JP3345623B2 - 写真用支持体 - Google Patents

写真用支持体

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JP3345623B2
JP3345623B2 JP29216492A JP29216492A JP3345623B2 JP 3345623 B2 JP3345623 B2 JP 3345623B2 JP 29216492 A JP29216492 A JP 29216492A JP 29216492 A JP29216492 A JP 29216492A JP 3345623 B2 JP3345623 B2 JP 3345623B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は写真用支持体に関するも
のであり、特に機械的強度、現像処理後の巻ぐせ回復性
に優れ、ハロゲン化銀乳剤層の写真性能に悪影響を及ぼ
さない写真用支持体に関するものである。
【0002】
【発明の背景】近年写真感光材料においては、その用途
は多様化してきている。例えば撮影装置の小型化に対し
ては、写真用支持体を薄くした感光材料が有効であるこ
とが知られている。ところが写真用支持体を薄くする
と、いわゆる腰が弱くなるため、撮影装置やその後の現
像処理での搬送性や取扱い性が悪くなるという欠点が生
じる。このような欠点を解決するには写真用支持体の機
械的強度、特に弾性率を従来使用されているものより大
きくすることが必要である。
【0003】ところで、従来使用されているプラスチッ
クフィルム支持体としては、トリアセチルセルロース
(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)が
代表的である。
【0004】ロール状フィルムに主に用いられているT
ACフィルムは、光学的に異方性がなく透明度が高いと
いう性質を有しており、さらに現像処理後に巻ぐせがと
れるという優れた性質を有する。しかしながらTACフ
ィルムはもともと機械的強度が小さいという欠点がある
ので厚みを薄くできないのが現状である。
【0005】一方、PETフィルムは優れた生産性、機
械的強度、寸度安定性を有するため、レントゲン用フィ
ルムなどのシート状の形態のフィルムに主に用いられて
いる。しかしながら写真感光材料として、広く用いられ
ているロール形態では、現像処理後も巻ぐせがとれにく
く、取扱い性が悪いという欠点があり、その適用範囲が
制限されている。
【0006】PETフィルムの巻ぐせ回復性を改良する
方法としては、金属スルホネート基を有する芳香族ジカ
ルボン酸を共重合成分とすることにより親水性を付与し
た共重合PETフィルムが提案されている(特開平1-24
4446号公報)。しかし、この方法では、十分な巻ぐせ回
復性を得るためには共重合成分を多量に含有させなけれ
ばならず、PET本来の優れた機械的強度、寸度安定性
などの性質が失われてしまうため、TACに対する優位
性が失われてしまうという問題点があった。
【0007】巻ぐせ回復性と機械的強度を両立させる方
法として、ポリエステル層の少なくとも片面に共重合ポ
リエステル層が少なくとも1層積層されている多層フィ
ルムからなり、該共重合ポリエステルが、共重合成分と
して、金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸
を含有し、さらに共重合成分として、ポリアルキレング
リコールを反応生成物または飽和脂肪族ジカルボン酸を
含有する支持体を用いれば、上記問題点が解決できると
いう知見を得た。
【0008】ところで、PETフィルムの製膜は、通常
テンター法を用いて行われる。そのためフィルムのエッ
ジ部は製品として使用できないので、コスト低減のた
め、これを回収、粉砕して再利用するということが行わ
れている。また不良巻となったフィルムを回収、再利用
することも一般に行われている。上記のポリエステル/
共重合ポリエステル積層フィルムにおいても同様の目的
で回収、再利用を行うことが望まれる。
【0009】ところが上記のポリエステル/共重合ポリ
エステル積層フィルムは共重合ポリエステルを含有する
共重合成分の影響で、PETフィルムに比べて熱安定性
に劣る。そのためにPETフィルムと同様の回収、再利
用を行うと熱劣化によって生成した副生成物が写真感光
乳剤と反応してカブリが大きくなるという問題点があ
る。
【0010】
【発明の目的】本発明の目的は、これらの問題点を解決
し、機械的強度、現像処理後の巻ぐせ回復性に優れ、ハ
ロゲン化銀乳剤層に対して写真性能に悪影響を及ぼさな
い写真用支持体を提供することにある。
【0011】
【発明の構成】本発明の上記目的を達成するために請求
項1に記載の発明は、金属スルホネート基を有する芳香
族ジカルボン酸を含まないポリエステル層の少なくとも
片面に共重合ポリエステル層が少なくとも1層積層され
ている多層フィルムからなる写真用支持体において、該
共重合ポリエステルが共重合成分として金属スルホネー
ト基を有する芳香族ジカルボン酸を含有し、該多層フィ
ルムのハロゲン化銀乳剤層に隣接する層以外の少なくと
も1層に該多層フィルムを回収して得られる回収ポリエ
ステルを含有し、ハロゲン化銀乳剤層に隣接する層には
該回収ポリエステルを含有しないことを特徴とする写真
用支持体である。 また、請求項2に記載の発明は、金属
スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸を含まない
ポリエステル層の少なくとも片面に共重合ポリエステル
層が少なくとも1層積層されている多層フィルムからな
る写真用支持体において、該共重合ポリエステルが共重
合成分として金属スルホネート基を有する芳香族ジカル
ボン酸を含有し、更に共重合成分としてポリアルキレン
グリコール又は飽和脂肪族ジカルボン酸の少なくとも1
種を含有し、該多層フィルムのハロゲン化銀乳剤層に隣
接する層以外の少なくとも1層に該多層フィルムを回収
して得られる回収ポリエステルを含有ハロゲン化銀
乳剤層に隣接する層には該回収ポリエステルを含有しな
ことを特徴とする写真用支持体である。 さらに、請求
項3に記載の発明は、金属スルホネート基を有する芳香
族ジカルボン酸を含まないポリエステル層の少なくとも
片面に共重合ポリエステル層が少なくとも1層積層され
ている多層フィルムからなる写真用支持体において、該
共重合ポリエステルが共重合成分として金属スルホネー
ト基を有する芳香族ジカルボン酸を含有し、更に共重合
成分としてポリアルキレングリコール及び飽和脂肪族ジ
カルボン酸の少なくとも1種をそれぞれ含有し、該多層
フィルムのハロゲン化銀乳剤層に隣接する層以外の少な
くとも1層に該多層フィルムを回収して得られる回収ポ
リエステルを含有し、ハロゲン化銀乳剤層に隣接する層
には該回収ポリエステルを含有しないことを特徴とする
写真用支持体である。 さらにまた、請求項4に記載の発
明は、該回収ポリエステルの含有量が、該回 収ポリエス
テル含有量の重量に対して50重量%以下であることを
特徴とする請求項1、2又は3に記載の写真用支持体で
ある。
【0012】以下に本発明を更に詳細に説明する。
【0013】本発明の写真用支持体は、ポリエステル層
の少なくとも片面に共重合ポリエステル層が少なくとも
1層積層されている多層フィルムである。
【0014】支持体を構成する層は何層積層されていて
もかまわないが製造設備が複雑化する等の点から一般的
には2層または3層が好ましい。3層の場合は内層にポ
リエステル層、外層に共重合ポリエステル層でもよい
し、内層に共重合ポリエステル層、外層にポリエステル
層でもよいが、内層にポリエステル層で、外層に共重合
ポリエステル層の場合が好ましい。
【0015】本発明において、回収ポリエステルの含有
層は、ハロゲン化銀乳剤層に隣接しない層であれば、ポ
リエステル層、共重合ポリエステル層のいずれでも良
く、また回収ポリエステル含有層が2層以上であっても
良い。
【0016】本発明において回収ポリエステルとは、共
重合ポリエステルとポリエステルを積層したポリエステ
ルフィルムの製膜工程において、エッジ屑や不良巻など
として発生するフィルム屑を回収して得られるポリエス
テル、共重合ポリエステルの積層物から成る混合物であ
る。
【0017】本発明において回収ポリエステルの含有量
は特に限定されるものではないが、十分な機械的強度を
得るのに、回収ポリエステル含有層の重量に対して50重
量%以下であることが好ましい。
【0018】各層の厚さは、用いるポリエステルおよび
共重合ポリエステルによって適宜決定しうるが、好まし
くはポリエステル層の厚みの総和d1 に対する共重合ポ
リエステル層の厚みの総和d2 の比d2/d1が 0.7≦d
2/d1≦3、さらに好ましくは1≦d2/d1 ≦2であ
り、ポリエステル層一層の厚さは好ましくは50μm以
下、更に好ましくは40μm以下である。
【0019】本発明の写真用支持体の厚さに関しては用
途に応じ必要な強度等が得られる厚さであればよく、従
来の写真用支持体に対して優位性のある厚みと強度を得
るのに、例えば30〜 200μm、特に40〜 120μmの範囲
の値であることが好ましい。本発明においては必要に応
じて4層、5層とフィルムの積層数を増やし厚くするこ
とも可能である。尚、本発明の多層フィルムを構成する
層は、厚み2ミクロン以上のものであり、下引層等は含
まない。
【0020】本発明の写真用支持体に用いられるポリエ
ステルは、芳香族二塩基酸とグリコールを主構成成分と
するポリエステルであり二塩基酸としてはテレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸類などがあ
り、グリコールとしてはエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレン
グリコール、p−キシリレングリコールなどがある。ナ
フタレンジカルボン酸類としては、ナフタレンジカルボ
ン酸が挙げられ、なかでも、好ましくは2,6−ナフタ
レンジカルボン酸が挙げられる。本発明においては、テ
レフタル酸とエチレングリコールを主構成成分とするポ
リエチレンテレフタレートが好ましい。また、ポリエス
テル本来の優れた性質を損なわない範囲で、これらの主
たる繰返し単位が85モル%以上の共重合体であってもよ
いし、他のポリマーがブレンドされていてもよい。
【0021】本発明の写真用支持体に用いられる共重合
ポリエステルは、金属スルホネート基を有する芳香族ジ
カルボン酸を共重合成分とし、芳香族二塩基酸とグリコ
ールを主構成成分とする共重合ポリエステルであり二塩
基酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸などがあり、グリコールとしては
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、ジエチレングリコール、p−キシリ
レングリコールなどがある。なかでもテレフタル酸とエ
チレングリコールを主構成成分とする共重合ポリエチレ
ンテレフタレートが好ましい。
【0022】金属スルホネート基を有する芳香族ジカル
ボン酸は、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2−ナ
トリウムスルホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸、4−ナトリウムスルホ−2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体、お
よびこれらのナトリウムを他の金属(例えばカリウム、
リチウムなど)で置換した化合物が用いられる。
【0023】金属スルホネート基を有する芳香族ジカル
ボン酸成分の共重合割合は、十分な巻きぐせ回復性およ
び機械的強度を得るのに、全エステル結合単位に対して
2〜7モル%であることが好ましい。
【0024】本発明に用いられる共重合ポリエステルに
は、十分な巻ぐせ回復性および機械的強度を得るのに、
更にポリアルキレングリコールが共重合成分として、該
共重合ポリエステルの3〜10重量%含有される。
【0025】ポリアルキレングリコールとしては、ポリ
エチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールな
どが用いられるが、このうちポリエチレングリコールが
好ましく、分子量は特に限定されないが300〜20000が好
ましく、更に好ましくは600〜10000、特に1000〜5000の
ものが好ましく用いられる。
【0026】本発明に用いられる共重合ポリエステルに
は、共重合成分としてポリアルキレングリコールの代わ
りにあるいはポリアルキレングリコールと共に飽和脂肪
族ジカルボン酸が含有されてもよく、その量は全エステ
ル結合単位に対して3〜25モル%が好ましい。
【0027】飽和脂肪族ジカルボン酸としては、具体的
には、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸などが挙げら
れるが、特に好ましくはアジピン酸が用いられる。
【0028】本発明に用いられる共重合ポリエステルに
は、本発明の効果を阻害しない範囲で、さらに他の成分
が共重合されていても良いし、他のポリマーがブレンド
されていても良い。
【0029】本発明に用いられるポリエステル及び共重
合ポリエステルはともに、重合段階でリン酸、亜リン
酸、およびそれらのエステルならびに無機粒子(例えば
シリカ、カオリン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウ
ム、二酸化チタンなど)を含んでいても良いし、重合後
ポリマーに無機粒子などがブレンドされていても良い。
さらに重合段階、重合後のいずれかの段階で適宜染料、
紫外線吸収剤、酸化防止剤などを添加しても構わない。
【0030】本発明に用いられるポリエステルの重合
は、その製造方法につき特に限定されないが、例えばエ
ステル交換反応後、重縮合反応する場合、エステル交換
反応時にポリエチレングリコールや金属スルホネート基
を有する芳香族ジカルボン酸類等の共重合成分を添加
し、続けて重縮合しても良いし、エステル交換反応後こ
れら共重合成分を添加し重縮合反応を行っても良い。
【0031】本発明の写真用支持体の製造方法として
は、例えばポリエステルと共重合ポリエステルを別々の
押出機から溶融押出した後、溶融ポリマーの導管内また
は押出口金内において層流状で接合せしめて押出し、冷
却ドラム上で冷却固化し、未延伸フィルムを得た後二軸
延伸し、熱固定する共押出し方法、もしくはポリエステ
ルを押出機から溶融押出し、冷却ドラム上で冷却固化し
た未延伸フィルムまたは該未延伸フィルムを一軸延伸し
た一軸配向フィルムの面に、必要に応じてアンカー剤、
接着剤等をコーティングした後その上に共重合ポリエス
テルをエクストルージョンラミネートし、次いで二軸延
伸を完了した後熱固定するエクストルージョンラミネー
ト方法などがあるが、工程の簡便性から共押出し方法が
好ましい。
【0032】フィルムの延伸条件は特に限定されない
が、一般的にはポリエステル層の条件に適宜合わせるこ
とが好ましく、積層ポリエステルを構成するフィルムの
高い方のガラス転移温度(Tg)からTg+ 100℃の温
度範囲で二軸方向にそれぞれ延伸倍率 2.5〜 6.0倍の範
囲で行なわれることが好ましい。また熱固定は 150℃〜
240℃の温度範囲で行なうことができる。
【0033】本発明の写真用支持体は、現在知られてい
る各種用途に適用可能であるが、特にロール状フィルム
に用いられる写真用支持体に有用である。
【0034】本発明の写真用支持体は、回収ポリエステ
ルを含有しないポリエステル層または共重合ポリエステ
ル層に隣接して、支持体の少なくとも一方の側に少くと
も一層のハロゲン化銀乳剤層を塗設することにより、ハ
ロゲン化銀写真感光材料を構成する。ハロゲン化銀乳剤
層は、支持体上に直接塗設されてもよいし、他の層例え
ばハロゲン化銀乳剤を含まない親水性コロイド層を介し
て塗設されてもよい。
【0035】この際、写真用支持体には接着性向上の
為、コロナ放電処理、薬液処理などの各種表面処理を必
要に応じて施すことができる。さらに接着性向上の為、
下引層を塗設してもよい。
【0036】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤層を構成
するハロゲン化銀としては、任意の組成のものを使用で
きる。例えば塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、純臭化銀
もしくは沃臭化銀がある。
【0037】上記ハロゲン化銀写真感光材料には、増感
色素、可塑剤、帯電防止剤、界面活性剤、硬膜剤などを
加えることもできる。
【0038】ハロゲン化銀写真感光材料を現像処理する
には、例えば、T.H.ジェームス著ザ・セオリィ・オ
ブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス第4版(The Th
eoryof the Photographic Process, Fourth Edition)
第291頁〜334頁及びジャーナル・オブ・ザ・アメリカン
・ケミカル・ソサエティ(Journal of the AmericanChe
mical Society)第73巻、第3,100頁(1951)に記載され
ているごとき現像剤が使用し得るものである。
【0039】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに具体的に詳
述する。本実施例における各物性値の測定法を以下に示
す。 <弾性率>二軸延伸フィルムを温度23℃、相対湿度55%
に温調された部屋に4時間以上放置した後、試料巾10m
m、長さ200mmに切断し、チャック間100mmにして引張速
度100mm/分で引張試験をして求めた。弾性率が400kg/
mm2未満であると、取扱いに支障をきたすことがある。
【0040】<巻ぐせ回復性>サンプルサイズ12cm×35
mmの二軸延伸フィルムを直径10mmの巻芯に巻き、55℃,
20%RHの条件下で3日間処理し、巻ぐせをつける。そ
の後巻芯から解放し、38℃の純水に15分間浸漬後、50g
の荷重をかけて55℃の熱風乾燥器で3分間乾燥する。荷
重をはずし、サンプルを垂直に吊し、サンプル両端間の
距離を求め、元の距離12cmに対しどれだけ回復したかを
評価した。巻ぐせ回復性が40%未満であると取扱いに支
障をきたすことがある。
【0041】<カブリ濃度>作成した多層カラー写真感
光材料を50℃、相対湿度50%の雰囲気下に3日間放置し
て強制劣化を行ない、センシトメトリー用ステップウェ
ッジを介して白色露光を行い、後述の処理工程に従って
発色現像した後、光学濃度計(コニカ型PDA−65型)
を用いて濃度測定を行い、同様の露光、現像を行った未
強制劣化試料に対するカブリ増加分(△Fog)を求め
た。△Fogが 0.2を越えるものがあると実用上好ましく
ない。
【0042】上記3種類の評価の結果が 1 弾性率が400kg/mm2未満 2 巻ぐせ回復率が40%未満 3 カブリ濃度(△Fog)が 0.2を越えるものがある場
合 のうち1つでも満たすものがあると、写真用支持体とし
て好ましくない。
【0043】実施例1 A.支持体の製造 テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール6
4重量部に酢酸カルシウム水和物0.1重量部を添加し、常
法によりエステル交換反応を行なった。得られた生成物
に5−ナトリウムスルホジ(β−ヒドロキシエチル)イ
ソフタル酸のエチレングリコール溶液(濃度35重量%)
28重量部(5モル%/全エステル結合単位)、ポリエチ
レングリコール(数平均分子量4000)7.6重量部(8重
量%/ポリマー)、三酸化アンチモン0.05重量部、リン
酸トリメチルエステル0.13重量部を添加した。次いで徐
々に昇温、減圧にし、280℃,0.5mmHgで重合を行ない
固有粘度0.45の共重合ポリエステルを得た。
【0044】この共重合ポリエステル及びポリエチレン
テレフタレート(固有粘度0.65)及び回収ポリエステル
を150℃で真空乾燥した後、3台の押出機を用いて285℃
で溶融押出し、最外両層が共重合ポリエステル層、中央
層が回収ポリエステル20重量%、ポリエチレンテレフタ
レート80重量%から成るポリエステル層となるようにT
ダイ内で層状に接合し、冷却ドラム上で急冷固化させ、
3層の厚みの比が1:1:1の未延伸フィルムを得た。
ここで回収ポリエステルとは、最外両層が共重合ポリエ
ステル層、中心層がポリエチレンテレフタレート層であ
り、厚みの比が1/1/1の積層フィルムを製膜した際
に出るフィルムのエッジ部や不良巻を回収し、粉砕した
ものである。
【0045】次いで85℃でタテ方向に3.5倍延伸し、更
に95℃でヨコ方向に3.5倍延伸した後210℃で熱固定して
厚さ80μmの二軸延伸フィルムを得た。該フィルムの巻
ぐせ回復率と弾性率を表2に示した。
【0046】B.感光材料の作成 前記写真用支持体の両面に、8W/(m2・min)のコロ
ナ放電処理を施し、一方の面に下記下引塗布液B−3を
乾燥膜厚 0.8μmになるように塗布して下引層B−3を
形成し、またこの写真用支持体の他方の面に下記下引塗
布液B−4を乾燥膜厚 0.8μmになるように塗布して下
引層B−4を形成した。
【0047】 <下引塗布液B−3> ブチルアクリレート30重量%、t−ブチルアクリレート20重量%、スチ レン25重量%、および2−ヒドロキシエチルアクリレート25重量%の共 重合体ラテックス液(固形分30%) 270 g 化合物(UL−1) 0.6 g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレン尿素) 0.8 g 水で仕上げる 1000ml
【0048】 <下引塗布液B−4> ブチルアクリレート40重量%、スチレン20重量%およびグリシジルアク リレート40重量%の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270 g 化合物(UL−1) 0.6 g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレン尿素) 0.8 g 水で仕上げる 1000ml
【0049】更に、下引層B−3および下引層B−4の
上に8W/(m2・min)のコロナ放電を施し、下引層B
−3の上には、下記塗布液B−5を乾燥膜厚 0.1μmに
なるように塗布して下引層B−5を形成し、下引層B−
4の上には、下記塗布液B−6を乾燥膜厚 0.8μmにな
るように塗布して帯電防止機能を持つ下引層B−6を形
成した。
【0050】 <塗布液B−5> ゼラチン 10 g 化合物(UL−1) 0.2 g 化合物(UL−2) 0.2 g 化合物(UL−3) 0.1 g シリカ粒子(平均粒径:3μm) 0.1 g 水で仕上げる 1000ml
【0051】 <塗布液B−6> 水溶性導電性ポリマー(UL−4) 60 g 化合物(UL−5)を成分とするラテックス液(固形分20%) 80 g 硫酸アンモニウム 0.5 g 硬化剤(UL−6) 12 g ポリエチレングリコール(重量平均分子量600) 6 g 水で仕上げる 1000ml
【0052】使用した化合物(UL−1〜6)の構造
は、まとめて後掲する。
【0053】下引層B−5の上に25W/(m2・min)
のコロナ放電を施し、又、下引層B−6の上に8W/
(m2・min)のコロナ放電を施した。さらに下記の乳剤
層等を前記下引き層B−5の表面に、バック層を下引き
層B−6の表面に、順次に形成して多層カラー写真感光
材料1を作成し、カブリ濃度を測定し表2に示した。表
2から明らかなように、二軸延伸フィルムの巻ぐせ回復
性、弾性率及び多層カラー写真感光材料のカブリ濃度は
実用上問題ないものであった。
【0054】なお、以下の<バック層>および<乳剤層
>における数量の表示は、m2当たりの量を示す。 <バック層> 第1層; ゼラチン 4.5 g ナトリウム−ジ−(−2−エチルヘキシル)−スルホサクシネート 1.0 g トリポリ燐酸ナトリウム 76mg クエン酸 16mg カルボキシアルキルデキストラン硫酸エステル 49mg ビニルスルホン型硬膜剤 23mg
【0055】 第2層(最外層); ゼラチン 1.5 g ポリマービーズ (平均粒子径:3μm、ポリメチルメタアクリレート) 24mg ナトリウム−ジ−(−2−エチルヘキシル)−スルホサクシネート 15mg カルボキシアルキルデキストラン硫酸エステル 12mg ビニルスルホン型硬膜剤 30mg フッ素系界面活性剤 (SB−2およびSB−3 モル比1:1) 45mg 化合物 SB−1 230mg
【0056】 <乳剤層> 第1層;ハレーション防止層(HC) 黒色コロイド銀 0.15 g UV吸収剤(UV−1) 0.20 g 化合物(CC−1) 0.02 g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.20 g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.20 g ゼラチン 1.6 g
【0057】 第2層;中間層(IL−1) ゼラチン 1.3 g 第3層;低感度赤感性乳剤層(R−L) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.3μm、平均ヨウド含有量 2.0モル%) 0.4 g 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.4μm、平均ヨウド含有量 8.0モル%) 0.3 g 増感色素(S−1) 3.2×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−2) 3.2×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−3) 0.2×10-4(モル/銀1モル) シアンカプラー(C−1) 0.50 g シアンカプラー(C−2) 0.13 g カラードシアンカプラー(CC−1) 0.07 g DIR化合物(D−1) 0.006g DIR化合物(D−2) 0.01 g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.55 g ゼラチン 1.0 g
【0058】 第4層;高感度赤感性乳剤層(RH) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.7μm、平均ヨウド含有量 7.5モル%) 0.9 g 増感色素(S−1) 1.7×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−2) 1.6×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−3) 0.1×10-4(モル/銀1モル) シアンカプラー(C−2) 0.23 g カラードシアンカプラー(CC−1) 0.03 g DIR化合物(D−2) 0.02 g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.25 g ゼラチン 1.0 g
【0059】 第5層;中間層(IL−2) ゼラチン 0.8 g 第6層;低感度緑感性乳剤層(GL) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.4μm、平均ヨウド含有量 8.0モル%) 0.6 g 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.3μm、平均ヨウド含有量 2.0モル%) 0.2 g 増感色素(S−4) 6.7×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−5) 0.8×10-4(モル/銀1モル) マゼンタカプラー(M−1) 0.17 g マゼンタカプラー(M−2) 0.43 g カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.10 g DIR化合物(D−3) 0.02 g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.7 g ゼラチン 1.0 g
【0060】 第7層;高感度緑感性乳剤層(GH) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.7μm、平均ヨウド含有量 7.5モル%) 0.9 g 増感色素(S−6) 1.1×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−7) 2.0×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−8) 0.3×10-4(モル/銀1モル) マゼンタカプラー(M−1) 0.30 g マゼンタカプラー(M−2) 0.13 g カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.04 g DIR化合物(D−3) 0.004g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.35 g ゼラチン 1.0 g
【0061】 第8層;イエローフィルター層(YC) 黄色コロイド銀 0.1 g 添加剤(HS−1) 0.07 g 添加剤(HS−2) 0.07 g 添加剤(SC−1) 0.12 g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.15 g ゼラチン 1.0 g
【0062】 第9層;低感度青感性乳剤層(BL) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.3μm、平均ヨウド含有量 2.0モル%) 0.25 g 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.4μm、平均ヨウド含有量 8.0モル%) 0.25 g 増感色素(S−9) 5.8×10-4(モル/銀1モル) イエローカプラー(Y−1) 0.6 g イエローカプラー(Y−2) 0.32 g DIR化合物(D−1) 0.003g DIR化合物(D−2) 0.006g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.18 g ゼラチン 1.3 g
【0063】 第10層;高感度青感性乳剤層(BH) 沃臭化銀乳剤 (平均粒径 0.8μm、平均ヨウド含有量 8.5モル%) 0.5 g 増感色素(S−10) 3×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−11) 1.2×10-4(モル/銀1モル) イエローカプラー(Y−1) 0.18 g イエローカプラー(Y−2) 0.10 g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.05 g ゼラチン 2.0 g
【0064】 第11層;第1保護層(PRO−1) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.08μm) 0.3 g 紫外線吸収剤(UV−1) 0.07 g 紫外線吸収剤(UV−2) 0.10 g 添加剤(HS−1) 0.2 g 添加剤(HS−2) 0.1 g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.07 g 高沸点溶媒(Oil−3) 0.07 g ゼラチン 0.8 g
【0065】 第12層;第2保護層(PRO−2) 化合物(化合物A) 0.04 g 化合物(化合物B) 0.004g ポリメチルメタアクリレート(平均粒径:3μm) 0.02 g メチルメタアクリレート:エチルメタアクリレート:メタアクリル酸 =3:3:4(重量比)の共重合体(平均粒径:3μm) 0.13 g ゼラチン 0.7 g
【0066】第10層に使用した沃臭化銀乳剤は以下の方
法で調整した。 ―沃臭化銀乳剤の調製― 平均粒径が0.33μmの単分散沃臭化銀粒子(沃化銀含有
率2mol%)を種結晶として、沃臭化銀乳剤をダブルジ
ェット法により調製した。
【0067】下記組成の溶液<G−1>を温度70℃、
pAg 7.8、pH 7.0に保ち、よく撹拌しながら0.34モ
ル相当の種乳剤を添加した。
【0068】(内部高沃度相−コア相−の形成)その
後、下記組成の溶液<H−1>と下記組成の溶液<S−
1>とを1:1の流量比を保ちながら、加速された流量
(終了時の流量が初期流量の 3.6倍)で86分をかけて
添加した。
【0069】(外部低沃度相−シェル相−の形成)続い
て、pAg10.1、pH 6.0に保ちながら、<H−2>と
<S−2>とを1:1の流量比で加速された流量(終了
時の流量が初期流量の 5.2倍)で65分を要して添加し
た。
【0070】粒子形成中のpAgとpHとは、臭化カリ
ウム水溶液と56%酢酸水溶液とを用いて制御した。粒
子形成後に、常法のフロキュレーション法によって水洗
処理を施し、その後ゼラチンを加えて再分散し、40℃
にてpHおよびpAgをそれぞれ 5.8および8.06に調製
した。
【0071】得られた乳剤は、平均粒径0.80μm、分布
の広さが12.4%、沃化銀含有率8.5mol%の八面体沃臭化
銀粒子を含む単分散乳剤であった。
【0072】 <G−1>溶液 オセインゼラチン 100.0 g 下記化合物−Iの10重量%メタノール溶液 25.0ml 28%アンモニア水溶液 440.0ml 56%酢酸水溶液 660.0ml 水で仕上げる 5000.0ml *化合物−I:ポリプロピレンオキシ・ポリエチレンオ
キシ・ジ琥珀酸・ナトリウム
【0073】 <H−1>溶液 オセインゼラチン 82.4 g 臭化カリウム 151.6 g 沃化カリウム 90.6 g 水で仕上げる 1030.5ml
【0074】 <S−1>溶液 硝酸銀 309.2 g 28%アンモニア水溶液 当量 水で仕上げる 1030.5ml
【0075】 <H−2>溶液 オセインゼラチン 302.1 g 臭化カリウム 770.0 g 沃化カリウム 33.2 g 水で仕上げる 3776.8ml
【0076】 <S−2>溶液 硝酸銀 1133.0 g 28%アンモニア水溶液 当量 水で仕上げる 3776.8ml
【0077】第10層以外の乳剤層に使用される沃臭化
銀乳剤についても、同様の方法で、種結晶の平均粒径、
温度、pAg、pH、流量、添加時間、およびハライド
組成を変化させて、平均粒径および沃化銀含有率が異な
る前記各乳剤を調製した。
【0078】いずれも分布の広さ20%以下のコア/シ
ェル型単分散乳剤であった。各乳剤は、チオ硫酸ナトリ
ウム、塩化金酸およびチオシアン酸アンモニウムの存在
下にて最適な化学熟成を施し、増感色素、4−ヒドロキ
シ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデ
ン、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールを加え
た。
【0079】なお、上述の感光材料は、さらに、化合物
Su−1、Su−2、粘度調整剤、硬膜剤H−1、H−
2、安定剤ST−1、カブリ防止剤AF−1、AF−2
(重量平均分子量10,000のもの及び 1,100,000のも
の)、染料AI−1,AI−2および化合物DI−1
( 9.4mg/m2)を含有する。
【0080】この発明に係るハロゲン化銀写真感光材料
を形成するのに用いた各化合物の構造を以下に示す。
【0081】
【化1】
【0082】
【化2】
【0083】
【化3】
【0084】
【化4】
【0085】
【化5】
【0086】
【化6】
【0087】
【化7】
【0088】
【化8】
【0089】
【化9】
【0090】
【化10】
【0091】
【化11】
【0092】
【表1】
【0093】上記表1に示す処理内容を有する処理工程
を実行することにより現像処理を行った。
【0094】ただし、前記補充量は試料である写真用フ
ィルム1m2当りの値であり、また前記安定化の工程は3
槽カスケード方式で行なった。
【0095】 <発色現像液> 水 800ml 炭酸カリウム 30 g 炭酸水素ナトリウム 2.5 g 亜硫酸カリウム 3.0 g 臭化ナトリウム 1.3 g 沃化カリウム 1.2mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.5 g 塩化ナトリウム 0.6 g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N− (β−ヒドロキシルエチル)アニリン硫酸塩 4.5 g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0 g 水酸化カリウム 1.2 g 水で仕上げる 1,000ml 水酸化カリウムまたは20%硫酸を用いてpH10.06に調整する。
【0096】 <発色現像補充液> 水 800ml 炭酸カリウム 30 g 炭酸水素ナトリウム 3 g 亜硫酸カリウム 5 g 臭化ナトリウム 0.4 g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.1 g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N− (β−ヒドロキシルエチル)アニリン硫酸塩 6.3 g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0 g 水酸化カリウム 2 g 水で仕上げる 1,000ml 水酸化カリウムまたは20%硫酸を用いてpH10.18に調整する。
【0097】 <漂白液> 水 700ml 1,3−ジアミノプロパン四酢酸第2鉄アンモニウム 175 g エチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム 2 g 硝酸ナトリウム 50 g 臭化アンモニウム 150 g 氷酢酸 40 g 水で仕上げる 1,000ml アンモニア水または氷酢酸を用いてpH4.4に調整する。
【0098】 <漂白補充液> 水 700ml 1,3−ジアミノプロパン四酢酸第2鉄アンモニウム 180 g エチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム 2 g 硝酸ナトリウム 50 g 臭化アンモニウム 200 g 氷酢酸 56 g 水で仕上げる 1,000ml アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH4.0に調整する。
【0099】 <定着液> 水 800ml チオ硫酸アンモニウム 150 g チオシアン酸アンモニウム 120 g 亜硫酸ナトリウム 15 g エチレンジアミンテトラ酢酸2ナトリウム 2 g 水で仕上げる 1,000ml アンモニア水または酢酸を用いてpH6.5に調整する。
【0100】 <安定液および安定補充液> 下記(化12)で示される化合物 2.0 g ジメチロール尿素 0.5 g ヘキサメチレンテトラミン 0.2 g 1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.1 g シロキサン(UCC製:L−77) 0.1 g アンモニア水 0.5ml 水で仕上げる 1,000ml アンモニア水または50%硫酸を用いてpH8.5に調整する。
【0101】
【化12】
【0102】実施例2および3 実施例1において、中央層における回収ポリエステルの
含有量を各々50重量%、75重量%とした以外は実施例1
と同様にして多層カラー写真感光材料2および3を作成
した。ここで回収ポリエステルとは、最外両層が共重合
ポリエステル層、中央層がポリエチレンテレフタレート
層であり、厚みの比が1/1/1の積層フィルムを製膜
した際に出るフィルムのエッジ部や不良巻を回収し、粉
砕したものである。二軸延伸フィルムの巻ぐせ回復性と
弾性率及び多層カラー写真感光材料のカブリ濃度を測定
し、表2に示した。表2から明らかなように、二軸延伸
フィルムの巻ぐせ回復性、弾性率及び多層カラー写真感
光材料のカブリ濃度は実用上問題ないものであった。
【0103】実施例4 実施例1において、最外層のうちの1層が共重合ポリエ
ステル層、他の1層が回収ポリエステル20重量%と共重
合ポリエステル80重量%から成る層、中央層がポリエチ
レンテレフタレートから成る層となるようにした以外は
実施例1と同様にして二軸延伸フィルムを得た。ここで
回収ポリエステルとは、最外両層が共重合ポリエステル
層、中央層がポリエチレンテレフタレート層であり、厚
みの比が1/1/1の積層フィルムを製膜した際に出る
フィルムのエッジ部や不良巻を回収し、粉砕したもので
ある。
【0104】この二軸延伸フィルムの共重合ポリエステ
ル層側に乳剤層となるようにした以外は実施例1と同様
にして多層カラー写真感光材料4を作成した。二軸延伸
フィルムの巻ぐせ回復性と弾性率及び多層カラー写真感
光材料のカブリ濃度を測定し、表2に示した。表2から
明らかなように、二軸延伸フィルムの巻ぐせ回復性、弾
性率及び多層カラー写真感光材料のカブリ濃度は実用上
問題ないものであった。
【0105】比較例1 実施例4において、回収ポリエステルと共重合ポリエス
テルの混合層側に乳剤層となるようにした以外は実施例
4と同様にして多層カラー写真感光材料5を作成した。
ここで回収ポリエステルとは、最外両層が共重合ポリエ
ステル層、中央層がポリエチレンテレフタレート層であ
り、厚みの比が1/1/1の積層フィルムを製膜した際
に出るフィルムのエッジ部や不良巻を回収し、粉砕した
ものである。二軸延伸フィルムの巻ぐせ回復性と弾性率
及び多層カラー写真感光材料のカブリ濃度を測定し、表
2に示した。表2から明らかなように、該カラー写真感
光材料はカブリ濃度が大きいものであった。
【0106】実施例5 実施例1において、最外両層がポリエチレンテレフタレ
ート層、中央層が回収ポリエステル20重量%、共重合ポ
リエステル80重量%から成る層となるようにした以外は
実施例1と同様にして多層カラー写真感光材料6を作成
した。ここで回収ポリエステルとは、最外両層がポリエ
チレンテレフタレート層、中央層が共重合ポリエステル
層であり、厚みの比が1/1/1の積層フィルムを製膜
した際に出るフィルムのエッジ部や不良巻を回収し、粉
砕したものである。二軸延伸フィルムの巻ぐせ回復性と
弾性率及び多層カラー写真感光材料のカブリ濃度を測定
し、表2に示した。表2から明らかなように、二軸延伸
フィルムの巻ぐせ回復性、弾性率及び多層カラー写真感
光材料のカブリ濃度は実用上問題ないものであった。
【0107】実施例6 テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール6
4重量部に酢酸カルシウム水和物0.1重量部、5−ナトリ
ウムスルホジ(β−ヒドロキシエチル)イソフタル酸の
エチレングリコール溶液(濃度35重量%)25重量部(4.
5モル%/全エステル結合単位)、ポリエチレングリコ
ール(数平均分子量600)12.9重量部(2.2重量%/ポリ
マー)、三酸化アンチモン0.05重量部、リン酸トリメチ
ルエステル0.13重量部、酸化防止剤としてイルガノック
ス245(CIBA−GEIGY社製)を生成物ポリマ
ーに対して1重量%になるように添加し、常法によりエ
ステル交換を行った。次いで徐々に昇温、減圧にし、28
0℃、0.5mmHgで重合を行い固有粘度0.45の共重合ポリ
エステルを得た。
【0108】これらの共重合ポリエステル及びポリエチ
レンテレフタレート(固有粘度0.65)を溶融粘度が同じ
になるようにして実施例4と同様にして押出し、厚さ80
μmの二軸延伸フィルムを得た。
【0109】更に、実施例4と同様にして乳剤層を塗布
し多層カラー写真感光材料9を作成した。
【0110】二軸延伸フィルムの巻ぐせ回復性と弾性率
及び多層カラー写真感光材料のカブリ濃度を測定し、表
2に示した。表2から明かなように、二軸延伸フィルム
の巻ぐせ回復性、弾性率及び多層カラー写真感光材料の
カブリ濃度は実用上問題ないものであった。
【0111】比較例2 実施例1において、最外両層が共重合ポリエステル層、
中央層が回収ポリエステル20重量%、共重合ポリエステ
ル80重量%から成る層となるようにした以外は実施例1
と同様にして多層カラー写真感光材料7を作成した。こ
こで回収ポリエステルとは、全層が共重合ポリエステル
層で、厚みの比が1/1/1の積層フィルムを製膜した
際に出るフィルムのエッジ部や不良巻を回収し、粉砕し
たものである。二軸延伸フィルムの弾性率と巻ぐせ回復
性及び多層カラー写真感光材料のカブリ濃度を表2に示
した。表2から明らかなように、該二軸延伸フィルムは
巻ぐせ回復性には優れるものの弾性率に劣るものであっ
た。
【0112】比較例3 実施例1において、最外両層がポリエチレンテレフタレ
ート層、中央層が回収ポリエステル20重量%、ポリエチ
レンテレフタレート80重量%から成る層となるようにし
た以外は実施例1と同様にして多層カラー写真感光材料
8を作成した。ここで回収ポリエステルとは、全層がポ
リエチレンテレフタレート層で、厚みの比が1/1/1
の積層フィルムを製膜した際に出るフィルムのエッジ部
や不良巻を回収し、粉砕したものである。二軸延伸フィ
ルムの弾性率と巻ぐせ回復性及び多層カラー写真感光材
料のカブリ濃度を表2に示した。表2から明らかなよう
に、該二軸延伸フィルムは弾性率には優れるものの巻ぐ
せ回復性に劣るものであった。
【0113】
【表2】
【0114】実施例7〜11,比較例4 実施例1において、5−ナトリウムスルホジ(β−ヒド
ロキシエチル)イソフタル酸のエチレングリコール溶液
(濃度35重量%)、ポリエチレングリコール(数平均分
子量3000)を表3に示すように変化した以外は実施例1
と同様にして多層カラー写真感光材料10〜15を作成し、
二軸延伸フィルムの巻ぐせ回復性と弾性率及び多層カラ
ー写真感光材料のカブリ濃度を表3に示した。本発明に
規定した範囲であれば、巻ぐせ回復性、弾性率、カブリ
濃度ともに良好なフィルムが得られた。
【0115】
【表3】
【0116】実施例12〜16,比較例5 実施例1において、共重合成分として5−ナトリウムス
ルホジ(β−ヒドロキシエチル)イソフタル酸のエチレ
ングリコール溶液と、ポリエチレングリコールに替えて
アジピン酸ジメチルを表4に示すように変化した以外は
実施例1と同様にして多層カラー写真感光材料16〜21を
作成し、二軸延伸フィルムの巻ぐせ回復性と弾性率及び
多層カラー写真感光材料のカブリ濃度を表4に示した。
本発明に規定した範囲であれば、巻ぐせ回復性、弾性
率、カブリ濃度ともに良好なフィルムが得られた。
【0117】
【表4】
【0118】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
り機械的強度、現像処理後の巻ぐせ回復性に優れ、ハロ
ゲン化銀乳剤層に対して写真性能に影響を及ぼさない写
真用支持体を提供することができる。
フロントページの続き (72)発明者 荒木 弘光 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株 式会社内 (72)発明者 小林 英幸 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株 式会社内 (72)発明者 大久保 義興 山口県防府市惣社町2−33−5 (72)発明者 橋村 鉄太郎 山口県防府市新田1751−15 (72)発明者 内藤 寛 山口県山口市大字吉敷2265−5 (56)参考文献 特開 平4−235036(JP,A) 特開 平4−93937(JP,A) 特開 昭50−80371(JP,A) 特開 昭50−142234(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 1/795,1/81

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属スルホネート基を有する芳香族ジカ
    ルボン酸を含まないポリエステル層の少なくとも片面に
    共重合ポリエステル層が少なくとも1層積層されている
    多層フィルムからなる写真用支持体において、該共重合
    ポリエステルが共重合成分として金属スルホネート基を
    有する芳香族ジカルボン酸を含有し、該多層フィルムの
    ハロゲン化銀乳剤層に隣接する層以外の少なくとも1層
    該多層フィルムを回収して得られる回収ポリエステル
    を含有し、ハロゲン化銀乳剤層に隣接する層には該回収
    ポリエステルを含有しないことを特徴とする写真用支持
    体。
  2. 【請求項2】 金属スルホネート基を有する芳香族ジカ
    ルボン酸を含まないポリエステル層の少なくとも片面に
    共重合ポリエステル層が少なくとも1層積層されている
    多層フィルムからなる写真用支持体において、該共重合
    ポリエステルが共重合成分として金属スルホネート基を
    有する芳香族ジカルボン酸を含有し、更に共重合成分と
    してポリアルキレングリコール又は飽和脂肪族ジカルボ
    ン酸の少なくとも1種を含有し、該多層フィルムのハロ
    ゲン化銀乳剤層に隣接する層以外の少なくとも1層に
    多層フィルムを回収して得られる回収ポリエステルを含
    ハロゲン化銀乳剤層に隣接する層には該回収ポリ
    エステルを含有しないことを特徴とする写真用支持体。
  3. 【請求項3】 金属スルホネート基を有する芳香族ジカ
    ルボン酸を含まないポリエステル層の少なくとも片面に
    共重合ポリエステル層が少なくとも1層積層されている
    多層フィルムからなる写真用支持体において、該共重合
    ポリエステルが共重合成分として金属スルホネート基を
    有する芳香族ジカルボン酸を含有し、更に共重合成分と
    してポリアルキレングリコール及び飽和脂肪族ジカルボ
    ン酸の少なくとも1種をそれぞれ含有し、該多層フィル
    ムのハロゲン化銀乳剤層に隣接する層以外の少なくとも
    1層に該多層フィルムを回収して得られる回収ポリエス
    テルを含有し、ハロゲン化銀乳剤層に隣接する層には該
    回収ポリエステルを含有しないことを特徴とする写真用
    支持体。
  4. 【請求項4】 該回収ポリエステルの含有量が、該回収
    ポリエステル含有量の重量に対して50重量%以下であ
    ることを特徴とする請求項1、2又は3に記 載の写真用
    支持体。
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