JPH1159946A - 媒体搬送装置 - Google Patents

媒体搬送装置

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JPH1159946A
JPH1159946A JP21753097A JP21753097A JPH1159946A JP H1159946 A JPH1159946 A JP H1159946A JP 21753097 A JP21753097 A JP 21753097A JP 21753097 A JP21753097 A JP 21753097A JP H1159946 A JPH1159946 A JP H1159946A
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JP
Japan
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stator
strip
medium
transport
electrode
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JP21753097A
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English (en)
Inventor
Hideyuki Kobayashi
秀幸 小林
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で搬送特性を向上させた静電アク
チュエータの原理を利用した媒体搬送装置を実現する。 【解決手投】 この発明は、絶縁体に複数の帯状電極を
配列し、帯状電極を3相に分割接続して固定子を構成
し、固定子の搬送面上に搬送媒体を配置し、固定子内の
各相の帯状電極への印加電圧極性を切り換えることによ
り、固定子と搬送媒体との間に発生する静電気力を利用
して媒体を搬送する装置において、帯状電極表面に凹凸
を形成した媒体搬送装置を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は静電アクチュエータ
の原理を利用して媒体を搬送する媒体搬送装置に係り、
さらに詳しくは複写機、プリンタ、ファクシミリ、現金
自動入出金装置などに適用され、用紙や紙幣等の紙葉類
や、キャッシュカードやプリペイドカードのカード状媒
体等を搬送する媒体搬送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機、プリンタ、ファクシミ
リ、現金自動入出金装置等には、『特開平5−2706
81号』に示されるように回転型電磁モータ駆動のゴム
ローラを紙類などの媒体に圧接する搬送機構が使用され
ていた。一方、静電気力を利用する搬送方法として、
『特開平2−285978号』と『特開平5−3196
02号』及び『特開平6−56290号』の発明が知ら
れている。これらの方法は、帯状電極を有する固定子
と、抵抗層を有する移動子から構成される。
【0003】上記の『特開平5−319602号』は、
移動子として、搬送する紙を直接使用し、『特開平6−
56290号』は高い抵抗値を有する移動子の上に紙等
の搬送物を載せる構成である。両者ともに、固定子の電
極は3系統(3相)に分割されており、それが順に並ん
でいる。動作原理の概要を述べると、搬送直前に固定子
電極の各相に特殊な電圧の組み合わせを印加することに
より、移動子の抵抗層内に存在する正負の電荷を静電分
極させる(以後、これを初期分極と呼ぶ)。移動子内で
静電分極が十分進んだところで、搬送用の電圧パターン
(組み合わせ)を切り換えながら固定子電極の各相に印
加すると、電荷の反発と吸引によって移動子は搬送され
る。
【0004】また、電極を内蔵した移動子を用いる方法
が『特開平7−257773号』に提案されている。こ
の方法では、固定子と同様の帯状電極を内部に有する移
動子上に搬送媒体を設置し、移動子電極に印加された電
圧によって媒体を静電吸着させ、移動子と共に媒体を搬
送するため、表面抵抗値に依存せず媒体を搬送すること
ができる。この『特開平7−257773号』に対し
『特開平5−22959号』は、無機質粒子等を含む塗
布液を平滑面にコーティングする等の方法で、固定子ま
たは移動子の接触面に凹凸パターンを形成する方法、さ
らに、『特開平5−191984号』には固定子に設け
た微細な貫通孔から空気を送り出して移動子を浮上させ
る方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の各従来装置に
は、次の〜の問題点を挙げることができる。 『特開平5−270681号』 この方式では、モータ自体の発熱や消費電力の大きさが
問題となる上に、電磁モータとゴムローラを使用する構
成上、小型化にも限界がある。また、媒体の搬送に用い
る力としてゴムローラと搬送媒体間の摩擦力を利用して
いるため、ゴムの磨耗、紙粉の付着などにより、安定し
た搬送力を得るためにはゴムローラ自体やゴムローラと
媒体の圧接力を定期的に検査、補修する必要があった。
【0006】『特開平2−285978号』、『特開
平5−319602号』、『特開平6−56290号』 これらの公報に述べれらている搬送方法では、搬送力と
して静電気力を利用するために、その搬送特性は移動子
自体の抵抗値、特に表面抵抗値に依存する。そのため、
吸湿によってその表面抵抗値が2桁以上変化する紙葉類
や、それ自体の表面抵抗値が低いカード類を直接搬送す
ることは困難である。 『特開平7−257773号』 この方法では、特に移動子が平滑である場合に固定子と
移動子の間に空気が十分進入せず、両者間の密着性を増
やすため移動子が円滑に搬送されなくなるという問題が
ある。
【0007】『特開平5−22959号』、『特開平
5−191984号』 『特開平5−22959』の方法では、例えば無機質粒
子等を含む塗布液を平滑面にコーティングする場合に
も、それらの粒子で形成される凹凸の密度を制御するこ
とが困難であるため固定子の製造が容易に行えない。ま
た、『特開平5−191984』の方法では、別途送風
装置を必要とする上に送り込む空気量の調整が必要であ
るため、前記した電磁モータとゴムローラを使用する従
来の搬送機構と同様の問題も併せ持つ等の問題点があ
る。
【0008】本発明は、上記の各公報に記載された従来
技術の問題点を解消するためになされたもので、各装置
のように厳しい制御条件を課したり、別途に付属装置を
用いたりすることなく固定子と移動子間の密着性を減少
し、搬送特性を向上し得る媒体搬送装置を実現すること
を目的にしたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、絶縁体に複数
の帯状電極を配列し、帯状電極を3相に分割接続して固
定子を構成し、固定子の搬送面上に搬送媒体を配置し、
固定子内の各相の帯状電極への印加電圧極性を切り換え
ることにより、固定子と搬送媒体との間に発生する静電
気力を利用して媒体を搬送する装置において、帯状電極
表面に凹凸を形成した媒体搬送装置を構成したものであ
る。
【0010】また、本発明は、絶縁体に複数の帯状電極
を配列し、帯状電極を3相に分割接続して固定子を構成
し、固定子の搬送面上に移動子を介して搬送媒体を配置
し、固定子内の各相の帯状電極への印加電圧極性を切り
換えることにより、固定子と移動子との間に発生する静
電気力を利用して移動子と共に搬送媒体を搬送する装置
において、帯状電極表面に凹凸を形成した媒体搬送装置
を構成したものである。
【0011】また、本発明は、絶縁体に複数の帯状電極
を配列し、帯状電極を3相に分割接続して固定子を構成
し、固定子の搬送面上に帯状電極と同一構成の帯状電極
を配列した移動子を介して搬送媒体を配置し、固定子と
移動子に配列した各相の帯状電極への印加電圧極性を切
り換えることにより、固定子と移動子との間に発生する
静電気力を利用して移動子と共に媒体を搬送する装置に
おいて、帯状電極における少なくとも一方の表面に凹凸
を形成した媒体搬送装置を構成したものである。さら
に、帯状電極表面に形成する凹凸のピッチを帯状電極の
ピッチと等しくすると共に、凹凸部の幅を帯状電極の幅
と等しくした媒体搬送装置を構成したものである。
【0012】初期分極が終了した後、制御回路からの信
号により、駆動回路から帯状電極の各相に第1段階の搬
送パターンとして[P・N・G]を印加する。分極した
搬送媒体内の電荷は、帯状電極に充電された同極性電荷
からは反発力を、また、逆極性電荷からは吸引力を、そ
れぞれ受ける。これらの力を総合すると、搬送媒体は押
し上げられて搬送方向に力を受けるために搬送方向に移
動していき、1電極ピッチ分移動したところで、搬送媒
体中の電荷は帯状電極に充電された電荷からそれぞれ下
方向への吸引力を受け、固定子基板表面での摩擦力が増
大して停止することになる。
【0013】次に、第2段階の搬送パターンとして[G
・P・N]の電圧を各帯状電極に印加すると、同様な作
用によって搬送媒体は搬送方向に1電極ピッチ分移動
し、更に、第3段階の搬送パターンとして[N・G・
P]の電圧を印加すると、同様に搬送媒体は搬送方向に
1電極ピッチ分移動する。この後も、搬送パターンの第
1段階から第3段階パターンを順次繰り返して印加する
ことにより、搬送媒体は搬送方向に帯状電極1ピッチず
つ搬送される。
【0014】この場合、固定子の帯状電極の接触面には
凹凸が設けられ、絶縁層が帯状電極のピッチに依存した
凹凸に加えて帯状電極側の凹凸にも追従するので、固定
子の搬送面には媒体の搬送方向とそれに直交する帯状電
極の長さ方向での凹凸が形成され搬送面の表面粗さが増
大する。この結果、固定子と搬送媒体との接触面積がよ
り小さくなり、両者間に十分な空気が進入して接触密度
が減少し、搬送力を効率よく搬送媒体に作用させること
ができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を、図
面を用いて説明する。 実施形態1 図1は本発明の実施形態1の構成を示す説明図、図2は
本発明の実施形態1の構成を示すブロック図、図3は実
施形態1の動作を示す説明図である。
【0016】図1と2において、1は固定子、3は搬送
媒体である。また、11は基材、12は帯状電極、13
は絶縁層、14は帯状電極12の凹凸である。この装置
は固定子1から搬送媒体3に直接搬送力を作用させて搬
送するものである。固定子1は、基材11上に一定のピ
ッチで表面に凹凸14を形成した複数の帯状電極12を
一定ピッチで配置し、電極間放電並びに大気中への放
電、或いは感電を防止するために電極面上に絶縁層13
を形成したものである。以後、固定子1において搬送媒
体3と接触する面を搬送面、その対面を非搬送面と呼
ぶ。
【0017】基材11は、絶縁体であり、基板状、フィ
ルム状など、形状や厚さなどは自由に設計できる。基板
状の材料としてはエポシキ系樹脂など、フィルム状材料
としてはPI(ポリイミド)、PET(ポリエステ
ル)、フッ素系樹脂等が考えられる。本実施形態では、
厚さ25[μm]のPIを使用した。帯状電極12は、
導電性材料ならば何れも使用できる。電極の幅や電極間
幅、並びに表面の凹凸14のピッチ、凹部の深さや幅等
は自由に設定できる。帯状電極12の凹凸14は、基材
11上に印刷やエッチングなど、公知の技術によって形
成可能である凹凸14のない帯状電極に、新たにエッチ
ングや研磨処理、メッキ等を施すことによって容易に形
成が可能である。
【0018】また、帯状電極12は3相に分離接続され
ており、それぞれA相、B相、C相と呼び、A相に接続
された電極は12A、B相に接続された電極は12B、
C相に接続された電極は12Cとして表示する。絶縁層
13は高絶縁材料であり、PET、フッ素系樹脂、アク
リル系樹脂などが考えられる。絶縁層13の形成は、接
着や熱圧着など公知の技術によって可能である。絶縁層
13を構成するときには、乾燥(低湿度)雰囲気での作
業が必要になる。本実施形態では、厚さ50[μm]の
アクリル系樹脂を使用した。電源5は、帯状電極12に
印加する電圧の電圧源であり、正電圧と負電圧を駆動回
路6に供給する。
【0019】駆動回路6は、A相、B相、C相の各相に
は、正電圧、負電圧、0[V](接地電位)が自由に切
り換えて印加できるようになっており、制御回路7から
の制御信号によって、各相に印加する電圧極性を変化さ
せる。制御回路7は、駆動回路6が各相に印加する電圧
極性を変化させる信号を発生する。以後、帯状電極12
の各相に印加する電圧極性のパターンを[12A極性・
12B極性・12C極性]のように表現する。また、正
極性をP、負極性をN、接地電位(0[V])をGで表
す。例えば12Aに負電圧、12Bに正電圧、12Cに
正電圧を印加する場合には[N・P・P]となる。
【0020】次に、実施形態1の動作を図3を用いて説
明する。図3では、右手方向を搬送媒体3の搬送方向と
する。本装置では搬送媒体3中に分極電荷を発生させる
ため、初期分極作業が必要となる。固定子1上におい
て、搬送媒体3が搬送開始位置まできたところで、制御
回路7からの信号により、駆動回路6から帯状電極12
に分極パターンとして[N・P・P]を印加すると、搬
送媒体3内の電荷は(A)に示すような分極状態とな
り、これを初期分極と呼ぶ。
【0021】初期分極が終了した後、制御回路7からの
信号により、駆動回路6から帯状電極12の各相に第1
段階の搬送パターンとして[P・N・G]を印加する。
分極した搬送媒体3内の電荷は、帯状電極12に充電さ
れた同極性電荷からは反発力を、また、逆極性電荷から
は吸引力を、それぞれ受ける。これらの力を総合する
と、搬送媒体3は押し上げられて搬送方向に力を受ける
ために搬送方向に移動していき(B)、1電極ピッチ分
移動したところで、搬送媒体3中の電荷は帯状電極12
に充電された電荷からそれぞれ下方向への吸引力を受
け、固定子基板1表面での摩擦力が増大して停止する
(C)。
【0022】次に第2段階の搬送パターンとして[G・
P・N]の電圧を各帯状電極12に印加すると、同様な
作用によって搬送媒体3は搬送方向に1電極ピッチ分を
移動し、更に、第3段階の搬送パターンとして[N・G
・P]の電圧を印加すると、同様に搬送媒体3は搬送方
向に1電極ピッチ分移動する。この後も、搬送パターン
の第1段階から第3段階パターンを順次繰り返して印加
することにより、搬送媒体3は搬送方向に帯状電極1ピ
ッチずつ搬送される。
【0023】ここでは、分極パターンとして[N・P・
P]を用い、[P・N・G]、[G・P・N]、[N・
G・P]の3段階の搬送パターンを順に繰り返して搬送
媒体3を所望の方向に搬送した。しかし、搬送媒体3を
搬送する力は、前述したように、搬送媒体3中の初期分
極電荷の極性と、固定子電極に印加する電圧極性とによ
る吸引力と反発力のバランスに依るため、ここで説明し
た初期分極パターンと各帯状電極12に印加する電圧パ
ターン以外でも、搬送媒体3を搬送することが出来るパ
ターンの組合せは多数考えられる。また、搬送パターン
の印加の切り替え周波数を駆動周波数とすると、駆動周
波数を変化させることで搬送媒体3の搬送速度を変化さ
せることができ、駆動周波数を高くすると搬送速度は速
く、低くすると搬送は遅くなる。
【0024】上述により実施形態1の基本的な動作を説
明したが、この実施形態1の凹凸14を設けた帯状電極
12を有する固定子1では、絶縁層13が帯状電極12
のピッチに依存した凹凸14に加えて帯状電極12の表
面の凹凸14にも追従するので、固定子1の搬送面には
媒体の搬送方向とそれに直交する帯状電極12の長さ方
向での凹凸14が形成され、表面に凹凸14のない従来
の帯状電極を有する固定子の搬送面と比較すると表面粗
さは増大する。その結果固定子1と搬送媒体3との接触
面積がより小さくなり、両者間に十分な空気が進入して
密着性が減じるので、搬送力を効率よく搬送媒体に作用
させることができる。
【0025】以上説明したように、実施形態1によれ
ば、帯状電極12の表面に凹凸14を形成することで、
接触密度を制御することが困難な無機粒子を含むコーテ
ィングを施したり、別途に装置を用いたりすることな
く、搬送媒体3と固定子1との密着性(摩擦)を大幅に
低減することができ、その結果連続動作時間の長時間
化、最高駆動周波数の高周波数化など、搬送特性を向上
させることが可能となる。また、本発明における帯状電
極表面の凹凸14は公知の技術によって容易に形成する
ことができ、特殊な装置や特殊な技術、特殊な材料を必
要としないので、技術開発並びに媒体搬送装置製造にお
けるコスト上昇を最小限に抑えることが可能となり、商
品競争力に影響を与えることはない。
【0026】実施形態2 図4は本発明の実施形態2の構成を示す説明図、図5は
本発明の実施形態2の構成を示すブロック図、図6は実
施形態2の動作を示す説明図である。図4と図5におい
て、1は前述と同一の固定子、2は移動子である。移動
子2は固定子1と類似構造に作られている。21は移動
子2側の基材、22は帯状電極、23は絶縁層、24は
移動子2に形成された凹凸である。また、5aと5bは
第1と第2の電源、6aと6bは第1と第2の駆動回路
である。実施形態2では固定子1と表面に凹凸24を形
成した帯状電極22を有する移動子2から成り、移動子
2に搬送力を作用させ移動子2上に設置した搬送媒体3
を移動子2と共に搬送するものである。なお、実施形態
2で実施形態1と共通する固定子1についての説明は重
複するので一部省略する。
【0027】移動子2は固定子1と同様の構成によって
成るフィルム状であり、その内部に表面を凹凸24を形
成した帯状電極22を有する。移動子2の基材21も固
定子1の基材11と同じくPI、PET、フッ素系樹脂
などが考えられる。基材21としてエポシキ系樹脂など
の基板状材料を用いることは可能であるが、フィルム状
とするよりも移動子2の重量が大きくなるため好ましく
ない。実施形態2でも厚さ25[μm]のPIを使用し
た。同様に、移動子2において固定子1と接触する面を
摺動面、搬送媒体3を設置する面を積載面と呼ぶ。
【0028】帯状電極22は、導電性材料であればいず
れも使用でき、固定子1の帯状電極12の電極幅や電極
間隔に応じて、電極幅や電極間隔を設定できる。さら
に、電極表面の凹部の深さや幅や凹凸24ピッチも自由
に設定できる。帯状電極22の凹凸24は、基材21上
に印刷やエッチングなど、公知の技術によって形成可能
である凹凸24のない帯状電極に、新たにエッチングや
研磨処理、メッキ等を施すことによって形成が可能であ
る。また帯状電極12と同様に、帯状電極22も3相に
分割接続され、それぞれD相、E相、F相呼び、各々に
接続された電極は22D、22E、22Fとして表示す
る。絶縁層23も絶縁層13と同様高絶縁材料であり、
PET、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂などが考えられ
る。絶縁層23の形成は、接着や熱圧着など公知の技術
によって可能である。絶縁層23を構成する際には乾燥
(低湿度)雰囲気での作業が必要になる。この実施形態
においても、厚さ50[μm]のアクリル系樹脂を使用
した。
【0029】第1の電源5aは帯状電極12に、第2の
電源5bは帯状電極22に印加する電圧の電圧源であ
り、正電圧と負電圧をそれぞれ第1の駆動回路6a、第
2の駆動回路6bに供給する。第1の駆動回路6aはA
相、B相、C相の各相に、また、第2の駆動回路6bは
D相、E相、F相の各相に正電圧、負電圧、0[V]
(接地電圧)が自由に切り換えて印加できるようになっ
ており、それぞれ制御回路7からの制御信号によって、
各相に印加する電圧極性を変化させる。
【0030】制御回路7は、第1の駆動回路6aと第2
の駆動回路6bのそれぞれが各相に印加する電圧極性を
変化させる信号を発生する。以後、帯状電極12や帯状
電極22の各相に印加する電圧極性パターンを[12A
(22D)極性・12B(22E)極性・12C(22
F)極性]のように表現する。また、正極性をP、負極
性をN、接地電位(0[V])をGで表す。例えば12
Aに負電圧、12Bに正電圧、12Cに正電圧を印加す
る場合には[N・P・P]となる。
【0031】図6を用いて実施形態2の基本的な動作を
説明する。ここでも図6の右手方向を、移動子2ならび
に搬送媒体3の搬送方向とする。固定子1上において、
表面に搬送媒体3を載置した移動子2が搬送の開始位置
に到達したときに、制御回路7からの信号により、第2
の駆動回路6bから帯状電極22の各相に吸着パターン
として[P・N・N]を、第1の駆動回路6aから帯状
電極12の各相に第一段階の搬送パターンとして[P・
N・G]を印加する(A)。
【0032】移動子2に[P・N・N]を印加すると、
移動子2の電荷は実施形態1の基本動作における搬送媒
体3の分極状態と同様になるのに加え、移動子2上に配
置された搬送媒体3は静電吸着により移動子2上に固定
され、帯状電極22と帯状電極12の各電荷間の静電気
力により、移動子2は搬送方向へ1電極ピッチ分移動す
る(B)(C)。そこで、帯状電極22に[P・N・
N]を印加したまま、実施形態1における基本的な動作
と同様に、帯状電極12に第2の搬送パターンとして
[G・P・N]を、第3の搬送パターンとして[N・G
・P]を印加する3段階の手順を繰り返すことで搬送媒
体3を載せた移動子2は搬送方向に1電極ピッチずつ搬
送される。
【0033】ここでは帯状電極22に吸着パターンとし
て[P・N・N]を印加し、搬送パターンとして[P・
N・G]、[G・P・N]、[N・G・P]の3段階を
順に繰り返して印加し、搬送媒体3を移動子2とともに
所望の方向へ搬送した。しかし、媒体を搬送する力は、
前述したように、帯状電極22各相の電荷の極性と、固
定子電極に印加する電圧極性との吸引力と反発力のバラ
ンスに依るため、ここで説明した帯状電極22の吸着パ
ターンと帯状電極12に印加する搬送パターン以外に
も、媒体を搬送することができるパターンの組合せは多
数考えられる。また、帯状電極22に吸着パターンとし
て一定の電圧パターンを印加するだけではなく、帯状電
極12と同様に数段階の電圧パターンを繰り返して印加
することも可能であり、その場合にも媒体を搬送するこ
とができるパターンの組合せは多数考えられえる。
【0034】搬送パターン印加の切り替え周波数を駆動
周波数とすると、駆動周波数を変化させることで媒体の
搬送速度を変化させることができ、駆動周波数を高くす
ると搬送速度は速く、低くすると搬送速度は遅くなる。
実施形態2で示した凹凸24を形成した帯状電極22を
有する移動子2では、絶縁層23が帯状電極22のピッ
チに依存した凹凸24に加えて帯状電極22表面の凹凸
24にも追従するので、移動子2の摺動面には媒体の搬
送方向と、それに直交する帯状電極22の長さ方向での
凹凸24が形成され、表面に凹凸24のない従来の帯状
電極を有する移動子の摺動面と比較すると表面粗さは増
大する。その結果、固定子1と移動子2との接触面積が
より小さくなり、両者間に十分な空気が進入して密着性
が減じるので、搬送力を効率よく移動子に作用させるこ
とができる。また、帯状電極22の表面に凹凸24が形
成されているので移動子重量は従来のものと比較すると
軽くなり、その分弱い搬送力でも同様の搬送特性を得る
ことができる。
【0035】以上説明したように、本発明によれば、移
動子2の帯状電極表面に凹凸24を形成することで、接
触密度を制御することが困難な無機粒子を含むコーティ
ングを施したり、別途に装置を用いたりすることなく、
媒体と固定子との密着性(摩擦)を大幅に低減すること
ができ、その結果、連続動作時間の長時間化、最高駆動
周波数の高周波数化など、搬送特性を向上させることが
可能となる。また、帯状電極表面に凹凸24を形成した
本発明による移動子2では、従来の移動子と比較すると
凹凸24が形成されている分その重量は軽くなる。例え
ば用紙の搬送など、移動子サイズを大きくしたときにそ
の差は顕著になり、その分搬送媒体重量を大きくするこ
とができる。さらに、本発明における帯状電極表面の凹
凸24は公知の技術によって形成することができ、特殊
な装置や特殊な技術を必要としないので、技術開発並び
に媒体搬送装置製造におけるコスト上昇を最小限に抑え
ることが可能となり、商品競争力に影響を与えることは
ない。
【0036】なお、実施形態1では、搬送媒体に直接搬
送力を作用させて搬送する動作を説明したが、特別な移
動子を用意してその上に媒体を載せ、搬送力を移動子に
作用させて移動子と共に媒体を搬送させる構成、さらに
移動子として、固定子と同様に内部に電極を有し、その
電極に電圧を印加することで初期分極状態を発生させて
移動子と共に媒体を搬送させる構成など、搬送媒体に直
接搬送力を作用させない方式においても、実施形態1に
おける構成は有効であり、同様の効果を得ることが可能
である。実施形態1,2ともにフィルム状の固定子を例
を挙げて説明したが、固定子を基板状とした場合にもそ
れぞれの実施形態における構成は有効であり、同様の効
果を得ることが可能である。
【0037】
【発明の効果】本発明は、絶縁体に複数の帯状電極を配
列し、帯状電極を3相に分割接続して固定子を構成し、
固定子の搬送面上に搬送媒体を配置し、固定子内の各相
の帯状電極への印加電圧極性を切り換えることにより、
固定子と搬送媒体との間に発生する静電気力を利用して
媒体を搬送する装置において、帯状電極表面に凹凸を形
成した媒体搬送装置を構成した。
【0038】また、本発明は、絶縁体に複数の帯状電極
を配列し、帯状電極を3相に分割接続して固定子を構成
し、固定子の搬送面上に移動子を介して搬送媒体を配置
し、固定子内の各相の帯状電極への印加電圧極性を切り
換えることにより、固定子と移動子との間に発生する静
電気力を利用して移動子と共に搬送媒体を搬送する装置
において、帯状電極表面に凹凸を形成した媒体搬送装置
を構成した。
【0039】また、本発明は、絶縁体に複数の帯状電極
を配列し、帯状電極を3相に分割接続して固定子を構成
し、固定子の搬送面上に帯状電極と同一構成の帯状電極
を配列した移動子を介して搬送媒体を配置し、固定子と
移動子に配列した各相の帯状電極への印加電圧極性を切
り換えることにより、固定子と移動子との間に発生する
静電気力を利用して移動子と共に媒体を搬送する装置に
おいて、帯状電極における少なくとも一方の表面に凹凸
を形成した媒体搬送装置を構成した。さらに、帯状電極
表面に形成する凹凸のピッチを帯状電極のピッチと等し
くすると共に、凹凸部の幅を帯状電極の幅と等しくした
媒体搬送装置を構成した。
【0040】本発明によれば、固定子の搬送面には媒体
や移動子の搬送方向と直交する帯状電極の長さ方向での
凹凸が形成され、表面に凹凸のない従来の帯状電極を有
する固定子の搬送面と比較すると表面粗さは増大する。
その結果固定子と搬送媒体及び移動子との接触面積がよ
り小さくなり、両者間に十分な空気が進入して密着性が
減じるので、搬送力を効率よく搬送媒体に作用させるこ
とができる。
【0041】また、接触密度を制御することが困難な無
機粒子を含むコーティングを施したり、別途に装置を用
いたりすることなく、媒体と固定子との密着性(摩擦)
を大幅に低減することができ、連続動作時間の長時間
化、最高駆動周波数の高周波数化など、搬送特性を向上
させることが可能となる。また、本発明における帯状電
極表面の凹凸は公知の技術によって容易に形成すること
ができ、特殊な装置や特殊な技術、特殊な材料を必要と
しないので、技術開発並びに媒体搬送装置製造における
コスト上昇を最小限に抑えることが可能となり、商品競
争力に影響を与えることはない。
【0042】よって、本発明によれば、簡単な構成で搬
送特性を向上させた静電アクチュエータの原理を応用し
た媒体搬送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の構成を示す説明図であ
る。
【図2】本発明の実施形態1の構成を示すブロック図で
ある。
【図3】実施形態1の動作を示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態2の構成を示す説明図であ
る。
【図5】本発明の実施形態2の構成を示すブロック図で
ある。
【図6】実施形態2の動作を示す説明図である。
【符号の説明】
1 固定子 2 移動子 3 搬送媒体 5 電源 5a 第1の電源 5b 第2の電源 6 駆動回路 6a 第1の駆動回路 6b 第2の駆動回路 7 制御回路 11 基材 12 帯状電極 13 絶縁層 14 凹凸 21 基材 22 帯状電極 23 絶縁層 24 凹凸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁体に複数の帯状電極を配列し、該帯
    状電極を3相に分割接続して固定子を構成し、該固定子
    の搬送面上に搬送媒体を配置し、前記固定子内の各相の
    帯状電極への印加電圧極性を切り換えることにより、前
    記固定子と搬送媒体との間に発生する静電気力を利用し
    て媒体を搬送する装置において、 前記帯状電極表面に凹凸を形成したことを特徴とする媒
    体搬送装置。
  2. 【請求項2】 絶縁体に複数の帯状電極を配列し、該帯
    状電極を3相に分割接続して固定子を構成し、該固定子
    の搬送面上に移動子を介して搬送媒体を配置し、前記固
    定子内の各相の帯状電極への印加電圧極性を切り換える
    ことにより、前記固定子と移動子との間に発生する静電
    気力を利用して移動子と共に搬送媒体を搬送する装置に
    おいて、 前記帯状電極表面に凹凸を形成したことを特徴とする媒
    体搬送装置。
  3. 【請求項3】 絶縁体に複数の帯状電極を配列し、該帯
    状電極を3相に分割接続して固定子を構成し、該固定子
    の搬送面上に帯状電極と同一構成の帯状電極を配列した
    移動子を介して搬送媒体を配置し、前記固定子と移動子
    に配列した各相の帯状電極への印加電圧極性を切り換え
    ることにより、前記固定子と移動子との間に発生する静
    電気力を利用して前記移動子と共に媒体を搬送する装置
    において、 前記帯状電極における少なくとも一方の表面に凹凸を形
    成したことを特徴とする媒体搬送装置。
  4. 【請求項4】 前記帯状電極表面に形成する凹凸のピッ
    チを帯状電極のピッチと等しくすると共に、前記凹凸部
    の幅を帯状電極の幅と等しくしたことを特徴とする請求
    項1乃至3の何れかに記載の媒体搬送装置。
JP21753097A 1997-08-12 1997-08-12 媒体搬送装置 Pending JPH1159946A (ja)

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