JP3320074B2 - チオバチルス・チオオキシダンス生育阻害剤、セメント組成物及びセメント構造体 - Google Patents

チオバチルス・チオオキシダンス生育阻害剤、セメント組成物及びセメント構造体

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、チオバチルス・チオオキシダンス生育阻害
剤、該生育阻害剤を含むセメント組成物及びセメント構
造体に関する。特に、チオバチルス・チオオキシダンス
の生育領域において生育を有効に阻害でき、しかも、酸
性下における使用においても環境汚染の問題がなく、下
水処理施設をはじめ、広範におよぶコンクリート構造
体、モルタル構造体又は下水と接触するコンクリート製
下水管等のセメント構造体の劣化防止に有効に利用でき
る生育阻害剤、セメント組成物及びセメント構造体に関
する。
背景技術 従来から下水処理施設等におけるコンクリート構造体
及びモルタル構造体等のセメント構造体が石膏化して劣
化する問題がある。この劣化は、一般に広く土壌・水中
に存在し、イオウ化合物を酸化し、二酸化炭素を同化し
て成長するチオバチルス属イオウ酸化細菌が、硫化水素
を酸化し硫酸を生成することが原因である。この細菌は
種類によって、構造体が下水と接触する部分だけでな
く、下水処理場の下水と接触しない気中の構造体にも存
在する。
このような構造体の劣化を防止する方法としては、従
来から種々提案がなされているが、現状では、構造体を
耐蝕材料でコーティングする方法が主流である。しか
し、耐蝕材料によるコーティング被膜は、ピンホールや
傷に弱く、耐久性に問題がある。しかも小口径管の継手
部等の複雑形状の部位や細かい部位へのコーティングは
困難である。
また、重金属イオンがチオバチルス属イオウ酸化細菌
を殺菌することも知られている。この殺菌作用は、重金
属イオンが直接細菌に作用するものであって、重金属が
イオン化して溶出するため、重金属を多量に使用する必
要がある。溶出した重金属イオンはその種類によっては
環境的に非常に悪影響を及ぼすため、下水処理施設等に
は使用できない。
そこで、ニッケル等の水に不溶性で硫酸に可溶性の特
定の金属又は金属酸化物をコンクリート等の構造体内に
含ませることによって、チオバチルス属イオウ酸化細菌
によるセメント構造体の劣化を防止する方法(特開平4
−149053号公報)が提案され、実施されている。この方
法では、特定の金属がイオウ酸化細菌のイオウ酸化活
性、呼吸及び炭酸ガス固定活性を、中性付近において完
全に防止し、イオウ酸化細菌によるセメント構造体の劣
化を十分に防止しうる優れた方法である。
しかし、ニッケル又はその酸化物は、pHが酸性側に移
行するにしたがってチオバチルス属に対する阻害活性が
低下し、pH3以下ではその効果はほとんど発揮されな
い。従って、通常の下水と接触している中性付近に保た
れている場所においてはその効果は充分維持できるが、
下水に直接接触していない酸性部分、若しくは一時的に
下水が酸性化された場合にはほとんど阻害活性が得られ
ない。しかも、ニッケル等の水に不溶性で硫酸に可溶性
の金属が強酸性下に暴露されると、金属イオンとなって
溶出するため、環境的に好ましくない。加えて、金属イ
オンによる溶出によって、阻害剤自体の量が減少するた
め、チオバチルス属に対する阻害活性を長期間維持する
のが困難となる恐れが生じる。
ところで、チオバチルス属に対する阻害活性を示す金
属としては、前記ニッケル等の他にも研究がなされてい
る。例えば、モリブデン、モリブデン酸アンモニウム、
又はモルブデン酸アンモニウムとタングステンとの混合
物が、チオバチルス・ノベルス(Thiobacillus novellu
s)の生育を活性化するが、タングステン単独では、生
育を阻害することが知られている(Journal of Bacteri
ology,第153巻,第2号,(1983)William M.et al.“S
ulfite Oxidase Activity in Thiobacillus novellus"
p.941−944)。一方、前記チオバチルス・ノベルスの生
育を活性化することが知られるモリブデン(Mo4+)が、
チオバチルス・チオオキシダンス(Thiobacillus thioo
xidans)に対しては逆に生育を阻害することも知られて
いる(Chmical Abstracts,第95巻,第1号(July 6,198
1)p127(1081a))。
このように、同じチオバチルス属イオウ酸化細菌であ
っても生育阻害作用は異なっている。従って、通常、生
育pH領域が6〜8の中性付近であるチオバチルス・ノベ
ルスに対して効果が認められた生育阻害剤を、チオバチ
ルス・ノベルスが殆ど生育しないpH2〜6の酸性領域に
使用することはない。更に、生育pH領域が2〜6のチオ
バチルス・チオオキシダンスに対して、チオバチルス・
ノベルスの生育阻害作用を示す物質が同じく生育阻害作
用を示すとは考えられていない。即ち、最近の研究結果
において、従来提案されている生育阻害剤の全てが、チ
オバチルス属イオウ酸化細菌の全ての種に対して有効に
作用しうるものではない。
発明の開示 本発明の目的は、pHが中性付近はもとより、pH4以下
の酸性条件下においてもチオバチルス・チオオキシダン
スの生育を有効に阻害でき、長期間に渡りその効果が維
持できるチオバチルス・チオオキシダンス生育阻害剤を
提供することにある。
本発明の別の目的は、セメント、水及び骨材を含むコ
ンクリート材料又はモルタル材料に添加混合することに
よって容易に分散させることが可能なチオバチルス・チ
オオキシダンス生育阻害剤を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、チオバチルス・チオオキシ
ダンスによる劣化が有効に防止されるセメント構造体の
材料として使用でき、レディミックスコンクリートに添
加しても良好な分散性を持つ生育阻害剤を提供すること
にある。
本発明の他の目的は、チオバチルス・チオオキシダン
スによる劣化が有効に防止され、下水処理施設等、ま
た、酸性下になりうる場所においても劣化が長期間抑制
されうるコンクリート、モルタル等のセメント構造体及
びこのようなセメント構造体を容易に調製しうるセメン
ト組成物を提供することにある。
本発明者らは、従来提案されているニッケルを有効成
分としたチオバチルス属イオウ酸化細菌の生育阻害剤
が、例えば、直接下水等と接触するような、セメント構
造体が中性に近いpHに保たれた場所ではその効果が充分
得られることを確認した。しかし、このニッケルを含む
生育阻害剤は、下水処理施設に近接し、気中の硫化水素
等の影響によって、構造体の表面が下水と直接接触して
いないpH4以下の酸性となった環境下では、特にチオバ
チルス・チオオキシダンスに対する生育阻害活性が低下
するか、若しくはほとんど得られないことも確認した。
このような同一細菌に対してもそのpH環境の相違によ
り生育阻害効果が異なる理由は明らかではない。しか
し、従来提案されているニッケルを含む生育阻害剤は、
直接細菌自体に作用するのではなく、細菌が有する酵素
と結合して生育阻害活性を発揮しているために、酸性側
では前記酵素との結合が十分でなく生育阻害活性が低下
するものと考えられる。そこで、生育pH領域が2〜6の
中性付近から酸性領域であるチオバチルス・チオオキシ
ダンスに対して、中性付近はもちろんのこと、pH4以下
の酸性下においても十分な生育阻害活性を示し、且つ強
酸性下においても金属イオンとしてほとんど溶出せずに
長期に渡りその効果を維持できる阻害剤について鋭意研
究した。その結果、ニッケルフタロシアニン粉末及び/
又はニッケルフタロシアニン誘導体粉末と、タングステ
ン粉末及び/又は実質的に水不溶性のタングステン化合
物粉末及び/又は水溶性であり、且つセメントと反応し
て実質的に水不溶性を示すタングステン酸塩との組合わ
せがこのような課題を充足することを見い出し本発明を
完成するに至った。
加えて、本発明者らは、前記チオバチルス・チオオキ
シダンス生育阻害剤の阻害効果を、コンクリート構造体
又はモルタル構造体等のセメント構造体に、より有効に
付与させるために鋭意検討した。その結果、前記阻害剤
をコンクリート材料又はモルタル材料中に容易に分散さ
せる目的で、前記阻害剤中の実質的に水不溶性の粉末を
予め水分散状態とすることによりこの課題が解決しうる
ことを見い出し本発明を完成した。
即ち、本発明によれば、ニッケルフタロシアニン粉
末、ニッケルフタロシアニン誘導体粉末及びこれらの混
合物からなる群より選択される第1の成分と、タングス
テン粉末、実質的に水不溶性のタングステン化合物粉
末、水溶性であり、且つセメントと反応すると実質的に
水不溶性となるタングステン酸塩及びこれらの混合物か
らなる群より選択される第2の成分とを含むチオバチル
ス・チオオキシダンス生育阻害剤が提供される。
また本発明によれば、前記第1の成分と、前記第2の
成分と、水と、前記第1の成分及び前記第2の成分のう
ち水不溶性の粉末を水に分散させる分散剤とを含み、形
態が水分散状態であるチオバチルス・チオオキシダンス
生育阻害剤が提供される。
更に本発明によれば、セメントと、骨材と、水と、前
記第1の成分と、前記第2の成分と、前記第1の成分及
び第2の成分のうち水不溶性の粉末を分散させる分散剤
とを含み、形態が流動状態であることを特徴とするセメ
ント組成物が提供される。
更にまた本発明によれば、前記セメント組成物を硬化
させたセメント構造体が提供される。
図面の簡単な説明 図1は、実施例1及び2、比較例1及び2で行ったそ
れぞれの添加物に対するNBI−3株の酸素吸収量を経時
的に測定した結果を示すグラフである。
図2は、実施例3及び4、比較例3〜5で行ったそれ
ぞれの添加物に対するNBI−3株の酸素吸収量を経時的
に測定した結果を示すグラフである。
図3は、参考例で行った各金属又は金属化合物のpHと
溶出量との関係を示すグラフである。
図4は、実施例14〜17及び比較例8で行った各セメン
ト構造体をNBI−3株の培養液中に浸漬させた際のカル
シウムイオンの経時的溶出量を示すグラフである。
発明の好ましい実施の態様 以下本発明を更に詳細に説明する。
本発明の阻害剤は、下水処理施設等におけるコンクリ
ート、モルタル又は高分子材料等の構造材に混合するこ
とによって、これら構造材の劣化の原因の1つである、
チオバチルス・チオオキシダンスの生育を阻害するよう
作用する。この作用は、下水に直接接触する構造体はも
ちろんのこと、下水処理施設に近接し、気中の硫化水素
等の影響によって、構造体の表面がpH4以下の酸性下と
いう条件においても有効に作用し、構造体の劣化を有効
に防止する。
本発明の阻害剤は、コンクリート又はモルタル等のセ
メント構造体中に存在させることにより、下水等に溶出
し難く、酸性下においても金属イオンとなって溶出する
ことが少ない特定の金属粉末等を有効成分として含有す
る。従って、長期に渡り阻害活性が維持される。このよ
うな金属イオンとしてではなく、金属自体がチオバチル
ス・チオオキシダンスの生育を阻害する本発明の有効成
分は、例えば、グラム陰性菌である大腸菌やグラム陽性
菌である黄色ブドウ球菌等に対してはほとんど阻害活性
を示さず、チオバチルス・チオオキシダンスに対しても
殺菌作用は殆ど示さない。このような作用の原理は定か
ではないが、前述のとおり、有効成分が直接チオバチル
ス・チオオキシダンス細菌自体に作用しているものでは
なく、チオバチルス・チオオキシダンス細菌が硫酸を生
成する際に機能している酵素に作用して、その結果とし
て硫酸が生成されず、チオバチルス・チオオキシダンス
に対する生育阻害活性が発揮されているためと考えられ
る。従って、本発明における有効成分の作用は、従来提
案されている重金属がイオンとなって直接種々の細菌に
対して殺菌作用を示すものとは明らかに相違している。
本発明の阻害剤は、ニッケルフタロシアニン粉末、ニ
ッケルフタロシアニン誘導体粉末及びこれらの混合物か
らなる群より選択される第1の成分と、タングステン粉
末、実質的に水不溶性のタングステン化合物粉末、水溶
性であり、且つセメントと反応して実質的に水不溶性を
示すタングステン酸塩及びこれらの混合物からなる群よ
り選択される第2の成分との両者を含有する。
前記ニッケルフタロシアニン粉末とは、置換基を有し
ていないフタロシアニン骨格にニッケル原子を配位させ
た化合物の粉末である。このニッケルフタロシアニン粉
末は、水不溶性であり、且つ酸に対しても実質的に不溶
性である。
前記ニッケルフタロシアニン誘導体粉末とは、ニッケ
ルフタロシアニン骨格分子のベンゼン環に水素原子以外
の置換原子、若しくは置換基を有する化合物の粉末であ
って、通常、水不溶性で、酸に対しても殆ど溶解しない
化合物である。ニッケルフタロシアニン誘導体の置換原
子、若しくは置換基としては、フッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステア
リル基、トリクロロメチル基、シクロプロピル基、1,3
−シクロヘキサジエニル基、2−シクロペンテン−1−
イル基、2,4−シクロペンタジエン−1−イリデニル基
等の置換若しくは未置換アルキル基;メトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキ
シ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシル
オキシ基、ステアリルオキシ基、トリフロロメトキシ基
等の置換若しくは未置換アルコキシ基;メチルチオ基、
エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、sec−
ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、
ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基等の
置換若しくは未置換のチオアルコキシ基;ニトロ基、シ
アノ基、カルボニル基、エステル基、水酸基、スルホン
酸基、ビニル基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、
エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ
基、ジブチルアミノ基等のアルキル基置換アミノ基;ジ
フェニルアミノ基、ジトリルアミノ基等の炭素環式芳香
族アミノ基;ビス(アセトオキシメチル)アミノ基、ビ
ス(アセトオキシエチル)アミノ基、ビス(アセトオキ
シプロピル)アミノ基、ビス(アセトオキシブチル)ア
ミノ基、ジベンジルアミノ基等のモノ又はジ置換アミノ
基;フェノキシ基、p−tert−ブチルフェノキシ基、3
−フルオロフェノキシ基等の置換若しくは未置換のアリ
ールオキシ基;フェニルチオ基、3−フルオロフェニル
チオ基等の置換若しくは未置換のアリールチオ基;フェ
ニル基、ビフェニル基、トリフェニル基、テトラフェニ
ル基、3−ニトロフェニル基、4−メチルチオフェニル
基、3,5−ジシアノフェニル基、o−トリル基、m−ト
リル基、p−トリル基、キシリル基、o−クメニル基、
m−クメニル基、p−クメニル基、メシチル基、ペンタ
レニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、
ヘプタレニル基、アセナフチレニル基、フェナレニル
基、フルオレニル基、アントリル基、アントラキノニル
基、3−メチルアントリル基、フェナントリル基、トリ
フェニレン基、ピレニル基、クリセニル基、2−エチル
−1−クリセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、6−
クロロペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル
基、テトラフェニレン基、ヘキサフェニル基、ヘキサセ
ニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニ
ル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレ
ニル基、オバレニル基等の置換若しくは未置換の芳香族
環基等が挙げられる。
前記第1の成分は、特に、中性付近の環境下において
チオバチルス・チオオキシダンスに対して生育阻害活性
を示す。第1の成分の平均粒径は特に限定されないが、
例えばコンクリート構造体、モルタル構造体等のセメン
ト構造体に配合した際に、生育阻害作用を有効に発揮さ
せ、且つ構造体の成形時に構造体内の所望位置に配合さ
れる粒径が好ましい。具体的には、平均粒径が0.01μm
〜1mm、特に、1μm〜0.1mmが好ましい。
前記第2の成分においてタングステン粉末は、水不溶
性であり、酸に対しても殆ど溶解性を示さない。一方、
タングステン化合物粉末は、実質的に水不溶性の粉末で
あり、酸に対しても殆ど溶解性を示さないものが好まし
い。このようなタングステン化合物としては、例えば、
W28O58(一般に「ブルーオキサイド」と称されてい
る)、WO3等のタングステン酸;タングステン酸カルシ
ウム(CaWO4)等のタングステン酸塩、又はこれらの混
合物等が挙げられる。第2の成分として、水溶性であ
り、且つセメントと反応すると実質的に水不溶性となる
タングステン酸塩を用いることもできる。このタングス
テン酸塩としては、タングステン酸ナトリウム(Na2W
O4,Na2WO9)等が挙げられる。このようなタングステン
酸ナトリウムは、水溶性であるため、例えば、コンクリ
ート材料又はモルタル材料に均一に分散溶解させ易く、
しかも、セメントと反応して、その殆どが、実質的に水
不溶性のタングステン酸カルシウムになるので、セメン
ト構造体中では、水不溶性であり、酸に対しても殆ど溶
解性を示さない。従って、チオバチルス・チオオキシダ
ンスの生育を阻害する際には金属イオンとしてではな
く、金属自体が生育を阻害し、その作用は長期間維持し
うる。
前記第2の成分は、酸性下、特にpH4以下の酸性下に
おいて、チオバチルス・チオオキシダンスに対して生育
阻害活性を示す。第2の成分のうち、粉末の平均粒径は
特に限定されないが、例えば、セメント構造体に配合し
た際に、生育阻害作用を有効に発揮させ、且つ構造体の
成形時に構造体内の所望位置に配合される粒径が好まし
い。具体的には、1μm〜0.2mmが望ましい。
本発明の阻害剤には、その目的が損なわれない範囲に
おいて他の有効成分を配合しても良い。前記第1の成分
及び第2の成分のみを有効成分として用いた場合の有効
濃度は、チオバチルス・チオオキシダンスの生育環境に
対して、1μmol/l以上、特に10〜100μmol/lとなる範
囲が好ましい。例えば、本発明の阻害剤を用いて、セメ
ント構造体のチオバチルス・チオオキシダンスによる劣
化を防止するには、セメント構造体中のセメント100重
量部に対して、0.0001〜1.0重量部の範囲、特に0.0001
〜0.1重量部という少量の範囲でも、十分に生育阻害効
果が得られる。また、その効果は、従来の耐蝕材料によ
るコーティングに比して、顕著に持続させることができ
る。
前記第1の成分と、第2の成分との配合割合は、第1
の成分:第2の成分が重量比で1:0.1〜1.0の範囲となる
割合が望ましい。
本発明の阻害剤には、更に必要に応じて、水と、前記
第1の成分及び第2の成分のうち水不溶性の粉末を水に
分散させる分散剤とを配合することにより、例えば、コ
ンクリート又はモルタルを硬化させる前のセメント組成
物等に添加し易い、水分散状態の阻害剤とすることもで
きる。好ましい水分散状態とは、第1の成分及び第2の
成分が均一に水に分散若しくはその一部が溶解した状態
であり、その分散状態を室温で60日間以上保持しうるも
のが望ましい。
前記分散剤としては、高性能減水剤、流動化剤等のコ
ンクリート用混和剤又はその複合体等が挙げられる。具
体的には、ナフタレンスルフォン酸塩、メラミンスルフ
ォン酸塩、リグニンスルフォン酸塩、ポリカルボン酸
塩、ポリオール、オキシカルボン酸、ロダン化合物、ト
リアジン系化合物又はこれらの混合物等が挙げられる。
また、市販のコンクリート用混和剤をそのまま使用する
こともできる。
本発明の阻害剤を水分散状態とする際の水及び分散剤
の配合割合は、第1の成分及び第2の成分100重量部に
対して、水は50〜1000重量部、特に100〜300重量部が望
ましく、分散剤は50〜500重量部、特に100〜500重量部
が好ましい。
本発明の阻害剤を水分散状態とするには、例えば、水
に前記分散剤を溶解させ、まず、第2の成分を混合分
散、若しくは溶解させた後、次いで第1の成分を徐々
に、添加して撹拌分散させる方法等が挙げられる。
本発明のセメント組成物は、セメントと、骨材と、水
と、前記第1の成分と、前記第2の成分と、前記第1の
成分及び第2の成分のうち水不溶性の粉末を分散させる
分散剤とを含み、組成物の形態が流動状態のものであ
る。従って、このセメント組成物は、ミキサー車等にお
ける搬送に適している。また、セメント構造体を製造す
る際に、第1の成分と第2の成分とが他の成分から分離
したり、凝集することが抑制されているので、このセメ
ント組成物を用いることにより、通常の生コンクリート
打設方法によりセメント構造体を製造することができ
る。
前記セメントとしては、特に限定されず、ポルトラン
ドセメント、混合セメント、特殊セメント等の各種セメ
ントが使用できる。
骨材としては、各種の粗骨材、細骨材等が使用でき
る。骨材の粒径は、目的の構造体に応じて適宜選択でき
る。
前記第1の成分、前記第2の成分及び前記分散剤とし
ては、前述の具体例のものがそれぞれ好ましく挙げられ
る。
本発明のセメント組成物において、粗骨材及び/又は
細骨材等の骨材の配合割合は、セメント100重量部に対
して、50〜500重量部の範囲から目的に応じて適宜選択
することが好ましい。水の配合割合は、セメント100重
量部に対して、20〜80重量部の範囲から目的に応じて適
宜選択することが好ましい。第1の成分の配合割合は、
セメント100重量部に対して、0.05〜2重量部の範囲か
ら目的に応じて適宜選択することが好ましい。第2の成
分の配合割合は、セメント100重量部に対して、0.05〜
2重量部の範囲から目的に応じて適宜選択することが好
ましい。分散剤の配合割合は、第1の成分及び第2の成
分100重量部に対して、50〜1000重量部の範囲から目的
に応じて適宜選択することが好ましい。
本発明のセメント組成物の調製は、各成分が分散、若
しくは一部が溶解された流動状態にできれば特に限定さ
れない。例えば、セメント、骨材及び水を含む混合物
に、第1の成分、第2の成分、分散剤及び水を含む前記
水分散状態の阻害剤を添加混合する方法が望ましい。
本発明のセメント組成物には、その目的が損なわれな
い範囲において、必要に応じて、各種他の添加剤等を配
合することもできる。他の添加剤としては、通常コンク
リート構造体又はモルタル構造体に添加する、例えば、
空気連行剤、減水剤、流動化剤等が挙げられる。他の添
加剤の配合割合は得られる構造体に応じて適宜選択する
ことができる。
本発明のセメント構造体は、前記セメント組成物を硬
化させたコンクリート構造体又はモルタル構造体であ
る。
前記セメント組成物を硬化させるには、公知の打設・
締固め方法又は成形・硬化させる方法等により行うこと
ができる。成形・硬化させる方法としては、遠心成形法
等により行うことができる。
硬化条件は特に限定されず、目的のセメント構造体に
適した条件を適宜選択することができる。
本発明のセメント構造体は、配合された第1の成分及
び第2の成分が金属イオンとして殆ど溶出することな
く、チオバチルス・チオオキシダンスの生育を阻害し、
セメント構造体の劣化が防止若しくは抑制されるので、
下水処理施設の下水と直接接触する場所はもちろんのこ
と、下水と接触していない表面が酸性化される場所にお
いても有効に使用することができる。
本発明の阻害剤は、特定金属化合物である、第1の成
分と第2の成分とを含有するので、pHが中性付近はもと
より、pH4以下の酸性条件下においてもチオバチルス・
チオオキシダンスの生育を十分に阻害する。しかもこれ
ら成分が、セメント構造体中から金属イオンとしてほと
んど溶出することなく生育阻害活性を示すので、長期間
に渡りその効果が維持される。従って、下水処理施設等
におけるコンクリート構造体、モルタル構造体等のセメ
ント構造体に本発明の阻害剤を微量配合した、本発明の
セメント構造体は、チオバチルス・チオオキシダンスの
生育を十分阻害でき、構造体自体の強度等を実質的に低
下させることもない。
本発明のセメント組成物は、前記阻害剤の有効成分で
ある第1の成分及び第2の成分が分散、若しくは一部が
溶解された流動物であるので、本発明のセメント構造体
を製造するのに有効であり、流動状態のままミキサー車
等により分離させずに搬送することが可能である。
実施例 以下実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1及び2及び比較例1及び2 チオ硫酸ナトリウム0.2%、酵母エキス0.03%、(N
H42SO40.3%、MgSO4′7H2O 0.05%、K2HPO40.05%、K
Cl 0.01%、Ca(NO3・4H2O 0.001%を含むチオ硫酸
無機塩培地(pH7.0)20ml中に、腐食コンクリート1.0g
を接種し、30℃の好気条件下で保存した。培地のpHが2.
0に低下したところで、培地を交換しこの培養操作を5
回行った。培養により得られたチオバチルス・チオオキ
シダンスの黄色いコロニーを単離し、この分離株をNBI
−3株とした。
マノメータ、反応容器及び振盪装置を備えたワークブ
ルグ検圧計の反応槽に、NBI−3株の洗浄細胞5mg、β−
アラニン−SO4 2-緩衝液200μl(pH3.0)及び亜硫酸ナ
トリウム200μmolを総容積3mlとして添加し、更に、ニ
ッケルフタロシアニン粉末2mg及びW28O58粉末2mg(実施
例1)、ニッケルフタロシアニン粉末3mg及びタングス
テン粉末2mg(実施例2)、又はニッケルフタロシアニ
ン粉末5mg(比較例1)を添加するか、若しくはコント
ロールとして添加せずに(比較例2)、経時的な酸素の
吸収量を測定した。この測定は、センターウエルに0.2m
lの水酸化ナトリウムを入れ、反応槽内のpHを3.0に調整
しながら行った。また、ワークブルグ検圧計のガス相は
空気で30℃に保持した。結果を図1に示す。
図1から明らかなように、実施例ではpH3の酸性領域
でも完全に菌の呼吸が止まり、チオバチルス・チオオキ
シダンスの生育を阻害していることがわかる。
実施例3及び4、比較例3〜5 マノメータ、反応容器及び振盪装置を備えたワークブ
ルグ検圧計の反応槽に、実施例1で調製したNBI−3株
の洗浄細胞5mg、β−アラニン−SO4 2-緩衝液200μl(p
H3.0)及び亜硫酸ナトリウム200μmolを総容積3mlとし
て添加し、更に、ニッケルフタロシアニン粉末2mg及びW
28O58粉末2mg(実施例3)、ニッケルフタロシアニン粉
末2mg及びタングステン粉末2mg(実施例4)、W28O58
末5mg(比較例3)、又はタングステン粉末5mg(比較例
4)を添加するか、若しくはコントロールとして添加せ
ずに(比較例5)、経時的な酸素の吸収量を測定した。
この測定は、センターウエルに0.2mlの水酸化ナトリウ
ムを入れ、反応槽内のpHを7.0に調整しながら行った。
また、ワークブルグ検圧計のガス相は空気で30℃に保持
した。結果を図2に示す。
図2から明らかなように、実施例ではpH7でも完全に
菌の呼吸が止まり、チオバチルス・チオオキシダンスの
生育を阻害していることがわかる。
実施例5〜9、比較例6及び7 セメント:砂が重量比で1:2であり、且つ水/セメン
トが重量比で1:2のセメント組成物に、表1に示すそれ
ぞれのチオバチルス・チオオキシダンス生育阻害剤を、
表1に示すセメント100重量部あたりの添加量でそれぞ
れ添加して混合した後、4×4×16cmの供試体を作製し
た。得られた供試体それぞれを、温泉地帯の下水処理場
再処理沈澱池の溢流部の気中に6月間暴露した。暴露環
境は、硫化水素濃度10〜30ppm、温度24〜32℃、湿度約1
00%であった。暴露後供試体の中央部を切断し、電子線
マイクロアナライザーでイオウの分布を測定し、表面か
らイオウの濃度が0.5%を超える深さをイオウ侵入深さ
とした。結果を表1に示す。
参考例 ニッケル粉末(Ni)、タングステン粉末(W)、W28O
58粉末及びニッケルフタロシアニン粉末に、pHの異なる
硫酸溶液を添加し、pHと各金属又は金属化合物の溶出量
との関係を測定した。結果を図3に示す。
図3より、W、W28O58及びニッケルフタロシアニン
は、酸性領域でも殆ど溶出しなかった。一方、Niは中性
付近では殆ど溶けないが、酸性領域では著しく溶出する
ことがわかる。
実施例10〜13 表2に示す分散剤100mg中に、ニッケルフタロシアニ
ン粉末10mg及び表2に示すタングステン化合物粉末10mg
を撹拌しながら徐々に添加し、続いて、粒径5mmのジル
コニアビーズを充填したアトライターを用いて2時間分
散させ、各阻害剤を調製した。
次いで、セメント:砂が重量比で1:2であり、且つ水
/セメントが重量比で1:2のセメント組成物に、表2に
示すそれぞれのチオバチルス・チオオキシダンス生育阻
害剤を、表2に示すセメント100重量部あたりの添加量
でそれぞれ添加して混合した後、4×4×16cmの供試体
を作製した。得られた供試体それぞれを、実施例5〜9
と同様な暴露環境に暴露し、同様にイオウ侵入深さを測
定した。結果を表2に示す。
実施例14〜17及び比較例8 チオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3・5H2O)0.50重量%、
リン酸水素ナトリウム(Na2HPO4・12H2O)0.15重量%、
リン酸水素カリウム(KH2PO4)1.10重量%、硫酸マグネ
シウム(MgSO4・7H2O)0.01重量%、塩化アンモニウム
(NH4Cl)0.03重量%及びイーストエクストラクト(Yea
st Extract)0.03重量%を含むpH7.0に調整したチオ硫
酸培地を調製した。
一方、実施例10〜13において調製したそれぞれの阻害
剤を用いて、実施例10〜13と同様に6×6×6mmの供試
体を作製した。実施例10の阻害剤を用いて作製した供試
体を実施例14、実施例11の阻害剤を用いて作製した供試
体を実施例15、実施例12の阻害剤を用いて作製した供試
体を実施例16、実施例13の阻害剤を用いて作製した供試
体を実施例17とし、阻害剤を添加しなかった供試体を比
較例8とした。
次いで、それぞれの供試体を、予め調製した上記チオ
硫酸培地に入れ、実施例1で調製したNBI−3株を加え
て、24時間30℃の条件で培養を行った。この際の供試体
からのカルシウムの溶出量を、培地中のカルシウムイオ
ンの変化量を原子吸光装置(製品名「AA−625−01」、
島津製作所製)を用いて4227Åの波長により測定して求
めた。原子吸光用カルシウムイオン標準液としては1000
μg/mlを使用した。尚、培養終了後の培地のpHは6.0で
あった。各供試体の測定結果を図4に示す。
図4の結果より、本発明の阻害剤を含む実施例の供試
体は、いずれもカルシウムの溶出が殆どなく、セメント
構造体の劣化を防止していると共に、阻害剤に含まれる
金属の溶出も殆ど生じないことが判る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 弘美 東京都中央区京橋2丁目3番13号 東洋 インキ製造株式会社内 (72)発明者 榎田 年男 東京都中央区京橋2丁目3番13号 東洋 インキ製造株式会社内 (72)発明者 田中 玲子 東京都中央区京橋2丁目3番13号 東洋 インキ製造株式会社内 (56)参考文献 国際公開97/30005(WO,A1) 国際公開98/14062(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 59/16 C04B 22/08 C04B 24/12 C04B 103:69

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ニッケルフタロシアニン粉末、ニッケルフ
    タロシアニン誘導体粉末及びこれらの混合物からなる群
    より選択される第1の成分と、タングステン粉末、実質
    的に水不溶性のタングステン化合物粉末、水溶性であ
    り、且つセメントと反応すると実質的に水不溶性となる
    タングステン酸塩及びこれらの混合物からなる群より選
    択される第2の成分とを含むチオバチルス・チオオキシ
    ダンス生育阻害剤。
  2. 【請求項2】前記実質的に水不溶性を示すタングステン
    化合物が、W28O58、WO3、タングステン酸カルシウム及
    びこれらの混合物からなる群より選択され、前記水溶性
    であり、且つセメントと反応して実質的に水不溶性を示
    すタングステン酸塩が、タングステン酸ナトリウムであ
    る請求の範囲1に記載の阻害剤。
  3. 【請求項3】水と、前記第1の成分及び前記第2の成分
    のうち水不溶性の粉末を水に分散させる分散剤とを更に
    含み、形態が水分散状態である請求の範囲1に記載の阻
    害剤。
  4. 【請求項4】前記分散剤が、ナフタレンスルフォン酸
    塩、メラミンスルフォン酸塩、リグニンスルフォン酸
    塩、ポリカルボン酸塩、ポリオール、オキシカルボン
    酸、ロダン化合物、トリアジン系化合物及びこれらの混
    合物からなる群より選択される請求の範囲3に記載の阻
    害剤。
  5. 【請求項5】セメントと、骨材と、水と、ニッケルフタ
    ロシアニン粉末、ニッケルフタロシアニン誘導体粉末及
    びこれらの混合物からなる群より選択される第1の成分
    と、タングステン粉末、実質的に水不溶性のタングステ
    ン化合物粉末、水溶性であり、且つセメントと反応する
    と実質的に水不溶性になるタングステン酸塩及びこれら
    の混合物からなる群より選択される第2の成分と、前記
    第1の成分及び第2の成分のうち水不溶性の粉末を分散
    させる分散剤とを含み、形態が流動状態であることを特
    徴とするセメント組成物。
  6. 【請求項6】前記実質的に水不溶性のタングステン化合
    物が、W28O58、WO3、タングステン酸カルシウム及びこ
    れらの混合物からなる群より選択され、前記水溶性であ
    り、且つセメントと反応して実質的に水不溶性を示すタ
    ングステン酸塩がタングステン酸ナトリウムであり、且
    つ前記分散剤が、ナフタレンスルフォン酸塩、メラミン
    スルフォン酸塩、リグニンスルフォン酸塩、ポリカルボ
    ン酸塩、ポリオール、オキシカルボン酸、ロダン化合
    物、トリアジン系化合物及びこれらの混合物からなる群
    より選択される請求の範囲5に記載の化合物。
  7. 【請求項7】請求の範囲5に記載のセメント組成物を硬
    化させたセメント構造体。
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