JP3315803B2 - いなり寿司用包装体 - Google Patents

いなり寿司用包装体

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JP3315803B2 JP05194994A JP5194994A JP3315803B2 JP 3315803 B2 JP3315803 B2 JP 3315803B2 JP 05194994 A JP05194994 A JP 05194994A JP 5194994 A JP5194994 A JP 5194994A JP 3315803 B2 JP3315803 B2 JP 3315803B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はいなり寿司用包装体に
関し、特に、水分や油分を多く含む油揚げで包んである
いなり寿司を包装するのに適し、開封が容易ないなり寿
司用包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】一般に、コンビニエン
スストア等においては、例えばおにぎりや巻寿司等のよ
うに、1個ずつ単品で購入できて手軽に食することがで
きる商品が各種販売されている。そして、これらを包装
する包装体も、包装される内容物の形状に応じて様々な
形態をなすものが出回っている。
【0003】しかしながら、今日のニーズの多様化に伴
っていなり寿司を商品として取り扱う必要性が高まって
いるけれども、既存の包装体ではいなり寿司を好適に包
装することができなかった。
【0004】すなわち、いなり寿司に使用される油揚げ
は水分や油分を多く含んでいるために、既存の包装体で
は、いなり寿司を包んだ後、油揚げから水分や油分が滲
み出て包装体の外側に漏れてしまう恐れがあった。
【0005】特に、いなり寿司が包装体で包装された状
態にあるときに、運搬したり、店内の陳列棚に並べたり
するときに、例えば手で持つことによって、包装体の外
部からいなり寿司に圧力が加わると、油揚げに含まれる
水分や油分が容易に滲み出てしまう。このようになる
と、油揚げから出た水分や油分が、包装体内に溜まった
り、包装体の隙間から外部に漏れたりするので、包装状
態の外観を損なうとともに、商品価値を著しく低下させ
てしまうといった問題が生じる。
【0006】また、包装体は、いなり寿司を簡便に食す
ることができるように開封を容易にすることも重要なこ
とである。したがって、いなり寿司を適切に包装するこ
とができる簡便な包装体の出現が強く要望されているの
が現状である。
【0007】この発明の第1の目的は、包装した状態で
いなり寿司の油揚げから出る水分や油分が外部に漏れな
いようにすることができるいなり寿司用包装体を提供す
ることにある。この発明の第2の目的は、包装した状態
でいなり寿司の油揚げから出る水分や油分が外部に漏れ
ることがないとともに、容易に開封して食べることがで
きるいなり寿司用包装体を提供することにある。この発
明の第3の目的は、包装した状態でいなり寿司の油揚げ
から出る水分や油分が外部に漏れることがないととも
に、容易に開封して食べることができ、しかも、開封時
にいなり寿司に損傷を与えることがないいなり寿司用包
装体を提供することにある。
【0008】
【問題点を解決するための手段】この発明は上記の課題
を達成するために、第1の発明として、開封手段を有す
るとともに、いなり寿司を被覆可能な大きさをなす外装
フィルムと、この外装フィルムの面のうちの前記いなり
寿司と接する面の両側端部の中央部に一体に設けられた
吸取シートとを具えた構成を有しているものである。ま
た、第2の発明として、開封手段を有するとともに、い
なり寿司を被覆可能な大きさをなす外装フィルムと、一
部を重合するとともに、その重合した部分を除く周縁部
が前記外装フィルムに一体に設けられる左右内装フィル
ムと、前記いなり寿司と接する左右内装フィルムの面に
一体に設けられた吸取シートとを具え、前記吸取シート
は、前記左内装フィルムの左側端部と、前記右内装フィ
ルムの右側端部とにそれぞれ設けられている構成を有し
ているものである。
【0009】また、第2の発明を含む第3の発明とし
て、前記左右内装フィルムのうちの少なくとも一方の内
装フィルムに折返し部を設け、この折返し部を内面側に
位置させた状態で前記左右内装フィルムを互いに重ね合
わせてある構成を有しているものである。また、第1ま
たは第2の発明を含む第4、第5、第6の発明として、
前記包装体の上端又は下端の少なくとも一方端の両隅部
に切欠部を設けたり、また、前記外装フィルム又は左右
内装フィルムと、前記吸取シートとの間は、接着して一
体にしたり、また、前記外装フィルム又は左右内装フィ
ルムと、前記吸取シートとの間は、融着して一体にした
りした構成を有しているものである。また、第1または
第2の発明を含む第7の発明として、前記外装フィルム
は延伸フィルムで形成されるとともに、延伸方向の端部
に延出するべろ部が形成され、これにより開封手段が形
成されている構成を有している。
【0010】
【作用】この発明は上記の手段を採用したことにより、
油揚げから水分や油分が滲み出たとしてもいなり寿司を
適切に包装することができるようになっている。
【0011】すなわち、いなり寿司の油揚げは水分や油
分を多く含んでいるので、いなり寿司が包装した状態と
なっている時に油揚げから水分や油分が滲み出て包装体
内に溜まることがある。この発明にあっては、内部に吸
取シートを有しているので、油揚げから出た水分や油分
は吸取シートに吸収されることになり、包装体内に溜ま
ることはない。また、吸収シートは包装体の側端部に設
けられているので、油揚げから出た水分や油分が、包装
体の隙間から外部に漏れないようにすることができる。
【0012】また、外装フィルムは開封手段を有してい
るので包装体の開封が容易であり、内容物であるいなり
寿司を簡便に食べることができ、しかも、この開封時に
いなり寿司が損傷しないようになっている。したがっ
て、この発明による包装体は、いなり寿司用として好適
な包装を可能とすることができるものである。
【0013】
【実施例】以下、図面に示すこの発明の実施例を説明す
る。図1〜図3は、この発明によるいなり寿司用包装体
の第1実施例を示してある。図1はいなり寿司用包装体
の概略裏面図であり、図2は図1に示すいなり寿司用包
装体の概略表面図であり、図3は図1におけるA−A線
断面図である。
【0014】すなわち、図1〜図3に示すいなり寿司用
包装体1は、開封用条体2が接着された外装フィルム3
と、いなり寿司と接触する側の面のうちの両側端部の中
央部に接着される方形状の吸取シート21、21とから
なる。
【0015】図1〜図3において、外装フィルム3は、
汎用フィルムが使用され、いなり寿司20を被覆可能な
大きさで縦長の方形状をなすように形成されたものであ
る。この外装フィルム3には開封手段が設けられてい
て、この開封手段は、開封用条体2とノッチ16とで形
成される。開封用条体2は、外装フィルム3の内面側の
短辺方向中央部に、その上端部から下端部に至るように
配置されて接着される。このとき、開封用条体2は、容
易に切断されない程度に一定の強度を有したものが使用
される。
【0016】ノッチ16は、開封用条体2が位置する外
装フィルム3の部位のうち上下両端部側に、開封用条体
2を挟んだ状態で対をなして設けられる。この場合、ノ
ッチ16、16は、外装フィルム3の上下端部に設けた
ものを示したが、いずれか一方の端部だけに設けてもよ
い。つまり、ノッチ16、16は少なくとも開封始端側
となる端部に設けてあればよいものである。
【0017】そして、このノッチ16、16の存在によ
り、開封用条体2の端部が摘み部2aとして形成される
とともに、外装フィルム3の切断の契機となり、同時
に、開封初期の切断方向が案内される。このため、ノッ
チ16、16により形成される一方端の摘み部2aを摘
んでこれを他方端へ向かって引っ張ると、外装フィルム
3に対する開封用条体2の初期の進行が容易となるの
で、外装フィルム3の切断をスムーズにすることができ
る。このとき、開封用条体2は外装フィルム3の上下端
間に設けられているので、開封用条体2を引っ張って除
去することで外装フィルム3が縦に切断されて2つに分
断されることとなる。
【0018】なお、外装フィルム3に少なくとも上下方
向が延伸方向となっている延伸フィルムを用いれば開封
用条体2を用いなくても良く、さらに、延伸フィルムを
用いることによりノッチ16、16を用いることなくノ
ッチ16、16間に相当する部位を延出させてベロ部と
することにより、開封手段とすることができる。
【0019】外装フィルム3の内面側の左側端部および
右側端部の中央部には、所定幅の吸取シート21、21
が接着されて設けられる。この吸取シート21は、水分
や油分を吸収することができる例えば繊維質等の材質が
用いられて、帯状に形成されているものである。そし
て、開封用条体2を取り去って外装フィルム3を幅方向
中央部で縦に切断すると、外装フィルム3の左半部とそ
の左側端部に接着された一方の吸取シート21とが接着
部8で一体となったものと、外装フィルム3の右半部と
その右側端部に接着された他方の吸取シート21とが接
着部9で一体になったものとに分割することができるよ
うになっている。なお、接着部8、9は図示のように吸
取シート21の半幅でなく、全幅であっても良い。
【0020】このいなり寿司用包装体1の隅部には切欠
部18、18、……を設ける。この切欠部18、18、
……は、各々傾斜切欠部18aによって、それぞれ包装
体1の上下端の両隅部に形成される。このとき、各傾斜
切欠部18aは、包装体1の上端又は下端から斜め方向
で側端部に至るようにし、それぞれ直線状に形成され
る。
【0021】上記のように構成されたいなり寿司用包装
体1を用いて包装されるいなり寿司20は三角形状のも
のが使用される。すなわち、長方形状の油揚げを対角線
状に切断することで底面が開口した三角形状の袋状の油
揚げ17とし、内部にご飯を詰め込んで全体として三角
形状をなすようにしてある。
【0022】そして、包装する時は、まず、外装フィル
ム3の内面側にいなり寿司20を接触させる。すなわ
ち、一側面が接触した状態で包装体1の内面下端部に位
置させる。いなり寿司20は、図4に示すように、その
頂部を下方に向けた状態で包装体1の短辺方向中央部に
配置し、かつ、そのとき、いなり寿司20は長辺方向中
央部よりも下端側に偏った部位に位置される。
【0023】そして、いなり寿司20を外装フィルム3
に接触させた状態で、包装体1の左右下部12、13を
折り曲げて被覆する。まず、包装体1の右下部13は、
いなり寿司20の右下斜面に沿って図4中のa方向へ折
り曲げられ、その折り曲げられた部位をいなり寿司20
に接触させる。同様に、包装体1の左下部12は、いな
り寿司20の左下斜面に沿って図中のb方向へ折り曲げ
られ、その折り曲げられた部位をいなり寿司20に接触
させる。
【0024】次いで、包装体1の上端部側の半部でいな
り寿司20を被覆する。つまり、包装体1の上半部をい
なり寿司20の上面に沿って図4中のc方向へ折り曲
げ、その折り曲げられた部位をいなり寿司20に接触さ
せ、図5に示すような状態にする。この状態で、外装フ
ィルム3の両側部の中央部に設けた吸取シート21、2
1はいなり寿司20の底面の両側部を包むようになる。
続いて、包装体1の左右上部10、11を折り曲げる。
まず、包装体1の右上部11は、いなり寿司20の右下
斜面に沿って図5中のd方向へ折り曲げられ、その折り
曲げられた部位を右下部13の外面に重ねる。同様に、
包装体1の左上部10は、いなり寿司20の左下斜面に
沿って図中のe方向へ折り曲げられ、その折り曲げられ
た部位を左下部12の外面に重ねる。このとき、包装体
1は、図6に示すように、右上部11と右下部13との
間、左上部10と左下部12との間は、それぞれ点状の
接着部14、15で接着して保持するのが好ましい。
【0025】この結果、包装体1は、図6に示すよう
に、いなり寿司20の全面を覆うように包むことにな
る。このとき、包装体1の左上部10と右上部11との
間は、ラベル等の紙製のシール19が跨ぐように貼られ
て止着され、これにより、包装体1は、いなり寿司20
を覆った状態で保持される。この場合、図示したよう
に、シール19の一部を外装フィルム3にも接触するよ
うに貼着すると、包装体1の止着がより完全になるので
好ましい。そして、このように包装された状態の時は、
油揚げ17から水分や油分が滲み出たとしてもいなり寿
司20の底面両側部は吸取シート21、21と接触して
包まれているので、水分や油分は吸取シート21、21
に吸取られて包装体1の外方に滲み出る恐れは全くない
ものである。さらに、包装した状態で包装体1の底部両
隅部をシールするようにすれば、包装体1からの滲み出
を完全に防止できるとともに、通気も阻止することがで
きるので、水分や油分の滲み出しやゴミ等の侵入を防止
できる。
【0026】上記のように包装体1で包装された内容物
を食べる場合には、開封用条体2を取り去って外装フィ
ルム3を2つに分断したのち、包装体1の左右各半部を
引っ張る。すると、いなり寿司20が露出し、取り出す
ことができるようになっている。
【0027】まず、いなり寿司20を包装してある包装
体1を開封するには、包装体1の上端側でノッチ16、
16により摘み部2aとして形成された開封用条体2の
端部を持って、これをいなり寿司20の表面に沿って、
包装体1の下端側に位置する摘み部2a側へ向かって引
っ張る。すると、外装フィルム3は、開封用条体2の進
行に伴って、当該開封用条体2に沿って切断され、また
は開封用条体2と一体となって一部が取り去られるよう
になる。この結果、外装フィルム3は、その短辺方向中
央部において縦方向に真っ直ぐに切断され、包装体1が
左半部と右半部とに2分割されることとなる。
【0028】こののち、外装フィルム3の右半部の右端
頂部を持って右側方へ引っ張ると、外装フィルム3の右
半部と他方の吸取シート21とが一緒に取り去られる。
このとき、外装フィルム3の右半部は、その内面がいな
り寿司20の油揚げ17の表面と滑りながら右側方へ移
動して取り去られる。このため、図7に示すように、い
なり寿司20の右半部が包装体1から露出することにな
る。
【0029】次いで、いなり寿司20の右半部側を手に
持ち、前記と同様に外装フィルム3の左半部を左側方へ
引っ張ると、外装フィルム3の左半部はいなり寿司20
の油揚げ17の表面と滑りながら左側方へ移動して吸取
シート21と一緒に取り去られる。これによりいなり寿
司20全体を露出することができる。
【0030】このように、いなり寿司20を包装した包
装体1を簡単に開封することができ、いなり寿司20を
簡易に食べることができるようになっている。もちろ
ん、いなり寿司20を食べる際には、上述したような開
封方法だけでなく、例えば、開封用条体2を取り去って
包装体1の右半部だけを除去した後、包装体1の左半部
を介していなり寿司20を手で持ち、その状態で、露出
しているいなり寿司20の右半部側から直接食べるよう
にしてもよい。このようにすれば、油揚げ17の油分で
手を汚さずにいなり寿司20を食べることができる。な
お、上記の場合、包装体1の右半部を先に取り去るよう
にしたが、左半部から取り去ってもよい。
【0031】そして、上記のいなり寿司用包装体1にあ
っては、包装状態にある時に、いなり寿司20の油揚げ
17から出た水分や油分が、包装体1内に溜まったり、
外部に漏れたりしないようになっている。
【0032】すなわち、外装フィルム3の内面側の両側
端部の中央部に吸取シート21、21を接着して配設し
たことにより、油揚げ17から出た水分や油分は、吸取
シート21に吸収されるようになっている。
【0033】いなり寿司20が包装体1で包装された状
態の時に、手で強く押したりすると、油揚げ17に含ま
れている水分や油分が滲み出てしまう場合があり、さら
に、この水分や油分が包装体1の内側底部に溜まった
り、包装した時の包装体1の両隅部の隙間から漏れ出し
たりすることがあった。
【0034】しかしながら、この発明による包装体1に
あっては、油揚げ17から滲み出た水分や油分は、包装
体1内において吸取シート21、21に吸収されてこれ
に保持されるので、包装体1内に水分や油分が液状に溜
まることが防止できる。また、吸取シート21、21
は、包装体1の両側端部の中央部に位置して、いなり寿
司20の底面両側と接触してその部位を包んでいるの
で、油揚げ17から出た水分や油分が包装体1の両隅部
の隙間から外部に漏れるのを防止することができるよう
になっている。したがって、いなり寿司20に水分や油
分を多く含んだ油揚げ17を用いた場合でも、包装した
状態の時に水分や油分が外部に滲み出るのを防止するこ
とができる。
【0035】しかも、この発明による包装体1にあって
は容易に、かつ、確実に開封することができるようにな
っている。
【0036】すなわち、包装体1の両隅部に切欠部1
8、18、……を設けたことにより、図6に示すよう
に、開封用条体2が位置する左上部10と右上部11と
の重なり部Gを小さくすることができるようになってい
る。この場合、包装体1の両隅部に、傾斜切欠部18a
で形成される三角形状の切欠部18、18、……を設け
たことにより、左上部10および右上部11の各角部が
無くなるので、これにより、包装状態にあるときの包装
体1の角部どうしの重なりがなくなることになる。この
ため、開封用条体2が外装フィルム3を切断する線上に
は切断の障害となるものは、シール19以外はほとんど
なくなることになる。したがって、開封時に、重なり部
Gが開封用条体2の進行を妨げないので、開封用条体2
による外装フィルム3の切断が容易となり、包装体1の
分断を確実にすることができる。
【0037】また、上記のいなり寿司用包装体1にあっ
ては、包装体1の上下端の両隅部に切欠部18、18、
……を設けるとともに、開封用条体2の上下端部に摘み
部2aを設けたので、包装体1の左右上部10、11の
外面側に左右下部12、13を重ねるようにして包装す
ることもできる。
【0038】上記実施例の場合では、包装体1の左右下
部12、13の外面側に左右上部10、11を重ねるよ
うにしてあるので、包装体1の上端の両隅部に設けた切
欠部18、18が左右上部の10、11の重なり部Gを
大きく減少させることになる。これと同様に、包装体1
の左右上部10、11の外面側に左右下部12、13を
重ねるように包装した場合でも、包装体1の下端の両隅
部に設けた切欠部18、18が左右下部12、13の重
なり部Gを大きく減少させることになる。
【0039】したがって、上記の包装体1は上下いずれ
の半部からいなり寿司20に接触して被覆するようにし
ても、開封用条体2の線上での包装体1の重なり部Gを
小さくすることができるので、包装作業時における包装
体1の上下方向の判断を不要とすることができる。
【0040】次に、第2実施例を図8〜図10に基づい
て説明する。図8はいなり寿司用包装体の概略裏面図
で、いなり寿司と接触する内側が示されており、図9は
図8と反対面側を示す概略表面図であり、図10は図8
におけるB−B線断面図である。
【0041】すなわち、この実施例のいなり寿司用包装
体1aは、開封用条体2が接着された外装フィルム3
と、この内面側に重ね合わせられる左右内装フィルム
4、5と、吸取シート21、21とからなる。左右内装
フィルム4、5は、それらの内側部が互いに非接着状態
で重合され、その重合した部分を除く周縁部を外装フィ
ルム3に接着してある。そして、吸取シート21は、そ
のほぼ半幅の部分が左内装フィルム4の左側端部の中央
部と、右内装フィルム5の右側端部の中央部とにそれぞ
れ接着してある。なお、前記第1実施例と同様の構成の
部位には、同一の符号を付してある。
【0042】図8〜図10において、外装フィルム3
は、汎用フィルムが使用され、いなり寿司20を被覆可
能な大きさの長方形状をなすように形成されたものであ
る。
【0043】この外装フィルム3には開封手段が設けら
れていて、この開封手段は、開封用条体2とノッチ16
とで形成される。開封用条体2は、外装フィルム3の内
面側の短辺方向中央部に、その上端部から下端部に至る
ように配置されて接着される。このとき、開封用条体2
は、容易に切断されない程度に一定の強度を有したもの
が使用される。
【0044】ノッチ16は、開封用条体2が位置する外
装フィルム3の部位のうち上下両端部側に、開封用条体
2を挟んだ状態で対をなして設けられる。この場合、ノ
ッチ16、16は、外装フィルム3の上下端部に設けた
ものを示したが、いずれか一方の端部だけに設けてもよ
い。つまり、ノッチ16、16は少なくとも開封始端側
となる端部に設けてあればよいものである。
【0045】そして、このノッチ16、16の存在によ
り、開封用条体2の端部が摘み部2aとして形成される
とともに、外装フィルム3の切断の契機となり、同時
に、開封初期の切断方向が案内される。このため、ノッ
チ16、16により形成される一方端の摘み部2aを摘
んでこれを他方端へ向かって引っ張ると、外装フィルム
3に対する開封用条体2の初期の進行が容易となるの
で、外装フィルム3の切断をスムーズにすることができ
る。このとき、開封用条体2は外装フィルム3の上下端
間に設けられているので、開封用条体2を引っ張って除
去することで外装フィルム3が縦に切断されて2つに分
断されることとなる。
【0046】外装フィルム3に左内装フィルム4および
右内装フィルム5を接着することにより、各フィルム
3、4、5間で袋状に形成される。そして、左内装フィ
ルム4および右内装フィルム5の内面側でいなり寿司2
0の全面を被覆することができるようになっている。
【0047】左右内装フィルム4、5は、汎用性フィル
ムが使用されて、縦長の方形状に形成されているもので
ある。ここでは、各内装フィルム4、5は、その幅が外
装フィルム3の縦半部の幅よりも若干長いものが使用さ
れる。
【0048】左内装フィルム4は、その左側端を外装フ
ィルム3の左側端に、また、上下端を外装フィルム3の
上下端にそれぞれ一致させるとともに、右側端が開封用
条体2を越える状態で配置し、これにより、左内装フィ
ルム4で外装フィルム3の左半部内面側の全域を覆うよ
うにしてある。そして、左内装フィルム4は、その左側
端と、上下端の左端部から開封用条体2の近傍に至る部
位とが外装フィルム3に対して所定幅で接着されてシー
ルされる。
【0049】右内装フィルム5は、その右側端を外装フ
ィルム3の右側端に、また、上下端を外装フィルム3の
上下端にそれぞれ一致させるとともに、左側端が開封用
条体2を越える状態で配置し、これにより、右内装フィ
ルム5で外装フィルム3の右半部内面側の全域を覆うよ
うにしてある。そして、右内装フィルム5は、その右側
端と、上下端の右端部から開封用条体2の近傍に至る部
位とが外装フィルム3に対して所定幅で接着されてシー
ルされる。
【0050】この場合、左内装フィルム4の右側端側の
部位と、右内装フィルム5の左側端側の部位とは、外装
フィルム3の短辺方向中央部で互いに非接着で重なった
状態で配置され、その重合部分が縦方向を向くようにし
てある。そして、その左右内装フィルム4、5の重合部
分に対応した部分に開封用条体2が位置するようにして
ある。したがって、両内装フィルム4、5と外装フィル
ム3とが協働することにより、包装体1aは全体として
袋状に形成されるようになっている。
【0051】そして、左内装フィルム4と右内装フィル
ム5とはその重合部分が互いに非接着であるので、開封
用条体2を取り去って外装フィルム3を2つに分断する
と、両内装フィルム4、5は互いに左右方向へ分割可能
となる。この場合、開封用条体2を取り去ることで外装
フィルム3を幅方向中央部で縦に切断すると、外装フィ
ルム3の左半部と左内装フィルム4とが接着部8で一体
になったものと、外装フィルム3の右半部と右内装フィ
ルム5とが接着部9で一体になったものとに分割するこ
とができるようになっている。
【0052】左内装フィルム4の左側端部の中央部およ
び右内装フィルム5の右側端部の中央部には、所定幅の
吸取シート21、21が、そのほぼ半幅の部分が接着さ
れて設けられている。このため、外装フィルム3を縦に
切断した際、外装フィルム3の左半部と左内装フィルム
4と一方の吸取シート21とが一体になったものと、外
装フィルム3の右半部と右内装フィルム5と他方の吸取
シート21とが一体になったものとに分割が可能とな
る。このとき、吸取シート21は、水分や油分を吸収す
ることができる例えば繊維質等の材質が用いられて、帯
状に形成される。
【0053】この包装体1aの隅部には切欠部18、1
8、……を設ける。この切欠部18、18、……は、各
々傾斜切欠部18aによって形成されていて、包装体1
aの上下端の両隅部において接着部8、9の幅内に位置
してある。そして、各傾斜切欠部18aは、包装体1の
上端又は下端から側端部に斜めに直線状に至るように形
成されている。
【0054】上記のように構成されたいなり寿司用包装
体1aを用いていなり寿司20を包装するには、まず、
左右内装フィルム4、5の内面側にいなり寿司20を接
触させる。このとき、いなり寿司20は、包装体1の内
面下端部に位置させて被覆される。そして、前記第1実
施例のものと同様に、図4および図5で説明したように
して、包装体1の左右下部12、13を折り曲げたの
ち、包装体1の上端部側の半部でいなり寿司20を被覆
し、次いで、包装体1の左右上部10、11を折り曲げ
る。この結果、包装体1aは、図6に示したものと同様
な状態で、いなり寿司20の全面を覆うように包むこと
になる。そして、包装体1aは、ラベル等のシール19
によって止着され、その状態で保持される。
【0055】上記のようにして包装体1aで包装された
いなり寿司20を食べる場合には、開封用条体2を取り
去って外装フィルム3を2つに分断したのち、包装体1
aの左右各半部を引っ張る。すると、いなり寿司20が
露出してこれを取り出すことができるようになってい
る。
【0056】まず、いなり寿司20を包装してある包装
体1aを開封するには、包装体1aの上端側でノッチ1
6、16により摘み部2aとして形成された開封用条体
2の端部を持って、これを他方側の摘み部2aへ向かっ
て引っ張る。すると、外装フィルム3は、開封用条体2
の進行に伴って、当該開封用条体2に沿って切断され、
または開封用条体2と一体となって一部が取り去られる
ようになる。この結果、外装フィルム3は、その短辺方
向中央部において縦方向に真っ直ぐに切断され、包装体
1aが左半部と右半部とに2分割されることとなる。
【0057】こののち、外装フィルム3の右半部を右側
方へ引っ張ると、接着部9で接着された右内装フィルム
5と外装フィルム3の右半部と右内装フィルム5に接着
された他方の吸取シート21とが一緒に取り去られる。
このとき、右内装フィルム5は、その内面でいなり寿司
20の油揚げ17の表面と滑りながら右側方へ移動して
取り去られる。このため、いなり寿司20の右半部が包
装体1aから露出することになる。
【0058】次いで、いなり寿司20の右半部を手で持
ち、こののち前記と同様に外装フィルム3の左半部を持
って左側方へ引っ張ると、接着部8で接着された左内装
フィルム4と外装フィルム3の左半部と左内装フィルム
4に接着された一方の吸取シート21とが一緒に取り去
られる。このとき、左内装フィルム4は、その内面でい
なり寿司20の油揚げ17の表面と滑りながら左側方へ
移動して取り去られる。このため、いなり寿司20の左
半部も包装体1aから露出し、いなり寿司20の全体が
現れることになる。
【0059】以上の結果、包装体1aは簡単に開封する
ことができるので、簡易に食べることができるようにな
っている。すなわち、左右内装フィルム4、5を互いに
非接着で重合した状態で、その周縁部を外装フィルム3
と接着し、その非接着部位を通るようにして外装フィル
ム3を2分割に切断する開封用条体2を設けたことによ
り、外装フィルム3の各半部を分離する際に左内装フィ
ルム4と右内装フィルム5とを分割することができるよ
うになっている。このため、開封用条体2を取り去るこ
とで分離された外装フィルム3は、その各半部を引っ張
ることで同時に各内装フィルム4、5を分割して取り去
ることができる。したがって、簡単に開封することがで
きる。
【0060】なお、上記の場合、包装体1aの右半部を
先に取り去るようにしたが、図示したものでは左半部か
ら取り去ることが望ましい。すなわち、包装体1aは、
左内装フィルム4の右側端がいなり寿司20に接触して
いない状態で包装してあるので、この状態から包装体1
aの左半部を先に引っ張ることで、左内装フィルム4と
いなり寿司20との間に摩擦を発生させないようにする
ことができる。
【0061】そして、上記のいなり寿司用包装体1aに
あっては、包装状態にある時に、いなり寿司20の油揚
げ17から出た水分や油分が、包装体1a内に溜まった
り、外部に漏れたりしないようになっている。
【0062】すなわち、左内装フィルム4の左側端部の
中央部および右内装フィルム5の右側端部の中央部に吸
取シート21、21を接着したことにより、油揚げ17
からでた水分や油分は、吸取シート21、21に吸収さ
れるようになっている。
【0063】いなり寿司20が包装体1aで包装された
状態にある時には、例えば手で持ったりすることで外部
からいなり寿司20に圧力が加わると、油揚げ17に含
まれている水分や油分が滲み出てしまう。このとき、油
揚げ17から出た水分や油分は、包装体1a内において
吸取シート21、21に吸収されてこれに保持されるの
で、包装体1a内に水分や油分による液相が構成される
のを防止することができる。また、吸取シート21、2
1は包装体1aの両側端部に設けてあるので、油揚げ1
7から出た水分や油分が包装体1aの隙間から包装体1
aの外部に漏れるのを防止することができるようになっ
ている。
【0064】しかも、上記のいなり寿司用包装体1aに
あっては、開封時に、開封用条体2の除去を容易に、か
つ、確実にすることができるようになっている。
【0065】すなわち、包装体1aの両隅部に切欠部1
8、18、……を設けたことにより、図6に示したよう
に、開封用条体2が位置する短辺方向中央部での左上部
10と右上部11との重なり部Gを小さくすることがで
きるようになっている。この場合、包装体1aの両隅部
に、傾斜切欠部18aで形成される三角形状の切欠部1
8、18、……を設けたことにより、左上部10および
右上部11の各角部が無くなるので、これにより、包装
状態にあるときの包装体1aの角部どうしの重なりがな
くなることになる。このため、開封用条体2が外装フィ
ルム3を切断する線上には切断の障害となるものは、シ
ール19以外はほとんどなくなることになる。したがっ
て、開封時に、重なり部Gが開封用条体2の進行を妨げ
ないので、開封用条体2による外装フィルム3の切断が
容易となり、包装体1aの分断を確実にすることができ
る。
【0066】また、上記のいなり寿司用包装体1aにあ
っては、包装方向を増やすことができる。
【0067】すなわち、包装体1aの上下端の両隅部に
切欠部18、18、……を設けるとともに、開封用条体
2の上下端部に摘み部2aを設けたので、包装体1aの
左右上部10、11の外面側に左右下部12、13を重
ねるようにして包装することもできる。上記実施例の場
合では、包装体1の左右下部12、13の外面側に左右
上部10、11を重ねるようにしたので、包装体1の上
端の両隅部に設けた切欠部18、18が左右上部の1
0、11の重なり部Gを大きく減少させることになる。
これと同様に、包装体1の左右上部10、11の外面側
に左右下部12、13を重ねるように包装した場合で
も、包装体1の下端の両隅部に設けた切欠部18、18
が左右下部12、13の重なり部Gを大きく減少させる
ことになる。
【0068】したがって、上記の包装体1aは上下いず
れの半部からいなり寿司20に接触して被覆するように
しても、開封用条体2の線上での包装体1の重なり部G
を小さくすることができるので、包装作業時における包
装体1aの上下方向の判断を不要とすることができる。
【0069】しかも、接着部8、9の幅内に切欠部1
8、18、……を形成したことにより、外装フィルム3
と左右内装フィルム4、5との間に形成される袋状部の
密封性が確保されるようになるので、好適である。
【0070】次に、第3実施例を図11および図12に
基づいて説明する。図11はいなり寿司用包装体の内装
側を示す概略裏面図であり、図12は図11におけるC
−C線断面図である。すなわち、図11および図12に
示すいなり寿司用包装体1bは、上記第2実施例におけ
る左右内装フィルム4、5のうちいずれか一方の内装フ
ィルムを変形したものである。つまり、図示した包装体
1bに使用される右内装フィルム35には折返し部37
が形成されている。なお、他の構成は前記第2実施例と
同様であるので、同一の符号を付すことにより詳細な説
明は省略する。
【0071】図11および図12において、右内装フィ
ルム35は、前記第2実施例における右内装フィルム5
よりも幅の大きい縦長の方形状をなしている。この右内
装フィルム35は、その右側端を外装フィルム3の右側
端に、また、上下端を外装フィルム3の上下端にそれぞ
れ一致させた状態で、外装フィルム3の右半部内面を覆
うようにして配置される。このとき、右内装フィルム3
5の左側端は、左内装フィルム4の内面右側端側の部位
に非接着で重なった状態で配置される。
【0072】この右内装フィルム35には、左内装フィ
ルム4の右側端を越えた部位が内面側へ折り返されて折
返し部37が形成される。この場合、その折り目が開封
用条体2を越えるようにしておく。そして、右内装フィ
ルム35は、その右側端と、上下端の右端部から開封用
条体2の近傍に至る部位とが外装フィルム3に対して所
定の幅で接着されてシールされる。
【0073】そして、上記のように構成された包装体1
bにあっては、前記第2実施例で説明した作用の他に、
いなり寿司20に大きな力を与えることなく包装体1b
を取り去ることができるようになっている。
【0074】すなわち、右内装フィルム35の左側端に
は折返し部37が形成されているので、外装フィルム3
を分断したのち右半部側の包装体1bを引っ張った際
に、右内装フィルム35は、いなり寿司20に対して剥
がれるようにして右方向へ移動するようになっている。
【0075】つまり、前記第2実施例のように折返し部
が形成されていない場合には、右内装フィルム35は、
右半部の包装体1bを右側方へ引っ張ると、いなり寿司
20の表面と擦れるようにして側方へ移動するために、
その擦れる部位に引張り力が作用するようになる。しか
しながら、この第3実施例によれば、包装体1bの右半
部を右側方へ引っ張ると、右内装フィルム35は、いな
り寿司20の表面上において、折返し部37の左側端部
(折り目の部位)から右方へ向かって180°の方向へ
剥離しながら移動することになる。このため、包装体1
bを取り去る際にいなり寿司20に引張り力が加わらな
いようになるので、いなり寿司20の形状が崩れずに常
に整った状態で食することができるようになっている。
【0076】なお、上記の場合、左内装フィルム4は、
その右側端部が右内装フィルム35と外装フィルム3と
の間に位置していなり寿司20に接触していない状態に
してある。このため、開封の際には、包装体1bを分断
した後その左半部から先に取り去るようにすれば、左内
装フィルム4がいなり寿司20と擦れないので効果的で
ある。
【0077】次に、第4実施例を図13および図14に
基づいて説明する。図13はいなり寿司用包装体の内装
側を示す概略裏面図であり、図14は図13におけるD
−D線断面図である。すなわち、図13および図14に
示すいなり寿司用包装体1cは、前記第2実施例におけ
る左内装フィルム4および右内装フィルム5を変形した
ものである。つまり、図示した包装体1cに使用される
左内装フィルム54および右内装フィルム55には折返
し部56、57が形成されている。なお、他の構成は前
記第2実施例と同様であるので、同一の符号を付すこと
により詳細な説明は省略する。
【0078】図13および図14において、左内装フィ
ルム54は、前記第2実施例における左内装フィルム4
よりも幅の大きい縦長の方形状をなしている。この左内
装フィルム54は、その左側端を外装フィルム3の左側
端に、また、上下端を外装フィルム3の上下端にそれぞ
れ一致させた状態で、外装フィルム3の左半部内面を覆
うようにして配置される。そして、左内装フィルム54
は、その左側端と、上下端の左端部から開封用条体2の
近傍に至る部位とが外装フィルム3に対して所定の幅で
接着されてシールされる。
【0079】右内装フィルム55は、前記第2実施例に
おける右内装フィルム5よりも幅の大きい縦長の方形状
をなしている。この右内装フィルム55は、その右側端
を外装フィルム3の右側端に、また、上下端を外装フィ
ルム3の上下端にそれぞれ一致させた状態で、外装フィ
ルム3の右半部内面を覆うようにして配置される。そし
て、右内装フィルム55は、その右側端と、上下端の右
端部から開封用条体2の近傍に至る部位とが外装フィル
ム3に対して所定の幅で接着されてシールされる。
【0080】そして、右内装フィルム55の左側端は、
左内装フィルム54の内面右側端側の部位に非接着で重
なった状態で配置される。前記左内装フィルム54に
は、右内装フィルム55の左側端を越えた部位が内面側
へ折り返されて折返し部56が形成され、また、右内装
フィルム55には、左内装フィルム54の折り目を越え
た部位が内面側へ折り返されて折返し部57が形成され
る。この場合、左右内装フィルム54、55の各折り目
は、開封用条体2を越えるようにしてあって、左内装フ
ィルム54と右内装フィルム55とは、外装フィルム3
の短辺方向中央部で非接着で重なった状態で配置される
ようにしておく。したがって、左右内装フィルム54、
55は、その重合部分を除く周縁部が外装フィルム3に
対して接着されることとなる。
【0081】そして、上記のように構成された包装体1
cにあっては、前記第2実施例で説明した作用の他に、
いなり寿司20にまったく引張り力を作用させることな
く包装体1cを取り去ることができるようになってい
る。
【0082】すなわち、右内装フィルム55の左側端に
は折返し部57が形成されているので、外装フィルム3
を分断したのち包装体1cの右半部側を引張った際に、
右内装フィルム55は、いなり寿司20に対して剥がれ
るようにして右方向へ移動するようになっている。
【0083】また、包装体1cの右半部を右側方へ引っ
張ると、右内装フィルム55は、いなり寿司20の表面
上において、折返し部57の左側端部(折り目の部位)
から右方へ向かって180°の方向へ剥離しながら移動
することになる。このため、包装体1cを取り去る際に
いなり寿司20に大きな引張り力が加わらないようにな
るので、いなり寿司20の形状が崩れずに常に整った状
態で食することができるようになっている。
【0084】そして、この第4実施例によれば、包装体
1cの分断後に左右いずれの半部から取り去っても、内
容物であるいなり寿司20には大きな力が作用しないよ
うになっている。
【0085】すなわち、左内装フィルム54および右内
装フィルム55に折返し部56、57が形成されている
ので、包装体1cの左右いずれの半部を先に引っ張って
も、各内装フィルム54、55は、いなり寿司20に対
して剥がれるようにして側方へ移動するようになってい
る。
【0086】なお、図に示したものにあっては、左内装
フィルム54の折返し部56が右内装フィルム55の折
返し部57よりも外面側に位置しているので、包装体1
cは左半部から取り去ることが望ましい。すなわち、包
装体1cは、左内装フィルム54の右側端がいなり寿司
20に接触していない状態で包装してあるので、この状
態から包装体1cの左半部を先に引っ張ることで、左内
装フィルム54といなり寿司20との間が擦れないよう
にすることができる。
【0087】図に示したものにあっては、右内装フィル
ム55の折返し部57がいなり寿司20と接触した状態
で包装されることになるが、この場合、先に包装体1c
の右半部を取り去り、後で残りの左半部を取り去るよう
にしても、右内装フィルム55がいなり寿司20を擦る
ことはない。
【0088】まず、先に包装体1cの右半部を右側方へ
引っ張ると、右内装フィルム55の折返し部57がいな
り寿司20から剥離しながら移動して取り去られること
となるので、いなり寿司20との間が擦れないようにな
っている。このように包装体1cの右半部を取り去る
と、今度は、左内装フィルム54の折返し部56がいな
り寿司20に接触することになる。この後、包装体1c
の左半部を左側方へ引っ張ると、左内装フィルム54
は、前記右内装フィルム55の場合と同様に、折返し部
56がいなり寿司20から剥離しながら移動して取り去
られることとなるので、いなり寿司20との間が擦れな
いようになっている。したがって、包装体1cを取り去
る際に、左右いずれの半部から引っ張っても、いなり寿
司20は左右内装フィルム54、55と擦れることがな
いので、いなり寿司20の形状を崩さずに開封すること
ができるようになっている。
【0089】なお、前記第1〜第4実施例において、外
装フィルム3および左右内装フィルム4、5、35、5
4、55の材質は特に限定されるものではない。例え
ば、ポリプロピレン製であっても、また、ポリエチレン
製であってもよく、汎用フィルムを使用することができ
る。特に、湿気を通さないものであれば好適である。
【0090】また、外装フィルム3の形状は、前記第1
〜第4実施例に示したものに限定されるものではなく、
いなり寿司20を被覆可能な大きさ、形状をなしてあれ
ば良いものである。さらに、左右内装フィルム4、5、
35、54、55も、いなり寿司20を被覆可能な大き
さ、形状をなしているものであれば、前記第2乃至第4
実施例に示したものに限定されない。そして、前記第1
〜第4実施例においては、一例として三角形状のいなり
寿司20を包む包装体1、1a、1b、1cを示した
が、包装体1、1a、1b、1cは、いなり寿司20の
形状に応じて変形可能である。したがって、図示したも
ののように三角形状のいなり寿司20に限らず、他の形
状例えば俵状のいなり寿司でも包装することができるも
のである。
【0091】さらに、前記第1〜第4実施例において
は、開封手段は、外装フィルム3に開封用条体2を接着
したものを示したが、これに限定されない。例えば、外
装フィルム3の上下端間に所定間隔で対をなしたミシン
目を付与し、このミシン目間で条体ないしは帯体を形成
しても良い。特に、外装フィルム3を延伸フィルムで形
成した場合には、開封手段は、開封用条体2を設けなく
て、外装フィルム3の上下端のうちの少なくとも一方端
に一対のノッチ16、16を設けるだけでもよい。例え
ば、外装フィルム3を、一軸延伸フィルムまたは二軸延
伸フィルムで形成したり、あるいは一軸延伸フィルムと
無配向フィルムとの積層品または二軸延伸フィルムと無
配向フィルムとの積層品で形成したりした場合には、開
封用条体2がなくてもノッチ16、16間で形成される
摘み部2aを持って引っ張るだけで、そのノッチ16、
16間の幅で縦方向に外装フィルム3を切断することが
できるので、開封の容易性は維持される。また、このよ
うに、外装フィルム3に延伸フィルムを用いた場合に
は、開封手段は、ノッチ16、16を設けなくて開封用
条体2だけであってもよい。また、ノッチ16、16間
に相当する部位を外方に延出してべろ部としても良い。
【0092】また、吸取シート21、21の幅の半幅を
接着するのではなく全幅を接着するのでも良く、接着幅
および接着箇所は前記第1〜第4実施例の場合に限定さ
れない。例えば、包装体1、1a、1b、1cの内面側
において、その周縁部のうち開封用条体2を除く部位に
所定幅の吸取シート21を接着してもよい。さらに、第
1実施例においては、開封用条体2の部位を除いた外装
フィルム3の部位の全面に吸取シート21を設けてもよ
く、また、第2〜第4実施例においては、各内装フィル
ム4、5の全面に吸取シート21を設けてもよいもので
ある。
【0093】また、前記第1〜第4実施例においては、
外装フィルム3と吸取シート21との間、外装フィルム
3と内装フィルム4、5、35、54、55との間、内
装フィルム4、5、35、54、55と吸取シート21
との間は、それぞれ接着したものを示したがこれに限定
されるものではない。すなわち、外装フィルム3、各内
装フィルム4、5、35、54、55又は吸取シート2
1をそれぞれ熱融着可能な材質で形成すれば、例えば超
音波融着法等を用いることにより、各フィルム3、4、
5、35、54、55と吸取シート21との間を融着し
て一体にすることができるので、好適である。
【0094】さらに、前記第1〜第4実施例において
は、包装体1、1a、1b、1cの四隅に設けた切欠部
18、18、……は、それぞれ傾斜切欠部18aで三角
形状に形成したものを示したがこれに限定されるもので
はない。各切欠部18は、例えば図15に示すように、
開封方向を向く平行切欠部18bと、この平行切欠部1
8bと連なって側面に至る傾斜切欠部18aとで形成
し、全体として略台形状に形成してもよい。また、この
ように包装体1、1a、1b、1cの四隅に切欠部1
8、18、……を設ける場合にあっては、包装体1、1
a、1b、1cの上下端のうちいずれか一方端の両隅部
に三角形状の切欠部18、18を、また、いずれか他方
端の両隅部に台形状の切欠部18、18を設けてもよ
い。また、前記第1〜第4実施例においては、切欠部1
8を包装体1、1a、1b、1cの上下端の両隅部に設
けたが、上端または下端のいずれか一方だけであっても
よいことはもちろんのことである。さらに、いなり寿司
を包装した後の底部の両隅部をシールすることにより油
揚げの水分や油分が滲み出ることを完全に防止すること
ができる。
【0095】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、開封手
段を有する外装フィルムと、その内面側の少なくとも両
側端部に一体に設けた吸取シートとを具えてあることに
より、水分や油分を多く含んだいなり寿司を好適に包装
することができる。すなわち、いなり寿司を包装した状
態にあるときには、油揚げから出た水分や油分は、吸取
シートに吸収されるので、包装体内に溜まったり、外部
に漏れたりすることがなくなる。この結果、多様化する
ニーズに応えることができることとなる。さらに、包装
した状態での底部の両隅部をシールすることで油揚げの
水分や油分が滲み出ることは完全に防止できる。
【0096】しかも、開封手段により容易に包装体を開
封することができるので、内容物であるいなり寿司を簡
便に食べることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるいなり寿司用包装体の第1実施
例を示す裏面図である。
【図2】図1における表面図である。
【図3】図1におけるA−A線断面図である。
【図4】図1に示すいなり寿司用包装体を用いていなり
寿司を包む際の第1段階を示す図である。
【図5】図1に示すいなり寿司用包装体を用いていなり
寿司を包む際の第2段階を示す図である。
【図6】図1に示すいなり寿司用包装体を用いていなり
寿司を包んだ状態を示す図である。
【図7】いなり寿司を包んだいなり寿司用包装体の半部
を取り去っていなり寿司が露出した状態を示す図であ
る。
【図8】この発明によるいなり寿司用包装体の第2実施
例を示す裏面図である。
【図9】図8における表面図である。
【図10】図8におけるB−B線断面図である。
【図11】この発明によるいなり寿司用包装体の第3実
施例を示す図である。
【図12】図11におけるC−C線断面図である。
【図13】この発明によるいなり寿司用包装体の第4実
施例を示す図である。
【図14】図13におけるD−D線断面図である。
【図15】切欠部の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1、1a、1b、1c……いなり寿司用包装体 2……開封用条体 2a……摘み部 3……外装フィルム 4、54……左内装フィルム 5、35、55……右内装フィルム 8、9、14、15……接着部 10……左上部 11……右上部 12……左下部 13……右下部 16……ノッチ 17……油揚げ 18……切欠部 18a……傾斜切欠部 18b……平行切欠部 19……シール 20……いなり寿司 21……吸取シート 37、56、57……折返し部 G……重なり部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/10

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開封手段を有するとともに、いなり寿司
    (20)を被覆可能な大きさをなす外装フィルム(3)
    と、前記いなり寿司と接触する外装フィルム(3)の面
    の両側端部の中央部に一体に設けられる吸取シート(2
    1、21)とを具えたことを特徴とするいなり寿司用包
    装体。
  2. 【請求項2】 開封手段を有するとともに、いなり寿司
    (20)を被覆可能な大きさをなす外装フィルム(3)
    と、一部を重合するとともに、その重合した部分を除く
    周縁部が前記外装フィルム(3)に一体に設けられる左
    右内装フィルム(4、54)(5、35、55)と、前
    記左右内装フィルム(4、54)(5、35、55)の
    内面に一体に設けられる吸取シート(21、21)とを
    具え、前記吸取シート(21、21)は、前記左内装フ
    ィルム(4、54)内面の左側端部の中央部と、前記右
    内装フィルム(5、35、55)内面の右側端部の中央
    部とにそれぞれ設けてあることを特徴とするいなり寿司
    用包装体。
  3. 【請求項3】 前記左右内装フィルム(4、54)
    (5、35、55)のうちの少なくとも一方の内装フィ
    ルム(54)(35、55)に折返し部(56)(3
    7、57)を設け、この折返し部(56)(37、5
    7)を内面側に位置させた状態で前記左右内装フィルム
    (4、54)(5、35、55)を互いに重ね合わせて
    ある請求項2記載のいなり寿司用包装体。
  4. 【請求項4】 前記包装体(1)(1a)(1b)(1
    c)の上端又は下端の少なくとも一方端の両隅部に切欠
    部(18、18)を設けてある請求項1または請求項2
    記載のいなり寿司用包装体。
  5. 【請求項5】 前記外装フィルム(3)又は左右内装フ
    ィルム(4、54)(5、35、55)と、前記吸取シ
    ート(21、21)との間は、接着して一体にしてある
    請求項2に記載のいなり寿司用包装体。
  6. 【請求項6】 前記外装フィルム(3)又は左右内装フ
    ィルム(4、54)(5、35、55)と、前記吸取シ
    ート(21、21)との間は、融着して一体にしてある
    請求項2に記載のいなり寿司用包装体。
  7. 【請求項7】 前記外装フィルム(3)は延伸フィルム
    で形成されるとともに、延伸方向の端部に延出するべろ
    部が形成され、これにより開封手段が形成されている請
    求項1または請求項2記載のいなり寿司用包装体。
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