JP3320822B2 - 対物レンズの支持構造 - Google Patents

対物レンズの支持構造

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JP3320822B2
JP3320822B2 JP06601093A JP6601093A JP3320822B2 JP 3320822 B2 JP3320822 B2 JP 3320822B2 JP 06601093 A JP06601093 A JP 06601093A JP 6601093 A JP6601093 A JP 6601093A JP 3320822 B2 JP3320822 B2 JP 3320822B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ光束によって光
磁気ディスク等の記録媒体に情報の記録および再生を行
う光学式情報記録再生装置に関し、特に、この光学式情
報記録再生装置の光学系の対物レンズの支持構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光学式情報記録再生装置では、記録媒体
に対する情報の書き込みおよび読み出しを正確に行うた
め、レーザ光束を記録媒体上にできるだけ小さく集束さ
せる必要がある。しかし対物レンズの光軸が記録媒体に
対して傾いていると、コマ収差が発生し、記録媒体上に
おいてレーザビームスポットが小さく集束しなくなる。
すなわち、例えば読み取り信号の振幅が減少したり、あ
るいはジッタが増大し、信号が正確に再生されなくなる
という問題が発生する。
【0003】そこで光学式情報記録再生装置の製造工程
では、対物レンズの光軸が記録媒体に対して高精度に垂
直になるように、対物レンズの姿勢を調整する必要があ
る。対物レンズの光軸と記録媒体の傾きの許容範囲は、
最近の記録情報の高密度化に伴って大きいNA(開口
数)を有する対物レンズの場合、さらに厳しく定められ
なければならない。
【0004】このため従来、記録媒体の径方向に移動自
在に設けられる移動部材に、対物レンズの支持部材を傾
斜可能に取付けるとともに、これら移動部材と支持部材
とをネジ等の部材を用いて連結し、ネジを回転させるこ
とによって対物レンズと支持部材を傾き調整する構成が
採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、記録媒体では検
索動作の高速化が望まれており、このため、光ピックア
ップのトラッキング動作、すなわち移動部材の記録媒体
の径方向への移動および位置決め動作を高速化する必要
性が増してきている。ところが上述のような、ネジ等に
より移動部材と支持部材とを連結する構成によると、部
品点数が多いために光ピックアップの重量が大きくな
り、限られた駆動電流でトラッキング動作を高速化する
には限界がある。
【0006】本発明は、光ピックアップの部品点数を減
少させてこの光ピックアップの軽量化を図り、トラッキ
ング動作をさらに高速化させることができる対物レンズ
の支持構造を提供することを目的としている。
【0007】
【問題を解決するための手段】本発明に係る対物レンズ
の支持構造は、対物レンズを傾斜面によって支持する支
持部材を備え、対物レンズと支持部材との接触位置を変
化させることにより、対物レンズの傾きが変化する対物
レンズの支持構造であって、傾斜面は支持部材に形成さ
れ、支持部材は傾斜面に形成される突起部を有し、突起
部には接着剤溜め部が形成され、傾斜面は、円錐面の一
部から成り、突起部は、円錐面の周方向に沿って等間隔
に複数設けられることを特徴としている。
【0008】
【実施例】以下図示実施例により本発明を説明する。図
1は、対物レンズ傾き検出装置200によって、光磁気
ディスク装置100の対物レンズ150の傾きを検出す
る状態を示している。
【0009】光磁気ディスク装置100の光学系の構成
を説明する。半導体レーザ(LD)光源101から出力
される発散光束のレーザビーム(コヒーレント光)は、
コリメートレンズ102によって平行光束に変換され、
この光束の断面形状はビーム整形プリズム(アナモプリ
ズム)103によって円形に整形される。このビーム整
形プリズム103には、光分割プリズム104、105
が固定されている。ビーム整形プリズム103を透過
し、光分割プリズム104、105の間のビームスプリ
ッター106において反射したレーザビームは、光量セ
ンサ107に入射する。これにより半導体レーザ光源1
01から出力されるレーザビームの光量が検出され、レ
ーザビームの光量が所定値になるように自動的に調節さ
れる。
【0010】ビームスプリッター106を透過したレー
ザビームは、ミラー110において反射した後、対物レ
ンズ傾き検出装置200の挿入プリズム(光分割手段)
201を透過し、ミラー112において反射して対物レ
ンズ150に導かれる。
【0011】対物レンズ150は、その傾き調整時、図
示のようにカバーガラスA(記録媒体である光磁気ディ
スクと光学的に等価なガラス)に対向しているが、光磁
気ディスクの記録再生時、図示の状態とは異なり、光磁
気ディスクに対向している。ここで、光磁気ディスク装
置100の信号検出系の構成の説明のため、光磁気ディ
スクの記録再生時を想定する。すなわちこの状態におい
て、対物レンズ傾き検出装置200は設けられておら
ず、カバーガラスAの代わりに光磁気ディスクが設けら
れている。
【0012】さて、光磁気ディスクにおいて反射した光
束は、対物レンズ150、ミラー112およびミラー1
10を通って、光分割プリズム104、105に導かれ
る。光分割プリズム104、105の間のビームスプリ
ッター106において反射した光束は、1/2波長板1
13において偏光方向が45度回転させられ、プリズム
114とウェッジプリズム115によって構成される偏
光ビームスプリッタに入射する。この偏光ビームスプリ
ッタに入射した光束のP偏光成分とS偏光成分は、偏光
ビームスプリッタにおいて2つに分離され、集光レンズ
116を透過し、2つのデータセンサから成る信号検出
器117に入射し、光磁気信号等が得られる。
【0013】一方ビームスプリッター106を透過した
光束は、ビーム整形プリズム103と光分割プリズム1
04の間に形成されたビームスプリッター108におい
て反射し、集光レンズ121に入射する。そしてこの光
束は、プリズム122によって反射し、シリンドリカル
レンズ123を透過してエラー検出器124に入射す
る。すなわち、この光束は集光レンズ121とシリンド
リカルレンズ123によって非点隔差を与えられ、エラ
ー検出器124に集光し、ここではプッシュプル法によ
るトラッキングエラー信号と非点収差法によるフォーカ
シングエラー信号とが得られる。
【0014】次に、対物レンズ傾き検出装置200の光
学系の構成を説明する。半球レンズ202は、カバーガ
ラスAに近接した位置に設けられ、カバーガラスAに対
して対物レンズ150とは反対側に配設される。挿入プ
リズム201は、光磁気ディスク装置のミラー110と
ミラー112の間、すなわち平行光束中に挿入される。
挿入プリズム201は、高精度に製作された(すなわち
この挿入プリズムによる新たな波面収差の発生はない)
偏光ビームスプリッタ(PBS)201a、およびこの
PBS201aの対物レンズ150側に設けられた1/
4波長板201bから構成される。挿入プリズム201
に入射した直線偏光は、1/4波長板201bを透過し
たことにより円偏光に変換され、半球レンズ202によ
って反射した光束は挿入プリズム201により、入射直
線偏光に対して直交した偏光として対物レンズ傾き検出
装置200内に導かれる。この挿入プリズム201から
半導体レーザ光源101側への戻り光は生ぜず、戻り光
によるノイズの発生が抑えられる。
【0015】なお、偏光ビームスプリッタ201aの半
導体レーザ光源101側に1/2波長板201cを設け
てもよい。1/2波長板201cのPBS201aへの
取付け状態を選択することによって、半導体レーザ光源
101からの光の偏光方向が自由に選択されるので、検
出装置200の設置場所が図示例とは異なる場合(すな
わち入射偏光方向と挿入プリズム反射面の法線が同一平
面にない場合)に、半球レンズ202からの反射光束を
検出装置200へ取り出すことができる。
【0016】挿入プリズム201で反射した光束の一部
は、ハーフミラー203を透過し、結像レンズ204を
介して干渉縞観測部205に導かれる。干渉縞観測部2
05は、例えばCCDカメラおよび図示しないモニタを
備えている。この観測部205では、対物レンズ150
およびカバーガラスAを透過し、半球レンズ202の平
面部202aで反射した光束と球面部202bで反射し
た光束との重ね合わせによって生じる干渉縞Bが観測さ
れる。この干渉縞Bの歪みは、対物レンズ150とカバ
ーガラスAの相対的な傾きによって生じるコマ収差に起
因している。
【0017】一方、ハーフミラー203において反射し
た光束は、集光レンズ211に導かれる。集光レンズ2
11から出射される光束は、ビームスプリッタ212に
おいて2つに分離され、一方の光束は拡大レンズ213
を介して点像観測部214に導かれ、他方の光束はアラ
イメント検出部215に導かれる。点像観測部214と
アライメント検出部215は、それぞれ例えばCCDカ
メラおよび図示しないモニタを備えている。
【0018】点像観測部214では、半球レンズ202
の平面部202aから反射された反射像(点像)と球面
部202bから反射された反射像(点像)Cとが、それ
ぞれ拡大して観測される。平面202aによる点像は、
光軸に対し180度方向に非対称な成分であるコマ収差
成分を含んでいないが、球面部202bによる点像C
は、コマ収差成分を含んでいる。
【0019】一方アライメント検出部215は、干渉縞
や点像を良好に観測するためのもので、対物レンズ15
0に入射した光束によってできた集光点と、半球レンズ
202の平面部202aおよび球面部202bの曲率中
心(半球レンズ202の平面部202a上にある)との
位置関係を調整するために設けられている。このアライ
メント検出部215は後述するように、例えば、対物レ
ンズ150の傾き調整の開始時、半球レンズ202と光
磁気ディスクディスク装置100との相対的な位置設定
や、対物レンズ150の傾き調整時に用いられる。
【0020】図2を参照して、本実施例における波面収
差内のコマ収差成分(以下、単にコマ収差という)の検
出感度について説明する。
【0021】この図において、対物レンズ150および
カバーガラスAを透過した光線L1のうち一部は、半球
レンズ202の平面部202aにより、対物レンズ15
0の光軸に対して180度対称に折り返して反射され光
線L2となる。一方、平面部202aを透過した光線の
うち一部は、半球レンズ202の球面部202bで反射
されて光線L3となり、入射光線と同じ経路をたどり、
対物レンズ150から射出する。
【0022】対物レンズ150およびカバーガラスAを
透過した波面のうち、半球レンズ202の平面部202
aで反射して対物レンズ150を透過した波面には、光
軸に対して180度方向の非対称成分であるコマ収差は
含まれていない。一方、半球レンズ202の球面部20
2bで反射し、対物レンズ150を透過した波面は、対
物レンズ150およびカバーガラスAを往復して透過し
ているので、対物レンズ150およびカバーガラスAを
透過した時のコマ収差の2倍のコマ収差を含んでいる。
これら両者の波面が相互に重ね合わされることにより干
渉縞が発生し、干渉縞観測部205では、対物レンズ1
50およびカバーガラスAを透過したことにより発生す
るコマ収差が2倍の感度で観測される。換言すれば、観
測部205においては、カバーガラスAに対して対物レ
ンズ150が傾くことにより生じたコマ収差量がλ/2
(λは対物レンズを透過する光の波長を示す)の時に、
干渉縞が1本観測される。
【0023】次に、図1および図3を参照して、本実施
例装置による対物レンズの傾き調整を概略的に説明す
る。まず、対物レンズ150を所定の支持部材(図示せ
ず)上に載置するとともに、カバーガラスAをディスク
取付面(図示せず)を基準として所定位置に配置する。
そして、アライメント検出部215および点像観測部2
14に表示された、対物レンズ150によって集光され
半球レンズ202の平面部202aからの反射による点
像が鮮明なスポットになるように、半球レンズ202と
対物レンズ150の光軸方向の相対的な位置合わせを行
う。次に、アライメント検出部215に表示された、対
物レンズ150によって集光され半球レンズ202の球
面部202bからの反射による点像が、半球レンズ20
2の平面部202aからの反射点像の位置にくるよう
に、対物レンズ150および半球レンズ202の光軸に
垂直な方向の相対的な位置合わせを行う。
【0024】干渉縞観測部205のモニタには、図3
(a)に示す干渉縞Bが表示され、またアライメント検
出部215および点像観測部214のモニタには、図3
(b)に示すような点像C,Dが表示されている。干渉
縞Bの歪みは、コマ収差によって発生し、対物レンズ1
50とカバーガラスAとの相対的な傾きが大きくなるほ
ど大きくなる。点像Cは、半球レンズ202の球面部2
02bからの反射像であり、コマ収差が現れている。一
方点像Dは、半球レンズ202の平面部202aからの
反射像であり、コマ収差成分を含んでいない。アライメ
ント検出部215と点像観測部214では観測倍率が異
なっており、いずれの点像C,Dも、点像観測部214
では高倍率で表示されるため、明瞭な像として観察され
る。
【0025】さて干渉縞Bの歪みの大きさが所定の量
(例えばλ/4すなわち1/2本)よりも大きい場合、
対物レンズ150の傾きを調整し、この歪みが実質的に
消滅して干渉縞Bが直線的になるようにする。この傾き
調整によって対物レンズ150による集光点が半球レン
ズ202の球面部202bの曲率中心から大きくずれる
と、干渉縞Bのティルト縞の本数が増加しすぎ、干渉縞
Bの歪みの大きさが判断しにくくなる。このような場合
には、干渉縞Bの本数が減少するように、対物レンズ1
50すなわち光磁気ディスク装置100全体、または半
球レンズ202をを対物レンズ150の光軸に垂直な方
向に変位させ、ティルト縞の本数を適当な値にする(通
常3〜4本)。ここで再び対物レンズとカバーガラスと
の相対的な傾きによって生ずるコマ収差を観測し、再び
干渉縞Bが直線的になるように対物レンズ150の傾き
を調整する。以上の操作を繰り返すことにより、対物レ
ンズ150の傾きは高精度に調整される。
【0026】以上のように本実施例では、対物レンズ1
50に対してカバーガラスA側に半球レンズ202が設
けられ、この半球レンズ202による反射光束によって
生じる干渉縞Bに基づいて、対物レンズ150とカバー
ガラスAの相対的な傾きが検出される。したがってカバ
ーガラスA側には、干渉縞Bを得るための光学系として
は実質的に半球レンズ202しか設けられておらず、大
きな空間が確保される。このため本実施例では、半球レ
ンズ202側から対物レンズ150の傾きを調整するこ
とが可能となり、対物レンズ150の支持部材(図示せ
ず)への取付け構造の自由度を損なうことがない。すな
わち、光磁気ディスク装置のフォーカシング・トラッキ
ング機構を軽量化するために、フォーカシング・トラッ
キング機構への対物レンズ150の取付け構造として例
えば図4〜図7に示すようなものを採用した場合であっ
ても対物レンズ150の傾きを調整することができる。
【0027】また本実施例では、半球レンズ202によ
り、対物レンズ150から導かれた光束を反射させると
ともに複数の光束に分離し、そしてこれら複数の光束を
相対的に光軸の周りに略180度回転させるとともに相
互に重ね合わせて干渉縞を発生させている。すなわち、
光束の反射、分離、回転および重ね合わせを1つの部材
により達成している。したがって、後述する凹面鏡とダ
ブプリズムを用いた構成と比較し、重ね合わせられる複
数の光束に違った外乱が入りにくいため、安定した干渉
縞Bが得られ、傾き調整作業が容易に行なえる。
【0028】さらに本実施例では、半球レンズ202を
用いたため、半球レンズ202と対物レンズ150との
間の位置調整、すなわちアライメント調整が容易であ
る。つまり、半球レンズ202は平面部202aに球面
部202bの曲率中心があるため、対物レンズ150の
集光点を平面部202aに合わせるだけで半球レンズ2
02の光軸方向の位置調整が完了し、その後、対物レン
ズ150の集光点が半球レンズ202の球面部202b
の曲率中心上に合致するように、半球レンズ202また
は対物レンズ150(すなわち光磁気ディスク装置10
0)を光軸に対して垂直方向に位置調整すればよい。
【0029】以上のような対物レンズ150の傾き調整
が終了すると、この光磁気ディスク装置は次の工程に搬
送され、所定の組み立てあるいは検査が行われる。
【0030】次に図4〜図7を参照して、光磁気ディス
ク装置100のフォーカシング・トラッキング機構への
対物レンズ150の取付け構造について説明する。
【0031】図4に示すように、対物レンズ150はレ
ンズ支持部材151の支持面152によって支持されて
いる。支持面152は環状の傾斜面であり、円錐面の一
部から成っている。対物レンズ150は例えば両面非球
面の単玉ガラスモールドレンズであり、その外周部には
全周にわたって、支持面152に接触するフランジ15
3が形成されている。
【0032】今、支持面152の中心線CLと対物レン
ズ150の光軸が一致しており、対物レンズ150とカ
バーガラスAとは相互に平行であると仮定する。この状
態から対物レンズ150が図の横方向の力を受けてδだ
け変位すると、フランジ153が支持面152に沿って
変位するため、対物レンズ150は、二点鎖線により示
すように、支持面152に垂直な直線Mと中心線CLと
の交点C1を中心として回転する。すなわち、対物レン
ズ150の光軸の傾きθが生ずるとともに、集光点C2
が変位して像点ずれεが発生する。この傾きθが生ずる
ことよってコマ収差が発生し、干渉縞B(図1等を参
照)の歪みが大きくなる。また像点ずれεによってティ
ルト縞である干渉縞Bの本数が増大し、これにより干渉
縞の歪みの大きさが観測しにくくなることがある。した
がって、対物レンズ150の傾き調整時には、傾きθの
みが変化し、像点ずれεが発生しないことが望ましい。
【0033】対物レンズ150の傾斜によって像点ずれ
εが発生しないためには、対物レンズ150は入射光が
平行光の場合、後側主点(像側主点)N2を中心として
回転すればよい。しかし図示例のように対物レンズ15
0が支持面152に対して変位する構成の場合、対物レ
ンズ150が後側主点N2を中心として回転するには、
支持面152とフランジ153との接点を通り支持面1
52に垂直な直線と、光軸との交点C1が、後側主点N
2と一致する必要がある。このような状態で、対物レン
ズ150を支持することは困難である。そこで上記実施
例では、傾き調整工程において、像点ずれεが発生した
ために干渉縞の本数が増加してコマ収差の程度が判定し
にくくなった場合には、対物レンズの光軸に垂直な方向
に対物レンズ傾き検出装置200全体を変位させるか、
または半球レンズ202(あるいは凹面鏡240)を変
位させるかによって、像点ずれεすなわち干渉縞の本数
を減少させてコマ収差を測定している。対物レンズ15
0の傾き調整工程については、後に詳述する。
【0034】図5は、フォーカシング・トラッキング機
構160への対物レンズ150の取付け構造を模式的に
示すものである。
【0035】フォーカシング・トラッキング機構(コー
ス・アクチュエータ)160は光磁気ディスクKの下方
に位置しており、対物レンズ150はこの光磁気ディス
クKの下方からレーザ光Sを照射する。レンズ支持部材
(ファイン・アクチュエータ)151はバネ154によ
って固定部材155に連結されており、固定部材155
はネジ156によって移動部材157に固定されてい
る。すなわちレンズ支持部材151は固定部材155に
対し、バネ154が撓むことによって変位可能であり、
固定部材155と移動部材157は一体的に連結されて
いる。このように、対物レンズ150がレンズ支持部材
151に対して傾きを調整される構成とするとともに、
固定部材155と移動部材157を一体的に連結したた
め、従来のように固定部材155と移動部材157を相
対的に傾斜させるための構造が不要となり、固定部材1
55と移動部材157を傾斜可能に連結するための部品
を削除することができる。したがって、フォーカシング
・トラッキング機構160を大幅に軽量化することがで
き、光磁気ディスクに対するトラッキング動作を高速化
させることが可能となる。
【0036】図6は、分離型の光磁気ディスク装置のフ
ォーカシング・トラッキング機構160の具体的な構成
を示している。移動部材157は、例えばボールベアリ
ングを介して、レール161に移動自在に支持されてお
り、このレール161に沿って変位することにより、光
磁気ディスクの所定のトラックに位置決めされる。移動
部材157には、ミラー112(図1参照)が配設され
ており、このミラー112を介して、レーザ光束が対物
レンズ150に導かれ、また対物レンズ150から出射
されたレーザ光が図示しない検出系に導かれる。固定部
材155は連結部材158を介して移動部材157に固
定されている。なお、図5では連結部材158は省略さ
れている。
【0037】バネ154は図6において紙面に垂直な方
向に延びている。レンズ支持部材151は、固定部材1
55および連結部材158から離間しており、バネ15
4のみによって支持されている。レンズ支持部材151
には、対物レンズ150の下方に延びる孔162が形成
されており、この孔162の周囲には複数のソレノイド
コイル163が設けられている。連結部材158には、
ソレノイドコイル163に対応してマグネット(図示せ
ず)が設けられている。従来公知のように光磁気ディス
クKの記録あるいは再生動作において、トラッキングエ
ラー信号およびフォーカシングエラー信号に基づいて、
複数のソレノイドコイル163のうち所定のものが通電
され、レンズ支持部材151が微小変位して対物レンズ
150と光磁気ディスクKのフォーカス位置およびトラ
ック位置との相対的な位置関係が調整される。
【0038】図7はレンズ支持部材151の構造を示
し、対物レンズ150が載置される支持面152および
その付近の構成については誇張して示している。
【0039】環状の支持面152は、孔162の中心軸
上に頂点を有する円錐面の一部であり、内側ほど低く形
成されている。支持面152の外周部には、上方に突出
する4つの突起164が形成されている。これらの突起
164は等間隔毎に設けられ、内周面に形成された凹曲
面は接着剤溜め部165である。これらの接着剤溜め部
165には、対物レンズ150と支持面152の接着に
使用されない余分の接着剤が保持される。すなわち接着
剤の量が多い場合、接着剤が硬化したことによって膨張
しても、この膨張した分は接着剤溜め部165に吸収さ
れ、これにより接着剤が対物レンズ150の表面に侵入
することが防止される。
【0040】次に図8〜図20を参照して、対物レンズ
150を支持部材151上に載置するとともに、この対
物レンズ150の傾きを調整するための装置および工程
について説明する。
【0041】図8は、光ディスク装置取付け装置500
の概略的な構成を示す平面図である。取付け装置500
は、平行に延びる一対の案内部材501、502を有
し、この案内部材501、502には、パレット503
が移動自在に設けられている。光磁気ディスク装置10
0は第1ステージST1においてパレット503上に載
置される。
【0042】次いでパレット503は図の右方向に移送
され、第2ステージST2において停止する。第2ステ
ージST2には、図9に示すような位置決め装置300
が設けられている。この位置決め装置300は、レール
161(図6)に対するレンズ支持部材151の位置決
めを行うものである。レール161は、図9において左
右方向に延びており、レンズ支持部材151をこのレー
ルに対して所定位置に停止させるため、取付け装置50
0にはストッパ301が設けられている。このストッパ
301には、連結部材158が当接し、これによりレン
ズ支持部材151の概略的な位置決めが行われる。次い
で図示しないロック機構が操作され、フォーカシング・
トラッキング機構160(図6)がレール161(図
6)に固定されるとともに、ストッパ301が上方に回
転移動して連結部材158から解放される。
【0043】この位置決めの状態を確認するため、スト
ッパ301の先端部の上方には、顕微鏡対物レンズ30
2が設けられている。この顕微鏡対物レンズ302は、
固定板303に取付けられた円筒状のホルダ304の下
端部に固定されている。一方、ホルダ304の上端部に
はCCDカメラ305が設けられ、このカメラ305に
はモニタ306が接続されている。モニタ306上にお
いて、レンズ支持部材151の映像が所定の位置を表す
指標に一致していない時、その映像と指標が一致するよ
うに、光磁気ディスク装置100の位置が水平位置調整
機構505(図8)によって水平面内で微調整され、レ
ンズ支持部材151の位置が修正される。
【0044】水平位置調整機構505はパレット503
の下面に設けられており、光磁気ディスク装置100を
パレット503に対して、案内部材501、502に平
行なX軸方向、およびX軸に垂直なY軸方向に変位させ
ることができる。すなわち、X軸調整つまみ506を軸
周りに回転させることにより、光磁気ディスク装置10
0のX軸方向位置が微調整され、またY軸調整つまみ5
07を軸周りに回転させることにより、光磁気ディスク
装置100のY軸方向位置が微調整される。
【0045】次いで、パレット503すなわち光磁気デ
ィスク装置100は案内部材501、502に沿って図
8の左方向に移送され、第3ステージST3において停
止する。この第3ステージST3では、次に述べるよう
にレンズ供給装置310により、対物レンズ150がレ
ンズ支持部材151上に載置されるとともに、支持部材
151と対物レンズ150の間に接着剤が供給される。
【0046】図10は第3ステージST3に設けられる
レンズ供給装置310を示している。固定板311には
円筒状の軸受部材312が固定され、軸受部材312の
固定板311からの突出部の外面には、円錐筒状の案内
部313が嵌合されている。案内部313の内部には円
錐状のテーパ面314が形成されており、また案内部3
13の外周部には、4本の接着剤塗布部材315が案内
部313の軸心を中心として等間隔毎に設けられてい
る。塗布部材315は細長い管状部材であり、可撓性の
チューブ316を介して、接着剤供給部317に接続さ
れている。接着剤供給部317は一定量の接着剤を供給
するように制御される。
【0047】先端に吸着管322が取付けられた挿入管
321は、軸受部材312の内部壁面318に摺動自在
に嵌合される。挿入管321は負圧源325に接続され
ており、この負圧によって吸着管322の先端に対物レ
ンズ150が保持される。挿入管321の基部321a
は支持管323によって摺動自在に支持されており、支
持管323に形成された案内溝323aには、基部32
1aに固定されたボルト324が係合している。すなわ
ちボルト324は案内溝323aに案内され、これによ
り挿入管321は、支持管323に対して軸心方向に相
対移動可能である。
【0048】支持管323、挿入管321および吸着管
322は、最初、軸受部材312から取り外されてお
り、この状態で、吸着管322の先端に、図示しない対
物レンズ設置部から対物レンズ150が供給される。そ
して吸着管322の先端に対物レンズ150が保持され
た状態で、挿入管321および吸着管322は軸受け部
材312および案内部313内に挿入される。この挿入
動作において、図11に示すように対物レンズ150の
外周面154が、案内部313のテーパ面314とその
先端に形成された円形孔319とによって案内されるこ
とにより、対物レンズ150の円形孔319に対する径
方向の位置決め、すなわち心出しが行われる。挿入管3
21と吸着管322がさらに挿入され、支持管323の
下端部が軸受部材312の上端部に当接すると、吸着管
322の先端すなわち対物レンズ150は図10に示す
ように案内部313の円形孔319から下方に突出す
る。
【0049】次いで挿入管321および吸着管322
が、支持管323、軸受部材312および案内部313
に対して下降し、図12に示すように対物レンズ150
は支持部材151の支持面152上に載置される。そし
て挿入管321および吸着管322への負圧の供給が遮
断されると同時に、吸着管322は対物レンズ150か
ら僅かに離される。この状態において、4本の接着剤塗
布部材315の先端は、それぞれ各支持部材151の突
起164の上面中央部に対向しており、この接着剤塗布
部材315から所定量の接着剤Gが接着剤溜め部165
内に供給される。この時、接着剤Gは等間隔に配置され
た接着剤溜め部165に供給されるので、接着剤Gは支
持面152に載置された対物レンズ150の外周縁部全
体に渡って均等に塗布される。なお本実施例において、
接着剤Gは紫外線硬化型である。
【0050】接着剤Gが塗布された後、挿入管321お
よび吸着管322は、図示しないバネによって、上昇し
て対物レンズ150から離間し、図10に示す位置にお
いて停止する。
【0051】その後、第4ステージST4において、対
物レンズ150の傾き調整が行われるとともに、接着剤
Gが硬化されて対物レンズ150は支持部材151上に
固定される。図13および図14は、この傾き調整工程
を示すフローチャートである。
【0052】ステップS10では、第3ステージを終了
して再び第1ステージST1に移送された光磁気ディス
ク装置100に、図15および図16に示すような挿入
部材330が取付けられる。(図17および図18参
照)
【0053】挿入部材330は、円板状の本体331を
有しており、本体331の中央部にはスピンドルモータ
の出力軸131に嵌合される孔333が形成されてい
る。第1のアーム334は本体331から径方向に延
び、このアーム334の先端にはカバーガラスAが取付
けられている。すなわちカバーガラスAは、スピンドル
モータのディスク当て付け面と平行に取付けられてい
る。第2のアーム335は、上方から見ると第1のアー
ム334を囲う矩形を有しており、この第2のアーム3
35の先端には下方に延びる支持部336が形成され、
この支持部336には挿入プリズム201が取付けられ
ている。すなわち、挿入プリズム201はカバーガラス
Aよりも下方に位置する。なお、第2のアーム335の
先端と支持部336には、挿入プリズム201による反
射光を透過させるための孔337、338が形成され、
また第1のアーム334には、傾き調整爪401を通す
ための開口339が形成されている。
【0054】ステップS11では、光磁気ディスク装置
100は第4ステージST4に移送される。第4ステー
ジST4には傾き調整装置400が設けられている。傾
き調整装置400は、カバーガラスAに対する対物レン
ズ400の傾きを調整するためのもので、半球レンズ2
02と傾き調整爪401を備えており、図18の状態に
おいて半球レンズ202の平面部202aはカバーガラ
スAに平行である。なお、傾き調整装置400の構成に
ついては後述する。光磁気ディスク装置100は傾き調
整装置400の下方において、所定の位置に固定され
る。最初、傾き調整装置400は図17に示すように、
対物レンズ150の上方であって対物レンズ150から
相対的に高い位置にあるが、ステップS12において下
降し、図18に示すように対物レンズ150に近接した
所定の高さ位置に定められる。この時、半球レンズ20
2の光軸方向での位置決めが行われ、また、傾き調整爪
401も対物レンズ150に近接した位置に設定され
る。
【0055】ステップS13では、アライメント検出部
215(図1)に表示された点像(図3)および点像観
測部214に表示された点像Dが鮮明なスポットになる
ように、すなわち対物レンズ150の集光点が半球レン
ズ202の平面部202a上にくるように、対物レンズ
150の光軸(Z軸)方向の位置を微調整する。この微
調整は、アライメント検出部215および点像観測部2
14の各モニタを観測しながら、ソレノイドコイル16
3(図7)への通電を制御し、対物レンズ150のみを
動かすかまたは光磁気ディスク装置100全体を図示し
ない駆動部によって動かすことにより行われる。なお、
この対物レンズ150の微調整に代えて、半球レンズ2
02を光軸方向に微調整するようにしてもよい。
【0056】ステップS14では、干渉縞観測部20
5、点像観測部214およびアライメント検出部215
のモニタに表示された干渉縞B、点像C、D(図3)を
観測することにより、対物レンズ150の集光点と半球
レンズ202の球面部202bの曲率中心とが合致する
ように、対物レンズ150を光軸の垂直方向に微調整す
る。すなわち、点像Cが点像Dに近づくように微調整す
る。これは、光磁気ディスク装置100を水平位置調整
機構505によってX軸方向およびY軸方向に微小変位
させることにより行われる。これにより干渉縞Bにはコ
マ収差の他、適当なティルト縞の本数(例えば3本)が
加わり、干渉縞Bの歪みすなわちコマ収差が見やすくな
る。なお、この対物レンズ150の微調整に代えて、半
球レンズ202をX軸方向およびY軸方向に微調整する
ようにしてもよい。
【0057】ステップS15では、適当な方向のティル
ト縞を選択して、干渉縞観測部205のモニタに表示さ
れた干渉縞Bを観測することにより、対物レンズ150
から出射された光束のコマ収差の大きさを判定する。こ
のコマ収差が許容値以内でない時、すなわち干渉縞Bの
歪みの大きさが所定の量よりも大きい時、カバーガラス
Aに対する対物レンズ150の傾斜の度合いが大きいと
判定し、ステップS20以降の作業に示すように、傾き
調整装置400によって対物レンズ150の傾きを調整
する。また観測されたコマ収差の大きさが所定より小さ
い時は、対物レンズ150の傾き調整は行わず、ステッ
プS26以降の作業を行う。
【0058】ここで傾き調整装置400の構成を、図1
8〜図20を参照して説明する。傾き調整装置400の
本体402の下面には、半球レンズ保持部材404が取
付けられている。半球レンズ保持部材404の先端には
上下方向に延びる孔403が形成され、この孔403の
下端部には、半球レンズ202が固定されている。
【0059】4本の傾き調整爪401は、図19から理
解されるように、円板409の中央部をくり抜いて成形
され、円板409の中心に向かって延びている。円板4
09は半球状の回動部材410の下面に取付けられ、ま
た円板409の中心は、半球レンズ202の内部に位置
している。各傾き調整爪401は90度間隔に設けら
れ、その先端は折曲されて半球レンズ202よりも下方
に位置している。また各傾き調整爪401の先端は、回
動部材410の半球状外周面411の曲率中心の近傍ま
で延び、図18に示す状態すなわち対物レンズ150の
傾き調整時において、カバーガラスAの下面よりも下方
に位置している。なお4本の傾き調整爪401のうち1
本は、第1のアーム334の開口339内に位置してい
る。また回動部材410には、半球レンズ保持部材40
4との干渉を避けるため、切欠部419が形成されてい
る。
【0060】回動部材410の半球状外周面411は、
本体402の下面に形成された半球状凹部412に摺動
自在に支持されている。これらの外周面411および凹
部412の曲率中心は、対物レンズ150の光軸上にあ
り、対物レンズ150の回転中心C1(図4参照)の近
傍にある。回動部材410には、上下方向に延びる連結
孔413が形成され、この連結孔413には筒状の操作
軸414が挿入されている。操作軸414の下端部に設
けられたフランジ417は連結孔413よりも大きい径
を有し、回動部材410の下面に係合している。操作軸
414は連結孔413から上方に突出し、本体402を
貫通して延びており、また操作軸414の上端部には、
環状の押圧部材415が嵌着されている。この押圧部材
415と本体402の間には、バネ416が設けられて
おり、このバネ416は押圧部材415を介して回動部
材410を常時上方に付勢している。
【0061】操作軸414内には、傾き調整爪401の
基準面と平行に平行平面(透明ガラス)431が設けら
れている。この平行平面431は、対物レンズ150の
傾き調整工程のステップS12において、傾き調整爪4
01の傾きの初期位置を確認するために利用される。
【0062】本体411の上部に形成された筒状壁41
8には、4つのハンドル421が螺着されている。筒状
壁418は押圧部材415を囲繞しており、各ハンドル
421の先端部422は筒状壁418の内部に突出して
押圧部材415の外周面に当接している。ハンドル42
1を軸心周りに回転させることにより、ハンドル421
の筒状壁418からの突出量が変化する。すなわち、2
つのハンドル421の突出量を大きくするとともに、他
の2つのハンドル421の突出量を小さくすることによ
り、押圧部材415を水平方向に変位させることがで
き、これにより操作軸414が傾斜して回動部材410
が回転変位する。この回動部材410の回転により傾き
調整爪401の傾きが変化し、後述するように対物レン
ズ150の傾きが調整される。
【0063】回動部材410の回転中心からハンドル4
21と押圧部材415の接触部分Tまでの距離は、対物
レンズ150の回転中心C1から支持面152(図4)
までの距離よりも大きく、例えば約10倍である。した
がって、ハンドル421を回転させてその軸心方向に移
動させた時、対物レンズ150の移動量はハンドル42
1の移動量の約1/10となり、ハンドル421の操作
により対物レンズ150の傾きを高精度に微調整するこ
とができる。
【0064】なお図20に示すように、本体402であ
って各ハンドル421の位置に対応した部位には、それ
ぞれバネ423が設けられている。これらのバネ423
の一端は例えば円板409の外周部に係止し、また他端
は本体402の上部に係止している。これら4本のバネ
423により回動部材410は常時上方に付勢され、こ
れにより回動部材410は傾いた状態で安定的に停止す
ることができる。
【0065】再び図13および図14を参照し、対物レ
ンズ150の傾き調整工程を説明する。
【0066】ステップS20では、まず傾き調整爪40
1が対物レンズ150の外周縁部に接触するまで、傾き
調整装置400を微小量下降させる。ステップS21で
は、ハンドル421を回転させることにより回動部材4
10を回動させ、4本の傾き調整爪401を傾ける。こ
の傾き調整爪401の傾斜の方向および大きさは、ステ
ップS20において観測された干渉縞Bに基づいて決定
される。すなわち、コマ収差が水平面内において例えば
X軸方向から45度傾斜した方向に現れていることが干
渉縞Bから判定された場合、傾き調整爪401をその方
向に沿って傾ける。これにより、対物レンズ150は支
持面152に沿って変位し、対物レンズ150と支持面
152との接触位置が変化して対物レンズ150の傾き
が変化する。ステップS22では、傾き調整装置400
を微小量だけ上昇させ、傾き調整爪401を対物レンズ
150から離間させる。
【0067】ステップS21において対物レンズ150
を傾けた結果、図4を用いて説明したように対物レンズ
150の集光点C2が変位し、これにより干渉縞Bのテ
ィルト縞の本数が増大してコマ収差の大きさを判定しに
くくなることがある。そこでステップS23では、干渉
縞Bのティルト縞の本数がコマ収差の大きさを判定する
のに多過ぎるか否かを判定し、多過ぎる場合、水平位置
調整機構505を操作することにより、光磁気ディスク
装置100すなわち対物レンズ150を、干渉縞Bのテ
ィルト縞の本数が低減する方向すなわちステップS21
において傾き調整爪401を傾けた方向と反対の方向に
移動させる。なお、これに代えて、半球レンズ202を
移動させてもよい。ステップS24では、水平位置調整
機構505を微小量調整することにより、コマ収差の最
大の方向を見つけ、コマ収差がまだ存在しているか否か
を確認する。
【0068】ステップ25では、ステップS15と同様
に、コマ収差の大きさを判定し、コマ収差が許容値以内
でない時、再びステップS20〜S24を実行する。
【0069】このような処理の結果、コマ収差が許容値
以内に低減すると、ステップS26へ進み、平行平面4
31を介して対物レンズ150の周囲に紫外線を照射
し、接着剤Gを硬化させる。これにより対物レンズ15
0はレンズ支持部材151の支持面152に接着され
る。
【0070】次いでステップS27では、傾き調整装置
400および半球レンズ保持部材404を上昇させて傾
き調整爪401を対物レンズ150から退避させる。す
なわち傾き調整装置400は、図17に示す初期位置に
復帰する。ステップS28では、4本のハンドル421
を回転させることにより傾き調整爪401の傾き角度初
期位置である水平状態に戻す。この動作は、図示しない
光源からの光束を平行平面431に当て、反射した光束
が所定の位置に到達するように調節することにより行わ
れる。次にステップS29では、光磁気ディスク装置1
00を元の位置すなわち第1ステージST1に戻す。ス
テップS30では、光磁気ディスク装置100から挿入
部材330すなわちカバーガラスAと挿入プリズム20
1とを取り外す。ステップS31では、光ディスク装置
取付け装置500から光磁気ディスク装置100を取り
外す。これにより、光磁気ディスク装置100の対物レ
ンズ150の傾き調整は終了する。
【0071】以上のように、図13および図14に示し
た傾き調整方法によれば、支持部材151に対する対物
レンズ150の傾きを、実時間で高精度かつ容易に調整
することができる。なお、この傾き調整方法では、第1
実施例の対物レンズ傾き検出装置200(図1)が用い
られるが、第2〜第6実施例の対物レンズ傾き検出装置
の場合も同様な方法で、傾き調整が行われる。
【0072】図21は傾き調整装置400の他の例を示
すものである。この例では、図18の例と異なり、ハン
ドル421に代えてスティック440が設けられてい
る。スティック440は回動部材410の径方向に延
び、スティック440の下端部は、回動部材410の半
球状外周面411側に形成された孔441に固定されて
いる。本体402にはスティック440が挿入される通
路442が形成されており、スティック402の上端部
は本体402から突出している。通路442の径はステ
ィック440よりも大きく、スティック442が回動部
材410の曲率中心を中心として揺動できるようになっ
ている。その他の構成は、図18の例と同じである。
【0073】図18に示した例では、ハンドル421を
回転させて先端部422の突出量を変化させることによ
り、回動部材410を回動させるように構成されてい
る。したがって、コマ収差の除去のために対物レンズ1
50を傾ける方向がハンドル421の軸方向とは異なっ
ている場合、4つのハンドル421を全て操作すること
により、回動部材410をコマ収差に合致した方向に傾
けなければならない。このような操作によると、回動部
材410の回動方向を高精度に定めることは困難であ
る。
【0074】これに対し、図21の構成によれば、回動
部材410を回動させたい方向にスティック440を傾
ければよいため、回動部材410の回動方向を所望の方
向に正確に一致させることができる。
【0075】図22は傾き調整爪401の他の例を示し
ており、この傾き調整爪401の先端の形状は図17お
よび図18のものとは異なっている。図17および図1
8に示した例では、傾き調整爪401の先端は平面であ
り、このような構成によると、対物レンズ150の傾き
調整(図13のステップS21)において、対物レンズ
150の上面が下方に押されることによってバネ154
(図7)が撓み、支持部材151(図7)が下方に移動
すると、対物レンズ150が横方向に滑ってスムーズに
傾かないことがある。
【0076】これに対して図22の構成では、傾き調整
爪401の先端に切欠451が形成されており、この切
欠451は対物レンズ150の外周部の上方角部159
に係合する。したがって、対物レンズ150が傾き調整
爪401に押されて支持部材151が下方に移動した
時、対物レンズ150が横方向に滑ろうとしても、上方
角部159が切欠451に係合するため、対物レンズ1
50の横方向の移動は制限される。このため、対物レン
ズ150はスムーズに傾き、また支持部材151はバネ
154の復元力によって元の位置まで復帰する。
【0077】図23〜図25は対物レンズ150および
レンズ支持部材151の変形例を示している。前述した
ように図4の例では、対物レンズ150はレンズ支持部
材151のテーパ状の支持面152に載置されている。
このため傾き調整において、対物レンズ150の回転中
心は対物レンズ150よりも上方にあり、したがって対
物レンズ150が傾いたことにより集光点C2が変位し
て像点ずれεが発生し、干渉縞Bの本数が増大する。こ
のような像点ずれの発生を防止するためには、図23の
ように支持面152を下方(対物レンズ150の集光点
とは反対側)が広がるように定めればよい。すなわち、
この構成により、対物レンズ150の回転中心を対物レ
ンズ150の後側主点N2の近傍に定めることができ
る。ただし、この例では傾き調整工程において、負圧等
を利用し、対物レンズ150を常時上方から吸着する必
要がある。
【0078】また図24の構成によっても対物レンズ1
50の回転中心を後側主点N2の近傍に定めることがで
きる。この例では、レンズ支持部材151の支持面15
2は、図4の構成と同様に上方(対物レンズ150の集
光点側)が広がるテーパ面であるが、対物レンズ150
の外周部に、対物レンズ150の光軸を中心とする円筒
状の保持環150aが形成され、この保持環150aの
下端が支持面152によって支持されている。このよう
な対物レンズ150は、例えば射出成形により成形され
たプラスチックレンズである。
【0079】図25は、対物レンズ150の下面150
bがレンズ支持部材151のテーパ部151aに支持さ
れている。この構成によると、対物レンズ150を後側
主点N2を中心として傾けることはできないが、回転中
心C3は図4の例よりも後側主点に近づく。
【0080】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、光ピック
アップの部品点数を減少させてこの光ピックアップの軽
量化を図り、トラッキング動作をさらに高速化させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る支持構造により支持さ
れた対物レンズの傾きを検出する装置を示す図である。
【図2】対物レンズ、カバーガラスおよび半球レンズか
ら成る光学系における光路を示す図である。
【図3】干渉縞観測部と点像観測部の各モニタに表示さ
れる干渉縞および点像を示す図である。
【図4】本発明の一実施例に係る支持構造により支持さ
れた対物レンズを、レンズ支持部材上で傾けた時におけ
る像点ずれの発生を示す図である。
【図5】対物レンズのトラッキング機構への取付け構造
を模式的に示す図である。
【図6】トラッキング機構を示す断面図である。
【図7】レンズ支持部材を示す斜視図である。
【図8】光ディスク装置取付け装置の概略的な構成を示
す平面図である。
【図9】位置決め装置を示す断面図である。
【図10】レンズ供給装置を示す断面図である。
【図11】案内部のテーパ面による対物レンズの案内作
用を示す図である。
【図12】接着剤塗布部材により接着剤溜め部内に接着
剤を供給する動作を示す図である。
【図13】傾き調整工程を示すフローチャートである。
【図14】傾き調整工程を示すフローチャートである。
【図15】挿入部材を示す平面図である。
【図16】挿入部材を示す断面図である。
【図17】傾き調整装置が初期位置にある状態を示す断
面図である。
【図18】傾き調整装置により対物レンズの傾き調整を
行っている状態を示す断面図である。
【図19】傾き調整爪を示し、図18のP−P線に沿う
断面図である。
【図20】傾き調整装置を上方から見た図である。
【図21】傾き調整装置の他の例を示す断面図である。
【図22】傾き調整爪の他の例を示す図である。
【図23】対物レンズの第1の変形例を示す図である。
【図24】対物レンズの第2の変形例を示す図である。
【図25】対物レンズの第3の変形例を示す図である。
【符号の説明】
150 対物レンズ 151 支持部材 152 支持面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 勝喜 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭 光学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−121019(JP,A) 特開 昭61−105519(JP,A) 特開 平4−103039(JP,A) 特開 昭60−115905(JP,A) 実開 昭62−110725(JP,U) 実開 昭63−20114(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 7/02 - 7/105

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対物レンズを傾斜面によって支持する支
    持部材を備え、対物レンズと支持部材との接触位置を変
    化させることにより、対物レンズの傾きが変化する対物
    レンズの支持構造であって、 傾斜面は支持部材に形成され、支持部材は傾斜面に形成
    される突起部を有し、突起部には接着剤溜め部が形成さ
    前記傾斜面は、円錐面の一部から成り、 前記突起部は、前記円錐面の周方向に沿って等間隔に複
    数設けられ ることを特徴とする対物レンズの支持構造。
  2. 【請求項2】 支持部材がバネを介して固定部材に連結
    され、固定部材に対して変位可能であることを特徴とす
    る請求項1の対物レンズの支持構造。
  3. 【請求項3】 対物レンズの外周部に形成されたフラン
    ジが傾斜面に支持されることを特徴とする請求項1の対
    物レンズの支持構造。
  4. 【請求項4】 対物レンズの外周部に、対物レンズの光
    軸を中心とする円筒状部が形成され、円筒状部の下端が
    傾斜面に支持されることを特徴とする請求項1の対物レ
    ンズの支持構造。
  5. 【請求項5】 傾斜面が、対物レンズの集光点側が広が
    るテーパ面であることを特徴とする請求項1の対物レン
    ズの支持構造。
  6. 【請求項6】 傾斜面が、対物レンズの集光点の反対側
    が広がるテーパ面であることを特徴とする請求項1の対
    物レンズの支持構造。
  7. 【請求項7】 対物レンズの回転中心が後側主点の近傍
    であることを特徴とする請求項1の対物レンズの支持構
    造。
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