JP3313484B2 - 転写印刷用薄膜 - Google Patents

転写印刷用薄膜

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JP3313484B2 JP29117893A JP29117893A JP3313484B2 JP 3313484 B2 JP3313484 B2 JP 3313484B2 JP 29117893 A JP29117893 A JP 29117893A JP 29117893 A JP29117893 A JP 29117893A JP 3313484 B2 JP3313484 B2 JP 3313484B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非平面形状を有する被
転写体に転写法により印刷を施すための転写印刷用薄膜
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】立体印刷方法の一つとして、水に膨潤軟
化可能なフィルムに印刷を施し、このフィルムを印刷面
を上にして水に浮かべてゲル膜状に膨潤軟化させてか
ら、被転写体を水中に向けて押しつけることにより、ゲ
ル膜状の薄膜を支持体としてフロートした印刷膜を被転
写体に付着させ、ついで被転写体を水中から取り出して
支持体としてのゲル膜状の薄膜のみを水洗除去する方法
が知られている。
【0003】この場合、基材となるフィルムは、水面に
浮かべたときにゲル膜状の層となり、被転写体にシワや
ラップを生ずることなくつきまわることが要求される。
そのようなフィルム素材として、従来、ポリビニルアル
コール系樹脂から製膜されたフィルムが用いられてい
る。
【0004】たとえば、特開昭54−150208号公
報には、平均重合度300〜3000、平均ケン化度6
5〜97モル%のポリビニルアルコール樹脂にホウ酸ま
たはその塩を配合して製膜した転写印刷用薄質膜が示さ
れている。薄質膜の厚さは0.01〜0.1mm である。
【0005】特開昭54−92406号公報(特公昭6
1−3276号公報)には、平均重合度700以上(実
施例では1200、1400、1700、2300)、
平均ケン化度65〜92モル%のポリビニルアルコール
樹脂(A) 98〜50重量%、ポリアクリル酸アミド、ポ
リエチレンオキシドおよびメチルセルロースよりなる群
より選ばれた高分子(B1)0〜50重量%、澱粉類(B2)0
〜50重量%よりなり、B1 成分とB2 成分との和が2
〜50重量%である転写印刷用薄質膜が示されている。
薄質膜の厚さは 0.020〜0.070mm である。
【0006】特開昭55−17550号公報には、ホウ
酸またはその塩の稀薄水溶液の水面に印刷パターンを施
したポリビニルアルコール系樹脂薄質膜をその印刷面を
上にして浮かべ、ついで物体をその上から押圧、沈降さ
せていくことにより物体表面に印刷パターンを転写させ
る転写印刷方法が示されている。ここで薄質膜を形成す
るポリビニルアルコール系樹脂としては、平均重合度3
00〜3000、平均ケン化度50〜97モル%のもの
が好適に使用されるとしている。薄質膜の厚さは、たと
えば10〜100μm (0.01〜0.1mm )である。
【0007】特開昭55−25330号公報には、ホウ
酸またはその塩の稀薄水溶液に代えてフェノール類の水
溶液を用いたほかは、ポリビニルアルコール系樹脂の種
類、薄質膜の厚さも含め、上述の特開昭55−1755
0号公報と同様の転写印刷方法が示されている。
【0008】そのほか、周辺端部のカール防止のため
に、薄質膜の周辺端部にポリビニルアルコール系樹脂を
溶解または膨潤させうる流体を添着する方法(特開昭5
5−27271号公報)、薄質膜の端部を細巾に熱処理
する方法(特開昭55−37333号公報)、薄質膜の
端部を凹凸状に加工する方法(特開昭55−37356
号公報)、薄質膜の端部近くに多数の小孔を設ける方法
(特開昭55−41283号公報)、薄質膜の印刷面に
印刷インクの活性化溶剤と水との混合液を塗布する方法
(特開昭55−61492号公報)なども提案されてい
る。なおこれらの公報のいずれにおいても、薄質膜とし
ては平均重合度300〜3000、平均ケン化度65〜
97モル%のポリビニルアルコール樹脂から形成された
ものが好適であるとしてあり、薄質膜の厚さは0.01〜0.
1mm 、殊に0.02〜0.07mmが適当であるとしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上に述べたように、転
写印刷用の薄質膜としては、従来は平均重合度が300
〜3000程度で、平均ケン化度が65〜97モル%程
度のポリビニルアルコール樹脂のフィルムが用いられて
いた。
【0010】ところで、立体物に対する転写に際して
は、たとえば「特殊印刷とコンバーティング、加工技術
研究会、1990年刊行」の398頁に述べてあるよう
に、水面上でフィルムが充分に膨潤軟化してゲル膜状に
なり、最も適切なつきまわり性を持つに至った時点でフ
ィルムの上から水中に向けて被転写体を押し入れる。良
好なつきまわり性を得るためには、膨潤軟化したフィル
ムが自在な伸縮性を有すると同時に、そのフィルムが一
定のゲル膜強度を維持することが必要であり、過度の伸
びは絵柄がぼけるなどするためパターンの忠実な再現性
に欠ける。また奥行きの深い被転写体においては、水面
上の膜を引き寄せるに足るゲル膜強度を有することも必
要である。また安全に転写を行うには、好ましい転写が
できる時間的余裕も要求され、フィルムの溶解速度は極
端に早過ぎても不可である。そのほか、転写後の脱膜も
円滑に行うことができることが要求される。
【0011】そして工業的な生産性を考慮すると、上記
のような基本性能のほかに、水面に浮かべたときにゲル
状の膜になるまでの膨潤時間が短かく、転写開始可能と
なるまでの時間も短かく、また被転写体の押し込み速度
を速くしてもシワやラップあるいは膜切れを生ずること
がない柔軟かつ適度のゲル膜強度を有することが必要と
なる。
【0012】しかるに、上記従来の転写印刷用フィルム
は、生産性を考慮しなければ基本性能を備えているもの
の、実装置における転写速度には限界があり、高速転写
操作の要求に充分には応えるものではなかった。一例を
あげると、乗用車のダッシュボードの如き大型被転写体
に転写印刷を行う場合には、従来の転写印刷用薄膜では
3個/minのショット数が限界であり、ショット数の増加
により生産性を高めたいという当該業界の要求に応える
ものではなかった。
【0013】本発明は、このような背景下において、水
面に浮かべたときの膨潤軟化時間が短かく、転写開始可
能となるまでの時間も短かく、さらには強いゲル膜強度
を持ち、被転写体を押し込むときの速度を顕著に速める
ことができる薄膜、すなわち高速転写が可能な格段に工
業性を高めた転写印刷用薄膜を提供することを目的とす
るものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の転写印刷用薄膜
は、平均重合度3200以上、平均ケン化度65〜95
モル%の超高重合度ポリビニルアルコール系樹脂(a)
と、平均重合度3200未満、平均ケン化度65〜95
モル%のポリビニルアルコール系樹脂(b) との重量比で
30:70〜70:30の混合物の厚さ35μm 以下の
膜からなるものである。
【0015】以下本発明を詳細に説明する。
【0016】本発明においては、平均重合度3200以
上、平均ケン化度65〜95モル%の超高重合度ポリビ
ニルアルコール系樹脂(a) と、平均重合度3200未
満、平均ケン化度65〜95モル%のポリビニルアルコ
ール系樹脂(b) との混合物からなる膜を用いる。
【0017】超高重合度ポリビニルアルコール系樹脂
(a) は平均重合度が3200以上であることが必要であ
り、平均重合度が3200未満では水面に浮かべて膨潤
軟化させたときのゲル状膜の強度が不足し、被転写体の
押し込み速度を速くすると膜切れが起きる。重合度の上
限は、ポリビニルアルコール系樹脂の製造上の制約から
5500程度である。また超高重合度ポリビニルアルコ
ール系樹脂(a) は平均ケン化度が65〜95モル%であ
ることが必要である。平均ケン化度が65モル%未満で
は、曇点の低下により製膜性に障害を来たす上、印刷時
の耐有機溶剤性が損なわれる。一方平均ケン化度が95
モル%を越えるときは、膨潤性やつきまわり性が低下す
るため高速転写を円滑に行うことができず、また脱膜時
の溶解性が不足する。平均重合度の好ましい範囲は33
00以上、殊に3400以上、平均ケン化度の好ましい
範囲は80〜93モル%、殊に85〜90モル%であ
る。
【0018】超高重合度ポリビニルアルコール系樹脂
(a) は水溶液粘度が非常に高く、特に平均重合度が35
00、4000、5000というように高くなると、流
延製膜操作に高度の技術を要するようになる。本発明に
おいては、超高重合度ポリビニルアルコール系樹脂(a)
と共に、転写目的に従来より使われているポリビニルア
ルコール系樹脂、すなわち、平均重合度が3200未
満、平均ケン化度が65〜95モル%のポリビニルアル
コール系樹脂(b) を特定に比率で混合使用する。この混
合使用により、超高重合度ポリビニルアルコール系樹脂
(a) の持つすぐれた転写印刷用薄膜性能と、通常使用さ
れるポリビニルアルコール系樹脂(b) との相乗効果によ
り、予期せぬ大きな転写印刷機能の向上が見られ、かつ
フィルム製膜性も大きく改善されることが判明した。
【0019】なお超高重合度ポリビニルアルコール系樹
脂(a) およびポリビニルアルコール系樹脂(b) として
は、未変性のポリビニルアルコールに限らず、本発明の
趣旨を損なわない範囲で、共重合変性あるいは後変性さ
れたものを用いることもできる。
【0020】超高重合度ポリビニルアルコール系樹脂
(a) とポリビニルアルコール系樹脂(b) との比率は、重
量比で30:70〜70:30、好ましくは40:60
〜60:40の範囲内に設定される。超高重合度ポリビ
ニルアルコール系樹脂(a) の割合が余りに小さいときは
高速転写が不可能とり、一方、超高重合度ポリビニルア
ルコール系樹脂(a) の割合が余りに大きいときは製膜性
が損なわれる。
【0021】上記混合物から製膜された転写印刷用薄膜
の膜厚は35μm 以下に設定される。膜厚がそれ以上に
なると膨潤時間が過大となる。膜厚の下限には特に限定
はないが、極端に薄くなると膜強度が小さくなるので、
10μm 程度が下限となる。
【0022】超高重合度ポリビニルアルコール系樹脂
(a) およびポリビニルアルコール系樹脂(b) の混合物か
らなる薄膜は、該混合物の水溶液を流延製膜など既知の
方法により製膜することにより得られる。この場合、樹
脂成分100重量部に対し0.01〜10重量部程度、殊に
0.1〜5重量部程度のホウ酸またはホウ砂を配合するこ
ともできる。また薄膜の柔軟化のため、適量の多価アル
コール類や尿素などの柔軟化剤を配合することが好まし
い。そのほか、界面活性剤やその他の添加剤を少量配合
することもできる。
【0023】このようにして得られた転写印刷用薄膜の
表面には印刷を施す。印刷パターンとしては、木目模
様、大理石模様、幾何学模様、象形模様、抽象模様、文
字など任意のパターンがあげられる。これら印刷パター
ンは、好ましくは、非水溶性の樹脂のバインダーに染
料、顔料等の着色剤を添加してなるインクを印刷して形
成される。非水溶性の樹脂の例としては、硝化綿とアル
キッド樹脂との混合物等がある。
【0024】
【作用】本発明の転写印刷用薄膜にあっては、超高重合
度ポリビニルアルコール系樹脂(a) とポリビニルアルコ
ール系樹脂(b) とを特定の比率で併用しているので、従
来のポリビニルアルコール系樹脂の転写印刷用薄膜に比
し、膨潤時間、転写開始時間が短かくなると共に、被転
写体の押し込み速度を顕著に速くすることができるとい
う大きな特徴を発揮する。またフィルムの製膜上も、製
膜性良く安定した薄膜を得ることができる。従って高速
転写が可能となり、生産性が顕著に向上する。
【0025】下記の表1は、上述の超高重合度ポリビニ
ルアルコール系樹脂(a) 単独の薄膜A、転写目的に従来
より使われているポリビニルアルコール系樹脂単独の薄
膜B、超高重合度ポリビニルアルコール系樹脂(a) を適
量のポリビニルアルコール系樹脂(b) と併用して得た薄
膜C、転写目的に従来より使われているポリビニルアル
コール系樹脂を2種混合して得た薄膜D(ただし平均重
合度は薄膜Cの平均重合度に合わせてある)の性能とを
対比したものである。評価は、好ましいものの順に、
◎、○、△、×の4段階で表わしてある。
【0026】
【表1】 薄膜A 薄膜B 薄膜C 薄膜D 製膜性 △〜× ○ ○ ○ ゲル膜強度 ◎ × ◎ × 膨潤速度 △ ◎ ○ △ つきまわり性 ×#1 △〜×#2 ○ ○〜△ 脱膜性 × ○ ○ △ #1…ラップやしわ発生、#2…早期溶解。
【0027】このように、超高重合度ポリビニルアルコ
ール系樹脂(a) を適量のポリビニルアルコール系樹脂
(b) と併用して得た薄膜Cにあっては、他の薄膜A、
B、Dからは期待できないようなすぐれた作用効果が奏
されることがわかる。
【0028】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。以下「部」、「%」とあるのは、特にことわりのな
い限り重量基準で表わしたものである。
【0029】〈転写印刷用薄膜の製造〉 実施例1 平均重合度4000、平均ケン化度87モル%の超高重
合度ポリビニルアルコール(a) 60部、平均重合度50
0、平均ケン化度88モル%のポリビニルアルコール
(b) 40部、グリセリン5部、界面活性剤 0.5部の各成
分を水420部に加熱溶解して20%濃度の水溶液を調
製し、ドラム流延製膜法により温度95℃の条件で厚さ
30μm の薄膜を製造した。
【0030】実施例2〜8、比較例1〜8 超高重合度ポリビニルアルコール(a) とポリビニルアル
コール(b) の種類と割合、および薄膜の膜厚を種々変更
し、他の成分の配合処方および製膜条件は実施例1と同
一にして(ただし、比較例8についてはさらにホウ砂
0.5部を添加)、実施例1を繰り返した。条件を実施例
1の場合も含めて表2に示す。
【0031】
【表2】 PVA(a) PVA(b) 膜厚 重合度 ケン化度 割合 重合度 ケン化度 割合 (μm) 実施例1 4000 89 60 500 88 40 30 実施例2 3500 87 50 500 88 50 28 実施例3 4000 89 35 1400 89 65 31 実施例4 3500 87 65 800 80 35 28 実施例5 4000 89 40 500 89 60 29 実施例6 5000 87 65 500 89 35 30 実施例7 4000 87 60 500 88 40 20 実施例8 4000 87 60 1400 89 40 12 比較例1 4000 89 100 - - - 31 比較例2 - - - 500 88 100 29 比較例3 - - - 2300 88 100 30 比較例4 4000 89 80 500 88 20 28 比較例5 4000 89 20 1400 89 80 32 比較例6 5000 87 20 1400 89 80 30 比較例7 4000 89 90 500 88 10 29 比較例8 - - - 1400 88 100 40 (注)PVAはポリビニルアルコール。重合度は平均重
合度。ケン化度は平均ケン化度で、単位はモル%。割合
は、PVA(a)とPVA(b) の合計量に対する(a) また
は(b)の重量%。
【0032】〈転写印刷用薄膜の性能〉上記で得た薄膜
につき、後述の方法に従って転写印刷用薄膜の性能を評
価した。結果を表3に示す。
【0033】
【表3】 膨潤時間 つきまわ 転写ライ 脱膜性 製膜性 り性 ン速度 溶解時間 転写ライン (sec) (mm) (m/min) (min) 換算(m/min) 実施例1 23 145 3.6 4.7 3.6 ○ 実施例2 22 160 3.2 4.3 3.9 ○ 実施例3 19 120 2.6 2.6 4.4 ◎ 実施例4 26 125 3.3 4.2 3.5 ○ 実施例5 21 160 2.8 4.0 4.0 ○ 実施例6 27 125 3.7 5.8 3.0 ○ 実施例7 13 130 3.2 3.8 3.9 ○ 実施例8 8 110 2.8 2.8 4.6 ○ 比較例1 38 30 4.5 12 0.5 × 比較例2 16 60 1 以下 1.4 5.5 △ 比較例3 28 90 2.0 8.4 1.7 ○ 比較例4 31 70 4.0 5.6 2.2 × 比較例5 22 65 1.6 1.8 5.0 ○ 比較例6 22 80 2.0 2.4 4.7 ○ 比較例7 30 50 4.1 7.8 2.0 △ 比較例8 38 110 1.5 5.4 2.1 ○
【0034】上記実施例1〜8および比較例1〜8にお
ける転写実装置での転写ライン速度とつきまわり高さと
の関係を図1に示す。図1において、丸の中の数字は実
施例番号、四角の中の数字は比較例番号である。実施例
の転写印刷用薄膜は図の右上に位置し、転写可能速度を
顕著に速くすることができると共に、つきまわり高さが
大きいことがわかる。
【0035】〈評価方法〉転写特性の測定は、水温25
℃の水面に薄膜を浮かべて行った。各薄膜には印刷装置
により印刷を施し、その印刷面にインク活性化溶剤(イ
ンクの種類に応じて適当な溶剤を混合調整したもの)を
塗布して印刷インクを溶解軟化させてから転写印刷に供
した。
【0036】膨潤時間 水面に薄膜を浮かべると10秒前後で薄膜に波状のシワ
を生じるが、波状のシワが消失して完全に平滑になった
時間をもって膨潤時間とした。
【0037】つきまわり高さ 水面に浮かべた薄膜は膨潤時間を過ぎるとしだいに軟化
して伸縮性に富んだ弾性のあるゲル状の膜となり、自在
なつきまわり性を有するようになる。この状態となるま
での時間は一般に膨潤時間の 2.5〜3.0 倍である。そこ
でつきまわり高さの測定に際しては、膨潤時間×2.5 倍
の時点からカップ(底部直径62mm、頭部直径90mm、
高さ250mmの円錐台状カップ)を底の方から500cm
/minの速度で薄膜に押し当てながら水中に沈降させ、薄
膜が溶解して切断したり、カップ壁面でラップしたりす
ることのない良好なつきまわりが得られたカップ底面か
らの高さを測定した。
【0038】転写ライン速度 転写ライン実装置において、良好な転写が得られるライ
ン速度で被転写体に転写操作を行ったとき、転写絵柄が
ラップしたり絵柄が乱れたりしない運転可能速度を測定
した。
【0039】脱膜性 被転写体に転写された薄膜に温度25℃の水をスプレー
し、円滑かつ完全に脱膜するに要する時間を溶解時間と
した。また、転写ライン実装置において完全に脱膜する
ことのできたときのライン速度を「転写ライン換算」と
して示した。
【0040】製膜性 製膜性を、好ましいものの順に、◎、○、△、×の4段
階で判定した。
【0041】
【発明の効果】本発明の転写印刷用薄膜にあっては、超
高重合度ポリビニルアルコール系樹脂(a) とポリビニル
アルコール系樹脂(b) とを特定の比率で混合使用してい
るので、製膜性良く薄膜を得ることができる上、ゲル状
膜の強度が著しく向上する。そのため、従来のポリビニ
ルアルコール系樹脂から製膜された転写印刷用薄膜に比
し、膨潤時間、転写開始時間が短かくなると共に、被転
写体の押し込み速度を顕著に速くすることができる。よ
って高速転写が可能となり、生産性が顕著に向上する。
一例をあげると、乗用車のダッシュボードの如き大型被
転写体に転写印刷を行う場合、従来の転写印刷用薄膜で
は3個/minのショット数が限界であったのを、6〜7個
/minにまで上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜8および比較例1〜8における転写
実装置での転写ライン速度とつきまわり高さとの関係を
示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北 康司 岐阜県本巣郡巣南町古橋1569−2 (56)参考文献 特開 昭54−150208(JP,A) 特開 昭54−92406(JP,A) 特開 昭55−17550(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 3/12 B44C 1/165 - 1/175

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均重合度3200以上、平均ケン化度6
    5〜95モル%の超高重合度ポリビニルアルコール系樹
    脂(a) と、平均重合度3200未満、平均ケン化度65
    〜95モル%のポリビニルアルコール系樹脂(b) との重
    量比で30:70〜70:30の混合物の厚さ35μm
    以下の膜からなる転写印刷用薄膜。
JP29117893A 1993-10-26 1993-10-26 転写印刷用薄膜 Expired - Lifetime JP3313484B2 (ja)

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