JP3311261B2 - 超砥粒レジノイドボンドホイール - Google Patents
超砥粒レジノイドボンドホイールInfo
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Description
ンドホイール、より詳しくは、超硬合金製の台金を有す
る超砥粒レジノイドボンドホイールに関する。
樹脂系の接着剤で成形した砥粒層を有するレジノイドボ
ンドホイールは、金属粉を結合剤としたメタルボンドホ
イール、ガラス質の結合剤を使用したビトリファイドボ
ンドホイールと共に、ホイールを代表するものの一つで
ある。この中でレジノイドボンドホイールは、特に、当
たりが軟らかく、切れ味に優れることから、超硬合金、
サーメット工具、セラミックス工具などの研削加工に使
用されている。
に、樹脂系(フェノール系又はエポキシ系)接着剤を塗
布した台金を金型内に挿入し、混合撹拌された砥粒及び
レジンボンド粉体を砥粒層となる部分に充填する。その
後、約200℃前後まで加熱しながら加圧し、これによ
って、砥粒層の形成と砥粒層の台金表面への接合が同時
に達成される。また、レジノイドボンドホイールの台金
としては、一般に、剛性に優れた鉄系のものや、軽量性
に優れたアルミ系のものが使用されている。
砥粒層や台金も薄型化・小型化の傾向にあり、このた
め、特公昭63−33989号公報、実公平2−342
8号公報などに開示されているように、電着ホイールに
おいて超硬合金(cemented carbide)
製の台金が一部用いられるようになった。
ンなどの非常に硬い化合物の粉末と、コバルトなどの金
属粉末を結合剤として高圧で圧縮し、高温に加熱して、
焼結・成形させたもので、高硬度、高剛性、高耐磨耗性
が最大の特徴である。したがって、超砥粒ホイールの台
金に超硬合金を採用した場合、従来の材質では所定の剛
性が得られないような薄い台金や細長い形状の台金の場
合にも、変形が生じにくく磨耗も少ないため、高剛性、
高耐磨耗性台金、すなわち高精度、高能率加工に対応で
きる超砥粒ホイールを得ることができる。
超硬合金製の台金とレジノイドボンド砥粒層の接合に適
した接着剤がなく、台金は充分な剛性がありながらも、
使用中に砥粒層が剥離したりあるいは破損したりするな
どの問題が発生している。
ローを使用することが考えられるが、メタルボンドの場
合には特に問題がないものの、接合温度が600℃以上
となりレジンボンドの耐熱温度を越えるため、レジノイ
ドボンドホイールには銀ローによる接合法は採用できな
い。
公平2−3428号公報では、超硬合金表面にチッ化チ
タンをコーティングしたり、金属を溶着させたりするこ
とが提案されているが、これらはいずれも電着ホイール
に関するものであり、しかもこれらの処理はいずれも数
百℃以上の温度が必要であり、台金の形状によっては台
金に歪み、変形を生じるため、再加工仕上げが必要とな
る。
は、超硬合金製台金とレジノイドボンド砥粒層との接合
力を高め、超硬合金製台金のレジノイドボンドホイール
への適用を可能にすることにある。
の接着剤の濡れ性が悪く接合力が小さい原因について詳
細に検討した結果、以下の知見を得た。
化物が95〜89重量%、Coなどの金属成分が5〜1
1重量%である。ところが従来の樹脂系接着剤は、WC
やTiCなどの炭化物への接合はほとんど期待できず、
接合が期待できるのはCoなどの金属成分に対してのみ
である。しかし、超硬合金表面のCo成分の面積は20
%程度以下であるので、これが台金と砥粒層の接合力を
低下させる原因になっていると思われる。
究の結果、超硬合金製の台金表面に樹脂接着剤との接合
が期待できる金属成分からなる中間層を設けることによ
り、これらの問題が解決できることを見いだした。
ドボンド砥粒層を固着形成した超砥粒レジノイドボンド
ホイールにおいて、前記台金を金属炭化物と金属結合材
とを焼結して成形した超硬合金製とし、かつ前記台金と
レジノイドボンド砥粒層の間に1〜100μmの金属層
を介在させていることを特徴とする。
接合させる接着剤は、金属層全表面に対して濡れ性を持
ち、結果として100%の接合が期待できることとな
る。また、金属層と超硬合金製台金との接合力は、超硬
成分中の金属上を拠点として析出し成長することにより
超硬合金製台金の全表面に広がりをもって形成される金
属メッキ層によって確保することができる。
u、Cr、Zn、Feまたはれらの合金からなるメッキ
層とすることができ、たとえばNi電気メッキにより形
成することができる。この場合、メッキ処理温度は30
〜60℃と低温であるため、たとえ超硬合金製台金の形
状が薄肉円盤や細長い軸状のものでも、熱歪みがほとん
ど生ぜず、処理後の再仕上げは不要である。その他、無
電解メッキの場合においても、メッキ処理温度はせいぜ
い40〜100℃程度であり、同様に低温であるから熱
歪みの問題を生じない。
は、メッキ処理前に超硬合金表面に適正なエッチングを
施すことにより、レジンボンド層と金属メッキ層間に必
要とされる接合力以上の接合力が得られる。エッチング
方法としては、超硬合金には一般的に100〜200g
/lピロリン酸ナトリウム溶液を使用し、20〜60℃
で実施することが有効である。
上させるために、金属層表面に粗面加工を施すことが望
ましい。粗面加工を施すことによって接合面積が増加
し、またアンカー効果が期待できる。粗面加工の方法と
しては、ショットブラスト、遊離砥粒によるラッピン
グ、エッチングを用いることができる。粗面加工後の表
面粗度は、Rmax =0.1〜10μmの範囲が望まし
い。Rmax が0.1μm未満では、接合面積の増加、ア
ンカー効果が少なく、一方Rmax が10μmを越えると
金属層自体の強度低下を誘発する可能性があり好ましく
ない。
超砥粒レジノイドボンドホイール(以下、超砥粒ホイー
ルという)による加工状況を示す斜視図、図2の(a)
は図1に示す超砥粒ホイールの断面構造を示す模式図で
あり、同図の(b)は従来の超砥粒ホイールの断面構造
を示す模式図である。
製台金(以下、台金という)3の外周に砥粒層1が固着
されたもので、台金材料として、WCとCoの合金から
なる超硬合金を使用している。
すように、砥粒層1が接着剤層2を介して超硬合金製台
金3に接合されたものである。これに対し本実施形態の
超砥粒ホイールは同図の(a)に示すように、接着剤層
2と台金3との間に金属層4が形成されており、砥粒層
1は接着剤層2と金属層4を介して台金3に接合されて
いる。砥粒層1は、超砥粒11をレジンボンド12で結
合したものであり、接着剤層2は樹脂系の接着剤からな
り、台金3はWC(炭化物)31とCo(金属)32と
からなるものである。
層1を台金3に接合するにあたり、まず台金3の砥粒層
接合面に電気メッキ法により厚さ約10μmのNiメッ
キ層(金属層)4を形成する。このNiメッキ層4と台
金3との接合は、台金3の表面のCo(金属)32部分
を核として網目状の金属結合をなし、これにより両者が
強固に接合される。
ブラスト法により、表面粗度Rmax がNiメッキ層4の
厚さの1/10程度となるように粗面加工を施す。これ
によってNiメッキ層4と砥粒層1のより強固な接合が
得られることになる。
従来と同様な方法により樹脂系の接着剤を用いて砥粒層
1を接合する。樹脂系の接着剤とメッキにより形成され
たNiメッキ層4との接合力は、樹脂系の接着剤と超硬
合金との接合力よりも大きいので、本実施形態の超砥粒
ホイールは従来の超砥粒ホイールに比して高い接合強度
を有することになる。
を有する超砥粒ホイールと、Niメッキ層の表面に粗面
加工を施した超砥粒ホイール、および、比較品として中
間金属層を有しない超硬合金製台金の超砥粒ホイールに
ついて、砥粒層と台金の接合強度を調査した結果を図3
に示す。
ホイールの接合強度は1.3Kg/mm2 程度で実用的
な接合強度に達せず、Niメッキ層を有する超砥粒ホイ
ールの接合強度は約4.5Kg/mm2 、Niメッキ層
の表面に粗面加工を施した超砥粒ホイールの接合強度は
約5.8Kg/mm2 で、実用的に十分な接合強度を有
している。
に研削試験を行った結果を示す。試験条件は以下の通り
である。 機械 :横軸平研 ホイール:100D×0.6T×3X×0.5E 被削材 :アルミナ 方式 :湿式切断研削 条件 :周速 1600m/min 送り 30mm/min,50mm/min 切り込み 5mm
ールは砥粒層の剥離もなく良好な研削結果が得られた
が、比較品の超砥粒ホイールは30mm/min送りで
砥粒層の一部剥離が見られ、50mm/min送りでは
砥粒層が全面剥離して事実上使用不可であった。
超硬合金製台金にNiメッキした例について述べたが、
WC−TiC−Co系、WC−TiC−TaC−Co系
の超硬合金製台金の場合、およびNi合金、Cu、C
r、Zn、Feまたはこれらの合金をメッキした場合に
ついても同様の効果が確認された。
外周に砥粒層を固着した超砥粒ホイールについて述べた
が、本発明はこれに限定されず、例えば、図4に示すよ
うに、棒状の台金5の先端に砥粒層6を固着した内面研
削用の超砥粒ホイールについても無論適用可能である。
ができる。
砥粒層間に金属中間層を設けることにより、レジノイド
ボンド砥粒層を接合させる接着剤は、金属層表面に対し
て濡れ性を持ち、また、金属層と超硬合金製台金との接
合力は、超硬合金製台金の全表面に広がりをもって形成
される金属メッキ層によって確保することができ、結果
としてレジノイドボンド砥粒層が台金に強固に接合され
る。
く、かつ超硬合金製台金の適用が形状的に制限のあった
薄板状または細長い台金形状を有するレジノイドボンド
超砥粒ホイールも製造可能となり、高能率、高精度加工
への対応が可能となる。
することができ、台金の熱変形がなく簡便かつ低コスト
で実用的な対応が可能となる。
とによって、接着面積を増加させかつ活性化させること
により、さらに接合強度を向上させることが可能とあ
る。
ボンドホイールによる加工状況を示す斜視図である。
造を示す模式図であり、(b)は従来の超砥粒ホイール
の断面構造を示す模式図である。
る。
イドボンドホイールによる加工状況を示す斜視図であ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 台金の表面にレジノイドボンド砥粒層を
固着形成した超砥粒レジノイドボンドホイールにおい
て、前記台金を金属炭化物と金属結合材とを焼結して成
形した超硬合金製とし、かつ前記台金とレジノイドボン
ド砥粒層の間にNiまたはCuもしくはこれらの合金か
らなる1〜100μmの金属層を介在させ、前記金属層
の表面に表面粗度Rmax が0.1〜10μmの粗面加工
を施していることを特徴とする超砥粒レジノイドボンド
ホイール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34639196A JP3311261B2 (ja) | 1996-12-25 | 1996-12-25 | 超砥粒レジノイドボンドホイール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34639196A JP3311261B2 (ja) | 1996-12-25 | 1996-12-25 | 超砥粒レジノイドボンドホイール |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10180635A JPH10180635A (ja) | 1998-07-07 |
JP3311261B2 true JP3311261B2 (ja) | 2002-08-05 |
Family
ID=18383112
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34639196A Expired - Lifetime JP3311261B2 (ja) | 1996-12-25 | 1996-12-25 | 超砥粒レジノイドボンドホイール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3311261B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
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JP2001170869A (ja) * | 1999-12-14 | 2001-06-26 | Imamura Seiko:Kk | 研削砥石用台金および刃物 |
JP2010150839A (ja) * | 2008-12-25 | 2010-07-08 | Morimatsu Research Institution Co Ltd | コンクリート製の貯水槽の補強構造 |
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-
1996
- 1996-12-25 JP JP34639196A patent/JP3311261B2/ja not_active Expired - Lifetime
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