JP3320493B2 - 基板ガラス分割方法及び基板ガラス分割装置 - Google Patents

基板ガラス分割方法及び基板ガラス分割装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示パネル製造等の
表示パネルに於いて、その基板ガラスを分割するために
用いる基板ガラス分割装置に関するものである。以下表
示パネルが液晶表示パネルの場合について説明する。
【0002】
【従来技術】液晶表示パネルの基板にガラスを用いる場
合は、液晶表示パネルの製造工程に於いて、通常この基
板ガラスを分割する工程が含まれる。工程により単に1
枚の基板ガラスを分割する場合、2枚の基板ガラスを張
り合わせた状態でその一方の基板ガラスのみを分割する
場合、基板両方のガラス2枚一緒に分割する場合等が有
るが、基本的にはスクライバーにより基板ガラスにケガ
キ線を設け、このケガキ線の近傍に衝撃力を与え、ケガ
キ線からのクラックを発生させて基板ガラスを割る。こ
の従来のガラス分割方法は装置が簡単で、短時間で加工
可能であるが、ケガキ線に対しての分割精度があまり良
くない上、分割する近傍に大きな力がかかるため、2枚
の基板ガラスを張り合わせた状態での該基板ガラスの分
割に於いて液晶表示パネルに損傷を与えると言う欠点を
有していた。
【0003】以下図面により説明する。図3は従来の液
晶の基板ガラスの分割方法を示す断面図である。図3
(a)は1枚のガラス分割方法を示す。基板ガラス9の
ケガキ線11を配置台1に接する方向に置き、ケガキ線
11と反対の方向から加圧部材10で衝撃加重を加えケ
ガキ線11に沿って分割する。図3(b)は基板ガラス
2、9をシール材7で重ね合わせた後、該基板ガラス
2、9の両方にケガキ線11を入れ基板ガラス2、9を
同時に加圧部材10で衝撃加重を加えケガキ線11に沿
って分割する。図3(c)は基板ガラス2、9をシール
材7で重ね合わせた後、基板ガラス9の一部を取り除く
為にケガキ線11を入れ相対する基板2の方向から加圧
部材10で衝撃加重を加えケガキ線11に沿って分割す
る。上記の3方法ともに衝撃加重での分割方法のため、
加圧部材10からの力が直接ケガキ線11にかかるわけ
でなく、基板ガラス2、シール材7等を介してケガキ線
11に力を与え分割するものである。従って加圧部材1
0があたる付近の液晶表示パネルの内部は機械的なスト
レスが加えられる事になる。
【0004】図3(c)に示す場合についてより具体的
に説明する。図2は図3(c)の部分拡大図である。図
2(a)に於いて配置台1の上に設置された液晶表示パ
ネルは、クロム膜3、絶縁膜4、透明電極膜5を形成し
た基板ガラス2と、これに対抗する、透明基板8を形成
した基板ガラス9を、スペーサー6を挟んでシール材7
により封止し、液晶を注入後の状態を記している。基板
ガラス9の分割位置にはケガキ線11を設けてある。前
記配置台1に垂直でほぼケガキ線11に沿った基板ガラ
ス2の上方から加圧部材10により衝撃加重をかける。
この衝撃力は点線で示した主経路12を通して前記ケガ
キ線11近傍に伝達される。この方法のガラス分割はこ
の主経路12に非常に大きな力がかかる。
【0005】図2(b)は衝撃加重後の液晶表示パネル
の状態を示す。図2(b)に示すように前記衝撃力は絶
縁膜4の変形、シール材7の変形、透明電極膜5の断
線、透明電極膜5、8の距離の変化を生じさせ液晶表示
パネルを不良とする原因となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的は
液晶表示パネルに印加する力を可能な限り小さくして、
基板ガラスの分割時に液晶表示パネルに損傷を与えな
い、新たなガラス分割方法を提供する事である。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明が用いる第1の手段は、ケガキ線に沿って基板ガ
ラスを分割する表示パネル用の基板ガラス分割方法に於
いて、加熱手段で前記ケガキ線の近傍を加熱し且つ加圧
手段により該ケガキ線と異なる位置を加圧する事を特徴
とする。
【0008】前記課題を解決するため本発明が用いる第
2の手段は、第1の手段に於いて前記基板ガラスが、一
面が高部と低部よりなることで段差を形成し該低部には
表面の高さが該高部の面とほぼ同一となるように弾性部
材が配設された配置台を用いて分割することを特徴とす
る。
【0009】前記課題を解決するため本発明が用いる第
3の手段は、第2の手段に於いて前記基板ガラスに設け
られたケガキ線と前記配置台の前記段差の縁を一致させ
て該基板ガラスを分割することを特徴とする。
【0010】前記課題を解決するため本発明が用いる第
4の手段は、第2の手段に於いて前記基板ガラスが、前
記基板ガラスに設けられたケガキ線と前記配置台の前記
段差の縁に沿う様に真空チャックで該配置台に位置決め
されてから分割されることを特徴とする。
【0011】前記課題を解決するため本発明が用いる第
5の手段は、第1の手段乃至第4の手段のいずれか1の
手段に於いて前記基板ガラスが、前記加熱手段よる加熱
と前記加圧手段による加圧を連動させて動作させて分割
される事を特徴とする。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【作用】前記加熱によりケガキ線11に熱による応力が
加わり、比較的小さな力で基板ガラスを割る事が出来
る。
【0025】
【実施例】以下図面に説明すると、図1は本発明の一実
施例に於ける液晶表示パネルの断面図である。図2と同
一要素には同一符号を付け説明を省略する。図1に示す
配置台50は一面平坦でなく、段差51により高部と低
部とを設けて有る。該高部は剛体とし、該低部には弾性
部材40をその表面の高さが前記高部とほぼ同一となる
ように設ける。液晶表示パネルは図2の場合と上下を反
転して基板ガラス9のケガキ線11が配置台50の段差
51の縁に沿う様に配置し、配置台50に設けた真空チ
ャック等(図示せず)で固定する。また真空チャックで
は充分固定出来ない場合は規制手段52を設け表示パネ
ルが浮き上がらないように構成する。
【0026】基板ガラス9のケガキ線11に沿って上下
動可能な加熱手段20を配置し、更に該加熱手段20の
上下動に連動した加圧手段30を設ける。該加圧手段3
0により加えられる比較的小さな力が前記ケガキ線11
に大きな曲げモーメントとして加わるよう、該ケガキ線
11からの距離Lは出来るだけ大きい事が望ましいが、
実際には基板ガラス2の長さ、弾性部材40の変形量、
段差51の大きさ等を考慮して最適な距離を定める。ま
た該加圧手段30は液晶表示パネルに対し局所的な応力
を加える事が無いように基板ガラス9の表面の出来るだ
け大きな面積に均一に力が加わるような形状が望まし
い。
【0027】前記加熱手段20と加圧手段30の上下動
のタイミングは同時でもよいし、別であっても良いが、
加熱手段20が先に基板ガラス9に当たりその後加圧手
段30が該基板ガラス9を加圧する場合は、加熱手段2
0による熱が広がってケガキ線11の部分に加わる熱歪
みが減少するる前に基板ガラス9が加圧されるようにす
る必要がある。
【0028】上記実施例では前記加熱手段20として抵
抗溶接器を用い、先端温度を400℃に設定し、加圧手
段30で比較的弱い力を基板ガラス9に加えた状態で前
記加熱手段20を該基板ガラス9にあて、数秒間加熱し
たところ極めて精度良く基板ガラス9を割る事が出来
た。また基板ガラス9を分割後、液晶表示パネルを分解
して調査したところ、従来法で見られたような、分割に
よる透明電極の損傷は一切見られなかった。
【0029】本発明に於いて前記加熱手段20の他の実
施態様としては電熱線等を用いたり熱風を吹き付ける等
の手段を用いても良い。また加熱手段20は常時加熱さ
れたものであっても良い。勿論加熱手段20が上下動以
外の作動をしても良い。前記加圧手段30による加圧を
静的でなく、弱い衝撃力としても良い。また前記加圧手
段30を廃止し、前記加熱手段20の位置を前記ケガキ
線11の中央からややずらして該加熱手段20で加熱と
加圧を同時に行っても良い。
【0030】なお図1の実施例に於いては基板ガラス2
を配置台50に固定したが、基板ガラス9を配置台50
に固定し、前記加熱手段20を基板ガラス9の下側から
あて、加圧手段30で基板ガラス9を上方に加圧しても
良い事は明かであり、また基板ガラスの固定方法の変
更、配置台50の形状あるいはケガキ線11に沿っての
段差51の高さ等に関する変更は本発明の範囲に含まれ
るものである。例えば前記弾性部材40を省略してもよ
いし、配置台50に特に段差51を設ける事なく該配置
台50の端部を段差51の代わりとしてケガキ線11を
合わせても良い。また上記説明は液晶表示パネルの場合
について行ったが、液晶以外の表示パネルについても有
効な事は明かである。
【0031】
【発明の効果】上記の様に本発明により、表示パネルに
大きな力を与えずに基板ガラスを分割する事が出来るよ
うになり、透明電極膜の断線防止、表示パネルの厚みの
変動を無くす事が出来ると同時に、基板ガラスの分割の
精度を良くする事が出来るため設計上の公差を小さく出
来るとの効果を得る事が出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す液晶パネル分割工程に
おける断面図
【図2】従来例を示す液晶パネル分割工程における拡大
断面図
【図3】従来例を示す基板ガラス分割工程における断面
【符号の説明】
50 配置台 2、9 基板ガラス 11 ケガキ線 20 加熱手段 30 加圧手段 40 弾性部材 51 段差 52 規制手段

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケガキ線に沿って基板ガラスを分割する
    表示パネル用の基板ガラス分割装置に於いて、 前記ケガキ線の近傍を加熱する加熱手段と該ケガキ線と
    異なる位置を加圧する加圧手段を有する事を特徴とする
    基板ガラス分割装置。
  2. 【請求項2】 一面が高部と低部よりなることで段差を
    形成し該低部には表面の高さが該高部の面とほぼ同一と
    なるように弾性部材が配設された前記基板ガラスを配設
    するための配置台を有することを特徴とする請求項1に
    記載の基板ガラス分割装置。
  3. 【請求項3】 前記基板ガラスに設けられたケガキ線が
    前記配置台の前記段差の縁に沿う様に配置するための真
    空チャックが該配置台に設けられたことを特徴とする請
    求項2に記載の基板ガラス分割装置。
  4. 【請求項4】 前記加熱手段と前記加圧手段の作動を連
    動させた事を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれ
    かの1に記載の基板ガラス分割装置。
  5. 【請求項5】 ケガキ線に沿って基板ガラスを分割する
    表示パネル用の基板ガラス分割方法に於いて、 加熱手段で前記ケガキ線の近傍を加熱し且つ加圧手段に
    より該ケガキ線と異なる位置を加圧する事を特徴とする
    基板ガラス分割方法。
  6. 【請求項6】 前記基板ガラスが、一面が高部と低部よ
    りなることで段差を形成し該低部には表面の高さが該高
    部の面とほぼ同一となるように弾性部材が配設された配
    置台を用いて分割することを特徴とす請求項5に記載の
    基板ガラス分割方法。
  7. 【請求項7】 前記基板ガラスに設けられたケガキ線と
    前記配置台の前記段差の縁を一致させて該基板ガラスを
    分割することを特徴とする請求項6に記載の基板ガラス
    分割方法。
  8. 【請求項8】 前記基板ガラスが、前記基板ガラスに設
    けられたケガキ線と前記配置台の前記段差の縁に沿う様
    に真空チャックで該配置台に位置決めされてから分割さ
    れることを特徴とする請求項6に記載の基板ガラス分割
    方法。
  9. 【請求項9】 前記基板ガラスが、前記加熱手段よる加
    熱と前記加圧手段に よる加圧を連動させて動作させて分
    割される事を特徴とする請求項5乃至請求項8のいずれ
    かの1に記載の基板ガラス分割装置。
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