JP3312048B2 - アルミ含有鋼スラブの連続鋳造方法 - Google Patents
アルミ含有鋼スラブの連続鋳造方法Info
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Description
造方法に関し、浸漬ノズル内へ不活性ガスを吹込むこと
なしに、高品質スラブを連続鋳造する技術に関する。
分の構造を示した。浸漬ノズル5はタンディッシュ10
内の溶鋼をモールド12内に注入するものである。図
中、1はタンディッシュの底部に設けた上ノズル、2は
上プレート、3はスライデイングプレート、4は中間ノ
ズル、5は2口の浸漬ノズル、13はモールドパウダ、
14はモールド短辺である。
するようなアルミ含有鋼の連続鋳造においては、図5に
示すように、浸漬ノズル5の直道部6及び吐出孔部7に
Al2O3等の脱酸生成分が付着成長し、ノズル付着物8
となってノズル閉塞を引き起こす問題がある。これを防
止するために、タンディシュ10の下部に取付けられた
上ノズル1にガス吹込み口11を設け、この吹込み口よ
り、Ar等の不活性ガスを吹込む技術が知られている。
このとき通常10〜20NL/minの流量でガス吹込
みを行っているが、吹込みによって生じた不活性ガスの
気泡は、溶鋼中に溶解せず、Al2O3系介在物を伴って
鋳片内に残留し、鋳片表面のブローホール及び冷延製品
の表面欠陥の原因となっていた。
み量を減少させようとする鋳造技術があるが、このよう
な技術は、浸漬ノズル内の閉塞を誘発し、連々鋳、高速
鋳造の阻害要因となるとともに、鋳型内溶鋼流15の乱
れを引き起こし、鋳片品質悪化の原因となった。さら
に、吹込みガス流量の減少によりガス浮上に伴う溶鋼撹
拌が減少し、メニスカスへの熱供給が不足するため、モ
ールドパウダ13の溶融が阻害され、ディッケル(不沈
塊)等の発生を引き起こすといった操業上の問題があっ
た。
ノズル閉塞の起こらない最小限界値まで減少させる技術
においても、鋳片表層部の完全なブローホール防止対策
としては不十分である。特公昭59−24902号公報
には、上方ノズルとこれより内径を大きくした下方ノズ
ルの段差面の近傍にガス導入口を配設し、溶鋼流とノズ
ル内壁間の接触を少くして、鋳造中のノズル閉塞を未然
に防止する連続鋳造用ノズルが開示されている。また特
公平2−37947号公報には、上段からのAr吹込み
量を下段からの吹込み量の1.2倍以上とすることによ
りAl2O3による閉塞の問題を解決する技術が示されて
いる。しかし、これらの技術でも、浸漬ノズルの閉塞を
完全に防止することはできず、また、ノズル内へのガス
吹込みを行うことにより鋳片表面及び内部にガス気泡が
残留し、冷延コイルにおいてガス気泡を起因とした不良
を発生させる問題が残る。
からのアルゴンガス吹込みによる浸漬ノズル閉塞防止技
術の他に、溶鋼への溶解速度の大きいガスを単独あるい
は混合ガスとして吹込む技術がある。従来のArガス吹
込みと比較して同等のノズル閉塞防止効果があるもの
の、Arガス吹込みよりも、さらに多くのガス流量を必
要とし、鋼中への溶解・吸収速度が大きいため多連々鋳
へのノズル閉塞防止には問題がある。
解決し、浸漬ノズル内へのアルゴンガスの吹込みを行わ
ず、ノズルの閉塞なしに、高品質なアルミ含有鋼スラブ
を連続的に鋳造する技術を提供することを目的とする。
を解決するために、Cを0.002wt%以下、Siを
0.03wt%以下、Mnを0.20wt%以下含有す
るアルミ含有鋼を連続鋳造するに際し、タンディッシュ
内溶鋼中のSol.Alを0.005wt%以下に制限
し、フリーCが1.0wt%以下のモールドパウダを用
いると共に浸漬ノズル内に不活性ガスを吹込むことなく
鋳造することを特徴とするアルミ含有鋼スラブの連続鋳
造方法を提供する。
て、タンディシュ内の溶鋼中のSol.Alを0.00
5wt%以下に制限することにより、浸漬ノズル内への
不活性ガスの吹込みなしに、つまりArレス鋳造で、ノ
ズル閉塞なく、高品質なアルミ含有鋼の連続鋳造を可能
にした。
シュ内溶鋼のSol.Alとコイル不良率との関係を示
す。図1中、〇はノズルの閉塞がなかったものを示し、
●はノズル閉塞を生じたものである。タンディッシュ内
溶鋼のSol.Alを0.005wt%以下に制限する
ことにより、ノズルに閉塞を起さず連続鋳造が可能とな
った。また、Ar気泡に起因した鋳片表層部のブローホ
ールは、ほぼ完全に解消され、冷延コイルおける不良発
生率も低減した。
l.Alが0.005wt%を越えると、ノズル閉塞に
より図6に示す反転流16が激しくなり、鋳型内溶鋼表
面流速が増加し、モールドパウダ13の溶鋼内への巻き
込みが発生しやすく、モールドパウダを起因としたコイ
ル表面欠陥発生率が増加している。次に、フリーCが
1.0wt%以下のモールドパウダを用いて鋳造するこ
とにより、浸漬ノズル内へのガス吹込みなしに、ノズル
閉塞なく、さらに品質面でも問題のない連続鋳造が可能
となった 図2はモールドパウダ溶融層厚の変化(浸漬
ノズル側、モールド短辺側)を示す。図2中の記号は次
のとおりである。
用、モールド短辺側 ●…フリーCが1.0wt%以下のモールドパウダ使
用、浸漬ノズル側 ◇…フリーCが1.0wt%を越えるモールドパウダ使
用、モールド短辺側 ◆…フリーCが1.0wt%を越えるモールドパウダ使
用、浸漬ノズル側 モールドパウダ中のフリーCが1.0wt%を越える
と、Arレスの状態においてArガスによるメニスカス
への熱供給不足のためにモールドパウダの溶融が遅れ、
モールドパウダ溶融層厚が減少している。これに対しフ
リーCを1.0wt%以下としたモールドパウダにおい
ては、Arレス鋳造においてもArの吹き込みのある状
態と同等の溶融層厚が確保されている。
5mm程度必要である。図3は1300℃におけるモー
ルドパウダ粘性が1.5ポアズのときのフリーCとモー
ルド肉短辺側の溶融層厚との関係を示したものである。
フリーCが1.0wt%以下であるとモールドパウダ溶
融層厚は15mm以上となる。
て低アルミ高酸素鋼を対象材として鋳造実験を実施し
た。タンディッシュ10の底部に設けた上ノズル1にA
rガス吹込み口11を設け、2口浸漬ノズル5を用い
て、モールド12中に溶鋼20を注入した。図6中、1
3はモールドパウダ、14はモールド短辺、15は溶鋼
流、16は反転流である。
厚の測定を随時行い、スライデイングプレート3の開度
変化を確認しながら上ノズル1からのArガス流量を減
少させた。実験条件は次の通りである。 鋼種:低アルミ鋼 成分: C<0.002wt% Si<0.03wt% Mn<0.20wt% P<0.015wt% S<0.008wt% Al(sol)<0.005wt% O;0.060wt% Ar:0 NL/min 鋳造条件: 鋳造速度:1.7m/min タンディッシュ溶鋼温度:1560℃ 鋳型サイズ:260mm×1200mm その結果、浸漬ノズル内に不活性ガスを吹き込まずにノ
ズル閉塞なく連続的にスラブを鋳造することができた。
0wt%以下とする条件下で、タンディシュ内溶鋼中の
Sol.Alを0.005wt%以下に制限することに
より、低アルミ高酸素鋼の連続鋳造が可能となった。す
なわち、 モールドパウダ: C:1.0wt% 粘性:1300℃にて、1.5ポアズ のとき、ノズル閉塞もなく、かつモールドパウダ溶融層
厚も15mmを確保することができ、高品質スラブを鋳
造することができた。
み量(NL/min)と鋳片表層部のブローホール個数
(個/m2)(鋳片表層部を1.5〜2.0mm程度ス
カーフィングして調査した)との関係を示した。また、
図5にμX線透過法によるアルゴンガス吹込み量(NL
/min)と鋳片内部欠陥スポット数(個/m2)との
関係を示した。いずれの場合にもArガス流量の減少に
伴い、鋳片表層部及び内部の品質向上が明らかである。
rレス鋳造が可能となり、この結果、表層部及び内部欠
陥の極めて少ない高品質スラブを連続的に鋳造する技術
が確立された。
ガスの吹込みなしに、ノズル閉塞なく、表層部及び内部
ともに高品質なアルミ含有鋼の鋳片を連続的に鋳造する
ことが可能となった。また、鋳片の高品質化により、鋳
片の無手入れ化及び冷延コイルでの不良率の低下といっ
た効果も得られる。
コイル不良発生率との関係を示すグラフである。
る。
との関係を示すグラフである。
である。
吹込みの構造を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 Cを0.002wt%以下、Siを0.
03wt%以下、Mnを0.20wt%以下含有するア
ルミ含有鋼を連続鋳造するに際し、タンディッシュ内の
溶鋼中のSol.Alを0.005wt%以下に制限
し、フリーCが1.0wt%以下のモールドパウダを用
いると共に浸漬ノズル内に不活性ガスを吹き込むことな
く鋳造することを特徴とするアルミ含有鋼スラブの連続
鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01635493A JP3312048B2 (ja) | 1993-02-03 | 1993-02-03 | アルミ含有鋼スラブの連続鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01635493A JP3312048B2 (ja) | 1993-02-03 | 1993-02-03 | アルミ含有鋼スラブの連続鋳造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06226403A JPH06226403A (ja) | 1994-08-16 |
JP3312048B2 true JP3312048B2 (ja) | 2002-08-05 |
Family
ID=11914021
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01635493A Expired - Fee Related JP3312048B2 (ja) | 1993-02-03 | 1993-02-03 | アルミ含有鋼スラブの連続鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3312048B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3525891B2 (ja) * | 1999-12-14 | 2004-05-10 | Jfeスチール株式会社 | 小断面高Cr鋼の連続鋳造方法 |
US11949106B2 (en) | 2018-12-27 | 2024-04-02 | Zeon Corporation | Binder composition for secondary battery electrode, conductive material paste composition for secondary battery electrode, slurry composition for secondary battery electrode, electrode for secondary battery, and secondary battery |
-
1993
- 1993-02-03 JP JP01635493A patent/JP3312048B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH06226403A (ja) | 1994-08-16 |
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