写真感光材料を作成した。なお、以下の<バック層
>および<乳剤層>における数量の表示は、m2当たりの
量を示す。
【0054】 <バック層> 第1層; ゼラチン 4.5 g ナトリウム−ジ−(−2−エチルヘキシル)−スルホサクシネート 1.0 g トリポリ燐酸ナトリウム 76mg クエン酸 16mg カルボキシアルキルデキストラン硫酸エステル 49mg ビニルスルホン型硬膜剤 23mg
【0055】 第2層(最外層); ゼラチン 1.5 g ポリマービーズ (平均粒子径:3μm、ポリメチルメタアクリレート) 24mg ナトリウム−ジ−(−2−エチルヘキシル)−スルホサクシネート 15mg カルボキシアルキルデキストラン硫酸エステル 12mg ビニルスルホン型硬膜剤 30mg フッ素系界面活性剤 (SB−2およびSB−3 モル比1:1) 45mg 化合物 SB−1 230mg
【0056】 <乳剤層> 第1層;ハレーション防止層(HC) 黒色コロイド銀 0.15 g UV吸収剤(UV−1) 0.20 g 化合物(CC−1) 0.02 g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.20 g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.20 g ゼラチン 1.6 g
【0057】 第2層;中間層(IL−1) ゼラチン 1.3 g 第3層;低感度赤感性乳剤層(R−L) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.3μm、平均ヨード含有量 2.0モル%) 0.4 g 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.4μm、平均ヨード含有量 8.0モル%) 0.3 g 増感色素(S−1) 3.2×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−2) 3.2×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−3) 0.2×10-4(モル/銀1モル) シアンカプラー(C−1) 0.50 g シアンカプラー(C−2) 0.13 g カラードシアンカプラー(CC−1) 0.07 g DIR化合物(D−1) 0.006g DIR化合物(D−2) 0.01 g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.55 g ゼラチン 1.0 g
【0058】 第4層;高感度赤感性乳剤層(RH) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.7μm、平均ヨード含有量 7.5モル%) 0.9 g 増感色素(S−1) 1.7×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−2) 1.6×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−3) 0.1×10-4(モル/銀1モル) シアンカプラー(C−2) 0.23 g カラードシアンカプラー(CC−1) 0.03 g DIR化合物(D−2) 0.02 g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.25 g ゼラチン 1.0 g
【0059】 第5層;中間層(IL−2) ゼラチン 0.8 g 第6層;低感度緑感性乳剤層(GL) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.4μm、平均ヨード含有量 8.0モル%) 0.6 g 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.3μm、平均ヨード含有量 2.0モル%) 0.2 g 増感色素(S−4) 6.7×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−5) 0.8×10-4(モル/銀1モル) マゼンタカプラー(M−1) 0.17 g マゼンタカプラー(M−2) 0.43 g カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.10 g DIR化合物(D−3) 0.02 g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.7 g ゼラチン 1.0 g
【0060】 第7層;高感度緑感性乳剤層(GH) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.7μm、平均ヨード含有量 7.5モル%) 0.9 g 増感色素(S−6) 1.1×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−7) 2.0×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−8) 0.3×10-4(モル/銀1モル) マゼンタカプラー(M−1) 0.30 g マゼンタカプラー(M−2) 0.13 g カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.04 g DIR化合物(D−3) 0.004g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.35 g ゼラチン 1.0 g
【0061】 第8層;イエローフィルター層(YC) 黄色コロイド銀 0.1 g 添加剤(HS−1) 0.07 g 添加剤(HS−2) 0.07 g 添加剤(SC−1) 0.12 g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.15 g ゼラチン 1.0 g
【0062】 第9層;低感度青感性乳剤層(BL) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.3μm、平均ヨード含有量 2.0モル%) 0.25 g 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.4μm、平均ヨード含有量 8.0モル%) 0.25 g 増感色素(S−9) 5.8×10-4(モル/銀1モル) イエローカプラー(Y−1) 0.6 g イエローカプラー(Y−2) 0.32 g DIR化合物(D−1) 0.003g DIR化合物(D−2) 0.006g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.18 g ゼラチン 1.3 g
【0063】 第10層;高感度青感性乳剤層(BH) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.8μm、平均ヨード含有量 8.5モル%) 0.5 g 増感色素(S−10) 3×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−11) 1.2×10-4(モル/銀1モル) イエローカプラー(Y−1) 0.18 g イエローカプラー(Y−2) 0.10 g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.05 g ゼラチン 2.0 g
【0064】 第11層;第1保護層(PRO−1) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.08μm) 0.3 g 紫外線吸収剤(UV−1) 0.07 g 紫外線吸収剤(UV−2) 0.10 g 添加剤(HS−1) 0.2 g 添加剤(HS−2) 0.1 g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.07 g 高沸点溶媒(Oil−3) 0.07 g ゼラチン 0.8 g
【0065】 第12層;第2保護層(PRO−2) 化合物(化合物A) 0.04 g 化合物(化合物B) 0.004g ポリメチルメタアクリレート(平均粒径:3μm) 0.02 g メチルメタアクリレート:エチルメタアクリレート:メタアクリル酸 =3:3:4(重量比)の共重合体(平均粒径:3μm) 0.13 g ゼラチン 0.7 g
【0066】第10層に使用した沃臭化銀乳剤は以下の方
法で調製した。 ―沃臭化銀乳剤の調製― 平均粒径0.33μmの単分散沃臭化銀粒子(沃化銀含有率
2mol%)を種結晶として、沃臭化銀乳剤をダブルジェ
ット法により調製した。
【0067】下記組成の溶液<G−1>を温度70℃、
pAg 7.8、pH 7.0に保ち、よく撹拌しながら0.34モ
ル相当の種乳剤を添加した。
【0068】(内部高沃度相−コア相−の形成)その
後、下記組成の溶液<H−1>と下記組成の溶液<S−
1>とを1:1の流量比を保ちながら、加速された流量
(終了時の流量が初期流量の 3.6倍)で86分をかけて
添加した。
【0069】(外部低沃度相−シェル相−の形成)続い
て、pAg10.1、pH 6.0に保ちながら、<H−2>と
<S−2>とを1:1の流量比で加速された流量(終了
時の流量が初期流量の 5.2倍)で65分を要して添加し
た。
【0070】粒子形成中のpAgとpHとは、臭化カリ
ウム水溶液と56%酢酸水溶液とを用いて制御した。粒
子形成後に、常法のフロキュレーション法によって水洗
処理を施し、その後ゼラチンを加えて再分散し、40℃
にてpHおよびpAgをそれぞれ 5.8および8.06に調製
した。
【0071】得られた乳剤は、平均粒径0.80μm、分布
の広さが12.4%、沃化銀含有率8.5mol%の八面体沃臭化
銀粒子を含む単分散乳剤であった。
【0072】 <G−1> オセインゼラチン 100.0 g 下記化合物−Iの10重量%メタノール溶液 25.0ml 28%アンモニア水溶液 440.0ml 56%酢酸水溶液 660.0ml 水で仕上げる 5000.0ml *化合物−I:ポリプロピレンオキシ・ポリエチレンオキシ・ジ琥珀酸・ナトリ ウム
【0073】 <H−1> オセインゼラチン 82.4 g 臭化カリウム 151.6 g 沃化カリウム 90.6 g 水で仕上げる 1030.5ml
【0074】 <S−1> 硝酸銀 309.2 g 28%アンモニア水溶液 当量 水で仕上げる 1030.5ml
【0075】 <H−2> オセインゼラチン 302.1 g 臭化カリウム 770.0 g 沃化カリウム 33.2 g 水で仕上げる 3776.8ml
【0076】 <S−2> 硝酸銀 1133.0 g 28%アンモニア水溶液 当量 水で仕上げる 3776.8ml
【0077】第10層以外の乳剤層に使用される沃臭化
銀乳剤についても、同様の方法で、種結晶の平均粒径、
温度、pAg、pH、流量、添加時間、およびハライド
組成を変化させて、平均粒径および沃化銀含有率が異な
る前記各乳剤を調製した。
【0078】いずれも分布の広さ20%以下のコア/シ
ェル型単分散乳剤であった。各乳剤は、チオ硫酸ナトリ
ウム、塩化金酸およびチオシアン酸アンモニウムの存在
下にて最適な化学熟成を施し、増感色素、4−ヒドロキ
シ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデ
ン、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールを加え
た。
【0079】なお、上述の感光材料は、さらに、化合物
Su−1、Su−2、粘度調整剤、硬膜剤H−1、H−
2、安定剤ST−1、カブリ防止剤AF−1、AF−2
(重量平均分子量10,000のもの及び 1,100,000のも
の)、染料AI−1,AI−2および化合物DI−1
( 9.4mg/m2)を含有する。
【0080】ハロゲン化銀写真感光材料を形成するのに
用いた各化合物の構造を以下に示す。
【0081】
【化1】
【0082】
【化2】
【0083】
【化3】
【0084】
【化4】
【0085】
【化5】
【0086】
【化6】
【0087】
【化7】
【0088】
【化8】
【0089】
【化9】
【0090】
【化10】
【0091】
【化11】
【0092】[評価方法]作製したハロゲン化銀写真感
光材料について以下の評価を行ない表1に示した。(試
料No.1)
【0093】《パーフォレーション穿孔性》巾35mm、長
さ 120cmの感光材料を20本使用した。パーフォレーショ
ン穿孔機を用いて穿孔し、すべての穿孔数に対する不良
穿孔数の割合を調べた。次の3段階で評価した。写真用
としては△のグレード以上であれば問題ないが好ましく
は○以上である。 ○:穿孔不良発生率2%未満 △:穿孔不良発生率2〜5% ×:穿孔不良発生率5%以上
【0094】《現像処理機搬送適性》上記のパーフォレ
ーション穿孔済みの感光材料を20本使用した。直径10.8
mmの巻芯に巻き、55℃、20RH%にて4時間熱処理を行
った。その後、巻芯から解放し、市場で用いられている
フィルムスプライサー処理機(PS−35−2:ノーリ
ツ鋼機社製)でつないだ後、フィルム自動現像処理機
(NCV60:ノーリツ鋼機社製)で通常の現像処理を
した。
【0095】次の2段階で評価した。実用上、自動現像
機内でのフィルムの折れは絶対に発生してはならず○の
グレードが必要である。 ○:折れの発生なし ×:折れ有り
【0096】《巻きぐせ解消性》上記20本の中から無作
為に5本選び評価をした。現像処理後23℃、55%の雰囲
気下で、フィルムの巻外をつかんで吊るし1日間調湿し
た。自然に垂らしたときの巻芯に相当する先端から12cm
の部分の長さを測定し元の長さに対する割合を求め、5
本の平均からつぎの3段階で評価した。写真フィルム性
能上、○のグレード以上が好ましい。 ◎:70%以上 ○:50〜70% ×:50%未満 なお、現像処理機で一部折れが発生したものについて
は、折れが発生しなかったサンプルを用いて評価した。
【0097】《熱安定性》巾35mm、長さ 120cmの感光材
料を、65℃、20RH%の条件下で3日間熱処理を行っ
た。その後、感光させずにそのままフィルムをつなぎ、
市場で用いられているフィルム自動現像処理機(NCV
60:ノーリツ鋼機社製)で通常の現像処理をした。
【0098】その感光材料の一部を2cm×2cmの大きさ
に切りとり、JIS−K6714に従ってヘーズを測定し
た。
【0099】次いで市販のカラーフィルム(支持体TA
C)に同様の処理を行いヘーズを測定した。上記感光材
料のヘーズと市販のカラーフィルムのヘーズとの差を求
め下記に示す三段階評価を行った。 ○:ヘーズの差が 0.5%以内 △:ヘーズの差が 1.0%以内 ×:ヘーズの差が 1.0%より大きい なお△のレベル以上であれば、実用上問題のないレベル
である。
【0100】実施例2 実施例1のポリエチレングリコールの数平均分子量を表
1に示すようにした以外は同様にして表1に示す共重合
ポリエステルを得た。実施例1と同様に膜厚90μmの支
持体を得た後、同じく乳剤層、バック層を塗設して感光
材料を作成し同様に評価した測定結果を表1に示す。
(試料No.2〜7)
【0101】本発明の固有粘度、及びポリアルキレング
リコールの分子量が規定内のものは、現像処理前、処理
中の処理機器適性に優れ、また巻きぐせ解消性に優れる
上、高温下における保存の際ヘーズの増加は認められず
熱安定性に優れていることがわかる。また、得られた感
光材料は他に問題もなく写真用としては優れているもの
であった。
【0102】実施例3 テレフタル酸ジメチル 100重量部、エチレングリコール
64重量部に5−ナトリウムスルホ−ジ(β−ヒドロキシ
エチル)イソフタル酸(略称;SIP)のエチレングリ
コール溶液(濃度35重量%)22重量部(4モル%/全エ
ステル結合)、ポリエチレングリコール(略称:PE
G)(数平均分子量:1000)11重量部( 8.5重量%/ポ
リマー)及び酢酸ナトリウム0.05重量部、リン酸トリメ
チルエステル0.13重量部、酸化防止剤としてイルガノッ
クス1010(CIBA−GEIGY社製)を生成物ポ
リマーに対して 0.5重量%になるように添加し混合し
た。次いで、攪拌しながら触媒として酢酸マンガンを0.
05重量部、三酸化アンチモン0.05重量部を添加した。
【0103】その後徐々に昇温、 170℃にて窒素雰囲気
下で、メタノールを蒸留後減圧にし、 270℃、0.5mmHg
で重合を行い表1に示される固有粘度の共重合ポリエ
ステルを得た。実施例1と同様に膜厚90μmの支持体を
得た後、同じく乳剤層、バック層を塗設して感光材料を
作成し同様に評価した測定結果を表1に示す。(試料N
o.8〜10)
【0104】本発明とは異なり、共重合成分をエステル
交換前に添加した混合物を用いて溶融重合を行った場合
は、固有粘度、及びポリアルキレングリコールの分子量
を本発明と同様に規定内にしても、現像処理前、処理中
の処理機器適性には優れているが、本発明と比較する
と、まだ巻きぐせ解消性は不十分であるし、高温下にお
ける保存の際ヘーズの増加は認められ熱安定性に劣り写
真用支持体としては実用に耐えないことがわかる。
【0105】実施例4 実施例1と同様に重合を行い、共重合ポリエステル樹脂
の固有粘度として表1に示される共重合ポリエステルを
得た。実施例1と同様に膜厚90μmの支持体を得た後、
同じく乳剤層、バック層を塗設して感光材料を作成し同
様に評価した測定結果を表1に示す。(試料No.11〜1
5)
【0106】本発明の固有粘度、及びポリアルキレング
リコールの分子量が規定内のものは、現像処理前、処理
中の処理機器適性に優れ、また巻きぐせ解消性に優れる
上、熱安定性に優れ好ましいことがわかる。一方、固有
粘度が本発明外のものは現像処理前のパーフォレーショ
ン穿孔性に劣る。
【0107】実施例5 トリアセチルセルロース(TAC)膜厚90μmを用いて
実施例1と同様に乳剤層、バック層を塗設して感光材料
を作成し同様に評価した測定結果を表1に示す。(試料
No.16)
【0108】前述の実施例を合わせると、これよりTA
Cは 100μm以下になると強度が低下し、現像処理器に
おいては折れが発生し実用に耐えないが、本発明の支持
体を用いた場合は薄膜化しても強度を保持しつつ現像前
と処理中の処理機器特性に優れ、かつ取扱性に優れ写真
用支持体としては有用である事がわかる。
【0109】実施例6 実施例1のSIPとPEGの添加量(表2参照)を変更
する他は、同様にして共重合成分として表2に示す組成
比の重合体を得た。実施例1と同様に膜厚90μmの支持
体を得た後、同じく乳剤層、バック層を塗設して感光材
料を作成し同様に評価した測定結果を表2に示す。(試
料No.17〜23)
【0110】実施例7 実施例1で得られた共重合ポリエステル及び市販のポリ
エチレンテレフタレート(固有粘度0.65)を各々150 ℃
で真空乾燥した後、3台の押出機を用い 285℃で溶融押
出し、3層各層が表3に示す素材からなるようにTダイ
内で層状に接合し、冷却ドラム状で急冷固化させ、積層
未延伸フィルムを得た。この時、各素材の押出量を調整
し各層の厚さを表3に示すように変化した。次いで85℃
で縦延伸( 3.4倍)後、更に温度95℃にて横延伸( 3.4
倍)した後、 210℃で熱固定を行い、膜厚80μmの二軸
延伸フィルムを得た。同じく乳剤層、バック層を塗設し
て感光材料を作成し同様に評価した測定結果、及び現像
処理後23℃、55%RH雰囲気下における乳剤層側が凹面
のときを正として巾手のカールを測定した結果を表3に
示す。(試料No.24〜26)
【0111】併せて実施例1の試料No.1の巾手カール
を測定したところ、30m-1であった。
【0112】巾手カールはハロゲン化銀感光材料層にス
リ傷がつくのを防止し、取扱性を考えると市販のカラー
フィルム(TAC支持体)と同様に、感光材料としては
23℃、55%RH雰囲気下において感光材層が凹面の8〜
20m-1程度が好ましい。
【0113】実施例8 実施例1と同じ組成の共重合ポリエステル、及び市販の
ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65)を各々 1
50℃で真空乾燥した後、2台の押出機を用い、2層各層
が表3に示す素材からなるように行った以外は実施例1
の方法と同様にして、膜厚80μmの二軸延伸フィルムを
得た。実施例1と同じく乳剤層、バック層を塗設して感
光材料を作成し同様に評価した測定結果、及び23℃、55
%RH雰囲気下における巾手のカールを測定した結果を
表3に示す。(試料No.27)また、固有粘度は、顕微鏡
観察を行いながら各層の共重合ポリエステルを削り取っ
て評価した。全て0.55(dl/g)であった。
【0114】
【表1】
【0115】
【表2】
【0116】
【表3】
【0117】
【発明の効果】本発明の固有粘度、及びポリアルキレン
グリコールの分子量が規定内のものは、積層フィルムに
おいても、現像処理前、処理中の処理機器適性に優れ、
また巻きぐせ解消性に優れる上、高温下における保存の
際ヘーズの増加は認められず熱安定性に優れていること
がわかる。さらに、単層フィルムよりも薄膜化しても処
理中の処理機器適性に優れているし、巾手カールを好ま
しい範囲で有し取扱性に優れていることがわかる。
【0118】得られた感光材料は他に問題もなく写真用
としては優れているものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒木 弘光 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株 式会社内 (72)発明者 中西 謙治 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株 式会社内 (72)発明者 大久保 義興 山口県防府市惣社町2−33−5 (72)発明者 橋村 鉄太郎 山口県防府市新田1751−15 (72)発明者 内藤 寛 山口県山口市大字吉敷2265−5 (56)参考文献 特開 昭60−19522(JP,A) 特開 平3−265843(JP,A) 特開 平1−236247(JP,A) 特開 平3−264355(JP,A) 特開 平4−151244(JP,A) 国際公開92/132021(WO,A1) 日本写真学会編,写真工学の基礎−銀 塩写真編−,日本,コロナ社,1979年 1月30日,p.226−227 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 1/795,1/81

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属スルホネート基を有する芳香族ジカ
    ルボン酸の共重合成分(A)を全エステル結合に対して
    2〜10モル%、及びポリアルキレングリコールの共重合
    成分(B)を全重量に対して2〜10重量%含有し、固有
    粘度が0.55以下である共重合ポリエステルからなるポリ
    エステルフィルムであり、該共重合ポリエステルが、上
    記共重合成分(A)及び(B)をグリコールと芳香族二
    塩基酸とがエステル交換された後に添加し溶融重合され
    たものであることを特徴とする写真用支持体。
  2. 【請求項2】 前記ポリエステルフィルムが共重合ポリ
    エステルの単一の層からなることを特徴とする請求項1
    記載の写真用支持体。
  3. 【請求項3】 前記ポリエステルフィルムが少なくとも
    一層の共重合ポリエステルと少なくとも一層のポリエス
    テルとの積層構成からなる請求項1記載の写真用支持
    体。
  4. 【請求項4】 前記ポリアルキレングリコールがポリエ
    チレングリコールである請求項1,2又は3記載の写真
    用支持体。
  5. 【請求項5】 前記ポリアルキレングリコールの数平均
    分子量が 600〜5000である請求項1,2又は3記載の写
    真用支持体。
  6. 【請求項6】 該共重合ポリエステルが、酸化防止剤を
    含有する請求項1〜5のいずれか1に記載の写真用支持
    体。
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日本写真学会編,写真工学の基礎−銀塩写真編−,日本,コロナ社,1979年 1月30日,p.226−227

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