JP3299613B2 - いなり寿司用包装体 - Google Patents

いなり寿司用包装体

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JP3299613B2 JP31820793A JP31820793A JP3299613B2 JP 3299613 B2 JP3299613 B2 JP 3299613B2 JP 31820793 A JP31820793 A JP 31820793A JP 31820793 A JP31820793 A JP 31820793A JP 3299613 B2 JP3299613 B2 JP 3299613B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はいなり寿司用包装体に
関し、特に、水分や油分を多く含む油揚げ等の巻装物で
包まれたご飯を一緒に包装するのに適し、開封が容易な
いなり寿司用包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】一般に、コンビニエン
スストア等においては、例えばおにぎりや巻寿司等のよ
うに、1個ずつ単品で購入できて手軽に食することがで
きる商品が各種販売されている。そして、これらを包装
する包装体も、包装される内容物の形状に応じて様々な
形態をなすものが出回っている。
【0003】しかしながら、今日のニーズの多様化に伴
っていなり寿司を商品として取り扱う必要性が高まって
いるけれども、既存の包装体ではいなり寿司を好適に包
装することができなかった。
【0004】すなわち、いなり寿司に使用される油揚げ
は水分や油分を多く含んでいるために、既存の包装体で
は、いなり寿司を包んだ後、油揚げから水分や油分が滲
み出て包装体の外側に漏れてしまう恐れがあった。
【0005】特に、いなり寿司が包装体で包装された状
態にあるときに、運搬したり、店内の陳列棚に並べたり
するときに、例えば手で持つことによって、包装体の外
部からいなり寿司に圧力が加わると、油揚げに含まれる
水分や油分が容易に滲み出てしまう。このようになる
と、油揚げから出た水分や油分が、包装体内に溜まった
り、包装体の隙間から外部に漏れたりするので、包装状
態の外観を損なうとともに、商品価値を著しく低下させ
てしまうといった問題が生じる。
【0006】また、包装体は、いなり寿司を簡便に食す
ることができるように開封を容易にすることも重要なこ
とである。したがって、いなり寿司を適切に包装するこ
とができる簡便な包装体の出現が強く要望されているの
が現状である。
【0007】この発明は上記の要望に応えるものであっ
て、包装したいなり寿司の油揚げから出る水分や油分が
外部に漏れないようにすることができて、しかも、簡便
に食することができるいなり寿司用包装体を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【問題点を解決するための手段】この発明は、上記の課
題を解決するために、開封手段を有するとともに、いな
り寿司を被覆可能な大きさをなす外装フィルムと、この
外装フィルム内面の少なくとも両側端部に一体に設けら
れる吸取シートとを具えた手段を採用したものである。
また、開封手段を有するとともに、いなり寿司を被覆可
能な大きさをなす外装フィルムと、一部を重合するとと
もに、その重合した部分を除く周縁部が前記外装フィル
ムに一体に設けられる左右内装フィルムと、前記左右内
装フィルムの内面に一体に設けられる吸取シートとを具
え、前記吸取シートは、前記左内装フィルム内面の少な
くとも左側端部と、前記右内装フィルム内面の少なくと
も右側端部とに設けてある手段を採用したものである。
さらに、前記左右内装フィルムのうちの少なくとも一方
の内装フィルムに折返し部を設け、この折返し部を内面
側に位置させた状態で前記左右内装フィルムを互いに重
ね合わせてある手段を採用したものである。さらに、前
記包装体の上端又は下端の少なくとも一方端の両隅部に
切欠部を設けてある手段を採用したものである。さら
に、前記外装フィルム又は左右内装フィルムと、前記吸
取シートとの間は、接着して一体にしてある手段を採用
したものである。さらに、前記外装フィルム又は左右内
装フィルムと、前記吸取シートとの間は、融着して一体
にしてある手段を採用したものである。
【0009】
【0010】
【作用】この発明は上記の手段を採用したことにより、
いなり寿司を適切に包装することができるようになって
いる。
【0011】通常、いなり寿司の油揚げは水分や油分を
多く含んでいるので、いなり寿司が包装状態にあるとき
には、外部からの圧力等によって油揚げから水分や油分
が滲み出て包装体内に溜まることがある。この発明にあ
っては、包装体内に吸取シートを有しているので、いな
り寿司が包装体で包装されているときには、油揚げから
出た水分や油分は吸取シートに吸収されることになり、
包装体内に溜まることはない。また、吸取シートは包装
体の側端部に設けられているので、油揚げから出た水分
や油分が、包装体の隙間から漏れないようにすることが
できる。
【0012】また、外装フィルムには開封手段を有して
いるので包装体の開封が容易であり、内容物であるいな
り寿司を簡便に食することができるようになっている。
したがって、この発明による包装体は、従来には無いい
なり寿司用として好適な包装を可能とすることができる
ものである。
【0013】
【実施例】以下、図面に示すこの発明の実施例を説明す
る。図1乃至図3は、この発明によるいなり寿司用包装
体の第1実施例を示してある。図1はいなり寿司用包装
体の概略裏面図であり、図2は図1に示すいなり寿司用
包装体の概略表面図であり、図3は図1におけるA−A
線断面図である。
【0014】すなわち、図1乃至図3に示すいなり寿司
用包装体1は、開封用条体2が接着された外装フィルム
3と、その内面両側端部の上下端間に接着される吸取シ
ート21、21とからなる。
【0015】図1乃至図3において、外装フィルム3
は、汎用フィルムが使用され、いなり寿司20を被覆可
能な大きさで縦長の方形状をなすように形成されたもの
である。
【0016】この外装フィルム3には開封手段が設けら
れていて、この開封手段は、開封用条体2とノッチ16
とで形成される。開封用条体2は、外装フィルム3の内
面側の短辺方向中央部に、その上端部から下端部に至る
ように配置されて接着される。このとき、開封用条体2
は、容易に切断されない程度に一定の強度を有したもの
が使用される。
【0017】ノッチ16は、開封用条体2が位置する外
装フィルム3の部位のうち上下両端部側に、開封用条体
2を挟んだ状態で対をなして設けられる。この場合、ノ
ッチ16、16は、外装フィルム3の上下端部に設けた
ものを示したが、いずれか一方の端部だけに設けてもよ
い。つまり、ノッチ16、16は少なくとも開封始端側
となる端部に設けてあればよいものである。
【0018】そして、このノッチ16、16の存在によ
り、開封用条体2の端部が摘み部2aとして形成される
とともに、外装フィルム3の切断の契機となり、同時
に、開封初期の切断方向が案内される。このため、ノッ
チ16、16により形成される一方端の摘み部2aを摘
んでこれを他方端へ向かって引っ張ると、外装フィルム
3に対する開封用条体2の初期の進行が容易となるの
で、外装フィルム3の切断をスムーズにすることができ
る。このとき、開封用条体2は外装フィルム3の上下端
間に設けられているので、開封用条体2を引っ張って除
去することで外装フィルム3が縦に切断されて2つに分
断されることとなる。
【0019】外装フィルム3の内面側の左側端部および
右側端部には、その上端部から下端部に至る所定幅の吸
取シート21、21が接着されて設けられる。この吸取
シート21は、水分や油分を吸収することができる例え
ば繊維質等の材質が用いられて、帯状に形成されている
ものである。そして、開封用条体2を取り去って外装フ
ィルム3を幅方向中央部で縦に切断すると、外装フィル
ム3の左半部とその左側端部に接着された一方の吸取シ
ート21とが接着部8で一体になったものと、外装フィ
ルム3の右半部とその右側端部に接着された他方の吸取
シート21とが接着部9で一体になったものとに分割す
ることができるようになっている。
【0020】このいなり寿司用包装体1の隅部には切欠
部18、18、……を設ける。この切欠部18、18、
……は、各々傾斜切欠部18aによって、それぞれ包装
体1の上下端の両隅部に形成される。このとき、各傾斜
切欠部18aは、包装体1の上端又は下端から斜め方向
で側端部に至るようにし、それぞれ直線状に形成され
る。
【0021】上記のように構成されたいなり寿司用包装
体1を用いていなり寿司20を被覆して包装するには、
内容物であるいなり寿司20は、食するのに手頃な大き
さで三角形状に握ってあるものが使用される。ここで
は、いなり寿司20は、一側に開口する袋状の三角形状
をなした巻装物である例えば油揚げ17の内部に、いな
り寿司用ご飯を詰め込んで全体として三角形状をなすよ
うに握ってある。
【0022】まず、外装フィルム3の内面側にいなり寿
司20を接触させる。このとき、いなり寿司20は、包
装体1の内面下端部に位置させる。いなり寿司20は、
図4に示すように、その一の頂部を下方に向けた状態で
包装体1の短辺方向中央部に配置し、かつ、そのとき、
いなり寿司20は長辺方向中央部よりも下端側に偏った
部位に位置される。
【0023】そして、いなり寿司20を外装フィルム3
に接触させた状態で、包装体1の左右下部12、13を
折り曲げて被覆する。まず、包装体1の右下部13は、
いなり寿司20の右下斜面に沿って図4中のa方向へ折
り曲げられ、その折り曲げられた部位をいなり寿司20
に接触させる。同様に、包装体1の左下部12は、いな
り寿司20の左下斜面に沿って図中のb方向へ折り曲げ
られ、その折り曲げられた部位をいなり寿司20に接触
させる。
【0024】次いで、包装体1の上端部側の半部でいな
り寿司20を被覆する。つまり、包装体1の上半部をい
なり寿司20の上面に沿って図4中のc方向へ折り曲
げ、その折り曲げられた部位をいなり寿司20に接触さ
せ、図5に示すような状態にする。続いて、包装体1の
左右上部10、11を折り曲げる。まず、包装体1の右
上部11は、いなり寿司20の右下斜面に沿って図5中
のd方向へ折り曲げられ、その折り曲げられた部位を右
下部13の外面に重ねる。同様に、包装体1の左上部1
0は、いなり寿司20の左下斜面に沿って図中のe方向
へ折り曲げられ、その折り曲げられた部位を左下部12
の外面に重ねる。このとき、包装体1は、図6に示すよ
うに、右上部11と右下部13との間、左上部10と左
下部12との間は、それぞれ点状に接着して保持するの
が好ましい。
【0025】この結果、包装体1は、図6に示すよう
に、いなり寿司20の全面を覆うように包むことにな
る。このとき、包装体1の左上部10と右上部11との
間は、ラベル等の紙製のシール19が跨ぐように貼られ
て止着され、これにより、包装体1は、いなり寿司20
を覆った状態で保持される。この場合、図示したよう
に、シール19の一部を外装フィルム3にも接触するよ
うに貼着すると、包装体1の止着がより完全になるので
好ましい。
【0026】次に、上記のものの作用を説明する。上記
のように包装体1で包装された内容物を食する場合に
は、開封用条体2を取り去って外装フィルム3を2つに
分断したのち、包装体1の左右各半部を引っ張る。する
と、いなり寿司20が露出してこれを取り出すことがで
きるようになっている。
【0027】まず、いなり寿司20を包装してある包装
体1を開封するには、包装体1の上端側でノッチ16、
16により摘み部2aとして形成された開封用条体2の
端部を持って、これをいなり寿司20の表面に沿って、
包装体1の下端側に位置する摘み部2a側へ向かって引
っ張る。すると、外装フィルム3は、開封用条体2の進
行に伴って、当該開封用条体2に沿って切断され、また
は開封用条体2と一体となって一部が取り去られるよう
になる。この結果、外装フィルム3は、その短辺方向中
央部において縦方向に真っ直ぐに切断され、包装体1が
左半部と右半部とに2分割されることとなる。
【0028】こののち、外装フィルム3の右半部の右端
頂部を持って右側方へ引っ張ると、外装フィルム3の右
半部と他方の吸取シート21とが一緒に取り去られる。
このとき、外装フィルム3の右半部は、その内面でいな
り寿司20の油揚げ17の表面と滑りながら右側方へ移
動して取り去られる。このため、図7に示すように、い
なり寿司20の右半部が包装体1から露出することにな
る。
【0029】次いで、いなり寿司20の油揚げ17を、
その右半部側に内包してあるいなり寿司用ご飯に押し付
けた状態で手で持ち、こののち前記と同様に外装フィル
ム3の左半部の左端頂部を持って左側方へ引っ張ると、
外装フィルム3の左半部と一方の吸取シート21とが一
緒に取り去られる。このとき、外装フィルム3の左半部
は、その内面でいなり寿司20の油揚げ17の表面と滑
りながら左側方へ移動して取り去られることになる。こ
のため、いなり寿司20の左半部も露出し、いなり寿司
20全体が現れることになる。
【0030】以上の結果として、いなり寿司20を包装
した包装体1は簡単に開封することができるので、簡易
に食することができるようになっている。もちろん、内
容物であるいなり寿司20を食する際には、上述したよ
うな開封方法に拠らなくてもよい。例えば、開封用条体
2を取り去って包装体1の右半部だけを除去した後、包
装体1の左半部を介していなり寿司20を手で持ち、そ
の状態で、露出しているいなり寿司20の右半部側から
直接食べるようにしてもよい。このようにすれば、油揚
げ17の油分で手を汚さずにいなり寿司20を食するこ
とができる。なお、上記の場合、包装体1の右半部を先
に取り去るようにしたが、左半部から取り去ってもよい
ことは言うまでもないことである。
【0031】そして、上記のいなり寿司用包装体1にあ
っては、包装状態にある時に、いなり寿司20の油揚げ
17から出た水分や油分が、包装体1内に溜まったり、
外部に漏れたりしないようにすることができるようにな
っている。
【0032】すなわち、外装フィルム3の内面側の両側
端部に吸取シート21、21を接着したことにより、油
揚げ17から出た水分や油分は、吸取シート21に吸収
されるようになっている。
【0033】いなり寿司20が包装体1で包装された状
態にある時には、例えば手で持ったりすることで外部か
らいなり寿司20に圧力が加わると、油揚げ17に含ま
れている水分や油分が滲み出てしまう。この場合、従来
では、油揚げ17から出た水分や油分が、流れ落ちて包
装体1の内側底部に溜まったり、包装体1どうしが重な
りあっている部分の隙間から漏れたりすることがあっ
た。
【0034】この点、上記の包装体1にあっては、油揚
げ17から滲み出た水分や油分は、包装体1内において
吸取シート21、21に吸収されてこれに保持されるの
で、包装体1内に水分や油分による液相が構成されるの
を防止することができる。また、吸取シート21、21
は、包装体1の両側端部に位置しているので、油揚げ1
7から出た水分や油分が包装体1の隙間から外部に漏れ
るのを防止することができるようになっている。したが
って、水分や油分を多く含んだ油揚げ17で包まれたい
なり寿司20でも好適に包装することができることとな
る。
【0035】しかも、上記のいなり寿司用包装体1にあ
っては、開封時に、開封用条体2の除去を容易に、か
つ、確実にすることができるようになっている。
【0036】すなわち、包装体1の両隅部に切欠部1
8、18、……を設けたことにより、図6に示すよう
に、開封用条体2が位置する短辺方向中央部での左上部
10と右上部11との重なり部Gを小さくすることがで
きるようになっている。この場合、包装体1の両隅部
に、傾斜切欠部18aで形成される三角形状の切欠部1
8、18、……を設けたことにより、左上部10および
右上部11の各角部が無くなるので、これにより、包装
状態にあるときの包装体1の角部どうしの重なりがなく
なることになる。このため、開封用条体2が外装フィル
ム3を切断する線上には切断の障害となるものは、シー
ル19以外はほとんどなくなることになる。したがっ
て、開封時に、重なり部Gが開封用条体2の進行を妨げ
ないので、開封用条体2による外装フィルム3の切断が
容易となり、包装体1の分断を確実にすることができ
る。
【0037】また、上記のいなり寿司用包装体1にあっ
ては、包装方向を増やすことができる。
【0038】すなわち、包装体1の上下端の両隅部に切
欠部18、18、……を設けるとともに、開封用条体2
の上下端部に摘み部2aを設けたので、包装体1の左右
上部10、11の外面側に左右下部12、13を重ねる
ようにして包装することもできる。上記実施例の場合で
は、包装体1の左右下部12、13の外面側に左右上部
10、11を重ねるようにしてあるので、包装体1の上
端の両隅部に設けた切欠部18、18が左右上部の1
0、11の重なり部Gを大きく減少させることになる。
これと同様に、包装体1の左右上部10、11の外面側
に左右下部12、13を重ねるように包装した場合で
も、包装体1の下端の両隅部に設けた切欠部18、18
が左右下部12、13の重なり部Gを大きく減少させる
ことになる。
【0039】したがって、上記の包装体1は上下いずれ
の半部からいなり寿司20に接触して被覆するようにし
ても、開封用条体2の線上での包装体1の重なり部Gを
小さくすることができるので、包装作業時における包装
体1の上下方向の判断を不要とすることができる。
【0040】次に、第2実施例を図8乃至図10に基づ
いて説明する。図8はいなり寿司用包装体の内装側を示
す概略裏面図であり、図9は図8に示すいなり寿司用包
装体の外装側を示す概略表面図であり、図10は図8に
おけるB−B線断面図である。
【0041】すなわち、図8乃至図9に示すいなり寿司
用包装体1aは、開封用条体2が接着された外装フィル
ム3と、この内面側に重ね合わせられる左右内装フィル
ム4、5と、吸取シート21、21とからなる。左右内
装フィルム4、5は一部を互いに非接着で重合し、その
重合した部分を除く周縁部を外装フィルム3に接着して
ある。このとき、吸取シート21は、左内装フィルム4
の左側端部と右内装フィルム5の右側端部とに接着して
ある。なお、前記第1実施例と同様の構成の部位には、
同一の符号を付してある。
【0042】図8乃至図10において、外装フィルム3
は、汎用フィルムが使用され、いなり寿司20を被覆可
能な大きさで縦長の方形状をなすように形成されたもの
である。
【0043】この外装フィルム3には開封手段が設けら
れていて、この開封手段は、開封用条体2とノッチ16
とで形成される。開封用条体2は、外装フィルム3の内
面側の短辺方向中央部に、その上端部から下端部に至る
ように配置されて接着される。このとき、開封用条体2
は、容易に切断されない程度に一定の強度を有したもの
が使用される。
【0044】ノッチ16は、開封用条体2が位置する外
装フィルム3の部位のうち上下両端部側に、開封用条体
2を挟んだ状態で対をなして設けられる。この場合、ノ
ッチ16、16は、外装フィルム3の上下端部に設けた
ものを示したが、いずれか一方の端部だけに設けてもよ
い。つまり、ノッチ16、16は少なくとも開封始端側
となる端部に設けてあればよいものである。
【0045】そして、このノッチ16、16の存在によ
り、開封用条体2の端部が摘み部2aとして形成される
とともに、外装フィルム3の切断の契機となり、同時
に、開封初期の切断方向が案内される。このため、ノッ
チ16、16により形成される一方端の摘み部2aを摘
んでこれを他方端へ向かって引っ張ると、外装フィルム
3に対する開封用条体2の初期の進行が容易となるの
で、外装フィルム3の切断をスムーズにすることができ
る。このとき、開封用条体2は外装フィルム3の上下端
間に設けられているので、開封用条体2を引っ張って除
去することで外装フィルム3が縦に切断されて2つに分
断されることとなる。
【0046】外装フィルム3に左内装フィルム4および
右内装フィルム5を接着することにより、各フィルム
3、4、5間で袋状に形成される。そして、左内装フィ
ルム4および右内装フィルム5の内面側でいなり寿司2
0の全面を被覆することができるようになっている。
【0047】左右内装フィルム4、5は、汎用性フィル
ムが使用されて、縦長の方形状に形成されているもので
ある。ここでは、各内装フィルム4、5は、その幅が外
装フィルム3の縦半部の幅よりも若干長いものが使用さ
れる。
【0048】左内装フィルム4は、その左側端を外装フ
ィルム3の左側端に、また、上下端を外装フィルム3の
上下端にそれぞれ一致させるとともに、右側端が開封用
条体2を越える状態で配置し、これにより、左内装フィ
ルム4で外装フィルム3の左半部内面側の全域を覆うよ
うにしてある。そして、左内装フィルム4は、その左側
端と、上下端の左端部から開封用条体2の近傍に至る部
位とが外装フィルム3に対して所定幅で接着されてシー
ルされる。
【0049】右内装フィルム5は、その右側端を外装フ
ィルム3の右側端に、また、上下端を外装フィルム3の
上下端にそれぞれ一致させるとともに、左側端が開封用
条体2を越える状態で配置し、これにより、右内装フィ
ルム5で外装フィルム3の右半部内面側の全域を覆うよ
うにしてある。そして、右内装フィルム5は、その右側
端と、上下端の右端部から開封用条体2の近傍に至る部
位とが外装フィルム3に対して所定幅で接着されてシー
ルされる。
【0050】この場合、左内装フィルム4の右側端側の
部位と、右内装フィルム5の左側端側の部位とは、外装
フィルム3の短辺方向中央部で互いに非接着で重なった
状態で配置され、その重合部分が縦方向を向くようにし
てある。そして、その左右内装フィルム4、5の重合部
分に対応した部分に開封用条体2が位置するようにして
ある。したがって、両内装フィルム4、5と外装フィル
ム3とが協働することにより、包装体1aは全体として
袋状に形成されるようになっている。
【0051】そして、左内装フィルム4と右内装フィル
ム5とはその重合部分が互いに非接着であるので、開封
用条体2を取り去って外装フィルム3を2つに分断する
と、両内装フィルム4、5は互いに左右方向へ分割可能
となる。この場合、開封用条体2を取り去ることで外装
フィルム3を幅方向中央部で縦に切断すると、外装フィ
ルム3の左半部と左内装フィルム4とが接着部8で一体
になったものと、外装フィルム3の右半部と右内装フィ
ルム5とが接着部9で一体になったものとに分割するこ
とができるようになっている。
【0052】左内装フィルム4の左側端部および右内装
フィルム5の右側端部には、その上端部から下端部に至
る所定幅の吸取シート21、21が接着されて設けられ
る。このため、外装フィルム3を縦に切断した際、外装
フィルム3の左半部と左内装フィルム4と一方の吸取シ
ート21とが一体になったものと、外装フィルム3の右
半部と右内装フィルム5と他方の吸取シート21とが一
体になったものとに分割が可能となる。このとき、吸取
シート21は、水分や油分を吸収することができる例え
ば繊維質等の材質が用いられて、帯状に形成される。
【0053】この包装体1aの隅部には切欠部18、1
8、……を設ける。この切欠部18、18、……は、各
々傾斜切欠部18aによって、それぞれ包装体1aの上
下端の両隅部において接着部8、9の幅内に位置してあ
る。このとき、各傾斜切欠部18aは、包装体1の上端
又は下端から斜め方向で側端部に至るようにし、それぞ
れ直線状に形成される。
【0054】上記のように構成されたいなり寿司用包装
体1aを用いていなり寿司20を被覆して包装するに
は、まず、左右内装フィルム4、5の内面側にいなり寿
司20を接触させる。このとき、いなり寿司20は、包
装体1の内面下端部に位置させて被覆される。そして、
前記第1実施例のものと同様に、図4および図5で説明
したようにして、包装体1の左右下部12、13を折り
曲げたのち、包装体1の上端部側の半部でいなり寿司2
0を被覆し、次いで、包装体1の左右上部10、11を
折り曲げる。この結果、包装体1aは、図6に示したも
のと同様な状態で、いなり寿司20の全面を覆うように
包むことになる。そして、包装体1aは、ラベル等の紙
製のシール19によって止着され、その状態で保持され
る。
【0055】次に、上記のものの作用を説明する。上記
のように包装体1aで包装された内容物を食する場合に
は、開封用条体2を取り去って外装フィルム3を2つに
分断したのち、包装体1aの左右各半部を引っ張る。す
ると、いなり寿司20が露出してこれを取り出すことが
できるようになっている。
【0056】まず、いなり寿司20を包装してある包装
体1aを開封するには、包装体1aの上端側でノッチ1
6、16により摘み部2aとして形成された開封用条体
2の端部を持って、これを他方側の摘み部2aへ向かっ
て引っ張る。すると、外装フィルム3は、開封用条体2
の進行に伴って、当該開封用条体2に沿って切断され、
または開封用条体2と一体となって一部が取り去られる
ようになる。この結果、外装フィルム3は、その短辺方
向中央部において縦方向に真っ直ぐに切断され、包装体
1aが左半部と右半部とに2分割されることとなる。
【0057】こののち、外装フィルム3の右半部の右端
頂部を持って右側方へ引っ張ると、接着部9で接着され
た右内装フィルム5と外装フィルム3の右半部と、右内
装フィルム5に接着された他方の吸取シート21とが一
緒に取り去られる。このとき、右内装フィルム5は、そ
の内面でいなり寿司20の油揚げ17の表面と滑りなが
ら右側方へ移動して取り去られる。このため、いなり寿
司20の右半部が包装体1aから露出することになる。
【0058】次いで、いなり寿司20の油揚げ17を、
その右半部に内包してあるいなり寿司用ご飯に押し付け
た状態で手で持ち、こののち前記と同様に外装フィルム
3の左半部の左端頂部を持って左側方へ引っ張ると、接
着部8で接着された左内装フィルム4と外装フィルム3
の左半部と、左内装フィルム4に接着された一方の吸取
シート21とが一緒に取り去られる。このとき、左内装
フィルム4は、その内面でいなり寿司20の油揚げ17
の表面と滑りながら左側方へ移動して取り去られる。こ
のため、いなり寿司20の左半部も包装体1aから露出
し、いなり寿司20の全体が現れることになる。
【0059】以上の結果、包装体1aは簡単に開封する
ことができるので、簡易に食することができるようにな
っている。すなわち、左右内装フィルム4、5を互いに
非接着で重合した状態で、その周縁部を外装フィルム3
と接着し、その非接着部位を通るようにして外装フィル
ム3を2分割に切断する開封用条体2を設けたことによ
り、外装フィルム3の各半部を分離する際に左内装フィ
ルム4と右内装フィルム5とを分割することができるよ
うになっている。このため、開封用条体2を取り去るこ
とで分離された外装フィルム3は、その各半部を引っ張
ることで同時に各内装フィルム4、5を分割して取り去
ることができる。したがって、手間をかけずに開封する
ことができることとなる。
【0060】なお、上記の場合、包装体1aの右半部を
先に取り去るようにしたが、図示したものでは左半部か
ら取り去ることが望ましい。すなわち、包装体1aは、
左内装フィルム4の右側端がいなり寿司20に接触して
いない状態で包装してあるので、この状態から包装体1
aの左半部を先に引っ張ることで、左内装フィルム4と
いなり寿司20との間に摩擦を発生させないようにする
ことができる。
【0061】そして、上記のいなり寿司用包装体1aに
あっては、包装状態にある時に、いなり寿司20の油揚
げ17から出た水分や油分が、包装体1a内に溜まった
り、外部に漏れたりしないようにすることができるよう
になっている。
【0062】すなわち、左内装フィルム4の左側端部お
よび右内装フィルム5の右側端部に吸取シート21、2
1を接着したことにより、油揚げ17からでた水分や油
分は、吸取シート21、21に吸収されるようになって
いる。
【0063】いなり寿司20が包装体1aで包装された
状態にある時には、例えば手で持ったりすることで外部
からいなり寿司20に圧力が加わると、油揚げ17に含
まれている水分や油分が滲み出てしまう。このとき、油
揚げ17から出た水分や油分は、包装体1a内において
吸取シート21、21に吸収されてこれに保持されるの
で、包装体1a内に水分や油分による液相が構成される
のを防止することができる。また、吸取シート21、2
1は包装体1aの両側端部に設けてあるので、油揚げ1
7から出た水分や油分が包装体1aの隙間から包装体1
aの外部に漏れるのを防止することができるようになっ
ている。
【0064】しかも、上記のいなり寿司用包装体1aに
あっては、開封時に、開封用条体2の除去を容易に、か
つ、確実にすることができるようになっている。
【0065】すなわち、包装体1aの両隅部に切欠部1
8、18、……を設けたことにより、図6に示したよう
に、開封用条体2が位置する短辺方向中央部での左上部
10と右上部11との重なり部Gを小さくすることがで
きるようになっている。この場合、包装体1aの両隅部
に、傾斜切欠部18aで形成される三角形状の切欠部1
8、18、……を設けたことにより、左上部10および
右上部11の各角部が無くなるので、これにより、包装
状態にあるときの包装体1aの角部どうしの重なりがな
くなることになる。このため、開封用条体2が外装フィ
ルム3を切断する線上には切断の障害となるものは、シ
ール19以外はほとんどなくなることになる。したがっ
て、開封時に、重なり部Gが開封用条体2の進行を妨げ
ないので、開封用条体2による外装フィルム3の切断が
容易となり、包装体1aの分断を確実にすることができ
る。
【0066】また、上記のいなり寿司用包装体1aにあ
っては、包装方向を増やすことができる。
【0067】すなわち、包装体1aの上下端の両隅部に
切欠部18、18、……を設けるとともに、開封用条体
2の上下端部に摘み部2aを設けたので、包装体1aの
左右上部10、11の外面側に左右下部12、13を重
ねるようにして包装することもできる。上記実施例の場
合では、包装体1の左右下部12、13の外面側に左右
上部10、11を重ねるようにしたので、包装体1の上
端の両隅部に設けた切欠部18、18が左右上部の1
0、11の重なり部Gを大きく減少させることになる。
これと同様に、包装体1の左右上部10、11の外面側
に左右下部12、13を重ねるように包装した場合で
も、包装体1の下端の両隅部に設けた切欠部18、18
が左右下部12、13の重なり部Gを大きく減少させる
ことになる。
【0068】したがって、上記の包装体1aは上下いず
れの半部からいなり寿司20に接触して被覆するように
しても、開封用条体2の線上での包装体1の重なり部G
を小さくすることができるので、包装作業時における包
装体1aの上下方向の判断を不要とすることができる。
【0069】しかも、接着部8、9の幅内に切欠部1
8、18、……を形成したことにより、外装フィルム3
と左右内装フィルム4、5との間に形成される袋状部の
密封性が確保されるようになるので、好適である。
【0070】次に、第3実施例を図11および図12に
基づいて説明する。図11はいなり寿司用包装体の内装
側を示す概略裏面図であり、図12は図11におけるC
−C線断面図である。すなわち、図11および図12に
示すいなり寿司用包装体1bは、上記第2実施例におけ
る左右内装フィルム4、5のうちいずれか一方の内装フ
ィルムを変形したものである。つまり、図示した包装体
1bに使用される右内装フィルム35には折返し部37
が形成されている。なお、他の構成は前記第2実施例と
同様であるので、同一の符号を付すことにより詳細な説
明は省略する。
【0071】図11および図12において、右内装フィ
ルム35は、前記第2実施例における右内装フィルム5
よりも幅の大きい縦長の方形状をなしている。この右内
装フィルム35は、その右側端を外装フィルム3の右側
端に、また、上下端を外装フィルム3の上下端にそれぞ
れ一致させた状態で、外装フィルム3の右半部内面を覆
うようにして配置される。このとき、右内装フィルム3
5の左側端は、左内装フィルム4の内面右側端側の部位
に非接着で重なった状態で配置される。
【0072】この右内装フィルム35には、左内装フィ
ルム4の右側端を越えた部位が内面側へ折り返されて折
返し部37が形成される。この場合、その折り目が開封
用条体2を越えるようにしておく。そして、右内装フィ
ルム35は、その右側端と、上下端の右端部から開封用
条体2の近傍に至る部位とが外装フィルム3に対して所
定の幅で接着されてシールされる。
【0073】そして、上記のように構成された包装体1
bにあっては、前記第2実施例で説明した作用の他に、
いなり寿司20を傷めずに包装体1bを取り去ることが
できるようになっている。
【0074】すなわち、右内装フィルム35の左側端に
は折返し部37が形成されているので、外装フィルム3
を分断したのち右半部側の包装体1bを引っ張った際
に、右内装フィルム35は、いなり寿司20に対して剥
がれるようにして右方向へ移動するようになっている。
【0075】つまり、前記第2実施例のように折返し部
が形成されていない場合には、右内装フィルム35は、
右半部の包装体1bを右側方へ引っ張ると、いなり寿司
20の表面と擦れるようにして側方へ移動するために、
その擦れる部位に引張り力が作用するようになる。この
ため、例えば油揚げ17が破れることもあり、いなり寿
司20の形状を崩してしまう恐れがある。この第3実施
例によれば、右半部の包装体1bを右側方へ引っ張る
と、右内装フィルム35は、いなり寿司20の表面上に
おいて、折返し部37の左側端部(折り目の部位)から
右方へ向かって180°の方向へ剥離しながら移動する
ことになる。このため、包装体1bを取り去る際にいな
り寿司20に引張り力が加わらないようになるので、い
なり寿司20の形状が崩れずに常に整った状態で食する
ことができるようになっている。
【0076】なお、上記の場合、左内装フィルム4は、
その右側端部が右内装フィルム35と外装フィルム3と
の間に位置していなり寿司20に接触していない状態に
してある。このため、開封の際には、包装体1bを分断
した後その左半部から先に取り去るようにすれば、左内
装フィルム4がいなり寿司20と擦れないので効果的で
ある。
【0077】次に、第4実施例を図13および図14に
基づいて説明する。図13はいなり寿司用包装体の内装
側を示す概略裏面図であり、図14は図13におけるD
−D線断面図である。すなわち、図13および図14に
示すいなり寿司用包装体1cは、前記第2実施例におけ
る左内装フィルム4および右内装フィルム5を変形した
ものである。つまり、図示した包装体1cに使用される
左内装フィルム54および右内装フィルム55には折返
し部56、57が形成されている。なお、他の構成は前
記第2実施例と同様であるので、同一の符号を付すこと
により詳細な説明は省略する。
【0078】図13および図14において、左内装フィ
ルム54は、前記第2実施例における左内装フィルム4
よりも幅の大きい縦長の方形状をなしている。この左内
装フィルム54は、その左側端を外装フィルム3の左側
端に、また、上下端を外装フィルム3の上下端にそれぞ
れ一致させた状態で、外装フィルム3の左半部内面を覆
うようにして配置される。そして、左内装フィルム54
は、その左側端と、上下端の左端部から開封用条体2の
近傍に至る部位とが外装フィルム3に対して所定の幅で
接着されてシールされる。
【0079】右内装フィルム55は、前記第2実施例に
おける右内装フィルム5よりも幅の大きい縦長の方形状
をなしている。この右内装フィルム55は、その右側端
を外装フィルム3の右側端に、また、上下端を外装フィ
ルム3の上下端にそれぞれ一致させた状態で、外装フィ
ルム3の右半部内面を覆うようにして配置される。そし
て、右内装フィルム55は、その右側端と、上下端の右
端部から開封用条体2の近傍に至る部位とが外装フィル
ム3に対して所定の幅で接着されてシールされる。
【0080】このとき、右内装フィルム55の左側端
は、左内装フィルム54の内面右側端側の部位に非接着
で重なった状態で配置される。そして、左内装フィルム
54には、右内装フィルム55の左側端を越えた部位が
内面側へ折り返されて折返し部56が形成され、また、
右内装フィルム55には、左内装フィルム54の折り目
を越えた部位が内面側へ折り返されて折返し部57が形
成される。この場合、左右内装フィルム54、55の各
折り目は、開封用条体2を越えるようにしてあって、左
内装フィルム54と右内装フィルム55とは、外装フィ
ルム3の短辺方向中央部で非接着で重なった状態で配置
されるようにしておく。したがって、左右内装フィルム
54、55は、その重合部分を除く周縁部が外装フィル
ム3に対して接着されることとなる。
【0081】そして、上記のように構成された包装体1
cにあっては、前記第2実施例で説明した作用の他に、
いなり寿司20を傷めずに包装体1cを取り去ることが
できるようになっている。
【0082】すなわち、右内装フィルム55の左側端に
は折返し部57が形成されているので、外装フィルム3
を分断したのち右半部側の包装体1cを引っ張った際
に、右内装フィルム55は、いなり寿司20に対して剥
がれるようにして右方向へ移動するようになっている。
【0083】この第4実施例によれば、右半部の包装体
1cを右側方へ引っ張ると、右内装フィルム55は、い
なり寿司20の表面上において、折返し部57の左側端
部(折り目の部位)から右方へ向かって180°の方向
へ剥離しながら移動することになる。このため、包装体
1cを取り去る際にいなり寿司20に引張り力が加わら
ないようになるので、いなり寿司20の形状が崩れずに
常に整った状態で食することができるようになってい
る。
【0084】また、この第4実施例によれば、包装体1
cの分断後に左右いずれの半部から取り去っても、内容
物であるいなり寿司20の形状が崩れないようになって
いる。
【0085】すなわち、左内装フィルム54および右内
装フィルム55に折返し部56、57が形成されている
ので、包装体1cの左右いずれの半部を先に引っ張って
も、各内装フィルム54、55は、いなり寿司20に対
して剥がれるようにして側方へ移動するようになってい
る。
【0086】一般的に、図に示したものにあっては、左
内装フィルム54の折返し部56が右内装フィルム55
の折返し部57よりも外面側に位置しているので、包装
体1cは左半部から取り去ることが望ましい。つまり、
包装体1cは、左内装フィルム54の右側端がいなり寿
司20に接触していない状態で包装してあるので、この
状態から包装体1cの左半部を先に引っ張ることで、左
内装フィルム54といなり寿司20との間に摩擦を発生
させないようにすることができる。
【0087】図に示したものにあっては、右内装フィル
ム55の折返し部57がいなり寿司20と接触した状態
で包装されることになるが、この場合、先に包装体1c
の右半部を取り去り、後で残りの左半部を取り去るよう
にしても、右内装フィルム55がいなり寿司20に引張
り力を与えることはない。
【0088】まず、先に包装体1cの右半部を右側方へ
引っ張ると、右内装フィルム55の折返し部57がいな
り寿司20から剥離しながら移動して取り去られること
となるので、いなり寿司20との間に摩擦は生じないよ
うになっている。このように包装体1cの右半部を取り
去ると、今度は、左内装フィルム54の折返し部56が
いなり寿司20に接触することになる。この後、包装体
1cの左半部を左側方へ引っ張ると、左内装フィルム5
4は、前記右内装フィルム55の場合と同様に、折返し
部56がいなり寿司20から剥離しながら移動して取り
去られることとなるので、いなり寿司20との間に摩擦
は生じないようになっている。したがって、包装体1c
を取り去る際に、左右いずれの半部から引っ張っても、
いなり寿司20は左右内装フィルム54、55と擦れる
ことがないので、いなり寿司20の形状を崩さずに開封
することができるようになっている。
【0089】なお、前記第1実施例乃至第4実施例にお
いて、外装フィルム3および左右内装フィルム4、5、
35、54、55の材質は特に限定されるものではな
い。例えば、ポリプロピレン製であっても、また、ポリ
エチレン製であってもよく、汎用フィルムを使用するこ
とができる。特に、湿気を通さないものであれば好適で
ある。
【0090】また、外装フィルム3の形状は、前記第1
乃至第4実施例に示したものに限定されるものではな
く、いなり寿司20を被覆可能な大きさ、形状をなして
あれば良いものである。さらに、左右内装フィルム4、
5、35、54、55も、いなり寿司20を被覆可能な
大きさ、形状をなしているものであれば、前記第2乃至
第4実施例に示したものに限定されない。そして、前記
第1乃至第4実施例においては、一例として三角形状の
いなり寿司20を包む包装体1、1a、1b、1cを示
したが、包装体1、1a、1b、1cは、いなり寿司2
0の形状に応じて変形可能である。したがって、図示し
たもののように三角形状のいなり寿司20に限らず、他
の形状例えば俵状のいなり寿司でも包装することができ
るものである。
【0091】さらに、前記第1乃至第4実施例において
は、開封手段は、外装フィルム3に開封用条体2を接着
したものを示したが、これに限定されない。例えば、外
装フィルム3の上下端間に所定間隔で対をなしたミシン
目を付与し、このミシン目間で条体ないしは帯体を形成
しても良い。特に、外装フィルム3を延伸フィルムで形
成した場合には、開封手段は、開封用条体2を設けなく
て、外装フィルム3の上下端のうちの少なくとも一方端
に一対のノッチ16、16を設けるだけでもよい。例え
ば、外装フィルム3を、一軸延伸フィルムまたは二軸延
伸フィルムで形成したり、あるいは一軸延伸フィルムと
無配向フィルムとの積層品または二軸延伸フィルムと無
配向フィルムとの積層品で形成したりした場合には、開
封用条体2がなくてもノッチ16、16間で形成される
摘み部2aを持って引っ張るだけで、そのノッチ16、
16間の幅で縦方向に外装フィルム3を切断することが
できるので、開封の容易性は維持される。また、このよ
うに、外装フィルム3に延伸フィルムを用いた場合に
は、開封手段は、ノッチ16、16を設けなくて開封用
条体2だけであってもよい。
【0092】また、吸取シート21、21の幅および接
着箇所は前記第1乃至第4実施例の場合に限定されな
い。例えば、包装体1、1a、1b、1cの内面側にお
いて、その周縁部のうち開封用条体2を除く部位に所定
幅の吸取シート21を接着してもよい。さらに、第1実
施例においては、開封用条体2の部位を除いた外装フィ
ルム3の部位の全面に吸取シート21を設けてもよく、
また、第2乃至第4実施例においては、各内装フィルム
4、5の全面に吸取シート21を設けてもよいものであ
る。
【0093】また、前記第1乃至第4実施例において
は、外装フィルム3と吸取シート21との間、外装フィ
ルム3と内装フィルム4、5、35、54、55との
間、内装フィルム4、5、35、54、55と吸取シー
ト21との間は、それぞれ接着したものを示したがこれ
に限定されるものではない。すなわち、外装フィルム
3、各内装フィルム4、5、35、54、55又は吸取
シート21をそれぞれ熱融着可能な材質で形成すれば、
例えば超音波融着法等を用いることにより、各フィルム
3、4、5、35、54、55と吸取シート21との間
を融着して一体にすることができるので、好適である。
【0094】さらに、前記第1乃至第4実施例において
は、包装体1、1a、1b、1cの四隅に設けた切欠部
18、18、……は、それぞれ傾斜切欠部18aで三角
形状に形成したものを示したがこれに限定されるもので
はない。各切欠部18は、例えば図15に示すように、
開封方向を向く平行切欠部18bと、この平行切欠部1
8bと連なって側面に至る傾斜切欠部18aとで形成
し、全体として略台形状に形成してもよい。また、この
ように包装体1、1a、1b、1cの四隅に切欠部1
8、18、……を設ける場合にあっては、包装体1、1
a、1b、1cの上下端のうちいずれか一方端の両隅部
に三角形状の切欠部18、18を、また、いずれか他方
端の両隅部に台形状の切欠部18、18を設けてもよ
い。また、前記第1乃至第4実施例においては、切欠部
18を包装体1、1a、1b、1cの上下端の両隅部に
設けたが、上端または下端のいずれか一方だけであって
もよいことはもちろんのことである。
【0095】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、開封手
段を有する外装フィルムと、その内面側の少なくとも両
側端部に一体に設けた吸取シートとを具えてあることに
より、水分や油分を多く含んだいなり寿司を好適に包装
することができる。すなわち、いなり寿司を包装した状
態にあるときには、油揚げから出た水分や油分は、吸取
シートに吸収されるので、包装体内に溜まったり、外部
に漏れたりすることがなくなる。この結果、多様化する
ニーズに応えることができることとなる。
【0096】しかも、開封手段により容易に包装体を開
封することができるので、内容物であるいなり寿司を簡
便に食することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるいなり寿司用包装体の第1実施
例を示す裏面図である。
【図2】図1における表面図である。
【図3】図1におけるA−A線断面図である。
【図4】図1に示すいなり寿司用包装体を用いていなり
寿司を包む際の第1段階を示す図である。
【図5】図1に示すいなり寿司用包装体を用いていなり
寿司を包む際の第2段階を示す図である。
【図6】図1に示すいなり寿司用包装体を用いていなり
寿司を包んだ状態を示す図である。
【図7】いなり寿司を包んだいなり寿司用包装体の半部
を取り去っていなり寿司が露出した状態を示す図であ
る。
【図8】この発明によるいなり寿司用包装体の第2実施
例を示す裏面図である。
【図9】図8における表面図である。
【図10】図8におけるB−B線断面図である。
【図11】この発明によるいなり寿司用包装体の第3実
施例を示す図である。
【図12】図11におけるC−C線断面図である。
【図13】この発明によるいなり寿司用包装体の第4実
施例を示す図である。
【図14】図13におけるD−D線断面図である。
【図15】切欠部の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1、1a、1b、1c……いなり寿司用包装体 2……開封用条体 2a……摘み部 3……外装フィルム 4、54……左内装フィルム 5、35、55……右内装フィルム 8、9、14、15……接着部 10……左上部 11……右上部 12……左下部 13……右下部 16……ノッチ 17……油揚げ 18……切欠部 18a……傾斜切欠部 18b……平行切欠部 19……シール 20……いなり寿司 21……吸取シート 37、56、57……折返し部 G……重なり部

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開封手段を有するとともに、いなり寿司
    を被覆可能な大きさをなす外装フィルムと、この外装フ
    ィルム内面の少なくとも両側端部に一体に設けられる吸
    取シートとを具えたことを特徴とするいなり寿司用包装
    体。
  2. 【請求項2】 開封手段を有するとともに、いなり寿司
    を被覆可能な大きさをなす外装フィルムと、一部を重合
    するとともに、その重合した部分を除く周縁部が前記外
    装フィルムに一体に設けられる左右内装フィルムと、前
    記左右内装フィルムの内面に一体に設けられる吸取シー
    トとを具え、前記吸取シートは、前記左内装フィルム内
    面の少なくとも左側端部と、前記右内装フィルム内面の
    少なくとも右側端部とに設けてあることを特徴とするい
    なり寿司用包装体。
  3. 【請求項3】 前記左右内装フィルムのうちの少なくと
    も一方の内装フィルムに折返し部を設け、この折返し部
    を内面側に位置させた状態で前記左右内装フィルムを互
    いに重ね合わせてある請求項2記載のいなり寿司用包装
    体。
  4. 【請求項4】 前記包装体の上端又は下端の少なくとも
    一方端の両隅部に切欠部を設けてある請求項1又は請求
    項2記載のいなり寿司用包装体。
  5. 【請求項5】 前記外装フィルム又は左右内装フィルム
    と、前記吸取シートとの間は、接着して一体にしてある
    請求項2記載のいなり寿司用包装体。
  6. 【請求項6】 前記外装フィルム又は左右内装フィルム
    と、前記吸取シートとの間は、融着して一体にしてある
    請求項2記載のいなり寿司用包装体。
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