JP3319224B2 - 回転シリンダ - Google Patents

回転シリンダ

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JP3319224B2
JP3319224B2 JP14785395A JP14785395A JP3319224B2 JP 3319224 B2 JP3319224 B2 JP 3319224B2 JP 14785395 A JP14785395 A JP 14785395A JP 14785395 A JP14785395 A JP 14785395A JP 3319224 B2 JP3319224 B2 JP 3319224B2
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伸 ▲吉▼田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、旋盤等の工作機械に取
り付けられるチャックを操作するための回転シリンダに
係り、詳しくは、圧力異常発生時に安全を維持するパイ
ロットチェック弁及びリリーフ弁をシリンダに組み付け
るための構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の回転シリンダにおいては、図4に
示すように、チャック(図示略)と一体に回転するシリ
ンダ本体61の内部にピストン室62が形成され、ピス
トン室62にはピストン63が摺動自在に収容されてい
る。ピストン63には中空状のロッド64が前後に突設
され、前側部分はシリンダ本体61の前壁部65を貫通
し、後側部分はシリンダ本体61の軸部66を貫通して
いる。軸部66の外周には分配器67がベアリング68
を介して相対回転可能に挿着され、その外周にハウジン
グ69が固定されている。分配器67には作動油の通路
70と潤滑油の排出通路71とが設けられ、排出通路7
1から流出したドレンがハウジング69の内部に回収さ
れるようになっている。
【0003】ハウジング69には作動油の給排ポート7
3が一対設けられ、分配器67の通路70及びシリンダ
本体61の油通路74を介してピストン室62に接続さ
れている。油通路74の途中にはパイロットチェック弁
75がシリンダ軸線と平行に設けられ、停電又は油漏れ
等の原因で作動油の供給圧が異常低下したときに、ピス
トン室62からの作動油の逆流を阻止して、作動油をピ
ストン室62に封じ込めるようになっている。また、ピ
ストン63にはリリーフ弁76がシリンダ軸線と平行に
組み付けられ、発熱等の原因でピストン室62の作動油
圧力が異常に高くなったときに、作動油を一方のピスト
ン室62からピストン63の反対側へ逃がすようになっ
ている。従って、この回転シリンダをチャックに装備し
た場合には、シリンダ側で圧力異常が発生した際でも、
チャック爪の把持力低下を確実に防止できるなど、チャ
ックを安全に操作することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の回転
シリンダによると、リリーフ弁76がピストン63に組
み付けられているので、ピストン63の直径とロッド6
4の直径とにあまり差がない場合にリリーフ弁の組付ス
ペースを確保できず、このため、ピストン径を不必要に
大きくしたり、逆に、ロッド径を過小に設計したりする
必要があって、ピストン63及びロッド64の設計上の
自由度が低下するという不都合があった。また、リリー
フ弁76がピストン63と共に移動するため、リリーフ
弁76が嵌合する孔77,78をピストン室62の前後
に設ける必要があり、シリンダ本体61の加工工数が増
えるという不具合もあった。さらに、パイロットチェッ
ク弁75がシリンダ本体61にシリンダ軸線と平行に設
けられているので、シリンダの全長寸法が長くなるとい
う問題点もあった。
【0005】そこで、本発明の課題は、パイロットチェ
ック弁及びリリーフ弁の組付構造を改良することによっ
て、ピストン及びロッドの設計上の自由度を向上でき、
シリンダ本体を簡単に加工できるとともに、シリンダの
全長寸法を短縮できる回転シリンダを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1の発明による回転シリンダは、異常低圧
発生時に作動流体をピストン室に封じ込めるパイロット
チェック弁と、異常高圧発生時に作動流体をピストン室
から逃がすリリーフ弁とを備え、リリーフ弁をシリンダ
本体の内部に組み付け、シリンダ本体にその外周面を覆
うドレン回収用のハウジングを相対回転可能に装着し、
リリーフ弁の排出口をハウジングの内側でシリンダ本体
の外周面に開口して構成される。
【0007】請求項2の発明では、上記回転シリンダ
が、シリンダ本体の後側に軸部を突設し、軸部の外周に
分配器を相対回転可能に挿着し、分配器にハウジングを
固定して構成される。
【0008】請求項3の発明による回転シリンダは、異
常低圧発生時に作動流体をピストン室に封じ込めるパイ
ロットチェック弁と、異常高圧発生時に作動流体をピス
トン室から逃がすリリーフ弁とを備え、パイロットチェ
ック弁及びリリーフ弁をシリンダ本体の内部にシリンダ
軸線に対し直交する同一平面内に位置するように組み付
け、シリンダ本体にその外周面を覆うドレン回収用のハ
ウジングを相対回転可能に装着し、リリーフ弁の排出口
をハウジングの内側でシリンダ本体の外周面に開口して
構成される。
【0009】請求項4の発明では、上記回転シリンダ
が、シリンダ本体に収納孔を穿設し、収納孔にパイロッ
トチェック弁及びリリーフ弁を同一軸線上で直列に収納
して構成される。
【0010】
【作用】請求項1の発明によれば、リリーフ弁がシリン
ダ本体の内部に組み付けられるので、リリーフ弁に係り
なくピストン及びロッドを自由に設計できる。また、リ
リーフ弁はピストンに設けられていないから、ピストン
室の形状が単純となり、シリンダ本体を簡単に加工でき
る。しかも、リリーフ弁の排出口がシリンダ本体の外周
面に開口するため、シリンダ本体に専用のドレン通路を
設けなくても、リリーフ弁のドレンをハウジングに直接
回収することができる。
【0011】請求項2の発明によれば、ハウジングが分
配器を利用してシリンダ本体に相対回転可能に組み付け
られるので、ハウジングとシリンダ本体との間からベア
リング等の回転支持部材を省略して、部品点数を削減で
きる。
【0012】請求項3の発明によれば、パイロットチェ
ック弁及びリリーフ弁がシリンダ本体の内部においてシ
リンダ軸線に対し直交する同一平面内にコンパクトに組
み付けられるため、シリンダ軸線方向における各弁の占
有スペースを最小にして、シリンダの全長寸法を短縮で
きる。
【0013】請求項4の発明によれば、パイロットチェ
ック弁及びリリーフが収納孔に直列に収納されるので、
シリンダ本体の外周面に収納孔を真直ぐに穿設するだけ
の簡単な加工で、各弁の組付スペースを形成できる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面に
基づいて説明する。図1に示すように、回転シリンダの
シリンダ本体1は、椀状部材2の後面に後壁部材3をボ
ルト4で組み付けて構成され、椀状部材2にて旋盤等の
スピンドル(図示略)に結合され、スピンドルを介して
チャック(図示略)と一体に回転される。シリンダ本体
1の内側にはピストン室5が形成され、ピストン室5に
はピストン6がピン7によって回り止めされた状態で摺
動自在に収容されている。ピストン6には中空状のロッ
ド8が前後に突設され、前側部分は椀状部材2の前壁部
9を貫通し、後側部分は後壁部材3の軸部10を貫通し
ている。そして、ロッド8はドローバー(図示略)を介
してチャックに連結され、ピストン6の往復動によりチ
ャック爪を開閉操作できるようになっている。
【0015】軸部10はシリンダ本体1の後側に突出す
るように後壁部材3に一体形成されていて、その外周に
はピストン室5に作動油を供給する分配器12がベアリ
ング13を介して相対回転可能、つまりシリンダ本体1
の回転を許容するように挿着されている。分配器12に
はハウジング14がボルト15で固定され、このハウジ
ング14によってシリンダ本体1及び分配器12の外周
面が覆われている。分配器12の下部には潤滑油の排出
通路27が設けられ、この通路27から流出したドレン
がハウジング14の内部に回収される。ハウジング14
の後側にはクーラントコレクタ16がボルト17で結合
され、ロッド8に長尺ワークを挿通して加工する際に、
ロッド8の後端から流出したクーラントがコレクタ16
に回収される。コレクタ16の上面には近接スイッチ1
8が取り付けられ、ロッド8の後端に螺着したドッグ1
9の位置に基づいて、ピストン6のストロークを検出で
きるようになっている。なお、ハウジング14の前端部
とシリンダ本体1の外周面との間には、この相対回転部
からの油漏れを防止するシール材28が介装されてい
る。また、ロッド8の後端付近に固着したシールリング
50とハウジング14の後端部との間にはクーラントの
浸入を防止するシール材51が介装されている。
【0016】次に、作動油の流路構成について説明す
る。ハウジング14には2つの作動油の給排ポート2
0,21が設けられ、各ポート20,21はハウジング
14の内周溝22、分配器12の外周溝23及び貫通孔
24、内周溝25及び軸部10の油通路26を介してパ
イロットチェック弁29及びリリーフ弁30に接続され
ている。図2に示すように、パイロットチェック弁29
及びリリーフ弁30は、シリンダ本体1の後壁部材3の
内部においてシリンダ軸線に対し直交する同一平面内に
位置するように組み付けられている。すなわち、後壁部
材3には一端が開口する一対の収納孔31が180°離
れた位置で相平行状に穿設され、各収納孔31にパイロ
ットチェック弁29とリリーフ弁30とが同一軸線上で
直列に収納され、掛止リング33により抜け止めされて
いる。リリーフ弁30の排出口34はハウジング14の
内側で後壁部材3の外周面に開口するように収納孔31
の開口に臨接されている。パイロットチェック弁29は
収納孔31内に配置されているチェック弁32aとその
チェック弁32aを開放可能に収納孔31に摺動自在に
収納されているプランジャー32bを備えている。
【0017】図3に示すように、軸部10の一方の油通
路26A(便宜上、シリンダ軸線より上側の部材にA、
下側の部材にBを付した)は連通孔36A及びパイロッ
ト孔37Bを介しプランジャー32bAの前側及びプラ
ンジャー32bBの後側に接続されている。軸部10の
他方の油通路26Bは連通孔36B及びパイロット孔3
7Aを介しプランジャー32bBの前側及びプランジャ
ー32bAの後側に接続されている。パイロットチェッ
ク弁29Aの吐出口は径方向孔38及びシリンダ本体1
の油通路39を介し前側のピストン室5に連通されてい
る。パイロットチェック弁29Bの吐出口は軸方向孔4
0を介し後側のピストン室5に連通されている。
【0018】そして、給排ポート20に作動油が供給さ
れると、そのパイロット圧によってプランジャー32b
Aが図3において右へ移動し、チェック弁32aAが開
くとともに、作動油が油通路26B、連通孔36B、パ
イロットチェック弁29B、軸方向孔40を通って後側
のピストン室5に流入し、ピストン6が前方へ摺動し、
前側のピストン室5の作動油が油通路39、径方向孔3
8、パイロットチェック弁29A、連通孔36A、油通
路26Aを通って給排ポート21から排出される。この
状態で、停電又は油漏れ等の原因により、給排ポート2
0の供給圧が異常低下すると、チェック弁32aBが閉
じて作動油の逆流を阻止し、作動油が後側のピストン室
5に封じ込められる。また、発熱等の原因で後側のピス
トン室5の圧力が異常に高くなると、リリーフ弁30B
が開いてピストン室5の作動油を逃がし、排出口34B
のドレンが収納孔31Bの開口からハウジング14の内
部に回収される。
【0019】一方、給排ポート21に作動油が供給され
たときには、そのパイロット圧によってプランジャー3
2bBが左へ移動し、チェック弁32aBが開くととも
に、作動油が油通路26A、連通孔36A、パイロット
チェック弁29A、径方向孔28を通って前側のピスト
ン室5に流入し、ピストン6が後方へ摺動し、後側のピ
ストン室5の作動油が軸方向孔40、パイロットチェッ
ク弁29B、連通孔36B、油通路26Bを通って給排
ポート20から排出される。この状態で、給排ポート2
1の供給圧が異常低下すると、チェック弁32aAが閉
じて作動油の逆流を阻止し、作動油が前側のピストン室
5に封じ込められる。また、前側のピストン室5の圧力
が異常に高くなった場合は、リリーフ弁30Aが開いて
ピストン室5の作動油を逃がし、排出口34Aのドレン
が収納孔31Aの開口からハウジング14の内部に回収
される。
【0020】このように、本実施例の回転シリンダによ
れば、パイロットチェック弁29及びリリーフ弁30が
シリンダ本体1の後壁部材3の内部に組み付けられてい
るので、各弁29,30に係りなく、ピストン6及びロ
ッド8の直径を自由に設計することができる。しかも、
各弁29,30がシリンダ軸線に対し直交する同一平面
内において後壁部材3に組み付けられているため、シリ
ンダ軸線方向における弁29,30の占有スペースを最
小にして、シリンダの全長寸法を短縮することも可能で
ある。
【0021】また、パイロットチェック弁29及びリリ
ーフ弁30がピストン6に設けられていないから、ピス
トン室5の前後両端面をフラットな単純形状とし、椀状
部材2及び後壁部材3を簡単に加工できる。さらに、各
弁29,30が収納孔31に直列に収納されているた
め、収納孔31を後壁部材3の外周面に真直ぐに穿設す
るだけの簡単な加工で各弁29,30の組付スペースを
形成できる。この場合、リリーフ弁30の排出口34を
収納孔31の開口に臨ませることで、後壁部材3の軸部
10に専用のドレン通路を加工しなくても、リリーフ弁
30のドレンをハウジング14に直接回収できる。ハウ
ジング14は分配器12を利用してシリンダ本体1に相
対回転可能に組み付けられているので、ハウジング14
とシリンダ本体1との間からベアリング等の回転支持部
材を省略し、部品点数を削減できる利点もある。
【0022】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各部の
構成並びに形状を任意に変更して具体化することも可能
である。
【0023】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明に
よれば、リリーフ弁をシリンダ本体の内部に組み付けた
ので、リリーフ弁に係りなくピストン及びロッドを自由
に設計できるとともに、ピストン室の形状を単純にして
シリンダ本体を簡単に加工でき、しかも、リリーフ弁の
ドレンをハウジングに直接回収できるという優れた効果
を奏する。
【0024】請求項2の発明によれば、ハウジングを分
配器に固定したので、ハウジングとシリンダ本体との間
からベアリング等の回転支持部材を省略して、部品点数
を削減できるという効果がある。
【0025】請求項3の発明によれば、パイロットチェ
ック弁及びリリーフ弁をシリンダ本体の内部においてシ
リンダ軸線に対し直交する同一平面内にコンパクトに組
み付けたので、シリンダ軸線方向における弁の占有スペ
ースを最小にして、シリンダの全長寸法を短縮できると
いう効果がある。
【0026】請求項4の発明によれば、パイロットチェ
ック弁及びリリーフを収納孔に直列に収納したので、収
納孔を真直ぐに穿設するだけの簡単な加工で、各弁の組
付スペースを形成できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す回転シリンダの断面図
である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】作動油の流路構成を示す断面図である。
【図4】従来の回転シリンダを示す断面図である。
【符号の説明】
1・・シリンダ本体、5・・ピストン室、6・・ピスト
ン、10・・軸部、12・・分配器、14・・ハウジン
グ、29・・パイロットチェック弁、30・・リリーフ
弁、31・・収納孔、34・・排出口。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異常低圧発生時に作動流体をピストン室
    に封じ込めるパイロットチェック弁と、異常高圧発生時
    に作動流体をピストン室から逃がすリリーフ弁とを備え
    た回転シリンダにおいて、リリーフ弁をシリンダ本体の
    内部に組み付け、シリンダ本体にその外周面を覆うドレ
    ン回収用のハウジングを相対回転可能に装着し、リリー
    フ弁の排出口をハウジングの内側でシリンダ本体の外周
    面に開口してなる回転シリンダ。
  2. 【請求項2】 シリンダ本体の後側に軸部を突設し、軸
    部の外周に分配器を相対回転可能に挿着し、分配器にハ
    ウジングを固定してなる請求項1記載の回転シリンダ。
  3. 【請求項3】 異常低圧発生時に作動流体をピストン室
    に封じ込めるパイロットチェック弁と、異常高圧発生時
    に作動流体をピストン室から逃がすリリーフ弁とを備え
    た回転シリンダにおいて、パイロットチェック弁及びリ
    リーフ弁をシリンダ本体の内部にシリンダ軸線に対し直
    交する同一平面内に位置するように組み付け、シリンダ
    本体にその外周面を覆うドレン回収用のハウジングを相
    対回転可能に装着し、リリーフ弁の排出口をハウジング
    の内側でシリンダ本体の外周面に開口してなる回転シリ
    ンダ。
  4. 【請求項4】 シリンダ本体に収納孔を穿設し、収納孔
    にパイロットチェック弁及びリリーフ弁を同一軸線上で
    直列に収納してなる請求項3記載の回転シリンダ。
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KR100790952B1 (ko) * 2006-12-23 2008-01-03 서암기계공업주식회사 공기구멍을 형성한 라비린스 씰 구조
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