JP3308049B2 - 赤外分光分析に用いるサンプル捕集方法 - Google Patents

赤外分光分析に用いるサンプル捕集方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、赤外分光分析に用いる
サンプル捕集方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば顕微FT−IR(フーリエ変換赤
外分光光度計)を用いた赤外分光分析方法は、情報分解
能(分子識別能力)が高いために化学種の同定や構造分
析などに広く用いられている。例えば液体中に浮遊する
微小(例えば数μm〜100μm程度)の有機物など微
粒子のスペクトル測定する場合、 I.液体をセルロースやPTFE(ポリテトラフルオロ
エチレン)よりなるフィルタで濾過して微粒子(サンプ
ル)を捕集し、その後、先端の鋭利な針を用いて前記微
粒子をピックアップし、これを例えば鏡面仕上げを施し
たステンレス鋼よりなるプレート上に載せて、顕微赤外
分光光度計を用いて反射モードで測定するか、あるい
は、前記ピックアップされた微粒子を赤外透過結晶より
なるプレートに載せて、顕微赤外分光光度計を用いて透
過モードで測定する、 II.前記微粒子を捕集した状態のフィルタをそのまま上
記顕微赤外分光光度計を用いて反射モードで測定する、
というような手法が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記I
の手法においては、次のような不都合がある。 液体を濾過する際に使用するフィルタの能力は、孔径
が0.5μmであるとき、288〜90ml/min/
cm2 である。そして、高純度試薬中に目的とする微粒
子(異物)が多量に存在する場合は問題がないが、例え
ば超純水のように0.5μm以上の微粒子の含有率が少
ない場合は大量の液体を濾過する必要があり、サンプリ
ングに要する時間が長くなり、測定に時間がかかる。
【0004】フィルタ上に捕集された10〜20μm
の微粒子を先端の鋭利な針を用いてピックアップする場
合、フィルタの表面が柔らかいためピックアップが困難
である。また、フィルタと微粒子とが共に有機物であり
かつ反射率が小さく、また、微粒子が極めて微量である
ような場合、目的物である微粒子を見つけだすのが困難
であり、測定時において赤外線を吸収してしまうので、
S/Nが低下する。
【0005】また、上記IIの手法においては、フィルタ
によって捕集された微粒子を他の部材上にピックアップ
する必要がないという利点があるものの、フィルタが赤
外不透明なために、反射モードで測定を行うしかない。
しかしながら、前記セルロースやPTFEよりなるフィ
ルタの赤外反射率は、図10および図11に示すよう
に、1000cm-1〜2000cm-1の範囲では、参照
材料としてステンレス製鏡と比較すると、5%以下と低
い。そして、実際の測定のために、参照材料にこれらの
フィルタを用いて目的物である微粒子のスペクトルを測
定しても、そのスペクトルのS/Nは極端に低下する。
例えばフィルタ自体の反射率が5%のとき、S/Nは2
0倍も低下する。
【0006】本発明は、上述の事柄に留意してなされた
もので、その目的は、目的物である微粒子をフィルタ上
に明瞭に区別して捕集することができ、赤外分光分析を
容易に行うことができる赤外分光分析に用いるサンプル
捕集方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る赤外分光分析に用いるサンプル捕集方
法は、液体または気体中の微粒子を、反射率の高い金
属、例えばAg(銀)、Au(金)、ステンレス鋼など
よりなるフィルタを用いて捕集するようにしている。こ
の場合、フィルタとして、前記反射率の高い金属をメッ
キしたものを用いてもよい。また、フィルタにおける孔
径が0.1〜50μm程度に設定してあるのがよい。
【0008】
【作用】例えばAg製のフィルタを用いた場合、その反
射率がサンプルとしての微粒子のそれと大幅に異なるた
め、微粒子とフィルタとを確実に区別することができ
る。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面を参照しなが
ら説明する。
【0010】図1および図2は、本発明の一実施例を示
し、まず、図1は、本発明方法において用いる装置の一
例を示し、1は微粒子2を含んだ試料液体3を収容した
容器である。4は濾過装置で、容器5とこの容器5に着
脱自在に装着される濾過用漏斗6とからなり、さらに、
この濾過用漏斗6には、フィルタ7が着脱自在に保持さ
れている。このフィルタ7は例えばAgを用いて構成さ
れており、例えば直径25mm、孔径50μmである。
【0011】前記図1に示したようにして、容器1内の
試料液体3を濾過することにより、図2に示すように、
フィルタ7上に捕集された微粒子2が付着する。そし
て、このフィルタ7を顕微赤外分光計の試料ステージ
(図示してない)に載置し、フィルタ7に対して赤外光
8を照射し、そのときの反射光9に基づいてスペクトル
を得ることができる。この実施例によれば、フィルタ7
によって捕集された微粒子2をフィルタ7からピックア
ップする必要がなく、直ちにスペクトル測定が行なえ
る。
【0012】ここで、本発明方法で用いたAg製のフィ
ルタ(以下、Agフィルタという)と、従来のセルロー
ス製のフィルタ(セルロースフィルタという)およびP
TFE製のフィルタ(PTFEフィルタという)とにお
ける性能の比較を行うと次のようになる。
【0013】前記スペクトル方法のための前記各種フィ
ルタのベースラインは図4、図6、図8に示される通り
である。すなわち、図4はAgフィルタの、図6はセル
ロースフィルタの、図8はPTFEフィルタのベースラ
インをそれぞれ示している。そして、これらの図から、
1000〜2000cm-1の範囲におけるベースライン
ノイズは、Agフィルタにおいては、±0.1%しかな
いのに、セルロースフィルタにおいては±50%、PT
FEフィルタにおいては±15%もある。
【0014】そして、前記各フィルタを用いて、フィル
タ上に捕集された直径20μmのポリスチレンテックス
微粒子のスペクトルを、図2に示すような反射モードで
求めたところ、図3、図5、図7に示すような結果であ
った。すなわち、図3はAgフィルタを用いた場合、図
5はセルロースフィルタを用いた場合、図7はPTFE
フィルタを用いた場合におけるスペクトルをそれぞれ示
している。そして、これらの図から、Agフィルタを用
いた場合は極めて鮮明な、つまり、S/Nの極めて優れ
たスペクトルが得られるのに対し、セルロースフィルタ
やPTFEフィルタを用いた場合には、ノイズが多く、
従って、S/Nがよくないということが判る。
【0015】また、図9に示すように、Agフィルタ
は、1000〜2000cm-1の範囲では、反射率が4
0%以上であり、従って、直接反射吸収スペクトルを測
定しても良好なS/Nを得ることができる。
【0016】上述の説明から明らかなように、試料液体
3中の微粒子2の捕集に用いるフィルタ7としては、微
粒子2と反射率が異なるものであればよく、より好まし
くは高い反射率を有する金属からなるものがよい。従っ
て、Agの他に、Auやステンレス鋼などを用いてフィ
ルタ7を構成してもよい。また、フィルタ7を他の材料
で形成し、その全面に前記高反射率の金属をメッキする
ようにしてもよい。
【0017】また、フィルタ7の孔径としては、0.1
〜50μmが適当である。このようにした場合、液体中
に浮遊する数μm〜100μm程度の有機物など微粒子
を確実に捕集することができる。
【0018】そして、本発明に係るサンプル捕集方法
は、透過モードでスペクトル測定を行う場合にも適用で
きる。その場合、フィルタ7によって捕集された微粒子
を赤外透過結晶よりなるプレートに移す必要がある。
【0019】さらに、本発明に係るサンプル捕集方法
は、前記液体中の微粒子の捕集のみならず、空気など気
体中に浮遊する微粒子を捕集し、これを赤外分光分析す
る場合にも適用できる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フィルタに高反射性をもたしているので、微粒子をフィ
ルタと明瞭に識別することができ、従って、使用する試
料の量が少なくて済むと共に、良好なS/Nでスペクト
ル測定を行うことができる。また、反射モードでスペク
トル測定を行う場合には、フィルタによって捕集された
微粒子を他のプレートなどに移す必要がなく、直ちに測
定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法において用いる装置の一例を概略的
に示す図である。
【図2】反射モードによるスペクトル測定を行う状態を
概略的に示す図である。
【図3】ポリスチレンテックス微粒子をAgフィルタを
用いて捕集し、その状態でスペクトル測定したときに得
られるスペクトルの一例を示す図である。
【図4】Agフィルタのベースラインを示す図である。
【図5】ポリスチレンテックス微粒子をセルロースフィ
ルタを用いて捕集し、その状態でスペクトル測定したと
きに得られるスペクトルの一例を示す図である。
【図6】セルロースフィルタのベースラインを示す図で
ある。
【図7】ポリスチレンテックス微粒子をPTFEフィル
タを用いて捕集し、その状態でスペクトル測定したとき
に得られるスペクトルの一例を示す図である。
【図8】PTFEフィルタのベースラインを示す図であ
る。
【図9】Agフィルタの赤外透過率を示す図である。
【図10】セルロースフィルタの赤外透過率を示す図で
ある。
【図11】PTFEフィルタの赤外透過率を示す図であ
る。
【符号の説明】
2…微粒子、7…フィルタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 1/10 G01N 21/01 G01N 21/35 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体または気体中の微粒子を、反射率の
    高い金属よりなるフィルタを用いて捕集することを特徴
    とする赤外分光分析に用いるサンプル捕集方法。
  2. 【請求項2】 液体または気体中の微粒子を、反射率の
    高い金属をメッキしたフィルタを用いて捕集することを
    特徴とする赤外分光分析に用いるサンプル捕集方法。
  3. 【請求項3】 フィルタにおける孔径が0.1〜50μ
    mである請求項1または請求項2に記載された赤外分光
    分析に用いるサンプル捕集方法。
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