JP3313598B2 - コンデンサによる電力貯蔵装置及び充電制御方法 - Google Patents
コンデンサによる電力貯蔵装置及び充電制御方法Info
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Description
数のコンデンサを直列に接続し該複数のコンデンサのそ
れぞれに設定電圧を越えると充電電流をバイパスする並
列モニタを備えたコンデンサによる電力貯蔵装置及び充
電制御方法に関する。
コンデンサと並列モニタと電流ポンプからなる電力貯蔵
システムとして既に各種文献(例えば電子技術、199
4−12、p1〜3、電学論B、115巻5号、平成7
年 p504〜610など)で紹介されている。ここ
で、並列モニタは、直列に接続された各コンデンサの端
子間に接続され、コンデンサの充電電圧が並列モニタの
設定値を越えると充電電流をバイパスする装置である。
電する際にコンデンサの充電電圧が設定値以上に上昇し
ないように充電電流をバイパスして一定に保つので、す
べてのコンデンサは、設定された電圧まで均等に充電さ
れ、コンデンサの蓄積能力をほぼ100パーセント発揮
させることができる。したがって、並列モニタは、コン
デンサの特性のバラツキや残留電荷の大小がある場合に
も、最大電圧の均等化、逆流防止、充電終止電圧の検出
と制御などを行い、耐電圧いっぱいまで使えるようにす
るものとして、きわめて大きな役割を持ち、エネルギー
密度の有効利用の手段として不可欠な装置である。
に比べ下がるばかりであるので、コンデンサの充電が終
わると、並列モニタは常時オフとなっている。したがっ
て、並列モニタに電流が流れるのは、その接続を途中で
変更しない限り、コンデンサの充電時だけであり、放電
時の動作には何ら関与しない。つまり、並列モニタが電
力を消費するのは、充電時においてそのコンデンサが定
格を越えて充電されているときだけであるため、電力の
損失は少ない。この低損失性が並列モニタの特徴であ
る。
は、上記のような電力貯蔵システムに用いられるコンデ
ンサとして他のコンデンサに比べて非常に有利な特性を
持っている。この電気二重層コンデンサが劣化して使え
なくなる原因は幾つかあって、容器壁からの電解液の蒸
発といった磨耗要素も存在するが、最も影響が大きいの
は、充電する電圧による電解液の電気分解や重合といっ
た化学変化である。この化学変化による要因を排除する
には、充電電圧で分解されにくい電解液や電極を作れば
よいはずである。そのため、電気二重層コンデンサの製
作では、電気容量の増大とともに耐電圧を重視して行う
ことが必要になるが、そこには自ずから限界がある。
て用いる場合、コンデンサは、二次電池と比較して有利
な点は多いが、充電電圧を高くするほど劣化が進む。ま
た、均等に充電するために設けた並列モニタは、コンデ
ンサのバラツキが大きいほどその動作にバラツキが生じ
るので、発熱量が増大し放熱のために大型化するという
問題が生じる。
決するものであって、コンデンサの寿命を延ばし、コン
デンサのバラツキを修正しながら使用状況に応じた充放
電の制御を行えるようにするものである。
充電電流をバイパスする並列モニタを有し直列に接続し
て電力を貯蔵する複数のコンデンサからなる電力貯蔵装
置において、充電レベルの設定、変更を行う充電レベル
設定手段と、前記コンデンサの充電レベルを検出する充
電レベル検出手段と、前記充電レベル設定手段により設
定、変更された充電レベルと前記充電レベル検出手段に
より検出された充電レベルに基づいて充電電流を制御す
る充電制御手段と、前記並列モニタの設定電圧の設定、
変更を行う電圧設定手段とを備え、前記充電電流を制御
する前記充電レベル設定手段の充電レベルと前記充電電
流をバイパスする前記並列モニタの設定電圧の設定、変
更をそれぞれ個別に行えるようにしたことを特徴とする
ものである。
デンサの充電電圧や、前記並列モニタのバイパス動作信
号により前記充電レベルを検出し、前記充電制御手段
は、前記充電レベル検出手段により検出された充電レベ
ルが前記充電レベル設定手段により設定、変更された充
電レベルに達したことを条件として前記充電電流を減少
させ、前記検出された充電レベルの変化に伴い前記充電
電流を漸減させ、段階的に減少させるようにしたことを
特徴とするものである。
る並列モニタを有し直列に接続して電力を貯蔵する複数
のコンデンサからなり、充電レベルの設定、変更を行う
充電レベル設定手段と、前記コンデンサの充電レベルを
検出する充電レベル検出手段と、前記充電レベル設定手
段により設定、変更された充電レベルと前記充電レベル
検出手段により検出された充電レベルに基づいて充電電
流を制御する充電制御手段と、前記並列モニタの設定電
圧の設定、変更を行う電圧設定手段とを備えた電力貯蔵
装置の充電制御方法であって、前記充電レベル設定手段
の充電レベルを前記並列モニタの設定電圧による充電レ
ベルより低く設定してコンデンサの充電を繰り返し行う
ことを特徴とし、前記複数のコンデンサの充電のバラツ
キを検出して、前記バラツキが大きくなったとき、前記
充電レベル設定手段の充電レベルを前記並列モニタの設
定電圧と同等の充電レベルに設定、変更し、前記充電レ
ベル設定手段の充電レベルを前記並列モニタの設定電圧
と同等の充電レベルに設定、変更したときは、低い充電
電流に制御することを特徴とするものである。
を参照しつつ説明する。図1は本発明に係る電気二重層
コンデンサによる電力貯蔵装置の実施の形態を示す図で
あり、1は充電装置、2は充電制御部、3は充電レベル
設定部、4は設定電圧発生部、5は電流検出器、6A〜
6Nは並列モニタ、CA〜CNはコンデンサを示す。
電力を貯蔵するものである。並列モニタ6A〜6Nは、
それぞれのコンデンサCA〜CNに並列に接続してそれ
らの充電電圧が所定の設定電圧に達すると、オンになっ
て充電電流をバイパスするものである。この設定電圧
は、充電制御回路2によって制御される。このような並
列モニタ6A〜6Nを有するコンデンサCA〜CNの構
成により、コンデンサCA〜CNに均等充電を行って電
力を貯蔵し、その貯蔵した電力を負荷に給電する。充電
装置1は、充電電源及び充電電流を設定し充電の実行/
停止を行う回路を含みコンデンサCA〜CNを設定され
た電流により充電するものである。
おける充電状態として、充電電圧を検出した信号であ
り、検出信号Viは、電流検出器4で充電電流を検出し
た信号である。設定電圧Vrは、目標とする充電電圧を
設定するものであり、充電レベルの設定電圧である。充
電レベル設定部3は、例えば100%充電、75%充電
のように充電レベルを設定するものであり、この充電レ
ベルに応じて設定電圧Vrを発生するのが設定電圧発生
部4である。
ニタ6A〜6Nの制御を行うものである。例えば並列モ
ニタ6A〜6Nの制御では、設定電圧Vrに基づいて各
コンデンサCA〜CNの充電電圧を求めて並列モニタ6
A〜6Nの設定電圧の制御を行う。また、充電装置1の
制御では、検出信号Vcと設定電圧Vrとの差に応じ
て、つまり、検出信号Vcが設定電圧Vrに近づいてく
るに従って充電電流を漸減させるように検出信号Viの
フィードバックにより充電電流の制御を行うと共に、さ
らに検出信号Vcを設定電圧Vrと比較して充電停止の
制御を行う。このように充電制御回路2は、各検出信号
VcとVi及び設定電圧Vrに基づいてそれぞれの並列
モニタ6A〜6Nの設定電圧の制御を行うと共に、充電
装置1におけるコンデンサCA〜CNの充電電流の値の
設定制御及び充電の実行/停止の制御を行う。
いから、上記本発明の装置を用いて寿命を延長させる効
果的な使い方を説明する。図2は二次電池の場合の充放
電パターンの例を示す図、図3は本発明によるコンデン
サのための充放電パターンの例を示す図、図4は容量の
異なるコンデンサに対する並列モニタの効果を説明する
ための図である。
電池の寿命を維持する最善の状態となる。したがって、
使用上は図2に示すように満充電、つまり100%充電
の状態に維持し、そこを起点にして図2の下向きに放電
する。しかし、軽い使用状態の場合には、放電深度が浅
く、図2の下向きのラインが浅くしか降りてこない状態
となる。
いほど進む。したがって、図2の使い方をコンデンサに
そのまま適用すると、最も軽い使用状態で図2のライン
が100%のままに留まるので、コンデンサにとって最
も厳しい使い方となる。そこで、必要なエネルギーの消
費量を予測して、予測したエネルギーの消費量に応じた
充電レベルを図3に示すように設定すると、何時もコン
デンサにとって好ましくない最大の充電レベルにして使
用するという状態を回避することができる。
とんど無視できる充電レベルを2.3V(75%)と
し、3Vを最大の充電レベル(100%)とする場合、
本発明では、充電レベル設定部3により常時2.3Vに
充電レベルを設定し、最大のエネルギー量が必要な場合
にだけ3Vまで追加充電するといった図3に示すよう
な使い方をする。このような使い方により、コンデンサ
の急激な劣化を防ぎ大幅に寿命を延ばすことができる。
この場合、2.3Vでの劣化はほとんど無視できるの
で、実質的に3Vでの使用時間を積算しただけの寿命が
期待でき、その割合が全体の1割であれば、10倍の寿
命の延長が可能となる。しかも、3Vまで充電レベルを
高めたエネルギー量は、2.3Vのときの1.7倍にも
達する。
とする場合には、充電レベル設定部3の設定と充電制御
回路2の制御により小電流で全部のコンデンサCA〜C
Nを並列モニタ6A〜6Nがオンになるまで充電し、こ
の充電によりすべてのコンデンサを満充電電圧に揃え
る。この動作をコンデンサの初期化と呼ぶ。コンデンサ
の充放電は、図4に示すように初期化された電圧VRを
起点に各コンデンサのバラツキに応じた深さで行われ
る。この場合、起点となる満充電電圧は、特別な外乱、
例えば静電容量や漏れ電流の変化が生じない限り、どの
コンデンサも同じ起点に戻るので、この満充電電圧を起
点として、任意の大電流で放電、充電して通常の使用に
供することにより、各コンデンサにバラツキがあっても
各コンデンサを効率よく使用することができる。
う必要はなく、個々のコンデンサの特性のバラツキ、使
用せずに放置したなどの使用状況によって、充放電の起
点である満充電電圧がずれてくるので、特定の周期や各
種状況の判断を基に行えばよい。例えば満充電電圧がず
れてくると、並列モニタによる補正が働き発熱量が増加
してくるのでこれを検出したり、また、最初に動作した
並列モニタの充電完了までの動作時間その他電気的な手
段により検出して、初期化を行うようにし、あるいは初
期起動の際に適用するなどのルーチンを設定して、適切
な間隔で初期化を行うようにすればよい。
ニタについて具体的な例を示して説明する。勿論、本発
明は、以下の例に限定されるものではなく、既に知られ
ている他の回路(例えば米国特許第5,528,121
号明細書等)を採用してもよいことはいうまでもない。
図5は並列モニタとその設定電圧の制御回路の構成例を
示す図、図6は並列モニタの動作特性と温度特性の例を
示す図、図7は充電制御回路からの制御信号VSの波形
の例を示す図である。
充電装置、13は充電制御回路、14は充電電源、C
A、CB、……、CNは電力貯蔵用のコンデンサ、C
1、C2は制御回路用のコンデンサ、D1はダイオー
ド、R1、R2、RS、R12は抵抗、Xはシャントレ
ギュレータを示す。コンデンサCA、CB、……、CN
は、電力貯蔵用として直列に接続された、例えば電気二
重層コンデンサであり、その内部抵抗が抵抗R12であ
る。並列モニタ11は、このコンデンサCA、CB、…
…、CNのそれぞれに並列に接続されるシャントレギュ
レータX及びその基準電圧制御回路からなる。シャント
レギュレータXは、コンデンサCA、CB、……、CN
のそれぞれに並列接続され、充電電流をバイパスして端
子電圧を制限するように動作する充電電流バイパス手段
であって、汎用のICで、例えばアノードと制御端子
との間の電圧が0の場合には、2.5Vの電圧で動作
し、アノードと制御端子との間に電圧が加えられた
場合には、その電圧を2.5Vに加えた電圧で動作する
もの(テキサスインスツルメント社製 TL431)を
用いることができる。抵抗R1、R2、ダイオードD
1、コンデンサC2からなる回路は、シャントレギュレ
ータXの動作の制御回路を構成し整流平滑を行うもので
あり、コンデンサC2はリップルの除去用、抵抗R1、
R2は分圧用である。この制御回路において、ノード
に対してノードに負のパルス電圧信号を印加すると、
その電圧を抵抗R1、R2で分圧するので、その分電圧
とデューティ比に応じてコンデンサC2の両端に平滑電
圧が得られ、シャントレギュレータXのアノードと制
御端子との間のバイアス電圧として印加される。つま
り、このバイアス電圧が、シャントレギュレータXのデ
フォルト値である2.5Vに加算されて基準電圧とな
り、この電圧によりシャントレギュレータXの動作電圧
が制御されコンデンサCA、CB、……、CNの電圧が
制限される。抵抗RSは、制御回路を充電制御回路13
に結合する抵抗、コンデンサC1は、制御回路を充電制
御回路13に交流結合するためのコンデンサである。
回路13を含めて表したものである。そして、充電電源
14は、定電流充電を行うと共に出力端の電圧を検出し
て直列接続したコンデンサCA、CB、……、CNの合
計電圧が一定値を越えると充電終了と判断して充電を停
止するものである。また、充電制御回路13は、抵抗R
S、コンデンサC1を通して負のパルス電圧信号を制御
回路に供給し、各コンデンサCA、CB、……、CNの
充電電流をバイパスする電圧設定値をデューティ比によ
って制御する。
2の充電制御回路13からの信号VSがないときは、シ
ャントレギュレータXの制御入力がノードに抵抗R
2を介して接続され、抵抗R2の両端には電圧降下がほ
とんどないので、シャントレギュレータX(TI社製
TL431)は、その規格通り2.5Vのシャントレギ
ュレータとして動作する。これがデフォルト状態の動作
である。
から負のパルス電圧信号VSが加わると、抵抗RS、コ
ンデンサC1を介して負のパルス電圧信号VSが制御回
路の抵抗R1、R2に流れ、ダイオードD1で整流され
コンデンサC2で抵抗R2の端子間電圧が平滑される。
すなわち、ノードには負のパルス電圧信号VSの振幅
とデューティ比に応じ、ノードに対して負の電圧を生
じる。この負の電圧が抵抗R2、R1で分割されてノー
ド、間に加わるので、ここに加わる負の電圧の分だ
けシャントレギュレータXの設定値は高くなる。したが
って、各コンデンサCA、CB、……、CNの並列モニ
タ11のノードを充電装置12の充電制御回路13に
それぞれ接続し、負のパルス電圧信号VSの波形、つま
りデューティ比を調節すれば、多数のコンデンサCA、
CB、……、CNの充電電圧の上限を一括して制御する
ことができる。
ているように、各コンデンサCA、CB、……、CNの
内部抵抗R12が1F当たり約10Ω程度であるとする
と、抵抗RSは10kΩ、抵抗R1は47kΩ、抵抗R
2は22kΩ、コンデンサC1は1nF、コンデンサC
2は10nF程度になるので、負のパルス電圧信号VS
は、比較的小さな電力、例えばICバッファ程度の出力
で100個の並列モニタのドライブが可能になる。
ス電圧信号VSのパルス幅を図7に示すように1μse
c、5μsec、8μsecに変化させたときの動作特
性と温度特性の例を示したのが図6である。各レベルの
2本の線は、温度を−20、80℃で動作させた結果で
あり、100℃という温度範囲で観ても充分使用できる
特性となっている。
設定電圧を制御するには、基準電圧VRを切り換えても
よいし、あるいは基準電圧やコンデンサの電圧を検出す
る分圧抵抗を切り替えても実現できるが、上記のように
並列モニタを構成すれば、より回路が簡単で、耐雑音性
に優れ、しかも充電装置側の制御信号を変えるだけで、
広範囲にかつ無段階に制御ができる。また、各並列モニ
タにデフォルト値を内蔵しているので、万一、充電装置
の充電制御回路13からの制御信号が停止しても、デフ
ォルト値に戻るので、異常な電圧になるのを防ぐことが
できる。
路2の構成例について説明する。図8は充電装置の制御
を行う回路の構成例を示す図である。充電制御回路2の
充電装置1を制御する回路は、例えば図8に示す演算回
路により構成される。図8(A)に示す回路は、後述す
る図9のに示すように充電電圧の上昇に伴って充電電
流を漸次減少させてゆく回路の構成例を示したものであ
り、検出信号Vcがない場合には、電流検出器からの検
出信号Viが基準電圧Vrと等しくなるような制御信号
Voが出力される。したがって、検出信号Vcとしてコ
ンデンサの端子電圧を加えると、分圧抵抗R1、R2の
選択により、コンデンサの電圧上昇に伴ってノード1に
現れる基準電圧を小さくすることができるので、充電電
圧の上昇に伴って充電電流が漸次減少するような制御が
可能となる。コンデンサの端子電圧と充電電流との関係
は、分圧抵抗R1、R2の部分に非線形な素子や回路を
挿入することにより、非直線や折れ線近似型の変化をさ
せることも可能である。
に示すように設定電圧Vpの点から電流を段階的に減
少させる場合に適用される構成例であり、コンデンサの
端子電圧Vcが設定電圧Vpより低い間はノード1に現
れる電圧が正になるのに対し、電流検出器からの検出信
号Viがほとんどグランド電位に近くノード2の電圧が
低くなるので、ダイオードDはオフになり検出信号Vi
の電圧がそのまま制御信号Voに出力される。そして、
コンデンサの端子電圧Vcが設定電圧Vpを越えると、
OPアンプの増幅作用によりノード1の電位は負に向か
い、以後はコンデンサの端子電圧Vcの増加に伴ってそ
の電圧が大きくなる。このため、ダイオードDはオンに
なり、ノード1の電圧に伴って抵抗R2を経由してノー
ド3の電位を負に引くので、制御電圧Voは急速に低下
する。したがって、定数を適当に定めることにより、図
9のに示すような特性を得ることができる。
ようにステップ状に電流を変える場合に適用される構成
例である。動作は図8(B)と同様であるが、ここで
は、OPアンプではなくコンパレータを用い、設定点で
トランジスタTRをオンにして分圧抵抗R1、R2の分
圧比を切り替えるようにしている。また、アナログ方式
による一段切り替えの例を示したが、デジタル方式で制
御を行う場合が有利で、多段に切り替えることも容易に
可能である。
状態を検出してそれが所定の条件に達している場合に、
充電電流を絞り込むよう充電装置を制御し、これによっ
て並列モニタの最大消費電力が不必要に大きくならない
ようにするものである。その条件として、充電装置の充
電電圧を測定し、それが設定値を越えると充電電流を漸
次減少させ、並列モニタがオンか否かを検出し、オンに
なっていれば充電電流を減少させ、或いは並列モニタに
並列に電圧コンパレータを設け、その信号によって充電
電流を減少させる。
について更に具体的に説明する。図9は充電装置の充電
電圧対電流特性の例を示す図、図10はコンデンサの充
電特性を説明するための図である。例えば最大定格電圧
3Vのコンデンサ10個を直列に接続しそれぞれに並列
モニタを設けたECSの標準的な構成では、充電装置の
電圧制限値は30Vに設定し、各並列モニタは3Vより
僅かに高く3.05Vあたりに設定するのが通例であ
る。これによって満充電状態ではすべてのコンデンサが
ほとんど3Vに均等に充電される。
る熱量に対し、コンデンサのバラツキが15%程度まで
は標準の15分間の充電に充分耐えられるよう、あまり
嵩張らない放熱で設計が可能であり、故障などの異常現
象に基づく場合は、放熱板の温度検出や過電流検出によ
って保護を行えばよい。しかし、コンデンサのバラツキ
が極端に大きいか、充電電流が大きい場合には、必要と
する放熱の能力を増大させなければならず、また、定常
的に大きな電流で急速に充電する用途では、放熱板を大
きく設計せざるを得ない。その解決には、充電装置の充
電電流を上記の例で言えば27V以上で低下させるとよ
い。その手段を以下に図9を用いて説明する。
で、一定の電流で充電する方式が与える充電装置の電圧
/電流特性である。それに対して図9のは充電電圧の
低い間を大電流で充電し、充電電圧が高まるに従って電
流を減少させ、その電力がほぼ一定となるような充電方
法とした場合の充電装置の電圧/電流特性を示す。並列
モニタに必要な許容電力は、図9のに比べると、図9
のの方が小さくて済む。図9のは、を適用しさら
に満充電電圧Vmよりやや低い設定電圧Vpから満充電
電圧Vmに向かって充電電流を大幅に減少させるもので
ある。なお、図9のでは、充電電流の減少特性を直線
で表したが、任意のカーブを採用してもよいし、或いは
に示したような階段状に変化させてもよい。この場
合、設定電圧Vpを低く選ぶほど、広範囲なコンデンサ
のバラツキに対して効果があるが、充電電圧が設定電圧
Vpより上の領域での充電速度が電流を減少させた分だ
け遅くなる。
自体の緩和充電電流による均等化効果に加えて、満充電
直前で充電電流を大幅に減少させることが可能になるた
め、必要な並列モニタの許容電力および放熱容量を1/
2〜1/20程度に削減することができる。
設定電圧Vpを予め設定したが、この設定電圧Vpは、
すべてのコンデンサがよく揃っていれば限りなくVmに
近い値に設定することができるのに対し、各コンデンサ
のバラツキが大きい場合には満充電側と反対のゼロに近
い方に移動する。したがって、設定電圧Vpは、ある程
度の品質のコンデンサを想定すればそれに応じた値を決
めることができる。厳密にいうと最適な設定電圧Vp
は、コンデンサの使われ方によって変化する。
モニタがオンになった信号を利用する方法は、各コンデ
ンサのバラツキに応じて設定を自動的に変化させるため
である。図2に示すようにすべての並列モニタから信号
を取り出し、それを例えばOR論理で接続することによ
って、いずれかの並列モニタがオンになったことを検出
し、その信号によって充電装置の充電電流を例えば定格
の1/10に減少させる。この並列モニタがオンになっ
た信号を利用する方法は、装置から信号の取り出しが必
要になるので、上記充電電圧を利用する方法より構成は
複雑になるが、実際にオンになった並列モニタが出ては
じめて充電電流を絞るので、最善の性能が得られる。
ータを設ける方法は、標準値との比較などの処理を行え
ばよいので、コンデンサの故障や劣化の判定に利用する
こともできる。すなわち、コンデンサの故障や劣化を判
定する方法で用いられるコンデンサの故障や劣化を判定
するための電圧コンパレータの信号を利用して電圧Vp
の点を求め、充電電流を減少させるように構成すること
もできる。
いるので、充電時間を極端に短くするのは困難である。
コンデンサは物理現象で電気二重層を挟んで電解液中の
イオンとキャリア(電子またはホール)が引き合うのを
利用しており、化学電池より各段に短時間充電が可能で
あり、その際の発熱や寿命への影響もごく軽微に製作す
ることができる。
性は、図10に充電電流□及び充電電圧■で示すように
定電流充電で設定値まで充電し(charge(CC)の区間) 、
そこで定電圧に保つと、充電電流は一挙にゼロには下が
らず、図の楕円内に示すようにコンデンサに固有なある
一定の時定数をもって徐々に減少する。これは電極が有
限な厚さを有するため、端子から遠い分散キャパシタに
充電が行き渡る過程と見られ、それに必要な時間だけ充
電装置の電圧を一定に維持して、いわゆる緩和充電を行
う方法を用いている。
て生じる化学変化の反応電流を測定した例を示す図であ
る。この例において反応電流は、2.3V近傍で流れ始
め、その後電圧の上昇に伴って指数関数的に増大し、
3.7V近傍で破壊的な増加に達する。2.3Vより下
も急にゼロになっているのではなく、電流スケールを拡
大すれば、図示と相似の波形が下に向かって伸びてい
る。この反応電流が寿命を縮める原因で、大まかに言え
ば反応電流の積分値がある一定値に達すると寿命になる
と考えられる。例えば3.5Vで20mA、2.5Vで
1.3mA、つまり3.5Vでは2.5Vの約15倍の
反応電流が流れていると考えられる。他方、コンデンサ
のエネルギー量は、電圧の二乗に比例するので、同一静
電容量とすれば3.5Vでは、2.5Vの(3.52 /
2.52 =1.96)つまり約2倍のエネルギーが得ら
れる。別の見方をすると、3.5Vのエネルギー量の半
分しか貯えなくてもよければ、2.5Vまでの充電で使
えば、寿命が15倍になる。
して用いた場合の構成例を示す図である。図12におい
て、コンデンサCA〜CNからモータM/Gへの駆動電
流I upが先頭値で70A、回生制動による充電電流I
downが100A、発電機からの充電電流I chargeが2
0Aであるとすると、充電電流が最大で100Aに達す
るので、並列モニタP1 〜Pn は電流定格100A、コ
ンデンサ単セルの充電電圧3Vとすれば、300Wに耐
えるパワートランジスタと放熱板が用意される。この場
合、コンデンサCA〜CNの充電電圧を検出し、それが
所定の充電電圧の90%に達したところから回生制動に
よる充電電流を絞り100%の充電電圧になるまで20
Aになるような勾配で充電電流を減少させる。余分な回
生制動電力は、抵抗などに流して消費させるようにして
もよい。この場合の並列モニタの電流と発熱は、コンデ
ンサのバラツキによって異なり、バラツキがない場合に
は発熱はゼロになるが、バラツキがごく僅かであれば2
0Aの電流で60W、バラツキが電圧で10%(コンデ
ンサの容量で1−√90%)の場合の100A、300
Wまで電圧差に比例してリニアに増加する。
の設定電圧をコンデンサの定格の満充電電圧に設定して
おき、初期に20Aまたはそれ以下の電流で並列モニタ
がオンになるまで充電する。この状態で全部のコンデン
サの電圧は満充電状態に揃うので、以後この満充電電圧
を起点として100Aなどの電流により任意の充放電を
行う。そして、使用に伴い、あるいは経時的にエラーが
蓄積されコンデンサの充電電圧にバラツキが生じてきた
場合には随時初期化を行う。バラツキが大きくなったか
否かは、並列モニタの発熱、運転の状態、経過時間など
で判定してもよいが、電圧測定手段を設けて判定しても
よい。
れるものではなく、種々の変形が可能である。例えば上
記実施の形態では、充電レベル設定部3により充電レベ
ルを設定することにより、そのレベルまでの設定を行う
ようにしたが、例えば充電の際にバラツキが大きくなっ
ていると判断した場合に、充電レベルを満充電レベルに
設定するようにしてもよい。このようにすると、先に図
4で述べたように満充電電圧を起点として放電を行うよ
うにリセットされるので、所謂初期化された満充電電圧
を起点に各コンデンサのバラツキに応じた深さで充放電
を行わせるようにすることができる。充電の際にバラツ
キが大きくなっているか否かは、例えば速く充電が終了
したコンデンサの並列モニタの動作時間(全体の充電が
終了するまでの時間)が長くなり、発熱量が多くなるの
で、最初にオンになった並列モニタの動作時間や並列モ
ニタの発熱による温度を検出することによって判断する
ことができる。また、充電レベルは、%表示で説明した
が、負荷容量から対応する使用時間が予測できる場合に
は、予測される使用時間、或いは車両の電源として使用
する場合には、運転時間や走行距離等によって充電レベ
ルを設定してもよいし、直接充電レベルの電圧値で設定
してもよい。充電レベルの設定も、ツマミやレバーによ
り連続的に調整できるものでもよいし、満充電レベルと
それ以下の数段の切替え設定とするものでもよい。電力
貯蔵用のコンデンサは、それぞれ1個のコンデンサでは
なく、複数のコンデンサを直列接続、並列接続、或いは
それらの組み合わせで構成したものであってもよい。
によれば、コンデンサの充電電流をバイパスする並列モ
ニタの設定電圧を満充電電圧とそれより低い電圧に選択
できるようにするので、通常の使用に際しては充電電圧
を満充電電圧より低くすることができ、常時満充電電圧
に充電して使用するのに比べて大幅にコンデンサの寿命
を延ばすことができる。また、各コンデンサの充電にバ
ラツキが生じた場合に満充電電圧で充電して初期化を行
い、満充電電圧を起点として充放電を行うようにするこ
とにより、各コンデンサの充電にバラツキに基づく並列
モニタの発熱を少なく抑えることができ、並列モニタの
小電力化、小型化を図ることができる。
力貯蔵装置の実施の形態を示す図である。
図である。
ーンの例を示す図である。
の効果を説明するための図である。
例を示す図である。
図である。
を示す図である。
である。
である。
である。
化学変化の反応電流を測定した例を示す図である。
た場合の構成例を示す図である。
部、4…設定電圧発生部、5…電流検出器、6A〜6N
…並列モニタ、CA〜CN…コンデンサ
Claims (9)
- 【請求項1】 設定電圧を越えると充電電流をバイパス
する並列モニタを有し直列に接続して電力を貯蔵する複
数のコンデンサからなる電力貯蔵装置において、 充電レベルの設定、変更を行う充電レベル設定手段と、 前記コンデンサの充電レベルを検出する充電レベル検出
手段と、 前記充電レベル設定手段により設定、変更された充電レ
ベルと前記充電レベル検出手段により検出された充電レ
ベルに基づいて充電電流を制御する充電制御手段と、 前記並列モニタの設定電圧の設定、変更を行う電圧設定
手段とを備え、前記充電電流を制御する前記充電レベル
設定手段の充電レベルと前記充電電流をバイパスする前
記並列モニタの設定電圧の設定、変更をそれぞれ個別に
行えるようにしたことを特徴とするコンデンサによる電
力貯蔵装置。 - 【請求項2】 充電レベル検出手段は、前記コンデンサ
の充電電圧により前記充電レベルを検出することを特徴
とする請求項1記載のコンデンサによる電力貯蔵装置。 - 【請求項3】 充電レベル検出手段は、前記並列モニタ
のバイパス動作信号により前記充電レベルを検出するこ
とを特徴とする請求項1記載のコンデンサによる電力貯
蔵装置。 - 【請求項4】 前記充電制御手段は、前記充電レベル検
出手段により検出された充電レベルが前記充電レベル設
定手段により設定、変更された充電レベルに達したこと
を条件として前記充電電流を減少させるようにしたこと
を特徴とする請求項1記載のコンデンサによる電力貯蔵
装置。 - 【請求項5】 前記充電制御手段は、前記検出された充
電レベルの変化に伴い前記充電電流を漸減させることを
特徴とする請求項4記載のコンデンサによる電力貯蔵装
置。 - 【請求項6】 前記充電制御手段は、前記検出された充
電レベルの変化に伴い前記充電電流を段階的に減少させ
るようにしたことを特徴とする請求項4記載のコンデン
サによる電力貯蔵装置。 - 【請求項7】 設定電圧を越えると充電電流をバイパス
する並列モニタを有し直列に接続して電力を貯蔵する複
数のコンデンサからなり、 充電レベルの設定、変更を行う充電レベル設定手段と、 前記コンデンサの充電レベルを検出する充電レベル検出
手段と、 前記充電レベル設定手段により設定、変更された充電レ
ベルと前記充電レベル検出手段により検出された充電レ
ベルに基づいて充電電流を制御する充電制御手段と、 前記並列モニタの設定電圧の設定、変更を行う電圧設定
手段とを備えた電力貯蔵装置の充電制御方法であって、 前記充電レベル設定手段の充電レベルを前記並列モニタ
の設定電圧による充電レベルより低く設定してコンデン
サの充電を繰り返し行うことを特徴とする充電制御方
法。 - 【請求項8】 前記複数のコンデンサの充電のバラツキ
を検出して、前記バラツキが大きくなったとき、前記充
電レベル設定手段の充電レベルを前記並列モニタの設定
電圧と同等の充電レベルに設定、変更することを特徴と
する請求項7記載の充電制御方法。 - 【請求項9】 前記充電レベル設定手段の充電レベルを
前記並列モニタの設定電圧と同等の充電レベルに設定、
変更したときは、低い充電電流に制御することを特徴と
する請求項7記載の充電制御方法。
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-
1996
- 1996-12-06 JP JP32635196A patent/JP3313598B2/ja not_active Expired - Fee Related
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