JP3310228B2 - 絶縁母線システム及びその絶縁母線の組立て方法 - Google Patents
絶縁母線システム及びその絶縁母線の組立て方法Info
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Description
よびその絶縁母線の組立て方法に係わり、特に隣接して
配置された複数の電気機器の間を絶縁母線を介して接続
する絶縁母線システムに関するものである。
盤や変圧器、あるいはガス絶縁開閉器(GIS)などの
電気機器としては、キュービクルタイプの盤構成とした
ものが多用されている。これらの盤は、通常は同一形
状、同一寸法のものが必要個数、隣接して配置され、そ
れらの間は絶縁母線によって電気的に接続されているの
が普通である。
は、例えば図12に示されているように、盤1の上面ま
たは側面にそれぞれ絶縁ブッシング2を介してT型の絶
縁母線3が取付けられる。通常、この絶縁母線3は、そ
れぞれ棒状またはパイプ状の導体をT型に組立てて中心
導体4とし、その周囲にエポキシ樹脂などを被覆して絶
縁層5とし、その外周に、両端部近傍を除いてメタリコ
ンなどを塗布して外部遮蔽層6を形成して構成されてい
る。
から出荷され、据付け現場に輸送して位置決め固定され
た後、隣接する盤の絶縁母線3の間および電源側あるい
は負荷側との間を、各相毎に順次接続される。
ず両絶縁母線間の精密な芯合わせが行なわれる。すなわ
ちこの芯合わせには高度な技術また熟練を要するが、一
般には図に符号4aで示されている芯合わせ具を用いて
行われる。すなわち、一方の中心導体4の中心に芯合わ
せ具4aが内装され、これがスプリング4bにより中心
導体4端面より突出するよう付勢されており、芯合わせ
具4aのピン部を対向する中心導体4のガイド孔に案内
して両絶縁母線間の芯合わせが行なわれる。
体4の間に、多数枚のフィンガー接触子7と複数本のコ
イルスプリング8からなるチューリップコンタクト9を
装着して電流通路を形成するようにしている。また、そ
の外側は、両側の絶縁層5の間に跨がって、絞り込み可
能な絶縁筒10で覆って補強絶縁としている。
ト9や絶縁筒10は、盤1の据付けに先立って、いずれ
か一方の絶縁母線3の中心導体4上または外部遮蔽層6
上に挿通され、盤1の据付け後、規定の位置に引き戻さ
れて電気接続または絶縁接続の用に供される。
絶縁母線間の芯合わせなど複雑で面倒な作業が行なわれ
るわけであるが、この芯合わせ作業にあまり精度が要求
されないものとして、例えば図13に示されているよう
なものも知られている。すなわち、このものは、フイン
ガ接触子91を用いて接続導体92を結合する,すなわ
ちフインガ接触子91に接続導体92の端部を挿入し、
次いで接続導体92の他方端部に隣接している盤のフイ
ンガ接触子91を順次挿入し組み立てるようにしたもの
である。
るものとしては、例えば特開平4−255413号公報
あるいは特開平5−56541号公報などが挙げられ
る。
いる絶縁母線システムであると、まず前者においては、
前述したようにその芯出し作業が複雑であり、盤1の据
付け時の位置決め作業には多くの時間また神経が費やさ
れる嫌いがあり、また、チューリップコンタクト9や絶
縁筒10は、盤1の据付け後、人手あるいはツールを用
いて規定の位置に引き戻されるが、絶縁母線3の中心導
体4の間に段差があると、これらの引き戻し作業は非常
に困難となり、この点でも作業性が悪く、さらに絶縁母
線3やチューリップコンタクト9が何らかの原因で損傷
した場合、それらを取替える際には、絶縁母線3を絶縁
ブッシング2ごと取外さなければならず、大掛かりな作
業となってしまう。特に盤1がGISのように絶縁流体
を充填されている機器の場合には、この絶縁流体の回収
や再充填などの作業も必要となるため、一層大掛かりな
作業を余儀なくされる嫌いがある。
三相母線の取付けの関係から、盤1のケーシングよりも
突出することが多く、盤1の輸送時や据付け時に他の物
体に接触して破損する恐れがあるため、盤1の輸送や据
付けには細心の注意が必要で、その点でも作業性が低下
する恐れがあった。
ては、芯だし作業は比較的容易であり、この点において
は特に問題になることはないのであるが、しかしなが
ら、このものでは接続導体92の両端をフインガ接触子
91に順次挿入して行われることから、母線の接続分解
に際しては盤1をずらしながら行なわれるため、盤の移
動という大がかりな作業となる嫌いがある。特に、複数
並設されている盤の中央部の盤の絶縁母線の分解ともな
ると、そのために盤を順次ずらすことになりその作業量
は膨大なものとなる嫌いがあった。
目的とするところは、盤をずらしたり、盤に取り付けら
れている絶縁ブッシングを取外すことなく絶縁母線の取
替えが可能であり、かつその絶縁母線とブッシングの接
続に際しても前述したような複雑かつ精密な芯出し作業
や特殊な工具は不要で、作業性および信頼性の高いこの
種の絶縁母線システムを提供するにある。
された複数個の電気機器のケーシングに夫々取付けられ
ているT型ブッシングと、隣接している前記T型ブッシ
ング間を連結する絶縁母線と、この絶縁母線と前記T型
ブッシングとの結合部を覆う絶縁筒とを備えた絶縁母線
システムにおいて、前記絶縁母線を、絶縁母線の両端結
合部に被せられている両絶縁筒の長さより長く形成し、
かつ前記絶縁筒を、絶縁母線側よりブッシング側の方が
大径となるように形成するとともに、夫々絶縁母線側か
ら結合部側へずらせるように形成し所期の目的を達成す
るようにしたものである。
絶縁ブッシングと、この絶縁ブッシングの脚部内を貫通
する平板状の引出し導体と、この引出し導体の一方端部
にボルトを介して接続された一対の平板状の腕部導体と
から構成するようにしたものである。また、前記平板状
の腕部導体に、導体の長手に延びるスリットを設けると
ともに、その中間部に湾曲弛み部を設けるようにしたも
のである。
体にて形成された導体と、この導体の外周に設けられた
遮蔽層とを備えるとともに、前記導体と前記遮蔽層との
間に、その長手方向に所定間隔をおいて配置されたスペ
ーサを介して空隙が形成され、かつ前記積層導体の途中
に湾曲弛み部を設けるようにしたものである。また、前
記T型ブッシングの腕部導体と前記絶縁母線との結合
が、ボルト結合にて行われるとともに、このボルトの外
周に導電性のスペーサを介挿するようにしたものであ
る。
ーサと前記絶縁ブッシングの腕部先端および前記絶縁母
線の絶縁層先端とに跨がる部分に、内部遮蔽層を設ける
ようにしたものである。また、前記絶縁母線および前記
絶縁筒が、それぞれその外周部に外部遮蔽層を有すると
ともに、前記両外部遮蔽層の間に、前記絶縁筒の絶縁補
強層を介挿するようにしたものである。また、前記絶縁
筒が、その外周部に金属材料からなる保護カバーおよび
この保護カバーを固定する連結金具を有し、かつ前記保
護カバーと前記絶縁母線の外部遮蔽層とが前記連結金具
を介して接地されるようにしたものである。
器のケーシングに夫々取付けられているT型ブッシング
と、隣接している前記T型ブッシング間を連結する絶縁
母線と、この絶縁母線と前記T型ブッシングとの結合部
を覆う絶縁筒とを備えた絶縁母線システムの絶縁母線組
立て方法において、前記絶縁母線の両端結合部に被せら
れる絶縁筒を、母線側よりブッシング側の方が大径とな
るように形成するとともに、前記絶縁母線長さを前記両
絶縁筒の長さより長く形成し、前記絶縁母線の組立てに
際し、前記両絶縁筒を絶縁母線側に挿入保持し、絶縁母
線と前記ブッシング端を結合した後、前記絶縁筒を結合
部側へずらして結合部に被覆するようにしたものであ
る。
ステム,また絶縁母線の組立て方法であると、隣接ブッ
シング間を接続する絶縁母線が、両絶縁筒の長さより長
く形成されていることから、絶縁母線に両絶縁筒を挿入
保持した状態で、隣接したブッシング間に当てがうこと
が可能となり、その状態で接続することによりブッシン
グと絶縁母線は簡単に接続され、かつ絶縁筒が夫々絶縁
母線側から結合部側へずらして被せられるように形成さ
れているので、結合後にその結合部に絶縁筒をずらして
被せれはよく、特別な芯だし作業は不要であり、その作
業は非常に単純なものとなる。また絶縁母線が両絶縁筒
の長さより長く形成されていることは、ブッシングの腕
部導体は短長なものとなり、ブッシングが盤のケーシン
グよりも横方向に突出する恐れもなくなるのである。し
たがって、このものであると、絶縁母線の組立てに際
し、芯出し作業がなく、かつ絶縁ブッシングが盤のケー
シングよりも横方向に突出せず盤の輸送時や据付け時
に、他の物体に接触して破損する恐れなどがなく、さら
に絶縁ブッシングを取外すことなく絶縁母線を取替える
ことが可能となるのである。
発明を詳細に説明する。図1にはその絶縁母線システム
の平面および要部の断面が示されている。1が、例えば
変圧器やガス絶縁開閉器などの盤であり、20が盤1に
取り付けられているブッシング、30がブッシング間を
電気的に結合している絶縁母線、40が絶縁筒である。
面)には、各相(例えば三相)用のT型のブッシング2
0が、少しずつ位置をずらせて3個(三相)ずつ取付け
られており、そして隣接する盤1のT型ブッシング20
の間は各相毎に絶縁母線30によって連結されている。
また、T型ブッシング20と絶縁母線30との結合部外
周には、それぞれ絶縁筒40が装着されている。なお、
図1中には示されていないが、絶縁筒40の外周には、
さらに保護カバーが取付けられ、この保護カバーは絶縁
母線30の外部遮蔽層とともに接地線を介して接地され
ている。
図3に示されているように、主としてエポキシ樹脂製の
絶縁ブッシング21と、この絶縁ブッシング内に配置さ
れたT型導体22とから構成されている。絶縁ブッシン
グ21は、盤のケーシング1aを貫通する偏平な脚部2
1aと、これに直交する方向に延びる一対の円筒状の腕
部21b,21cを備えている。
1a内に埋込まれてモールドされた平板状の引出し導体
23と、絶縁ブッシングの腕部21b,21c内におい
て引出し導体23の上端(図3における上端)近傍に取
付けられた一対の分岐導体24から構成されている。こ
の分岐導体24は、それぞれ平板状の導体の内端近傍が
直角方向に折曲げられ、すなわちL字状に形成され、引
き出し導体23と貫通ボルト25およびナット26を介
して結合されている。
かに湾曲するように形成し、弛み部を形成するようにす
る。この弛み部は、絶縁母線30内に位置する平角導体
31の熱伸縮を吸収したり、T型ブッシング20と絶縁
母線30の間の若干の位置ずれを調節する機能を発揮す
る。分岐導体24の他方端は、図2に示されているよう
に、絶縁ブッシング21の腕部21b,21cの端部か
ら突出するように形成され、その端部近傍には締結ボル
ト挿通用の孔が開けられている。
ているように、銅帯などからなる平角導体31と、これ
を被覆する円筒状の絶縁層32とを備えている。平角導
体31の両端には締結ボルト挿通用の孔が開けられて連
結部を形成している。絶縁層32はEPゴムなどからな
り、その内外面には内部遮蔽層33と外部遮蔽層34が
密着して形成されている。
中にカーボンブラック等の導電性粒子を混練したもの、
あるいは銅等の金属パイプを絶縁層32とともにモール
ドして形成するようにしてもよい。また、外部遮蔽層3
4としては、内部遮蔽層33と同じ材料を絶縁層32の
外面にモールドして外部半導電層を形成することが考え
られる。
4から明らかなように、平角導体31よりも短く形成さ
れており、平角導体31の両端の連結部は絶縁層32か
ら突出するように形成されている。内部遮蔽層33は絶
縁層32の内面にその全長に亘って設けられているが、
外部遮蔽層34は絶縁層32の全長よりも短く、したが
って絶縁層32の両端近傍の表面は露出している。
平角導体31との間には、絶縁母線30の長さ方向に適
度の間隔をおいて、スペーサ35が介挿されている。こ
のスペーサは平角導体31と絶縁層32のある程度の自
由な挙動を許容してそれらの熱伸縮差を吸収するもの
で、EPゴムなどの柔軟な材料からなり、その軸線方向
に沿って多数個の透孔35aが形成されている。
に、絶縁母線側よりブッシング側(図3参照)の方が大
径となるように形成され、絶縁補強層41と、その内面
中央部に形成した内部遮蔽層42と、絶縁補強層41の
外周全長に亘って形成した外部遮蔽層43とを備えてい
る。絶縁補強層41はEPゴムなどの比較的柔軟な弾性
絶縁材料からなり、内部遮蔽層42と外部遮蔽層43は
同種材料にカーボンブラックなどの導電性粒子を混練し
た材料からなり、そして絶縁筒40はこれらの材料が3
層一括モールドされて形成されている。
び接地の用に供せられる保護カバー50が示されてい
る。この保護カバー50はアルミニウム、銅等の導電性
の金属材料からなり、その長さ方向に沿って上下に2分
され、上側カバー51と下側カバー52に分割されてい
る。これら上側カバー51と下側カバー52は円筒状に
組み合わせて使用されるが、それらの内面は、絶縁筒4
0の外面に密着するように形成されている。なお、下側
カバー52は、編組線54を介して接地金具55とはん
だ付けなどにより結合されている。
および接地引出の用に供せられる連結金具60が示され
ている。この連結金具60はアルミニウム、銅等の導電
性の金属材料からなり、接地座60aを有する。
縁母線システムを組立てる場合には、予め上面または側
面の同一軸線位置にT型ブッシング20を取付けた複数
台の盤1を、規定位置に列盤させた後、隣接する盤1に
おける同相のT型ブッシング20の間に絶縁母線30を
取付ける。この取付けに当っては、図9に示されている
ように、絶縁母線30にその両側から絶縁筒40を予め
挿着し、絶縁母線の平角導体31の両端の連結部31a
が絶縁筒40の内端40dより突出するようにしてお
く。これらの連結部31aを、図1や図3に示されてい
るように、絶縁ブッシング21の腕部21b,21cか
ら突出するT型導体22の分岐導体24の連結部に、側
面(大面)同士が平行に接触するようにして重ね合せ、
それらを貫通する締結ボルト挿通孔に締結ボルト36を
挿通し、ナット37を締付ける。
T型導体22の接続が終了したら、ボルト締結部を覆う
ようにしてスペーサ38を組立てる。このスペーサ38
は、EPゴムにカーボンブラック等を混練して導電性を
付与した材料を円柱状に成型し、その内面に平角導体3
1と連結導体24の連結部および締結ボルト36とナッ
ト37を収納できる中空部を形成するとともに、この中
空部から外周面にかけて装着用の割れ目を形成したもの
で、この割れ目を開いてボルト締結部に装着される。こ
のスペーサ38の装着によって、絶縁母線30の絶縁層
32と絶縁ブッシング21の腕部21b,21cとの間
は連結される。
絶縁筒40をスライドさせて、それらの内端が絶縁ブッ
シング21の腕部21b,21cの付け根に密着するよ
うに移動させる。この状態では、絶縁筒40の内部遮蔽
層42はスペーサ38の外側に位置してそれらのゴム状
弾性により互いに密着して半導電的に導通し、また絶縁
筒40の絶縁補強層41と、絶縁母線30の両端近傍の
外面に露出する絶縁層32との間、および絶縁補強層4
1と絶縁ブッシング21の腕部21b,21cの間は、
絶縁補強層41のゴム状弾性により互いに密着して絶縁
耐力を維持する。また、絶縁筒40の外部遮蔽層43と
絶縁母線30の外部遮蔽層34との間には絶縁補強層4
1が介在し、電気的な縁切り部を形成する。
置合わせが終了したら、絶縁筒40に保護カバー50と
連結金具60を取付ける。これは、上側カバー51と下
側カバー52を絶縁筒40の外側に円筒状に組み合わせ
て配置し、リング状の凹部51b,52bに連結金具6
0を被せた後、51c,52cおよび51b,52b、
連結金具60に図10に示されているように、固定バン
ド70を取付け、締付けることによって固定される。絶
縁母線の接地は、カバー52より引き出される編組線5
4の先端にはリング55が取付けられており、絶縁母線
30に編組線を巻き付けた後、所要位置に差し込むこと
で、絶縁母線の接地を行う。最終的な接地作業は、接地
金具接地座60aに接地線を取り付け所要位置に接地す
ることで終了する。
相毎に絶縁母線30で接続して行くが、絶縁母線30の
線路終端には、図11に示すような絶縁栓80が取付け
られる。絶縁栓80は、絶縁補強層81と、その内面に
形成した内部遮蔽層82と、絶縁補強層81の外周に形
成した外部遮蔽層83とを備えており、閉塞している。
また、絶縁補強層81はEPゴムなどの比較的柔軟な弾
性絶縁材料からなり、内部遮蔽層82と外部遮蔽層83
は同種材料にカーボンブラックなどの導電性粒子を混練
した材料からなり、これらの材料を3層一括モールドす
ることにより製作されている。
端近傍にバンド取付け用のリング状の凹部80a,80
bが形成されている。絶縁栓80はそのゴム状弾性を利
用して絶縁ブッシング21の一方の腕部21cに被せら
れ、線路端末における絶縁耐力を維持する。また、この
絶縁栓80の外側には、それと似た内面形状の金属製の
保護カバー90が図10に示されているように被せら
れ、その上には連結金具60が被され、固定バンド70
によって固定される。
ムにおいては、盤その他の電気機器のケーシングに予め
取付けたT型ブッシングの間を絶縁母線で連結するもの
であり、T型ブッシングのT型導体と絶縁母線の平角導
体の間の接続は、それらの連結部に嵌挿した締結ボルト
にナットを締付けることにより行われ、しかも絶縁筒と
連結スペーサをまだ取付けていない状態で、T型ブッシ
ングと絶縁母線の間のオープンスペースで行われるの
で、特殊な工具を使うことなく、極めて簡単な作業で接
続を行うことができる。電気機器のケーシングに若干の
位置ずれがあっても、T型導体の連結導体や絶縁母線の
平角導体の変形により吸収することができるので、電気
機器のセッティング作業も容易になる。また、何らかの
事情により絶縁母線や絶縁筒を取外す必要が生じた場合
でも、電気機器を移動させたり、T型ブッシングを取外
すことなく、簡単な作業で対応することができ、作業性
が向上する。
れた絶縁母線システムであると、絶縁母線は、間隔的に
配置したスペーサを介して平角導体を絶縁層内に支持さ
れているが、スペーサとして柔軟な材質・形状のものを
使用することにより、平角導体と絶縁層の拘束を緩やか
なものにすることができ、熱伸縮や軸振れに対しても十
分に対応することができる。特にT型ブッシングの連結
導体に、緩やかに湾曲する弛み部を設けた場合、その機
能はさらに向上する。
角導体とを締結する締結ボルトの外周には、連結スペー
サが介挿されていることにより、絶縁母線の絶縁層と絶
縁ブッシングの腕部間の隙間は埋められ、また連結スペ
ーサが半導電材料で構成されていることによりボルト締
結部の凹凸は電気的に遮蔽される。さらに、絶縁筒の絶
縁補強層の内面に、連結スペーサと絶縁ブッシングの腕
部先端と絶縁母線の絶縁層先端との間に跨って内部遮蔽
層が設けられていることから、絶縁筒の絶縁補強層に加
わる電気的ストレスを充分緩和することができる。
縁筒の外部遮蔽層との間に、絶縁筒の絶縁補強層を介挿
し、電気的な縁切り部を形成しておけば、接地回路の点
検は容易になる。また、絶縁筒の外側には金属材料から
なる保護カバーを設け、この保護カバーを絶縁母線の外
部遮蔽層とともに接地線を介して接地しておくことによ
り、万一の地絡事故に際しても、大きな地絡電流を流す
ことができ、安全性を一層高めることができるのであ
る。
ば、盤に取り付けられている絶縁ブッシングを取外すこ
となく絶縁母線の取替えが可能となり、かつその絶縁母
線とブッシングの接続に際しても精密な芯出し作業や特
殊な工具は不要であり、作業性および信頼性の高いこの
種の絶縁母線システムを得ることができる。
面図および要部縦断側面図である。
品を示す平面図である。
す縦断側面図である。
破断側面図である。
縦断側面図である。
面図である。
を装着した状態を示す側面図である。
面図である。
例を示す横断平面図である。
面図である。
す縦断側面図である。
線、4…中心導体、5,32…絶縁層、6,34,4
3,83…外部遮蔽層、9…チューリップコンタクト、
10,40…絶縁筒、33,42,82…内部遮蔽層、
20…T型ブッシング、21a…脚部、21b,21c
…腕部、22…T型導体、23…引出し導体、24…分
岐導体、30…絶縁母線、31…平角導体、35…スペ
ーサ、38…スペーサ、41,81…絶縁補強層、50
…保護カバー、51…上側カバー、52…下側カバー、
53…編組線、54…リング、60…連結金具、70…
固定バンド、71…接地線、80…絶縁栓、90…保護
カバー。
Claims (8)
- 【請求項1】 並置された複数個の電気機器のケーシン
グに夫々取付けられているT型ブッシングと、隣接して
いる前記T型ブッシング間を連結する絶縁母線と、この
絶縁母線と前記T型ブッシングとの結合部を覆う絶縁筒
とを備えた絶縁母線システムにおいて、 前記絶縁母線を、絶縁母線の両端結合部に被せられてい
る両絶縁筒の長さより長く形成し、かつ前記絶縁筒を、
絶縁母線側よりブッシング側の方が大径となるように形
成するとともに、夫々絶縁母線側から結合部側へずらせ
るように形成し、前記T型ブッシングが、絶縁ブッシングと、この絶縁ブ
ッシングの脚部内を貫通する平板状の引き出し導体と、
この引き出し導体の一方端部にボルトを介して接続され
た一対の平板状の腕部導体とを備え、 前記平板状の腕
部導体が、導体の長手に延びるスリットを有するととも
に、その中間部に湾曲弛み部が設けられてなることを特
徴とする絶縁母線システム。 - 【請求項2】 並置された複数個の電気機器のケーシン
グに夫々取付けられているT型ブッシングと、隣接して
いる前記T型ブッシング間を連結する絶縁母線と、この
絶縁母線と前記T型ブッシングとの結合部を覆う絶縁筒
とを備えた絶縁母線システムにおいて、 前記絶縁母線を、絶縁母線の両端結合部に被せられてい
る両絶縁筒の長さより長く形成し、かつ前記絶縁筒を、
絶縁母線側よりブッシング側の方が大径となるように形
成するとともに、夫々絶縁母線側から結合部側へずらせ
るように形成し 、前記絶縁母線が、平板状導体の積層体にて形成された導
体と、この導体の外周に設けられた遮蔽層とを備えると
ともに、前記導体と前記遮蔽層との間に、その長手方向
に所定間隔をおいて配置されたスペーサを介して空隙が
形成され、かつ前記積層体の途中に湾曲弛み部が設けら
れてなる ことを特徴とする絶縁母線システム。 - 【請求項3】 並置された複数個の電気機器のケーシン
グに夫々取付けられているT型ブッシングと、隣接して
いる前記T型ブッシング間を連結する絶縁母 線と、この
絶縁母線と前記T型ブッシングとの結合部を覆う絶縁筒
とを備えた絶縁母線システムにおいて、 前記絶縁母線を、絶縁母線の両端結合部に被せられてい
る両絶縁筒の長さより長く形成し、かつ前記絶縁筒を、
絶縁母線側よりブッシング側の方が大径となるように形
成するとともに、夫々絶縁母線側から結合部側へずらせ
るように形成し、 前記T型ブッシングが、絶縁ブッシングと、この絶縁ブ
ッシングの脚部内を貫通する平板状の引き出し導体と、
この引き出し導体の一方端部にボルトを介して接続され
た一対の平板状の腕部導体とを備え、 前記絶縁母線
が、平板状導体の積層体にて形成された導体と、この導
体の外周に設けられた遮蔽層とを備えるとともに、前記
導体と前記遮蔽層との間に、その長手方向に所定間隔を
おいて配置されたスペーサを介して空隙が形成され、か
つ前記積層体の途中に湾曲弛み部が設けられたことを特
徴とする絶縁母線システム。 - 【請求項4】 前記絶縁母線が、平板状導体の積層体に
て形成された導体と、この導体の外周に設けられた遮蔽
層とを備えるとともに、前記導体と前記遮蔽層との間
に、その長手方向に所定間隔をおいて配置されたスペー
サを介して空隙が形成され、かつ前記積層体の途中に湾
曲弛み部が設けられた請求項1に記載の絶縁母線システ
ム。 - 【請求項5】 前記T型ブッシングの腕部導体と前記絶
縁母線との結合が、ボルト結合にて行われるとともに、
このボルトの外周に導電性のスペーサが介挿されてなる
請求項1,2,3または4に記載の絶縁母線システム。 - 【請求項6】 前記絶縁筒の内面で、且つ前記スペーサ
と前記ブッシングの腕部先端および前記絶縁母線の絶縁
層先端とに跨がる部分に、内部遮蔽層が設けられてなる
請求項5記載の絶縁母線システム。 - 【請求項7】 前記絶縁母線および前記絶縁筒が、それ
ぞれその外周部に外部遮蔽層を有するとともに、前記両
外部遮蔽層の間に、前記絶縁筒の絶縁補強層が介挿され
てなる請求項1ないし6のいずれかの項に記載の絶縁母
線システム。 - 【請求項8】 前記絶縁筒が、その外周部に金属材料か
らなる保護カバーお よびこの保護カバーを固定する連結
金具を有し、かつ前記保護カバーと前記絶縁母線の外部
遮蔽層とが前記連結金具を介して接地されてなる請求項
1ないし7のいずれかの項に記載の絶縁母線システム。
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