JP3300263B2 - 光沢塗被紙の製造方法 - Google Patents

光沢塗被紙の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光沢塗被紙に関
し、光沢ムラがなく、オフセット印刷時にモットリン
グ、トラッピングムラに優れ、白紙光沢度、平滑度が高
く、低コストで製造し得る光沢塗被紙の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年印刷用紙は、チラシ、カタログ、パ
ンフレット、ダイレクトメール等広告、宣伝を目的とし
た商業印刷分野で需要が伸びている。これら商業印刷物
は、それ自体の商品価格は低いが、宣伝媒体として目的
が達成されることが重要であるので、低コストで印刷仕
上がりの良いものが求められてきている。
【0003】このような旺盛な塗工紙の需要に対応する
ため、紙メーカでは高品質を維持したまま生産性を上
げ、コストダウンを図ることが重要な技術課題である。
そのため、より安価な資材、薬品を使用し、更に(1) 高
速化 (2) 広幅化 (3) オンライン生産化(抄紙から塗
被、表面仕上げまでの一貫生産)(4) 多層塗被化 等に
より、コスト競争力に優れた製品を製造する努力を続け
ている。このため生産方式としては、オンマシンブレー
ドコータが最近多く採用される傾向にある。この方式
は、抄紙から塗被、表面仕上げまでを一貫生産するた
め、装置(シートラン)が非常に長くなり、操業中一度
紙切れが発生した場合には、生産ロスが多くなること
や、通紙に時間、手間がかかることもあり、出来る限り
省力、省スペース化を図ることによって、生産効率を高
める努力がなされている。従って、乾燥ゾーンの長さを
出来る限り短くするため、原紙に顔料と接着剤を含有す
る塗被液を塗被した後、出来る限り強い乾燥を行い、蒸
発速度を高くするため、乾球温度140℃以上及び風圧
80mmAq以上の強乾燥する傾向にある。しかし、急
激な乾燥をするほど、塗被液中のバインダー(デンプ
ン、ラテックス)のマイグレーションが大きくなり、印
刷ムラ、すなわちモットリング(単色ベタ印刷部の光沢
ムラ)やトラッピングムラ(重ね刷り時の印刷ムラ)が
増加する問題が生じる。またこれら印刷ムラは、基本的
に塗被層のもつ印刷インキの不均一な吸収性、あるいは
湿し水の不均一な吸水性に由来することから、理想的に
は地合いムラの少ない原紙に、塗被液をより均一に塗被
することにより、密度ムラの少ない、均一な空隙構造を
有する塗被層を形成させてやることが必要である。(西
岡等;紙パ技協誌、41(3)、1987) 本発明者等は、光沢ムラ、印刷ムラを改善するために、
より均一な空隙構造を有する塗被層を形成させる手法に
ついて種々検討を重ねてきた。例えば、先願(特開平4-
370298, 361695)においては、原紙あるいは塗被紙を加
湿、加熱した後高温でソフトカレンダー処理する方法、
特定の粒子径を有するラテックス及び特定の還元末端基
量、分子量を有するデンプンを使用する方法(特願平9-
77862)により印刷ムラを改善し得ることを認めた。
【0004】一方、近年紙ユーザーサイドでは、用紙の
コストダウン指向が一層強まり、使用される紙もより薄
物、軽量化に向かう傾向がある。従って薄物化に伴い、
不透明度、印刷裏抜けの改善が紙メーカサイドの重要な
課題になっていることから、比表面積の大きな紡錘状あ
るいは柱状の軽質炭酸カルシウムを塗被用顔料に使用す
る試みが多くなされている。
【0005】本発明者等も、このような観点から特殊な
形状(紡錘状あるいは柱状)の軽質炭酸カルシウムを塗
被紙用顔料に使用することにより、不透明度、印刷裏抜
け、白色度を改善する方法を見出している(特開平6-73
695, 特開平6-73698)が、これらはいずれも印刷方式の
異なるグラビア印刷用紙に適用したものであり、オフセ
ット印刷時の特有の問題であるモットリング、トラッピ
ングムラ適性については未解明であった。
【0006】また、従来より使用されてきた前記特定の
形状を有する軽質炭酸カルシウムは、従来の製法に従っ
た石灰乳と炭酸ガスとの反応(以後炭酸ガス法と称す)
で製造されたものであったため、カオリン同様単価が高
く、安価な重質炭酸カルシウムからの置き換えでは、大
幅な製造コストアップが避けられなかった。また本発明
者等が、前記炭酸ガス法で得られた紡錘状軽質炭酸カル
シウムをオフセット印刷用紙に使用した場合には、イン
キ乾燥性が遅い問題があることを認めた。したがって近
年印刷機の高速化が更に進む中、インキ乾燥性をよりい
っそう早くする必要に迫られている。
【0007】また一方で前記のごとくブレードコータの
高速化に伴い、スタラクタイトやブリーディングトラブ
ル(ブレードの刃先に塗被液の凝集物が付着する現象)
の発生頻度が増加することが知られており、紡錘状ある
いは針状、柱状等特殊な形状を有する軽質炭酸カルシウ
ムを使用した塗被液は、高せん断速度下での粘度が高く
なる傾向があるため、上記ブレードでの高速操業性が低
下することが懸念される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のような状況を鑑
み、本発明の課題は光沢ムラ、モットリング、トラッピ
ングムラに優れ、白紙光沢度、平滑度が高く、ブレード
コータでの操業性にも優れた光沢塗被紙を低コストで提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題について鋭意研究を重ねた結果、顔料成分として硫酸
塩法またはソーダ法によるパルプ製造工程の苛性化工程
において生石灰を白液を用いて消和後、緑液を用いて苛
性化反応で製造された、長径が0.5〜4.0 μmで、短径が
0.2〜0.7 μmの範囲内にある米粒状または紡錘状の軽質
炭酸カルシウムを、顔料成分100重量%に対して、30〜80
重量%含む塗被液を塗被した後、白紙光沢度を50%よ
り高くすることにより本発明を成すに至った。
【0010】以下本発明の詳細を示す。
【0011】本発明者等は、苛性化工程で製造された米
粒状あるいは紡錘状の軽質炭酸カルシウムを配合するこ
とにより、光沢ムラ、モットリング、トラッピングム
ラ、インキ乾燥性に非常に優れた光沢塗被紙を低コスト
で製造できることを認めた。
【0012】本発明においては、全顔料中に占める苛性
化工程で製造された米粒状あるいは紡錘状の軽質炭酸カ
ルシウムの配合量は30〜80重量%である。配合量が
30重量%より少なくなった場合には、光沢ムラ、モッ
トリング、トラッピングムラの改善効果が少ない。逆に
配合量が80重量%より多くなった場合には、白紙光沢
度、平滑度が低下する。また、形状が米粒状あるいは紡
錘状以外の軽質炭酸カルシウムを用いた場合には、光沢
ムラやトラッピングムラ等が発生した。
【0013】通常、光沢塗被紙には顔料として微粒子の
カオリンと重質炭酸カルシウムが併用される。板状の形
状を有するカオリンは、カレンダーで表面仕上げされる
際配向しやすく、かつ形状が必ずしも均一でないため、
部分的に不均一な配向を起こし、この配向むらが光沢ム
ラになると考えられる。この配向ムラを起こしやすいカ
オリンと不定形状で粒子径分布がブロードな重質炭酸カ
ルシウムから構成される塗被層は、密度ムラ、空隙構造
のムラが多く、その結果印刷インキの浸透ムラに起因す
るモットリングやトラッピングムラが発生するものと考
えられる。これに対し、本発明によって得られる米粒
状、紡錘状軽質炭酸カルシウムは、粒子径分布がより均
一で、かつ細長い形状であるため、配向むらが起こりに
くいため、比較的均一な塗被層空隙構造を形成し、光沢
ムラや、モットリング、トラッピングムラに優れるもの
と考えられる。但し配合量が多くなりすぎると、カオリ
ンより白紙光沢度、平滑度が出にくくなる。
【0014】更に本発明においては、白紙光沢度を50
%以上になるようにカレンダー処理して初めて光沢ムラ
やモットリング、トラッピングムラが問題となる。50
%より低い白紙光沢度のレベルでは、カレンダー処理線
圧が低いため、各顔料間での配向むら、密度ムラ、空隙
構造のムラの差が現れにくいため問題とならない。
【0015】また、本発明においては、苛性化工程で製
造された米粒状あるいは紡錘状の軽質炭酸カルシウムを
使用することが重要である。苛性化反応ではなく炭酸ガ
ス法の米粒状または紡錘状の軽質炭酸カルシウムを用い
た場合、インキ乾燥性が遅くなる問題があった。従来の
炭酸ガス法で製造された軽質炭酸カルシウムと比較し、
インキ乾燥性に優れる理由については明確ではないが、
本法で製造された軽質炭酸カルシウムは、炭酸ガス法で
製造されたものと比較して、種々の液体に対する濡れ性
(浸漬熱の評価:東京理工社製・双子型伝導熱量計MMC5
111)に大きな差が認められ、本法で得られた軽質炭酸
カルシウムは水に対する濡れ性が低く、逆にインキ溶剤
に対する濡れ性が高かった。この濡れ性の違いが製法の
どこに起因するものであるか明確ではないが、本法で得
られたものは、インキとのなじみに優れるため、インキ
乾燥性が速いものと考えられる。
【0016】本発明において米粒状または紡錘状の軽質
炭酸カルシウムの粒子径については、長径が0.5μmより
小さい場合や短径が0.2μmより小さい場合には、塗被液
の粘度が高くなりすぎ、例えば塗被装置としてブレード
コータを使用した場合、スタラクタイトやブリーディン
グが多発し、操業性を著しく損ない易い。また短径が0.
7μmより大きい場合には、平均粒子径が大きくなり、白
紙光沢度、平滑度が低下する傾向となる。長径が4.0 μ
mより大きい場合には、ブレードの刃先に引っかかりや
すくなるため、ストリークが多発する問題が起こり易
い。
【0017】以上の方法で製造された特定の形状を有す
る軽質炭酸カルシウムを使用することによって初めて、
低コストで、光沢ムラ、モットリング、トラッピングム
ラに優れ、白紙光沢度、平滑度が高く、ブレードコータ
での操業性に優れた光沢塗被紙を製造し得るものであ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明で規定する特定の形状を有
する軽質炭酸カルシウムは、硫酸塩法またはソーダ法に
よるパルプ製造工程の苛性化工程で製造されたものを使
用する。
【0019】硫酸塩法またはソーダ法によるパルプ製造
工程においては、木材中の繊維素を単離するために水酸
化ナトリウムと硫化ナトリウムを混合した薬液を用いて
高温、高圧下で木材チップを蒸解する。そして繊維素は
固相として分離精製されてパルプとなり、薬液及び木材
からの繊維素以外の溶出成分は黒液として回収され、回
収ボイラーで燃焼可能な濃度まで濃縮される。さらに、
一連の過程で失われたナトリウム分と硫黄分を補給する
ために硫酸ナトリウムが添加された後、回収ボイラーで
燃焼される。その際、黒液中の有機物質は熱源として、
無機物質は主として炭酸ナトリウムおよび硫化ナトリウ
ムとして回収されるが、これらの無機物質はスメルトと
呼ばれ溶融状態で回収ボイラーから取り出される。回収
ボイラーから取り出されたスメルトは、水または弱液
(炭酸カルシウムを水洗浄した後に得られる、白液成分
を微量含んだ液)で溶解されて緑液となる。
【0020】苛性化工程とは、緑液中の炭酸ナトリウム
を蒸解薬品である水酸化ナトリウムに変えるための工程
であり、生石灰を消石灰に変える消和反応(1)と、消
石灰と緑液を混合し水酸化ナトリウムと炭酸カルシウム
を生成する苛性化反応(2)よりなる。苛性化反応によ
って得られた水酸化ナトリウムの液は白液と呼ばれ、炭
酸カルシウムと分離、清澄化されて蒸解工程へ送られ
る。本発明では分離回収し、十分に水洗浄された炭酸カ
ルシウムを使用する。
【0021】 CaO+H2O→Ca(OH)2 (1):消和反応 Ca(OH)2+Na2CO3→CaCO3+2NaOH (2):苛性化反応 この炭酸カルシウムはパルプ製造工程の薬液として使用
する白液を製造する際の副産物であるため、従来の石灰
乳と炭酸ガスとの反応による方法で得られる軽質炭酸カ
ルシウムに比べて非常に低コストで製造し得る。
【0022】更に本発明において規定する米粒状、紡錘
状軽質炭酸カルシウムは以下の製造法に従って製造され
る。すなわち、(1)苛性化工程で発生し、及び/又は、
苛性化工程外から導入した生石灰であって、(2)0.1〜10
重量%の炭酸カルシウムを含有する前記生石灰に対し
て、生石灰濃度が0.5〜60重量%になるように白液
を添加し、攪拌あるいは混和しながら消和させて石灰乳
及び/又は石灰泥を生成する第一段工程、次いで該石灰
乳及び/又は石灰泥に、前記苛性化工程で発生し、白液
を製造するに必要な所定量の緑液を該石灰乳及び/又は
石灰泥に対して0.02〜50ml(緑液)/min/g(生
石灰)の添加速度で逐次添加し、反応温度20〜105
℃にて苛性化反応を行うことによって製造するものであ
る。
【0023】また上記軽質炭酸カルシウム以外に使用す
る顔料を特に規定するものではないが、一般的に塗被紙
に使用される重質炭酸カルシウム、その他の軽質炭酸カ
ルシウム、カオリン、クレー、デラミネーテッドクレ
ー、タルク、サチンホワイト、シリカ、硫酸バリウム、
硫酸カルシウム、酸化亜鉛、二酸化チタンなどの無機顔
料、プラスチックピグメントなどの有機顔料等を1種以
上併用することができる。
【0024】また塗被液に使用する接着剤はスチレン・
ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリル
共重合体あるいはその変性物が使用され、モノマーとし
ては、スチレン、ブタジエンの他、メチルメタクリレー
ト他ビニル系不飽和カルボン酸エステル化合物やアクリ
ロニトリル等その他ビニル化合物、あるいはアクリル
酸、フマル酸等ビニル系不飽和カルボン酸を用いること
が望ましい。また併用するデンプンとしては、酸化デン
プン、リン酸エステル化デンプン、エーテル化デンプ
ン、酵素変性デンプンや冷水可溶性デンプン等が使用さ
れる。
【0025】本発明の塗被液には分散剤、増粘剤、保水
剤、消泡剤、耐水化剤等通常の塗被紙用顔料に配合され
る各種助剤を使用しても良い。
【0026】かくして調製された塗被組成物は、一般の
塗被装置で塗被されるが、特に高速塗被に適した、ロー
ルアプリケーションやファウンテンノズルタイプのオン
マシンのブレードコータを使用することが好ましい。ま
たその際の塗被液濃度は50〜68%の範囲が好まし
く、原紙上に単層あるいは多層塗被される。原紙として
は一般の印刷用塗被紙に用いられる坪量30〜150 g
/m2の原紙であり、目的により上質紙、中質紙を選択し
て使用する。
【0027】以上のように原紙に塗被液を塗被、乾燥さ
れた塗被紙は、通常のごとくカレンダー装置(スーパー
カレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダー等)
で表面仕上げされる。
【0028】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に示す
が、これらによって本発明は何ら制約を受けるものでは
ない。なお、例中の部及び%はそれぞれ重量部及び重量%
を示す。
【0029】<品質評価法> (1) 軽質炭酸カルシウム形態観察:生成物を水洗濾過
し、乾燥後走査型電子顕微鏡(日本電子 JSM-5300)で形
状及び短径、長径平均値を測定した。 (2) 白紙光沢度:JIS P-8142に従い、角度75度で測定
した。 (3) 平滑度:王研式平滑度計により測定した。 (4) 塗被液粘度:塗被液のB型粘度(30 ℃、60 rpm、
ロータNo 3)を測定した。 (5) スタラクタイト評価:ブレード塗被時に、スタラク
タイトの発生状況をそれぞれ目視評価した。 ◎:スタラクタイトの発生なし、:スタラクタイトわず
かに発生する、△:スタラクタイト発生多い、×:スタ
ラクタイト発生非常に多い (6) ストリーク評価:ブレード塗被時に、ストリークの
発生状況をそれぞれ目視評価した。 ◎:ストリークの発生なし、:ストリークわずかに発生
する、△:ストリーク発生多い、×:ストリーク発生非
常に多い (7) 光沢ムラ:塗被後、カレンダー処理した製品の微
小光沢のムラを目視評価した。 ◎:光沢ムラほとんどなし、:光沢ムラわずかに発生す
る、△:光沢ムラ多い、×:光沢ムラが非常に多い (8) モットリング評価:RI-II型印刷機(明製作所製)
を用い、サカタインクス製GSL(紅)インキを使用し、
インキ量0.22 mLでベタ印刷し、インキの付着ムラ(印
刷面のインキ濃度ムラ)を目視評価した。 ◎:モットリングほとんど発生しない、:モットリング
わずかに発生する、△:モットリング発生多い、×:モ
ットリング発生が著しい (9) トラッピングムラ評価:RI-II型印刷機(明製作所
製)を用い、東洋インキ製TKハイプラス黄インキを用
い、インキ量0.60 mL一定で印刷し、30秒後にTKハイプ
ラス紅インキを用い、インキ量0.2 mL一定で印刷し、ム
ラの程度を目視評価した。 ◎:トラッピングムラほとんど発生しない、:トラッピ
ングムラわずかに発生する、△:トラッピングムラ発生
する、×:トラッピングムラの発生が著しい
【0030】[実施例1]クラフトパルプ製造工程の苛性
化工程において製造された、長径が1.8 μmで、短径が
0.3 μmである米粒状軽質炭酸カルシウムを50部、重質
炭酸カルシウムを10部及びカオリン40部配合した顔料に
対し、ポリアクリル酸ソーダ系分散剤を0.3部添加し、
カウレス分散機を用いて水に分散し、接着剤としてリン
酸エステル化デンプン4部、スチレン・ブタジエン系共
重合ラテックス11部を配合し、固形分濃度65%の塗被液
を調製した。これを坪量54 g/m2の広葉樹晒しクラフト
パルプ単独配合原紙に、高速ファウンテンブレードコー
タを使用し、塗被速度1300 m/minで、片面当たり固形分
で13g/m2になるように両面塗被し、乾燥した。なお乾燥
には熱風ドライヤ4基使用し、いずれも乾燥温度160
℃、風圧100 mmAqで強乾燥した。更にソフトカレンダー
処理(160 ℃, 300 kg/cm, 4ニップ)した。
【0031】[実施例2]クラフトパルプ製造工程の苛性
化工程において製造された、長径が3.0 μmで、短径が
0.4 μmである紡錘状軽質炭酸カルシウムを60部、カオ
リンを40部配合した顔料を使用した以外は、実施例1と
同様に塗被紙を製造した。
【0032】[実施例3]紡錘状軽質炭酸カルシウムの短
径が0.75μmである以外は、実施例2と同様に塗被紙を
製造した。
【0033】[比較例1]米粒状軽質炭酸カルシウムを85
部、カオリンを15部使用した以外は、実施例1と同様に
塗被紙を製造した。
【0034】[比較例2]紡錘状軽質炭酸カルシウムを10
部、重質炭酸カルシウムを50部使用した以外は、実施例
2と同様に塗被紙を製造した。
【0035】[比較例3]従来の石灰乳と炭酸ガスとの反
応で製造された米粒状軽質炭酸カルシウムを用いた以外
は実施例1と同様に塗被紙を製造した。
【0036】[比較例4]従来の石灰乳と炭酸ガスとの反
応で製造された紡錘状軽質炭酸カルシウムを用いた以外
は実施例1と同様に塗被紙を製造した。
【0037】[比較例5]クラフトパルプ製造工程の苛性
化工程において製造された平均粒子径が0.68μmである
不定形状の軽質炭酸カルシウムを用いた以外は、実施例
1と同様に塗被紙を製造した。
【0038】[比較例6]平均粒子径が0.68μmである不
定形の重質炭酸カルシウムを60部、カオリンを40部配合
した顔料を使用した以外は、実施例1と同様に塗被紙を
製造した。以上の結果を表 1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】表1から明らかなように、実施例1〜3は白
紙光沢度が高く、平滑性及び操業性に極めて優れ、光沢
ムラ、モットリング、トラッピングムラが極めて良好で
あった。これに対し、比較例1は白紙光沢度及び平滑度
が非常に低い。比較例2は、光沢ムラ、モットリング、
トラッピングムラに劣っていた。比較例3及び4は、イ
ンキ乾燥性に劣り、比較例5及び6は光沢ムラ、モット
リング、トラッピングムラに関して満足すべきものでは
なかった。
【0041】従って、本発明により製造された光沢塗被
紙は従来にない優れた塗被紙品質を与え、その効果は極
めて大なるものがある。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−116897(JP,A) 特開 昭61−179398(JP,A) 特開 平6−41463(JP,A) 特開 昭64−18911(JP,A) 特開 平2−118197(JP,A) 特開 平4−185798(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙に顔料と接着剤を含有する塗被液を
    塗被する光沢塗被紙の製造方法において、顔料成分とし
    て硫酸塩法またはソーダ法によるパルプ製造工程の苛性
    化工程で、生石灰を白液で消和した後、緑液を用いて苛
    性化反応で製造された米粒状または紡錘状の軽質炭酸カ
    ルシウムを、顔料成分100重量%に対して30〜80
    重量%含有する塗被液を原紙に塗被した後、白紙光沢度
    を50%より高くすることを特徴とする光沢塗被紙の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 該米粒状または紡錘状の軽質炭酸カルシ
    ウムの長径が0.5〜4.0μmで、短径が0.2〜
    0.7μmであることを特徴とする請求項1記載の光沢
    塗被紙の製造方法。
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