JP3315029B2 - 携帯無線電話機用アンテナ、および、同アンテナの構成方法 - Google Patents

携帯無線電話機用アンテナ、および、同アンテナの構成方法

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JP3315029B2
JP3315029B2 JP30133695A JP30133695A JP3315029B2 JP 3315029 B2 JP3315029 B2 JP 3315029B2 JP 30133695 A JP30133695 A JP 30133695A JP 30133695 A JP30133695 A JP 30133695A JP 3315029 B2 JP3315029 B2 JP 3315029B2
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一彦 仲瀬
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、準マイクロ波を使
用する携帯無線電話機用として好適なように改良し、特
に、従来例のこの種のアンテナに比して構造が簡単で製
造コストが安く、しかも従来例のこの種のアンテナに比
して遜色の無い性能を有する携帯無線電話機用アンテ
ナ、および、その構成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば1.9GHzといった準マイクロ
波を使用する無線通信機用に好適なアンテナとして、ス
リーブアンテナが公知である。図4はスリーブアンテナ
の基本的構成を示す模式図であって、1aは同軸ケーブ
ル1の心線、1bは同じく外部導体を示しており、両者
の間には管状の電気絶縁物が充填されている。上記の心
線1aに導通されたλ/4アンテナ素子1a′を形成
し、その機械的な長さ寸法を使用周波数帯における波長
λの約1/4に設定される。前記同軸ケーブル1の外部
導体1bに対して中心パイプ2aが接続導通され、この
中心パイプ2aと同心状に離間せしめてスリーブ型アン
テナ素子2bが外嵌され、ショートリング3を介して相
互に接続導通される。同軸ケーブル1のインピーダンス
0は一般に50Ωである。一方、矢印Zaで示された
点から見たアンテナインピーダンスは、通常70〜90
Ωである。そして、前記スリーブ型アンテナ素子2bで
覆われた中心パイプ2aと、その中を通っている導線6
とによりλ/4インピーダンス変換回路が形成される。
その作動原理について、図5を参照して略述すると、前
記のインピーダンスZaは、図5に付記した(1)式の
ごとく、 Za=Ra+jXa であるが、共振したときは虚数成分が無くなってZa=
Raとなり、例えば約85Ωになる。λ/4インピーダ
ンス変換回路のZmは、図5に付記した(2)式のごと
く、 Zm=√(Z0・Ra) である。
【0003】図4・図5に示した構成のスリーブ型アン
テナの実用構造(従来例)は図6のごとくである。同軸
ケーブル1に同軸コネクタ4′が取り付けられととも
に、これに結合される同軸コネクタ4が中心パイプ2a
に外嵌固着して導通されている。上記中心パイプ2aに
絶縁外筒5bが外嵌固着されるとともに、該絶縁外筒5
bにスリーブ型アンテナ素子2bが外嵌固着されてい
る。上記中心パイプ2aとスリーブ型アンテナ素子2b
とのそれぞれが絶縁外筒5bに固着されている端部の反
対側の端はショートリング3を介して相互に固定・導通
されている。図示の導線6は、前記同軸コネクタ4の中
央端子を延長した形に構成されていて、同軸ケーブル1
の心線と導通されるようになっており、この導線6は絶
縁内筒5aを介して前記中心パイプ2aと同心をなすよ
うに支持されている。
【0004】前記ショートリング3に絶縁筒7が固着さ
れ、該絶縁筒の内周にλ/4アンテナ素子8が嵌合固着
され、前記の導線6と導通している。9はアンテナ素子
のキャップである。
【0005】図6に示した従来例のスリーブアンテナ
は、準マイクロ波を用いる携帯形通信機のアンテナとし
て優れたアンテナ特性を有しているが、構造が複雑で構
成部品点数が多い。構造が複雑で構成部品点数が多い
と、部品コストが高価になり、しかも組立作業の所要工
数が多いので組立コストも高価になる。その上、構造が
複雑で構成部品が多いと、技術的トラブルを発生しやす
く、信頼性が低くなる。アンテナ本体と給電用同軸ケー
ブル1とが、同軸コネクタ4を介して接続される構造で
あることは、便利な場合も有る反面、接続の手数を要
し、接続不良といったトラブルを発生する要因となる。
この従来例の構造では、アンテナ本体を細くすることが
容易でない。経済性を著しく害することが無く、実用性
を有する範囲内では最小限、直径7mmであった。
【0006】前掲の図4および図5について説明したス
リーブアンテナの基本的構成の範囲内で、そのアンテナ
性能を低下せしめることなくその構造をできるだけ簡略
化して製造コストを低減するとともに外径寸法を細くす
るため、図7および図9に示すような改良された従来例
も公知である。説明の便宜上、以下、これを公知例と呼
ぶ。図7は公知例に係るスリーブアンテナの1実施形態
を示す断面図であり、図8は上記公知例の分解図であ
る。図8に表わされているように、スリーブ型アンテナ
素子10bと中心パイプ10aとを同心状に嵌め合わせ
て配置し、金属製のショートリング11を介して相互に
固定する。一方、同軸ケーブル1の一端に同軸コネクタ
14を接続するとともに、その他端のλ/2の区間につ
いて同軸ケーブルの外部導体を除去し、その除去した区
間(λ/2)に隣接している部分の外部導体1cを、同
軸ケーブルの外周へ重ねる形に折り返す。上記のように
して外部導体を除去して露出させた長さλ/2の心線1
a′を矢印aのように絶縁スペーサリング11,中心パ
イプ10a,および絶縁スペーサパイプ13に、準じに
挿通し、図7に示すように中心パイプ10aの先端から
λ/4だけ突出させる。その結果、残りλ/4は中心パ
イプ10a内に位置する。そして、前記外部導体の折返
し部1cを中心パイプ10a内に位置せしめ、該中心パ
イプ10aの外周面の外側に向けて押圧し、塑性変形さ
せてカシメ12を施す。17はアンテナカバーである。
これにより、長さλ/4だけ中心パイプ10aから突出
した部分の心線1a′はλ/4アンテナ素子として作用
し、中心パイプ10a内に挿入されているλ/4の部分
と該中心パイプとの間にλ/4インピーダンス変換器が
構成される。次に、図9を参照してインピーダンス制御
について説明する。(A)図に示したように、同軸ケー
ブル1の中心導体と中心パイプ10aとがインピーダン
ス変換回路を形成している区間の特性インピーダンスZ
mは、 Zm=√(Za・Z0) ……(3) となる。而して、先に図5について説明したようにZ0
は一般に50Ωであるから、図示の寸法d,Dを適宜に
設定してZmを所望の値(本例では85Ω)ならしめ
る。
【0007】上記の寸法Dを小さくするため、および、
Zmを所望の値に調整するため、図9(B)に示すよう
に管状の調整用誘電体16を構成して、λ/4アンテナ
素子として作用する心線1a′に外嵌し、中心パイプ1
0a内に挿入する。上記調整用誘電体の誘電率をεとす
ると、該調整用誘電体16を設けた場合の特性インピー
ダンスZm′は、 Zm′=(138/√ε)log10(D/d) ……(4) となる。
【0008】例えばポリエチレンによって前記調整用誘
電体16を構成すると、この場合、ε=2.4であるか
ら、√ε=√2.4≒1.5となり、1倍ないし1.5
倍の間でZm′の値を調整できる。1倍ないし1.5倍
の1倍とは、前記管状の調整用誘電体16の管肉厚を極
度に薄くした場合を意味し、また、1倍ないし1.5倍
の1.5倍とは、心線1a′と中心パイプ10aとの間
の空間を誘電体(今の場合はポリエチレン)で完全に充
填した場合を意味するものである。以上の説明から容易
に理解できるように、前記管状の調整用誘電体の材質も
しくは管肉厚を変えることによって特性インピーダンス
が所望の値となるように制御することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前掲の図6に示した従
来例に比して図7ないし図9に示した公知例は構成部品
点数が少なく、管状の調整用誘電体16の材質もしくは
管厚を変えることによって特性インピーダンスの調整が
可能であって優れた実用的価値を有している。しかし乍
ら、上記従来例も公知例も、共に2重管状の構成である
ため、実施形態における構造の簡略化や製造コストの低
減に限界が有った。以上に述べた事情に鑑みて為された
発明の目的は、2重管状の構成部分を有しない簡単な
構成であって、従来例および公知例に比して遜色が無
く、しかも、インピーダンス制御が容易な携帯無線電話
機用アンテナおよびその構成方法を提供するにある。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに創作した本発明の基本的原理について、その実施形
態に対応する図1を参照して概要を述べると次のとおり
である。すなわち、細長い形状(望ましくは長方形)
アンテナ基板20の基板面上に、モノポールアンテナ素
子21と、励振器22と、アース板23とを導通パター
ンによって構成し、上記モノポールアンテナ素子21の
給電端と励振器22の開放端とを静電容量結合するとと
もに、該励振器22の給電端に同軸ケーブル24の心線
を接続導通し、かつ、上記励振器22の給電端とアース
板23とを対向離間せしめるとともに、該アース板23
に対して前記同軸ケーブル24の外部導体を接続導通し
て、該同軸ケーブル24がアース板23に対向している
部分をほぼ平行ならしめて相対的位置を固定すると、前
記のモノポールアンテナ素子をλ/2で共振せしめて良
好なアンテナ特性が得られる。この場合、前記励振器2
2の給電端とアース板23との間に形成される静電容量
を調整することによって該励振器22の放射インピーダ
ンスを制御する事ができる。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【発明の実施の形態】次に、図1ないし図3を順次に参
照しつつ、本発明の実施の形態を説明する。
【0042】図1は、本発明に係る携帯無線電話機用ア
ンテナの構成方法を適用して構成した携帯無線電話機用
アンテナの1実施形態を示し、(A)は要部の正面図、
(B)は同じく側面図である。図示の20はアンテナ用
の電気的構成要素を担持させるための1個のアンテナ基
板であって、細長い長方形に構成されている。本発明を
実施する場合、上記の基板は以下に述べるモノポールア
ンテナ素子21と励振器22とアース板23とを、以下
に述べるような位置関係に配列するため細長い長方形に
構成することが合理的である。ただし、角の部分に丸味
を付したり、辺の一部を曲線にするなどの変形を施して
も、基本的に長方形の基板と等価であるときは本発明の
技術的範囲に属する。上記のアンテナ基板20につい
て、説明の便宜上、本図1(B)の側面図において左側
を表面側、右側を裏面側と呼ぶことにする。そして、本
図1に描かれているのはアンテナを使用している標準的
な状態であって必ずしも図示の姿勢で使用されるとは限
らず、また、収納状態においては基板の長手方向がほぼ
水平になり、さらに、保管中や携行中には上下反転した
姿勢になることもあるが、説明の便宜上、本図1および
後に掲げる図2における上方を上と呼び、図面の下方を
下と呼ぶことにする。これらの表・裏、上・下の呼称は
飽くまで便宜上のものであって権利範囲を限定するもの
ではない。
【0043】前記アンテナ基板20の表側の上半部に、
長方形薄板状のモノポールアンテナ素子21を形成す
る。本実施形態においては基板表面に銅箔を無電解メッ
キによって成層した。本発明を実施する場合、基板と別
体に構成したモノポールアンテナ素子を基板に貼着する
ことも可能であるが、本実施形態のようにメッキ手法を
応用すると安価に、かつ品質の安定したモノポールアン
テナ素子を形成することができ、しかも、該モノポール
アンテナ素子を基板に対して貼着する手数を費やさない
ので、いっそう低コストで構成することができる。
【0044】上記のモノポールアンテナ素子21は、長
手方向の寸法を波長λの約1/2に設定する。モノポー
ル形のアンテナ素子の機械的な長さ寸法を約λ/2に構
成すると、その電気的長さも約λ/2となる。すなわ
ち、約λ/2で共振するようになる。このモノポールア
ンテナ素子21は、後に説明するように、その下端が給
電端として作用する。前記アンテナ基板20の裏面側
に、該アンテナ基板20の長手方向について中央部の近
傍に励振器22を形成し、該励振器22の開放端と前記
モノポールアンテナ素子21の給電端(下端)とを、ア
ンテナ基板を隔てて対向せしめる。図1(B)に示した
寸法bはモノポールアンテナ素子21と励振器22との
重なり寸法である。この重なり合いによって両者の間に
静電容量cが形成され、これにより前記励振器22の開
放端とモノポールアンテナ素子21の給電端とが静電容
量結合される。
【0045】図2は、前掲の図1に示した実施形態に係
る携帯無線電話機用アンテナの全体を表す縦断面図であ
って、アンテナ基板の裏側から見たところを描いてあ
り、裏側に配置された構成部材は隠れている。本実施形
態の励振器22は、図2に表されているようにジグザグ
形に、そして電気的長さがλ/4となるように、すなわ
ち電波の波長λの1/4で共振するように構成されてい
る。電気的長さがλ/4のジグザグ形励振器22の機械
的な長さ寸法L(図2参照)はλ/4よりも格段に短い
ので、この励振器22を設けることによってアンテナ装
置全体の長さ寸法を長大ならしめることは実用上無視し
得る程度に僅かである。本実施形態におけるジグザグ形
の励振器22は、アンテナ基板20に成層された銅箔を
エッチングする、いわゆるプリント配線の技法を適用し
て構成した。このような構成によればジグザグ形の励振
器を安価に、かつ高精度に構成することができる。
【0046】前記の静電容量cの値は、これを臨界結合
状態ならしめたときに優れたアンテナ性能が得られる。
従って、上記の静電容量値を制御することが必要であ
り、かつ、所望の静電容量値を大量生産の製品に再現で
きなければならない。本実施形態のように、モノポール
アンテナ素子21の給電端と励振器22の開放端とを対
向させる構成にすると前記の静電容量cの値は、重なり
部分の面積と、重なり部分の間隔寸法と、間隙に存在す
る物質の誘電率とによって定まる。これを設計的に制御
するには、実際問題として次のようにすれば良い。対向
部分の間隔寸法はアンテナ基板20の厚さ寸法と同一に
なる。このアンテナ基板の素材は専門工場で高度の品質
管理の下に大量生産された市販品を利用することができ
るので、設計的に任意に選定することができる上に、ア
ンテナを工業的に生産する場合に設計寸法どおりの製品
とすることも容易に可能である。対向部分の間隙を満た
している物質の誘電率は、本実施形態においてはアンテ
ナ基板の材質によって定まる。従って、該アンテナ基板
の誘電率を用いて前記の静電容量cを設計的に算定する
について別段の困難は無く、アンテナの製品に上記の誘
電率を再現することも容易である。上述した間隔寸法と
誘電率とを既定の数値として取扱うならば、前記の静電
容量cは対向部分の面積に正比例する値として一義的に
求められる。実際の場合の便宜的手法としては図示の重
なり寸法bによって調節することができる。このように
して、励振器22の放射インピーダンスを所定の値(本
実施形態においては10オーム)に設定する。
【0047】前記モノポールアンテナ素子21は長方形
に構成され、その長さ寸法は先に述べたように約λ/2
に設定される。本実施形態においては適用周波数を約
1.9GHzとしているので電気的長さλ/2の値は基
板の誘電率を加味して約5センチメートルになる。この
モノポールアンテナ素子21を線条アンテナによって構
成することもできるが、このモノポールアンテナ素子2
1の形状を短冊状にして、幅寸法Wを有する平面的形状
(長方形)にすると同調周波数帯域を広くすることがで
きる。本実施形態においては上記の幅寸法Wを5mm、
長さ寸法を約50mmに設定して、実用的価値の高い広
帯域特性が得られた。図3は、前掲の図1および図2に
示した実施形態における携帯無線電話機のアンテナ特性
を説明するための図表であって、(A)はスミスチャー
ト、(B)はVSWRグラフである。上記のVSWRグ
ラフにより、本実施形態のアンテナが1.9ギガヘルツ
を中心として非常に広い同調周波数帯域を有しているこ
とが分かる。本発明を実施する場合、前記の幅寸法Wの
設定に関しては相当大きい設計的自由度が有るけれど
も、モノポールアンテナ素子の長さ寸法(λ/2)に比
して幅寸法Wを1/20未満にすると同調周波数帯域が
やや狭く、基板の機械的加工性が悪くなり、上記幅寸法
Wが1/5を越えても、それ以上の広帯域特性は得られ
ない上にアンテナ装置全体の輪郭が大径になるので、特
殊な使用条件(例えば広帯域特性が全く不要である等)
でない限り、幅寸法Wを長さ寸法(λ/2)の1/10
ないし1/3の範囲内に設定することが適当であると考
えられる。
【0048】前記アンテナ基板20の下端部、すなわち
モノポールアンテナ素子21を形成した側の反対側にア
ース板23を形成する。本実施形態においては、前記の
モノポールアンテナ素子と同様に無電解銅メッキによっ
て該アース板23を形成した。このような構成による
と、モノポールアンテナ素子21とアース板23とを同
一の工程で形成することができるので製造コストの低減
に有効である。上記のアース板23の1部と前記励振器
22の給電端とを対向離間させ、これらの間に静電容量
c′を形成する。この静電容量c′を調節することによ
って励振器22の放射インピーダンスが制御される。
【0049】同軸ケーブル24の心線を前記励振器22
の給電端aにハンダ付けして接続導通せしめるととも
に、該同軸ケーブル24の外部導体を前記のアース板2
3に接続導通させる。本実施形態においては、アース接
続金具25によって上記同軸ケーブル24の外部導体を
アンテナ基板20に加締め付けて固定するとともにアー
ス板23に導通せしめている。上記同軸ケーブル24
を、図1(B)に示すようにアンテナ基板20に沿わし
め、アース板23に対してほぼ平行に位置せしめて、該
同軸ケーブル24とアース板23との相対的な位置を固
定する。26はスペーサーであって、電気絶縁材料によ
って構成されている。
【0050】上記のアース板23は、λ/4で共振する
部材であって、前記アース接続金具25からアース板2
3の下端までの機械的寸法を約λ/4に構成されている
が、このアース板23の共振特性は同軸ケーブル24の
影響を受ける。こうした観点からは、該同軸ケーブル2
4ができるだけアース板23から離れていることが望ま
しいのであるが、同軸ケーブル24をアース板23から
離せば離すほどアンテナ装置全体の輪郭が大径になるの
で、同軸ケーブルとアース板との間隔寸法を増すことに
は全体的な設計の面から制約を受ける。本実施形態のよ
うにアンテナ基板20の表面側にアース板を、裏面側に
同軸ケーブルを、というように基板20を隔てて配設す
ると、該基板20の厚さ寸法に相当する最小間隔寸法が
確保される。
【0051】図2に示されているように、有頂無底筒状
のアンテナカバー27を合成樹脂材料で構成し、前記の
アンテナ基板を該アンテナカバー27内に挿入して収納
する。上記の挿入操作は、前記のモノポールアンテナ素
子21をアンテナカバー27の奥の方へ(頂部側へ)入
れる。前記有頂無底の筒状をなすアンテナカバー27の
無底の開口部(下端の開口部)にエルボー28を取り付
け、図示の線X−Xを中心として傾動し得るように、携
帯無線電話機のケース(図示せず)に対して支承する。
これにより、本実施形態のアンテナが起立して使用姿勢
になったり、傾倒して収納姿勢になったりすることがで
きるようになる。上記の傾動に伴って同軸ケーブル24
も線X−Xを中心として曲げ変形せしめられようとする
が、図2に表されているように該同軸ケーブル24がア
ンテナカバー27の下端開口部から傾動中心軸X−X付
近に引き出されているので、該同軸ケーブル24の傾動
に伴う変形は捩り変形として吸収される。このため、ア
ンテナ基板20を収納したアンテナカバー27の傾動が
同軸ケーブル24によって妨げられる虞れ無く、スムー
スに起立・収納され、しかも、同軸ケーブル24のアー
ス板23に対する関係位置が一定に保たれる。(図1参
照)上述のようにして、アース板23に対応する同軸ケ
ーブル24の相対的な位置を固定すると、アース板23
に対する同軸ケーブル24の影響が変化しないのでアン
テナ性能が変化せずに安定するが、アース板23が同軸
ケーブル24の影響を受けることを解消はできない。そ
こでアース接続金具25からアース板23下端までの距
離を「同軸ケーブルの影響を考慮して、その電気的長さ
がλ/4になるよう」すなわちλ/4で共振するように
設定する。これにより、前掲の図3に示したような優れ
たアンテナ特性が得られる。図示を省略するが、図1お
よび図2に示したモノポールアンテナ素子21をジグザ
グ形に形成し、および/またはアース板23をジグザグ
形に形成すると、2重管状部分を有しないという前記実
施形態の長所を備え、かつ、アンテナ装置全体の長さ寸
法が極度に短縮される。この実施形態は、例えば800
MHz帯のように比較的低い周波数で使用するに好適で
ある。
【0052】
【発明の効果】本発明の携帯無線電話機用アンテナは、
モノポールアンテナ素子と、アース板と、励振器との主
要構成部分が1個の基板上に形成されているので、アッ
センブリとして市場流通性を有し、しかも大量生産に適
し、品質が均一な多数の製品を低コストで製造すること
ができる。 かつ、本発明のアンテナによると、モノポー
ル形のアンテナ素子と励振器とが接触導通する必要が無
く、該モノポール形アンテナ素子の給電端と励振器の開
放端とが対向離間しているので両者の間に形成される静
電容量によって静電容量結合される。
【0053】このため、接触導通不良に因る作動不良の
トラブルを生じる虞れが無く優れたアンテナ特性、特
に、同調周波数帯域の広域化が得られる。この種のアン
テナは一般に、良好なアースが有って初めて初期の機能
を発揮するものであって、本発明に係るアンテナのよう
に励振器の給電端に心線を接続導通された同軸ケーブル
の外部導体をアース板に接続するとともに該同軸ケーブ
ルをアース板に沿わせて該アース板に対する相対的な位
置を固定すると、良好なアースが得られてアンテナ特性
が安定する。この場合、アース板が細長い形状であるた
め、アンテナ装置全体が携帯無線電話機用として好適な
細形に構成される。そして、該細長いアース板の長さ寸
法を適宜に調整して、同軸ケーブルの影響を考慮に入れ
てλ/4で共振せしめることにより、最適のアンテナ特
性を発揮させることができる。
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】本発明に係るアンテナの構成方法による
と、単一の構成部材である細長い基板の上に、モノポー
ルアンテナ素子と、励振器と、アース板とが、並べても
うけられるので、これらのモノポールアンテナ素子と励
振器とアース板とを相互に接続導通せしめる作業(例え
ば配線やハンダ付け等)を必要とせず、これらの構成部
材相互の間に形成される静電容量を介して電気的に協働
せしめて優れたアンテナ性能を発揮させることができ、
接触不良に因るトラブルを発生する虞れが無い。この種
のアンテナの機能を充分に発揮させて高利得特性と広帯
域特性とを得るためには良好なアースの存在を不可欠と
するが、本発明方法の構成を適用して同軸ケーブルをア
ース板に対してほぼ平行に固定することにより、該アー
ス板を所望の電波に関してλ/4で共振せしめることが
でき、波長λの電波について高利得のアンテナ性能が得
られる。特に、前記同軸ケーブルのアース板に対する相
対的な位置を固定することによってアンテナ性能を安定
せしめることができ、携帯無線電話機全体の作動信頼性
を向上せしめる。
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る携帯無線電話機用アンテナの構成
方法を適用して構成した携帯無線電話機用アンテナの1
実施形態を示し、(A)は要部の正面図、(B)は同じ
く側面図である。
【図2】前掲の図1に示した実施形態に係る携帯無線電
話機用アンテナの全体を表す縦断面図であって、アンテ
ナ基板の裏側から見たところを描いてあり、裏側に配置
された構成部材は隠れている。
【図3】前掲の図1および図2に示した実施形態におけ
る携帯無線電話機のアンテナ特性を説明するための図表
であって、(A)はスミスチャート、(B)はVSWR
グラフである。
【図4】スリーブ型アンテナの原理的な構成を説明する
ための、模式的に描いた断面図である。
【図5】スリーブアンテナの原理的な作用を説明するた
めの、模式的に描いた断面図である。
【図6】スリーブアンテナの従来例を示し、中心線を含
む面で切断して描いた断面図である。
【図7】公知例に係るスリーブアンテナの1実施形態を
示す断面図である。
【図8】前掲の図7に示した公知例に係るスリーブアン
テナの分解図である。
【図9】前掲の図7および図8に示した公知例に係るス
リーブアンテナのインピーダンス制御の説明図である。
【符号の説明】
1…同軸ケーブル、1a…心線、1a′…アンテナとし
て作用する心線、1b…外部導体、1c…外部導体折返
し部、2a…中心パイプ、2b…スリーブ型アンテナ素
子、3…ショートリング、4…同軸コネクタ、5a…絶
縁内筒、5b…絶縁外筒、6…導線、7…絶縁筒、8…
λ/4アンテナ素子、9…キャップ、10a…中心パイ
プ、10b…スリーブ型アンテナ素子、11…ショート
リング、12…カシメ、13…絶縁スペーサパイプ、1
4…同軸コネクタ、20…アンテナ基板、21…モノポ
ールアンテナ素子、22…励振器、23…アース板、2
4…同軸ケーブル、25…アース接続金具、26…スペ
ーサー、27…アンテナカバー、28…エルボー、29
…コネクタ、a…励振器の給電端、b…重なり部分、
c,c′…静電容量、d…重なり部分。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1個の細長い基板の面上に、 モノポール形のアンテナ素子と、 上記モノポール形アンテナ素子の給電端に対して開放端
    を対向、離間せしめて配置された励振器と、 上記励振器の給電端に対して短辺側を対向,離間せしめ
    て配置された細長いアース板と、が形成されており、 前記励振器の給電端に対して心線を接続導通されるとと
    もに前記アース板に対して外部導体を接続導通された同
    軸ケーブルの一部分が前記のアース板の長手方向とほぼ
    平行に、該アース板に対する相対的位置を固定されて
    り、 かつ、前記細長い基板の長手方向に関して両端側にモノ
    ポール形のアンテナ素子とアース板とがそれぞれ配置さ
    れるとともに、中央部近傍に励振器が配置され ているこ
    とを特徴とする、携帯無線電話機用アンテナ。
  2. 【請求項2】 前記のモノポール形のアンテナ素子の電
    気的長さが約λ/2であり、かつ、前記励振器の電気的
    長さが約λ/4であることを特徴とする、請求項1に
    載した携帯無線電話機用アンテナ。
  3. 【請求項3】 前記の基板の片方の面にモノポール形ア
    ンテナ素子が形成されるとともに、他方の面に励振器が
    形成されていて、モノポール形アンテナ素子の給電端と
    励振器の開放端とが基板を隔てて重なり合っていて相互
    の間の静電容量が形成され、かつ、上記静電容量の値が
    ほぼ臨界結合状態になっていることを特徴とする、請求
    もしくは請求項に記載した携帯無線電話機用アン
    テナ。
  4. 【請求項4】 前記基板の、励振器が形成されている面
    の反対側の面に前記のアース板が形成されていて、励振
    器の給電端とアース板の一部とが基板を隔てて対向して
    おり、 かつ、前記の同軸ケーブルが基板の励振器側に配設され
    て、該基板を隔ててアース板と対向していることを特徴
    とする、請求項1ないし請求項の何れか一つに記載し
    た携帯無線電話機用アンテナ。
  5. 【請求項5】 細長い形状の基板上に、その片方の端に
    寄せて、モノポールアンテナ素子を金属薄膜で形成し、
    該基板上の中央部付近に励振器を配設し、 上記 モノポールアンテナ素子の1端に対して励振器の開
    放端を対向せしめて両者の間に静電容量を形成するとと
    もに、前記基板上の他方の端に寄せて、金属薄膜でアース板を
    形成して、該 アース板を前記励振器の給電端に対向離間
    せしめて配置し、 前記励振器の給電端に対して同軸ケーブルの心線を接続
    導通するとともに、該同軸ケーブルの外部導体を前記ア
    ース板に接続導通し、 前記同軸ケーブルのアース板に対する接続個所の近傍を
    該アース板に対してほぼ平行に配置するとともに、上記
    同軸ケーブルがアース板に対向している部分と該アース
    板との相対的な位置を固定することを特徴とする、携帯
    無線電話機用アンテナの構成方法。
  6. 【請求項6】 記細長い形状の基板の長さ方向の中央
    部近傍に、プリント配線手法によってジグザグ形の励振
    器を形成することを特徴とする、請求項5に記載した携
    帯無線電話機用アンテナの構成方法。
  7. 【請求項7】 前記モノポールアンテナ素子の電気的長
    さ寸法を約λ/2に構成するとともに、前記ジグザグ形
    励振器の形状,寸法を、λ/4で共振するように設定す
    ることを特徴とする、請求項に記載した携帯無線電話
    機用アンテナの構成方法。
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