JPH06115034A - 積層フィルムおよび写真用支持体 - Google Patents

積層フィルムおよび写真用支持体

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JPH06115034A
JPH06115034A JP29216392A JP29216392A JPH06115034A JP H06115034 A JPH06115034 A JP H06115034A JP 29216392 A JP29216392 A JP 29216392A JP 29216392 A JP29216392 A JP 29216392A JP H06115034 A JPH06115034 A JP H06115034A
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Japan
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film
laminated film
layer
polyester
layers
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Application number
JP29216392A
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English (en)
Inventor
Takatoshi Yajima
孝敏 矢島
Hiromitsu Araki
弘光 荒木
Hideyuki Kobayashi
英幸 小林
Kenji Nakanishi
謙治 中西
Yoshioki Okubo
義興 大久保
Tetsutaro Hashimura
鉄太郎 橋村
Hiroshi Naito
寛 内藤
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Kanebo Ltd
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Kanebo Ltd
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械的強度が保持され、薄膜化が可能で、現
像処理後の巻きぐせが容易に取れ、しかも後加工時の塗
布故障の発生頻度の少ない積層フィルムおよび写真用支
持体を提供する。 【構成】 少なくとも2層のポリエステル層からなる積
層フィルムであり、該積層フィルムの熱処理後の巻ぐせ
カール度が 135m-1以下で、温水浴処理後の回復カール
度が45m-1以下であり、少なくともタテ方向の破断強度
が16kg/mm2以上であることを特徴とする積層フィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撮影や携行時に取り扱
いが便利な小型カメラに好適に使用することのできるハ
ロゲン化銀写真感光材料に適した積層フィルムおよび写
真用支持体に関し、さらに詳しくは、強度を低下させる
ことなく薄膜化することができ、しかも、巻きぐせ解消
性にも優れたハロゲン化銀写真感光材料に適した積層フ
ィルムおよび写真用支持体に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】最近、手
軽に撮影することができ、取り扱いや携帯にも便利な小
型カメラが実用化されている。携帯の便利さと手軽さと
を考えると、より一層の小型化が望まれるが、小型化を
追及するためには、内蔵される写真フィルムの収納スペ
ースをコンパクト化することが不可欠である。写真フィ
ルムとしては、通常、ロール状フィルムをスプールに巻
きつけた状態のものが使用される。したがって、写真フ
ィルム内蔵のためのスペースを小さくして、なおかつ一
定の撮影枚数(例えば36枚撮り)を確保するためには、
写真フィルム自体の厚さを薄くする必要がある。現行の
写真フィルムの支持体の厚みは120〜125μm程度であ
り、その上に積層される感光層の厚み(20μm程度)と
比べてもかなり厚いものである。したがって、この支持
体の厚みを薄くすることが、写真フィルム全体の厚みを
薄くする上で最も有効な手段と考えられる。
【0003】ロール状フィルムの代表的なものは、35mm
巾又はそれ以下の巾でスプールに結合され、パトローネ
に収められている。
【0004】ロール状フィルムは、JIS K7519-198
2に記載されている様に、フィルムのエッヂ部に、パー
フォレーションが施されている。カメラなどでのフィル
ム巻上げの際は、この部分に突起を引っかけて巻上げる
仕組となっている場合が多い。このパーフォレーション
部の強度(パーフォレーション強度)が弱いと、フィル
ムに裂けが生じるという問題が発生する。
【0005】一般にパーフォレーション強度は破断強度
と相関するものであり、破断強度が増大すればパーフォ
レーション強度も増大する。
【0006】ところで、従来使用されているプラスチッ
クフィルム支持体としては、トリアセチルセルロース
(TAC)などのトリアセテートフィルムとポリエチレ
ンテレフタレート(PET)などのポリエステルフィル
ムが代表的である。
【0007】PETフィルムは優れた生産性、機械的強
度、寸度安定性を有するため、Xレイ用フィルム、製版
用フィルムの如く、シート状の形態のフィルムに主に用
いられている。しかしながら写真感光材料として、広く
用いられているロール形態では、現像処理後も巻ぐせが
とれにくく、取り扱い性が悪いという欠点がある。
【0008】一方、ロールフィルムに主に用いられてい
るTACフィルムは、光学的に異方性が無く透明度が高
いという性質を有しており、さらに現像処理後に巻ぐせ
が解消するという優れた性質を有する。しかしながら、
TACフィルムはもともと機械的強度が弱く、写真フィ
ルムの支持体の厚みを現行より薄くすることは不可能で
ある。
【0009】PETフィルムの巻ぐせ解消性を改良する
方法としては、金属スルホネートを有する芳香族ジカル
ボン酸成分を共重合成分とすることにより親水性を付与
した共重合PETフィルムが提案されている(特開平1-
244446号)。
【0010】一般にポリエステルフィルムは、溶融押出
して未延伸シートとし、まず縦方向に延伸し、次いで横
方向に延伸し、さらに熱処理することにより得られる。
ところが上記共重合PETは、通常のPETに比較して
延伸性に著しく劣る為、十分に分子配向させることが難
しく、機械的強度、特に縦方向の機械的強度の劣ったフ
ィルムしか得られないという問題がある。さらにこの様
に十分に分子配向していないフィルムは、つづく後加工
工程、すなわち接着層、帯電防止層、易滑性層などの機
能性層の塗設工程において、スジ故障、くっつき故障、
塗布ムラ故障などの塗布故障の発生頻度が多くなり、著
しく生産性が劣るという問題もある。
【0011】塗布故障の発生頻度が多くなる理由につい
ては詳細不明であるが、フィルムが十分分子配向なされ
ていないと後加工時に受ける熱処理によって、フィルム
の平面性が損われ、塗設時の安定性が得られなくなる為
と考えられる。
【0012】本発明は、上記従来の課題に鑑みなされた
もので、その目的は、機械的強度が保持され、薄膜化が
可能で、現像処理後の巻ぐせが容易に取れ、しかも後加
工時の塗布故障の発生頻度の少ない積層フィルムおよび
写真用支持体を提供することにある。
【0013】
【前記課題を解決するための手段】前記課題を解決する
ために、請求項1の発明は、少なくとも2層のポリエス
テル層からなる積層フィルムであり、該積層フィルムの
熱処理後の巻ぐせカール度が 135m-1以下で、温水浴処
理後の回復カール度が45m-1以下であり、少なくともタ
テ方向の破断強度が16kg/mm2以上であることを特徴と
する積層フィルムであり、請求項2の発明は、少なくと
も2層のポリエステル層が互いに異なるポリエステル層
からなる積層フィルムであり、該積層フィルムの少なく
ともタテ方向の破断強度が16kg/mm2以上であることを
特徴とする積層フィルムであり、請求項3の発明は、少
なくとも3層の積層フィルムにおいて、隣り合わない少
なくとも2層のポリエステル層の厚みが互いに異なり、
該積層フィルムの少なくともタテ方向の破断強度が16kg
/mm2以上であることを特徴とする積層フィルムであ
り、請求項4の発明は、少なくとも3層の積層フィルム
において、隣り合わない少なくとも2層のポリエステル
層の固有粘度が互いに異なり、該積層フィルムの少なく
ともタテ方向の破断強度が16kg/mm2以上であることを
特徴とする積層フィルムであり、請求項5の発明は、前
記ポリエステル層が、共重合成分として金属スルホネー
ト基を有する芳香族ジカルボン酸を含有する共重合ポリ
エステル層を少なくとも1層有することを特徴とする前
記請求項1,2,3または4に記載の積層フィルムであ
り、請求項6の発明は、前記共重合ポリエステル層の他
に、少なくとも1層のポリエチレンテレフタレート層を
有する請求項5に記載の積層フィルムであり、請求項7
に記載の発明は、前記積層フィルムの少なくともタテ方
向の破断強度が20kg/mm2以上である請求項1,2,
3,4または5に記載の積層フィルムであり、請求項8
に記載の発明は、前記積層フィルムの少なくともヨコ方
向の破断強度が16kg/mm2以上である請求項1,2,
3,4,5または6に記載の積層フィルムであり、請求
項9に記載の発明は、前記積層フィルムが積層ポリエス
テルフィルムである請求項1〜8のいずれか1に記載の
積層フィルムであり、そして、請求項10に記載の発明
は、前記積層フィルムが写真用支持体である請求項1〜
9のいずれか1に記載の写真用支持体である。
【0014】この発明における共重合ポリエステルとし
ては、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸
を共重合成分とし、芳香族二塩基酸とグリコールとを主
構成成分とする共重合ポリエステルが好適例として挙げ
られる。
【0015】この芳香族二塩基酸としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等
を挙げることができ、前記グリコールとしてはエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、
ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール、p−キシリレングリコール等を挙げることが
できる。これらの中でも、芳香族二塩基酸としてテレフ
タル酸が好ましく、グリコールとしてはエチレングリコ
ールが好ましい。
【0016】前記金属スルホネート基を有する芳香族ジ
カルボン酸としては、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸、2−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホ−2,6
−ナフタレンジカルボン酸、もしくは、これらのエステ
ル形成性誘導体、およびこれらのナトリウムを他の金属
例えばカリウム、リチウムなどで置換した化合物を挙げ
ることができる。
【0017】本発明における共重合ポリエステルの金属
スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸は、これを
加水分解することにより検出され、その量は、巻ぐせを
十分に回復し、平面性がすぐれ、後加工時の塗布故障の
発生頻度の少ない写真用支持体を得るには全エステル結
合単位に対して2〜7モル%であることが好ましい。
【0018】この発明における共重合ポリエステルは、
共重合成分として金属スルホネート基を有する芳香族ジ
カルボン酸を有する限り、またこの発明の目的を阻害し
ない限りにおいて、ポリアルキレングリコールおよび/
または炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸を、さらに共
重合成分として含有するのが好ましい。
【0019】前記ポリアルキレングリコールとしては、
ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル等を挙げることができる。この内、ポリアルキレング
リコールの中でも、ポリエチレングリコールが好まし
い。また、その分子量としては、特に制限されないが、
通常300〜20,000であり、好ましくは600〜10,000、さら
に好ましくは1,000〜5,000である。
【0020】前記ポリアルキレングリコールの量は反応
生成物の全重量に対して、通常、3〜10重量%であるこ
とが好ましい。
【0021】炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸として
は、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等を挙げること
ができ、このうちアジピン酸が好ましい。
【0022】また、この発明における共重合成分として
金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸を有す
る共重合ポリエステルが脂肪族ジカルボン酸を共重合成
分として含有する場合に、この共重合ポリエステルを加
水分解することにより検出される脂肪族ジカルボン酸の
量は、通常、全エステル結合に対して3〜25モル%であ
る。
【0023】ポリアルキレングリコールおよび脂肪族ジ
カルボン酸の量が前記範囲内にあるように共重合ポリエ
ステル中にモノマーユニットとしてのポリアルキレング
リコールおよび脂肪族ジカルボン酸が含まれていると、
写真フィルムの巻き癖を容易に解消することができる。
【0024】本発明に使用される共重合ポリエステル
は、この発明の目的を阻害しない限り、全エステル結合
単位に対して0〜15モル%の範囲で、他の種類の共重合
成分を有していても良いし、他のポリマーがブレンドさ
れていても良い。
【0025】本発明の共重合成分として金属スルホネー
ト基を有する芳香族ジカルボン酸を含有する共重合ポリ
エステルは、その製造方法につき特に限定があるわけで
はないが例えばジカルボン酸成分とグリコール成分とを
エステル交換した後に、高温および減圧下にて重縮合す
る方法により好適に製造される。共重合成分の添加時期
は、特に制限はなく、エステル交換時、エステル交換終
了後いずれの段階でも良いがポリマーの着色を抑える点
からエステル交換終了後が好ましい。
【0026】この発明に使用される共重合ポリエステル
には、酸化防止剤を含有させることが好ましい。
【0027】この酸化防止剤はその種類につき特に限定
されるものではなく、具体的には、ヒンダードフェノー
ル系化合物、アリルアミン系化合物、ホスファイト系化
合物、チオエステル系酸化防止剤等を挙げることができ
る。これらの中でもヒンダードフェノール系化合物が好
ましい。
【0028】酸化防止剤の含有量は、写真性能を得るの
に、そして共重合ポリエステルの濁度減少のためには、
通常、共重合ポリエステルに対して0.01〜2重量%、好
ましくは0.1〜0.5重量%である。なお、これらの酸化防
止剤はその一種単独で使用することもできるし、またそ
の二種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0029】本発明の積層フィルムに用いられるポリエ
ステル層を構成するポリエステルは、芳香族二塩基酸と
グリコールを主構成成分とするポリエステルであり、芳
香族二塩基酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸などがあり、グリコールとしては
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、ジエチレングリコール、p−キシリ
レングリコールなどがある。ナフタレンジカルボン酸類
としては、ナフタレンジカルボン酸が挙げられ、なかで
も2,6−ナフタレンジカルボン酸が挙げられる。本発
明においては、テレフタル酸とエチレングリコールを主
構成成分とするポリエチレンテレフタレートが好まし
い。また、ポリエステル本来の優れた性質を損なわない
範囲で、これらの主たる繰返し単位が50モル%以上、好
ましくは85モル%以上の共重合ポリエステルであっても
よいし、他のポリマーがブレンドされていても良い。
【0030】本発明に用いられるポリエステル(共重合
ポリエステルも含む)はともに、重合段階でリン酸、亜
リン酸、およびそれらのエステルならびに無機粒子(例
えばシリカ、カオリン、炭酸カルシウム、リン酸カルシ
ウム、二酸化チタンなど)が含んでいても良いし、重合
後ポリマーに無機粒子などがブレンドされていても良
い。さらに重合段階、重合後のいずれかの段階で適宜染
料、紫外線吸収剤などを添加してもかまわない。
【0031】また、写真乳剤層を塗設した写真用支持体
に光がエッジから入射したときに起こるライトパイピン
グ現象(ふちかぶり)を防止する目的で、このポリエス
テル中に染料を含有させることが好ましい。このような
目的で配合される染料としては、その種類に特に限定が
あるわけではないが、フィルムの製膜工程上、耐熱性に
優れた染料が好ましく、例えばアンスラキノン系やペリ
ノン系の化学染料などを挙げることができる。また、写
真用支持体の色調としては、一般の感光材料に見られる
ようにグレー染色が好ましく、一種類もしくは二種類以
上の染料を混合して用いることもできる。これらの染料
として、住友化学株式会社製のSUMIPLAST、三
菱化成株式会社製のDiaresin、Bayer社製
のMACROLEX等の染料を単独で、あるいは適宜に
混合して用いることができる。
【0032】本発明のフィルムは、上記異種または同種
のポリエステルから構成される少なくとも2層のポリエ
ステル層を有する積層フィルムである。
【0033】該積層フィルムは、2層構成の場合は積層
ポリエステルフィルムであり、又、3層以上の場合はポ
リエステル以外のポリマーからなる層が含まれていても
かまわないが、透明性や寸度安定性、あるいは生産性の
点で、積層ポリエステルフィルムであることが好まし
い。以後、説明を簡単にする為、特にことわりのない場
合は積層ポリエステルフィルムの例で説明する。
【0034】なお、本発明で言うポリエステル層とは、
厚み2ミクロン以上のもので、実質的に積層フィルムに
対し、力学的特性に寄与することが可能な層であり、接
着層や易滑性層などの表面を改質する様な、いわゆる下
引層は含まない。
【0035】積層フィルムを構成する層は何層積層して
もかまわないが製造設備が複雑化する等の点から一般的
には2層又は3層が好ましい。3層の場合は内層にポリ
エステル層、外層に共重合ポリエステル層でもよいし、
内層に共重合ポリエステル層、外層にポリエステル層で
もよいが、内層がポリエステル層で、外層が共重合ポリ
エステル層である場合が好ましい。
【0036】本発明の積層フィルムの各層の厚さは、用
いるポリエステル及び共重合ポリエステルによって適宜
決定しうるが、好ましくはポリエステル層の厚みd1
対する共重合ポリエステル層の厚みの総和d2 の比が
0.7≦d2/d1≦3、さらに好ましくは1≦d2/d1
2であり、ポリエステル層一層の厚さは巻きぐせ解消性
の点から好ましくは50μm以下、さらに好ましくは40μ
m以下である。積層された支持体の厚みの総和は特に限
定されないが、従来の写真用支持体に対して優位性のあ
る厚みと必要な強度を得るために、40〜130μm、特に6
5〜100μmが好ましい。
【0037】本発明において巻きぐせを付きにくくする
には、該フィルムに巾手方向のカールを付与することが
好ましく、5〜30m-1、更に好ましくは5〜20m-1であ
り、本発明のフィルムをロール状にして使用する際に、
該フィルムの凹面を巻外にしてロール状にすることで現
像処理後の巻ぐせが回復し易くなり、感光材料に適用し
た場合、各種処理機器適性が大巾に向上でき、さらに後
加工時においては、塗布安定性が向上する為、塗布故障
の発生頻度が非常に少なくなるという本発明の効果を得
ることができる。巾手カールがこの範囲で有れば、特に
乳剤層を塗設する際の取扱い性も優れ、特に写真用支持
体として優れたものを得ることができる。
【0038】巾手カールを付与するには、二層構成の場
合は、好ましくは該フィルムを形成する二層はポリエス
テル層からなることが好ましく、厚みは同じであっても
異なってもよいが、更に好ましくは該積層フィルムの上
下層のポリエステル種が主構成成分もしくは、主構成成
分量が異なるとか、共重合成分又は共重合成分量が異な
ることが好ましい。例えば、特に限定されないがポリエ
ステル層と共重合ポリエステル層、共重合ポリエステル
層と共重合ポリエステル層とからなっていてもよい。共
重合成分としては金属スルホネート基を有する芳香族ジ
カルボン酸を含有することが好ましく、更に、ポリアル
キレングリコール及び/又は飽和脂肪族ジカルボン酸を
含有することが好ましい。この場合、用いられる共重合
ポリエステル中の共重合成分としては、写真フィルムの
巻きぐせ解消性の点から、金属スルホネート基を有する
芳香族ジカルボン酸を全エステル結合に対して2〜7モ
ル%含有して、さらに共重合成分としてポリアルキレン
グリコールおよび/又は飽和脂肪族ジカルボン酸を該共
重合成分の全重量に対して3〜10重量%含有することが
特に好ましい。二層からなる場合はこれら上記項目を適
宜調節することによって、該積層フィルムに巾手方向の
カールを付与することができる。
【0039】三層構成の場合は外層二層はポリエステル
層からなることが好ましいが、本発明の効果を損なわな
ければ中央の層はポリエステル層であっても、他の素
材、特に限定されないがポリカーボネート、ポリエーテ
ル、ポリアミド、ポリイミド、ポリフタルアミド、ポリ
フタルイミドなどであってもよい。好ましくは三層全て
がポリエステル層からなることが好ましい。層構成とし
て好ましくは、外層の厚みは異なることが好ましく、外
層のそれぞれの層の厚みを厚いほうからdA,dBとした
場合、好ましくは、その比dA/dBは、とくに限定され
ないが、1.1≦dA/dB≦5、好ましくは 1.3≦dA/d
B≦3である。又、三層構成の場合は、外層の厚みは同
じであっても異なってもよいが、該積層フィルムの外層
である上下層のポリエステル種が主構成成分もしくは、
主構成成分量が異なるとか、共重合成分又は共重合成分
量が異なる、さらには固有粘度が異なることが好まし
い。この場合、用いられる共重合ポリエステル中の共重
合成分としては、金属スルホネート基を有する芳香族ジ
カルボン酸を全エステル結合に対して2〜7モル%含有
して、さらに共重合成分としてポリアルキレングリコー
ルおよび/又は飽和脂肪族ジカルボン酸を該共重合成分
の全重量に対して3〜10重量%含有することが特に好ま
しい。三層からなる場合はこれら上記の項目を適宜調節
することによって、該積層フィルムに巾手方向のカール
を付与することができる。固有粘度の差ΔIVが0.02〜
0.5、好ましくは0.05〜 0.4、特に好ましくは 0.1〜
0.3である。
【0040】また、前述の二層、三層を含め、かつ四層
以上の構成の場合は、本発明の該フィルムに巾手カール
を付与する為に必要なことは、該フィルムの全厚みを半
分に分割する面に対して、その面の上下で層構成が非対
称であれば巾手カールを付与することができる。ここで
いう非対称とは特に限定されないが、例えばポリエステ
ル層または他の素材からなる層の構成順序、ポリエステ
ル層または他の素材からなる層の厚さ、半分に分割する
面の上下でのポリエステル種の主構成成分量が異なると
か、共重合成分又は共重合成分量が異なるとか、さらに
は固有粘度が異なることも含まれる。
【0041】これら積層フィルムの非対称性を測定する
方法としては、各種分析機器を用いて行うことができ、
特に限定されないが、層構成についてはフィルムの断面
を顕微鏡観察、顕微鏡写真を撮影することができる。ま
た、該フィルムを顕微鏡観察を行いながら、各層を削り
取るか、フィルムを半分に分割する面まで、それぞれ上
下から削り取り上下の層それぞれの分析対象物を得て、
加水分解をおこない液体クロマトグラフィーとかNMR
とかの各種測定装置で測定してもよいし、分析対象物を
溶媒に溶解後にNMR、GPC(ゲルパーミションクロ
マトグラフィー)等、固有粘度を測定してもよいし、分
析対象物をそのまま粉末でX線分光機器、もしくはKB
r等に混ぜてIR(赤外分光機器)等の測定をすること
ができ、結果として絶対量、もしくはそれに相当する測
定結果のピークの位置、強度の違い等でも非対称性を測
定することができる。
【0042】本発明の積層フィルムは、二層の積層構成
からなる場合には、ポリエステル層と共重合ポリエステ
ル層の場合は通常共重合ポリエステル層側が凹面の巾手
カールを有するし、共重合ポリエステル層同士の場合は
膜厚、組成量を適宜調節することで巾手カールを調節す
ることができる。三層構成の場合には、外層に共重合ポ
リエステル層の場合には通常は前述のdA 側が凹面の巾
手カールを付与することができるし、内層に共重合ポリ
エステル層、外層にポリエステル層の場合には、通常d
B 側が凹面の巾手カールを付与することができる。ま
た、本発明のフィルムは二層、三層、四層以上であって
も、これらに限定されるわけでなく、適宜本発明の前述
の層構成、膜厚、共重合成分量等の前述の項目を適宜調
節して巾手カールを付与することにより本発明の効果を
得ることができる。
【0043】本発明の積層ポリエステルフィルムの製造
方法としては例えば異種または同種のポリエステルを別
々の押出機から溶解押出した後、溶融ポリマーの導管内
または押出口金内において層流状で接合せしめて押出
し、冷却ドラム上で冷却固化し、未延伸フィルムを得た
後二軸延伸し、熱固定する共押出し方法、もしくはポリ
エステルを押出機から溶融押出し、冷却ドラム上で冷却
固化した未延伸フィルムまたは該未延伸フィルムを一軸
延伸した一軸配向フィルムの面に、必要に応じてアンカ
ー剤、接着剤等をコーティングした後その上に異種ポリ
エステルをエクストルージョンラミネートし、次いで二
軸延伸を完了した後熱固定するエクストルージョンラミ
ネート方法などがあるが、工程の簡便性から共押出し方
法が好ましい。
【0044】未延伸シートを二軸延伸する方法としては
通常の逐次二軸延伸方法が採用できるが、必要に応じ例
えば、次の(A)〜(C)のプロセスを採用することも
有効である。 (A) 未延伸シートをまずタテ方向に延伸し、次いで
ヨコ方向に延伸し、再度タテ方向に延伸する方法。 (B) 未延伸シートをまずヨコ方向に延伸し、次いで
タテ方向に延伸する方法。 (C) 未延伸シートを1段または多段でタテ方向に延
伸した後、再度タテ方向に延伸し、次いでヨコ方向に延
伸する方法。
【0045】フィルムの延伸条件は特に限定されない
が、一般的にはポリエステル層の条件に適宜合わせるこ
とが好ましく、ガラス転移温度(Tg)からTg+100
℃の温度範囲で二軸方向にそれぞれ延伸倍率 2.5〜 6.0
倍の範囲で行なわれることが好ましい。また熱固定は結
晶化開始温度以上融点以下の温度範囲であれば良く、通
常150℃〜240℃の温度範囲で行なうことができる。
【0046】又、二軸配向完了前および/または完了後
のいずれの工程で帯電防止層、易滑性層、接着性層、バ
リアー性層などの機能性層を塗設してもよい。
【0047】この際、コロナ放電処理、薬液処理などの
各種表面処理を必要に応じて施すことができる。
【0048】この様にして得られる本発明の積層フィル
ムは、後に示す評価方法で測定されるところの熱処理後
の巻ぐせカール度が135m-1以下、好ましくは125m-1
下、温水浴処理後の回復カール度が45m-1以下、好まし
くは25m-1以下、少なくともタテ方向の破断強度が16kg
/mm2以上、好ましくは20〜30kg/mm2、さらにヨコ方向
の破断強度が16kg/mm2以上、好ましくは20〜30kg/mm2
である。
【0049】各特性値が上記範囲であることにより、現
像処理後の巻ぐせ回復性に優れ塗布故障の少ない良好な
フィルムが得られる。
【0050】なお、本発明の積層フィルムにおけるタテ
方向とは、フィルムをテープ状にスリットした時のスリ
ットした方向を意味し、通常は製膜時の押出方向と一致
する。ヨコ方向とはタテ方向に直交する方向を意味す
る。
【0051】この発明の積層フィルムは、特にロール状
にして用いられる写真フィルムの支持体として好適であ
る。
【0052】写真フィルムは、この発明の写真用支持体
を用いて次のような層構成を有する。
【0053】すなわち、写真フィルムは、この発明の写
真用支持体の少なくとも一方の表面にハロゲン化銀乳剤
層を少なくとも一層有する。換言すると、このハロゲン
化銀乳剤層は、写真用支持体の片面に少なくとも一層設
けられていることもあるし、写真用支持体の両面に少な
くとも一層設けられていることもある。そして、このハ
ロゲン化銀乳剤は写真用支持体上に直接に塗設される
か、あるいは、他の層、例えばハロゲン化銀乳剤を含ま
ない親水性コロイド層を介して塗設されることができ
る。
【0054】さらに、ハロゲン化銀乳剤層の上には、保
護層としての親水性コロイド層を塗設しても良い。ま
た、ハロゲン化銀乳剤層は、異なる感度、例えば高感度
および低感度の各ハロゲン化銀乳剤層に分けて塗設して
も良い。この場合、各ハロゲン化銀乳剤層の間に、中間
層を設けても良い。すなわち、必要に応じて親水性コロ
イドからなる中間層を設けても良い。また、ハロゲン化
銀乳剤層と保護層との間に、中間層、保護層、アンチハ
レーション層、バッキング層などの非感光性親水性コロ
イド層を設けても良い。
【0055】ハロゲン化銀乳剤に使用するハロゲン化銀
としては、任意の組成のものを使用することができる。
例えば、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、純臭化銀もし
くは沃臭化銀等を挙げることができる。
【0056】又、このハロゲン化銀乳剤には、増感色
素、可塑剤、帯電防止剤、界面活性剤、硬膜剤等を含有
していても良い。
【0057】この発明の写真用支持体を使用した写真フ
ィルムを現像処理するには、例えばT.H.ジェームズ著、
ザ セオリー オブ ザ フォトグラフィック プロセ
ス第4版(The Theory of The Photografic Process, F
orth Edition)第291頁〜第334頁およびジャーナル オ
ブ ザ アメリカン ケミカル ソサエティ(Journal
of the American Chemical Society)第73巻、第3,100
頁(1951)に記載されている現像剤を使用することがで
きる。
【0058】
【実施例】以下実施例をさらに詳細に説明する。
【0059】(実施例1)テレフタル酸ジメチル100重
量部、エチレングリコール64重量部にエステル交換触媒
として酢酸カルシウム水和物0.1重量部を添加し、常法
に従ってエステル交換反応を行った。
【0060】得られた生成物に、5−ナトリウムスルホ
ジ(β−ヒドロキシエチル)イソフタル酸のエチレング
リコール溶液(濃度35重量%)12重量部、およびポリエ
チレングリコール(数平均分子量:3000)8重量部、三
酸化アンチモン0.05重量部、リン酸トリメチルエステル
0.13重量部、および水酸化ナトリウム0.02重量部を添加
した。次いで、徐々に昇温、減圧にし、280℃、0.5mmH
gで重合を行い、固有粘度0.55の共重合ポリエステルを
得た。
【0061】この共重合ポリエステル及び市販のポリエ
チレンテレフタレート(固有粘度0.65)を各々150℃で
真空乾燥した後、3台の押出機を用いて285℃で溶融押
出し、3層各層が表1に示す素材からなるようにTダイ
内で層状に接合し、静電密着方法で冷却ドラムに密着さ
せながら急冷固化させ、積層未延伸シートを得た。この
とき、各素材の押出量を調整し各層の厚さが0.5:1:
1.5となるようにした。次いで85℃でタテ方向に3.5倍延
伸し、更に95℃でヨコ方向に3.5倍延伸した後 210℃で
熱固定して厚さ80μmの二軸延伸フィルムを得た。
【0062】得られた二軸延伸フィルムにつき、以下の
方法で評価し、その結果を表1に示した。
【0063】[評価方法] 《熱処理後の巻きぐせカール度》サンプルサイズ12cm×
35mmに切り出し、23℃,55%RH下で1日調湿後、巾手
カールがある場合は凸面を内巻にして直径10.8mmの巻芯
に巻き、55℃、20%RH×4時間の熱処理を行なった。
その後、23℃、55%RHの雰囲気下で30分放冷後、巻芯
から解放し同条件下で1分後に巻きぐせカール度を測定
する。
【0064】なお、感光材料作製後、感光材料の支持体
に塗設された、両側のハロゲン化銀乳剤層及び/または
ゼラチンバック層等を、パンクレアチン、または次亜塩
素酸ナトリウム水溶液を使用して剥離した支持体に上記
同様の熱処理を施して評価しても同じ熱処理カール度が
得られるので、感光材料作製後にこのようにして剥離
後、巻きぐせ熱処理カールを測定してもよい。
【0065】《温水浴処理後の回復カール度》サンプル
サイズ12cm×35mmに切り出し、巾手カールがある場合は
凸面を内巻にして直径10.8mmの巻芯に巻き、55℃×20%
RH×4時間の熱処理を行い、その後、巻芯から解放し
70gの荷重をかけ38℃の水浴中に10分間浸漬後、荷重を
かけたまま55℃の温風乾燥機で3分間乾燥する。
【0066】荷重をはずし、サンプルを横置きにし23
℃,55%RH下で1日調湿後、同条件下で横置きのカー
ル度をサンプルの中央部分について測定する。
【0067】なお、感光材料作製後、感光材料の支持体
に塗設された、両側のハロゲン化銀乳剤層及び/または
ゼラチンバック層等を、パンクレアチン、または次亜塩
素酸ナトリウム水溶液を使用して剥離した支持体に上記
同様の熱処理、温水浴処理を施しても同じ回復カール度
が得られるので、感光材料作製後にこのようにして剥離
後、温水浴処理後の回復カールを測定してもよい。
【0068】《巾手のカール度》サンプルサイズ縦方向
に2mm、横方向(巾手方向)に35mmのサンプルを切り出
し、23℃,55%RH下で1日調湿後、同条件下で巾手方
向のカール度を測定する。なお、感光材料作製後、感光
材料の支持体に塗設された、両側のハロゲン化銀乳剤層
及び/またはゼラチンバック層等を、パンクレアチン、
または次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用して剥離した
支持体を同様に切り出し評価しても、同じ巾手カール度
が得られるので、感光材料作製後にこのようにして剥離
後、温水浴処理後の回復カールを測定してもよい。
【0069】《固有粘度》ウベローデ型粘度計を用いて
行った。混合溶媒としてフェノールと1,1,2,2−
テトラクロロエタンの重量比約55:45(流下時間42.0±
0.1秒に調整)のものを用い、サンプル濃度 0.2,0.6,
1.0(g/dl)の溶液(温度20℃)を作製した。ウベロー
デ型粘度計によって、それぞれの濃度(C)における比
粘度(ηsp)を求め、次式
【0070】
【数1】 により濃度零に補外し固有粘度[η]を求めた。なお、
ポリエステルフィルム各層の固有粘度の測定に際して
は、フィルムを表面から削り、各層に相当する部分の細
片を集め測定に供した。
【0071】《破断強度》フィルムを温度23℃、相対湿
度55%に温調された部屋に4時間以上放置した後、試料
巾10mm、長さ200mmに切断し、(株)オリエンテック製
テンシロン(RTA−100)を用いて、チャック間100mm
にして引張速度100mm/分で引張試験をし、破断したと
きの荷重を初期断面積で除して破断強度を求めた。
【0072】《塗布故障》フィルムの一方の面に8W/
(m2・min)のコロナ放電処理を施し、常温、常湿下
で、下記下引塗布液B−3を50m/minの速さでロールフ
ィットコーティングパン及びエアーナイフを使用して塗
布し、乾燥温度90℃で30秒間乾燥し、乾燥膜厚0.8μmの
下引層B−3を形成した。このフィルムの他方の面に同
様の方法で、下記下引塗布液B−4を塗布、乾燥し、乾
燥膜厚0.8μmの下引層B−4を形成した。
【0073】 <下引塗布液B−3> ブチルアクリレート30重量%、t−ブチルアクリレート20重量%、 スチレン25重量%、および2−ヒドロキシエチルアクリレート 25重量%の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270 g 化合物(UL−1) 0.6 g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレン尿素) 0.8 g 水で仕上げる 1,000ml
【0074】 <下引塗布液B−4> ブチルアクリレート40重量%、スチレン20重量%およびグリシジル アクリレート40重量%の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270 g 化合物(UL−1) 0.6 g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレン尿素) 0.8 g 水で仕上げる 1,000ml
【0075】さらに下引層B−3および下引層B−4の
上に8W/(m2・min)のコロナ放電処理を施し、同様
にして下引層B−3の上に下記下引塗布液B−5を塗
布、乾燥し、乾燥膜厚0.1μmの下引層B−5を形成し、
また、下引層B−4の上には、下記下引塗布液B−6を
塗布、乾燥し、乾燥膜厚0.8μmの下引層B−6を形成し
た。
【0076】 <下引塗布液B−5> ゼラチン 10 g 化合物(UL−1) 0.2 g 化合物(UL−2) 0.2 g 化合物(UL−3) 0.1 g シリカ粒子(平均粒径:3μm) 0.1 g 水で仕上げる 1,000ml
【0077】 <下引塗布液B−6> 水溶性導電性ポリマー(UL−4) 60 g 化合物(UL−5)を成分とするラテックス液(固形分20%) 80 g 硫酸アンモニウム 0.5 g 硬化剤(UL−6) 12 g ポリエチレングリコール(重量平均分子量600) 6 g 水で仕上げる 1,000ml
【0078】
【化1】
【0079】このフィルムについて、1m2当りの塗布故
障の数を目視評価し、下記の基準でランク付けした。 ランク 塗布故障の数 ◎ 0ヶ ○ 1〜3ヶ × 4ヶ以上 なお、このランク付けにおける実用性は、写真用支持体
としての許容性に基づいて決定されたものであり、ラン
ク○以上であることが好ましい。
【0080】《パーフォレーション強度》上記下引層を
塗設したフィルムを用いて、下引層B−5の上に25W
/(m2・min)のコロナ放電を施し、又、下引層B−6
の上に8W/(m2・min)のコロナ放電を施した。さら
に下記の乳剤層等を前記下引き層B−5の上に、下記の
バック層を下引き層B−6の上に、順次に形成して多層
カラー写真感光材料を作成した。なお、以下の<バック
層>および<乳剤層>における数量の表示は、m2当たり
の量を示す。
【0081】 <バック層> 第1層; ゼラチン 4.5 g ナトリウム−ジ−(−2−エチルヘキシル)−スルホサクシネート 1.0 g トリポリ燐酸ナトリウム 76mg クエン酸 16mg カルボキシアルキルデキストラン硫酸エステル 49mg ビニルスルホン型硬膜剤 23mg
【0082】 第2層(最外層); ゼラチン 1.5 g ポリマービーズ (平均粒子径:3μm、ポリメチルメタアクリレート) 24mg ナトリウム−ジ−(−2−エチルヘキシル)−スルホサクシネート 15mg カルボキシアルキルデキストラン硫酸エステル 12mg ビニルスルホン型硬膜剤 30mg フッ素系界面活性剤 (SB−2およびSB−3 モル比1:1) 45mg 化合物 SB−1 230mg
【0083】 <乳剤層> 第1層;ハレーション防止層(HC) 黒色コロイド銀 0.15 g UV吸収剤(UV−1) 0.20 g 化合物(CC−1) 0.02 g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.20 g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.20 g ゼラチン 1.6 g
【0084】 第2層;中間層(IL−1) ゼラチン 1.3 g 第3層;低感度赤感性乳剤層(R−L) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.3μm、平均ヨウド含有量 2.0モル%) 0.4 g 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.4μm、平均ヨウド含有量 8.0モル%) 0.3 g 増感色素(S−1) 3.2×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−2) 3.2×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−3) 0.2×10-4(モル/銀1モル) シアンカプラー(C−1) 0.50 g シアンカプラー(C−2) 0.13 g カラードシアンカプラー(CC−1) 0.07 g DIR化合物(D−1) 0.006g DIR化合物(D−2) 0.01 g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.55 g ゼラチン 1.0 g
【0085】 第4層;高感度赤感性乳剤層(RH) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.7μm、平均ヨウド含有量 7.5モル%) 0.9 g 増感色素(S−1) 1.7×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−2) 1.6×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−3) 0.1×10-4(モル/銀1モル) シアンカプラー(C−2) 0.23 g カラードシアンカプラー(CC−1) 0.03 g DIR化合物(D−2) 0.02 g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.25 g ゼラチン 1.0 g
【0086】 第5層;中間層(IL−2) ゼラチン 0.8 g 第6層;低感度緑感性乳剤層(GL) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.4μm、平均ヨウド含有量 8.0モル%) 0.6 g 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.3μm、平均ヨウド含有量 2.0モル%) 0.2 g 増感色素(S−4) 6.7×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−5) 0.8×10-4(モル/銀1モル) マゼンタカプラー(M−1) 0.17 g マゼンタカプラー(M−2) 0.43 g カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.10 g DIR化合物(D−3) 0.02 g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.7 g ゼラチン 1.0 g
【0087】 第7層;高感度緑感性乳剤層(GH) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.7μm、平均ヨウド含有量 7.5モル%) 0.9 g 増感色素(S−6) 1.1×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−7) 2.0×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−8) 0.3×10-4(モル/銀1モル) マゼンタカプラー(M−1) 0.30 g マゼンタカプラー(M−2) 0.13 g カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.04 g DIR化合物(D−3) 0.004g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.35 g ゼラチン 1.0 g
【0088】 第8層;イエローフィルター層(YC) 黄色コロイド銀 0.1 g 添加剤(HS−1) 0.07 g 添加剤(HS−2) 0.07 g 添加剤(SC−1) 0.12 g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.15 g ゼラチン 1.0 g
【0089】 第9層;低感度青感性乳剤層(BL) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.3μm、平均ヨウド含有量 2.0モル%) 0.25 g 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.4μm、平均ヨウド含有量 8.0モル%) 0.25 g 増感色素(S−9) 5.8×10-4(モル/銀1モル) イエローカプラー(Y−1) 0.6 g イエローカプラー(Y−2) 0.32 g DIR化合物(D−1) 0.003g DIR化合物(D−2) 0.006g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.18 g ゼラチン 1.3 g
【0090】 第10層;高感度青感性乳剤層(BH) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.8μm、平均ヨウド含有量 8.5モル%) 0.5 g 増感色素(S−10) 3×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−11) 1.2×10-4(モル/銀1モル) イエローカプラー(Y−1) 0.18 g イエローカプラー(Y−2) 0.10 g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.05 g ゼラチン 2.0 g
【0091】 第11層;第1保護層(PRO−1) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.08μm) 0.3 g 紫外線吸収剤(UV−1) 0.07 g 紫外線吸収剤(UV−2) 0.10 g 添加剤(HS−1) 0.2 g 添加剤(HS−2) 0.1 g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.07 g 高沸点溶媒(Oil−3) 0.07 g ゼラチン 0.8 g
【0092】 第12層;第2保護層(PRO−2) 化合物(化合物A) 0.04 g 化合物(化合物B) 0.004g ポリメチルメタアクリレート(平均粒径:3μm) 0.02 g メチルメタアクリレート:エチルメタアクリレート:メタアクリル酸 =3:3:4(重量比)の共重合体(平均粒径:3μm) 0.13 g ゼラチン 0.7 g
【0093】第10層に使用した沃臭化銀乳剤は以下の方
法で調製した。 ―沃臭化銀乳剤の調製― 平均粒径0.33μmの単分散沃臭化銀粒子(沃化銀含有率
2mol%)を種結晶として、沃臭化銀乳剤をダブルジェ
ット法により調製した。
【0094】下記組成の溶液<G−1>を温度70℃、
pAg 7.8、pH 7.0に保ち、よく撹拌しながら0.34モ
ル相当の種乳剤を添加した。
【0095】(内部高沃度相−コア相−の形成)その
後、下記組成の溶液<H−1>と下記組成の溶液<S−
1>とを1:1の流量比を保ちながら、加速された流量
(終了時の流量が初期流量の 3.6倍)で86分をかけて
添加した。
【0096】(外部低沃度相−シェル相−の形成)続い
て、pAg10.1、pH 6.0に保ちながら、<H−2>と
<S−2>とを1:1の流量比で加速された流量(終了
時の流量が初期流量の 5.2倍)で65分を要して添加し
た。
【0097】粒子形成中のpAgとpHとは、臭化カリ
ウム水溶液と56%酢酸水溶液とを用いて制御した。粒
子形成後に、常法のフロキュレーション法によって水洗
処理を施し、その後ゼラチンを加えて再分散し、40℃
にてpHおよびpAgをそれぞれ 5.8および8.06に調製
した。
【0098】得られた乳剤は、平均粒径0.80μm、分布
の広さが12.4%、沃化銀含有率8.5mol%の八面体沃臭化
銀粒子を含む単分散乳剤であった。
【0099】 <G−1> オセインゼラチン 100.0 g 下記化合物−Iの10重量%メタノール溶液 25.0ml 28%アンモニア水溶液 440.0ml 56%酢酸水溶液 660.0ml 水で仕上げる 5000.0ml *化合物−I:ポリプロピレンオキシ・ポリエチレンオ
キシ・ジ琥珀酸・ナトリウム
【0100】 <H−1> オセインゼラチン 82.4 g 臭化カリウム 151.6 g 沃化カリウム 90.6 g 水で仕上げる 1030.5ml
【0101】 <S−1> 硝酸銀 309.2 g 28%アンモニア水溶液 当量 水で仕上げる 1030.5ml
【0102】 <H−2> オセインゼラチン 302.1 g 臭化カリウム 770.0 g 沃化カリウム 33.2 g 水で仕上げる 3776.8ml
【0103】 <S−2> 硝酸銀 1133.0 g 28%アンモニア水溶液 当量 水で仕上げる 3776.8ml
【0104】第10層以外の乳剤層に使用される沃臭化
銀乳剤についても、同様の方法で、種結晶の平均粒径、
温度、pAg、pH、流量、添加時間、およびハライド
組成を変化させて、平均粒径および沃化銀含有率が異な
る前記各乳剤を調製した。
【0105】いずれも分布の広さ20%以下のコア/シ
ェル型単分散乳剤であった。各乳剤は、チオ硫酸ナトリ
ウム、塩化金酸およびチオシアン酸アンモニウムの存在
下にて最適な化学熟成を施し、増感色素、4−ヒドロキ
シ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデ
ン、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールを加え
た。
【0106】なお、上述の感光材料は、さらに、化合物
Su−1、Su−2、粘度調整剤、硬膜剤H−1、H−
2、安定剤ST−1、カブリ防止剤AF−1、AF−2
(重量平均分子量10,000のもの及び 1,100,000のも
の)、染料AI−1,AI−2および化合物DI−1
( 9.4mg/m2)を含有する。
【0107】ハロゲン化銀写真感光材料を形成するのに
用いた各化合物の構造を以下に示す。
【0108】
【化2】
【0109】
【化3】
【0110】
【化4】
【0111】
【化5】
【0112】
【化6】
【0113】
【化7】
【0114】
【化8】
【0115】
【化9】
【0116】
【化10】
【0117】
【化11】
【0118】以上のようにして得られた写真感光材料に
ついて、JIS K7519-1982に記載されている様にパ
ーフォレーション加工を施した。
【0119】(株)オリエンテック製テンシロン RT
A−100にて図1に示すパーフォレーション強度測定治
具の端部3をテンシロンのチャックでつかむ。長さ250m
mのフィルムのパーフォレーション部をスプロケット1
にはめ込み、フィルムを通し、フィルム端部2に100gの
重りを吊す。もう一方のフィルム端部4をチャックでつ
かみ40mm/minの速度で引っ張り、パーフォレーション
部が破断した時の最大荷重をパーフォレーション強度と
した。最大荷重が7kg以上であれば、実用上問題のない
レベルである。
【0120】《巻ぐせ回復性》サンプルサイズ12cm×35
mmのフィルムを乳剤面が内巻となる様に直径10mmの巻芯
に巻き、55℃,20%RHの条件下で3日間処理し、巻ぐ
せをつける。その後巻芯から解放し、38℃の純水に15分
間浸潰後、50gの荷重をかけて55℃の熱風乾燥器で3分
間乾燥する。荷重をはずし、サンプルを垂直に吊し、サ
ンプル両端間の距離を求め、元の距離12cmに対しどれだ
け回復したかを評価した。評価は以下の基準によって行
なった。 ◎:70%以上 ○:50%以上70%未満 ×:50%未満 なお、○レベル以上であれば実用上問題のないレベルで
ある。
【0121】表1から明らかなように、十分な巻ぐせ回
復性があり、さらに、熱処理後の巻ぐせカール、温水浴
処理での破断強度が本発明の範囲にありパーフォレーシ
ョン強度、塗布故障とも良好であった。
【0122】(実施例2)前記実施例1における5−ナ
トリウムスルホジ(β−ヒドロキシエチル)イソフタル
酸のエチレングリコール溶液(濃度35重量%)の添加量
を25重量部に変更した以外は前記実施例1と同様にし
て、厚み80μmの二軸延伸フィルムを得た。
【0123】このフィルムにつき前記実施例1と同様に
して評価し、その結果を表1に示した。表1から明らか
なように本発明の積層フィルムは巻ぐせ回復性に優れて
おり、さらに破断強度が大きく、パーフォレーション強
度、塗布故障ともに良好であった。
【0124】(実施例3)前記実施例1における5−ナ
トリウムスルホジ(β−ヒドロキシエチル)イソフタル
酸のエチレングリコール溶液(濃度35重量%)の添加量
を35重量部に変更した以外は前記実施例1と同様にして
厚み80μmの二軸延伸フィルムを得た。
【0125】このフィルムにつき前記実施例1と同様に
して評価し、その結果を表1に示した。表1から明らか
なように巻ぐせ回復性に優れており、さらに破断強度は
本発明の範囲にあり、パーフォレーション強度、塗布故
障とも実用上問題のないレベルであった。
【0126】(実施例4)テレフタル酸ジメチル100重
量部、エチレングリコール70重量部、およびアジピン酸
ジメチル10重量部にエステル交換触媒として酢酸カルシ
ウム水和物0.1重量部を添加し、常法に従ってエステル
交換反応を行った。
【0127】得られた生成物に、5−ナトリウムスルホ
ジ(β−ヒドロキシエチル)イソフタル酸のエチレング
リコール溶液(濃度35重量%)32重量部、三酸化アンチ
モン0.05重量部、リン酸トリメチルエステル0.13重量部
を添加した。次いで、徐々に昇温、減圧にし、280℃、
0.5mmHgで重合を行い、固有粘度0.50の共重合ポリエス
テルを得た。
【0128】この共重合ポリエステル及び市販のポリエ
チレンテレフタレート(固有粘度0.65)を各々150℃で
真空乾燥した後、3台の押出機を用いて285℃で溶融押
出し、3層各層が表1に示す素材からなるようにTダイ
内で層状に接合し、冷却ドラム上で急冷固化させ、積層
未延伸シートを得た。この時、各素材の押出量を調整し
各層の厚さが0.5:1:1.0となるようにした。
【0129】この未延伸フィルムを、80℃でタテ方向に
3.3倍延伸し、さらに90℃でヨコ方向に3.3倍延伸した後
に、200℃で30秒間熱固定して厚さ100μmの二軸延伸フ
ィルムを得た。この二軸延伸フィルムにつき、前記実施
例1と同様にして評価し、その結果を表1に示した。表
1から明らかなように、十分な巻ぐせ回復性があり、さ
らに、破断強度は本発明の範囲内であり、パーフォレー
ション強度、塗布故障は実用上問題のないレベルであっ
た。
【0130】(実施例5)前記実施例3と同様の方法で
得られた未延伸シートを用いて、85℃でタテ方向に3.5
倍延伸し、更に95℃でヨコ方向に3.0倍延伸し、再度130
℃でタテ方向に1.1倍延伸した後210℃で熱固定して厚さ
65μの二軸延伸フィルムを得た。
【0131】得られた二軸延伸フィルムにつき、前記実
施例1と同様にして評価し、その結果を表1に示した。
表1から明らかなように巻ぐせ回復性に優れており、さ
らに破断強度に優れているので、厚さが65μと薄いにも
かかわらず、パーフォレーション強度、塗布故障とも良
好であった。
【0132】(比較例1)テレフタル酸ジメチル100重
量部、エチレングリコール70重量部およびアジピン酸ジ
メチル10重量部に、エステル交換触媒として酢酸カルシ
ウム水和物0.1重量部を添加し、常法に従ってエステル
交換反応を行った。
【0133】得られた生成物に、5−ナトリウムスルホ
ジ(β−ヒドロキシエチル)イソフタル酸のエチレング
リコール溶液(濃度35重量%)32重量部、三酸化アンチ
モン0.05重量部、およびリン酸トリメチルエステル0.13
重量部を添加した。次いで、徐々に昇温、減圧にし、28
0℃、0.5mmHgで重合を行い、固有粘度0.50の共重合ポ
リエステルを得た。
【0134】この共重合ポリエステルを用いて150℃で
真空乾燥した後、280℃で溶融押出し、冷却ドラム上で
急冷固化させ未延伸シートを作成した。この未延伸フィ
ルムを、80℃でタテ方向に3.3倍延伸し、さらに90℃で
ヨコ方向に3.3倍延伸した後に、180℃で30秒間熱固定し
て厚さ100μmの二軸延伸フィルムを得た。この二軸延伸
フィルムにつき、前記実施例1におけるのと同様にして
評価し、その結果を表1に示した。表1から明らかなよ
うに破断強度、熱処理後の巻ぐせカール度が本発明の範
囲外であり、パーフォレーション強度は小さく、塗布故
障も多い為、実用上使用不可なレベルであった。
【0135】(比較例2)前記実施例1における5−ナ
トリウムスルホジ(β−ヒドロキシエチル)イソフタル
酸のエチレングリコール溶液(濃度35重量%)を添加し
ない以外は前記実施例1と同様にして厚さ80μmの二軸
延伸フィルムを得た。この二軸延伸フィルムにつき、前
記実施例1と同様にして評価し、その結果を表1に示し
た。表1から明らかなように、この共重合ポリエステル
を写真用支持体に適用した場合巻ぐせ回復性に劣った写
真フィルムとなってしまう。
【0136】(比較例3)市販のポリエチレンテレフタ
レート(固有粘度0.65)を用いて150℃で真空乾燥した
後、290℃で溶融押出し、静電密着方法により冷却ドラ
ム上に密着させ、急冷固化させ、未延伸シートを作製し
た。この未延伸シートを85℃でタテ方向に3.3倍延伸
し、さらに95℃でヨコ方向に3.3倍延伸した後に225℃で
30秒間熱固定して厚さ80μmの二軸延伸フィルムを得
た。この二軸延伸フィルムにつき、前記実施例1におけ
るのと同様にして評価し、その結果を表1に示した。表
1から明らかなように、温水浴処理後の回復カール度が
本発明の範囲外であり、この二軸延伸フィルムを写真用
支持体に適用した場合、巻ぐせ回復性に劣った写真フィ
ルムとなってしまう。
【0137】(実施例6)前記実施例2の共重合ポリエ
ステル及び市販のポリエチレンテレフタレート(固有粘
度0.65)を2台の押出機を用いて、実施例1と同様にし
て各層の厚さの比が1:1の未延伸シートを得た。この
未延伸シートを用いて、実施例1と同様にして厚さ100
μmの二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸フィ
ルムは、共重合ポリエステル層側に凹状にカールしてい
た。この二軸延伸フィルムにつき実施例1と同様にして
評価し、その結果を表1に示した。表1から明らかなよ
うに、塗布故障、パーフォレーション強度、巻ぐせ回復
性ともに実用上問題がなく、良好であった。
【0138】(実施例7)前記実施例2で、重合時間を
変化し、固有粘度0.55(共重合ポリエステル1)と固有
粘度0.45(共重合ポリエステル2)の2種の共重合ポリ
エステルを得た。この2種の共重合ポリエステルと市販
のポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.65)を用い
て、実施例1と同様にして各層の厚さの比が1:1:1
の未延伸シートを得た。
【0139】この未延伸シートを用いて、実施例1と同
様にして厚さ100μmの二軸延伸フィルムを得た。得ら
れた二軸延伸フィルムは共重合ポリエステル1層側に凹
状にカールしていた。
【0140】この二軸延伸フィルムにつき実施例1と同
様にして評価し、その結果を表1に示した。表1から明
らかなように、塗布故障、パーフォレーション強度、巻
ぐせ回復性ともに優れていた。
【0141】(実施例8)テレフタル酸ジメチル100重
量部、エチレングリコール64重量部、5−ナトリウムス
ルホジ(β−ヒドロキシエチル)イソフタル酸のエチレ
ングリコール溶液(濃度35重量%)28重量部、ポリエチ
レングリコール(数平均分子量600)10重量部、酢酸カ
ルシウムの水和物を0.1重量部、三酸化アンチモン0.05
重量部、リン酸トリメチルエステル0.13重量部、酢酸ナ
トリウム0.05重量部およびイルガノックス1010(C
IBA−GEIGY社製)0.2重量部を添加し、常法に
従ってエステル交換反応を行った。次いで、徐々に昇
温、減圧にし、280℃、0.5mmHgで重合を行い、固有粘
度0.50の共重合ポリエステルを得た。
【0142】この共重合ポリエステルと市販のポリエチ
レンテレフタレート(固有粘度0.65)を用いて、実施例
1と同様にして厚さ100μmの二軸延伸フィルムを得
た。この二軸延伸フィルムについて、実施例1と同様に
して評価し、その結果を表1に示した。
【0143】塗布故障、パーフォレーション強度、巻ぐ
せ回復性ともに実用上問題のないものであった。
【0144】なお、この二軸延伸フィルムは黄色着色し
ており、写真用支持体としては、やや品質の劣るもので
あった。
【0145】
【表1】
【0146】
【発明の効果】以上説明したように本発明の積層フィル
ムおよび写真用支持体は、請求項1〜10に記載した構
成としたので、機械的強度が保持され、薄膜化が可能
で、現像処理後の巻ぐせが容易に取れ、しかも加工時の
塗布故障の発生頻度の少ない等従来よりすぐれた性質を
有するものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の感光材料のパーフォレーショ
ン強度を測定するために用いた試験機の概略構成を示す
斜視図である。
【符合の説明】
1 スプロケット部 2 フィルム端部 3 試験機端部(チャックつかみ部) 4 フィルム端部(チャックつかみ部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 英幸 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 中西 謙治 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 大久保 義興 山口県防府市惣社町2−33−5 (72)発明者 橋村 鉄太郎 山口県防府市新田1751−15 (72)発明者 内藤 寛 山口県山口市大字吉敷2265−5

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2層のポリエステル層からな
    る積層フィルムであり、該積層フィルムの熱処理後の巻
    ぐせカール度が 135m-1以下で、温水浴処理後の回復カ
    ール度が45m-1以下であり、少なくともタテ方向の破断
    強度が16kg/mm2以上であることを特徴とする積層フィ
    ルム。
  2. 【請求項2】 少なくとも2層のポリエステル層が互い
    に異なるポリエステル層からなる積層フィルムであり、
    該積層フィルムの少なくともタテ方向の破断強度が16kg
    /mm2以上であることを特徴とする積層フィルム。
  3. 【請求項3】 少なくとも3層の積層フィルムにおい
    て、隣り合わない少なくとも2層のポリエステル層の厚
    みが互いに異なり、該積層フィルムの少なくともタテ方
    向の破断強度が16kg/mm2以上であることを特徴とする
    積層フィルム。
  4. 【請求項4】 少なくとも3層の積層フィルムにおい
    て、隣り合わない少なくとも2層のポリエステル層の固
    有粘度が互いに異なり、該積層フィルムの少なくともタ
    テ方向の破断強度が16kg/mm2以上であることを特徴と
    する積層フィルム。
  5. 【請求項5】 前記ポリエステル層が、共重合成分とし
    て金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸を含
    有する共重合ポリエステル層を少なくとも1層有するこ
    とを特徴とする請求項1,2,3または4に記載の積層
    フィルム。
  6. 【請求項6】 前記共重合ポリエステル層の他に、少な
    くとも1層のポリエチレンテレフタレート層を有する請
    求項5に記載の積層フィルム。
  7. 【請求項7】 前記積層フィルムの少なくともタテ方向
    の破断強度が20kg/mm2以上である請求項1,2,3,
    4または5に記載の積層フィルム。
  8. 【請求項8】 前記積層フィルムの少なくともヨコ方向
    の破断強度が16kg/mm2以上である請求項1,2,3,
    4,5または6に記載の積層フィルム。
  9. 【請求項9】 前記積層フィルムが積層ポリエステルフ
    ィルムである請求項1〜8のいずれか1に記載の積層フ
    ィルム。
  10. 【請求項10】 前記積層フィルムが写真用支持体であ
    る請求項1〜9のいずれか1に記載の写真用支持体。
JP29216392A 1992-05-29 1992-10-06 積層フィルムおよび写真用支持体 Pending JPH06115034A (ja)

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JP29216392A JPH06115034A (ja) 1992-10-06 1992-10-06 積層フィルムおよび写真用支持体
US08/066,983 US5372925A (en) 1992-05-29 1993-05-25 Multilayer polyester support of photographic material
DE69331718T DE69331718D1 (de) 1992-05-29 1993-05-28 Film und Träger von photographischem Material
EP19930304185 EP0572275B1 (en) 1992-05-29 1993-05-28 Film and support of photographic material
US08/306,136 US5580709A (en) 1992-05-29 1994-09-14 Polyester layer support for photographic material

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009214355A (ja) * 2008-03-09 2009-09-24 Mitsubishi Plastics Inc 二軸配向積層ポリエステルフィルム

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