JP3319900B2 - 光ピックアップ - Google Patents

光ピックアップ

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JP3319900B2
JP3319900B2 JP01659795A JP1659795A JP3319900B2 JP 3319900 B2 JP3319900 B2 JP 3319900B2 JP 01659795 A JP01659795 A JP 01659795A JP 1659795 A JP1659795 A JP 1659795A JP 3319900 B2 JP3319900 B2 JP 3319900B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ディスク、光磁気デ
ィスク等の記録媒体に記録された情報を光学的に読み取
るための光ピックアップ並びに、当該ピックアップに用
いるビームスプリッタ及びその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般の光ピックアップの概略構成につい
て図9を基に説明する。光源である半導体レーザ1から
出射されたレーザビームは、グレーティング2により情
報読取用及びフォーカシングサーボ信号検出用のメイン
ビームとトラッキングサーボ信号検出用の一対のサブビ
ームとに分割されてビームスプリッタ3に入射し、この
ビームスプリッタ3を非平行光として透過後、コリメー
トレンズ4により平行光となり、対物レンズ5により記
録媒体6の記録面上に集束されて3つのビームスポット
を形成する。
【0003】そして、記録媒体6により反射された3つ
の戻りビーム(信号光)は、対物レンズ5及びコリメー
トレンズ4を経てビームスプリッタ3に入射し、ビーム
スプリッタ3の光学反射膜により直角に反射され、その
後、ビームスプリッタ3を透過して例えば6分割の受光
素子(受光部)8上に3つのスポットを形成する。尚、
シリンドリカルレンズ7は、フォーカシングサーボ信号
を非点収差法により検出するために使用される。
【0004】そして、このような光ピックアップに用い
られるビームスプリッタ3は専ら図10に示すように、
横断面直角二等辺三角形をなす第1及び第2のプリズム
31、32を互いに接着剤により貼合わせて構成される
と共に、その一方のプリズム32の貼合わせ面32aに
は光学反射膜33を有する。この光学反射膜33は例え
ばTiO2とSiO2との多層構造からなり、第1のプリ
ズム31及び接着剤層34を透過した光の大部分を透過
し、一部を反射するものであり、第2のプリズム32を
透過してきた光の大部分を反射し、一部を透過するもの
である。上記両プリズム31、32の互いの貼合わせ面
31a、32a間に形成される接着剤層34の厚みt
は、接着の信頼性確保の面から10μm程度の厚みが必
要であり、接着剤層34全域にわたり一様な厚みとなっ
ている。
【0005】半導体レーザ1より出射されたレーザビー
ムは非平行光であり、光軸上の光線a1は第1のプリズ
ム31を透過して接着剤層34に入射する際にプリズム
の屈折率と接着剤層の屈折率が異なることに起因して屈
折し、接着剤層34内では光線b1となり、次に第2の
プリズム32に入射する際に再度屈折して光線c1とな
ってコリメートレンズ4方向に出射する。一方、記録媒
体7によって反射され第2のプリズム32に入射した光
線d1は光学反射膜33により反射され、光線e1となっ
て受光素子8方向に出射する。
【0006】同様に、半導体レーザ1から出射されたレ
ーザビームの外側寄りの光線a2,a3も、接着剤層34
に入射する際に屈折して光線b2,b3となり、さらに第
2のプリズム32に入射する際に屈折して光線c2,c3
となり、記録媒体6により反射され第2のプリズム32
に入射した光線d2,d3は光学反射膜33により反射さ
れて光線e2,e3となって出射する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記構成の
ビームスプリッタを、半導体レーザ1から出射されるレ
ーザビームのように非平行光中に配置した場合には、後
段で説明するように、上記接着剤層34を透過する光の
光路長さが接着剤層34の各部において異なり、接着剤
層34による光学的影響が光束に対して均一とはなら
ず、その結果、収差等を生じてピックアップの性能に悪
影響を及ぼし、安定した特性を得ることができない、と
いう問題を招くことになっていた。
【0008】今、第1及び第2のプリズムに同一のガラ
ス材あるいは樹脂材を用いてその屈折率をn1とし、接
着剤層34の屈折率をn2とし、n1>n2の関係にある
場合、光軸(矢印Z方向)に対して0°、−θ0°、+
θ0°の光線について図11を参照しながら説明する。
光軸上の光線a1は、第1のプリズム31から接着剤層
34に入射する際に、屈折の法則により、 n1sinθ11°=n2sinθ21° の関係に従って屈折され、接着剤層34を透過する光路
長さl1は、屈折せず直進した場合に比較して長くな
る。
【0009】−θ0°の光線a2は、接着剤層34への入
射角θ12°が(θ11°−θ0°)と小さいため、屈折角
θ22°も屈折の法則に従って小さくなり、接着剤層34
を透過する光路長さl2は光路長さl1よりも短くなる。
又、+θ0°の光線a3は、接着剤層34への入射角θ13
°が(θ11°+θ0°)となるため、屈折角θ23°も大
きくなり、接着剤層34を透過する光路長さl3は光路
長さl1よりも長くなる。このように、各光線a1〜a3
の接着剤層34における光路長さl1〜l3の関係は、 l2<l1<l3 となる。
【0010】以上要するに、光線の接着剤層34におけ
る光路長さは、光線の位置即ち接着剤層34に対する入
射角によって異なり、光束に対する接着剤層34の光学
的影響は不均一となる。
【0011】光線の位置によって接着剤層を透過する光
路長さが異なることを図12に概念的に示した。図12
は、半導体レーザ側からビームスプリッタを見たときに
コリメートレンズに入射する光束を円とした場合であ
り、光路長さが長くなる光線a3側にて線を密にして描
き、光路長さが短くなる光線a2側を線を疎にして描い
ている。尚、図12において、Y軸方向についてはa1
点を中心に対象となるため省略してある。
【0012】以上のように光束に対する接着剤層の光学
的影響が不均一となり、光ピックアップの性能を示すジ
ッタ値として好ましい値を得ることができず、性能的に
満足できる光ピックアップを提供できないことになって
いた。
【0013】しかるに、本発明は、非平行光よりなる光
束に対する光学的影響を均一にできるビームスプリッタ
を提供し、又光ピックアップ等のハウジングへの組を込
みを容易にかつ精度よく行えるビームスプリッタの製造
方法を提供し、さらに性能的に優れた光ピックアップを
提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る光ピック
アップは、第1及び第2のプリズムを接着剤により貼合
わせて構成すると共に、その一方の貼合わせ面に、第1
のプリズムの第1面から入射した光を透過し、第2のプ
リズムの第1面から入射した光を反射する光学反射膜を
するビームスプリッタと、第1のプリズムの第1面に
拡散光を出射する半導体レーザと、第2のプリズムの第
1面に収束光を入射させるコリメートレンズと、第2の
プリズムの第2面から出射された収束光を受光する受光
素子とを備えた光ピックアップにおいて、上記両プリズ
ムの貼合わせ面間の接着剤層を、第1のプリズムの第1
面に近い側の厚みが大きく、遠い側に厚みが小さくなる
ように楔状に形成して、上記接着剤層の各部を透過する
光の光路長さを略等しくする。
【0015】又、請求項2に係る光ピックアップは、第
1及び第2のプリズムを接着剤により貼合わせて構成す
ると共に、その一方の貼合わせ面に、第1のプリズムの
第1面から入射した光を透過し、第2のプリズムの第1
面から入射した光を反射する光学反射膜を有するビーム
スプリッタと、第1のプリズムの第1面に拡散光を出射
する半導体レーザと、第2のプリズムの第1面に収束光
を入射させるコリメートレンズと、第2のプリズムの第
2面から出射された収束光を受光する受光素子とを備え
た光ピックアップにおいて、上記両プリズムの貼合わせ
面間の接着剤層を、第1のプリズムの第1面に近い側の
厚みが大きく、遠い側に厚みが小さくなるように楔状に
形成する一方、半導体レーザの出射光の広がり角を10
度、第1及び第2のプリズムの屈折率を1.64、接着
剤の屈折率を1.51、接着剤層の第2のプリズムの第
1面側端部の厚みを10μm程度としたときの接着剤層
の楔状の頂角を、5〜20分の範囲内に設定する。又、
請求項3に係る光ピックアップは、請求項2に係る光ピ
ックアップにおいて、接着剤層の楔状の頂角を、10〜
15分の範囲内に設定する。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【作用】上記請求項1乃至に係る光ピックアップによ
れば、接着剤層を楔状とすることにより、拡散光の接着
剤層各部における光路長さが略等しくなり、光束に対す
る接着剤層の光学的影響が略均一となることにより、収
差が生じず、非仮ピックアップの性能を示すジッタ値の
向上が図られ、優れた特性が安定して得られる。
【0020】
【0021】
【0022】
【実施例】以下、本発明に係る実施例について図1乃至
図8に従って詳細に説明する。
【0023】《第1の実施例》図1は本発明の一実施例
に係るビームスプリッタを示す構成説明図、図2は同ビ
ームスプリッタを用いた光ピックアップの光学系を示す
概略構成図であり、その光ピックアップの光学系は、図
9に示す光ピックアップの光学系とはビームスプリッタ
の構成を除いて基本的に同一である。従って、図2にお
いて、図9と同一の部品については図9と同一の符号を
用いている。
【0024】本実施例のビームスプリッタ10は、第1
のプリズム11と第2のプリズム12とを接着剤により
互いに貼合わせ、その接着剤層13を、その厚みが一方
から他方に向かって漸次増加する楔状に形成することに
より、第1のプリズム11の第1面11aから入射しか
つ第2のプリズム12の第1面12aから出射する非平
行光が、接着剤層13を透過する際その接着剤層13の
各部において光路長さが略等しくなるように構成し、光
束に対する接着剤層13の光学的影響を均一となすもの
であり、これによって収差等の発生を防止する。
【0025】第1のプリズム11は、第1面11aと第
2面11bとが90°の角度をなし、残る第3面である
貼合わせ面11cは第1面11aに対して(45°+α
°)の角度を、第2面11bに対して(45°−α°)
の角度をなす。第2のプリズム12は、第1面12aと
第2面12bとが90°の角度をなし、残る第3面であ
る貼合わせ面12cが第1面12a及び第2面12bに
対して45°の角度をなす、横断面直角二等辺三角形に
形成されている。この第2のプリズム12の貼合わせ面
12cには光学反射膜14を形成するものであって、こ
の光学反射膜14は従来周知のように、TiO2とSi
2との多層構造からなる。尚、上記第1及び第2のプ
リズム11,12は例えば、硝子や合成樹脂等に成形さ
れるものである。而して、このような両プリズム11,
12は接着剤により互いの貼合わせ面11a,12aを
貼合わせて一体化することにより、ビームスプリッタ1
0を構成する。
【0026】上記ビームスプリッタ10は、両プリズム
11,12の貼合わせ面11c,12c間に形成される
接着剤層13を、第1のプリズム11の第1面11aに
近い側の厚みが大きく、遠い側の厚みが小さくなるよう
に楔状とし、その楔状の頂角α°を、両プリズム11,
12の第1面11a,12a同士、第2面11b,12
b同士がそれぞれ平行で、かつ後述するように非平行光
が接着剤層13を透過する際にその各部において光路長
さが略等しくなるような値に設定する。
【0027】今、上記ビームスプリッタ10を半導体レ
ーザ1より出射された非平行光であるレーザビーム中
に、そのレーザビームの光軸が両プリズム11,12の
第1面11a,12aに対して直角になるように配置
し、両プリズム11,12の屈折率n1と接着剤の屈折
率n2とがn1>n2の関係にある場合において、レーザ
ビームの光軸(Z方向)に対して0°、−θ0°、+θ0
°の光線について図1を参照しながら考えてみる。
【0028】光軸上の光線a1(光軸に対して0°の光
線)は、第1のプリズム11から接着剤層13に入射す
る際に上記屈折の法則により屈折して接着剤層13を光
線b 1となって透過し、さらに第2のプリズム12に入
射する際に再度屈折の法則により屈折して光線c1とな
って透過し第1面12aより出射する。このとき、光線
1が接着剤層13を透過する距離、所謂光路長さをl1
とする。
【0029】−θ0°の光線a2は、第1のプリズム11
から接着剤層13に入射する際に上記屈折の法則により
屈折して接着剤層13を光線b2となって透過し、さら
に第2のプリズム12に入射する際に再度屈折の法則に
より屈折して光線c2となって透過し第1面12aより
出射する。このとき、光線a2が接着剤層13に入射す
る際その屈折角は光線a1のときよりも小さくなるため
に、光線b2の接着剤層13における光路長さl2は、接
着剤層13の厚みが均一の場合には光路長さl1よりも
短くなるが、接着剤層13を楔状とすることによって長
くでき、その楔状の頂角α°を適当に選択することによ
ってl1≒l2とすることができる。
【0030】又、+θ0°の光線a3は、第1のプリズム
11から接着剤層13に入射する際に上記屈折の法則に
より屈折して接着剤層13を光線b3となって透過し、
さらに第2のプリズム12に入射する際に再度屈折の法
則により屈折して光線c3となって透過し第1面12a
より出射する。このとき、光線a3が接着剤層13に入
射する際その屈折角は光線a1のときよりも大きくなる
ために、光線b3の接着剤層13における光路長さl
3は、接着剤層13の厚みが均一の場合には光路長さl1
よりも長くなるが、接着剤層13を楔状とすることによ
って短くでき、その楔状の頂角α°を適当に選択するこ
とによってl1≒l3とすることができる。
【0031】以上のことから明らかなように、接着剤層
13の楔状の頂角α°の値を適当に選ぶことにより、各
光線a1〜a3の光路長さl1〜l3の関係を、 l1≒l2≒l3 にすることができる。
【0032】図3は光線の位置に関係なく接着剤層13
を透過する光路長さが略等しいことを概念的に示した図
であって、半導体レーザ1側からビームスプリッタ10
を見たときにコリメートレンズ4に入射する光束を円と
した場合を示しており、各光路長さl1〜l3はX軸方向
において略等しいため、等間隔の線で表している。従っ
て、光束に対する接着剤層13の光学的影響はX軸方向
において同一で、Y軸方向において上下対象となる。
【0033】次に、その具体例について説明する。今、
第1及び第2のプリズム11,12に1.64の屈折率
を有する硝子材を使用し、他方接着剤として例えば1.
51の屈折率を有するエポキシ系UV硬化接着剤を使用
し、接着剤層13の第2のプリズム12の第1面12a
側端部の厚みtを10μm程度としてビームスプリッタ
10を構成する。而して、このようなビームスプリッタ
10を図2に示す光ピックアップの光学系に組み込んだ
状態において、光ピックアップの性能を示すジッタ値を
指標として接着剤層13の楔状の頂角α°との関係を図
4に示している。ただし、半導体レーザ1のレーザビー
ムの拡がり角θ0°は10°である。この図4から分か
るように、α°≒5′〜20′の範囲内にてジッタ値と
して光ピックアップとしての許容値を満足する値が得ら
れ、特にα°≒10′〜15′の範囲内にてジッタ値が
低域で安定し、この範囲内において各光線a1〜a3にお
ける接着剤層13の光路長さl1〜l3は略等しくなって
いるものと推察される。尚、接着剤層13の楔状の頂角
α°は、接着剤層13の厚みtの値によって最適値が変
わることになるが、上記厚みtは貼合わせの強度の面か
ら少なくても10μm程度以上に設定することが望まし
い。
【0034】以上のように本実施例に係るビームスプリ
ッタ10によれば、半導体レーザ1から出射されたレー
ザビームの接着剤層13における光路長さが略等しくな
り、接着剤層13によるレーザビームへの光学的影響
(収差等)を均一にでき、結果として、このビームスプ
リッタ10を使用する光ピックアップの性能を示すジッ
タ値は許容値以下で安定したものとなり、光ピックアッ
プの信頼性を一段と向上できることになる。
【0035】又、ビームスプリッタ10の第1のプリズ
ム11の第2面11bは、第1面11aに対して直角に
なっており、ビームスプリッタ10の位置合わせを、こ
の第2面11bを基準面として行うようにすれば、その
位置合わせは容易にかつ正確に行うことができ、光ピッ
クアップのハウジングにおいても形状的に複雑化せず、
極端に高い精度が要求される加工、仕上げを必要とせ
ず、設計の面からも極めて有利なものとなる。即ち、第
1のプリズム11の第2面11bが第1面11aに対し
て直角にない場合には、ハウジングのレーザビームの光
軸と平行な面をそのまま基準面とすることができず、ハ
ウジングにレーザビームの光軸に対して傾斜した基準面
を形成して該基準面を基に位置合わせを行うことによ
り、レーザビームの光軸に対して第1のプリズム11の
第1面11aを直角に配する必要があるところ、本実施
例に係るビームスプリッタ10によれば、図5に示すよ
うに、レーザビームの光軸に平行なハウジング15の面
15aをそのまま基準面として使用し、ビームスプリッ
タ10の位置合わせを行うことによって第1面11aが
レーザビームの光軸に対して直角に配され、同じハウジ
ング15の面を基準面として半導体レーザ1やコリメー
トレンズ4等の光学系の部品を配することにより、光学
系各部品の光軸合わせも容易にかつ正確に行うことがで
きる。
【0036】さらに、本実施例に係るビームスプリッタ
10は第1及び第2のプリズム11,12の第1面11
a,12aが互いに平行状態にあって、これらの面をレ
ーザビームの光軸に対して直角に配することにより、半
導体レーザ1より出射された光軸に傾きを生じることが
なく、又、第2のプリズム12は第1面12aに対して
光学反射膜14を45°傾斜させ、第2面12bを直角
にしているため、記録媒体6により反射された戻りビー
ムも光軸に傾きを生じることなく第2面12bより出射
されることになる。
【0037】次に、本実施例に係るビームスプリッタ1
0の製造方法について図6を参照しながら説明する。横
断面直角二等辺三角形状のプリズム11´,12´を準
備し、第1のプリズムとして用いるプリズム11´の貼
合わせ面11c´を、予め定めた接着剤層の楔状の頂角
α°に合わせて研削加工することにより、第1面11a
に対して(45°+α°)の角度を、第2面11bに対
して(45°−α°)の角度をなす貼合わせ面11cを
有する第1のプリズム11を得る。他方、プリズム12
´の貼合わせ面12c´となる面には、従来周知の方法
により光学反射膜14を形成し、第2のプリズム12を
得る。
【0038】次に、第1及び第2のプリズム11,12
を互いの第1面11a,12aが直角となるように型枠
16内に固定して、両者の貼合わせ面11c,12c間
に接着剤を充填すべき楔状の空隙17を形成する。この
状態で、上記空隙17内に接着剤を充填することによ
り、第1及び第2のプリズム11,12を互いに貼合わ
せて図1に示すビームスプリッタ10を得る。
【0039】このような製造方法によれば、第1及び第
2のプリズム11,12に、共通のプリズム即ち横断面
直角二等辺三角形をなすプリズムを用いることができ、
第1及び第2のプリズムとしてそれぞれ専用のプリズム
を準備する場合に比較してコスト、部品管理等の面から
優れたものを提供することができる。
【0040】《第2の実施例》図7及び図8は第1及び
第2のプリズム21,22に横断面直角二等辺三角形の
プリズムをそのまま使用した例であり、共に先の実施例
と同様に、楔状の接着剤層13により各部を透過する光
線の光路長さを略等しくすることができ、光束に対する
光学的影響を均一にできる効果を期待できる。図7にお
いては、第2のプリズム22の第1面22a及び第2面
22bが光軸に対して直角で、光学反射膜14が光軸に
対して45°傾斜した状態にある。又、図8において
は、光学反射膜14が光軸に対して45°傾斜した状態
にある。
【0041】《第3の実施例》図1において、光学反射
膜14を第1のプリズム11の貼合わせ面11c側に形
成してもよい。ただし、この場合には、光学反射膜14
を第2のプリズム12の第1面12aに対して45°傾
斜させるためには、第2のプリズム12の貼合わせ面1
2cを接着剤層13の楔状の頂角α°に合わせて研削す
る必要が生じる。而して、このビームスプリッタ10に
おいても、第1のプリズム11の第1面11aから入射
し第2のプリズム12の第1面12aから出射する光束
が接着剤層13を透過する際にその光路長さを各部にお
いて略等しくでき、接着剤層13による光学的影響を均
一にできるという効果を期待できる。
【0042】尚、この実施例では、記録媒体に反射され
第2のプリズム12の第1面12aより入射した戻りビ
ームは、接着剤層13を透過し光学反射膜14に達して
これにより反射され、再度接着剤層13を透過して第2
面12bから出射することになり、戻りビームの接着剤
層13における光路長さは各部において異なることにな
るが、受光部上に形成されるビームスポット(一般的に
100μm程度)は、記録媒体の記録面上に形成される
ビームスポットの大きさ(一般的に1.2μm程度)に
比べて非常に大きく、従って、接着剤層による光学的影
響は殆ど無視できる程度であって、光ピックアップの性
能上特に問題を生じることがない。
【0043】
【発明の効果】以上のように請求項1乃至に係る発明
によれば、接着剤層を楔状とすることにより、拡散光
接着剤層各部における光路長さを略等しくすることがで
き、光束に対する光学的影響が均一となるビームスプリ
ッタを提供することができる。それに伴い、ビームスプ
リッタの接着剤層による光学的影響が略均一となり収差
が生じず、光ピックアップの性能を示すジッタ値として
優れた値を安定して得ることができ、信頼性の高い光ピ
ックアップを提供することができる。
【0044】
【0045】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るビームスプリッタを示
す構成説明図
【図2】同ビームスプリッタを用いた光ピックアップの
光学系を示す概略構成図
【図3】同ビームスプリッタの接着剤層を透過する光路
長さを概念的に示した図
【図4】同ビームスプリッタを用いた光ピックアップに
おいてジッタ値と接着剤層の楔状の頂角との関係を示す
説明図
【図5】同ビームスプリッタの位置合わせを説明するた
めの図
【図6】同ビームスプリッタの製造方法を説明するため
の図
【図7】本発明の他の実施例に係るビームスプリッタを
示す概略構成図
【図8】本発明の他の異なる実施例に係るビームスプリ
ッタを示す概略構成図
【図9】一般の光ピックアップの光学系を示す概略構成
【図10】従来に係るビームスプリッタを示す構成説明
【図11】同ビームスプリッタにおける光線の屈折を説
明するための図
【図12】同ビームスプリッタの接着剤層を透過する光
路長さを概念的に示した図
【符号の説明】
1 半導体レーザ(光源) 4 コリメートレンズ 5 対物レンズ 6 記録媒体 7 シリンドリカルレンズ 8 受光素子(受光部) 10 ビームスプリッタ 11 第1のプリズム 11a 第1面 11b 第2面 11c 貼合わせ面 12 第2のプリズム 12a 第1面 12b 第2面 12c 貼合わせ面 13 接着剤層 14 光学反射膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1及び第2のプリズムを接着剤により
    貼合わせて構成すると共に、その一方の貼合わせ面に
    第1のプリズムの第1面から入射した光を透過し、第2
    のプリズムの第1面から入射した光を反射する光学反射
    膜を有するビームスプリッタと、第1のプリズムの第1
    面に拡散光を出射する半導体レーザと、第2のプリズム
    の第1面に収束光を入射させるコリメートレンズと、第
    2のプリズムの第2面から出射された収束光を受光する
    受光素子とを備えた光ピックアップにおいて、 上記両プリズムの貼合わせ面間の接着剤層を、第1のプ
    リズムの第1面に近い側の厚みが大きく、遠い側に厚み
    が小さくなるように楔状に形成して、上記接着剤層の各
    部を透過する光の光路長さを略等しくしたことを特徴と
    する光ピックアップ
  2. 【請求項2】 第1及び第2のプリズムを接着剤により
    貼合わせて構成すると共に、その一方の貼合わせ面に、
    第1のプリズムの第1面から入射した光を透過し、第2
    のプリズムの第1面から入射した光を反射する光学反射
    膜を有するビームスプリッタと、第1のプリズムの第1
    面に拡散光を出射する半導体レーザと、第2のプリズム
    の第1面に収束光を入射させるコリメートレンズと、第
    2のプリズムの第2面から出射された収束光を受光する
    受光素子とを備えた光ピックアップにおいて、 上記両プリズムの貼合わせ面間の接着剤層を、第1のプ
    リズムの第1面に近い側の厚みが大きく、遠い側に厚み
    が小さくなるように楔状に形成する一方、 半導体レーザの出射光の広がり角を10度、第1及び第
    2のプリズムの屈折率を1.64、接着剤の屈折率を
    1.51、接着剤層の第2のプリズムの第1面側端部の
    厚みを10μm程度としたときの接着剤層の楔状の頂角
    を、5〜20分の範囲内に設定したことを特徴とする光
    ピックアップ。
  3. 【請求項3】 接着剤層の楔状の頂角を、10〜15分
    の範囲内に設定したことを特徴とする請求項2記載の
    ピックアップ。
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