JP3312136B2 - 媒体搬送装置 - Google Patents

媒体搬送装置

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JP3312136B2
JP3312136B2 JP30681496A JP30681496A JP3312136B2 JP 3312136 B2 JP3312136 B2 JP 3312136B2 JP 30681496 A JP30681496 A JP 30681496A JP 30681496 A JP30681496 A JP 30681496A JP 3312136 B2 JP3312136 B2 JP 3312136B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリン
タ、ファクシミリ、現金自動入出金装置等に組み込ま
れ、用紙や紙幣等の紙葉類や、キャッシュカードやプリ
ペイドカード等のカード類といった媒体を搬送する媒体
搬送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機、プリンタ、ファクシミ
リ、現金自動入出金装置等では、特開平5−27068
1号公報に開示されるように、回転型電磁モータ駆動の
ゴムローラを紙葉類等の媒体に圧接する搬送装置が使用
されていた。しかし、このような搬送装置では、モータ
自体の発熱や大消費電力が問題となり、電磁モータとゴ
ムローラを使用する構成上、小型化にも限界がある。ま
た、媒体の搬送に用いる力としてゴムローラと搬送媒体
間の摩擦力を利用しているため、ゴムの磨耗、紙粉の付
着等により、安定した搬送力を得るためにはゴムローラ
自体やゴムローラと媒体の圧接力を定期的に検査および
補修する必要があった。
【0003】これら問題を解決するため、特開平5−3
19602号公報や特開平6−56290号公報に開示
される静電気力を利用する搬送装置がある。このような
搬送装置は、帯状電極を有する固定子と、抵抗層を有す
る移動子から構成される。特開平5−319602号公
報では、移動子として搬送する紙を直接使用し、特開平
6−56290号公報では、高い抵抗値を有する移動子
の上に紙等の搬送物を載せる装置である。両者とも、固
定子の電極は3系統(3相)に分割されており、それが
等間隔で順に並んでいる。動作原理の概要は、特開平2
−285978号公報や、上述した特開平5−3196
02号公報および特開平6−56290号公報に開示さ
れているように、搬送直前に固定子電極の各相に特殊な
電圧の組み合わせを印加することにより、移動子の抵抗
層内に存在する正負の電荷を静電分極させる。以降、こ
の動作を初期分極行程と呼ぶ。移動子内で静電分極が十
分進んだところで、搬送用の電圧パターンの組み合わせ
を切り換えながら固定子電極の各相に印加すると、電荷
の反発と吸引によって移動子は搬送される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図8は静電気力を利用
した従来の媒体搬送装置の問題点を示す平面図である。
静電気力を利用した従来の媒体搬送装置であると、搬送
中に媒体や移動子が搬送方向と直角をなす向きに平行移
動(シフト)してしまい、所定の搬送経路から外れて、
ついには固定子からはみ出して搬送不能に陥れる現象が
発生した。
【0005】従来の帯状電極を並列に配して静電気力を
利用する搬送方式では、移動子内で分極した電荷列と固
定子内帯状電極とが平行になっており、搬送方向の前後
に力を発生させることはできるが、搬送方向と直角をな
す向きには媒体を拘束するような力を作用させることが
できない。よって、従来の搬送方式では、固定子の傾き
や、固定子と移動子との間の不均一な摩擦の影響等によ
って搬送方向に向かって左右に媒体がシフトした場合、
それを静電気の力で補正する手段はない。そのため、固
定子の取り付け精度や、固定子を取り付ける台座の加工
精度を向上させる必要があり、コストの上昇を招く、同
様に、固定子や移動子の表面粗さや表面形状にも注意を
払わなければならず、表面修正のためのコストが発生
し、好ましくない。
【0006】移動子や媒体のシフトを防ぐためには、固
定子の両側にガイドを設けるのが最も簡単な手段であ
る。しかしながら、媒体や移動子と接するガイド表面の
粗さによっては、媒体や移動子が引っ掛かり、スキュー
の発生や搬送停止の可能性がある。そのため、ガイドの
表面粗さやガイドの左右の間隔等を試行錯誤で決定しな
ければならず、開発期間が大幅に長いものとなる。ま
た、ガイドの表面粗さを向上させるには、ガイド表面の
研磨工程が必要となるため開発コストが上昇し、市場で
の商品競争力が失われる。更に、ガイドの間隔は搬送す
る媒体や移動子の幅に依存するため、異なる大きさの媒
体や移動子を用いる度に、この試行錯誤を繰り返さなけ
ればならず、非効率的である。
【0007】また、媒体や移動子がシフトした方を上に
するように固定子を傾けて、媒体重量を利用して媒体の
シフトを補正する方式も考えられるが、媒体や移動子が
軽量の場合は有効ではなく、更に、固定子の傾きを操作
するために、新たなアクチュエータや媒体のシフトを検
知するセンサ、それらを統合的に制御するコントローラ
が必要となり、コストが著しく上昇し、好ましいもので
はない。
【0008】また、上述した特開平2−285978号
公報に開示されているように、搬送方向と直角な向きに
並列配置した帯状電極と、搬送方向と平行な向きに並列
配置した帯状電極を固定子に配し、前者で搬送方向に力
を発生させ、後者で搬送方向と直角な向きに力を発生さ
せて媒体を拘束する方式もあるが、この方式では、少な
くとも2系統の電圧極性制御回路と駆動回路が必要であ
り、さらに、媒体の位置を把握するための新たなセンサ
とセンサからの信号を処理する回路が必要となり、コス
トが大幅に増加するため現実的なものではない。
【0009】
【課題を解決するために手段】上述した課題を解決する
ため、本発明は、絶縁体の基材に複数の帯状電極を平行
に並べて配列してなる固定子の搬送面上に、所定の抵抗
値を持った移動子を乗せ、この移動子の上に媒体を乗せ
て、前記帯状電極への印加電圧極性を決められたパター
ンで切り換えることにより、前記固定子と移動子との間
に発生する静電気力を利用して、帯状電極と直角をなす
方向に媒体を乗せた移動子を搬送する媒体搬送装置にお
いて、前記帯状電極の幅を、移動子の搬送経路に当たる
位置は広く、他の部分は細くし、移動子の搬送経路に当
たる位置での電極間距離を搬送経路以外の電極間距離よ
り狭くしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明の媒体搬送装置で用
いられる固定子の第1の実施の形態を示す平面図、図2
は本発明の媒体搬送装置の全体構成の実施の形態の一例
を示す構成図で、図2(a)は全体斜視図、図2(b)
は固定子の側面図と駆動機構のブロック図を組み合わせ
たものである。
【0011】本実施の形態の媒体搬送装置は、図2
(a)に示すように、板状の固定子1と移動子2からな
り、移動子2の上に媒体3を乗せて、固定子1から移動
子2に作用する搬送力によって、移動子2と媒体3とを
一緒に搬送する。固定子1は、図2(b)に示すよう
に、基材11上に複数の帯状電極12を所定の間隔で平
行に配置し、その上に絶縁コート層13を配したもので
ある。以後、移動子2において、固定子1と接触する面
を搬送面、その対面を非搬送面と呼ぶ。前記絶縁コート
層13は、絶縁耐圧向上と搬送面の平滑化、および低摩
擦化等を目的として、基材11上に帯状電極12を形成
した後、該帯状電極12を覆うように、基材11上を絶
縁コーティングを行って形成するものである。なお、こ
の絶縁コート層13は設けなくてもよい。
【0012】基材11は絶縁体であり、ガラス,繊維混
入樹脂等の基板状、PET,ポリイミド等のフィルム状
等、形状や厚み等は自由に設計できる。本実施の形態で
は、樹脂材料を使用することとする。帯状電極12は、
銅や金等の導電性材料ならばいずれも使用でき、基材1
1上に印刷やエッチング等の公知の技術によって形成す
ることができる。
【0013】前記帯状電極12は3相に分割接続されて
おり、それぞれA相、B相、C相と呼び、A相に接続さ
れる帯状電極は12A、B相に接続される帯状電極は1
2B、C相に接続される帯状電極は12Cとして表示す
る。本発明の媒体搬送装置に用いられる固定子1では、
帯状電極12の電極幅は一定幅ではない。図1に示す第
1の実施の形態の固定子1では、帯状電極12Bにおい
て移動子2の搬送経路に相当する位置の幅を他の部分の
幅より広くする。すなわち、移動子2を固定子1の中央
部に沿って搬送したい場合は、帯状電極12Bの中央部
付近の幅を左右端の幅に比べて広くし、隣り合う電極と
の距離(電極間距離)を、電極端部から中央部に進むに
従って狭くなるように構成する。
【0014】帯状電極12の幅や電極ピッチは自由に設
定できる。例えば、帯状電極12B以外の帯状電極12
Aと帯状電極12Cの電極幅を0.1mmとし、帯状電
極12Bは端部の幅を0.1mm、中央部の幅を0.1
5mmとし、全体の電極ピッチを0.4mmと設定す
る。なお、図1に示す固定子1の第1の実施の形態で
は、帯状電極12の中で帯状電極12Bについてのみ電
極幅を変化させたが、他の相の帯状電極12の電極幅を
変化させてもよいし、全ての相の電極の幅を変化させて
もよい。
【0015】移動子2は薄板状で、抵抗値が1012〜1
15〔Ω/□〕に調整してある。この調整方法は公知で
あり、例えば、特開平6−56290号公報に開示され
ている技術等が利用できる。電源5は、帯状電極12に
印加する電圧の電圧源であり、正電圧と負電圧を駆動回
路6に供給する。
【0016】駆動回路6は、帯状電極12のA相、B
相、C相の各相に、それぞれ正電圧、負電圧、0〔V〕
(接地電位)を自由に切り換えて印加できるようになっ
ており、制御回路7からの制御信号によって、各相に印
加する電圧極性を変化させる。また、制御回路7からの
信号によって、印加する電圧値を変更することもでき
る。
【0017】以降、本実施の形態では、各相に印加する
電圧極性を、〔A相極性,B相極性,C相極性〕として
表すことにする。例えば、A相に正極性、B相に負極
性、C相に負極性の電圧を印加する場合は、〔P,N,
N〕という表示になる。なお、正極性はP,負極性は
N,接地電位はGと表す。以下に、動作を説明する。
【0018】移動子2内の電荷をあらかじめ決まったパ
ターンに分極させ、その分極電荷の極性と、帯状電極1
2に印加する電圧の極性との反発、吸引作用を利用す
る。ここでは、搬送する移動子2内の電荷をあらかじめ
分極させる工程を初期分極行程と呼ぶことにする。初期
分極工程では、固定子1の帯状電極12に印加する電圧
極性によって、移動子2内に様々な分極パターンを形成
することができる。そして、この初期分極パターンに合
わせて、搬送中に帯状電極12に印加する電圧の切り換
えパターンを変える。
【0019】図3は本実施の形態における移動子の移動
原理を示す説明図である。媒体3の乗った移動子2が搬
送開始位置に到達すると、制御回路7の制御により、駆
動回路6から初期分極パターンとして、例えば〔G,
P,N〕が帯状電極12の各相に印加される。帯状電極
12の各相に〔G,P,N〕を印加すると、電極内に充
電された電荷の影響によって、図3(1)に示すよう
に、電極と相対する移動子部分に電極極性と逆極性の電
荷が蓄積する。移動子2に十分な電荷が蓄積したところ
で、図3(2)に示すように、帯状電極12に印加する
電圧を〔N,N,P〕に切り換えると、同極電荷間には
反発力が発生し、異極電荷間には吸引力が発生するた
め、固定子1側の帯状電極12の電荷と移動子2内の電
荷との反発,吸引作用によって、図3(3)に示すよう
に、矢印で示す方向に移動子2とその上に乗せた媒体3
が移動を始める。
【0020】そして、図3(4)に示すように、移動子
2が帯状電極12の1ピッチ分移動すると、搬送方向の
力が弱まって下方向への吸引力が大きくなり、同時に移
動子2と固定子1との摩擦力が著しく上昇するため、移
動子2は停止する。上述したように移動子2が帯状電極
12の1ピッチ分移動した後、印加電圧のパターンを
〔P,N,N〕とすると、移動子2は矢印方向に電極1
ピッチ分移動して停止する。次に印加電圧のパターンを
〔N,P,N〕とすると、移動子2は矢印方向に更に電
極1ピッチ分移動して停止する。以下、これまでの
〔N,N,P〕,〔P,N,N〕,〔N,P,N〕を順
次繰り返して印加することにより、移動子2と媒体3を
同時に矢印方向に1ピッチずつ移動させることができ
る。この印加電圧パターンの切り換え周波数を駆動周波
数と呼ぶことにすると、この駆動周波数を変化させるこ
とによって、移動子2の移動速度を制御することがで
き、駆動周波数を上げると移動子2の移動速度が向上す
る。
【0021】図4は従来の固定子と本発明第1の実施の
形態の固定子の平面図である。従来の固定子では、図4
(A)に示すように帯状電極12の幅は全て一定であ
り、隣合う電極との間隔も一定である。ここで、従来の
電極間の間隔をd1とする。これに対して、本発明第1
の実施の形態の固定子では、図4(B)に示すように、
ある1本の帯状電極に注目すると、その幅は部分的に変
化させてある。この結果、隣合う電極との間隔も変化す
る。図4(B)では、図1と同様に帯状電極12Bの中
央部が幅広となっており、隣接する帯状電極12Aとの
間隔は、端部ではd1、中央部に進むに従って狭くな
り、最も間隔が狭き中央部では、間隔d2(<d1)と
なっている。
【0022】図4(A)に示す従来の固定子を用いて移
動子を搬送すると、搬送方向左右に移動子がシフトして
しまう。これに対して、図4(B)に示すように帯状電
極12Bの中央部を幅広としてあると、移動子2はシフ
トせず、固定子1の中央部に沿って搬送される。図5は
本発明第1の実施の形態の固定子を用いた場合の搬送経
路の一例を示す平面図で、図5は、移動子2の搬送開始
位置が中央部からずれていた場合の搬送経路を示してい
る。仮に移動子2の搬送開始位置が固定子1の中央部か
らシフトした位置であった場合も、移動子2は搬送中に
中央部でシフトし、移動子2は中央部に到達すると、以
後、移動子2は中央部に沿って搬送される。
【0023】この動作は、固定子1が搬送方向に対して
左右に傾いていた場合でも同じであり、従来の固定子で
は固定子の傾きによって移動子2がシフトしたが、本発
明第1の実施の形態の固定子では、帯状電極の幅広部分
に移動子を拘束する力が働くため、移動子はシフトせず
に搬送できる。以下に、帯状電極の一部を幅広として隣
接する帯状電極との間隔を狭くすると、この部分に沿っ
て移動子が搬送される原理を説明する。
【0024】変化ある電界強度中に置かれた物体には、
より電界強度の強い方向に向かう力が作用する。移動子
2に作用する電界強度は、隣合う帯状電極同志の距離で
ある電極間距離と、そこに印加する電圧値によって決定
する。帯状電極12に印加する電圧値が極性を除いて同
一の場合、固定子1上に形成される電界強度は、電極間
距離が短いほど強くなる。よって、図1および図4
(B)のように帯状電極12Bの幅を、端部から中央部
に行くに従って徐々に広くした場合、帯状電極12Bと
隣合う帯状電極との電極間距離は、端部から中央部に向
かって徐々に狭くなるので、電界強度は、端部から中央
部にかけて徐々に強くなる。この電界強度の変化によっ
て、移動子2は、常に電界強度の強い帯状電極12Bの
最も幅広部分、つまり、電極間距離の最も狭い部分に沿
って搬送される。このように、帯状電極12Bの形状
を、その幅が中央部に向かうに従って徐々に広くなる形
状にすることにより、移動子2を固定子1の搬送方向左
右端部から搬送開始した場合でも、移動子2が搬送され
るに従い、徐々に固定子1の中央部にシフトし、最終的
に移動子2は固定子1の中央部に沿って移動していく。
【0025】なお、図1および図4(B)では、固定子
1の中央部に沿って移動子2を搬送させるための帯状電
極の形状の一例を開示したが、固定子1の端部に沿って
媒体を搬送したい場合は、端部の電極間間隔を縮めるよ
うな電極形状とすればよい。すなわち、帯状電極の端部
の幅を広くすればよい。図6は固定子の第2の実施の形
態を示す平面図で、図6(a)は第2の実施の形態の固
定子の平面図、図6(b)は第2の実施の形態の固定子
を用いた場合の動作を示す平面図である。この第2の実
施の形態の固定子では、媒体の搬送経路をシフトさせる
ための実施の形態を示し、例えば、搬送開始位置では電
極間距離の短い部分が固定子右端となるように、所定の
帯状電極12の幅を右端側で広くなるようにし、搬送経
路中点では、電極間距離の短い部分が固定子中央となる
ように、所定の帯状電極12の幅を中央部で広くなるよ
うにし、搬送終点位置では電極間距離の短い部分が固定
子左端となるように、所定の帯状電極12の幅を左端側
で広くなるようにすれば、図6(b)に示すように、移
動子2を固定子1の右端から左端にシフトしつつ搬送す
ることができる。無論、搬送開始側で左端側の電極間距
離を短く、搬送終点側で右端側の電極間距離を短くすれ
ば、移動子2を固定子1の左端から右端にシフトしつつ
搬送することができる。
【0026】ここで、第1および第2の実施の形態の固
定子では、直線搬送路を例に取って説明したが、固定子
をフィルム状のフレキシブル基板で製作すれば、湾曲部
を有する曲線搬送路を構成することもでき、この場合で
も、帯状電極の一部を幅広として隣接する帯状電極との
間隔を狭くすると、この部分に沿って移動子が搬送され
る。
【0027】また、本実施の形態の媒体搬送装置では、
移動子として、シート状材料を積層したものを用いた
が、内部に固定子と同様な電極を有し、その電極に電圧
を印加することにより初期分極状態を実現する移動子を
用いることとしてもよく、この場合でも、帯状電極の一
部を幅広として隣接する帯状電極との間隔を狭くする
と、この部分に沿って移動子が搬送される。
【0028】さらに、本実施の形態の媒体搬送装置で
は、移動子に搬送力を発生させ、その上に媒体を乗せて
移動子と一緒に搬送することとしたが、媒体の抵抗値が
十分高い場合は、移動子を除き、固定子上に直接媒体を
乗せて、該媒体内に分極電荷を形成して、媒体に直接搬
送力を発生させることも可能であり、この場合でも、帯
状電極の一部を幅広として隣接する帯状電極との間隔を
狭くすると、この部分に沿って移動子が搬送される。
【0029】また、第1および第2の実施の形態の固定
子では、B相に接続された帯状電極の形状だけを変化さ
た例について説明したが、A相,C相の形状を変化させ
た場合や、それらを組み合わせた場合にも、電極間距離
の狭い部分に沿って移動子が搬送されるもので、勿論、
形状を変化させる相数を増やした方が、搬送方向と直角
をなす向きに媒体を拘束する力は向上する。
【0030】図7は帯状電極の形状の実施の形態の一例
を示す平面図で、電極中央部の幅を広くして隣接する電
極間距離を狭くする場合、図7(A)に示すように、電
極端部から中央部に向かって電極幅を直線的に変化させ
た形状や、図7(B)に示すように、電極端部から中央
部に向かって曲線的に電極幅を変化させた樽状の形状、
さらに、図7(C)に示すように、電極の片側は一直線
状で、他方側を電極端部から中央部に向かって電極幅を
直線的に変化させた形状等、隣合う電極との間に発生す
る電界強度を変化させることができる形状ならばよい。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、帯状電
極の幅を、搬送対象の媒体や移動子の搬送経路に当たる
位置は広く、他の部分は細くし、搬送経路に当たる位置
での電極間距離を搬送経路以外の電極間距離より狭くし
たので、特別なアクチュエータや媒体位置を検知するセ
ンサ、2系統以上の制御回路や駆動回路無しに、搬送方
向と直角をなす向きにおいて媒体や移動子の位置を拘束
して搬送することができる。この結果、静電気力利用し
た媒体搬送装置において、搬送方向と直角をなす向きに
おいて常に希望した位置での搬送が可能な媒体搬送装置
を低コストで実現できる。
【0032】また、移動子や媒体の大きさや形状に依存
せず、搬送経路を拘束できるので、媒体や移動子の大き
さの変化による固定子設計の試行錯誤がなく、短期間で
設計でき、この結果、低開発コストで静電気力を利用し
た媒体搬送装置を実現できる。さらに、固定子の取り付
け状態において、固定子が傾いていた場合でも、媒体や
移動子に加わる重力の影響で、媒体や移動子が平行移動
するのを防ぐことができる。このため、固定子の取り付
け精度や取り付け台の加工精度を上げる必要がないの
で、コストが上昇しない。同様に、固定子と移動子との
間の不均一摩擦によって移動子や媒体がシフトするのを
防止できるので、固定子や移動子の表面粗さや表面形状
の修正にかかるコストを削減することができる。
【0033】また、帯状電極の幅を広くする場所の位置
に応じて、媒体や移動子の搬送経路を自在に変化させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の媒体搬送装置で用いられる固定子の第
1の実施の形態を示す平面図
【図2】本発明の媒体搬送装置の全体構成の実施の形態
の一例を示す構成図
【図3】本実施の形態における移動子の移動原理を示す
説明図
【図4】従来の固定子と本発明第1の実施の形態の固定
子の平面図
【図5】第1の実施の形態の固定子における搬送経路の
一例を示す平面図
【図6】固定子の第2の実施の形態を示す平面図
【図7】帯状電極の形状の実施の形態の一例を示す平面
【図8】静電気力を利用した従来の媒体搬送装置の問題
点を示す平面図
【符号の説明】
1 固定子 2 移動子 3 媒体 12 帯状電極

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁体の基材に複数の帯状電極を平行に
    並べて配列してなる固定子の搬送面上に移動子を乗せ、
    この移動子の上に媒体を乗せて、前記帯状電極への印加
    電圧極性を決められたパターンで切り換えることによ
    り、前記固定子と移動子との間に発生する静電気力を利
    用して、帯状電極と直角をなす方向に媒体を乗せた移動
    子を搬送する媒体搬送装置において、 前記帯状電極の幅を、移動子の搬送経路に当たる位置は
    広く、他の部分は細くし、移動子の搬送経路に当たる位
    置での電極間距離を搬送経路以外の電極間距離より狭く
    したことを特徴とする媒体搬送装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の媒体搬送装置において、 前記帯状電極の幅を広くした位置を一直線状に並べて、
    移動子の搬送経路を一直線状としたことを特徴とする媒
    体搬送装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の媒体搬送装置において、 前記帯状電極の幅を広くした位置を任意にずらして、移
    動子の搬送経路をシフトさせることを特徴とする媒体搬
    送装置。
  4. 【請求項4】 絶縁体の基材に複数の帯状電極を平行に
    並べて配列してなる固定子の搬送面上に、搬送対象の媒
    体を直接乗せて、前記帯状電極への印加電圧極性を決め
    られたパターンで切り換えることにより、前記固定子と
    媒体との間に発生する静電気力を利用して、帯状電極と
    直角をなす方向に媒体を搬送する媒体搬送装置におい
    て、 前記帯状電極の幅を、媒体の搬送経路に当たる位置は広
    く、他の部分は細くし、媒体の搬送経路に当たる位置で
    の電極間距離を搬送経路以外の電極間距離より狭くした
    ことを特徴とする媒体搬送装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の媒体搬送装置において、 前記帯状電極の幅を広くした位置を一直線状に並べて、
    媒体の搬送経路を一直線状としたことを特徴とする媒体
    搬送装置。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の媒体搬送装置において、 前記帯状電極の幅を広くした位置を任意にずらして、媒
    体の搬送経路をシフトさせることを特徴とする媒体搬送
    装置。
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