JP3315141B2 - プラスチツク部材の静電塗装方法 - Google Patents

プラスチツク部材の静電塗装方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプラスチック部材の静電
塗装方法に関し、さらに詳しくはプラスチック部材が有
する性能を低下させず、コスト低下ならびに塗装工程の
短縮などが可能になる塗装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来、バンパーなどのプラ
スチック部材への塗料の塗装はエアースプレーおよびエ
アレススプレーなどの吹き付け塗装によって行われてい
たが省資源および公害防止などの観点から塗着効率の優
れた静電塗装が多く採用されるようになってきた。しか
しながら、プラスチックは一般に電気抵抗値が高いため
(1012〜1016Ω・cm)、静電塗装によって該表面
に塗料を直接塗装することは極めて困難であった。そこ
で現在は該プラスチック自体またはその表面に導電性を
付与してから静電塗装することが一般に行われている。
【0003】かかる導電性を付与する方法としては、従
来より多数提案されており、例えば、被塗物であるプラ
スチック部材に成形加工する前に、導電性金属粉、グラ
ファイト、カーボンブラックなどの導電性フィラーを予
め練り込んでプラスチック部材自体に導電性を付与する
方法がまず挙げられる。しかしながらこの方法では、上
記導電性フィラーを練り込むことによって高価格にな
り、しかもプラスチック自体の物理的、機械的性能が低
下するおそれがあって実用上好ましくない。また別の方
法としては、導電性を有する第4級アンモニウム塩など
を含む界面活性剤等の溶液をプラスチック表面に塗布し
て導電性を付与する方法が挙げられるが、該方法では、
かかる塗布面に上塗塗料を静電塗装して形成された塗膜
の密着性および耐水性が低下する不具合があった。
【0004】このように、これら従来の方法では導電性
を付与させたことによって、プラスチック被塗物自体あ
るいは塗料塗膜のいずれかに欠陥が発生するとともに、
価格や工数の面でも問題があり、実用上満足できるもの
ではない。また特に、近年回路基板等に使われるガラス
繊維強化エポキシ樹脂などのプラスチック部材に、形成
されたプリント回路を保護するための保護膜用塗料いわ
ゆるソルダーレジストを塗装するのに静電塗装を行なう
要望があるが、絶縁材という性質上、従来の方法では回
路間の絶縁性に悪影響を及ぼすため適用不可能であっ
た。
【0005】そこで本発明者らは、上記不具合を解消し
うる新規なプラスチック部材の静電塗装方法を先に提案
した(特開昭58−64164号)。該方法によれば、
プラスチック表面に揮発性の導電性物質を含む下塗塗料
を塗装し、該揮発性の導電性物質が残存している未乾燥
状態の下塗塗膜に上塗塗料を静電塗装したのち、両塗膜
を加熱乾燥することにより、前記不具合が解消でき塗装
工程の短縮とコスト低下を実現することが可能となっ
た。しかしながら上記揮発性の導電性物質を含む下塗塗
料の塗装は、静電塗装以外の方法で行なわれるものであ
り、プラスチック表面に直接静電塗装を行なうには至ら
なかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、さらに検
討し鋭意研究を重ねた結果、揮発性の導電性物質を含む
塗料で静電塗装機による往復噴霧の最初の1ストローク
の塗装によりプラスチック面を一様にぬらすことができ
れば、そのウエット面が直ちに導電状態となりひきつづ
き静電塗装により塗着しうることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、プラスチック部材に、
塗着膜の体積固有抵抗値106Ω・cm以下となるよう
に必要に応じて揮発性の導電性物質を含有せしめた塗料
を直接静電塗装する方法であって、該塗料を往復噴霧に
供する際の最初の1ストロークで、該プラスチック部材
面上に該塗料の最低ヌレ膜厚以上の塗着量を塗着せしめ
ることを特徴とするプラスチック部材の静電塗装方法を
提供するものである。
【0008】通常静電塗装は、被塗物をコンベアからハ
ンガーで吊るし離間位置から(塗料を噴霧粒子として噴
射する)噴霧器の往復動作により必要膜厚まで塗り重ね
てゆくものであり、被塗物が導電体であれば被塗物を吊
るす導体ハンガーからコンベアそしてア−スへと放電さ
れ、該被塗物は零電位となるので塗料粒子が電気力によ
って吸引され、塗料粒子は被塗面に一様に塗着してゆ
く。ところが被塗物が非導電体であると被塗物を吊るす
導体ハンガーとの接点はアースから放電され零電位とな
るが接点から離れた被塗面は高電位となり、往復噴霧で
噴射された塗料粒子は、電位の低い接点部に集まるよう
になり被塗面に一様に塗着膜を形成することができな
い。
【0009】本発明の特徴は、塗着膜の体積固有抵抗値
が106Ω・cm以下となるように必要に応じて揮発性
の導電性物質を含有する塗料を用いて非導電体であるプ
ラスチック部材面に直接静電塗装を行なうにあたって、
該塗料の往復噴霧の最初の1ストロークの噴霧で該塗料
の最低ヌレ膜厚以上のウエット面を形成するところにあ
る。すなわち最初の1ストロークの噴霧で最初に被塗面
にぶつかった塗料粒子間で互いに少なくともどこか1点
でも接するようにできれば、その粒子の連続により、か
かるウエット面がただちに抵抗値106Ω・cm以下の
導電面となり、導体ハンガーとの接点部からアースへと
放電がスムーズに行なわれることとなり、導電性付与の
前処理を行なったのと同様に、それ以降は通常の静電塗
装を続行することができるのである。従って本発明の方
法によれば、プラスチック素材はそのままで、また導電
性を付与するためのあらゆる前処理も必要なく、絶縁体
であるプラスチック部材が、あたかも導体被塗物(例え
ば、鉄板)かのごとく静電塗装することができるのであ
る。
【0010】以下、本発明の方法について詳細に説明す
る。
【0011】本発明において適用できるプラスチック部
材の材質、形状は特に制限されない。例えば、自動車用
のバンパー、フエイシア、フエンダー、フードならびに
トランク部分に用いられているプラスチック、および家
庭電気製品、精密機器ならびに事務用機器などに用いら
れているプラスチックなどに適用できる。材質として
は、たとえば強化ポリウレタン樹脂、強化ポリプロピレ
ン樹脂、ポリエチレン樹脂、FRP(強化プラスチッ
ク)、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、ナイロン、フェノ
ール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポ
リカーボネート樹脂などがあげられる。また、特にガラ
ス繊維強化エポキシ樹脂やポリエーテルスルホンなどの
熱可塑性樹脂から製造された回路用基板などの非導電材
に適用でき、該基板上に銅の回路が形成されたプリント
回路基板でも適用を妨げるものではない。
【0012】本発明において、これらのプラスチック自
体に静電塗装を行なうための特別な処理を施す必要はな
いが、塗着膜との付着性などを向上させるために、該プ
ラスチック表面を、たとえばクロム酸処理、火炎処理、
熱風処理、放電処理、オゾン酸化処理、放射線処理、ト
リクレンなどの溶剤洗浄などをあらかじめ施しておくこ
とも可能である。
【0013】本発明において用いられる塗料は、特に制
限なく従来公知のものが使用できるが、静電塗装によっ
て被塗面に塗着したウエット膜面の体積固有抵抗値を安
全性確保の点から106Ω・cm以下となるように必要
に応じて揮発性の導電性物質を含有させる必要がある。
【0014】該揮発性の導電性物質は、常温あるいは静
電塗装時(通常約20℃で行なわれる)には殆んど揮発
しないが、約80℃以上の温度で短時間にすべてもしく
は殆んど揮発するものであり、静電塗装時に塗着膜をウ
エットな状態に保ち、該塗着膜の体積固有抵抗値を10
6Ω・cm以下にすることができるものである。
【0015】かかる揮発性の導電性物質としては、誘電
率が10以上、好ましくは12〜35である有機溶剤が
適しており、具体的には、例えばメタノール、N−メチ
ル−2−ピロリドン、ブチルジグリコール、イソプロパ
ノール、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテル、アセトン、イソホロン(3,5,5
−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン)、ベン
ジルアルコール、3−メチル−3−メトキシブチルアセ
テート、ダイアセトンアルコール、ジイソブチルケト
ン、ジメチルホルムアマイドなどがあげられ、このう
ち、特にN−メチル−2−ピロリドン、ブチルジグリコ
ール、イソホロンなどが好ましい。
【0016】本発明において用いられる塗料は、組成的
に特に制限はなく、有機溶剤溶液型、非水分散液型、水
溶液型、水分散液型などいずれでもよい。使用されるビ
ヒクル成分としては、被塗物であるプラスチック部材と
の付着性のよいものが好ましく、具体的には、たとえば
エポキシ樹脂、塩化ゴム、アクリル樹脂、アルキド樹
脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ・フェノール樹脂、シ
リコン樹脂、ウレタン変性アクリル樹脂、エポキシエス
テル樹脂などがあげられる。またこれらの硬化は、加熱
による硬化あるいは活性光線による硬化など、適宜選択
することができる。さらに該塗料には、前記揮発性の導
電性物質以外のその他の有機溶剤や、塗面調整剤やタレ
止め剤、界面活性剤などの塗料用添加剤、体質顔料や着
色顔料、メタリック顔料などの顔料類等を必要に応じて
配合することができる。
【0017】上記塗料は、前記揮発性の導電性物質、有
機溶剤、水などにより希釈され、導電性の調整を行ない
つつ、塗装粘度に調整される。水性塗料の場合には、塗
料抵抗値がすでに106Ω・cm以下(0に近い)であ
るので、揮発性の導電性物質によって導電性を調整しな
くてもよい。該塗料の粘度は、塗装機条件(回転霧化、
エアースプレー、エアレススプレー)により適宜選択さ
れる。
【0018】本発明において上記のとおり調整された塗
料は、プラスチック自体に直接静電塗装される。静電塗
装にあたっては、往復噴霧の最初の1ストロークの噴霧
で形成されるウエット面が上記塗料の最低ヌレ膜厚以上
とする必要がある。該最低ヌレ膜厚とは、噴霧された塗
料粒子が被塗面上で該粒子同志で互いに少なくとも1点
以上で接するような状態となる該粒子の連続しうる厚さ
であり、使用される塗料の特性(例えば表面張力、粘度
など)によって左右されるものである。具体的には、例
えば塗料の粘度が高かったり、表面張力が大きいと、か
かる最低ヌレ膜厚は厚くなる方向にあり、粘度が低かっ
たり表面張力が小さいと、該最低ヌレ膜厚は薄くなる方
向にある。実際の塗装作業性の点からは該最低ヌレ膜厚
が10μm以下(乾燥)程度となるように、使用される
塗料の粘度を希釈剤等により調整することが好ましい。
該粘度は有機溶剤系であれば100〜500cps程
度、水系であれば300〜500cps程度(B型粘度
計によりNの2ローター回転数60rpmで測定)が適
当である。
【0019】上記最低ヌレ膜厚以上の乾燥膜厚を形成し
うるウエット面を最初の1ストロークで形成するため
に、垂直方向あるいは水平方向に往復する噴霧ガンの運
行速度(ストロークスピード)、被塗物を運搬するコン
ベア速度、塗料吐出量、被塗物の大きさによるストロー
ク幅やスプレーパターン幅などの塗装条件を使用される
塗料によって適宜設定することができる。具体的には、
例えば、表面張力が高くヌレの悪い塗料(最低ヌレ膜厚
が厚い)であれば、ストロークスピードを遅くしてゆっ
くり塗着させたり、あるいは、希釈シンナーによってヌ
レ性を改善したりする(そのためには粘度を下げる)。
【0020】上記の如き塗装条件でスプレーすること
で、絶縁体であったプラスチック表面は、最初の1スト
ロークでスプレーされた塗料が形成するウエット膜によ
り、直ちに106Ω・cm以下の導電状態となり、沿面
放電(絶縁体である基板表面を通じて静電気が逃げる状
態)により被塗物を吊るす導体ハンガーからコンベアそ
してアースへと放電がスムーズに行なわれ、それ以降の
塗着は導体被塗物に静電塗装されるそれと何等変わりが
なく続行される。
【0021】本発明では、最初の1ストロークすなわち
垂直方向のストロークであれば被塗面の上から下までの
噴霧ガンの1回の移動で上記最低ヌレ膜厚に達せしめる
ことが必要であり、該膜厚に達せられないと、塗着粒子
間が不連続となり導電することができず、十分な塗着効
率が得られない。また1ストローク目でヌレ膜厚に達せ
られないと、2ストローク目以降は表面電位の不均一化
が顕著となり、均一な膜厚分布が得られない。
【0022】上記塗装条件を設定できる静電塗装機とし
ては、回転霧化方式、空気霧化方式、エアレス霧化方
式、電気霧化方式および遠心霧化方式などによるものが
挙げられ、垂直方向に往復する垂直レシプロ型、水平方
向に往復する水中レシプロ型のいずれでもよい。また塗
装膜厚は、被塗物であるプラスチック部材によって必要
に応じ適宜選択できる。
【0023】上記の如き形成された塗着膜は、1コート
塗装であれば、そのまま塗着膜を乾燥、硬化せしめる
が、2コート塗装であれば、該塗着膜中に揮発性の導電
性物質が残存している未乾燥状態において該塗着膜上に
上塗塗料を静電塗装し、両塗膜を同時に加熱、硬化せし
める。
【0024】2コート塗装の場合に使用される上塗塗料
は、組成的に特に制限されず、加熱(焼付)によって塗
膜を形成する塗料であればよい。具体的には、たとえ
ば、ポリウレタン樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料、ア
ミノアルキド樹脂系塗料、ポリエステル樹脂系塗料、ウ
レタン変性アクリル樹脂系塗料、エポキシ樹脂系塗料、
塩化ゴム系塗料、塩化ビニル樹脂系塗料などがあげられ
る。これらの樹脂は熱硬化形および熱可塑形のいずれで
もよい。また塗料の形態としては、有機溶剤溶液型、非
水分散液型、水溶液型、水分散液型などのいずれでもよ
い。さらに、該上塗塗料はクリヤー、着色、メタリック
のいずれでもよい。該上塗塗料の静電塗装は、前述の場
合と同様の塗装機を用いて行なうことができる。
【0025】
【発明の効果】本発明の方法によれば、プラスチック部
材に直接静電塗装できるので、プラスチック部材に特別
な導電性フィラーを使用する必要もなく、またプラスチ
ック表面に予め導電性を付与するための前処理工程など
も省略でき、コスト低下と塗装工程の短縮が可能であ
る。さらに非導電体であるプラスチック部材に直接静電
塗装を行なうにもかかわらず、鋼板などの導体被塗物と
ほぼ同等の塗着効率を実現しうるものである。
【0026】
【実施例】以下、本発明の方法を実施例により説明す
る。
【0027】実施例1及び比較例1、2 ガラス繊維強化エポキシ樹脂製の絶縁プラスチック基板
(450×300×2mm)を被塗板とし、ベル型回転
霧化静電塗装機(岩田塗装機工業(株)製)を用いて、
溶剤型塗料PSR4000(太陽インキ製造(株)製、
エポキシ樹脂系ソルダーレジスト)を表1に示す塗料抵
抗値となるようメタノールで希釈し(比較例1はメタノ
ール使用していない)、塗料粘度300cpsとなるよ
うブチルセロソルブで粘度調整を行い、膜厚20μm
(乾燥)を形成するよう静電塗装を行なった。該静電塗
装の塗装条件として、コンベア速度、ベル回転数、塗料
吐出量、スプレー距離、ストローク幅、静電印加電圧を
共通条件としてストローク速度を表1に示すように調節
し塗装を行なったところ、最初の1ストロークにより形
成しえた塗着膜厚が表1に示すとおりであり、最終的な
塗着効率(塗着量/スプレー量)を同表に示す。
【0028】また塗着の均一性を評価するため、被塗板
上に導体ハンガーとの接地部から図1に示すように2c
mおきに試験チップ(10×10mm)を張りつけ、各
例と同様の塗装を行ない、各チップの最終的な塗着量を
調べ、チップを張りつけた位置(接地部からの距離)と
塗着量(膜厚)とをプロットし、図2のグラフを得た。
各位置の膜厚の変化の少ない方が良好である。
【0029】比較例3 比較例1において被塗板として軟鋼板(450×300
×0.6mm)を使用する以外は、比較例1と同じ塗装
条件として静電塗装を行ない、同様の評価を行なった。
その結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】実施例2、3及び比較例4 ポリプロピレン製パネル(450×300×2mm)を
被塗板とし、ディスク型回転霧化静電塗装機(ランズバ
ーグ・ゲヤ社製)を用いて、溶剤型塗料PSR4000
(太陽インキ製造(株)製、エポキシ樹脂系ソルダーレ
ジスト)を表2に示す塗料抵抗値及び粘度となるようメ
タノール及びブチルセロソルブで希釈し、膜厚20μm
(乾燥)を形成するよう静電塗装を行なった。該静電塗
装の塗装条件は表2に示すとおりであり、最初の1スト
ロークにより形成しえた塗着膜厚及び最終的な塗着効率
を同表に示す。また実施例1と同様に上記各例の塗着の
均一性を調べ、図3のグラフを得た。
【0032】
【表2】
【0033】実施例4、5及び比較例5 実施例1と同様の被塗板に、実施例1と同様の塗装機を
用いて、水性焼付け塗料アルソルダーSR2000(関
西ペイント(株)製、エポキシ樹脂系ソルダーレジス
ト)を表3に示す塗料粘度となるよう水で希釈し膜厚3
5〜40μm(乾燥)を形成するよう静電塗装を行なっ
た。該静電塗装の塗装条件は表3に示すとおりであり、
最初の1ストロークにより形成しえた塗着膜厚及び最終
的な塗着効率を同表に示す。
【0034】
【表3】
【0035】実施例6 ポリウレタン樹脂製パネル(600×300×2mm)
を被塗物とし、ベル型回転霧化静電塗装機(岩田塗装機
工業(株)製)を用いて、塗料抵抗値3×105Ω・c
mを有する下記配合の下塗塗料を膜厚20μm(乾燥)
を形成するよう静電塗装を行なった。
【0036】塗料配合 一液型熱硬化ポリウレタン樹脂 15重量部 キシロール 15 〃 トルエン 15 〃 メチルエチルケトン 20 〃 N−メチル−2−ピロリドン 20 〃チタン白 15 〃 計 100重量部 該塗料の最低ヌレ膜厚は約5μ(乾燥)であったので、
最初の1ストロークで該膜厚以上塗着できるようコンベ
ア速度2.5m/min、ベル回転数16000rp
m、塗料吐出量250cc/min、スプレー距離30
cmストローク幅100cm、静電印加電圧 −90K
V、ストローク速度0.1m/sの塗装条件で塗装し
た。下塗塗膜形成後3分間セッティングし、上塗塗料ソ
フレックス#200(関西ペイント(株)製、ポリウレ
タン樹脂系塗料)を膜厚30μm(乾燥)となるよう静
電塗装し、両塗膜を同時に120℃−30分間で焼きつ
け2コート1ベークの塗装膜を得た。下塗塗膜の塗着効
率は87%で、均一に塗着でき、その後の上塗塗料の塗
着も良好であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例及び比較例の塗着の均一性を評
価するために被塗板上に試験チップを張りつけたものの
模式図である。
【図2】図2は、評価結果をプロットしたグラフであ
る。
【図3】図3は、評価結果をプロットしたグラフであ
る。
【符号の説明】
1 被塗板 2 試験チップ 3 ハンガー 4 コンベア 5 ベル型回転噴霧器 6 レシプロ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05D 1/04 B05D 7/02 B05D 7/24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗着膜の体積固有抵抗値が10 6 Ω・c
    m以下となるように必要に応じて揮発性の導電性物質を
    含有せしめた塗料を、プラスチック部材に、複数のスト
    ロークにわたって静電噴霧することによって、プラスチ
    ック部材を静電塗装するプラスチック部材の静電塗装方
    法であって、 上記複数のストロークの内の最初の1ストロークにおけ
    る上記塗料の静電噴霧によって、上記プラスチック部材
    面上に上記塗料の最低ヌレ膜厚以上の塗着量を塗着せし
    めることを特徴とするプラスチック部材の静電塗装方
    法。
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