JP3305425B2 - プラズマ加工方法 - Google Patents

プラズマ加工方法

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JP3305425B2
JP3305425B2 JP15354793A JP15354793A JP3305425B2 JP 3305425 B2 JP3305425 B2 JP 3305425B2 JP 15354793 A JP15354793 A JP 15354793A JP 15354793 A JP15354793 A JP 15354793A JP 3305425 B2 JP3305425 B2 JP 3305425B2
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潔 井上
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、プラズマを利用する各種物体の
表面物質の微細な除去加工方法、例えば半導体、セラミ
ックス等の絶縁体、強磁性体、高透磁率材、永久磁石
材、金属等の各種材料の表面の物質除去加工を施す方
法、特に工程が簡略で、処理のため多量の洗浄液などを
必要とせず、従って、低コストで公害発生の恐れのない
新規なプラズマ加工方法に関する。この加工方法は部材
表面の異物層の除去、表面粗度の改善、溝加工、穿孔加
工、エッチング、LSI製造などに応用される。
【0002】従来この種の加工は、大規模な減圧室内で
行われ、又、加工工程が多岐にわたっており、その工程
毎に多量の洗浄液を必要としている。シリコンLSIの加
工を例にとって従来技術を示せば、先ず、基体に塗着し
たレジストフィルムに対して希望パターンを光学的に正
確に転写した後、未感光部又は感光部の何れか一方を溶
解除去し、レジストフィルム面に耐プラズマ性を有する
画像を形成し、耐プラズマ性に乏しい部分をプラズマに
より除去し、必要に応じて部分的に析出、拡敢加工を施
した後、その表面に保護と絶縁のため酸化層を形成して
絶縁する。
【0003】この工程では、製品は一つ一つ、かつ並列
的アナログ的に加工(除去、拡散、析出加工)され、各
工程毎に洗浄浄化を繰り返しつゝ加工されるものであ
る。即ち、基板を製造するため、素材となる単結晶を旧
カッターでスライスし、これを切削液中でラツピング
し、更にエッチング加工を行うが、その各工程の前後で
洗浄、浄化処理が繰り返される。又、これらは無塵室で
行われるため、大型で高性能のフィルターを必要とし、
このフィルターを通して大量の空気を循環させるため大
量のエネルギーが消費されている。
【0004】又更に、洗浄のため、環境に有害なフロン
が用いられ、又、水を用いる場合でも、1MΩcmオーダー
の高品位の純水を大量に必要とするので、その水処理の
ため極めて多くのエネルギーと、危険な公害性の高い薬
剤が使用されている。
【0005】又、この処理に用いられる装置も極めて高
い精度が要求されるが、それらが直列的に利用されるた
め、各工程毎の誤差が順次重畳累積される結果となり、
そのため総合的には要求される精度を得ることが困難で
ある。
【0006】例えば、これら半導体基板の表面の平坦度
は、局部的にはnmオーダー、基板全体でも0.1μmオーダ
ーとすることが要求されているが、現在の方式ではいず
れもμmオーダーが限界である。これ以上の精度を要求
すれば、コストが飛躍的に増大し、実用的なコストで大
量の製品を供給することが不可能となるのでこのオーダ
ーで利用されている。特に多重積層型LSIの場合に於い
てはこの精度が問題となっているが、現在この問題の完
全な解決法は提案されていない。
【0007】本発明は叙上の問題点を解決するためなさ
れたものであり、本発明によるときは、イオン、ラジカ
ルを任意に使い分け、極めて単純な工程で、かつ、最少
の洗浄工程で、金属、セラミックス、半導体、プラスチ
ックその他の物質から成る物体の表面除去加工すること
ができるものである。而して、本発明方法の実施に使用
する装置と同一の装置を用い、加工ガスの組成を変更す
れば、被加工体の表面に各種物質の析出、拡散が可能と
なるので、本発明方法と併せて実施すれば、基板材料に
複雑な加工を施すことが可能となる。
【0008】荒加工にはイオン、多価イオン、混合イオ
ンを、微細加工にはラジカルを用いて、加工ガスの噴流
と磁界によるサイクロトロン作用を利用してプラズマ加
工をするが、いずれの場合でも加工される部位及び範囲
が正確に制御されるので、高い精度で加工が可能とな
り、更にイオン放電による析出や、析出したものを基板
内部に拡散させる等々任意の加工が可能となる。従来は
かかる加工(除去、析出、拡散)に於いては、基板材料
は多岐に渡る複雑な工程を必要としていた。
【0009】本発明は、線状電極、針状電極等を用い、
それらを小型の無塵チヤンバー内で基板に対向させ、両
者の相対位置を二次元的又は三次元的にNC制御すると共
に、その電極と基板の間に加工ガスを供給しつゝ高電圧
を印加して、極微小領域に限定されたプラズマを発生さ
せ、そのプラズマにより基板表面の物質除去加工をする
ようにするものである。尚、プラズマによる加工と共
に、熱拡散や電磁波照射拡散等も併用して差し支えな
い。
【0010】而して、加工に必要なエネルギー量を、例
えばプラズマ電流や発生音等を利用して計測し、制御す
る。このようにすると、製造中の様子がリアルタイムで
判定できるので、NCによる電極位置のデジタル制御が可
能となる。
【0011】このように、本発明では、プラズマ電流な
どをパラメーターとしてプラズマエネルギーを制御しつ
ゝながら、電極と被加工体との相対位置を制御し、被加
工体表面物質の除去加工を行うものである。
【0012】電極としては、さまざまな形状寸法のワイ
ヤ型や二一ドル型等の先端の鋭利な電極が用いられる。
それらの電極は自動電極交換装置により用途に応じて適
宜に組み合わされ、使用される。又、加工の目的に応じ
て、電極先端と被加工体の間に加工に必要な加工ガスを
供給するように構成する。
【0013】又更に、マイクロウェーブ、超短波、パル
ス等による加熱加工手段を併用することが推奨される。
高周波電界(磁界)では核や電子が拘束されて歪みを生
じるので、これを加工のため有効に利用することができ
る。一般的にはμSec以下の半波若しくはパルスを利用
することが推奨される。
【0014】マイクロウェーブ、超短波等に於いては、
プラズマ発生と同調させ、加工部分近くに配置した電極
に電力を供給し、プラズマを限定部分のみに発生させる
ようにして、プラズマの位置を制御しつゝ所望の加工目
的を達成する。この場合の制御は音響学的に行うこと、
即ち、加工に伴って発生する超音波を検出し、そのスペ
クトル分析を行い、その結果に基づいて加工状況を判定
し、プラズマ電圧や加工速度を制御することが推奨され
る。
【0015】又、パルス電圧を用いて加工する場合は、
電極近くでパルス電磁界によって部分プラズマを発生さ
せ、そのときのプラズマエネルギーを充分に制御しつゝ
加工を行わせ、同時にプラズマより生じたイオン、ラジ
カルを利用するものである。
【0016】マイクロウ工ーブ、超短波、パルスは共に
電力に比例した反応イオン、ラジカルを生じるので、そ
の電力を測定すれば、それらによる加工量を知ることが
できる。又、それらの加工量は、加工直後に発生する電
子の密度を測定して判定することができるものである。
又、マクロ的には、電磁波の反射を検知することにより
加工処理面を検出することも可能である。
【0017】又、本発明方法を実施する場合は、加工ガ
スとしてハロゲン化物を用い、ハロゲンプラズマを発生
させ、その高い反応性を利用することが推奨される。又
更に、加工雰囲気中のプラズマ組成粒子のミーンフリー
パスを制御し、これを一定の範囲に保ち、これによりプ
ラズマにより生じたイオン、イオンクラスター、ラジカ
ル、ラジカルクラスターの有効領域を確実に制御する。
【0018】又、ドリフトを制御するため、プラズマ生
成エネルギーを制御しつゝ、プラズマと被加工体の相対
位置をNC制御し、前述の音響学的手段、光学的手段、電
磁的手段等によりその加工状態を正確に判定し、μmオ
ーダーの(結晶的、原子的)浄化面を得るようにする。
このようにすれば、任意の材料の加工が可能となり、あ
らゆる徹細加工を精密に行い得るようになる。
【0019】又、必要な部分にプラズマを集束するため
に、磁界との相互作用を利用することが望ましい。この
ため、電極自体を磁極として利用してサイクロトロン集
束を行わせることが推奨される。又、プラズマ電流と共
に、供給する反応ガス(主としてハロゲン化物)の流量
を正確に制御することにより、容易に加工の目的を達成
し得る。
【0020】このように本発明は、線状、板状、針状等
の先端に鋭利なピンポイント又は鋭いエッジを有する電
極を用い、その被加工体と対向する鋭利なピンポイント
又は鋭いエッジの部分にプラズマを発生させ、被加工面
に直接に作用させ、被加工体を二次元的又は三次元的に
成形加工することができるようにするものである。
【0021】一つの分子(含ハロゲン)を分解して、反
応基を加工物固体の近くに生成すれば、その反応基と被
加工体の位置関係によって加工が行われるので、プラズ
マの有効領域によって加工精度が定まる。従って高精度
で加工を行うためには、基板の表面からプラズマ組成粒
子の平均自由工程Lの範囲内に反応基を生成しなければ
ならない。平均自由工程Lは、プラズマ組成粒子の質量
と速度(温度)とが一定であれば、その圧力に逆比例す
るものである。
【0022】本発明に於いては、比較的低真空で加工ガ
スを供給し、プラズマ組成粒子の平均自由工程Lを短く
し、その代わりに、先鋭な電極を使用すると共に、高電
圧を印加して極めて微小な範囲にプラズマを発生させ、
これを被加工面に接触させ、プラズマ加工を行うもので
ある。例えば、加工ガスとしてSF6を用い、Siを加工し
た場合には、SF6+1.5Si=S+1.5SiF6となり、Siが除去
されることになる。
【0023】勿論、CFxを用いても同様な加工を行うこ
とができる。又、電圧を高くすればより高速でイオン加
工を施すことができる。更に本発明の重要な特徴の一つ
は、一般のFプラズマ中のイオン若しくは中性子の平均
粒子密度は1016/m3程度であり、従って、相当の高速度
で加工が進行することである。
【0024】又、本発明の一実施例に於いては、磁界中
でプラズマを発生させ、これを加工に利用する。そのた
め、電極或いはそのホルダーを強磁性体又は高透磁率材
料で製造し、これらを励磁してプラズマ発生領域に強い
磁界を発生させる。然るときは、初めに放出された電子
がイオンと衝突してプラズマを発生するとき、電子はサ
イクロトロン作用を受け、円運動を生じて反応を安定に
保つ。
【0025】1KG程度の磁界をかけ、イオン密度を1019
〜1020/m3に保持すると、プラズマの形状、寸法が正確
に保たれ、高速、高精度で加工することができるように
なる。被加工面のイオン発生源より遠い位置にある部分
は、イオンの入射角が小さくなるので、一定の範囲外で
は反応が徹弱となり、余分な加工が進行しないようにな
る。
【0026】前述の如く、本発明方法を実施する装置を
転用すれば、除去加工以外の各種加工が可能である。イ
オンの入射エネルギーを適切に制御すれば、そのレベル
に応じて、スパッタ加工(デポジション析出)が実行で
き、更に、拡敢、加熱加工をすることがてきるものであ
る。そして、入射エネルギーを正確に制御すれば、加工
量、除去量を正確に制御できるので、被加工面に供給さ
れるエネルギーとそこから放出されるエネルギーが均衡
する場合には、原料に全く歪を与えることなく加工する
ことを得るものである。
【0027】加工に利用されるガスは、He、Ar等の不活
性ガス、又は、H2をキャリアーガスとし、これにF、B、
P、As、Ga、Cu、Ni、Pt、Au、Oから成る群の中から選ば
れる少なくとも一種の原子を含むガス、例えば、CF4、B
F3、NF3、SF6、CCl4、Cl2F2、HF、HCl、O2、O3等の加工
ガスを混合したものである。
【0028】拡散加工用としては、硼素系のB2H6、BF3
等が用いられ、析出拡散用としては、PH3、AsH3、BH6
が用いられ、更に用途に応じて、SiH4、NH3、SiH2Cl2
SO2H6、N2O、NF、テトライソプロポキシチタン、ヘキサ
フルオロアセチルアセトネイCu(HFA)2、Cu(PPM)2
Cu(ACAC)、Si(OC2H54などが用いられる。
【0029】以下、図面により本発明の実施に用いる装
置、実施方法等に就いて説明する。図1は本発明に係る
プラズマ加工方法を実施する装置の主要部の構成例を示
す斜視図、図2はワイヤ電極装置の一例を示す断面図、
図3はピンポイント電極装置の一例を示す断面図、図4は
ワイヤ電極の周囲に発生させたプラズマを用いて半導体
の表面をスクライビングし、研磨する状態を示す説明
図、図5は図4に示した加工工程中に溝加工を施す方法を
示す説明図である。
【0030】図1に示した装置は、図示されていない無
塵の加工室に内に他の付属装置、即ち電極自動交換装
置、加工ガス供給装置、電源装置などと共に設置されて
おり、その加工室には更に発生ガスの排出、回収装置、
被加工体の搬入、搬出装置、などが付設されており、且
つ加工室内部には、所望の組成、圧力及び温度を有する
加工ガスが満たされている。
【0031】図中、1、1はx軸に平行に設けられた一対
の主桁、2は一対の主桁1、1上にそれぞれ設けた案内1
a、1aに載せられ、X軸方向にスライドし得る横桁、3は
横桁2の上に設けた一対の案内2a、2aの上に載せられy軸
方向にスライドし得るテーブル、4、4はそれぞれ所望の
電極5、5を保持する電極ユニット、6、6はテーブル3の
上に整列して設けられ電極ユニット5、5を昇降自在に保
持する電極ユニット取付カラム、7、7は半導体等の被加
工体、8は被加工体7、7を取り付ける作業テーブル、9、
9は横桁2、2をX軸方向に加工送りする送りねじ、10はテ
ーブル3をY軸方向に加工送りする送りねじ、11は送りね
じ10の一端を支持する軸受けである。
【0032】一対の主桁1、1は加工室に設けた基台の上
に、相対向してX軸に平行に設けられる。主桁1、1の上
面にはそれぞれスライドガイド1a、1aが設けられてお
り、その上に横桁2が搭載され、横桁2は同期して回転す
る一対の送りねじ9、9によりX軸方向に加工送りされ
る。
【0033】横桁2の上面には一対のスライドガイド2
a、2aがY軸に平行に設けられており、それら一対のスラ
イドガイド2a、2aの上にはテーブル3が設けられ、テー
ブル3は送りねじ10によりY軸方向に加工送りされてい
る。テーブル3の端縁部には、複数の電極ユニット取付
カラム6、6が設けられており、各電極ユニット取付カラ
ム6、6にはそれぞれ電極ユニット4、4が着脱自在、昇降
自在に取り付けられている。
【0034】尚、送りねじ9、9を支持する軸受けおよび
それらを回動せしめるモーター、並びに、送りねじ10の
駆動モーター及び駆動モーター側の軸受け等は図を簡略
にするため省略されている。電極ユニットの構成例は、
図2及び3に示されている。
【0035】図2に示したものは、細いワイヤ電極を用
いるものである。図中、21はケーシング、22はワイヤ電
極、23及び24は電極22の端部を把持するコレツトであ
る。ケーシング21は下部に開口を有する碗状の主体部
に、取付用シヤンク部兼ガス供給管接続部21aを設け、
更に電極コレット231、241を取り付けるためのねじ孔を
設けて成る。
【0036】取付柄用シヤンク兼ガス供給管接続部21a
は、図1に示した電極ユニット取付カラム6に設けたソケ
ットに挿入され、機械的に保持されると共に、加工ガス
供給源に接続される。一対の電極コレツト231、241は同
軸に設けられており、その内部に電極22が挿通され、コ
レツトナット232、242で締め付けられて、電極22を保持
する。233及び243は張力用の締付ナットである。
【0037】又、一方のコレツト242は一方が締付用袋
ナット部24a、他の一方が受電用テーパージャック部24b
となっており、装置が電極ユニット取付カラム6に取付
けられたときは、そのカラムに設けたソケットに接続さ
れ、給電を受けられるように構成されている。
【0038】図3に示したユニットは、ペンシル状のピ
ンポイント電極を使用するものである。図中、31は下部
ケーシング、32は上部ケーシング、33はキャップ、34は
電極、35はコレツト、36はソケット、37及び38はスプリ
ング、39は高透磁率材料から成るコレツト操作管、40は
励磁コイル、41はソケットである。下部ケーシング31は
取付用シヤンク部兼ガス供給管接続部31aを有し、且つ
コレツト35の下端が挿通される孔31bと、その孔31bの周
囲に配置された複数のガス噴出孔31cとを有する。
【0039】コレツト35は操作管39により操作され、電
極34は必要に応じて必要長さだけ押し出され、図示され
ていない装置によりその先端が研磨される。この装置が
電極ユニット取付カラム6に取り付けられたときは、前
記のユニットと同様にガス源及び電源に接続される。こ
れらの電極ユニットは、電極交換装置に多数ストックさ
れており、制御コンピュータの指令に応じて適宜に取り
出され、電極ユニット取付カラム6に装着される。
【0040】再び図1に戻ると、横桁2及びテーブル3を
加工送りする送りねじ9及び10は、中央制御コンピュー
タの指令により回転し、横桁2及びテーブル3に所望の加
工送りを与え、又、電極ユニット取付カラム6、6は同じ
く中央制御コンピュータの指令により電極ユニット4、4
を昇降せしめ、かつ中央制御コンピュータは更に電極ユ
ニットに供給するプラズマ発生用の電力、加工ガスの組
成及び供給量、磁界発生用の電力を制御し、被加工体
7、7に所望の加工を施すものである。
【0041】
【実施例】以下、上記の装置を用いて、加工を施す例を
示す。CF4ガスを容積濃度で4%含有し、残部がArガスか
ら成る加工ガスを用いて、0.3mm¢のピアノ線を加工用
電極とし、100MHz、3Aの電流を流して、Si基板に表面除
去加工を施した。
【0042】加工面は正方形で、加工面積は3cm2、電流
密度は1A/cm2であった0ワイヤ電極を1m/minの速度
で、被加工面に沿って往復移動させたとき、CF4ガスは
プラズマ化され、Fが発生し、毎分0.23mgの除去加工が
なされた。これは0.1mm/minの加工量に相当する。この
加工方法は、穿孔加工、溝加工、表面の仕上加工に利用
できるものである。又、加工ガスをO2に替え、上記同様
な条件で処理を施すとSi基板表面に酸化層を形成するこ
とができる。
【0043】又、加工ガスの組成と、プラズマの被加工
面に対する電極の相対位置と、プラズマエネルギーの制
御レベルを適切に選択すれば、上記の装置を用いてイオ
ン、ラジカルの拡散、析出加工を行うことができ、除去
と同量の析出が可能となり、除去された成分は、キヤリ
ヤーガスによって排出、回収することができる。
【0044】卜般的には、10eV以下で析出加工が行わ
れ、100eV以上程度では拡散加工が可能となり、KeVでは
除去加工ができるようになる。従って、電極自動交換装
置により適切な電極を自動交換しつゝ、これらの加工条
件を適切に切替え、連続的に所望の加工を施すことによ
り、半導体基板上に所望の集積回路を形成することが可
能である。
【0045】電極を移動させながら行った実施例につい
て説明を加える。尚,実験結果の測定が不充分な部分に
ついてはコンピューターシュミレーションによって補っ
てある。
【0046】比抵抗10ΩcmのSi材から成り、表面荒さ1
μRmaxにダイヤモンド加工した端面を持った材料を18Μ
Ωの純水で洗浄処理し、乾燥を兼ねて表面に30nm程度の
Si02層を形成した。このSi材料を無塵加工室内で、移動
装置により側面チャックで固定して、0.5/m3以下の無
塵純Ar気流中で、種々な加工を施した。ピアノ線は、0.
5mm¢、抗張力120kg/mm2の純化材(99.99%)を利用
し、2m/minで移動させた。
【0047】このワイヤー両側をルビーダイスで支え、
15kgの張力を掛けて張った。加工ガスの圧力を0.9〜1.2
atmの範囲内で変化できるように構成し、その制御系の
応答特定数を0.3secとした。プラズマ電源としては、10
0W−100MHzの高周波電源と、パルス幅0.2μsec〜0.8μs
ec、ピーク電圧800Vのパルス電源を用いた。パルスの繰
り返し周波数をKHzとし、供給ガスは総量を制御した。
又、ブロワーを設けて、使用済の排気を排出処理するよ
うに構成した。
【0048】ガスの供給側と排気側の間にシャッターを
つけて開閉できるようにした。さらに、着磁電源として
ピーク電流30Aで4KOeのパルス磁界発生装置を用いた。
又、流れを超音波を用いて検出し、強度と周波数を異に
した数カ所の超音波音場内に、基準ガスと加工ガスを別
々に供給し、その吸収スペクトルを比較して加工室内の
加工ガスの組成と分圧を判定すると共に、プラズマ発生
部分に供給されるガス中にも、超音波を発射しそのドッ
プラー効果によって流速を検出する装置を設けた。
【0049】プラズマ電流の変化、加工に伴って発生す
る超音波を検出し、加工間隙を制御すると共に、供給ガ
スの組成、圧力及び流量を制御できるようにするため各
成分ガスの供給源に流量制御用のフラッパーノズルを設
け、これらをコンピュータ制御した。
【0050】図4は、ピアノ線の周囲に発生させたプラ
ズマを用いて半導体の表面をスクライビングし、研磨す
る状態を示す説明図である。容積濃度4.5%のCF4と残部
Arから成る1000HPaの加工ガス中で、100Wの蓄電器結合
器を制御して電力を供給し、約0.5mm¢のピアノ線のま
わりに幅約0.1mmのプラズマを発生させた。
【0051】Si基板とこのワイヤー電力の間隙を0.05mm
に保持しつゝ相対的に3mm/minの速度で加工送りして、
Si基板表面を0.1μRmaxの表面荒さに仕上げることがで
きた。更に、同じ条件で、パルス幅0.5μsecのパルスを
使用して加工したが同様の結果が得られた。又、図5
は、ピアノ線をその周囲に発生させたプラズマを用いて
半導体の表面をスクライビングし、研磨する過程で溝加
工を施す方法を示す説明図である。
【0052】前述の如くして、Si基板表面を研磨する過
程で、電極送りを5秒間停止すると深さ0.15mmの溝加工
を行うことができる。但し、この場合、電極と基板表面
の間隙を0.08mmとした。更に、同じ条件で、パルス幅0.
5μsecのパルスを使用して加工したが同様の結果が得ら
れた。
【0053】上記と同様にして、SiO2、Al2O3、CBN、ダ
イヤ、WC等々の単独若しくは複合体を加工することが可
能である。又、ポリテトラフルオロエチレンの表面にト
リメチルポロン層を形成することが可能である。この場
合、トリメチルポロン3%、残部Arガスから成る加工ガ
スを用いて、テトラフルオロエチレンの表面をプラズマ
処理する。このように処理した面を工ポキシ接着剤を用
いて鉄板に接着した結果、210kgf/cm2の接着強度が得
られた。
【0054】
【発明の効果】本発明は、線状電極等により局部的にプ
ラズマを発生させ、更に必要に応じて磁界によってプラ
ズマを制御し、このプラズマを被加工体原子に作用させ
て、表面物質の除去加工を行うものである。更にこの方
法に実施に用いる装置で、加工ガス及び放電条件を選
択、制御することにより、被加工体に連続的に、除去、
析出、拡散加工を準じ施すことが可能となる。このた
め、製造工程が極めて単純となり、コストが低下し、か
つ公害発生のある資材の使用量を大幅に節減できる効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラズマ加工方法を実施する装置
の主要部の構成例を示す斜視図である。
【図2】ワイヤ電極装置の一例を示す断面図である。
【図3】ピンポイント電極装置の一例を示す断面図であ
る。
【図4】ワイヤ電極の周囲に発生させたプラズマを用い
て半導体の表面をスクライビングし、研磨する状態を示
す説明図である。
【図5】図4に示した加工工程中に溝加工を施す方法を
示す説明図である。
【記号の説明】
1、1・・・主桁 2・・・・・・横桁 3・・・・・・スライドテーブル 4、4・・・電極ユニット 5、5・・・電極 6、6・・・電極ユニット取付カラム 7、7・・・被加工体 8、8・・・作業テーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−212253(JP,A) 特開 平4−9277(JP,A) 特開 平1−208450(JP,A) 特開 平6−31454(JP,A) 特開 平6−39555(JP,A) 特開 平6−125163(JP,A) 特開 平3−234414(JP,A) 特開 平4−241238(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 10/00 H01L 21/3065 H05H 1/32

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極と被加工体を対向せしめ両者間に電圧
    を印加してプラズマを発生させ、そのプラズマを用いて
    被加工体表面に所望の加工を行うプラズマ加工方法に於
    いて、電極として、先端の鋭利な電極を用い、その電極
    の先端を、微小間隔を介して被加工体の加工部位に対向
    させ、その対向部位に所望の加工ガスを供給し、かつ電
    極と被加工体の相対位置を数値制御しつゝ、電極と被加
    工体の間に高電圧を印加して局部的なプラズマを発生さ
    せ、その局部的プラズマを被加工部に接触させ、被加工
    体表面物質の除去加工を施すことを特徴とする上記のプ
    ラズマ加工方法。
  2. 【請求項2】磁界中でプラズマ加工を行う請求項1に記
    載の加工方法。
  3. 【請求項3】電極として磁性材を用い、電極を介して電
    極先端に発生させた磁界中で加工を行う請求項2に記載
    の加工方法。
  4. 【請求項4】加工イオン電流を所望の値に制御しつゝ加
    工する請求項1乃至3の何れか一に記載の加工方法。
  5. 【請求項5】プラズマに加えて熟エネルギー加工も併用
    する請求項1乃至4の何れか一に記載の加工方法。
  6. 【請求項6】F、B、P、As、Ga、Cu、Ni、Pt、Au、Oから
    成る群の中から選ばれる少なくとも一種の原子を含むガ
    スと、被加工体と反応しないキヤリヤーガスとから成る
    加工ガスを用いる請求項1乃至5の何れか一に記載の加工
    方法。
  7. 【請求項7】キヤリヤーガスが水素である請求項6に記
    載の加工方法。
  8. 【請求項8】キヤリヤーガスが不活性ガスである請求項
    6に記載の加工方法。
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