JP3315302B2 - 真空アーク蒸着方法 - Google Patents

真空アーク蒸着方法

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JP3315302B2 JP32919095A JP32919095A JP3315302B2 JP 3315302 B2 JP3315302 B2 JP 3315302B2 JP 32919095 A JP32919095 A JP 32919095A JP 32919095 A JP32919095 A JP 32919095A JP 3315302 B2 JP3315302 B2 JP 3315302B2
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C14/00Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material
    • C23C14/22Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the process of coating
    • C23C14/24Vacuum evaporation
    • C23C14/32Vacuum evaporation by explosion; by evaporation and subsequent ionisation of the vapours, e.g. ion-plating
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば工具や金型
等の表面に耐摩耗性の皮膜等を形成する際に適用される
真空アーク蒸着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】工具や金型などにおいては、例えばTiN
等から成る耐摩耗性の硬質皮膜をコーティングすること
によって切削性や耐久性などの性能が向上する。このよ
うな皮膜の形成に使用される真空アーク蒸着装置の一例
が、発明協会公開技報公技番号93−8299号に開示されて
いる。その装置構成について、本発明の説明図である図
2を参照して説明すると、この装置には、基板2(例え
ば工具)が配置される成膜室3と、Tiターゲット等から
成る真空アーク蒸発源9が設置されるイオン発生室5と
が、管状部4を介して相互に連設された構成の真空チャ
ンバ1が設けられている。
【0003】この装置では、真空アーク蒸発源9の表
面、すなわち、アーク蒸発面9aにアークスポットを発生
させることにより、蒸発源9が局部的に蒸気化し、さら
にプラズマ化する。このプラズマ中の正イオンを基板2
に導くと共に、真空チャンバ1内に窒素ガスを供給して
反応させることにより、基板2の表面にTiNの皮膜が形
成される。なお、正イオンを基板2に導くために、管状
部4の外周に、アーク蒸発面9aから基板2に至る磁場を
形成するための空心コイル10が巻装され、また、基板2
には、負のバイアス電圧が印加されるように構成されて
いる。
【0004】ところで、上記のように基板2の表面に皮
膜を形成する前に、イオンボンバードによる基板2のク
リーニングが行われる。これは、従来、アルゴンガスを
真空チャンバ1内に供給すると共に、基板2への負の印
加電圧を成膜時よりも高くして行われる。このとき、イ
オン発生室5内でのアーク放電によってアルゴンガスも
電離し、これが基板2の表面に導かれ、さらに負の高電
圧が印加された基板2の周囲で電界により加速されて、
基板2に衝突する。これにより、基板2表面がスパッタ
され、表面の汚れなどが取り除かれて清浄化される。こ
のようなクリーニングを行うことにより、その後に形成
される皮膜と基板2との密着性が向上する。
【0005】なお、前記のアークスポットは、アーク蒸
発面9a上を高速で移動する。このようなアークスポット
からは、電子および物質蒸気と共に、さらに溶融粒子
(マクロパーティクル)も飛散する。この溶融粒子がク
リーニング時に基板2に付着すると、その後に形成され
る皮膜の表面粗度が低下する。そこで、基板2への溶融
粒子の付着を低減するため、上記装置では、前記空心コ
イル10にてイオン発生室5と成膜室3との間に磁場を形
成し、この磁場で、イオンを基板2へと誘導するように
構成されている。すなわち、中性の溶融粒子には磁場に
よる誘導効果が作用せず、これによって基板2に到達し
付着する溶融粒子が低減する。
【0006】さらに、上記の磁場は、アーク蒸発面9a上
ではこの面と平行な成分、すなわち、アークスポットか
ら流出するイオンや電子に直交する成分を有するように
設定されている。これにより、アークスポットを電磁的
相互反発作用によって強制的に動かす作用も生じ、アー
クスポットは、より高速でアーク蒸発面9a上を移動す
る。この結果、アークスポットが一箇所に滞留する時間
が短くなってアークスポット周囲の溶融化領域が少なく
なり、アーク蒸発面9aからの溶融粒子の発生量も減少す
る。このように上記では、磁場効果の併用により、溶融
粒子による表面粗度の低下をある程度抑制し得るように
構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような装置においても、前記した従来のクリーニング法
では、皮膜と基板2との密着性は高くなるものの、皮膜
表面の粗度については、溶融粒子に起因する表面粗度の
低下が依然として生じ、したがって、充分に満足し得る
特性を備えた膜形成を行えないという問題を有してい
る。
【0008】本発明は、上記した問題点に鑑みなされた
もので、皮膜と基板との良好な密着性が得られ、しか
も、皮膜の表面粗度をより向上し得る真空アーク蒸着方
法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1記載の真空アーク蒸着方法は、
真空チャンバ内に真空アーク蒸発源と基板とを設置し、
真空アーク蒸発源の表面でアーク放電させることにより
発生したイオンを磁場によって基板へと誘導し膜形成を
行う真空アーク蒸着方法であって、膜形成の前に、真空
チャンバ内に窒素ガスとアルゴンガスとの混合ガスを供
給しながら上記アーク放電を生じさせイオンボンバード
により基板のクリーニングを行うことを特徴としてい
る。
【0010】この場合、請求項2記載のように、窒素ガ
スの分圧を0.02〜0.08Pa、アルゴンガスの分圧を0.1〜
1.0Pa、基板に印加するバイアス電圧を−300 〜−2000
Vに設定して基板のクリーニングを行うことが望まし
い。このように窒素ガスとアルゴンガスとの混合ガスを
供給すると、真空アーク蒸発源の表層部が窒化され、融
点が上昇し、仕事関数が低下する。これにより、アーク
蒸発面からの溶融粒子の発生が減少し、基板表面に付着
する溶融粒子が低減し、その後に形成される皮膜の表面
粗度が向上する。なお、窒素ガスはイオン化した場合の
スパッタ作用が小さく、クリーニグ効果は小さいが、ア
ルゴンガスが従来同様にクリーニング効果を発揮し、皮
膜と基板との良好な密着性も得ることができる。
【0011】請求項3記載の真空アーク蒸着方法は、真
空チャンバ内に真空アーク蒸発源と基板とを設置し、真
空アーク蒸発源の表面でアーク放電させることにより発
生したイオンを磁場によって基板へと誘導し膜形成を行
う真空アーク蒸着方法であって、膜形成の前に、真空チ
ャンバ内にキセノンガスを供給しながら上記アーク放電
を生じさせイオンボンバードにより基板のクリーニング
を行うことを特徴としている。
【0012】この場合、請求項4記載のように、キセノ
ンガスの圧力を0.1〜1.0Pa、基板に印加するバイアス
電圧を−300 〜−2000Vに設定して基板のクリーニング
を行うことが望ましい。このようにキセノンガスを供給
してクリーニングを行う場合、このキセノンガスはアル
ゴンよりも質量数が大きいことから、基板に対するクリ
ーニング効果が大であり、このため、イオンボンバード
時にアーク蒸発面からの溶融粒子が基板の表面に付着し
たとしても、これに対しても充分なスパッタ作用が得ら
れる。しかも、キセノンガス中では、アーク蒸発面での
アークスポットが、従来のアルゴンガス供給時に比べ、
さらに高速で移動する傾向が見られ、これによって溶融
粒子の発生量も低減される。この結果、キセノンガスを
供給してイオンボンバードを行うことにより、皮膜と基
板との強固な密着性が得られると共に、表面粗度の向上
した皮膜を形成することができる。
【0013】請求項5記載の真空アーク蒸着方法は、真
空チャンバ内に真空アーク蒸発源と基板とを設置し、真
空アーク蒸発源の表面でアーク放電させることにより発
生したイオンを磁場によって基板へと誘導し膜形成を行
う真空アーク蒸着方法であって、膜形成の前に、真空チ
ャンバ内に窒素ガスとキセノンガスとの混合ガスを供給
しながら上記アーク放電を生じさせイオンボンバードに
より基板のクリーニングを行うことを特徴としている。
【0014】この場合、請求項6記載のように、キセノ
ンガスの分圧を0.1〜1.0Pa、基板に印加するバイアス
電圧を−300 〜−2000Vに設定して上記アーク放電を生
じさせ基板のクリーニングを行うことが望ましい。この
ように窒素ガスとキセンノンガスとを真空チャンバ内に
導入してクリーニングを行うと、両ガスの相乗効果で、
より表面粗度が改善された皮膜を形成することが可能で
ある。また、キセンノンガスはアルゴンガスよりもスパ
ッタ効果が大きいため、より多くの量の窒素ガスを混合
しても、基板に対しての充分なクリーニング効果が得ら
れる。したがって、窒素ガスの量を多くして溶融粒子の
発生をさらに抑えることができるので、表面粗度がより
向上した皮膜を形成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
〔実施形態1〕以下、図面に基づいて本発明の一実施形
態について説明する。図2に、本発明法が適用される真
空アーク蒸着装置の一例を示している。同図において1
は真空チャンバであり、この真空チャンバ1は、内部に
基板2が設置される成膜室3と、この成膜室3に管状部
4を介して連設されたイオン発生室5とから構成されて
いる。成膜室3には、ガス供給配管6と真空排気ポンプ
7とが接続されると共に、基板バイアス電源8で発生す
るバイアス電圧が、内部に設置された基板2に印加され
るように構成されている。
【0016】一方、イオン発生室5内には真空アーク蒸
発源9が設置されている。このイオン発生室5には、図
示してはいないが、上記の真空アーク蒸発源9との間で
放電を生じさせてこの蒸発源9の表面(以下、アーク蒸
発面という)9aにアークスポットを発生させるアーク発
生機構が設けられている。さらに、前記管状部4の外周
に空心コイル10が巻装されている。この空心コイル10へ
の通電により、イオン発生室5から成膜室3に至る領域
に磁場が形成され、この磁場によって、イオン発生室5
内で発生する後述するプラズマ中のイオンが、イオン発
生室5から成膜室3内の基板2に向かって誘導される。
【0017】なお同図中、10aは、空心コイル10にて形
成される磁場中の磁力線を示している。また、11は、真
空アーク蒸発源9の周囲を囲うように配置されたアーク
閉込めリングである。次に、上記構成の装置により、基
板2の表面に皮膜を形成するときの操作手順について説
明する。なお以下では、真空アーク蒸発源9としてTiタ
ーゲットを用い、例えばハイス鋼から成る基板2の表面
にTiNの皮膜を形成する場合を例に挙げて説明する。
【0018】まず、上記した真空アーク蒸発源9と基板
2とがセットされた真空チャンバ1内を、真空排気ポン
プ7によって排気する。所定の真空度に達すると、基板
2上に皮膜を形成する前に、皮膜と基板2との密着性を
高めるためのクリーニング(以下、イオンボンバードと
もいう)を開始する。これは、ガス供給配管6を通して
後述するクリーニングガスを真空チャンバー1内に供給
すると共に、基板バイアス電源8から基板2に所定のバ
イアス電圧を印加する。そして、前記したアーク発生機
構を作動する。なお、このときの条件については後述す
る。
【0019】アーク発生機構の作動によって、真空アー
ク蒸発源9のアーク蒸発面9a上でアーク放電が発生し、
この面9aに、放電電流が集中したアークスポットが生じ
る。微小領域に大電流が集中するこのアークスポット
で、真空アーク蒸発源9が局部的に蒸気化すると共に電
子が放出され、この電子によって蒸発物質、さらには真
空チャンバ1内に供給されている前記のクリーニングガ
スが電離してプラズマ化し、このプラズマ中の正イオン
が、空心コイル10により形成されている磁場によって、
イオン発生室5から成膜室3へと誘導される。そして、
さらに基板2に印加されているバイアス電圧に応じた電
界によって加速され、基板2の表面に衝突する。これに
より基板2表面がスパッタされ、汚れなどが取り除かれ
て清浄化される。
【0020】上記した基板2のクリーニングを所定時間
行った後に、引き続いてTiN膜の形成工程に移行する。
これは、真空チャンバ1内への供給ガスを窒素ガス単体
に切換えると共に、基板2に印加するバイアス電圧を−
50V程度の低電圧に切換えることによって開始される。
これにより、真空アーク蒸発源9から蒸発したTiイオン
と窒素イオンとの反応性コーティングが進行し、基板2
の表面にTiNの皮膜が形成される。この皮膜の膜厚は、
例えば80〜 200Aの範囲で設定されるアーク電流と、時
間とによって調整される。所定の膜厚に達すると、アー
ク放電を停止して膜形成を終了し、基板2の冷却を待っ
て真空チャンバ1から、TiNの皮膜が形成された基板2
が取り出される。
【0021】次に、前記した基板2表面のクリーニング
時のイオンボンバード条件について説明する。まず、ク
リーニングガスとして、皮膜の表面粗度を向上するとい
う観点から、本実施形態では、窒素ガスとアルゴンガス
との混合ガスを供給する。すなわち、アーク蒸発面9a上
のアークスポットからは、電子および物質蒸気と共に、
さらに溶融粒子も飛散し、この溶融粒子がクリーニング
時に基板2に付着すると皮膜の表面粗度を低下させる。
この基板2への溶融粒子の付着については、前述したよ
うに、空心コイル10の磁場効果によってある程度低減し
得るようになっているが、本実施形態では、これに加え
て、クリーニングガスを従来のアルゴンガスに代えて、
窒素とアルゴンとの混合ガスを供給してクリーニングを
行うのである。
【0022】このように窒素ガスを混入させると、アー
ク蒸発源9の表層部が窒化され、融点の上昇、仕事関数
の低下をもたらすことになって、アーク蒸発面9aからの
溶融粒子の発生がさらに減少する。この結果、上記した
クリーニング後に形成される皮膜の表面粗度が従来より
も改善される。この窒素ガスは、イオン化した場合のス
パッタ作用は小さく、クリーニグ効果は小さいが、アル
ゴンガスが従来同様にクリーニング効果を発揮し、皮膜
と基板2との密着性も従来同様に良好に保持される。
【0023】なお、このときの窒素ガスはその分圧(ア
ーク放電中の値、以下も同様)が0.02Pa〜0.08Pa、アル
ゴンガスはその分圧が0.1〜1.0Paの範囲となるように
設定する。窒素ガスの分圧が0.02Pa以下では皮膜の表面
粗度の向上効果が充分には得られず、0.08Paを超える
と、スパッタ作用の小さい窒素イオンがプラズマ中で優
勢となり、基板2のクリーニング効果が低下して基板2
と皮膜との密着性が低下し始める。したがって、窒素ガ
スについては、上記のようにガス分圧で0.02〜0.08Paの
範囲にするのが望ましい。
【0024】アルゴンガスは、磁場中で放電を安定に発
生させるためには最低0.1Pa程度が必要である。また、
磁場によるプラズマ誘導型のアーク蒸発源の特性とし
て、ガス圧力とイオン電流に図3に示すような相関性が
あるため、多くのイオン電流を得て効率的にボンバード
を実施するためには、放電時の主成分となるアルゴンガ
ス分圧を1.0Pa以下にすることが望ましい。
【0025】一方、基板2に印加するバイアス電圧につ
いては、前記したスパッタ作用を得るには一般に−300
V以上の高電圧とする必要がある。一方、異常放電の発
生や基板2の過熱を防ぐために−2000V以下とする。ス
パッタ作用の効率および容易に入手可能な電源仕様を考
慮すると、さらに好ましいのは−600 〜−1000Vであ
る。
【0026】ボンバード時間は、基板2に対して充分な
クリーニング効果が得られる時間を適宜設定するが、通
常、基板2の大きさや量に応じて1〜10分の範囲で設定
される。このように、本実施形態においては、クリーニ
ングガスとして窒素ガスとアルゴンガスとの混合ガスを
使用し、上記の条件でクリーニングを行うことによっ
て、アーク蒸発面9aからの溶融粒子の発生が抑えられ、
これによって、従来のアルゴンガス単体の場合に比べ、
基板2との強固な密着性が維持されると共に、さらに表
面粗度の向上した皮膜を形成することができる。
【0027】〔実施形態2〕本実施形態では、クリーニ
ングガスとして、従来のアルゴンガスに代えてキセノン
ガスを使用する。基板2へ印加するバイアス電圧などの
その他のイオンボンバード条件や、その後の膜形成条件
は、前記実施形態1と同様にして、基板2表面にTiN皮
膜を形成する。
【0028】このときのキセノンガスは、前記実施形態
でのアルゴンガス分圧と同様の設定理由により、0.1〜
1.0Paの範囲とすることが望ましい。キセノンガスはア
ルゴンよりも質量数が大きいことから、基板2に対する
クリーニング効果が大であり、このため、キセノンガス
を供給してイオンボンバードを行うことにより、皮膜と
基板2との強固な密着性が得られると共に、イオンボン
バード時にアーク蒸発面9aからの溶融粒子が基板2の表
面に付着したとしても、これを除くような充分なスパッ
タ作用が得られる。
【0029】さらに、キセノンガス中では、アーク蒸発
面9aでのアークスポットが、従来のアルゴンガスのみの
供給時に比べ、より高速で移動する傾向が見られ、これ
によって溶融粒子の発生量も低減される。この結果、キ
セノンガスを供給してイオンボンバードを行うことによ
り、皮膜と基板との強固な密着性が得られると共に、表
面粗度の向上した皮膜を形成することができる。
【0030】〔実施形態3〕本実施形態では、クリーニ
ングガスとして、窒素ガスとキセノンガスとの混合ガス
を使用する。その他の条件は、前記実施形態1と同様と
して、基板2表面にTiN皮膜を形成する。このときのキ
セノンガスは、前記実施形態1でのアルゴンガス分圧と
同様の設定理由により、その分圧が、0.1〜1.0Paの範
囲となるように設定することが好ましい。
【0031】このように窒素ガスとキセンノンガスとを
同時に真空チャンバ1内に導入してクリーニングを行う
と、両ガスの相乗効果で、より表面粗度が改善された皮
膜を形成することができる。また、前記実施形態1での
窒素ガスとアルゴンガスとの混合ガスをクリーニングガ
スとして供給する場合には、窒素ガスの分圧が0.08Paを
超えると基板2に対するクリーニング効果が低下する結
果となっていた。これに対し、本実施形態では、窒素ガ
スをその分圧が例えば0.20Pa程度になるまで混入させて
も、キセノンによるスパッタ効果が大きいために、基板
2に対しての充分なクリーニング効果が得られる。した
がって、このように窒素ガスの混入量を多くし得ること
により、窒素ガスによる溶融粒子の低減効果がより強く
現れ、表面粗度がさらに良好な皮膜を形成することがで
きる。
【0032】
【実施例】次に、前述の真空アーク蒸着装置を用い、ク
リーニングガスのガス種および流量を種々変えて、基板
2にTiNの皮膜を形成したときの具体的なテスト結果に
ついて説明する。まず、クリーニング工程でのイオンボ
ンバード条件について、変化させたクリーニングガス条
件(クリーニングガスのガス種および流量)を表1に示
す。
【0033】同表中、テストNo.Aは、従来同様に、アル
ゴンガスのみをクリーニングガスとして供給したもの
で、流量は20sccmである。このとき、真空排気系による
排気速度との関係で定まる放電中の真空チャンバ1内の
圧力は0.45Paであった。No.B1 〜B5は、アルゴンガスと
窒素ガスとの混合ガスを供給したもので、アルゴンガス
流量は20sccm一定とし、窒素ガスを5sccmから40sccmま
で順次変化させた。なお、表中のガス分圧はアーク放電
中のもので、放電中の全ガス圧力からNo.Aのアルゴンガ
ス圧力を差し引いて求めている。放電中に窒素はチャン
バ1内やアーク蒸発源9で消費されるため、ガス供給量
が少ないNo.B1 の場合、放電中の窒素ガス分圧はほぼ0
となる。
【0034】No.Cは、クリーニング工程で窒素ガスのみ
を供給したものであり、No.Dは、キセノンガスを20sccm
供給してクリーニングを行ったもの、No.Eは、窒素ガス
(40sccm)とキセノンガス(20sccm)との混合ガスを供給し
てクリーニングを行ったものである。
【0035】
【表1】
【0036】なお、基板2としてはハイス鋼(SKH-51)
を用い、真空アーク蒸発源9としてTiターゲットをセッ
トした。また、その他の条件は各テストを通して共通と
し、イオンボンバード時に基板2に印加するバイアス電
圧は−800 V一定、イオンボンバード時間は2分間とし
た。一方、空心コイル10によるプラズマ誘導用磁場強度
は、コイル中心付近で約 200ガウス一定に設定してい
る。
【0037】上記各条件でのイオンボンバードを終了
後、それぞれ以下の共通条件でTiN膜の形成を行い、そ
の後、各テストサンプルについて、皮膜の表面粗度、お
よび皮膜と基板との密着性についての測定を行った。 ・アーク電流 :100 A ・窒素ガス圧力:約3Pa ・バイアス電圧:50V 表面粗度については、触針式粗さ計を用いて、各テスト
サンプル毎に6点のRa値を測定し、また、密着性につ
いては、AE式スクラッチテスターにより、各テストサ
ンプル毎に3点でのAE発生臨界荷重(Lc値)を測定
した。
【0038】これら測定結果を表1中に併せて示すと共
に、図1に、これら測定結果を窒素ガスの分圧の変化に
対応させて示している。図1(a) に示すように、アルゴ
ンガスと窒素ガスとをクリーニングガスとして用いた場
合(No.B1 〜B5)、表面粗度は放電中の窒素の分圧が0.
02Pa(No.B2)以上では、従来法での皮膜形成に相当する
No.Aのものより改善され、窒素分圧の増加と共に表面粗
度は良く成る傾向にある。これは、窒素の導入によりア
ーク蒸発源表面の窒化が進み、溶融粒子の発生が減少す
るためである。
【0039】一方、同図(b) に示すように、窒素分圧が
0.12Pa(No.B4)以上のものは、密着性(Lc値)が、No.A
のものより低くなる。すなわち、窒素が多くなりすぎる
と、スパッタ作用の小さい窒素イオンがプラズマ中で優
勢となり、基板をクリーニングする効果が低下し始め
る。これより、窒素ガスの導入量としては、ガス分圧で
0.02〜0.08Paの範囲内にするのが望ましく、特に0.05Pa
程度が最適である。
【0040】なお、表1中のNo.Cのサンプルは、窒素ガ
スのみを供給してイオンボンバードを実施したものであ
るが、これは皮膜の密着性が非常に弱く、成膜後に皮膜
が自然剥離したために、表面粗度・密着性の測定ができ
なかった。したがって、密着性を確保するために、クリ
ーニング作用を受け持つガス成分、この場合にはアルゴ
ンガスの供給が不可欠である。
【0041】一方、キセノンガスをクリーニングガスと
して供給したNo.Dのものは、No.Aに比較して密着性は同
等を維持しつつ、表面粗度が改善されている。なお、キ
セノンガス圧力を0.1〜1.0Paの範囲で変化させても同
様の特性が得られている。窒素ガスとキセノンガスとの
混合ガスを供給してイオンボンバードしたNo.Eでは、N
o.Aに比べ、密着性はほぼ同等であり、しかも、皮膜の
表面粗度は非常に改善されている。しかも、キセノンは
アルゴンよりスパッタ作用が大きく、充分なクリーニン
グ効果が得られるために、窒素分圧が0.20Paと高くて
も、密着性の低下は認められなかった。
【0042】
【発明の効果】以上の説明のように、本発明の真空アー
ク蒸着方法は、皮膜形成の前のクリーニングを、窒素ガ
スとアルゴンガスとの混合ガス、もしくはキセノンガ
ス、或いは窒素ガスとキセノンガスとの混合ガスを真空
チャンバ内に供給して行う。窒素ガスとアルゴンガスと
の混合ガスを供給する場合には、アルゴンガスによって
基板がクリーニングされ、しかも、真空アーク蒸発源の
表層部が窒素ガスにより窒化されることによって、溶融
粒子の発生が減少する。この結果、基板との密着性が良
好であると共に表面粗度の向上した皮膜を形成すること
ができる。
【0043】キセノンガスを供給してクリーニングを行
う場合には、このキセノンガスのクリーニング効果がア
ルゴンガスよりも大きく、また、アーク蒸発面でのアー
クスポットに、より高速移動の傾向が見られ、これによ
って溶融粒子の発生量も低減されることから、この場合
も、基板との強固な密着性を有し、しかも、表面粗度の
優れた皮膜を形成することができる。
【0044】窒素ガスとキセノンガスとの混合ガスを供
給してクリーニングを行う場合には、窒素ガスの混入量
をより多くしても充分なクリーニング効果が得られるの
で、これら窒素ガスとキセノンガスとの相乗効果によ
り、密着性と共に表面粗度がさらに向上した皮膜を形成
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種クリーニングガス条件でイオンボンバード
処理を行った後、形成した皮膜の膜特性についての測定
結果を示すもので、同図(a) は表面粗度についてのグラ
フ、同図(b) は基板との密着性についてのグラフであ
る。
【図2】本発明法が適用される真空アーク蒸着装置の一
例を示す概略構成図である。
【図3】上記装置におけるガス圧力とイオン電流との関
係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 真空チャンバ 2 基板 3 成膜室 4 管状部 5 イオン発生室 6 ガス供給配管 7 真空排気ポンプ 8 基板バイアス電源 9 真空アーク蒸発源 9a アーク蒸発面 10 空心コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空チャンバ内に真空アーク蒸発源と基
    板とを設置し、真空アーク蒸発源の表面でアーク放電さ
    せることにより発生したイオンを磁場によって基板へと
    誘導し膜形成を行う真空アーク蒸着方法であって、 膜形成の前に、真空チャンバ内に窒素ガスとアルゴンガ
    スとの混合ガスを供給しながら上記アーク放電を生じさ
    イオンボンバードにより基板のクリーニングを行うこ
    とを特徴とする真空アーク蒸着方法。
  2. 【請求項2】 窒素ガスの分圧を0.02〜0.08Pa、ア
    ルゴンガスの分圧を0.1〜1.0Pa、基板に印加するバイ
    アス電圧を−300〜−2000Vに設定して基板のク
    リーニングを行うことを特徴とする請求項1記載の真空
    アーク蒸着方法。
  3. 【請求項3】 真空チャンバ内に真空アーク蒸発源と基
    板とを設置し、真空アーク蒸発源の表面でアーク放電さ
    せることにより発生したイオンを磁場によって基板へと
    誘導し膜形成を行う真空アーク蒸着方法であって、 膜形成の前に、真空チャンバ内にキセノンガスを供給し
    ながら上記アーク放電を生じさせイオンボンバードによ
    基板のクリーニングを行うことを特徴とする真空アー
    ク蒸着方法。
  4. 【請求項4】 キセノンガスの圧力を0.1〜1.0Pa、基
    板に印加するバイアス電圧を−300〜−2000Vに
    設定して基板のクリーニングを行うことを特徴とする請
    求項3記載の真空アーク蒸着方法。
  5. 【請求項5】 真空チャンバ内に真空アーク蒸発源と基
    板とを設置し、真空アーク蒸発源の表面でアーク放電さ
    せることにより発生したイオンを磁場によって基板へと
    誘導し膜形成を行う真空アーク蒸着方法であって、 膜形成の前に、真空チャンバ内に窒素ガスとキセノンガ
    スとの混合ガスを供給しながら上記アーク放電を生じさ
    イオンボンバードにより基板のクリーニングを行うこ
    とを特徴とする真空アーク蒸着方法。
  6. 【請求項6】 キセノンガスの分圧を0.1〜1.0Pa、基
    板に印加するバイアス電圧を−300〜−2000Vに
    設定して上記アーク放電を生じさせ基板のクリーニング
    を行うことを特徴とする請求項5記載の真空アーク蒸着
    方法。
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