JP3319476B2 - 撮影レンズ - Google Patents

撮影レンズ

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信雄 松井
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富士写真光機株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は撮影レンズに係り、特に
テレビカラメ用ズームレンズの光軸上にエクステンダレ
ンズを進退移動させて撮影倍率を切り換えるエクステン
ダを内蔵した撮影レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】テレビカメラ、特にENG(エレクトリ
ック・ニュース・ギャザリング)カメラは、ニュース取
材、スポーツ取材、スポーツ中継及びドラマ取り等に主
に使用されるので、カメラマンの操作性、機動性に対応
できるものが必要とされ、また、このようなカメラに使
われる撮影レンズも撮影倍率を短時間で切り換えること
ができる機動性の優れたものが必要とされる。
【0003】そこで、前記ENGカメラに使われる撮影
レンズとして、図3に示すズームレンズ10が使用され
ている。このズームレンズ10は、ズームレンズ本体1
2の後部側にエクステンダユニット14が接続されてお
り、このエクステンダユニット14の手動切換レバー1
6を操作することによって、図4に示すエクステンダレ
ンズ18(撮影倍率 ×1)、若しくはエクステンダレ
ンズ20(撮影倍率×2)が光軸22上に位置するので
撮影倍率を短時間で切り換えることができる。
【0004】例えば、図4において、いま光軸22上に
位置しているエクステンダレンズ20をエクステンダレ
ンズ18に切り換える場合には、前記手動切換レバー1
6を図中矢印方向に回すと、その駆動力がギヤ24、2
6、28、及び回動ピン30を介して前記エクステンダ
レンズ18、20を保持したレンズ枠体32に伝達され
て、レンズ枠体32が前記ピン30を支点として時計回
り方向に回動する。そして、前記ギヤ26に取り付けら
れたスプリング34の付勢力によって、レンズ枠体32
がストッパ36に押圧当接された時に、前記エクステン
ダレンズ18が光軸22上に位置する。
【0005】また、エクステンダレンズ18をエクステ
ンダレンズ20に切り換える場合には、手動切換レバー
16を先とは逆の方向に回せば良い。この時、前記レン
ズ枠体32は図4に示すように、ストッパ38に押圧当
接されて位置決めされる。ところで、前記ズームレンズ
10は、前記エクステンダレンズ18、20が光軸22
上に各々位置した時に、各々のレンズ中心が光軸22と
一致する位置に、予め位置合わせされて出荷される。
【0006】従来、エクステンダレンズ18、20は、
前記位置合わせを行うために各々フランジ40、42に
固定されている。これらのフランジ40、42は、その
両側に長孔44と、この長孔44に直交する方向の長孔
46とが形成され、この長孔44、46に嵌合された偏
心ピン48、50を介してレンズ枠体32に保持されて
いる。偏心ピン48、50を回動すると、エクステンダ
レンズ18、20はフランジ40、42に共に光軸22
と直交する方向に適宜移動するので、その移動中の像質
をコリメータで見ながら各々のレンズ中心が光軸22と
一致する位置に移動させ、そして、一致した位置で前記
フランジ40、42をネジ52、52…によってレンズ
枠体32に固定する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
撮影レンズは、エクステンダレンズ18、20の位置決
めをフランジ40、42を用いて行っているので、エク
ステンダレンズ18、20に対してレンズ枠体32をか
なり大きくしなければならず、これにより、ズームレン
ズ10が大型化するので、カメラ一体型VTRのような
小型のカメラ等には適応できないという欠点がある。
【0008】また、従来の撮影レンズは、ドライバを光
軸22と平行に挿入してフランジ40、42の偏心ピン
48、50やネジ52を回さなければならないので、エ
クステンダレンズ18、20の手前側にリレーレンズ等
が配置されていると、ドライバを挿入し難いという欠点
がある。本発明はこのような事情に鑑みてなされたもの
で、レンズ枠体をできるだけ小さくすると共に、レンズ
の位置決め作業を容易に行うことができる撮影レンズを
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、撮影レンズのケーシング本体に取り付けら
れた倍率切換手段を操作することにより、レンズ枠体に
保持されたレンズをカメラ光学系の光軸上に進退移動さ
せて撮影倍率を切り換えることができる撮影レンズに於
いて、前記レンズは、前記レンズ枠体に対し該レンズ枠
体の周部及び光軸方向に、それぞれ所定間隔で設けられ
た複数の付勢部材と、該付勢部材に対向した位置の前記
レンズ枠体に設けられた複数のネジ部材と、によって光
軸と直交する方向に移動可能に支持されると共に前記レ
ンズは光軸に対し傾斜可能に支持され、前記ケーシング
本体の側面には、前記複数のネジ部材をケーシング本体
の外部からドライバ治具によってネジ込み又は緩めるこ
とによって前記レンズを光軸に対し傾斜調整すると共に
前記レンズを光軸と直交する方向に移動させて前記レン
ズの中心を前記光軸と一致させることができるように、
該ドライバ治具を挿通するための複数の孔部が形成さ
れ、複数の孔部は前記レンズが光軸上に位置したときに
ドライバ治具でネジ部材をネジ込み又は緩めることがで
きる位置に形成されていることを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明によれば、ドライバ治具をケーシング本
体の孔部から光軸と直交する方向に挿入して、レンズ枠
体に設けられたネジ部材をネジ込み又は緩めることによ
りレンズを付勢部材の付勢力に抗して又は付勢力により
レンズ枠体に対して移動させ、レンズの中心を光軸と一
致させる。
【0011】
【実施例】以下添付図面に従って本発明に係る撮影レン
ズの好ましい実施例を詳述する。図1には、本発明に係
る撮影レンズが適用されたテレビカメラ用ズームレンズ
100の一部断面を含む側面図を示し、図3、図4に示
した従来例中と同一、若しくは類似の部材については同
一の符号を付して説明する。
【0012】図1に示すように、前記ズームレンズ10
0のケーシング本体102内には、光軸22の前方から
後方に従ってフォーカスレンズ群104、バリエータレ
ンズ群106(以上、二点鎖線で示す)、コンペンセー
タセンズ群108、エクステンダユニット110のエク
ステンダレンズ群18(20)、及びリレーレンズ群1
12が順に配置されている。
【0013】前記エクステンダユニット110は、手動
切換レバー16を有しており、この手動切換レバー16
を操作することにより、前記エクステンダレンズ群1
8、又はエクステンダレンズ群20を光軸22上に位置
させることができる。即ち、前記手動切換レバー16を
図2中左方向、又は右方向に回すと、その駆動力がギヤ
24、26、28、及び回動ピン30を介して前記エク
ステンダレンズ18、20を保持したレンズ枠体114
に伝達されて、レンズ枠体114が前記ピン30を支点
として時計回り方向、又は反時計回り方向に回動する。
これによって、エクステンダレンズ群18、又はエクス
テンダレンズ群20は光軸22上に位置する。
【0014】前記エクステンダレンズ群18、20は、
薄肉の鏡筒118、120内に各々固定されると共に、
前記レンズ枠体114の周部に90°の間隔で設けられ
た付勢部材であるスプリング122、122と球12
4、124とによって、レンズ枠体114に対し光軸2
2と直交する方向に移動可能に付勢されて支持されてい
る。
【0015】また、レンズ枠体114の前記スプリング
122、122に対向した位置には、ネジ126、12
6…がネジ込まれている。従って、前記エクステンダレ
ンズ群18、20は、ネジ126、126をネジ込み又
は緩めることによって、前記スプリング122、122
の付勢力に抗して又は付勢力によりレンズ枠体114に
対し光軸22と直交する方向に移動することができる。
【0016】一方、エクステンダユニット110が配置
された前記ケーシング本体102の側面には、図示しな
いドライバが挿通可能な孔128、128、130、1
30が開口されている。前記孔128、130は、光軸
22と直交する方向に形成されると共に、光軸22上に
位置したエクステンダレンズ群18、又はエクステンダ
レンズ群20の前記ネジ126、126をケーシング本
体102の外部から前記ドライバでネジ込み又は緩める
ことができる位置に形成されている。また、この孔12
8、130は、後述するエクステンダレンズ群18、2
0の位置合わせが終了すると、図示しないキャップによ
って閉じられる。
【0017】次に、前記の如く構成されたエクステンダ
ユニット110のエクステンダレンズ群18、20の中
心を光軸22と一致させる位置合わせ方法について説明
する。エクステンダレンズ群20の位置合わせを行う場
合、前記手動切換レバー16を操作してエクステンダレ
ンズ群20を光軸22上に位置したのち、2本若しくは
4本のドライバをケーシング本体102の孔128、1
28、130、130から各々挿入し、レンズ枠体11
4に設けられたネジ126、126…を適宜ネジ込み又
は緩めて、エクステンダレンズ群20の傾きが光軸22
と平行になるように鏡筒120を介して調整する。そし
て、ネジ126、126…を適宜ネジ込み又は緩めてエ
クステンダレンズ群20を光軸22に対して平行移動さ
せる。その移動中の像質をコリメータで見ながらレンズ
中心が光軸22と一致する位置に移動させる。
【0018】エクステンダレンズ群18の位置合わせを
行う場合には、手動切換レバー16を操作してエクステ
ンダレンズ群18を光軸22上に位置したのち、前述し
た作業手順に従って行えば良い。これにより、本実施例
では、従来のエクステンダレンズ18、20の位置合わ
せのように、フランジ40、42を用いることなく位置
合わせを行うことができるので、レンズ枠体114を従
来のレンズ枠体32よりも小さくできる。これにより、
ズームレンズ100を小さくできると共に、小型のズー
ムレンズ、及び小型のカメラにも適応することができ
る。
【0019】また、本実施例では、ドライバを光軸22
と直交する方向から位置合わせできるので、ドライバを
光軸22と平行に挿入して位置合わせするよりも容易に
位置合わせを行うことができる。更に、本実施例では、
エクステンダレンズ群18、20の鏡筒118、120
を球で支持して鏡筒118、120との面摩擦を軽減し
たので、位置合わせがし易い。
【0020】尚、本実施例ではテレビカメラ用のズーム
レンズ100に適応されたものについて説明したが、こ
れに限られるものではなく、カメラ一体型VTR等の他
の撮影方式の撮影レンズに適応しても良い。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る撮影レ
ンズによれば、ドライバ治具をケーシング本体の孔部か
ら光軸と直交する方向から挿入して、レンズ枠体に設け
られたネジ部材をネジ込み又は緩めることによりレンズ
を付勢部材の付勢力に抗して又は付勢力によりレンズ枠
体に対して移動させ、レンズの中心を光軸と一致させる
ようにしたので、レンズの位置合わせをフランジを用い
ることなく行うことができる。これにより、レンズ枠体
を小さくすることができると共に、レンズの位置決め作
業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る撮影レンズが適用されたズームレ
ンズの一部断面を含む側面図
【図2】本発明に係る撮影レンズに適応されたエクステ
ンダユニットの構造図
【図3】テレビカメラ用ズームレンズの実施例を示す断
面図
【図4】従来のズームレンズに適応されたエクステンダ
ユニットの構造図
【符号の説明】
16…手動切換レバー 18、20…エクステンダレンズ群 100…ズームレンズ 102…ケーシング本体 122…スプリング 124…球 126…ネジ 128、130…ドライバ挿入用の孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−234142(JP,A) 特開 昭63−193114(JP,A) 特開 平4−91574(JP,A) 特開 平2−135310(JP,A) 特開 平5−113595(JP,A) 特開 昭61−153626(JP,A) 実開 平1−111215(JP,U) 実開 昭60−150511(JP,U) 実開 昭57−139905(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03B 17/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影レンズのケーシング本体に取り付け
    られた倍率切換手段を操作することにより、レンズ枠体
    に保持されたレンズをカメラ光学系の光軸上に進退移動
    させて撮影倍率を切り換えることができる撮影レンズに
    於いて、 前記レンズは、前記レンズ枠体に対し該レンズ枠体の周
    及び光軸方向に、それぞれ所定間隔で設けられた複数
    の付勢部材と、該付勢部材に対向した位置の前記レンズ
    枠体に設けられた複数のネジ部材と、によって光軸と直
    交する方向に移動可能に支持されると共に前記レンズは
    光軸に対し傾斜可能に支持され、 前記ケーシング本体の側面には、前記複数のネジ部材を
    ケーシング本体の外部からドライバ治具によってネジ込
    み又は緩めることによって前記レンズを光軸に対し傾斜
    調整すると共に前記レンズを光軸と直交する方向に移動
    させて前記レンズの中心を前記光軸と一致させることが
    できるように、該ドライバ治具を挿通するための複数の
    孔部が形成され、複数の孔部は前記レンズが光軸上に位
    置したときにドライバ治具でネジ部材をネジ込み又は緩
    めることができる位置に形成されていることを特徴とす
    る撮影レンズ。
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