JP3304248B2 - 液体燃料燃焼装置 - Google Patents

液体燃料燃焼装置

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JP3304248B2
JP3304248B2 JP28306495A JP28306495A JP3304248B2 JP 3304248 B2 JP3304248 B2 JP 3304248B2 JP 28306495 A JP28306495 A JP 28306495A JP 28306495 A JP28306495 A JP 28306495A JP 3304248 B2 JP3304248 B2 JP 3304248B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気化器内に付着し
たタールを除去するクリーニング機能を有する液体燃料
燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液体燃料燃焼装置の一例として石油ファ
ンヒータについて以下の図を参照して説明する。図11
は従来の石油ファンヒータの構成図、図12はフロート
スイッチを示す一部破断構成図、図13はフロートスイ
ッチの電気接続図である。
【0003】この石油ファンヒータは、図11の如く、
燃料タンク1と、カートリッジタンク2と、電磁ポンプ
3と、送油パイプ4と、戻しパイプ5と、気化器6と、
ノズル7と、気化用ヒータ8と、気化素子9と、温度セ
ンサ10と、電磁弁11と、バーナ12と、点火ヒータ
13と、フレームロッド14と、ファン15と、制御部
16と、フロートスイッチ17と、クリーニングスイッ
チ18とを備えている。
【0004】そして、燃料タンク1内に液体燃料(灯
油)は、電磁ポンプ3によって送油パイプ4を介して気
化器6の気化室6aに送り込まれ、気化室6aには気化
用ヒータ8によって気化素子9が250℃〜350℃の
高温に加熱保持されており、この気化素子9内に灯油を
通過させることにより気化させ、ノズル7から噴出させ
て空気と混合し、バーナ12に供給される。そして、バ
ーナ12に設けられた点火ヒータ13によって点火さ
れ、同じくバーナ12上に設けられた炎検出器によって
燃焼状態が確認される。
【0005】この点火ヒータ13は図示しない電源に接
続された点火装置によって点火され炎検出器はバーナ1
2とフレームロッド14との間の炎に流れるイオン電流
の変化を抵抗値によって検知するものである。また、フ
ァン15は燃焼熱を機外に放出するものである。
【0006】制御部16は、マイクロコンピュータ(マ
イコン)からなり、気化器6の温度を検知する例えばサ
ーミスタ等の温度センサ10からの出力に基づいて、気
化用ヒータ8をオンオフ制御するようになっている。
【0007】そして、フロートスイッチ17は燃料タン
ク1内に設けられており、図12の如く、上限リードス
イッチ21と、下限リードスイッチ22と、マグネット
23と、フロート24とからなる。図12中、25は共
用リード線、26は上限リードスイッチ21用のリード
線、27は下限リードスイッチ22用のリード線で、上
限リードスイッチ21及び下限リードスイッチ22は図
13に示すように各リード線により接続されており、各
リードスイッチ21,22の出力が各リード線25〜2
7を介して制御部16に入力される。
【0008】そして、X2は通常燃焼時の上限リードス
イッチ21のオン動作レベル、X1は給油サイン時の上
限リードスイッチ21のオフ動作レベルをそれぞれ示し
ている。また、X4はクリーニングモードで灯油が抜か
れてない時の下限リードスイッチ22のオフ動作レベ
ル、X3はクリーニング可能状態の下限リードスイッチ
22のオン動作レベルをそれぞれ示す。
【0009】ここで、石油ファンヒータの燃料として変
質灯油、不純物灯油等を使用した場合には、気化器6の
気化素子9およびノズル7等にタールが付着し、これが
原因となって燃焼不良を起こすことになる。この場合、
燃焼炎に何らかの変化が生じるため、炎検出器によって
イオン電流の変化が検知され、制御部16はそのイオン
電流の変化に応じて燃焼不良が発生したと判断し、LE
Dやランプ等の点灯あるいはブザー等によって使用者に
報知して、気化器6に付着したタールを除去するクリー
ニング運転を行うよう促す。
【0010】このクリーニング運転を行う場合、まずカ
ートリッジタンク2を引き出し、燃料タンク1内に残っ
ている灯油を抜き取ってクリーニングスイッチ18をオ
ンする。すると、気化用ヒータ8が加熱されて気化器6
が高温に保持され、電磁ポンプ3が駆動されて燃料タン
ク1内の空気が気化器6に圧送される。これによって、
気化器6に付着したタールの酸化燃焼が促進され、ター
ルが焼き切られて除去される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
石油ファンヒータにおけるクリーニング運転では、次の
ような欠点があった。
【0012】すなわち、クリーニングスイッチ18をオ
ンしても、下限リードスイッチ22がオフしているとき
は制御部16が作動せず、クリーニング運転が実施でき
なかった。この場合、下限リードスイッチ22がオンす
るレベルX3まで燃料タンク1内の灯油を抜き取って、
クリーニング可能な状態にする必要があり、この抜き取
り作業は面倒で煩わしいため、使用者側ではほとんどク
リーニングが実施されていないのが実情である。
【0013】しかも、下限リードスイッチ22はクリー
ニング時における灯油の残量を検知するためだけのもの
で、フロートスイッチ17として、ほとんどその機能を
はたすことのないリードスイッチが一個余分に必要とな
るため、コストが高くなるといった問題もあった。
【0014】そこで、燃料タンク1内の灯油を抜き取ら
ずにクリーニング運転を行う液体燃料燃焼装置が実開平
5−71653号公報に開示されている。
【0015】これは、まずカートリッジタンクを引き出
し、燃料タンク内に残った灯油を燃焼させた後、電磁ポ
ンプの空打ちを一定時間継続させてクリーニングを行う
ものや、気化器を一定時間蒸し焼きした後、電磁ポンプ
を駆動して燃料タンク内の灯油を燃料させ、その後電磁
ポンプの空打ちを一定時間継続させてクリーニングを行
うものである。
【0016】ところが、これらのクリーニング方法で
は、燃料タンクに残った灯油の多くを燃焼させるので、
残った灯油を燃焼させるのに相当な時間が必要となり
(例えば、クリーニングを必要とする場合は既に気化器
内にタール等が付着していて燃焼量が低下しているため
燃焼時間が長くなる)、クリーニングに入るまでの時間
が非常に長かったり、また気化器の蒸し焼き後に残った
灯油を燃焼させるものでも、クリーニング運転開始から
終了までの時間が長く、一定時間内にクリーニングがで
きないという欠点があった。
【0017】また、特開平1−219405号公報ある
いは実開平3−128223号公報では、電磁ポンプの
燃料タンク側に、上部に空気流入孔と下部に灯油供給孔
を有する密閉アングルや燃料パイプ等が設けられ、クリ
ーニング運転時に、空気流入孔を開閉手段によって開放
することにより密閉アングルや燃料パイプの内部圧力と
外部圧力を同じにし、電磁ポンプの駆動により空気流入
孔から空気だけを扱い込むようにした液体燃料燃焼装置
が開示されている。
【0018】しかし、これらのクリーニング方法では、
密閉アングルや燃料パイプの内部圧力を外部圧力と同じ
にして、電磁ポンプの燃料取入口での灯油の液面を燃料
タンクの灯油の液面よりも下げているので、例えば燃料
タンクが傾いたりすると、密閉アングルや燃料パイプ内
に灯油が流入して、空気と灯油とを吸い込んでしまうと
いった欠点があり、電磁ポンプの燃料取入口を強制的に
燃料タンク内の灯油液面から離間させるものではなかっ
た。
【0019】本発明は、上記に鑑み、燃料タンクの燃料
を抜くことなく容易にクリーニングが実施できる液体燃
料燃焼装置の提供を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、燃料タンクに液体燃料を供給する着脱自在なカー
トリッジタンクと、前記燃料タンクの液体燃料を気化器
へ送るポンプと、前記気化器に付着したタールを除去す
るクリーニング運転を行う制御部とを備えた液体燃料燃
焼装置において、前記ポンプの燃料取入口の先端側に燃
料タンク内の燃料を流入させる液体燃料流入開口を備え
た受け皿を回転自在に設け、この受け皿の回転により、
液体燃料流入開口を介して液体燃料が受け皿内部に流入
する通常姿勢と、液体燃料の受け皿内部への流入が断た
れるクリーニング姿勢とに切換自在とし、前記受け皿の
クリーニング姿勢のときにクリーニング運転を行うよう
にしたものである。すなわち、クリーニング時には受け
皿がクリーニング姿勢に切り換えられ、受け皿内への液
体燃料の流入が断たれ、ポンプの燃料取入口からの液体
燃料の取り入れが行われなくなり、クリーニング運転が
行われる。
【0021】また、請求項2は前記受け皿の通常姿勢と
クリーニング姿勢とを切換ロッドにより切り換えるよう
にしたものである。すなわち、切換ロッドにより受け皿
が切り換え動作され、液体燃料流入開口が液体燃料の液
面の下方へ位置される通常姿勢と、液体燃料の液面より
も上方へ位置されるクリーニング姿勢とに切り換えら
【0022】そして、受け皿の内側へこの受け皿内へ流
入可能な液体燃料の量を減少させる液体燃料流入量抑制
手段を設けている。すなわち、液体燃料流入量抑制手段
により受け皿内への流入される液体燃料の量が減少し、
クリーニング運転時における受け皿に残っている液体燃
料の燃焼時間を短縮することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第一の実施の形態)本実施例の液体燃料燃焼装置であ
る石油ファンヒータを図1に基づいて説明する。
【0024】石油ファンヒータは、ファンヒータ本体
(図示せず)に内装され液体燃料としての灯油が一定高
さに充たされた燃料タンク1と、燃料タンク1に灯油を
供給する着脱自在なカートリッジタンク2と、燃料タン
ク1内の灯油量を検知するフロートスイッチ17と、灯
油を気化させる気化器6と、燃料タンク1から灯油を送
油パイプ4を介して気化器6に送り込む電磁ポンプ3
と、気化器6で気化された灯油を燃焼させるバーナ12
と、バーナ12に気化した灯油を噴出するノズル7と、
ノズル7を開閉する電磁弁11と、ノズル7を閉じたと
きに気化器6内の灯油を燃料タンク1に戻す戻しパイプ
5と、気化器6を加熱する気化用ヒータ8と、気化器6
の温度を検出するサーミスタからなる温度センサ10
と、バーナ12に噴出される気化した灯油を着火させる
セラミックヒータ等の点火ヒータ13と、燃焼炎の燃焼
状態を検出する炎検出器と、燃焼炎から発生した熱を吹
き出させるファン15と、気化器6等に付着したタール
を除去するためのクリーニングスイッチ18と、電磁ポ
ンプ3、電磁弁11、気化用ヒータ8、点火ヒータ13
等を制御する制御部30とを備えている。
【0025】なお、フロートスイッチ17は、図12に
示す従来のものに対して下限リードスイッチ22とその
リード線27とを具備していないものであり、上限リー
ドスイッチ21とフロート24により灯油の液面の位置
を検知する機能のみを有している。また、従来と同じ構
成部品には同じ符号を付している。
【0026】燃料タンク1は、箱型に形成されており、
上部にカートリッジタンク2を支持する燃料受皿31が
嵌合され、電磁ポンプ3に連結される燃料取入管32が
穿孔(図示せず)に嵌入されている。なお、燃料タンク
1の上部にはフロートスイッチ17が配されるとともに
戻しパイプ5が接続されている。
【0027】カートリッジタンク2は、箱型に形成され
灯油を収納するタンク本体33と、タンク本体33の図
示しない燃料出口にねじ込み嵌合されるキャップ34と
から構成されており、キャップ34には燃料流出口を開
閉する弁機構が設けられている。なお、カートリッジタ
ンク2は、その装着時に後述する燃料受皿31のフラン
ジにより支持される。
【0028】燃料受皿31は、カートリッジタンク2の
キャップ34が嵌まり込むよう円筒形に形成されてお
り、タンク本体33を受け止めるフランジ(図示せず)
と、その底面にキャップ34の弁機構に当接して燃料流
出口を開放させる突上ピン35と、カートリッジタンク
2からの灯油が燃料タンク1に流れ込む燃料出口(図示
せず)とが設けられている。
【0029】そして、カートリッジタンク2を装着する
ことにより、カートリッジタンク2内の灯油がキャップ
34の燃料流出口を介して燃料受皿31の燃料出口から
燃料タンク1内に流れ出る。なお、燃料タンク1内の灯
油は、カートリッジタンク2の内部圧力との関係から、
満タンのときの液面が図12のX2と同じ位置になるよ
う設定されている。
【0030】燃料取入管32は、耐油性の金属あるいは
耐油性のプラスチック樹脂により形成されており、その
先端が燃料タンク1内の灯油に浸漬するよう燃料タンク
1に挿入されている。燃料取入管32の上部にはフラン
ジ(図示せず)が形成され、このフランジに電磁ポンプ
3が連結されている。
【0031】ここで、石油ファンヒータの燃料として変
質灯油や不純物灯油等を使用した場合、気化器6の気化
素子9あるいはノズル7等にタールが付着し、これによ
ってバーナ12が燃焼不良を起こしてしまう。このと
き、クリーニングスイッチ18をオンすると、制御部3
0は気化用ヒータ8、電磁ポンプ3、電磁弁11および
点火ヒータ13等を制御し、電磁ポンプ3により燃料タ
ンク1内の空気を気化器6に圧送して(空打ち)クリー
ニング運転を行うが、燃料取入管32の先端が燃料タン
ク1内の灯油に浸漬していると、灯油を吸い込んで気化
器6に送ってしまい、クリーニングができなくなる。
【0032】そこで、本実施例の石油ファンヒータで
は、燃料取入管32の先端に位置するように支持アング
ル49の先端部に回動自在に受け皿50が接続されてい
る。この受け皿50は、両側面部と、この両側面部との
間に形成された周面部とからなり、この周面部の一端部
に受け皿50が通常姿勢のときに燃料タンク1内の灯油
の液面よりも下方の位置で灯油が受け皿50内に流入す
るよう連通する灯油流入開口51が設けられている。こ
の受け皿50の両側面部と周面部との内側に燃料取入管
32の先端を位置させ、受け皿50内に流入した灯油を
取り入れるようにしている。
【0033】受け皿50の側面部には長孔52が設けら
れており、この長孔52に灯油流入開口51が灯油の液
面よりも下方の位置へ位置し、受け皿50内へ灯油が流
入する通常姿勢と、灯油流入開口51が灯油の液面より
も上方の位置へ位置し、受け皿50内への灯油の流入を
断つクリーニング姿勢とに受け皿50の姿勢を切り換え
る切換ロッド53を挿入接続している。
【0034】また、燃料タンク1の上部には、受け皿5
0の上下動により受け皿50の各姿勢を検知する姿勢検
知手段である光センサ54が設けられている。この姿勢
検知手段54は、例えば受け皿50に設けられた検知体
(図示せず)の移動によりオンオフ信号を出力する光セ
ンサとされ、この光センサからの出力信号が制御部30
に入力される。この光センサは受け皿50が通常姿勢の
ときに検知体を検知してオフ信号を出力し、受け皿50
がクリーニング姿勢のときに検知体が離間してオン信号
を出力するようになっている。
【0035】制御部30は、RAM,ROM,CPU、
タイマ等を有するマイクロコンピュータからなり、図示
しない運転スタートスイッチ、温度センサ10、フロー
トスイッチ17、炎検出器および光センサ54からの出
力信号やカートリッジタンク2の装着状態に基づいて点
火ヒータ13、気化用ヒータ8、電磁ポンプ3、電磁弁
11およびファン15を制御して通常の暖房運転を行う
通常運転手段と、炎検出器によるバーナ12の燃焼状態
に基づいて気化器6のクリーニングが必要か否かを判断
してLEDやブザー等により使用者にクリーニング運転
を行うよう促す報知手段と、クリーニングスイッチ18
および光センサ54からの出力信号に基づいて点火ヒー
タ13、気化用ヒータ8、電磁ポンプ3、電磁弁11お
よびファン15を制御してクリーニング運転を実施させ
るクリーニング運転手段とを備えている。
【0036】クリーニング運転手段は、光センサ54か
らの出力信号がオンのときにクリーニングスイッチ18
がオンされると、電磁ポンプ3や受け皿50等に残った
灯油を燃焼させる機能と、その燃焼状態に応じて気化器
6を一定時間蒸し焼きにする機能と、燃焼させた後ある
いは蒸し焼きにした後電磁ポンプ3を空打ちして一定時
間クリーニングする機能とを有している。なお、制御部
30では、光センサ54の出力信号がオフ、すなわち受
け皿50の灯油流入開口51が通常姿勢のときにクリー
ニングスイッチ18がオンされても、クリーニング運転
を行わないようになっている。
【0037】上記の如く構成された石油フアンヒータに
おいて、気化器6等にタールが付着して燃焼量が低下し
たとき、あるいは使用者の判断や暖房シーズンが終了し
たときに実施するクリーニング運転の動作を図6のフロ
ーチャートに基づいて説明する。
【0038】クリーニング運転を行う場合、まず切換ロ
ッド53を通常姿勢側からクリーニング姿勢側へ切換え
ると(S1)、その作動により通常姿勢にあった受け皿
50が持ち上げられ、燃料タンク1内の灯油の液面の少
し上方の位置に灯油流入開口51が停止し、図3のよう
にクリーニング姿勢に切換えられる。このとき、光セン
サ54は受け皿50の検知体が離間したことを検知して
オン信号を出力し、制御部30は光センサ54からのオ
ン信号により受け皿50がクリーニング姿勢であると判
断して、クリーニング運転が可能な状態となる。
【0039】そして、受け皿50の灯油流入開口51は
クリーニング姿勢に保持され、灯油流入開口51から灯
油が受け皿50内に流入することはない。また、カート
リッジタンク2は抜き出しても抜き出さなくてもよい。
【0040】次に、クリーニングスイッチ18をオンす
ると(S2)、気化用ヒータ8がオンして気化器6の気
化素子9の予熱が開始されるとともに、未燃焼ガスが噴
出するのを防ぐために電磁弁11がオンしてノズル7が
閉じられ、温度センサ10により気化器6の温度が設定
温度A以上になったことを検知すると(S3)、点火ヒ
ータ13がオンされる(S4)。なお、S3において気
化器6の温度が設定温度Aに達しないときはS2に戻
る。
【0041】点火ヒータ13がオンされた後、温度セン
サ10による気化器6の温度が設定温度B(B>A)以
上になると(S5)、予熱完了となり電磁ポンプ3が駆
動されるとともに電磁弁11がオフしてノズル7が開か
れ(S6)、気化器6内で気化された灯油がバーナ12
に送り込まれて燃焼が開始する(S7)。なお、S5に
おいて気化器6の温度が設定温度Bに達しないときはS
4を継続する。
【0042】そして、バーナ12の燃焼が開始すると、
炎検出器により燃焼炎の状態を検知、つまり燃焼が開始
すると、バーナ12とフレームロッド14との間の炎に
流れるイオン電流の変化によりその抵抗値が低下するた
め、炎検出器の抵抗値が予め設定された抵抗値P以下に
なったか否かを検知し(S8)、炎検出器の抵抗値がP
以下になった場合は正常に燃焼していると判断して、点
火ヒータ13をオフするとともにファン15を駆動
(9)させて燃焼が続けられる(S10)。なおこのと
き、制御部30のタイマにより時間の計測がスタートす
る。また、この燃焼中の気化用ヒータ8の温度はクリー
ニング温度(450℃±10℃)に制御されている。
【0043】このとき、受け皿50の灯油流入開口51
は灯油の液面から離間しているため、電磁ポンプ3や受
け皿50等に残った灯油によって燃焼が継続されるが、
その灯油が無くなると電磁ポンプ3は燃料タンク1内の
空気を圧送して空打ち状態となる。この空打ちによっ
て、気化器6等に付着したタールの酸化燃焼が促進さ
れ、タールが焼き切られて気化器6がクリーニングされ
る。
【0044】その後、タイマによる計測時間がT1時間
に達すると(S11)、気化用ヒータ8がオフされると
ともに電磁ポンプ3およびファン15の駆動が停止され
て(S12)、クリーニング運転が終了する。
【0045】一方、燃焼が開始して(S7)、炎検出器
の抵抗値がP以上であれば(S8)、制御部30では燃
焼不能(失火状態)、あるいは燃焼量が異常に低下して
いると判断する。つまり気化器6等に多量のタールが付
着している状態であると判断し、電磁ポンプ3の駆動を
停止するとともに点火ヒータ13をオフして燃焼動作を
止める(S22)。このとき制御部30ではタイマによ
る時間の計測がスタートする。
【0046】その後、温度センサ10による気化器6の
温度が設定温度C(C>B)に達すると(S23)、気
化用ヒータ8がオフされる(S24)。なお、S23に
おいて気化器6の温度が設定温度Cに達しないときはS
22に戻る。
【0047】次に、温度センサ10による気化器6の温
度が設定温度D(D<C)まで低下したことを検知する
と(S25)、再び気化用ヒータ8をオンして(S2
6)、タイマによる計測時間がT2時間に達するまで
(S27)、S23〜S26が繰り返し行われる。これ
によって、気化器6が約440℃〜460℃に制御さ
れ、溜まったタールが蒸し焼きにされて、燃焼不能に陥
った気化器6が燃焼可能な状態まで回復する。
【0048】タイマによる計測時間がT2時間に達する
と、点火ヒータ13がオンされるとともに、電磁弁11
をオンしてノズル7が閉じられた(S28)後、タイマ
の計測時間がT3時間に達すると(S29)、電磁ポン
プ3が駆動されるとともに電磁弁11をオフしてノズル
7が開かれて(S30)、燃焼が開始する(S7)。な
お、このときタイマによる時間の計測は停止される。
【0049】そして、S8〜S10によって電磁ポンプ
3や受け皿50等に残った灯油が燃焼された後、電磁ポ
ンプ3の空打ちが行われて、タイマによる計測時間がT
1時間に達すると、気化用ヒータ8がオフされるととも
に電磁ポンプ3およびファン15の駆動が停止され(S
11)、クリーニング運転が終了する。
【0050】なお、気化器6の蒸し焼き後に燃焼が開始
しても(S7)、炎検出器の抵抗値がP以上であれば
(S8)、蒸し焼きが不十分で燃焼可能状態になってい
ないので、再びS23〜S27の蒸し焼きが繰り返され
る。
【0051】このように、電磁ポンプ3の燃料取入管3
2の先端部分に設けられた受け皿50の灯油流入開口5
1が燃料タンク1内の灯油に浸漬する通常姿勢Rから灯
油の液面から離間するクリーニング姿勢に切換えられる
ので、クリーニング運転時は燃料タンク1内の灯油を吸
い込むことはなく、空気だけを気化器6に圧送して溜ま
ったタールを除去することができる。
【0052】したがって、燃料タンク1に灯油が残って
いてもクリーニング運転が行え、カートリッジタンク2
を引き出して、燃料タンク1内の残った灯油を抜き取る
必要がないので、手間が掛からず、使用者に手が汚れる
等の不快感を与えることはない。
【0053】しかも、切換ロッド53および受け皿50
等の簡単な構造によって、燃料パイプ50の燃料取入口
53から取り入れられる灯油をなくすことができるの
で、多少の部品を追加するだけでよく、手間の掛からな
い安価な石油ファンヒータの提供が可能となる。
【0054】また、クリーニング運転を行うと、電磁ポ
ンプ3や燃料タンク1内に残った灯油を燃焼させ、その
燃焼状態に応じて燃焼後に電磁ポンプ3を空打ちした
り、気化器6を一定時間蒸し焼きにした後に電磁ポンプ
3を空打ちして一定時間クリーニングするので、溜まっ
たタールの量が多くて燃焼が不安定状態にあっても、強
制的にクリーニングが実施される。したがって、手間を
掛けることなくクリーニングを終了させることができ、
バーナ12および気化器6等を確実に燃焼可能状態にす
ることができ、石油ファンヒータとしての信頼性が向上
する。
【0055】(第二の実施の形態)上記第一の実施の形
態では、受け皿50を燃料取入管32の先端部に設け、
受け皿50を通常姿勢とクリーニング姿勢とに切り換え
ることにより、クリーニング運転時には受け皿50内に
既に流入された灯油を燃焼させた後、電磁ポンプ3が空
打ちとなりクリーニング運転を行うものについて述べた
が、クリーニング運転時に受け皿50内の灯油をすべて
燃焼させる必要があり、この燃焼に多少の時間が必要と
なる。
【0056】そこで、第2の実施の形態においては、図
7乃至図10の如く、受け皿50の内側へこの受け皿5
0内へ流入可能な液体燃料の量を減少させる液体燃料流
入量抑制手段である受け皿50の内側の容積とほぼ同容
積のフロート55を設けている。
【0057】受け皿50の内側へフロート55を設ける
ことにより、通常姿勢時に受け皿50内へ流入する灯油
の量を減少させ、受け皿50をクリーニング姿勢に切り
換えたときに受け皿50内に流入している灯油の量が少
なくなり、クリーニング運転時の受け皿50内に残って
いる灯油の燃焼時間が短くなり、空打ち開始までの時間
を短縮することができ、クリーニング運転の総時間を短
縮することができるものである。
【0058】また、本実施例の石油ファンヒータでは、
受け皿50をカートリッジタンク2の着脱に連動させて
通常姿勢とクリーニング姿勢とに切換える連動手段を設
け、カートリッジタンク2の着脱により自動的に受け皿
50を通常姿勢とクリーニング姿勢とに切り換えるよう
にしてもよい。
【0059】また、姿勢検知手段として光センサ54を
利用したが、非検知体やカートリッジタンク2に直接当
接してオンオフ信号を出力するメカスイッチやその他の
非接触センサでもよい。
【0060】さらに、液体燃料として灯油について記述
したが、石油、軽油あるいはアルコール等の液体燃料で
あってもよい。
【0061】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、燃料タン
クに液体燃料を供給する着脱自在なカートリッジタンク
と、前記燃料タンクの液体燃料を気化器へ送るポンプ
と、前記気化器に付着したタールを除去するクリーニン
グ運転を行う制御部とを備えた液体燃料燃焼装置におい
て、前記ポンプの燃料取入口の先端側に燃料タンク内の
燃料を流入させる液体燃料流入開口を備えた受け皿を回
転自在に設け、この受け皿の回転により、液体燃料流入
開口を介して液体燃料が受け皿内部に流入する通常姿勢
と、液体燃料の受け皿内部への流入が断たれるクリーニ
ング姿勢とに切換自在とし、前記受け皿のクリーニング
姿勢のときにクリーニング運転を行うようにしたもので
あるから、クリーニング時には受け皿がクリーニング姿
勢に切り換えられ、受け皿内への液体燃料の流入が断た
れ、ポンプの燃料取入口からの液体燃料の取り入れが行
われなくなり、クリーニング運転が行われ、クリーニン
グ運転時に燃料タンク内の液体燃料を吸い込むことはな
く、空気だけを気化器に圧送して溜まったタールを確実
に除去することができる。
【0062】したがって、燃料タンクに液体燃料が残っ
ていてもクリーニング運転が行え、カートリッジタンク
を引き出して、燃料タンク内の残った液体燃料を抜き取
る必要がないので、手間が掛からず、使用者に手が汚れ
る等の不快感を与えることはない。しかも、受け皿を移
動させるだけの簡単な構造により、液体燃料の取り入れ
を断つことができるので、多少の部品を追加するだけで
よく、手間の掛からない安価な液体燃料燃焼装置の提供
が可能となる。
【0063】また、前記受け皿の通常姿勢とクリーニン
グ姿勢とを切換ロッドにより切り換えるようにしたもの
であるから、簡単な構成で、しかもスペースを取らない
小さな構造でクリーニング運転を確実に行うことができ
る。
【0064】そして、受け皿の内側へこの受け皿内へ流
入可能な液体燃料の量を減少させる液体燃料流入量抑制
手段を設け、液体燃料流入量抑制手段により受け皿内へ
の流入される液体燃料の量を減少させているので、クリ
ーニング運転時に受け皿に残っている液体燃料の燃焼時
間を短縮することができ、空打ち空打ち開始までの時間
を短縮することができ、クリーニング運転の総時間を短
縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態における石油ファン
ヒータの断面図である。
【図2】図1における受け皿が通常姿勢のときを示す燃
料タンクの断面図である。
【図3】図2の受け皿を示す一部破断構成図である。
【図4】図1における受け皿がクリーニング姿勢のとき
を示す燃料タンクの断面図である。
【図5】図4の受け皿を示す一部破断構成図である。
【図6】クリーニング運転動作を示すフローチャートで
ある。
【図7】本発明の第二の実施の形態における受け皿が通
常姿勢のときを示す燃料タンクの断面図である。
【図8】図7の受け皿を示す一部破断構成図である。
【図9】本発明の第二の実施の形態における受け皿がク
リーニング姿勢のときを示す燃料タンクの断面図であ
る。
【図10】図9の受け皿を示す一部破断構成図である。
【図11】従来の石油ファンヒータの構成図である。
【図12】従来のフロートスイッチを示す一部破断構成
図である。
【図13】従来のフロートスイッチの電気接続図であ
る。
【符号の説明】
1 燃料タンク 2 カートリッジタンク 3 電磁ポンプ 6 気化器 30 制御部 50 受け皿 51 灯油流入開口 53 切換ロッド 55 フロート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23D 11/02 F23D 11/40 - 11/44 F23K 5/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンクに液体燃料を供給する着脱自
    在なカートリッジタンクと、前記燃料タンクの液体燃料
    を気化器へ送るポンプと、前記気化器に付着したタール
    を除去するクリーニング運転を行う制御部とを備えた液
    体燃料燃焼装置において、前記ポンプの燃料取入口の先
    端側に燃料タンク内の燃料を流入させる液体燃料流入開
    口を備えた受け皿を回転自在に設け、この受け皿の回転
    により、液体燃料流入開口を介して液体燃料が受け皿内
    部に流入する通常姿勢と、液体燃料の受け皿内部への流
    入が断たれるクリーニング姿勢とに切換自在とし、前記
    受け皿のクリーニング姿勢のときにクリーニング運転を
    行うようにしたことを特徴とする液体燃料燃焼装置。
  2. 【請求項2】 前記受け皿の通常姿勢とクリーニング姿
    勢とを切換ロッドにより切り換えるようにしたことを特
    徴とする請求項1記載の液体燃料燃焼装置。
  3. 【請求項3】 受け皿の内側へこの受け皿内へ流入可能
    な液体燃料の量を減少させる液体燃料流入量抑制手段を
    設けたことを特徴とする請求項1若しくは請求項2記載
    の液体燃料燃焼装置。
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