JP3307339B2 - 羽根トラバース装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、逆方向に回転する
２枚のトラバース羽根で糸の受け渡しを行って、糸をト
ラバースさせる羽根トラバース装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の羽根トラバース装置としては、ト
ラバース軌跡を形成するトラバースガイドと、このトラ
バースガイドに沿って互いに逆方向に回転し、糸をトラ
バース軌跡の折り返し点間でトラバースさせる２枚のト
ラバース羽根とを備えるものが知られている。この羽根
トラバース装置では、トラバース軌跡の折り返し点にお
いて、複数の補助ガイドによって糸道を折り曲げて上下
のトラバース羽根間で糸の受け渡しを行えるようにして
いる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、トラバ
ース折り返し点で行われる上下のトラバース羽根間の糸
の受け渡しを、複数の補助ガイドで強制的に折り曲げて
行うと、折り返し点における糸道の屈曲程度が大きくな
って糸のダメージが増加するという問題点があった。そ
こで、トラバースガイドの左右の折り返し点の形状に差
を設け、トラバーガイドに糸道を屈曲させる機能を持た
せ、補助ガイドの数を減らして、屈曲の程度を軽減する
ものも提案されているが、左右の折り返し点で補助ガイ
ドを用いて、糸道を屈曲させるという点には変わりがな
く、糸のダメージの軽減にも限界があった。

【０００４】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的とすることろは、トラバース軌
跡の折り返し点での糸道の屈曲を極力なくとすととも
に、上下のトラバース羽根間での糸の受け渡しを確実に
行えることのできる羽根トラバース装置を提供すること
にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成する請求
項１記載の発明は、接触ローラに至る糸のトラバース軌
跡を形成するガイド面を有するトラバースガイドと、前
記ガイド面の左右の折り返し点で糸を受け渡し、前記ガ
イド面に沿って糸を左右に運べるよう、前記ガイド面に
対して出入りしつつ互いに逆方向に回転する２枚のトラ
バース羽根と、を備える羽根トラバース装置において、
前記２枚のトラバース羽根を、前記トラバースガイドに
対して糸走行方向の下に配設し、前記トラバースガイド
のガイド面から前記接触ローラに至る糸道を前記折り返
し点付近で安定させる糸ガイドを、前記２枚のトラバー
ス羽根の間に、そのガイド面が前記トラバースガイドに
対して反対を向くように配置し、前記糸ガイドのガイド
面を、前記トラバースガイドのガイド面から前記接触ロ
ーラに向かう糸道部分のトラバース軌跡に沿うように配
設した羽根トラバース装置である。糸ガイドによって、
前記ガイド面から前記接触ローラに至る糸道を前記折り
返し点付近で安定させると、前記ガイド面に対して出入
りしつつ互いに逆方向に回転する２枚のトラバース羽根
の間で糸を受け渡す際に、トラバース羽根先端からの糸
跳ねが阻止され、糸の受け渡しが確実に行われる。

【０００６】また、糸ガイドのガイド面を、トラバース
ガイドのガイド面から接触ローラに至る糸道部分のトラ
バース軌跡に沿うように配設しているので、糸ガイドの
ガイド面と糸との接触が実質的にゼロ接触の状態にな
り、前記糸道の屈曲が実質的になくなり、糸に与えるダ
メージをなくすことができ、かつ糸道を安定させること
ができる。

【０００７】また、互いに逆方向に回転する２枚のトラ
バース羽根の間で糸を受け渡すため、２枚のトラバース
羽根の間に糸ガイドを配置すると、糸ガイドを両トラバ
ース羽根に接近させて配置することができ、トラバース
羽根先端での糸跳ねの防止が効果的に行われる。

【０００８】請求項２記載の発明は、前記糸ガイドは、
下のトラバース羽根から上のトラバース羽根へと糸を受
け渡す折り返し点では、前記２枚のトラバース羽根の間
に、そのガイド面が前記トラバースガイドのガイド面に
対して反対方向を向くように配置されている第１糸ガイ
ドに加えて、この第１糸ガイドのガイド面に対してその
ガイド面が反対方向を向くように前記下トラバース羽根
の下に配置されている第２糸ガイドからなる請求項１記
載の羽根トラバース装置である。下から上への糸渡しに
際しては、下側のトラバース羽根先端からの糸跳ねは、
２枚のトラバース羽根の間の第１糸ガイドでしか防止さ
れないため、下トラバース羽根の下に配置された第２糸
ガイドの共同で糸道を安定させる。なお、上から下への
糸渡しに際しては、上側のトラバース羽根先端からの糸
跳ねは、トラバースガイドと２枚のトラバース羽根の間
の第３糸ガイドの両方で防止される。この第３糸ガイド
は、上記第１糸ガイドに相当するものである。

【０００９】請求項３記載の発明は、前記糸道が垂直方
向に対して傾斜している請求項１または２に記載の羽根
トラバース装置である。糸は通常垂直方向から羽根トラ
バース装置に導入されるため、トラバースガイドが接触
ローラに至る糸道を傾斜させると、トラバースガイドか
ら接触ローラに至る糸道がより安定する。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態における
羽根トラバース装置について、図面を参照しつつ説明す
る。図１は、羽根トラバース装置を示す斜視図であり、
図２は、図１のＡ矢視図であって、羽根トラバース装置
を示す上面図であり、図３は、図１のＢ矢視図であっ
て、羽根トラバース装置を示す正面図である。

【００１１】図１〜図３の羽根トラバース装置１は、ボ
ビンホルダ２に装着されたボビンＶに接触して回転させ
る接触ローラ３の上方に設けられ、パッケージＰに巻取
られる糸Ｙをトラバースさせるものである。接触ローラ
３は、積極駆動されるボビンホルダに連れ回るタッチロ
ーラ、又はボビンホルダを駆動するためのフリクション
ローラである。

【００１２】この羽根トラバース装置１は、トラバース
軌跡に沿って糸Ｙをガイドするトラバースガイド４と、
パッケージＰに巻取られる糸Ｙをトラバースする上下２
枚のトラバース羽根５，６と、トラバース軌跡の左のト
ラバース折り返し点ａで糸Ｙを安定させる第１糸ガイド
７及び第２糸ガイド９と、トラバース軌跡の右のトラバ
ース折り返し点ｂで糸Ｙをガイドする第３糸ガイド８と
で構成される。これらの糸ガイド７，８，９は、糸跳ね
防止ガイドとして機能している。

【００１３】トラバースガイド４は、糸Ｙのトラバース
中心Ｏ１から接触ローラ３の軸方向両側に等距離Ｌ１，
Ｌ２を隔ててトラバース折り返し点ａ，ｂを有し、これ
ら折り返し点ａ，ｂの間にトラバース軌跡を形成するガ
イド面１０を有している。このガイド面１０は、トラバ
ース中心Ｏ１から半径ｒ１を持って突出する円弧形状１
０ａと、この円弧形状の両側に連続して接触ローラ３の
軸方向に延びて折り返し点ａ，ｂを含む円弧状の窪み形
状１０ｂ，１０ｃから形成されている。

【００１４】図４及び図５に示すように、このトラバー
スガイド４は、接触ローラ３の上方に位置して、接触ロ
ーラ３からガイド面１０ａ，１０ｂ，１０ｃ迄の糸の長
さを短くするため、水平に対して角度βだけ傾斜して配
設されている。トラバースガイド４の傾斜に合わせて、
上下２枚のトラバース羽根５，６と糸ガイド７，８，９
も、水平に対して角度βだけ傾斜している。この角度β
の程度は接触ローラ３の大きさによって異なるが、通常
は３０°前後と大きい。

【００１５】また、トラバースガイド４の左右の折り返
し点ａ，ｂにおける、トラバースガイド４のガイド面１
０ｂ，１０ｃから接触ローラ３に至る糸道Ｓは、垂直に
対して角度αだけ傾斜ている。これにより、トラバース
ガイド４のガイド面１０ｂ，１０ｃで糸が僅かに屈曲す
るものの、垂直上方から供給される糸Ｙのガイド面１０
ｂ，１０ｃ以降の糸に適度の張力が掛かって糸道Ｓが安
定する。なお、適切な角度αは、５°前後、３〜７°の
範囲である。

【００１６】上下のトラバース羽根５，６は、トラバー
スガイド４と接触ローラ３の間に位置するとともに、ト
ラバースガイド４と平行且つ接触ローラ３の軸とも平行
に回転できるように糸走行方向の上下に配設されてい
る。前述したように、上下のトラバース羽根５，６、ト
ラバースガイド４を水平に対して角度βだけ傾斜させる
ことにより、糸道Ｓの距離をできるだけ短くしている。

【００１７】図２において、上のトラバース羽根５は、
トラバース中心Ｏ１からトラバース折り返し点ａ側にの
みεだけ偏心された回転中心Ｏ２を有しており、その中
心Ｏ２に対して点対称で回転方向に１８０°離れた位置
に２つの羽根先端５ａ，５ｂを形成している。下のトラ
バース羽根６は、トラバース中心Ｏ１からトラバース折
り返し点ｂ側にのみεだけ偏心された回転中心Ｏ３を有
しており、その中心Ｏ３に対して点対称で回転方向に１
８０°離れた位置に２つの羽根先端６ａ，６ｂを形成し
ている。この上下のトラバース羽根５，６は、トラバー
スガイド４の半径ｒ１より大きな回転軌跡Ｓ１，Ｓ２を
有しており、互いに逆方向に回転して、トラバース折り
返し点ａ，ｂで各羽根先端５ａ，５ｂと６ａ，６ｂとの
間で糸の受け渡しが可能になっている。

【００１８】また、上のトラバース羽根５の直径は、下
のトラバース羽根６の直径より僅かに小さく、回転円の
真上から見ると、トラバース折り返し点ａでは、上下の
トラバース羽根５，６の先端５ａ，５ｂは殆ど重なって
おり、トラバース折り返し点ｂでは、上のトラバース羽
根５の先端５ａより下のトラバース羽根６の先端６ｂが
飛び出している。

【００１９】図４に示されるように、トラバース折り返
し点ａでは、上下のトラバース羽根５，６が水平に対し
て角度βだけ斜めであって、且つ角度β＞角度αである
ため、自然と下のトラバース羽根６の先端６ａから外れ
た糸が、上のトラバース羽根５の先端５ａに引っ掛かる
配置となっている。

【００２０】図５に示されるように、トラバース折り返
し点ｂでは、上下のトラバース羽根５，６が水平に対し
て角度βだけ斜めであって、且つ角度β＞角度αである
ため、自然と上のトラバース羽根５の先端５ａから外れ
た糸が、下のトラバース羽根６の先端６ａに引っ掛かる
配置となっている。

【００２１】これで、上下のトラバース羽根５，６の中
心Ｏ２，Ｏ３を偏心させ、互いに逆方向に回転させる
と、トラバース折り返し点ｂでは、上の羽根先端５ａか
ら下の羽根先端６ａへの糸Ｙの受け渡しが行われるよう
に先端の出入りが生じ、下のトラバース羽根６の回転で
糸Ｙを折り返し点ａまでトラバースさせる。また、トラ
バース折り返し点ａでは、下の羽根先端６ａから上の羽
根先端５ｂへの糸Ｙの受け渡しが行われるように先端の
出入りが生じ、上のトラバース羽根６の回転で糸Ｙを折
り返し点ｂまでトラバースさせる。結局、上下のトラバ
ース羽根５，６が互いに逆方向に１回転する間に、各羽
根先端５ａ，５ｂと６ａ，６ｂとがトラバースガイド４
のトラバース軌跡（ガイド面１０）に沿って糸Ｙを２往
復させる。尚、上下のトラバース羽根５，６の羽根先端
の数は、２つに限定されるものでなく、回転方向に１２
０°ごとに形成した３つの羽根先端を有するものであっ
ても良い。

【００２２】糸跳ね防止用の第１糸ガイド７と第２糸ガ
イド８は、トラバース折り返し点ａに配置される。図３
に示されるように、第１糸ガイド７は上下のトラバース
羽根５，６の間に配置され、第２糸ガイド８は下のトラ
バース羽根６の更に下側に配置されている。糸跳ね防止
用の第３糸ガイド９は、トラバース折り返し点ｂに配置
されてる。この第３糸ガイド９は、上下のトラバース羽
根５，６の間に配置される。上下トラバース羽根５，６
の間の第１糸ガイド７と第３糸ガイド９は必ず必要であ
るものの、第２糸ガイド８の設置は任意である。

【００２３】図１に示されるように、糸跳ね防止用の第
１糸ガイド７は、トラバース折り返し点ａで上下のトラ
バース羽根５，６の間に位置し、補助的な第２ガイド８
は下のトラバース羽根６の下方に位置しており、これら
各糸ガイド７，８をトラバースガイド４のブラケット１
１で支持している。この糸跳ね防止用の第１糸ガイド７
は、図２にも示すように、トラバースガイド４の外側か
らガイト面１０の窪み形状１０ｂに隙間δ１を隔てて下
方で対峙しており、トラバースガイド４と接触ローラ３
との間の糸道部分のトラバース軌跡に沿った形状のガイ
ド面７ａを有している。この隙間δ１は、折り返し点ａ
にトラバースされた糸Ｙを各ガイド４，７で挟むように
ガイドして安定させることができ、折り返し点ａに至っ
た糸Ｙの接触ローラに至る糸道を第１ガイド７によって
折り曲げないようになっている。

【００２４】また、補助的な第２糸ガイド８は、図２に
も示すように、トラバースガイド４の内側から突出量δ
２を持って、糸跳ね防止用ガイド７と下方で重ねられて
おり、トラバースガイド４と接触ローラ３との間の糸道
部分のトラバース軌跡に沿った形状のガイド面８ａを有
している。この突出量δ２は、折り返し点ａの糸Ｙのト
ラバースガイド４から接触ローラに至る糸道を第１糸ガ
イド７と協同してガイドでき、折り返し点ａに至った糸
Ｙの糸道を第２糸ガイド８によって折り曲げないように
なっている。

【００２５】図４に示すように、下のトラバース羽根６
の回転でトラバース折り返し点ａ近傍までトラバースさ
れた糸Ｙは、下のトラバース羽根６の先端６ａから外
れ、上のトラバース羽根５の先端５ａに掛かるという糸
の受け渡し動作の際に、下のトラバース羽根６の先端６
ａから跳ねでようとするが、第１糸ガイド７によって跳
ね出しが阻止される。また、第２糸ガイド８によって、
糸の跳ね出しが更に確実に阻止される。また、これら糸
ガイド７，８の先端のガイド面７ａ，８ａは、トラバー
スガイドのガイド面１０ｂから接触ローラ３に至る糸道
部分に沿うように配置されている。これにより、糸ガイ
ド７，８のガイド面７ａ，８ａと糸との接触が実質的に
ゼロ接触の状態となる。ただし、上下トラバース羽根
５，６の先端位置との関係で、これら糸ガイド７，８の
先端のガイド７ａ，８ａ面を僅かに糸道Ｓから離した
り、糸道Ｓに僅かに押し込む位置に配置することもでき
る。

【００２６】従って、折り返し点ａに至った糸Ｙは、ト
ラバースガイド４のガイド面１０に沿った自然の状態で
トラバースされることから、糸が安定された状態にな
り、下のトラバース羽根６から上のトラバース羽根５へ
の糸Ｙの受け渡しを確実に行える。また、各糸ガイド
４，７，８でガイドされる糸Ｙは、そのトラバースガイ
ド４と接触ローラ３とを結ぶ糸Ｙを折り曲げられること
なく、直線状態にされることから、各ガイド４，７，８
との接触抵抗を低減され、糸のダメージも少なくするこ
とが可能となる。なお、折り返し点ａでは、第１糸ガイ
ド７が重要であって、第２糸ガイドは必要に応じて設け
るようにすることができる。

【００２７】図２に示すように、糸跳ね防止用の第３糸
ガイド９は、トラバース折り返し点ｂで上下のトラバー
ス羽根５，６の間に位置しており、トラバースガイドの
ブラケット１２で支持されている。この糸跳ね防止用の
第３糸ガイド９は、トラバースガイド４の外側からガイ
ド面１０の窪み形状１０ｃに隙間なく下方で対峙してお
り、トラバースガイド４と接触ローラ３との間の糸道部
分のトラバース軌跡に沿った形状のガイド面９ａを有し
ている。

【００２８】図５に示すように、上のトラバース羽根５
の回転でトラバース折り返し点ｂ近傍までトラバースさ
れた糸Ｙは、上のトラバース羽根５の先端５ａから外
れ、下のトラバース羽根６の先端６ａに掛かるという糸
の受け渡し動作の際に、上のトラバース羽根５の先端５
ａから跳ねでようとするが、第３糸ガイド９によって跳
ね出しが阻止される。各糸ガイド４，９によってガイド
されつつガイド面１０の窪み形状１０ｃ（トラバース軌
跡）に沿ってトラバースされることから、折り返し点ｂ
における糸跳ねが防止される。また、各ガイド４，９で
ガイドされる糸Ｙは、折り曲げられることなく、直線状
態にされることから、各ガイド４，９との接触抵抗を低
減され、ダメージも少なくすることが可能となる。

【００２９】上述の羽根トラバース装置１は、図６及び
図７に示すように、紡績巻取機２０（繊維機械）の各巻
取ユニットＵ１，Ｕ２，Ｕ３・・・を構成して、接触ロ
ーラ３の軸方向に複数だけ列設されている。図６及び図
７では、隣接するユニットＵ１，Ｕ２の上下のトラバー
ス羽根５，６同士を、互いの上下のトラバース羽根５，
６の間に挿入して列設したものを示している。このよう
に、各巻取ユニットＵ１，Ｕ２，Ｕ３の上下のトラバー
ス羽根５，６を、相互にオーバーラップさせる状態で配
置すると、各巻取ユニットＵ１，Ｕ２，Ｕ３・・・に対
する羽根トラバース装置１の列設スペースを低減でき
る。

【００３０】尚、羽根トラバース装置１を列設は、図６
及び図７に示すものに限定されず、隣接する巻取ユニッ
トの上下のトラバース羽根同士を、互いの上下のトラバ
ース羽根間に挿入するとともに、各羽根トラバース装置
を接触ローラの軸に対して傾斜させるように列設しても
良い。これで、各羽根トラバース装置からパッケージに
至る距離を相互に均一にでき、各巻取ユニットでパッケ
ージに巻取られる糸のトラバースを同等にできる。

【００３１】

【発明の効果】請求項１記載の発明では、糸ガイドによ
って、前記ガイド面から前記接触ローラに至る糸道を前
記折り返し点付近で安定させ、２枚のトラバース羽根の
間で糸を受け渡す際に、トラバース羽根先端からの糸跳
ねを阻止しているため、糸の受け渡しが確実に行われ
る。

【００３２】また、糸ガイドのガイド面をトラバースガ
イドのガイド面から接触ローラに至る糸道部分に沿うよ
うにしているため、前記糸道の屈曲が実質的になくな
り、糸のダメージが殆どなくなる。従って、糸のダメー
ジを殆どなくすことと、糸の受け渡しの確実性との両立
が可能になる。

【００３３】また、２枚のトラバース羽根の間に糸ガイ
ドを配置するため、トラバース羽根先端での糸跳ねの防
止が効果的に行われ、少ない糸ガイドで糸道を安定させ
ることができる。

【００３４】請求項２記載の発明では、下から上への糸
渡しに際して、下側のトラバース羽根先端からの糸跳ね
を、２枚のトラバース羽根の間の第１糸ガイドと下トラ
バース羽根の下に配置された第２糸ガイドの共同で糸道
を安定させるため、糸の受け渡しの確実性がより向上す
る。

【００３５】請求項３記載の発明では、トラバースガイ
ドが接触ローラに至る糸道を傾斜させることにより、ト
ラバースガイドから接触ローラに至る糸道をより安定に
しているため、糸の受け渡しの確実性がより向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】羽根トラバース装置を示す斜視図である。

【図２】図１のＡ矢視図であって、羽根トラバース装置
を示す上面図である。

【図３】図１のＢ矢視図であって、羽根トラバース装置
を示す正面図である。

【図４】図１のＣ矢視図であって、羽根トラバース装置
を示す側面図である。

【図５】図１のＤ矢視図であって、羽根トラバース装置
を示す側面図である。

【図６】複数の羽根トラバース装置を列設した状態を示
す上面図である。

【図７】複数の羽根トラバース装置を列設した状態を示
す正面図である。

【符号の説明】

１ 羽根トラバース装置 ２ ボビンホルダ ３ 接触ローラ ４ トラバースガイド ５ 上のトラバース羽根 ６ 下のトラバース羽根 ７ 糸跳ね防止用の第１糸ガイド ８ 補助的な第２糸ガイド ９ 糸跳ね防止用の第３糸ガイド １０ ガイド面

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 接触ローラに至る糸のトラバース軌跡を
   形成するガイド面を有するトラバースガイドと、前記ガ
   イド面の左右の折り返し点で糸を受け渡し、前記ガイド
   面に沿って糸を左右に運べるよう、前記ガイド面に対し
   て出入りしつつ互いに逆方向に回転する２枚のトラバー
   ス羽根と、を備える羽根トラバース装置において、前記２枚のトラバース羽根を、前記トラバースガイドに
   対して糸走行方向の下に配設し、 前記トラバースガイドの ガイド面から前記接触ローラに
   至る糸道を前記折り返し点付近で安定させる糸ガイド
   を、前記２枚のトラバース羽根の間に、そのガイド面が
   前記トラバースガイドに対して反対を向くように配置
   し、 前記糸ガイドのガイド面を、前記トラバースガイドのガ
   イド面から前記接触ローラに向かう糸道部分のトラバー
   ス軌跡に沿うように配設した羽根トラバース装置。
2. 【請求項２】 前記糸ガイドは、下のトラバース羽根か
   ら上のトラバース羽根へと糸を受け渡す折り返し点で
   は、前記２枚のトラバース羽根の間に、そのガイド面が
   前記トラバースガイドのガイド面に対して反対方向を向
   くように配置されている第１糸ガイドに加えて、この第
   １糸ガイドのガイド面に対してそのガイド面が反対方向
   を向くように前記下トラバース羽根の下に配置されてい
   る第２糸ガイドからなる請求項１記載の羽根トラバース
   装置。
3. 【請求項３】 前記糸道が垂直方向に対して傾斜してい
   る請求項１または２に記載の羽根トラバース装置。