JP3319934B2 - 樹脂付き金属箔 - Google Patents

樹脂付き金属箔

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JP3319934B2 JP7070096A JP7070096A JP3319934B2 JP 3319934 B2 JP3319934 B2 JP 3319934B2 JP 7070096 A JP7070096 A JP 7070096A JP 7070096 A JP7070096 A JP 7070096A JP 3319934 B2 JP3319934 B2 JP 3319934B2
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愼悟 吉岡
克彦 伊藤
政行 石原
修二 前田
光司 高木
晋一 池谷
弘明 藤原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層プリント配線
板の製造に用いる樹脂付き金属箔に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多層プリント配線板を製造するにあたっ
て、従来は一般的に、内層用の回路を設けた内層回路板
の表面にプリプレグを介して銅箔等の金属箔を重ね、こ
れを加熱加圧成形してプリプレグによる絶縁接着層を介
して金属箔を内層回路板の表面に積層し、そしてこの金
属箔をエッチング加工等して回路形成することによっ
て、行なわれている。しかし、プリプレグはガラス布等
の基材にエポキシ樹脂等を含浸して作製さているため
に、厚みを薄くするには限界があり、多層プリント配線
板の高密度化や薄型化に対応できなくなっている。
【0003】そこで近年、銅箔等の金属箔の表面にエポ
キシ樹脂等を塗工して半硬化状態の樹脂層を設けた樹脂
付き金属箔を用い、この樹脂付き銅箔をその樹脂層側で
内層回路板の表面に重ね、加熱加圧成形をすることによ
って、樹脂層による絶縁接着層によって金属箔を内層回
路板の表面に直接積層接着することが行なわれるように
なっている。
【0004】このように金属箔に接着樹脂を塗工した樹
脂付き金属箔が広く用いられるようになっており、特開
平5−206647号公報、特開平5−21962号公
報、特開平5−37153号公報等で各種の樹脂付き金
属箔が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし樹脂付き金属箔
では、金属箔にエポキシ樹脂等を塗工して乾燥する工程
や、樹脂付き金属箔を内層回路板に積層する工程など
で、樹脂付き金属箔を取り扱う際に樹脂層が割れて部分
的に粉落ちし、絶縁接着層による層間の絶縁不良が発生
したり、粉落ちした破片によって成形した多層プリント
配線板の表面に打痕が残る打痕不良が発生したりするお
それがあるという問題があった。
【0006】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、樹脂層が割れたり、粉落ちしたりすることを防ぐ
ことができ、また多層成形を行なうにあたって成形性が
良好であると共に内層の回路パターンとの絶縁性を安定
して得ることができる樹脂付き金属箔を提供することを
目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る樹脂付き金
属箔は、金属箔1の片側表面に、可撓性付与剤を配合し
たエポキシ樹脂組成物で第一の樹脂層2を設けると共
に、この第一の樹脂層2の表面に第一の樹脂層2よりも
融点が低く可撓性付与剤を配合したエポキシ樹脂組成物
で第二の樹脂層3を設け、第一の樹脂層2や第二の樹脂
層3のエポキシ樹脂組成物として、主剤となるエポキシ
樹脂100重量部に対して、可撓性付与剤として側鎖に
炭素数3〜8の炭素鎖を1周期に少なくとも1つ含むビ
スフェノールA型エポキシ樹脂を1〜50重量部配合す
ると共に、硬化剤としてアミン系硬化剤あるいはフェノ
ール系硬化剤を配合したものを用いて成ることを特徴と
するものである。
【0008】また請求項2の発明は、第一の樹脂層2の
融点をmp 1 、第二の樹脂層3の融点をmp 2 とすると、
mp 1 >100℃、mp 2 <150℃、mp 1 >mp 2 の関
係を満たすエポキシ樹脂組成物で各樹脂層を形成するこ
とを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明において金属箔1としては、プリント配線
板の回路形成用に用いられるものであれば特に制限され
ることなく使用することができるが、銅箔を使用するの
が一般的である。そしてこの金属箔1の片側の表面に熱
硬化性樹脂を塗工することによって、樹脂付き金属箔を
製造することができる。
【0010】熱硬化性樹脂として本発明では、金属箔1
との優れた接着性や、経済的に有利である等の理由によ
ってエポキシ樹脂を用いる。また金属箔1に設ける樹脂
層を、本発明では図1(a)に示すように金属箔1側の
第一の樹脂層2と外側の第二の樹脂層3との2層構成で
形成するようにしてある。ここで、表面に内層用の回路
パターン5を設けた内層回路板6に樹脂付き金属箔Aを
加熱加圧成形して図1(b)のように積層接着するにあ
たって、回路パターン5のライン間の凹所に樹脂を良好
に流入させて充填させるために、金属箔1に設ける樹脂
は成形時の流動性が大きいことが必要である。しかし流
動性大きいと成形時の流出量が多くなって内層回路板6
と金属箔1の間の絶縁接着層7の厚みにばらつきが生じ
て絶縁性の確保が不安定になる。このために本発明で
は、金属箔1に塗工した樹脂のうち内層回路板6に接す
る外側の層は成形時の流動性が大きく、また金属箔1に
接する内側の層は成形時の流動性が小さくなるように、
金属箔1の片側表面に融点が高いエポキシ樹脂で第一の
樹脂層2を設けると共に、この第一の樹脂層2の表面に
第一の樹脂層2よりも融点が低いエポキシ樹脂で第二の
樹脂層3を設けるようにしてある。
【0011】ここで本発明では、成形時の流動性を小さ
く抑えるために、第一の樹脂層2は融点mp1 が100
℃を超える(mp1 >100℃)ように形成するのが好
ましい。第一の樹脂層2の融点mp1 の上限は特に限定
されるものではないが、200℃程度を上限とするのが
よい。また成形時の流動性を大きく得るために、第二の
樹脂層3は融点mp2 が150℃未満(mp2 <150
℃)になるように形成するのが好ましい。第二の樹脂層
3の融点mp2 の下限は特に限定されるものではない
が、40℃程度を下限とするのがよい。そして第一の樹
脂層2の融点mp 1 と第二の樹脂層3の融点mp2 との
関係は、上記のようにmp1 >mp2 であるが、mp1
とmp2 の差(mp1 −mp2 )は20〜150℃の範
囲が好ましい。尚、本発明において融点は、柳本製作所
製「融点測定機」によって測定した数値である。
【0012】そして本発明では、上記のように金属箔1
に塗工して設けた第一の樹脂層2と第二の樹脂層3が割
れて粉落ちしたりすることを防ぐために、第一の樹脂層
2や第二の樹脂層3を形成するエポキシ樹脂として可撓
性を付与した組成物を用いるものである。主剤となるエ
ポキシ樹脂としては一般的なビスフェノールA型エポキ
シ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂を用いる
ことができるが、これに可撓性付与剤を配合し、さらに
硬化剤としてアミン系硬化剤あるいはフェノール系硬化
剤を配合すると共に反応促進剤を配合して調製したエポ
キシ樹脂組成物によって、可撓性を付与したエポキシ樹
脂で第一の樹脂層2や第二の樹脂層3を形成することが
できる。
【0013】本発明では可撓性付与剤として、側鎖に炭
素数3〜8の炭素鎖を1周期に少なくとも1つ含むビス
フェノールA型エポキシ樹脂を用いることができる。こ
こで、1周期とはビスフェノールAのグリシジルエーテ
ル化物の重合物において重合の繰り返しの一単位をいう
ものであり、炭素数3〜8の炭素鎖としては、例えばn
−プロパンからn−オクタンまでの、炭素数が3〜8の
脂肪族直鎖飽和炭化水素が好ましい。この炭素鎖は1周
期に少なくとも1つ含まれておればよく、炭素鎖の1周
期当たりの個数の上限は特に設定されないが3程度を上
限にするのが好ましい。このようなビスフェノールA型
エポキシ樹脂としては、次の化学構造式のものを例示す
ることができる。
【0014】
【化1】
【0015】上記の化学構造式においてXは−Cn
2n+1(n=3〜8の整数)で表される脂肪族直鎖飽和炭
化水素基である。この可塑性付与剤の配合量は、主剤と
なるビスフェノールA型エポキシ樹脂やクレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂100重量部に対して1〜50重
量部の範囲が好ましい。1重量部未満の配合量では第一
の樹脂層2や第二の樹脂層3の可撓性が不十分になり、
また50重量部を超える配合量では成形キュア硬化後の
ガラス転移温度が十分に高くならないために好ましくな
い。
【0016】またアミン系硬化剤としてはジシアンジア
ミドなどを用いることができ、フェノール系硬化剤とし
てはフェノール樹脂などを用いることができる。さらに
反応促進剤としては2−エチル−4−メチルイミダゾー
ルなどのイミダゾール類を用いることができる。これら
の配合量は、主剤となるビスフェノールA型エポキシ樹
脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂100重量部
に対して、硬化剤を〜40重量部の範囲に、反応促進剤
を0.01〜0.2重量部の範囲に、それぞれ設定する
のが好ましい。
【0017】しかして、可撓性付与剤を配合したエポキ
シ樹脂組成物を溶剤に溶解してエポキシ樹脂ワニスを調
製し、このエポキシ樹脂ワニスを金属箔1の片側表面に
塗布して加熱乾燥することによって先ず第一の樹脂層2
を設け、次に第一の樹脂層2の表面に上記エポキシ樹脂
ワニスを塗布して加熱乾燥することによって第二の樹脂
層3を設ける。加熱乾燥することによって、第一の樹脂
層2や第二の樹脂層3はいわゆるBシテージ状態にまで
半硬化するが、第一の樹脂層2は加熱を二回受けるため
に第二の樹脂層2よりも硬化が進行しており、第一の樹
脂層2のエポキシ樹脂の融点mp1 は第二の樹脂層3の
エポキシ樹脂の融点mp2 よりも高くなっている。mp
1 やmp2 を既述の範囲に調整するために、第一の樹脂
層2を設ける際の加熱乾燥を150〜190℃、3〜3
5分間の条件に設定し、第二の樹脂層3を設ける際の加
熱乾燥を100〜160℃、3〜35分間の条件に設定
するのが好ましい。また、金属箔1へのエポキシ樹脂ワ
ニスの塗布量は、第一の樹脂層2の乾燥膜厚が5〜80
μmに、第二の樹脂層3の乾燥膜厚が5〜80μmに、
トータルの厚みが15〜150μmになるように調整す
るのが好ましい。
【0018】上記のように金属箔1の片側表面に第一の
樹脂層2と第二の樹脂層3を塗工することによって図1
(a)に示すような構成の本発明に係る樹脂付き金属箔
Aを作製することができるが、第一の樹脂層2と第二の
樹脂層3はそれぞれ可撓性付与剤を配合して可撓性を付
与したエポキシ樹脂で形成してあるために、樹脂付き金
属箔Aをロール状に巻いたりして第一や第二の樹脂層
2,3を撓み変形させる応力が作用しても、第一や第二
の樹脂層2,3はその可撓性によって割れが発生するこ
とがなくなるものであり、樹脂層2,3が割れて粉落ち
が発生することを未然に防止することができるものであ
る。従って本発明では第一や第二の樹脂層2,3は割れ
が生じない程度の可撓性を有することが必要であり、要
求される可撓性の目安は、JIS K 5400に規定
される曲げ試験を曲げ半径R=3mmの条件で行なった
ときに割れが生じないことである。
【0019】そして、上記のように作製した樹脂付き金
属箔Aをその樹脂層2,3の側で内層回路板6に重ね、
これを加熱加圧成形することによって、図1(b)に示
すように半硬化状態の樹脂層2,3が溶融・硬化した絶
縁接着層7で金属箔1を内層回路板6に積層接着するこ
とができるものである。加熱加圧成形の条件は、160
〜190℃、10〜40kg/cm2 、50〜120分
間に設定するのが好ましい。ここで、樹脂層2,3のう
ち内層回路板6に接する第2の樹脂層3は融点が低いた
めに成形時の加熱で容易に融けて流動し、回路パターン
5のライン間の凹部に良好に流れ込んで充填することが
でき、ボイドやカスレ等が発生することがなくなる。ま
た金属箔1側の第一の樹脂層2は融点が高いために成形
時の流動性が低く、成形時の樹脂の流出量を少なくする
ことができるものであり、成形後の内層回路板6と金属
箔1の間の絶縁接着層7(樹脂層2,3)の厚みにばら
つきが生じることを低減し、絶縁接着層7による絶縁性
の確保が不安定になることを防ぐことができるものであ
る。
【0020】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 (実施例1)ブロム化エポキシ樹脂(東都化成社製「Y
DB−530」)のMEK20重量%濃度溶液をエポキ
シ樹脂固形分換算量で100重量部、ノボラック型エポ
キシ樹脂(東都化成社製「YDCN−200」)のME
K20重量%濃度溶液をエポキシ樹脂固形分換算量で1
5重量部混合し、これに対してジシアンジアミド(DI
CY)2重量部をジメチルホルムアミド(DMF)20
重量部に予め溶解した溶液を混合し、さらにこれに反応
促進剤として2‐エチル‐4‐メチルイミダゾール(2
E4MZ)を0.1重量部混合した。そしてこれに可撓
性付与剤として次の化学構造式で示されるビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂(チバガイギー社製「XB−412
2」)を45重量部配合することによって、エポキシ樹
脂ワニスを調製した。
【0021】
【化2】
【0022】そして金属箔1として厚み18μmの銅箔
(三井金属社製「3EC銅箔」)を用い、この金属箔1
の片側表面に上記のエポキシ樹脂ワニスをヒラノテクシ
ード社製「マルチコーター」によって乾燥塗膜厚が50
μmになるように塗布し、180℃で30分間加熱して
乾燥硬化させることによって第一の樹脂層2を形成し、
さらに連続して二機目の「マルチコーター」で同じ上記
のエポキシ樹脂ワニスを乾燥塗膜厚が50μmになるよ
うに塗布し、150℃で20分間加熱して乾燥硬化させ
ることによって第二の樹脂層3を形成することによっ
て、樹脂付き金属箔Aを作製した。この後、室温に冷却
して樹脂付き金属箔Aをロール状に巻き取った。
【0023】(実施例2)可撓性付与剤の配合量を表1
に示すように変更して調製したエポキシ樹脂ワニスを用
い、第一の樹脂層2の乾燥条件を180℃、40分に、
第二の樹脂層3の乾燥条件を150℃、20分に設定す
るようにした他は、上記実施例1と同様にして樹脂付き
金属箔Aを作製した。
【0024】(実施例3)可撓性付与剤の配合量を表1
に示すように変更して調製したエポキシ樹脂ワニスを用
い、第一の樹脂層2の乾燥条件を190℃、35分に、
第二の樹脂層3の乾燥条件を160℃、10分に設定す
るようにした他は、上記実施例1と同様にして樹脂付き
金属箔Aを作製した。
【0025】(実施例4)可撓性付与剤の配合量を表1
に示すように変更して調製したエポキシ樹脂ワニスを用
い、第一の樹脂層2の乾燥条件を190℃、45分に、
第二の樹脂層3の乾燥条件を140℃、10分に設定す
るようにした他は、上記実施例1と同様にして樹脂付き
金属箔Aを作製した。
【0026】(比較例1)表2に示すように可撓性付与
剤を配合しないで調製したエポキシ樹脂ワニスを用い、
第一の樹脂層2の乾燥条件を180℃、30分に、第二
の樹脂層3の乾燥条件を150℃、20分に設定するよ
うにした他は、上記実施例1と同様にして樹脂付き金属
箔Aを作製した。
【0027】(比較例2)可撓性付与剤を配合しないで
調製したエポキシ樹脂ワニスを用い、第一の樹脂層2の
乾燥条件を180℃、40分に、第二の樹脂層3の乾燥
条件を140℃、10分に設定するようにした他は、上
記実施例1と同様にして樹脂付き金属箔Aを作製した。
【0028】(比較例3)可撓性付与剤を配合しないで
調製したエポキシ樹脂ワニスを用い、第一の樹脂層2の
乾燥条件を180℃、25分に、第二の樹脂層3の乾燥
条件を160℃、10分に設定するようにした他は、上
記実施例1と同様にして樹脂付き金属箔Aを作製した。
尚、比較例3では第二の樹脂層2のエポキシ樹脂ワニス
は2E4MZの配合量を0.2重量部に変更して調製し
た。
【0029】(比較例4)可撓性付与剤を配合しないで
調製したエポキシ樹脂ワニスを用い、第一の樹脂層2の
乾燥条件を180℃、30分に、第二の樹脂層3の乾燥
条件を180℃、40分に設定するようにした他は、上
記実施例1と同様にして樹脂付き金属箔Aを作製した。
尚、比較例4では第二の樹脂層2のエポキシ樹脂ワニス
は2E4MZの配合量を0.3重量部に変更して調製し
た。
【0030】上記のようにして作製した実施例1〜4及
び比較例1〜4の樹脂付き金属箔Aについて、第一の樹
脂層2及び第二の樹脂層3の一部を採取し、それぞれの
融点mp1 ,mp2 を柳本製作所製「融点測定器」で測
定した。結果を表1及び表2に示す。また、実施例1〜
4及び比較例1〜4で作製した樹脂付き金属箔Aについ
て、樹脂の割れや粉落ちを測定した。測定は、樹脂付き
金属箔AについてJIS K5400に規定される曲げ
試験を曲げ半径R=3mmの条件で行ない、曲げ試験後
の樹脂の割れや粉落ちを観察することによって行ない、
割れあるいは粉落ちが発生しないものを「OK」、割れ
あるいは粉落ちが発生したものを「NG」と評価した。
結果を表1及び表2に示す。
【0031】次に、実施例1〜4及び比較例1〜4で作
製した樹脂付き金属箔Aを押し切りで50cm角に切断
し、これを用いて金属箔張り多層板を成形した。すなわ
ち、内層回路板4として、FR4板(松下電工社製「R
1766」;厚み0.8mm、両面に厚み35μmの銅
箔張り)の銅箔をエッチング加工して幅300μmのラ
インを幅300μmの間隔で形成した回路パターン5を
設けたものを用い、この内層回路板4の表面に樹脂付き
金属箔Aを樹脂側で重ね、名機社製多段真空プレス装置
によって、170℃、20kg/cm2 、真空度100
torr、2時間の条件で成形することによって、金属
箔張り多層板を得た。
【0032】このように成形した金属箔張り多層板から
20箇所を切断してサンプリングし、この各サンプルに
ついて絶縁接着層7の厚み(表面の金属箔1と内層の回
路パターン5との間の距離)を顕微鏡で測定し、その最
大値と最小値との差をバラツキとして算出した。結果を
表1及び表2に示す。また、金属箔張り多層板の表面の
金属箔1をエッチングして除去し、内層の回路パターン
5間への樹脂の埋め込みを評価するために、ボイドやカ
スレの有無を測定した。結果を表1及び表2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】表1及び表2にみられるように、各比較例
のものでは樹脂割れや粉落ちが発生しているが、可撓性
付与剤を配合して樹脂層2,3に可撓性を付与した各実
施例のものは、樹脂割れや粉落ちの発生がないことが確
認される。また第一の樹脂層のmp1 よりも第二の樹脂
層の融点mp2 が高い比較例4のものでは、ボイドやカ
スレが発生したが、第一の樹脂層のmp1 よりも第二の
樹脂層の融点mp2 が低い各実施例のものでは、ボイド
やカスレの発生がみられないことが確認される。
【0036】
【発明の効果】上記のように本発明は、金属箔の片側表
面に、可撓性付与剤を配合したエポキシ樹脂組成物で第
一の樹脂層を設けると共に、この第一の樹脂層の表面に
第一の樹脂層よりも融点が低く可撓性付与剤を配合した
エポキシ樹脂組成物で第二の樹脂層を設けるようにした
ので、第一や第二の樹脂層はその可撓性によって割れが
発生することを防ぐことができ、樹脂層が割れて粉落ち
が発生することを未然に防止することができるものであ
る。しかも積層成形するにあたって内層回路板に接する
側の第2の樹脂層は融点が低いために成形時の加熱で容
易に融けて流動し、内層の回路パターンのライン間の凹
部に良好に流れ込んで良好に充填させることができるも
のであり、また金属箔側の第一の樹脂層は融点が高いた
めに成形時の流動性が低く、成形時の樹脂の流出量を少
なくすることができ、成形後の内層回路板と金属箔の間
の樹脂層の厚みにばらつきが生じることを低減して絶縁
性の確保が不安定になることを防ぐことができるもので
ある。また、第一の樹脂層や第二の樹脂層のエポキシ樹
脂組成物として、主剤となるエポキシ樹脂100重量部
に対して、可撓性付与剤として側鎖に炭素数3〜8の炭
素鎖を1周期に少なくとも1つ含むビスフェノールA型
エポキシ樹脂を1〜50重量部配合すると共に、硬化剤
としてアミン系硬化剤あるいはフェノール系硬化剤を配
合したものを用いるようにしたので、第一の樹脂層や第
二の樹脂層に良好な範囲で可撓性を付与することができ
るものである。
【0037】また請求項2の発明は、第一の樹脂層の融
点をmp1、第二の樹脂層の融点をmp2とすると、mp
1>100℃、mp2<150℃、mp1>mp2の関係を
満たすエポキシ樹脂組成物で各樹脂層を形成するように
したので、第一の樹脂層や第二の樹脂層の上記の流動性
の制御を確実に行なうことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、
(a)は樹脂付き金属箔の構成を示す正面図、(b)は
金属箔を積層した多層板の構成を示す正面図である。
【符号の説明】
1…金属箔 2…第一の樹脂層 3…第二の樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 修二 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (72)発明者 高木 光司 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (72)発明者 池谷 晋一 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (72)発明者 藤原 弘明 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−220893(JP,A) 特開 平3−166223(JP,A) 特開 平5−206647(JP,A) 特開 平5−37153(JP,A) 特開 平5−24162(JP,A) 特開 平1−238930(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 15/08 H05K 1/03

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属箔の片側表面に、可撓性付与剤を配
    合したエポキシ樹脂組成物で第一の樹脂層を設けると共
    に、この第一の樹脂層の表面に第一の樹脂層よりも融点
    が低く可撓性付与剤を配合したエポキシ樹脂組成物で第
    二の樹脂層を設け、第一の樹脂層や第二の樹脂層のエポ
    キシ樹脂組成物として、主剤となるエポキシ樹脂100
    重量部に対して、可撓性付与剤として側鎖に炭素数3〜
    8の炭素鎖を1周期に少なくとも1つ含むビスフェノー
    ルA型エポキシ樹脂を1〜50重量部配合すると共に、
    硬化剤としてアミン系硬化剤あるいはフェノール系硬化
    剤を配合したものを用いて成ることを特徴とする樹脂付
    き金属箔。
  2. 【請求項2】 第一の樹脂層の融点をmp 1 、第二の樹
    脂層の融点をmp 2 とすると、mp 1 >100℃、mp 2
    <150℃、mp 1 >mp 2 の関係を満たすエポキシ樹脂
    組成物で各樹脂層を形成することを特徴とする請求項1
    に記載の樹脂付き金属箔。
JP7070096A 1996-03-26 1996-03-26 樹脂付き金属箔 Expired - Fee Related JP3319934B2 (ja)

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