JP3311217B2 - 果菜自動選別装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は薩摩芋等の果菜をサ
イズ別、形状別等の規格（等級）に自動的に選別する果
菜自動選別装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】果菜の自動選別装置は従来よりあり、例
えば胡瓜やトマト等の果菜については夫々に自動選別装
置が開発されている。しかしながら、薩摩芋用の自動選
別装置はなかった。従って、従来は人が一つ一つ手作業
で薩摩芋の選別を行なっていた。また選別の前に薩摩芋
の泥を洗い落とす洗浄も手作業で行なっていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】手作業の選別は手間が
かかり、従事する人の労力負担が大きく、選別にばらつ
きがあり、スピードが遅いといった課題があった。また
選別前の洗浄も大変な労力負担であった。

【０００４】本発明の目的は、薩摩芋等の果菜の自動選
別に適した果菜自動選別装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１の果菜
自動選別装置は図１、５に示すように、果菜洗浄装置１
２と、果菜洗浄装置１２で洗浄された果菜３を搬送する
果菜搬送体１３と、多数の果菜受け具４を取り付けた無
端帯状の受け具搬送体５と、果菜搬送体１３により搬送
されてくる果菜３を個別に前記果菜受け具４に載せ換え
る載換え体１４と、受け具搬送体５により搬送される果
菜受け具４上の果菜３の等級、サイズ等を識別する果菜
センサ６と、果菜センサ６の識別結果に基づいて作動し
て、受け具搬送体５により搬送中の果菜受け具４を個別
に傾けて、果菜受け具４の上の果菜３を果菜受け具４の
側方の果菜引継ぎ体８に排出させる傾斜駆動体７とを備
え、前記果菜受け具４は基材１に多数の回転ローラ２が
配列され且つ回転ローラ２の配列方向を受け具搬送体５
の搬送方向と交差する向にして受け具搬送体５に取り付
けられ、前記果菜引継ぎ体８は果菜受け具４から排出さ
れた果菜３を搬送可能であり且つ搬送方向先方側が横方
向に首振り可能としたものである。

【０００６】本発明の請求項２の果菜自動選別装置は前
記果菜自動選別装置において、果菜引継ぎ体８の先に、
それから送り出される果菜を等級別にストック可能なス
トックヤード５５を配置し、ストックヤード５５は引継
ぎ体８から送り出される果菜を等級別に二列以上に分け
て配列可能なるように幅広く形成されたものである。

【０００７】本発明の請求項３の果菜自動選別装置は前
記果菜自動選別装置において、果菜搬送体１３の途中
に、それにより搬送される果菜３を乾燥する乾燥装置１
５を設けたものである。

【０００８】本発明の請求項４の果菜自動選別装置は前
記果菜自動選別装置において、果菜洗浄装置１２の水槽
２０の横に、果菜３の投入部から引上げ部にかけて水路
２１が形成されて、水槽２０内の投入部から引上げ部へ
と流された混合物１１が水路 ２１を通って投入部に戻っ
て循環するようにしたものである。

【０００９】本発明の請求項５の果菜自動選別装置は前
記果菜自動選別装置において、果菜洗浄装置１２の水槽
２０の横にコンテナ回動装置３４が設けられ、コンテナ
回動装置３４はコンテナ３５を水槽２０方向に回動して
コンテナ３５内の果菜３を水槽２０内に投入し、投入後
にコンテナ３５を逆方向に回動して戻すことが可能なも
のである。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明の果菜自動選別装置の実施
形態例を図１〜４に基づいて説明する。この自動選別装
置は、収穫した果菜の洗浄から選別までの工程を連続し
て行なえるようにしたものである。図４は果菜自動選別
装置の全体を表した概略の平面図であり、図３は洗浄部
の詳細を表した斜視図、図２は図３の洗浄部に続く乾燥
部の詳細を表した斜視図、図１は図２の乾燥部に続く選
別部の詳細を表した斜視図である。図３は果菜３が薩摩
芋の場合である。

【００１１】（図３の洗浄部の説明） 図３に示す２０は水槽である。同水槽２０は全長約７５
０ｃｍ、幅約９０ｃｍ、深さ約１５０ｃｍの直方体状に
作製されている。この水槽２０の長手方向における手前
側部分は洗浄する果菜（薩摩芋）３の投入部となってお
り、先方端側部分は洗浄された薩摩芋３の引上げ部とな
っている。この水槽２０には液体（この場合は水）９と
後に詳しく説明する軟質小体１０とからなる混合物１１
が入れられており、投入部に投入された薩摩芋３はこの
混合物１１により洗浄されて引上げ部から取り出される
ようになっている。

【００１２】前記水槽２０の横には薩摩芋３の投入部か
ら引上げ部にかけて水路２１が形成されており、水槽２
０内の投入部から引上げ部へと流された混合物１１が水
路２１を通って再び投入部に戻るようにしてある。即ち
水槽２０内の混合物１１が循環されるようにしてある。
また水槽２０の側面下部には排水口２２を形成してあ
り、同排水口２２からは洗浄により水槽２０の底に沈殿
した泥やゴミ等を排出できるようにしてある。

【００１３】この水槽２０には図示されていないがヒー
ターも設けられており、水槽２０内の混合物１１の温度
を所望の温度に設定し保持することができるようにして
ある。これにより冬場のものが乾きにくい時でも洗浄さ
れた薩摩芋３が乾燥しやすくなる。

【００１４】図３に示す２３は水流発生機（スクリュ
ー）である。このスクリュー２３は水槽２０内の投入部
側の混合物１１を引上げ部側に押し流し、混合物１１を
水槽２０、水路２１内において循環するようにしてあ
る。

【００１５】図３に示す２４は水中搬送体である。この
水中搬送体２４は水槽２０の投入部から引上げ部に向け
て配置された上下２段のローラ２５群と、上下２段のロ
ーラ２５群の間に配置される２枚の対向するガイド板２
６とから構成されており、水槽２０の混合物１１中に水
没するように設けられている。上下のローラ２５群はそ
の間隔が投入部側から引上げ部側向かって徐々に狭くな
るようにしてあり、また左右２枚のガイド板２６はその
間隔が投入部から引上げ部に向けて徐々に狭くなるよう
にしてあり、下段のローラ２５の回転で搬送される薩摩
芋３が徐々に水中搬送体２４内で１列に並ばれて整列さ
れるようにしてある。なお、個々のローラ２５は、薩摩
芋３を傷付けず薩摩芋３の表面を洗浄できるように突起
などを設けてもよいが、この場合、突起に軟質小体１０
が絡み付いたりしないようにする。

【００１６】図３に示す２７は混合物１１中に水と空気
を混合して噴射する噴射装置である。この噴射装置２７
は水槽２０の底近くに張られたネット２８の下側に設け
られており、噴射装置２７から吹き上げられる泡及び水
流で水槽２０内の薩摩芋３が混合物１１と一緒に攪拌さ
れてより効率良く洗浄されるようにしてある。なお、前
記ネット２８は、薩摩芋３及び軟質小体１０と、泥及び
ゴミ等とを分離するためのものであり、泥やゴミ等だけ
がネット２８を通過して水槽２０の底にたまるようにし
たものである。

【００１７】図３に示す２９も混合物１１中に水と空気
を混合させて噴射する噴射装置である。この噴射装置２
９は水中搬送体２４のガイド板２６の側面に設けられて
おり、ガイド板２６の内側に向けて且つ果菜引上げ部側
に向けて噴射されるようにしてある。そして水中搬送体
２４内で薩摩芋３が混合物１１と一緒に攪拌されて洗浄
されながら先方側に送り出されるようにしてある。また
図示されていないが水中搬送体２４の下側にも同様の噴
射装置を設けてある。

【００１８】図３に示す３０は引上げ機である。これは
回転駆動されるゴムベルト３１と、同ベルト３１に取り
付けられた爪３２とからなる装置であり、爪３２の上に
薩摩芋３が横向きにのると同薩摩芋３が爪３２に支持さ
れて引き上げられ、横向き以外の薩摩芋３は支持されず
に引き上げられないようになっている。この引上げ機３
０の両脇には金網３３が配置されており、薩摩芋３はこ
の金網３３にガイドされながら向きが横に修正され、大
半はゴムベルト３１に対し横向きにされて爪３２に支持
されて引き上げられるようになっている。なお、水路２
１側の金網３３は目が荒くなっており金網３３から軟質
小体１０が通過できるようになっている。

【００１９】前記果菜の引上げ機３０の上にはシャワー
（図示されていない）を配置し、同引上げ機３０で引き
上げられる薩摩芋３に付着している軟質小体１０をシャ
ワーで洗い落とせるようにしてある。

【００２０】前記軟質小体１０は図６（ａ）に示すよう
にシリコンゴムなどの軟質素材で直径約１０ｍｍの球状
に作製されている。この軟質小体１０は、適度な粘着性
或いは摩擦抵抗を有し、薩摩芋３の表面にこすり付ける
などして表面に付着している汚れを落とすことができる
ようになっている。この軟質小体１０は適度な柔軟性を
有し、薩摩芋３の表面に強く押しつけても同表面を凹ま
せたり傷付けたりしないようになっている。また長期間
水中で使用されても変質しないようにもなっている。

【００２１】前記軟質小体１０は図６（ａ）に示した形
状、及び大きさに限定されるものではない。例えば、そ
の形については図６（ｂ）、（ｃ）に示すような形状で
もよい。このような形にすれば尖った部分が果菜３の凹
みに嵌まって凹みの奥まで洗浄することができ、形状の
複雑な果菜３の洗浄に適している。また大きさや形状の
異なる軟質小体１０を２種類以上混合して使用しても良
いし、素材のことなる軟質小体１０を２種類以上混合し
ても良い。

【００２２】図３に示す３４はコンテナ回動装置であ
る。この回動装置３４は、薩摩芋３のコンテナ３５がセ
ットされると同コンテナ３５を図中の矢印方向に回動し
て横倒しして収容された薩摩芋３を水槽２０の投入部に
投入する。薩摩芋３が水槽２０内に投入されると逆方向
に回動してコンテナ３５を縦に向ける。このコンテナ回
動装置３４には、同装置３４に薩摩芋３が収容されたコ
ンテナ３５を送り込む搬送路と、空になったコンテナ３
５を装置３４から排出する搬送路とが接続されており、
水槽２０に薩摩芋３が自動的に供給され投入されるよう
になっている。

【００２３】この洗浄部では、薩摩芋３の入ったコンテ
ナ３５が図示されていない搬送体によって集荷場からコ
ンテナ回動装置３４へと移動され、同回動装置３４上に
セットされると、セットされたコンテナ３５が水槽２０
側へと回転されてその中の薩摩芋３が水槽２０内へと投
入される。空になったコンテナ３５は回動装置３４によ
り逆向きに回転されて正立し、回動装置３４から外され
ると図示されていない搬送体により空コンテナ置き場へ
と送り出される。

【００２４】水槽２０内に投入された薩摩芋３は水流発
生機２３による水流で水中搬送体２４側に押し流されな
がら混合物１１により洗浄される。この間の洗浄は噴射
装置２７による水流及び泡によっても促進される。そし
て水中搬送体２４内に送り込まれた薩摩芋３は上下のロ
ーラ２５群の間を通りながら水槽２０の果菜引上げ部側
へと送り出され、この間、ローラ２５による回転と、噴
射装置２９による水流及び泡で薩摩芋３がもまれて混合
物１１により洗浄され、またこの間ローラ２５群により
徐々に一列に整列され、横向きに方向が揃えられて水中
搬送体２４から排出される。

【００２５】水中搬送体２４から排出された薩摩芋３は
金網３３によりガイドされて引上げ機３０へと送り出さ
れ、同引上げ機３０で水槽２０から引き上げられて果菜
搬送体１３に載せ換えられ搬送される。引上げ機３０は
横向きになった薩摩芋３のみを爪３２で支持して引き上
げるため、果菜搬送体１３に搬送される薩摩芋３は全て
横向きに整列され、また間隔も爪３２の間隔に揃えられ
る。但し、引上げ機３０の爪３２の全てに薩摩芋３が載
るとは限らないので（横向きにならなかった薩摩芋３は
爪３２により支持されず水槽２０内に残る）、途中が間
引きされた状態で間隔が揃えられる。そして薩摩芋３は
次の乾燥部へと搬送される。

【００２６】（図２の乾燥部の説明） 図２における１３は図３の果菜洗浄装置１２で洗浄され
た薩摩芋３を搬送するベルトコンベアである。この果菜
搬送体１３は、横に間隔を開けて並べた多数本の幅細ベ
ルト４３で構成されている。各幅細ベルト４３はその表
面に一定の間隔で突条４４が設けられている。この場
合、突条４４の間隔は図３の果菜洗浄装置１２における
引上げ機３０の爪３２の間隔と同じであり、また幅細ベ
ルト４３の搬送速度は前記引上げ機３０の搬送速度と同
じであるため、果菜洗浄装置１２の引上げ機３０で引き
上げられた薩摩芋３が１個づつ幅細ベルト４３の突条４
４間に配置されて搬送体１３上を搬送される。

【００２７】図２における４５はシャワーである。この
シャワー４５は果菜搬送体１３の上方に架設されてお
り、果菜搬送体１３の長手方向に沿って複数設けられて
いる（図では２個設けられている）。また図示されてい
ないが果菜搬送体１３の下側にもシャワー４５が設けら
れており、果菜搬送体１３の長手方向に沿って複数設け
られている。これらのシャワー４５からは夫々温水が噴
射され、上側のシャワー４５の温水はそのまま果菜搬送
体１３上の薩摩芋３に吹きかけられ、下側のシャワー４
５の温水は果菜搬送体１３の隙間を抜けて薩摩芋３の下
側に吹きかけられるようにしてある。このシャワー４５
により薩摩芋３の表面に付着している軟質小体１０や他
の汚れが洗浄されて落とされるようにしてある。

【００２８】図２における４６はエアカーテン発生器で
ある。このエアカーテン発生器４６は果菜搬送体１３の
上方に架設されており、果菜搬送体１３の幅方向に広
く、長手方向には細いエア吹き出し口からカーテン状の
エアを吹き出す。このエアは強力なものであり、果菜搬
送体１３上に搬送される薩摩芋３に付着している水滴を
吹き飛ばすことができる。

【００２９】なお、前記果菜搬送体１３の下側には水滴
や軟質小体１０を受けて集めるための受け具４８があ
り、集めた水滴や軟質小体１０をパイプ４２を通じて図
４の果菜洗浄装置１２に送り返すことができるようにし
てある。

【００３０】図２における１５は果菜搬送体１３上の薩
摩芋３を乾燥するための乾燥装置である。この乾燥装置
１５は薩摩芋３の鮮度を落とさない程度の温度の温風を
薩摩芋３に吹き付けて薩摩芋３を乾燥するものであり、
風の温度を余り高くできないため薩摩芋３に長い時間温
風を当てて乾燥できるようにしてある。この例では乾燥
装置１５の全長を８ｍと長くし、果菜搬送体１３で搬送
される薩摩芋３が長い時間をかけて乾燥装置１５内を通
過するようにしてある。なお、乾燥装置１５内を薩摩芋
３が蛇行しながら搬送されるようにすれば薩摩芋３の搬
送距離が長くなり、通過時間を稼ぐことができる。この
乾燥装置１５においては、果菜搬送体１３を取り囲むよ
うにして設けた乾燥室の内側にヒーター付きファン４９
を複数設けてなり、同ファン４９で発生される温風で薩
摩芋３の乾燥を行なう。

【００３１】この乾燥部では、果菜搬送体１３に載せて
搬送される薩摩芋３が温水のシャワー４５により洗浄さ
れ、表面に付着しているゴミや軟質小体１０が洗い落と
され、続くエアーカーテン発生器４６のエアーカーテン
で表面についた水が吹き飛ばされる。そしてきれいなっ
た薩摩芋３が乾燥装置１５内で温風乾燥されて次の選別
部へと搬送される。

【００３２】（図１の選別部の説明） 図１における４は薩摩芋３を載せる果菜受け具である。
この果菜受け具４は図５に示すものであり、縦４０ｃ
ｍ、横１５ｃｍの長方形状に形成された基材１の表面に
縦方向に沿って多数の回転ローラ２を取り付けたもので
ある。この果菜受け具４の基材１は、縦方向の２辺と、
横方向の１辺に夫々上向きの鍔５０が形成されており、
薩摩芋３が鍔５０の無い部分以外から外へ排出されない
ようにしてある。

【００３３】前記果菜受け具４の回転ローラ２は、幅方
向中央部分が幅方向端部側より小径に作成されており、
回転ローラ２の上に載せた薩摩芋３がひとりでにローラ
の中央部へと移動されるようにしてある。即ち、薩摩芋
３が果菜受け具４の中央部に自動的に配置されるように
してある。前記回転ローラ２は回転自在であり、基材１
を鍔無し側を下にして傾けると、果菜受け具４上の薩摩
芋３が鍔無しの部分から果菜受け具４の外へと排出され
る。

【００３４】図１における５は前記の果菜受け具４を多
数連結して搬送する受け具搬送体である。この受け具搬
送体５は約１９ｍの長さを有し、連結した多数の果菜受
け具４を一定の速度で搬送し、循環する。この搬送体５
の搬送速度は図２、３における果菜搬送体１３の搬送速
度と同じにしてある。

【００３５】図１における６は薩摩芋３の等級、サイ
ズ、形等を識別するためのセンサである。この例では薩
摩芋３をＣＣＤカメラで撮影し、その映像を画像処理装
置にかけて処理し、搬送中の薩摩芋３の等級を識別す
る。このセンサ６は、等級情報に基づいて対応する等級
の傾斜駆動体７を駆動し、果菜受け具４の果菜を対応す
る等級の果菜引継ぎ体８に送り出す。

【００３６】図１における７は傾斜駆動体である。この
傾斜駆動体７は、受け具搬送体５により搬送される果菜
受け具４の下側に設けられており、同搬送体５の長手方
向に沿って所定の間隔を空けて複数個設けられている。
各傾斜駆動体７は果菜センサ６からの信号で駆動される
ようになっており、駆動されると上に向けてピンのよう
なものを突き出して移動中の果菜受け具４を横に傾け
る。個々の傾斜駆動体７は果菜センサ６によって判別さ
れる等級と対応しており、対応する等級の薩摩芋３が載
っている果菜受け具４が傾斜駆動体７の上を通過する
と、その果菜受け具４を傾けて薩摩芋３を果菜引継ぎ体
８に排出する。

【００３７】図１における８は果菜引継ぎ体である。こ
の果菜引継ぎ体８はベルトコンベアであり、果菜受け具
４から排出される薩摩芋３を受け取って搬送する。この
引継ぎ体８の搬送方向先方側は図中の矢印ｃ−ｄ方向に
首振りするようになっている。この果菜引継ぎ体８の先
方には同引継ぎ体８よりも幅広のストックヤード５５が
設けられており、果菜引継ぎ体８から送り出される薩摩
芋３がストックヤード５５の左、中央、右に振り分けら
れて載せられるようになっている。この果菜引継ぎ体８
は受け具搬送体５の搬送方向の傾斜駆動体７に対応する
箇所に夫々設けられている。従って、各ストックヤード
５５には選別された薩摩芋３が供給され、ストックされ
る。ストックされた薩摩芋３は作業員により手作業で取
り出され、箱詰め或いは袋詰めされるようになってい
る。なお、各ストックヤード５５の後方には空の段ボー
ルを供給し、且つ薩摩芋３が詰められた箱を出荷場に運
び出すベルトコンベア５６を設けてある。

【００３８】図１における１３は果菜搬送体である。こ
の果菜搬送体１３は、前記受け具搬送体５と同じ速度で
移動する搬送体であり、前記図３の乾燥装置１５におけ
る果菜搬送体１３につながるものである。従って、この
果菜搬送体１３には洗浄され、乾燥された薩摩芋３が一
定間隔で並べられて搬送される。

【００３９】図１に果菜載換え体１４がある。この果菜
載換え体１４は人間の指に相当する関節式の挟着具５１
を４本一組としてこれらを多数組備えている。前記各組
の挟着具５１は前記果菜搬送体１３や受け具搬送体５の
速度と同じ速度で移動するようになっており、果菜搬送
体１３に搬送される薩摩芋３を４本の挟着具５１により
掴んで搬送体１３から取り上げ、取り上げた薩摩芋３を
受け具搬送体５の果菜受け具４のところで離し、薩摩芋
３を１個づつ果菜受け具４に載せ換える。

【００４０】この選別部では、果菜搬送体１３に搬送さ
れる薩摩芋３が果菜載換え体１４により、受け具搬送体
５の果菜受け具４に１個づつ載せ換えられ、搬送され
る。果菜受け具４に載せて搬送される薩摩芋３は、搬送
中に果菜センサ６によりその等級が判別される。続いて
果菜受け具４上の薩摩芋３は自身の等級と対応する傾斜
駆動体７のところで果菜受け具４が傾けられて果菜引継
ぎ体８へ送り出され、各ストックヤード５５に等級分け
されてストックされていく。等級ごとにストックされた
薩摩芋３は作業員の手で段ボール箱に箱詰めされ、出荷
される。

【００４１】以上説明した実施形態例は果菜が薩摩芋の
場合であるが、本発明の果菜自動選別装置は他の果菜、
例えば、薩摩芋と比較的形状が似た人参等についても応
用することができる。

【００４２】

【発明の効果】本発明のうち請求項１〜５記載の果菜自
動選別装置は次のような効果がある。１． 果菜を正確に且つスピーディに自動的に選別するこ
とができる。２． 果菜をきれいに洗浄及び選別が可能である。３． 収穫した果菜の洗浄から乾燥、自動選別までを一貫
して行なうことができるので、農業従事者の労働負担が
大幅に低減する。４． 洗浄された果菜が果菜載換え体により自動的に果菜
受け具に載せ換えられるので手作業で載せ換える必要が
なく、労力負担がより一層軽減されるという効果もあ
る。５． 洗浄された果菜が乾燥されるので搬送装置及びその
周囲が濡れにくくなり、作業環境が良くなり、搬送後の
次作業がし易くなるという効果もある。６． 果菜がストックヤードに振り分けられて並べられる
ため、ストックヤードでの果菜の取り出しが多少遅れて
も、ストックヤードから溢れてこぼれ落ちるようなこと
がなく、傷も付きにくいという効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の果菜自動選別装置の実施形態の一例で
あり、選別部の斜視図。

【図２】本発明の果菜自動選別装置の実施形態の一例で
あり、乾燥部の斜視図。

【図３】本発明の果菜自動選別装置の実施形態の一例で
あり、洗浄部の斜視図。

【図４】本発明の果菜自動選別装置の実施形態の一例で
あり、全体の平面図。

【図５】図１の選別部において使用される受け具の斜視
図。

【図６】（ａ）〜（ｃ）は本発明の果菜自動選別装置に
使用する軟質小体の実施形態の異なる例を示した概略
図。

【符号の説明】

１ 基材 ２ 回転ローラ ３ 果菜 ４ 果菜受け具 ５ 受け具搬送体 ６ 果菜センサ ７ 傾斜駆動体 ８ 果菜引継ぎ体 ９ 液体 １０ 軟質小体 １１ 混合物 １２ 果菜洗浄装置 １３ 果菜搬送体 １４ 果菜載換え体 １５ 乾燥装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B07C 5/00 - 5/38 B65G 47/46

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】果菜洗浄装置（１２）と、果菜洗浄装置
   （１２）で洗浄された果菜（３）を搬送する果菜搬送体
   （１３）と、多数の果菜受け具（４）を取り付けた無端
   帯状の受け具搬送体（５）と、果菜搬送体（１３）によ
   り搬送されてくる果菜（３）を個別に前記果菜受け具
   （４）に載せ換える載換え体（１４）と、受け具搬送体
   （５）により搬送される果菜受け具（４）上の果菜
   （３）の等級、サイズ等を識別する果菜センサ（６）
   と、果菜センサ（６）の識別結果に基づいて作動して、
   受け具搬送体（５）により搬送中の果菜受け具（４）を
   個別に傾けて、果菜受け具（４）の上の果菜（３）を果
   菜受け具（４）の側方の果菜引継ぎ体（８）に排出させ
   る傾斜駆動体（７）とを備え、前記果菜受け具（４）は
   基材（１）に多数の回転ローラ（２）が配列され且つ回
   転ローラ（２）の配列方向を受け具搬送体（５）の搬送
   方向と交差する向にして受け具搬送体（５）に取り付け
   られ、前記果菜引継ぎ体（８）は果菜受け具（４）から
   排出された果菜（３）を搬送可能であり且つ搬送方向先
   方側が横方向に首振り可能であることを特徴とする果菜
   自動選別装置。
2. 【請求項２】請求項１記載の果菜自動選別装置におい
   て、果菜引継ぎ体（８）の先に、それから送り出される
   果菜を等級別にストック可能なストックヤード（５５）
   を配置し、ストックヤード（５５）は引継ぎ体（８）か
   ら送り出される果菜を等級別に二列以上に分けて配列可
   能なるように幅広く形成されたことを特徴とする果菜自
   動選別装置。
3. 【請求項３】請求項１又は請求項２記載の果菜自動選別
   装置において、果菜搬送体（１３）の途中に、それによ
   り搬送される果菜（３）を乾燥する乾燥装置（１５）を
   設けたことを特徴とする果菜自動選別装置。
4. 【請求項４】請求項１乃至請求項３のいずれかに記載の
   果菜自動選別装置において、果菜洗浄装置（１２）の水
   槽（２０）の横に、果菜（３）の投入部から引上げ部に
   かけて水路（２１）が形成されて、水槽（２０）内の投
   入部から引上げ部へと流された混合物（１１）が水路
   （２１）を通って投入部に戻って循環するようにしたこ
   とを特徴とする果菜自動選別装置。
5. 【請求項５】請求項１乃至請求項４のいずれかに記載の
   果菜自動選別装置において、果菜洗浄装置（１２）の水
   槽（２０）の横にコンテナ回動装置（３４）が設けら
   れ、コンテナ回動装置（３４）はコンテナ（３５）を水
   槽（２０）方向に回動してコンテナ（３５）内の果菜
   （３）を水槽（２０）内に投入し、投入後にコンテナ
   （３５）を逆方向に回動して戻すことが可能であること
   を特徴とする果菜自動選別装置。