JP3316136B2 - 既設水路の補修ユニット及びその補修工法 - Google Patents

既設水路の補修ユニット及びその補修工法

Info

Publication number
JP3316136B2
JP3316136B2 JP17243596A JP17243596A JP3316136B2 JP 3316136 B2 JP3316136 B2 JP 3316136B2 JP 17243596 A JP17243596 A JP 17243596A JP 17243596 A JP17243596 A JP 17243596A JP 3316136 B2 JP3316136 B2 JP 3316136B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
repair
waterway
unit
water channel
panel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP17243596A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1019164A (ja
Inventor
秀二 河内
眞之輔 小泉
真 宮本
泰文 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurimoto Ltd
Original Assignee
Kurimoto Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurimoto Ltd filed Critical Kurimoto Ltd
Priority to JP17243596A priority Critical patent/JP3316136B2/ja
Publication of JPH1019164A publication Critical patent/JPH1019164A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3316136B2 publication Critical patent/JP3316136B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sewage (AREA)
  • Lining And Supports For Tunnels (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、既設水路の補強
又は内面補修に適用される補修ユニット及びその補修工
法に関する。
【0002】
【従来の技術】下水道、工業用水、農業用水路に用いら
れる水路トンネルは、長期間の使用により老朽化し、ま
た水路内トンネルに流入する各種の水が化学変化を起こ
し、そのため発生した硫化水素(H2 S)等により、覆
工コンクリート層に劣化が生じたり、さらに覆工コンク
リート層内の鉄筋までも腐食されることがある。
【0003】そのコンクリート層の劣化は、水が流れる
床板部より、上記硫化水素に晒される側面部及び天井部
がはげしく進行する。このため、その側面部及び天井部
を補修・補強すればよいことから、実公昭59−385
53号公報には、既設カルバートの床板部に対応する部
分を除き他の内壁面に対応して成形したドーム状の補強
板を、既設カルバート内に搬入し、その補強板と既設カ
ルバート間に生じる隙間にモルタル(コンクリート)を
打設し、補強板と既設カルバートを一体化する技術が示
されている(従来技術)。
【0004】また、特開平3−247809号公報記載
の技術には、既設水路の内面にアンカーボルトにより固
定部材を固定し、この固定部材の上にFRP板を皿ネジ
により取り付けた後、既設水路とFRP板との間にセメ
ントミルクを打設する技術が示されている(従来技術
)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術においては
以下の欠点がある。 (1)補強板はコンクリート等からできた重量物である
ため、その水路トンネル内への搬入(送り込み)が大変
である。 (2)補強板はコンクリート製であるため、厚くならざ
るを得ず、それらを水路トンネル内に搬入し、その補強
板と水路内面間にモルタルなどを充填するため、水路断
面が小さくなりがちであり、水路の大幅な流量低下を招
いている。 (3)内面の仕上がコンクリートのままなので、再び劣
化し易い。 (4)モルタル充填時、補強板は、浮力及び横移動防止
の方法がないため、定位置に固定されない場合がある。
定位置に固定されないと、強度的な問題が生じたり、流
れ抵抗が高くなる等の問題も生じる。
【0006】一方、従来技術は、固定部材、FRP板
が、上記補強板に比べれば軽量であるため、搬入等に問
題は少なく、また、FRP板は粗度係数が小さいため、
水が流れ易く、さらにFRP板を水路内面に沿わせ易い
ため、水路断面の大幅な減少を招かないなどの利点があ
る。しかし、以下の欠点がある。 (1)水路内面に固定部材を設置しなければならないの
で、補修する水路内に流水がある場合に、水路内に持ち
込むことができる固定部材及び工具等に制限がある。ま
た、水路内の流水が急激に増量した場合には、これらの
固定部材等の持出しに手間がかかる。さらに、各部材が
分割されているため、水路内での組立作業が困難であ
る。 (2)水路内面にアンカ用の孔開け作業が必要であるの
で、既設水路が暗渠の場合は、水路上面の孔開け作業が
上向きとなり、その作業が困難になる。また、暗渠の高
い水路の場合には、水路上面の孔開け作業をするため
に、足場が必要となる。 (3)水路内面に設置した固定部材にFRP板を突き合
わせて取り付けるので、パネルの継ぎ目に隙間が生じ、
止水性に欠ける。 (4)固定部材が水路内面とFRP板との間に配設され
ているので、セメントミルクを打設時にセメントミルク
のまわりが悪く、又水路内面に設置した固定部材はセメ
ントミルクの打設とともに固着されるので、この固定部
材を打設完了後に撤去できないため、固定部材を再利用
することができない。
【0007】そこで、この発明の課題は、水路内での補
強・補修作業を簡素化するとともに、その補強・補修強
度を高め、かつ、補強・補修に伴う流量低下を極力少な
くすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、請求項1記載の発明は、補修ユニットに係り、水
路内にその長さ方向に補修ユニットを順々に送り込んで
連結し、その補修ユニットの外面と前記水路内面の間に
モルタル(コンクリートも含む、請求の範囲も含んで以
下、同じ)を打設して水路内面を補修するに際して使用
する前記補修ユニットであって、上記水路の床板部に対
応する部分を除く他の内面に沿うドーム形状の剛体構造
補修用型枠体から成り、その補修用型枠体は、外周面
をパネルを配置して形成され、そのパネルが内側に配置
したフレームにより取り外し可能に支持されたものであ
り、かつ補修用型枠体の周囲には内側から操作し得て前
記水路内面に突っ張ってこの筒体を水路内に固定する手
段が設けられている構成を採用したのである。
【0009】この構成の補修ユニットは、例えば、請求
項7記載の補修工法において水路内面の補修に使用し、
まず、補修用型枠体の断面を水路の断面より若干小さく
なるように上記フレームとパネルの形状を設定し、その
補修ユニットを水路外で組立てた後、水路内に送り込
み、その水路内の所定位置に移動させるとともに、上記
固定手段により補修ユニットの補修用型枠体を水路内に
固定する。つぎに、その固定した補修用型枠体の後端に
同様にして他の補修ユニットの補修用型枠体を接続する
とともに、水路内に固定する作業を繰り返して、所要数
の補修ユニットを順次連結し、この連結した各補修ユニ
ットの外面と水路内面の間にモルタルを打設し、モルタ
ルの養生後、各補修用型枠体のフレームを取り外して、
水路内面に、パネル及び打設モルタルからなる補強・補
修層を形成する。そのモルタル打設時、パネルは型枠の
役目を果す。
【0010】この補強・補修後の水路内面はパネルによ
って形成され、その表面は一般に粗度係数が小さいた
め、水の流れはスムースとなる。また、パネルと補修水
路内面の間隔は、補修ユニットが動き得る範囲内で、極
力近づけることができ、また、フレームも除去するた
め、補修後の水路断面の減少を極力抑えることができ
る。
【0011】上記の構成の補修ユニットにおいて、その
補修用型枠体の外面に上記打設モルタル内に埋設される
補強筋を設ければ(請求項2)、補強・補修後のモルタ
ル層は補強筋によって引張強度を担保することができ、
補強筋ゆえに、補修用型枠体の断面形状及び配筋形状を
適宜に設定することができる。このため、補修用型枠体
は、水路の必要補強割合に応じて、その断面形状及び補
強筋の配筋形状を設定するとよい(請求項3)。
【0012】また、上記フレームに上記補修用型枠体の
走行用車輪を取り付けた構成とし得る(請求項4)。こ
のようにすれば、補修ユニットの水路内への送り込みが
容易となり、補修ユニットを水路内に固定後、その車輪
は取外す。取外した車輪は、上記フレームとともに再利
用する。車輪の走行は、水路内に設置したレールに沿っ
て行うことが好ましいが、レール上でなく、水路面を直
接に転動させてもよい。
【0013】上記固定手段は、補修用型枠体の内周面か
ら外周面に突出可能な固定ボルトであり、前記補修用型
枠体の外周面には前記固定ボルトが突出した部分を被覆
する被覆部材を設けた構成を採ることができる(請求項
5)。このようにすれば、構造も簡単で、補修用型枠体
を水路内に簡単に固定できる。固定ボルトを取外しして
も、被覆部材により、ボルト穴からモルタルが漏れるこ
とはない。
【0014】さらに、上記補修用型枠体の一端に、その
外周面パネルから成る受口を形成するとともに、他端に
は、他の補修用型枠体の前記受口内に嵌合する同じく外
周面パネルから成る挿口を形成した構成も採用し得る
(請求項6)。このようにすれば、補修用型枠体の連結
作業が容易であるうえに補修用型枠体を隙間なく連結で
き、モルタルの漏出もなく、十分な止水性を保持でき
る。
【0015】
【発明の実施の形態】補修ユニットの一実施形態を図1
乃至図11に示し、その補修ユニット1は、図1に示す
ように、ドーム形状の補修用型枠体2、その外面に設け
られた補強筋10及びその下方に設けた車輪15よりな
る。この補修用型枠体2は、フレーム3、パネル(本
体)4、その一端に取付けた受口パネル5a……とパネ
ル4の下端部に取付けた止水ゴム7により構成される。
補強筋10は、主筋11、副筋12からなり、格子状に
組まれている。
【0016】上記パネル本体4は、天井パネル4a、上
部コーナーパネル4b、側壁パネル4cに分割され(図
1参照)、同様に受口パネルは、天井パネル5a、上部
コーナーパネル5b、側壁パネル5cに分割されて(図
2参照)、FRP板、FRPM板、塩化ビニル板等のプ
レス成形品、または塩化ビニル板等の押出成形品を使用
する。
【0017】上記フレーム3は、図1に示すように、左
右のL字状側フレーム3aの上部中央をガゼットプレー
ト6を介してボルト21及びナットにて組立て、側フレ
ーム3aの下に下フレーム3bを軸方向の面を合せてボ
ルト21及びナットにて組立てて四角形に組立てたもの
で、このフレーム3の上部及び側部形状は、水路の内面
形状に対応するように形成されている。側フレーム3a
及び下フレーム3bの断面形状は、図1、図2及び図3
に示すように、L字形に形成され、水路方向には連結材
3c、3dにて上下2ヵ所で接続されている。図中、3
eは側フレーム3aに設けた補強用斜めフレームであ
る。
【0018】上記フレーム3(3a、3b)とパネル4
(4a、4b、4c)は、図4(a)に示すようにそれ
ぞれ適宜箇所に取付孔23、24が設けられて、六角ボ
ルト25と六角ナット26にてネジ結合されて一体にな
っている。六角ナット26には充填用モルタル48が流
入しないためのキャップ27と、同図(b)に示すよう
に、モルタル48打設後、六角ボルト25を皿ボルト2
8に取り替える時の回り止め杆29が取付けられてい
る。
【0019】上記フレーム3とパネル4(4a、4b、
4c)の重なる部分には、図5(a)に示すように適宜
箇所に取付孔80、81が設けられており、ボルト82
に六角ナット83をネジ結合し、ボルト82には突っ張
り手段となる固定ボルト84がネジ結合されている。こ
の固定ボルト84の先端部は、打設されたモルタル48
が付着するのを防止するためのゴムシート85により覆
われている。外側のナット83の外面には、回り止め杆
29が取付けられている。フレーム3を除去後、図5
(b)に示すようにボルト82、固定ボルト84を皿ボ
ルト86に取り替える。固定ボルト84の取り付け位置
は、補修用型枠体2を水路40内に確実に固定し得るよ
うに適宜に設定する。
【0020】上記パネル4a、4b、4cの接続部の各
コーナー部には、図6(a)に示すようにコーナーを止
水をするために目地ゴム31を皿ネジ32、ナット33
にて取付ける。なお、コーナーの止水は、同図(b)に
示すように断面H型形状の成形品31’を接着又は嵌着
したり、シール材を注入する方法であっても良い。
【0021】上記補修用型枠体2の上面、側面の適宜位
置には、モルタル注入用の孔14が設けられており(図
2参照)、この各孔14には逆止弁(図示せず)が設け
られていて、後述のモルタル48が噴出しないようにな
っている。
【0022】上記パネル4の一方の端部には、図2及び
図3に示すように受口5が設けられている。この受口5
をなすパネル5a……とパネル4との重なる部分は、図
4(c)に示すように皿ネジ28と六角ナット26によ
り締結されている。
【0023】図1、図2に示すように、側壁パネル4c
の下端部全長には断面凹型をした止水ゴム7が接着され
ている。このゴム7の取付けは、嵌着する方法であって
も良い。
【0024】上記補修用型枠体2の下側の連結材3dに
は、図7に示すように、ボルト51、ナット52、座金
53により取付座54を介して車輪15が取付けられて
いる。この車輪15は、補修用型枠体2を所定位置に設
置後取り外すが、そのままモルタル内に埋設してもよ
い。
【0025】上記上部コーナーパネル4b両端の左右対
象の位置には、それぞれ通過孔60が設けられており、
この通過孔60の下方に位置する連結材3cが後述の吊
り下げ部61となる。なお、通過孔60を閉鎖するキャ
ップ62を別に用意しておき、図1に示すように、モル
タル打設前に、そのキャップ62でもって通過孔60を
塞ぐ。
【0026】上記補修用型枠体2のフレーム3が取付け
られる位置を除いた適宜箇所に、図1、図8及び図9に
示すように、皿ボルト70が設けられ、この皿ボルト取
付け金具71と押さえ金具72により主筋11及び副筋
12を支持させて、補修用型枠体2の外面に沿って補強
筋10が固定される。これにより、補修用型枠体2の外
周に一定の間隔をおいて補強筋10を設けることができ
る。
【0027】なお、各パネル4、4a……、5、5a…
…相互間及びフレーム3とのボルト(ネジ)25、28
による締結は強度等を考慮して型枠体2の適宜位置に行
うことは言うまでもない(各図では、そのボルト(ネ
ジ)及びその位置は適宜に省略している)。
【0028】この実施形態の補修ユニット1は、以上の
ように各フレーム3a、3bがボルト21・ナット止め
される等により型枠体2が剛体構造となった構成であ
り、つぎにそのユニット1を使用した補修工法の作業手
順について、図10乃至図13を用いて説明する。
【0029】(1)補強対象の既存水路40内のコンク
リート層に対してレイタンスや風化層を除去するべく、
表面研磨と高圧ウオータージェットもしくはエアブロー
を用いて洗浄や清掃を行う。その後、モルタルの付着強
度を確保するために下地処理として接着剤樹脂を用いて
プライマー塗布を行う。モルタルによってはプライマー
塗布を省略できる。
【0030】(2)既存水路40内面の下地処理を行っ
た後、図13に示すように、ライニング(補強・補修)
をする水路40の一部に搬入部43を開口し、この搬入
部43からレール41を搬入し、レール用支持材42を
介して水路40の底面上にレール41を設置する。
【0031】(3)補修ユニット1の連結材3cに設け
た吊り下げ部61に通過孔60を介しクレーンCのフッ
クを掛けて、レール41上に受口5側をウインチ44の
方に向けて載置する。その後、上部コーナーパネル4b
の通過孔60をキャップ62により閉鎖し、図13に示
すように、ウインチ44により水路内の所定位置に引き
込む。
【0032】(4)補修ユニット1の連結材3dの下部
を油圧ジャッキ等で持上げて、車輪15を取り外し、図
11に示すようにユニット1を水路40内に設置する。
【0033】(5)図11鎖線及び図5(a)に示すよ
うに、ボルト84を締め付けてそのボルト84の先端部
を水路内面に接触させて突っ張ることにより、補修用型
枠体2に水路40内に固定する。
【0034】(6)前記(3)乃至(5)と同様に2番
目の補修ユニット1を水路40内に固定している1番目
の補修用型枠体2の挿口5’まで引き込み、1番目の挿
口5’に2番目の受口5を嵌入して接続した後、2番目
の補修ユニット1の補修用型枠体2を前記と同様にボル
ト84を締め付けて水路40内に固定する。
【0035】(7)以後、前記(6)と同様に3番目以
降の補修ユニット1の補修用型枠体2を順次連結し、1
回のモルタル打設距離(1スパン)に必要な台数の補修
用型枠体を水路40内に設ける。
【0036】(8)1スパンの補修用型枠体2を水路4
0内に設けた後、図13に示すように、補修用型枠体2
の外周面と水路40内面との間にモルタルの漏れ防止用
の間仕切板(エアーバッグなど)45を装着する。その
後、モルタル48を、そのプラント46から注入管47
を介して水路40内に導き、補修用型枠体2に設けたモ
ルタル注入孔14より補修用型枠体2の外周面と水路4
0内面との間に、水路40と補修用型枠体2が一体とな
るように隙間なく打設する(図12)。
【0037】このとき、使用するモルタル48は、流動
性かつ無収縮性に優れ、ならびに養生時間の短い電気化
学工業株式会社のデンカタスコンを使用することが望ま
しい。
【0038】(9)モルタル48の所要養生期間終了後
に、ボルト25、84……を取り外してフレーム3及び
レール41の撤去作業を行う。このとき、補修用型枠体
2のパネル4とフレーム3を固定していたボルト25、
84を、図4(b)及び図5(b)に示すように全て皿
ネジ28、86と取り替える。皿ネジ28、86に代え
て水中ボンドを使用し得る。
【0039】このようにして補強又は補修された水路4
0は、内面が従来より粗度係数の小さいパネル4、4a
……で形成されているため、すなわち滑性があるため、
従来に比べて、水は流れ易くなる。このため、水路断面
積が減少となっても、流し得る量、すなわち所要の流量
を確保し得る。パネル4、4a……は、耐蝕性、耐酸
性、耐摩耗性(硬度)等を考慮してその材質等を適宜に
設定し、耐蝕、耐酸性はH2 S等に効果的であり、耐摩
耗性は、合流式水路を流れる異物に対して損傷を少なく
し得る効果がある。
【0040】また、パネル4、4aは取替え可能なの
で、補強後の水路内面の損傷はパネルのみの取替えで補
修し得る。
【0041】補修ユニット1は、その断面形状(パネル
4、フレーム3)及び配筋形状(鉄筋径、ピッチ、配筋
方法)を求めることにより、必要補強割合に応じた設計
にて形状を適宜に設定し得ることができる。例えば、水
路壁に圧縮、引張及び曲げ強度で30%の劣化があれ
ば、補修ユニット1はその30%の劣化を補う必要充分
な断面形状及び配筋形状に設定する。
【0042】その設定に伴って、配筋形状を、例えば図
14に示すように変形させる。同図では、補強筋10を
上部コーナーに二重に配筋したもので、この実施の形態
の水路40内への設置状態を図15に示す。因みに、各
実施形態のごとく、天井部分において、配筋10を下側
に屈曲させると、上方から加わる荷重による応力が中央
で突き当たることとなり、許容強度が高いものとなる。
【0043】また、実施形態は、フレーム3を前後にそ
れぞれ一対づつ設けたが、例えば図16に示すように、
筒軸方向に等間隔に所要数設けることができる。要は、
補修用型枠体2を保型し、かつ、打設モルタル48に耐
え得る構成ならいずれでもよい。
【0044】上記実施形態では、補強筋10を補修用型
枠体2に取付けた構成としたが、補強筋10が不要の場
合には、補強筋10なしの補修用型枠体2とすることが
できる。また、水路40内の所要の補修個所に補強筋1
0を前もって構築し、その補強筋10なしの補修用型枠
体2をその構築個所に送り込んでモルタル打設したり、
送り込み後に、補強筋10を組むようにすることもでき
る。このとき、補強筋10は、水路40の外部で組み込
んで搬入してもよい。なお、補強筋10は水路40にボ
ルト止めしたり、型枠体2にボルト止めする。
【0045】なお、図17に示すように枝管Sを取り込
む際には、パネル4に孔をあけ、この孔に接続パイプ9
0を挿通してパネル4に固着し、シール91を行う。こ
のとき、パネル4とパイプ90は同材質のものを用いる
とよい。
【0046】また、実施形態において、レール41によ
らなくても、水路40の上面で車輪15が転動し得ると
きには必らずしもレール41を施設することもない。さ
らに、補修用型枠体2に車輪15を設けなくても、該型
枠体2を台車に載せて搬入するようにもし得る。さらに
車輪15をなくし、レール41上を滑走させてもよい。
ウインチ44に代えて、後から押す推進機を採用し得
る。
【0047】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、水路
外で水路内面補修ユニットの組立作業ができるので、水
路内での作業が簡略化できる。
【0048】また、水路内面の補修工法は、上記補修ユ
ニットのパネルをモルタル打設の型枠として使用し、そ
の補修ユニットの補修用型枠体の断面を水路の断面に対
応させて設定し、かつフレームは取り除くので、補修後
の水路断面の有効面積を大きくすることができる。
【0049】さらに、補修ユニットの補修用型枠体を上
記固定手段により水路内に固定するので、水路内で補修
用型枠体を固定する作業が容易になる。また、補修ユニ
ットの補修用型枠体を水路内に固定した後に車輪を取り
外し、その補修用型枠体の外面と水路内面の間にモルタ
ルを打設した後にフレームと固定手段を取り外すことが
できるので、補修後の水路の有効断面積の確保に有効で
あり、フレームと固定手段と車輪を再利用できる。これ
により、水路補修の時間短縮、作業性の向上及びコスト
ダウンを図ることができる。
【0050】加えて、水路内に固定されている補修用型
枠体の後端部の受口に、その後方に導入した他の補修ユ
ニットの補修用型枠体の挿口を嵌合させて接続するの
で、補修用型枠体を容易に連結できるとともに、上記受
口と挿口の嵌合により、止水性を保持できる。
【0051】また、補修ユニットは、打設モルタル層
(コンクリート層)の引張及び曲げ強度を配筋で担保す
るようにしたので、水路の必要補強割合に応じた形状及
び強度に容易に対応することができ、補強(補修)のコ
ストを必要最小限に抑え得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】補修ユニットの一実施形態を示す正面図
【図2】同実施形態の左断面図
【図3】同実施形態の中央下方向断面図
【図4】同実施形態における(a)、(b)はパネルを
ボルトを介して結合させた状態、(c)はパネルと受口
パネルをボルトを介して結合させた状態をそれぞれ示す
一部拡大断面図
【図5】同実施形態における固定ボルトを結合させた状
態を示す一部拡大断面図
【図6】同実施形態におけるパネルのコーナー取付状態
の各例を示す一部拡大断面図
【図7】同実施形態における車輪部分を示し、(a)は
その拡大断面図、(b)はその拡大側面図
【図8】同実施形態における補強筋部分を示し、(a)
天井パネルに取付けた拡大縦断正面図、(b)はその縦
断側面図、(c)はその縦断平面図
【図9】同実施形態における側壁パネルに補強筋を取付
けた拡大縦断正面図
【図10】同実施形態における水路内に搬入した補修用
型枠体の状態を示す正面図
【図11】同実施形態における水路内に搬入した補修用
型枠体の車輪撤去後を示す正面図
【図12】同実施形態におけるモルタル打設後を示す正
面図
【図13】水路内面の補修工法を示す概要図
【図14】補修用型枠体の他の実施形態を示す正面図
【図15】水路内に同実施形態を設置した正面図
【図16】補修用型枠体の他の実施形態を示す左断面図
【図17】水路内に補修ユニットを設置した他の形態の
切断正面図
【符号の説明】
1 補修ユニット 2 補修用型枠体 3、3a、3b、3c、3d、3e フレーム 4、4a、4b、4c パネル 5 受口 5a、5b、5c 受口パネル 5’ 挿口 10 補強筋 11 主筋 12 副筋 14 モルタル注入孔 15 車輪 41 レール 43 搬入部 44 ウインチ 46 モルタル注入プラント 48 モルタル 84 固定ボルト 85 ゴムシート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 泰文 大阪市西区北堀江1丁目12番19号 株式 会社栗本鐵工所内 (56)参考文献 特開 平4−371699(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16L 1/00 E03B 7/00 E03F 3/06 E03F 7/00 E21D 11/10

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水路内にその長さ方向に補修ユニットを
    順々に送り込んで連結し、その補修ユニットの外面と前
    記水路内面の間にモルタルを打設して水路内面を補修す
    るに際して使用する前記補修ユニットであって、 上記水路の床板部に対応する部分を除く他の内面に沿う
    ドーム形状の剛体構造の補修用型枠体から成り、その補
    修用型枠体は、外周面がパネルを配置して形成され、そ
    のパネルが内側に配置したフレームにより取り外し可能
    に支持されたものであり、かつ補修用型枠体の周囲には
    内側から操作し得て前記水路内面に突っ張ってこの型枠
    体を水路内に固定する手段が設けられていることを特徴
    とする既設水路の補修ユニット。
  2. 【請求項2】 上記補修用型枠体の外面には上記打設モ
    ルタル内に埋設される補強筋が設けられていることを特
    徴とする請求項1記載の既設水路の補修ユニット。
  3. 【請求項3】 上記補修用型枠体は、水路の必要補強割
    合に応じて、そのドーム形状及び上記補強筋の配筋形状
    を設定することを特徴とする請求項2に記載の既設水路
    の補修ユニット。
  4. 【請求項4】 上記フレームに上記補修用型枠体の走行
    用車輪を取り付けたことを特徴とする請求項1乃至3の
    いずれか一つに記載の既設水路の補修ユニット。
  5. 【請求項5】 上記固定手段が、補修用型枠体の内周面
    から外周面に突出可能な固定ボルトであり、前記補修用
    型枠体の外周面には前記固定ボルトが突出した部分を被
    覆する被覆部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれか一つに記載の既設水路の補修ユニット。
  6. 【請求項6】 上記補修用型枠体の一端に、その外周面
    パネルから成る受口を形成するとともに、他端には、他
    の補修用型枠体の前記受口内に嵌合する同じく外周面パ
    ネルから成る挿口を形成したことを特徴とする請求項1
    乃至5のいずれか一つに記載の既設水路の補修ユニッ
    ト。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか一つに記載の
    既設水路の補修ユニットの補修用型枠体の断面を水路の
    断面より若干小さくなるように上記フレームとパネルの
    形状を設定し、その補修ユニットを、水路内に送り込ん
    でその水路内の所定位置に移動させるとともに、上記固
    定手段により補修ユニットの補修用型枠体を水路内に固
    定し、つぎに、その固定した補修用型枠体の後端に同様
    にして他の補修ユニットの補修用型枠体を接続するとと
    もに水路内に固定する作業を繰り返して、所要数の補修
    ユニットを順次連結し、この連結した各補修用ユニット
    の外面と水路内面の間にモルタルを打設し、モルタルの
    養生後、各補修用型枠体のフレームを取り外すことを特
    徴とする水路内面の補修工法。
JP17243596A 1996-07-02 1996-07-02 既設水路の補修ユニット及びその補修工法 Expired - Fee Related JP3316136B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17243596A JP3316136B2 (ja) 1996-07-02 1996-07-02 既設水路の補修ユニット及びその補修工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17243596A JP3316136B2 (ja) 1996-07-02 1996-07-02 既設水路の補修ユニット及びその補修工法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1019164A JPH1019164A (ja) 1998-01-23
JP3316136B2 true JP3316136B2 (ja) 2002-08-19

Family

ID=15941936

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17243596A Expired - Fee Related JP3316136B2 (ja) 1996-07-02 1996-07-02 既設水路の補修ユニット及びその補修工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3316136B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101310580B1 (ko) * 2013-01-23 2013-09-23 (주)경동엔지니어링 하수암거를 포함한 대형 관로 시설물 보수 보강공법

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4723951B2 (ja) * 2005-08-12 2011-07-13 積水化学工業株式会社 支保工装置
KR100791524B1 (ko) 2005-09-28 2008-01-04 (주)영광산업개발 용ㆍ배수로 보수 및 보강을 위한 조립식 대차
JP2014163210A (ja) * 2013-02-22 2014-09-08 Akihiro Nakamachi 注入工法を用いた均等厚マットによる型枠
JP6173798B2 (ja) * 2013-07-02 2017-08-02 タキロンエンジニアリング株式会社 内面材のリング状支持部材を固定するための固定部材及びその固定部材を用いた管の内層構造
CN104594918B (zh) * 2014-12-31 2017-01-18 上海市机械施工集团有限公司 分体整合式地下通道钢模板台车及其施工方法
CN110219358B (zh) * 2019-07-12 2020-10-09 牟霞 一种利用水流自动改变空间的水利工程用急流槽

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101310580B1 (ko) * 2013-01-23 2013-09-23 (주)경동엔지니어링 하수암거를 포함한 대형 관로 시설물 보수 보강공법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1019164A (ja) 1998-01-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20050011148A1 (en) Deck-to-girder connections for precast or prefabricated bridge decks and construction method thereof
CN104878948B (zh) 一种钢筋混凝土框架梁负弯矩区的加固方法
CN101625061B (zh) 预应力钢筒混凝土管管线应急抢修方法
JP3316136B2 (ja) 既設水路の補修ユニット及びその補修工法
JP3072054B2 (ja) 既設水路の補修工法及びその工法に使用する補修ユニット
JP2984214B2 (ja) 既設水路の補修ユニット及びその補修工法
JP3017443B2 (ja) 既設水路内面の補強ユニット及び補強工法
JP2893490B2 (ja) 水路の補修方法
CN115890877A (zh) 一种可调节的横隔板模板及其施工方法
CN212477466U (zh) 大跨度涵洞结构及预制箱涵
JP2920851B2 (ja) コンクリート壁面の補修方法
JP3534190B2 (ja) 構築物における生コンクリート打設工法と打設装置
CN211446606U (zh) 节段梁临时预应力张拉台座与吊点一体化结构
JP7001218B2 (ja) 杭支持構造物の補強構造及び補強方法
CN219731715U (zh) 道路桥梁裂缝加固结构
JPH0784840B2 (ja) スチ−ルセグメントおよびスチ−ルセグメントを使用したトンネルの施工方法
JPH0742222A (ja) コンクリート製液槽及び管渠等の改修ライニング工法及び同改修ライニング構造
JP2004211315A (ja) 枠付き鉄骨ブレースによる耐震補強構造及び補強工法
KR20200060176A (ko) 교량 상판 내부의 에폭시 충전장치 및 충전방법
KR102441003B1 (ko) 거푸집 폼타이를 이용한 교량 점검시설 설치용 선매립 앵커세트 시공방법 및 그 구조체
JPH0544208A (ja) 水路の構造および水路用パネル
KR20040031560A (ko) 터널 내면벽 보수 보강용 복합형틀
CN113622954B (zh) 隧道衬砌砼加固结构及安装方法
JPH06306832A (ja) 鋼矢板を用いた護岸構造
CN221072336U (zh) 一种桥梁体外预应力加固结构

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080607

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090607

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100607

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees