JP3308192B2 - キャスト塗被紙の製造方法 - Google Patents

キャスト塗被紙の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顔料と接着剤を含
有する塗被層を凝固液で凝固した後、鏡面ドラム表面に
圧接して鏡面仕上げする高品質なキャスト塗被紙の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より鏡面のような高い光沢度を有す
るキャスト塗被紙は、出版、商業印刷用、粘着ラベル紙
用、包装、パッケージ用に使用されている。出版用途で
は、雑誌や週刊誌、コミック誌の表紙等に使用され、近
年ではコミック誌用途が増加傾向にある。商業印刷分野
では、ポスター、カタログ、カレンダー、パンフレット
等に使用され、最近はとりわけ通販カタログの表紙用に
需要が増加している。また、粘着ラベル紙用、包装、パ
ッケージ用は、食品、弱電商品関係や高級品パッケージ
関係で需要が安定している。
【0003】キャスト塗被紙の製造は、原紙表面に顔料
及び接着剤を主成分とする塗被液を塗被し、塗被層全部
若しく塗工層表面が、湿潤状態若しくは可塑性を有して
いる状態で、該塗被層を金属製の鏡面を有するキャスト
ドラムの加熱された仕上げ面に圧接し、塗被層の乾燥と
同時に仕上げ面を写しとることにより製造されている。
【0004】このキャスト塗被紙の製造方法としては、
原紙に塗被されたキャスト塗被液をキャストドラムに圧
接するまでの過程の違いにより、原紙に塗被されたキャ
スト塗被液を全く乾燥していない状態でキャストドラム
に圧接する直接法、原紙に塗被されたキャスト塗被液
を、一旦乾燥した状態で塗被層を再湿潤液で処理し、塗
被層が可塑性を有した状態でキャストドラム面に圧接す
る再湿潤法、原紙に塗被されたキャスト塗被液を凝固液
で処理し、流動性のないゲルの状態にして圧接する凝固
法などがある。これらの方法はいずれも可塑化状態にあ
る塗被層をキャストドラム面に圧接乾燥しながらドラム
面から剥離させ、高光沢の塗被層を得るものである。
【0005】中でも通常、凝固法で製造されるキャスト
塗被紙は、高い白紙光沢度を得るため微粒子のカオリン
を高配合したキャスト塗被液を凝固液で処理し、流動性
のないゲルの湿潤状態にした塗被層をキャストドラムに
圧接し、鏡面のドラム表面を塗被面に写し取ることによ
り製造されるため、直接法に比べて生産速度が速く、再
湿潤法で製造されたものに比べて、非常に塗被層はポー
ラスな状態で表面は高平滑なキャスト塗被紙が得られる
特徴がある。しかしながら、この凝固法で製造されたキ
ャスト塗被紙は、その後の加工仕上げ、包装工程、搬
送、印刷工程において、積み重ねられて荷重負荷がかか
った場合、板状の形状を有するカオリンは、配向しやす
く、かつ形状が必ずしも均一でないため、部分的に不均
一な配向を起こし、キャスト面を印刷した時にこの配向
ムラが光沢ムラ(白紙光沢ムラやベタ印刷部のインキ付
着ムラ)を生じ、さらにこの配向ムラが、塗被層の密度
ムラを生じさせるため、印刷インキの浸透ムラに起因す
るトラッピングムラ(重ね刷り部の印刷インキの付着ム
ラ)が発生する問題があった。また、インキ乾燥性が遅
くなると高速印刷時の裏写り等の問題があった。
【0006】キャスト塗被紙は、とりわけ出版、商業印
刷用途に使用される場合には、通常のオフセット印刷用
光沢塗被紙に求められる印刷適性、すなわち高光沢、高
平滑で、インキ乾燥性、面状等、印刷仕上がりの優れた
品質が要求されるため、光沢ムラやトラッピングムラの
発生を抑えることは重要であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のような状況に鑑
み、本発明の課題はキャストコート紙の製造の凝固法に
おいて問題となる、光沢ムラ、トラッピングムラ及びイ
ンキ乾燥性に優れたキャスト塗被紙を低コストで提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題について鋭意研究を重ねた結果、原紙に顔料と接着剤
を含有する塗被液を塗被し、該塗被層を凝固液で凝固し
た後、鏡面ドラム表面に圧接して鏡面仕上げするキャス
ト塗被紙の製造方法において、塗被液中の顔料成分とし
て硫酸塩法またはソーダ法によるパルプ製造工程の苛性
化工程で、生石灰を水または弱液を用いて消和した後、
緑液を用いて苛性化反応製造された、針状または柱状
の軽質炭酸カルシウムを、顔料成分100重量%に対し
て、20〜60重量%含む塗被液を原紙に塗被すること
により本発明を成すに至った。
【0009】以下発明の詳細を示す。
【0010】本発明者等は、キャスト塗被紙の製造にお
いて凝固法について検討した結果、前記のごとく製品の
仕上げ工程、包装工程、あるいは製品搬送工程やオフセ
ット印刷時の作業工程、印刷工程において、積み重ねら
れて荷重負荷がかかったキャスト面を印刷した場合、光
沢ムラ(白紙光沢ムラやベタ印刷部のインキ付着ムラ)
やトラッピングムラ(重ね刷り部の印刷インキの付着ム
ラ)が発生する問題が生じることを認めた。
【0011】そこで鋭意検討した結果、硫酸塩法または
ソーダ法によるパルプ製造工程の苛性化工程において製
造された針状または柱状の軽質炭酸カルシウムを顔料成
分100重量%に対して、20〜60重量%使用すること
によって初めて光沢ムラ、トラッピングムラがなく、イ
ンキ乾燥性に優れた製品を低コストで製造し得ることを
認めた。配合量が全顔料に対し60重量%を超える場合
には、キャスト塗被紙の白紙光沢度が低下してしまう。
また配合量が20重量%より少ない場合には、光沢ム
ラ、トラッピングムラが改善されない。
【0012】本発明によって得られる苛性化工程で製造
された針状または柱状軽質炭酸カルシウムは、粒子径分
布がより均一で、かつ細長い形状であるため、荷重負荷
時に配向ムラが起こりにくいため、光沢ムラ、トラッピ
ングムラが発生しないものと考えられる。また通常炭酸
カルシウムを配合していくと白紙光沢度が低下する傾向
になるが、本発明で得られた軽質炭酸カルシウムは、粒
子径が小さく、前記形状により、配向しやすいため一定
量配合しても白紙光沢度は低下しない。また、従来の炭
酸ガス法で製造された針状又は柱状の軽質炭酸カルシウ
ムを顔料として使用した場合には(特開平1−1186
91号公報)、インキ乾燥性が遅くなる問題があった
が、苛性化工程で製造された針状あるいは柱状の軽質炭
酸カルシウムを配合したものは、インキ乾燥性にも優
れ、塗被紙を低コストで製造できることを認めた。
【0013】また、インキ乾燥性に優れる理由について
種々検討した結果、本法で製造された軽質炭酸カルシウ
ムを使用した場合、従来の炭酸ガス法で製造されたもの
を使用した場合と比較して、種々の液体に対する濡れ性
(浸漬熱の測定値)に大きな差が認められ、本法で得ら
れた軽質炭酸カルシウムは水に対する濡れ性が低く、逆
にインキ溶剤に対する濡れ性が高かった。濡れ性の違い
が製法のどこに起因するものであるか明確ではないが、
本法で得られたものは、インキとのなじみに優れるた
め、インキ乾燥性が速いものと考えられる。
【0014】また、本発明に用いる苛性化工程で製造さ
れた柱状または針状軽質炭酸カルシウムについては、長
径が3.0を超えて5.0μmまで、短径が0.2〜
0.5μmのものが好ましい。短径が0.2μmより小
さい場合あるいは長径が3.0μmより小さい場合に
は、苛性化工程で合成反応を行う際スラリー粘度が高く
なり、またキャスト塗被液の粘度も高くなり、作業性が
劣る傾向にある。また、短径が0.5μmより大きい場
合あるいは長径が5.0μmより大きい場合には、粒子
径が大きくなりすぎ、白紙光沢度が低下する傾向にあ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明で規定する特定の形状を有
する軽質炭酸カルシウムは、硫酸塩法またはソーダ法に
よるパルプ製造工程の苛性化工程で製造されたものを使
用する。硫酸塩法またはソーダ法によるパルプ製造工程
においては、木材中の繊維素を単離するために水酸化ナ
トリウムと硫化ナトリウムを混合した薬液を用いて高
温、高圧下で木材チップを蒸解する。そして繊維素は固
相として分離精製されてパルプとなり、薬液及び木材か
らの繊維素以外の溶出成分は黒液として回収され、回収
ボイラーで燃焼可能な濃度まで濃縮される。さらに、一
連の過程で失われたナトリウム分と硫黄分を補給するた
めに硫酸ナトリウムが添加された後、回収ボイラーで燃
焼される。その際、黒液中の有機物質は熱源として、無
機物質は主として炭酸ナトリウムおよび硫化ナトリウム
として回収されるが、これらの無機物質はスメルトと呼
ばれ溶融状態で回収ボイラーから取り出される。回収ボ
イラーから取り出されたスメルトは、水または弱液(炭
酸カルシウムを水洗浄した後に得られる、白液成分を微
量含んだ液)で溶解されて緑液となる。
【0016】苛性化工程とは、緑液中の炭酸ナトリウム
を蒸解薬品である水酸化ナトリウムに変えるための工程
であり、生石灰を消石灰に変える消和反応(1)と、消
石灰と緑液を混合し水酸化ナトリウムと炭酸カルシウム
を生成する苛性化反応(2)よりなる。苛性化反応によ
って得られた水酸化ナトリウムの液は白液と呼ばれ、炭
酸カルシウムと分離、清澄化されて蒸解工程へ送られ
る。本発明では分離回収し、十分に水洗浄された炭酸カ
ルシウムを使用する。 CaO+H2O→Ca(OH)2 (1):消和反応 Ca(OH)2+Na2CO3→CaCO3+2NaOH (2):苛性化反応
【0017】この炭酸カルシウムはパルプ製造工程の薬
液として使用する白液を製造する際の副産物であるた
め、従来の石灰乳と炭酸ガスとの反応による方法で得ら
れる軽質炭酸カルシウムに比べて非常に低コストで製造
し得る。
【0018】更に本発明において規定する針状、柱状軽
質炭酸カルシウムは以下の製造法に従って製造される。
すなわち、(1)苛性化工程で発生し、及び/又は、苛性
化工程外から導入した生石灰であって、(2)0.1〜10重量
%の炭酸カルシウムを含有する前記生石灰に対して、生
石灰濃度が20〜60重量%になるようにpH5.5〜1
3.5を有する液(水又は弱液)を添加し、攪拌あるいは
混和しながら消和させて石灰乳及び/又は石灰泥を生成
する第一段工程、次いで該石灰乳及び/又は石灰泥に、
前記苛性化工程で発生し、白液を製造するに必要な所定
量の緑液を該石灰乳及び/又は石灰泥に対して0.02〜0.
5ml(緑液)/min/g(生石灰)の添加速度で逐次添加
し、反応温度20〜105℃にて苛性化反応を行うこと
によって製造するものである。
【0019】また上記軽質炭酸カルシウム以外に使用す
る顔料には、一般的にキャスト塗被紙に使用される重質
炭酸カルシウム、その他の軽質炭酸カルシウム、カオリ
ン、クレー、デラミネーテッドクレー、タルク、サチン
ホワイト、シリカ、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸
化亜鉛、二酸化チタンなどの無機顔料、プラスチックピ
グメントなどの有機顔料等を1種以上併用することがで
きる。
【0020】本発明において、塗被液に使用する接着剤
は、ラテックスあるいはその他の水性接着剤から必要に
応じ1種あるいは2種以上を選択して使用する。ラテッ
クスとしては、スチレン・ブタジエン共重合体、メタク
リレート・ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合
体ラテックス、アクリル酸エステルおよび/またはメタ
クリル酸エステルの重合体または共重合体等のビニル系
重合体ラテックス、あるいはこれらを更にカルボキシル
基等の官能基含有単量体で変性したものである。
【0021】また、ラテックス以外の水性接着剤として
は、例えばカゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質
類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、オ
レフィン・無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂等の合成
樹脂系接着剤、酸化澱粉、陽性澱粉、酵素変性澱粉、冷
水可溶性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉等のエステル化
澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などのエーテル
化澱粉、デキストリン等の澱粉類、カルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメ
チルセルロース等のセルロース誘導体等の通常の塗工用
接着剤である。これらの接着剤の使用量は、顔料100
部に対して10〜30重量部が好ましい。
【0022】本発明の塗被液には分散剤、増粘剤、保水
剤、消泡剤、耐水化剤等通常の塗被紙用顔料に配合され
る各種助剤を使用しても良い。
【0023】また、本発明に用いる凝固液としては、蟻
酸、酢酸、クエン酸、乳酸、塩酸、硫酸、炭酸、ほう酸
等の酸、及びこれらのカルシウム、亜鉛、バリウム、
鉛、カリウム、ナトリウム、カドミウム、アンモニウム
等との塩、及びほう砂等が使用される。
【0024】また、原紙としては、一般のキャスト塗被
紙に用いられる上質原紙または、キャスト塗被面側に片
面下塗り塗被したものや、両面下塗り塗被した塗被紙も
使用できる。この時の坪量は30〜400g/m2 である
が、特に坪量が200〜400g/m2の場合が、より光沢
ムラやトラッピングムラが改善された。
【0025】原紙に塗被液を塗被する方式としては、ブ
レードコーター、エアナイフコーター、ロールコータ
ー、コンマコーター、ブラッシュコーター、キスコータ
ー、スクイズコーター、カーテンコーター、バーコータ
ー、グラビアコーター等の公知の塗工機を用いた方法の
中から適宜選択することができる。原紙へのキャスト塗
被紙の塗被量は、原紙の片面当たり固形分15〜35g/
m2の範囲で塗被するのが好ましい。
【0026】かくして原紙上に形成された塗被層は、凝
固液によって、凝固され、加熱された鏡面ドラムに圧接
される。
【0027】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に示す
が、これらによって本発明は何等制約を受けるものでは
ない。なお、例中の部および%はそれぞれ重量部および
重量%を示す。
【0028】〈品質評価方法〉 (1)軽質炭酸カルシウム形態観察:生成物を水洗ろ過
し、乾燥後走査型電子顕微鏡(日本電子JSM-5300)で形
状及び短径、長径平均値を測定した。 (2)塗被液粘度:キャスト塗被液のB型粘度(30℃、
60rpm)を測定した。 (3)白紙光沢度:JIS P-8142に従い角度75度で測
定した。 (4)光沢ムラ:オフセット印刷時、給紙部のキャスト製
品を任意に抜き取ったサンプルの白紙光沢のムラを目視
評価した。 ◎:光沢ムラなし、○:光沢ムラわずかに発生する、
△:光沢ムラ発生する、×:光沢ムラの発生が著しい、 (5)トラッピングムラ評価:RI−I型印刷機(明製作所
製)を用い、阪田インキ製ニューGSL(黄)で印刷し
(インキ量:0.5ml)、インターバル30秒後、ニューGS
L(紅)で重ね刷り(インキ量:0.25ml)し、紅インキの
付着ムラを目視評価した。 ◎:トラッピングムラほとんど発生しない、○:トラッ
ピングムラわずかに発生する、△:トラッピングムラ発
生する、×:トラッピングムラの発生が著しい (6)インキ乾燥性:RI-II型印刷機(明製作所製)を用
い、東洋インキ製TV-マークVニュー617(墨)を 使用
して、インキ量0.5cc一定で印刷後、直ちに転写紙(市
販上質コート紙:日本製 紙製NPiコート〈73〉)を
印刷物サンプルにかぶせ、45秒後に転写する。転写紙
の白色度の低下度合いを目視で相対評価した。白色度の
低下度合いの大きいものはインキ乾燥性が遅く、劣る。 ◎:インキ乾燥性非常に優れる、○:インキ乾燥性優れ
る、△:インキ乾燥性劣る、×:インキ乾燥性著しく劣
【0029】[実施例1]顔料としてクラフトパルプ製
造工程の苛性化工程において製造された、長径が4.5
μmで、短径が0.4μmである針状軽質炭酸カルシウ
ムを30部、二級カオリン70部配合した顔料に対し
て、ポリアクリル酸ソーダ系分散剤を0.3部添加し、
カウレス分散機を用いて水に分散し、更に消泡剤(トリ
ブチルフォスフェート)を0.5部、離型剤(ステアリン
酸アンモニウム)を4部接着剤としてカゼイン(固形分
15%)水溶液を10部、スチレンブタジエン系共重合
ラテックスを8部の割合で加え、濃度50%の塗被液を
調製した。これを坪量290g/m2の広葉樹晒しクラフト
パルプ単独配合原紙の片面に、前記塗被液を固形分で2
3g/m2になるようにロールコータで塗被し、次いで凝固
液(5%ギ酸カルシウム溶液)に接触させて塗被層を凝
固させた。その後直径750mmのプレスロールと表面温
度95℃、直径3000mmのキャストドラムに圧着し、乾燥
後テークオフロールでキャストドラムから剥離してキャ
スト塗被紙を得た。
【0030】[実施例2]苛性化工程において製造され
た長径が3.5μmで、短径が0.3μmである柱状軽質
炭酸カルシウムを40部、一級カオリンを60部配合し
た顔料を使用した以外は、実施例1と同様に塗被紙を製
造した。
【0031】[実施例3]苛性化工程において製造され
た長径が5.5μmで、短径が0.55μmである柱状軽
質炭酸カルシウムを40部、一級カオリンを60部配合
した顔料を使用した以外は、実施例2と同様に塗被紙を
製造した。
【0032】[比較例1]カオリン100部配合した以
外は、実施例1と同様に塗被紙を製造した。
【0033】[比較例2]苛性化工程において製造され
た針状軽質炭酸カルシウムを70部、カオリンを30部
配合した顔料を使用した以外は、実施例1と同様に塗被
紙を製造した。
【0034】[比較例3]苛性化工程において製造され
た柱状軽質炭酸カルシウムを10部、カオリンを90部
使用した以外は実施例2と同様に塗被紙を製造した。
【0035】[比較例4]従来の石灰乳と炭酸ガスとの
反応で製造された柱状軽質炭酸カルシウムを用いた以外
は実施例1と同様に塗被紙を製造した。
【0036】[比較例5]従来の石灰乳と炭酸ガスとの
反応で製造された平均粒子径が0.45μmである立方
状の軽質炭酸カルシウムを用いた以外は実施例1と同様
に塗被紙を製造した。
【0037】[比較例6]苛性化工程において製造され
た平均粒子径が0.68μmである不定形状の軽質炭酸
カルシウムを用いた以外は実施例1と同様に塗被紙を製
造した。以上の結果を表1に示した。
【0038】
【表1】
【0039】表1から明らかなように、実施例1〜3
は、白紙光沢度が高く、光沢ムラ、トラッピングムラ、
インキ乾燥性が良好である。それに対し、比較例1は光
沢ムラ、トラッピングムラに劣り、比較例2は、白紙光
沢度が低い。比較例3は光沢ムラ、トラッピングムラに
劣り、比較例4はインキ乾燥性に劣る。比較例5は白紙
光沢度が低く、光沢ムラ、トラッピングムラ、インキ乾
燥性に劣る。比較例6は光沢ムラ、トラッピングムラに
劣る。
【0040】従って、本発明により凝固法で製造された
キャスト塗被紙は従来にない優れた品質を与え、その効
果は極めて大なるものがある。
【0041】
【発明の効果】キャストコート紙の製造の凝固法におい
て問題となる、光沢ムラ、トラッピングムラ及びインキ
乾燥性に優れたキャスト塗被紙を低コストで提供するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−118691(JP,A) 特開 平8−332771(JP,A) 特開 昭61−53112(JP,A) 特開 昭61−179398(JP,A) 特開 平1−226719(JP,A) 特開 平4−126889(JP,A) 特開 昭61−194295(JP,A) 特開 平5−179592(JP,A) 特開 昭61−183120(JP,A) 特開 昭61−53112(JP,A) 特表 昭55−500189(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙に顔料と接着剤を含有する塗被液を
    塗被し、該塗被層を凝固液で凝固した後、鏡面ドラム表
    面に圧接して鏡面仕上げするキャスト塗被紙の製造方法
    において、塗被液中の顔料成分として硫酸塩法またはソ
    ーダ法によるパルプ製造工程の苛性化工程で、生石灰を
    水または弱液を用いて消和した後、緑液を用いて苛性化
    反応製造された、針状または柱状の軽質炭酸カルシウ
    ムを、顔料成分100重量%に対して、20〜60重量%
    含む塗被液を原紙に塗被することを特徴とするキャスト
    塗被紙の製造方法。
  2. 【請求項2】 該針状または柱状の軽質炭酸カルシウム
    の長径が3.0を超えて5.0μmまでで、短径が0.2
    〜0.5μmであることを特徴とする請求項1記載の
    ャスト塗被紙の製造方法。
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