JP3313790B2 - 低分子蛋白質の精製方法 - Google Patents

低分子蛋白質の精製方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,トリプシンインヒビタ
ー,α─アミラーゼインヒビター等の低分子蛋白質を,
大量に高純度に精製することができる,低分子蛋白質の
精製方法に関する。
【0002】
【従来技術】分子量20000程度の低分子蛋白質とし
ては,例えば,トリプシンインヒビター,α─アミラー
ゼインヒビター等がある。これらの低分子蛋白質は,後
述するごとく,水産加工品の品質改良剤等に用いられ,
近年注目されている。
【0003】この低分子蛋白質を精製する方法として
は,従来,例えば,特開平2─76900号,“Bio
chemical and Biophysical
Research Communications”,
Vol.173,No.1(1990)に記載された方
法がある。
【0004】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の精
製方法は実験的なもので,大量に生産することが困難で
あり,その製造法が複雑なためコスト高となり,得られ
た低分子蛋白質は極めて高価なものとなる。また,その
精製純度も比較的低く,用途面での制約も生じている。
本発明はかかる従来の問題点に鑑み,低分子蛋白質を大
量に高純度に精製することができる,低分子蛋白質の精
製方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題の解決手段】本発明は,大豆,米,小麦,大麦,
じゃがいも等の植物の破砕物を極性溶媒により抽出し,
その抽出物の水溶液を疎水性樹脂を充填したカラムに通
すことにより,分子量15000〜30000の低分子
蛋白質を疎水性樹脂に吸着させ,これを親水性有機溶媒
を用いて溶出することを特徴とする低分子蛋白質の精製
方法にある。
【0006】本発明は,分子量15000〜30000
の低分子蛋白質を精製する方法である。該低分子蛋白質
には,トリプシンインヒビター,α─アミラーゼインヒ
ビター等がある。本発明において最も注目すべきこと
は,上記抽出物の水溶液を,疎水性樹脂のカラムに通
し,上記低分子蛋白質を吸着させて,これを精製してい
ることである。
【0007】上記極性溶媒としては,水,メタノール,
エタノール,アセトン等を用いる。上記疎水性樹脂は,
非極性であり,多数の細孔を有する表面積の大きなポリ
マーである。そして,その微粒子表面は,疎水性であ
る。かかる疎水性樹脂としては,HP−20(三菱化成
(株)製),HP−40(三菱化成(株)製)等を用い
る。上記低分子蛋白質の原料として用いる植物として
は,大豆,米,小麦,大麦,じゃがいも,じゃがいもの
皮,なた豆,米糠,トウモロコシ,アルファルファ,大
豆胚芽等低分子蛋白質を含有する植物がある。
【0008】以下,上記低分子蛋白質の精製方法につい
て詳説する。まず,上記植物を水に浸漬する。このと
き,これに先立って,上記植物を破砕する。ここに破砕
は,上記植物を細片状に切り刻むこと,クラッシュする
こと,粉砕することなど,上記植物から低分子蛋白質を
溶出しやすくする処理をいう。
【0009】次いで,得られた浸漬液をフィルターによ
り濾過する。次いで,得られた濾液を,上記疎水性樹脂
を充填したカラムに通す。これにより,低分子蛋白質等
を疎水性樹脂に吸着させる。次いで,アセトン,アルコ
ール等の親水性有機溶媒を上記カラムに通すことによ
り,疎水性樹脂に吸着した低分子蛋白質を溶出させる。
次に,この溶出液中の親水性有機溶媒を留去する。
【0010】上記低分子蛋白質は,練製品の品質改良
剤,膵臓疾患治療薬,組織培養用培地添加剤など,多く
の用途が考えられ,特に加工食品の分野において注目さ
れている。更に,その後,低分子蛋白質を凍結乾燥,ス
プレードライ,減圧乾燥等により粉末化することが好ま
しい。これにより,低分子蛋白質の活性安定化を図るこ
とができる。これにより,分子量15000〜3000
0の低分子蛋白質が得られる。
【0011】
【作用及び効果】本発明においては,上記植物中に含ま
れる低分子蛋白質を浸漬液中に抽出し,次いでこれを疎
水性樹脂に吸着させている。そのため,得られた低分子
蛋白質は,純度が高い。また,本発明の精製方法は,工
程数が少ない。
【0012】そのため,効率よく大量に,かつ高純度に
低分子蛋白質を精製することができ,コストも安い。ま
た,低分子蛋白質は,植物における廃棄部分,例えばじ
ゃがいもの皮,米糠等にも多量に含まれている。そのた
め,これら低分子蛋白質含有植物の廃棄物を原料とする
こともでき,この点においてもコスト安となる。本発明
によれば,低分子蛋白質を大量に高純度に精製すること
ができる,低分子蛋白質の精製方法を提供することがで
きる。
【0013】
【実施例】実施例1 本例は,低分子蛋白質としてのトリプシンインヒビター
を,大豆から精製する方法である。以下,その方法につ
いて説明する。まず,大豆100gを蒸留水500ml
に5℃,8時間浸漬する。次いで,ミキサーにより粉砕
し,サラシ木綿により濾過する。これにより大豆抽出物
を含有する水溶液300ml(pH6.6)を得る。
【0014】この水溶液を,疎水性樹脂HP−20(三
菱化成(株)製)50mlを充填したカラム(口径2c
m,長さ16cm)に,空間速度SV2で通す。次い
で,該疎水性樹脂に水100mlを通して洗浄する。
【0015】次に,親水性有機溶媒(90%アセトン,
10%水)を上記疎水性樹脂にSV2で通すことによ
り,上記疎水性樹脂に吸着した低分子蛋白質を溶出す
る。次いで,この溶出液中の親水性有機溶媒を減圧下に
蒸発除去し,乾固する。これにより,低分子蛋白質0.
56gが得られた。次に,該低分子蛋白質のトリプシン
阻害活性値をカゼイン消化方法により測定した。その結
果,該低分子蛋白質は,約1000u/gのトリプシン
阻害活性を示した。
【0016】次に,本例の作用効果について説明する。
上記のごとく,本例の方法によれば,得られた低分子蛋
白質は高いトリプシン阻害活性を示し,純度が高いもの
であった。また,本例の精製方法は工程数が少ない。そ
のため,効率よく,低コストで低分子蛋白質を精製する
ことができる。
【0017】また,上記低分子蛋白質の精製方法を豆乳
の生産ラインに加えることにより,大豆中に含まれるリ
ポキシゲナーゼと共にトリプシンインヒビターを効率的
に除去することができる。得られた豆乳は,豆乳独特の
異臭もなく,非常に飲みやすいものである。
【0018】実施例2 本例は,大量の低分子蛋白質を大豆から精製する方法で
ある。まず,大豆100kgを蒸留水500リットルに
5℃,6時間浸漬する。次いで,この大豆をマスコライ
ザーにより粉砕し,フィルタープレスにより濾過する。
これにより,大豆抽出物を含む水溶液(pH6.6)4
00リットルを得る。この水溶液を,疎水性樹脂50リ
ットルを充填したカラム(口径30cm,長さ71c
m)に空間速度SV2で通す。疎水性樹脂としては,H
P−20(三菱化成(株)製)を用いた。
【0019】次いで,該疎水性樹脂に水100リットル
を通して洗浄する。次に,親水性有機溶媒(90%エタ
ノール,10%水)を上記疎水性樹脂にSV2で通すこ
とにより,疎水性樹脂に吸着した低分子蛋白質を溶出す
る。この溶出液中の親水性有機溶媒を減圧下に蒸発除去
し,乾固する。これにより,低分子蛋白質1.2kgが
得られた。該低分子蛋白質は,トリプシンインヒビター
である。この低分子蛋白質のトリプシン阻害活性値を実
施例1と同様に測定したところ,約1200u/gの活
性を示した。
【0020】実施例3 本例においては,前記実施例1,2により得られたトリ
プシンインヒビターの,トリプシンに対する阻害度を測
定した。測定に当たっては,トリプシンインヒビターに
より活性抑制されたトリプシンを用いてカゼインを分解
し,その未分解のカゼインの濃度を分光光度計にて測定
した。
【0021】以下,その測定法について詳説する。ま
ず,実施例1で得たトリプシンインヒビターを1000
0倍に希釈することにより阻害液を調製する。次に,
0.1モルのリン酸バッファー(pH8.0)と,1.
5%のカゼイン溶液(pH8.0)と,トリプシン(3
0USP units/mg;和光純薬203─113
02)と,4%TCA(トリクロロ酢酸)とを準備す
る。上記カゼイン溶液は,上記リン酸バッファーに溶解
させたものである。上記トリプシンは,上記リン酸バッ
ファー中にトリプシンを4mg/ml,または2mg/
ml溶解させたものである。
【0022】次に,トリプシンインヒビターにより活性
抑制されたトリプシンによるカゼイン分解液(As液)
を調製する。即ち,まず,トリプシン1mlに上記阻害
液1mlを加え,37℃,10分間加温し,これを阻害
液入酵素液とする。一方,カゼイン2mlを37℃,1
0分間加温し,これを基質液とする。
【0023】次いで,該基質液2ml中に上記阻害液入
酵素液1mlを加え,37℃,15分間反応を行う。T
CA2mlを加え,37℃,20分間放置することによ
り反応を終了させる。得られた反応終了液を,濾紙(N
o.131,ヒダ折り)により濾過する。これにより,
上記As液を得る。
【0024】一方,上記As液のブランク液(Ab液)
を調製する。即ち,上記阻害液入酵素液の代わりに,阻
害液0.5mlとリン酸バッファー0.5mlとを,上
記基質液2mlに加える。次に,上記As液と同様に反
応を行う。これにより,上記Ab液を得る。
【0025】次に,トリプシンによるカゼイン分解液
(Ao液)を調製する。即ち,まず,トリプシン1ml
にリン酸バッファー1mlを加え,37℃,10分間加
温し,酵素液を得る。一方,カゼイン2mlを37℃,
10分間加温し,これを基質液とする。次いで,該基質
液2ml中に上記酵素液1mlを加え,37℃,15分
間反応を行う。TCA2mlを加え,37℃,20分間
放置して,反応を終了させる。得られた反応終了液を,
濾紙(No.131,ヒダ折)により濾過する。これに
より,上記Ao液を得る。
【0026】一方,上記Ao液のブランク液(Abs
液)を調製する。即ち,上記酵素液の代わりに,リン酸
バッファー1mlを,上記基質液2mlに加える。次
に,上記Ao液と同様に反応を行った。これにより,上
記Abs液を得る。
【0027】次に,上記4種類の溶液(As液,Ab
液,Ao液,Abs液)について,それぞれ吸光度(O
D280nm)を測定し,以下に示す式によりトリプシ
ンに対するトリプシンインヒビターの阻害度を求めた。 阻害度(%)=100×〔(Ao−Abs)−(Aa−
Ab)〕/(Ao−Abs)
【0028】その結果,実施例1のトリプシンインヒビ
ターの阻害度は,50.6%であった。実施例2では,
48%であった。また,比較のために,大豆より単離し
たトリプシンインヒビターの標品(和光純薬(株)製)
の阻害度を同様に測定したところ,92%であった。
【0029】尚,該標品を精製するに当たっては,ま
ず,大豆の水抽出物の水溶液をゲル濾過した。得られた
濾液をイオン交換クロマトグラフィにより精製した。次
いで,これを脱脂し,水抽出をし,ゲル濾過を行った。
次に,該濾液をDEAE−カラムクロマトグラフィによ
り精製した。
【0030】このことから,本例によれば,米糠由来の
濾液を疎水性樹脂に吸着し,溶出するという,極めて簡
便な操作を行うことにより,上記のごとく多数の工程を
経て精製された標品にも劣らない程度の阻害度を有する
トリプシンインヒビターが精製されたことがわかった。
【0031】実施例4 本例は,低分子蛋白質としてのトリプシンインヒビター
を,米糠から精製する方法である。まず,米糠100g
を蒸留水500ml,5℃に浸漬し,マグネティックス
ターラーにより半日攪拌する。その後,冷蔵庫中に6時
間静置する。次いで,サラシ木綿により濾過し,最後に
絞る。これにより米糖抽出物を含む水溶液430ml
(pH6.6)が得られる。
【0032】次に,該水溶液を,疎水性樹脂(HP−2
0,三菱化成(株)製)50mlを充填したカラム(口
径2cm,長さ16cm)にSV2で通す。次いで,こ
の疎水性樹脂に水160mlを通すことにより,最終流
液が無色透明になるまで疎水性樹脂を洗浄した。
【0033】次いで,親水性有機溶媒(90%アセト
ン,10%水)100mlを上記疎水性樹脂にSV2で
通すことにより,疎水性樹脂に吸着した低分子蛋白質を
溶出する。得られた溶出液中の親水性有機溶媒を,浴温
30℃以下,減圧下で蒸発除去し,乾固する。その後,
棚温37℃以下で凍結乾燥する。これにより,低分子蛋
白質1.18gを得る。該低分子蛋白質は淡褐色綿状結
晶であった。
【0034】また,該低分子蛋白質の阻害度を実施例3
の方法で測定した。測定の結果,本例のトリプシンイン
ヒビターのトリプシンに対する阻害度は,12.7%で
あった。また,実施例3で用いた比較例にかかる,トリ
プシンインヒビターの標品は,92%の阻害度であっ
た。
【0035】実施例5 本例は,低分子蛋白質としてのトリプシンインヒビター
を,馬鈴薯の生皮から精製する方法である。まず,馬鈴
薯の生皮180gに水400mlを加えてミキサーにか
ける。そして,ミキサーから粉砕物を出して,水100
mlでよく洗い落とし,上記粉砕物と合わせる。
【0036】得られた粉砕液は,500mlの水中に生
皮180gが粉砕,混合されたものである。これを6時
間冷蔵庫内で静置する。次いで,サラシ木綿により濾過
し,最後に絞る。これにより馬鈴薯抽出物を含有する水
溶液560ml(pH6.6)が得られる。
【0037】次に,該濾液を,疎水性樹脂(HP−2
0,三菱化成(株)製)50mlを充填したカラム(口
径2cm,長さ16cm)に空間速度SV2.0〜3.
0で通す。次いで,この疎水性樹脂に水100mlを通
すことにより,最終流液が無色透明になるまで疎水性樹
脂を洗浄した。
【0038】次いで,親水性有機溶媒(90%アセト
ン,10%水)100mlを上記疎水性樹脂にSV1〜
2で通すことにより,疎水性樹脂に吸着した低分子蛋白
質を溶出する。得られた溶出液中の親水性有機溶媒を,
浴温20〜25℃以下,減圧下で蒸発除去し,乾固す
る。その後,棚温37℃以下で凍結乾燥する。
【0039】得られた低分子蛋白質は,約200mgで
ある。低分子蛋白質は吸湿性である。また,上記低分子
蛋白質の阻害度を実施例3の方法により測定した。上記
サンプルは約10000倍に希釈して測定に供した。測
定の結果,本例のトリプシンインヒビターのトリプシン
に対する阻害度は,30.0%であった。また,実施例
3で用いた比較例にかかる,トリプシンインヒビターの
標品は,92%の阻害度であった。
【0040】実施例6 本例は,低分子蛋白質としてのα─アミラーゼインヒビ
ターを大麦から精製する方法である。以下,その精製方
法について説明する。まず,大麦粉末150gを水75
0mlに浸漬し,濾過する。これにより大麦抽出物を含
む水溶液(pH=6.0)500mlを得る。以下,実
施例1と同様の操作を行ない,低分子蛋白質0.7gを
得た。また,本例により得られた低分子蛋白質につい
て,Blue Value法(B・V法)によりα−ア
ミラーゼインヒビター阻害活性を測定した。その結果,
α−アミラーゼに対する阻害活性が高かった。
【0041】実施例7 本例においては,上記大麦抽出物と低分子蛋白質とを電
気泳動させた。その結果を図1,図2に示す。図1にお
いて,,はMW−SDS−200 Kit(Sig
ma社(株)製)のパターンを,は上記大麦抽出物の
パターンを示す。図2において,はSDS PAGE
Standard(低分子蛋白質用)(Bio Ra
d社(株)製)のパターンを,は上記低分子蛋白質の
パターンを,はα−アミラーゼインヒビターの標品
(和光純薬(株)製)のパターンを示す。
【0042】その結果,本例の低分子蛋白質は,分子約
20000であり,上記標品と同様の分子量を有してい
ることがわかった。これにより,上記の分子量約200
00の低分子蛋白質はα−アミラーゼインヒビターであ
ることが確認された。また,前記実施例1,2,4,5
にかかる低分子蛋白質としてのトリプシンインヒビター
を,上記と同様にして電気泳動させたところ,約200
00の分子量を有していることがわかった。
【0043】実施例8 本例においては,種々の疎水性樹脂を用いて,低分子蛋
白質としてのトリプシンインヒビターを,大豆100g
から精製した(試料No.1〜6)。その他の精製方法
は,実施例1と同様である。上記各試料のトリプシン阻
害度,及び収量を測定した。トリプシン阻害度は,実施
例3と同様にして測定した。その結果を表1に示す。
【0044】尚,試料No.1,2の疎水性樹脂は,三
菱化成(株)製品である。試料No.3,4の疎水性樹
脂は,住友化学工業(株)製品である。試料No.5,
6の疎水性樹脂は,ローム・アンド・ハース社(株)製
品である。その結果,表1より知られるごとく,いずれ
の疎水性樹脂においても,十分な収量が得られた。トリ
プシン阻害度も良好であった。
【0045】また,分子量約10万のトリプシンインヒ
ビターを含むウシプラズマ200mlを,上記実施例1
と同様にして疎水性樹脂(HP−20)に吸着させ,溶
出した。得られた溶出物は0.35gであった。該溶出
物のトリプシン阻害度を測定したところ0%であり,溶
出物中にはトリプシンインヒビターが含まれていなかっ
た。このことから,上記疎水性樹脂は,分子量約10万
の蛋白質を吸着しないことが確認された。このことから
も,本例によれば,効率よく分子量2万程度の低分子蛋
白質が得られることがわかる。
【0046】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例7にかかる,大麦抽出物の電気泳動図。
【図2】実施例7にかかる,低分子蛋白質の電気泳動
図。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大豆,米,小麦,大麦,じゃがいも等の
    植物の破砕物を極性溶媒により抽出し, その抽出物の水溶液を疎水性樹脂を充填したカラムに通
    すことにより,分子量15000〜30000の低分子
    蛋白質を疎水性樹脂に吸着させ,これを親水性有機溶媒
    を用いて溶出することを特徴とする低分子蛋白質の精製
    方法。
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