JP3304000B2 - 金属貼合せ用ポリエステル複合フイルム - Google Patents

金属貼合せ用ポリエステル複合フイルム

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JP3304000B2
JP3304000B2 JP16356293A JP16356293A JP3304000B2 JP 3304000 B2 JP3304000 B2 JP 3304000B2 JP 16356293 A JP16356293 A JP 16356293A JP 16356293 A JP16356293 A JP 16356293A JP 3304000 B2 JP3304000 B2 JP 3304000B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属貼合せ用ポリエステ
ル複合フイルムに関し、更に詳細には缶壁部が長い金属
缶(例えば、ビール缶、炭酸飲料缶、ジュース缶、エア
ゾール缶等)を得るためのラミネート鋼板の構成材料と
して好適なポリエステル複合フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属缶において金属臭が内容物へ
移行することおよび内容物により金属缶内面が腐食され
ることを防止するために塗装が施されているが、最近、
工程簡素化、衛生性向上、公害防止等の目的で、有機溶
剤を使用せずにブリキ、ティンフリースチール、アルミ
ニウム等の金属板にポリエステルフイルムを加熱、加圧
接着して得たラミネートした後、絞り加工等により製缶
する方法の検討が進められている。たとえば、特公昭5
7−23584号公報、特公昭59−34580号公
報、特公昭62−61427号公報等にその技術内容が
開示されている。しかしながら、当該技術ではフイルム
の構成ポリマーの融点以上の温度で鋼板とラミネートし
て十分に密着させた場合、製缶加工時の衝撃、すなわ
ち、ストッパーに高速で当った衝撃で缶底部に局所的な
フイルム破れ(クラック)が発生する。係る欠点を回避
するため、フイルムの柔軟性を向上させて耐変形性を確
保しようとした場合は、製缶工程でダイスとポンチによ
る加工発熱によりフイルムがポンチに粘着し、その結果
缶壁部のフイルムが引き裂かれて破れることが多発す
る。さらに、製缶加工工程後の熱処理工程等での搬送時
に搬送ピンの跡がつき易い。すなわち、耐熱性不足に起
因した種々の問題が発生する。また、柔軟性を向上させ
たポリエステルは、缶充填物中の香気成分を吸着する特
性が悪化、すなわち、耐フレーバー性が欠るという欠点
を有している。以上より金属缶内層保護層として満足さ
れるものではない。係る欠点を回避するために、特開平
2−81630号公報において2種2層の複合ポリエス
テルフイルムを用いる方法が開示されている。しかしな
がら、成形加工性と耐熱性とのバランスにおいて、市場
要求を満足させるレベルまで達成することは困難であっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであって、製缶加工での変形性、耐衝
撃性及び密着性が確保され、かつ耐熱性に優れ製缶加工
時のポンチ粘着や搬送ピンの跡型が発生せず、更に、耐
フレーバー性の良好な金属貼合せ用ポリエステル複合フ
イルムを提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、A層、B層、
C層より構成されるポリエステル複合フィルムであっ
て、A層は融点が210℃以上のポリエチレンテレフタ
レートイソフタレートであり、B層は全酸成分の50モ
ル%以上がテレフタル酸残基、5〜50モル%が炭素数
36のダイマー酸残基を含有し、全アルコール成分の5
0モル%以上がエチレングリコール残基よりなり、C層
は融点が180〜230℃のポリエステル樹脂よりなる
ことを特徴とする金属用貼合せ用ポリエステル複合フィ
ルム。
【0005】本発明におけるA層を構成するポリエステ
ル樹脂は、ポリエチレンテレフタレートあるいは融点が
210℃以上のポリエチレンテレフタレートとイソフタ
レートとの共重合体である必要がある。かかるポリエス
テル樹脂は、その製造工程で副生するジエチレングリコ
ール残基を含むことは何ら問題がいない。また、上記融
点範囲であれば5モル%以下の他の共重合成分を含んで
もよいが、耐フレーバー性の点よりジエチレングリコー
ル残基の含有量も出来るだけ少ない方がよい。
【0006】該ポリエステル樹脂は融点が210℃以上
でなければならない。220℃以上が好ましい。210
℃未満では、耐熱性が低く製缶加工時にポンチ粘着が発
生し製缶工程の操業性が低くなり、かつ、缶壁部のフイ
ルムが引き裂かれて破れが発生する等の問題が起るので
好ましくない。該ポリエステル樹脂はポリエチレンテレ
フタレートでもかまわないが、変形性や耐衝撃性の点よ
り融点が220〜250℃のポリエチレンテレフタレー
トとイソフタレートの共重合体が特に好ましい。イソフ
タレートの共重合割合はポリエステルの製造工程で副生
するジエチレングリコール残基の量により異なるが一般
には3〜15モル%の範囲である。A層厚みは1〜20
μmが好ましく2〜15μmがより好ましい。1μm未
満では耐熱性や耐フレーバー性の向上効果が充分でなく
なるので好ましくない。逆に、20μmを越えると耐熱
性や耐フレーバー性の向上効果が飽和するとともに変形
性や耐衝撃性が低下するので好ましくない。
【0007】本発明におけるB層を構成するポリエステ
ル樹脂は、全酸成分の50モル%以上がテレフタル酸残
基、5〜50モル%が炭素数36のダイマー酸残基を含
有し、全アルコール成分の50モル%以上がエチレング
リコール残基よりなるガラス転移点が40℃以下よりな
る必要がある。テレフタル酸が50モル%未満では、耐
熱性が不足するので好ましくない。ダイマー酸とはオレ
イン酸等の高級不飽和脂肪酸の二量化反応によって得ら
れ、通常不飽和結合を分子中に有するが、水素添加をし
て不飽和度を下げたものも使用できる。水素添加をした
方が耐熱性や柔軟性が向上するのでより好ましい。ま
た、二量化反応の過程で、直鎖分岐状構造、脂環構造、
芳香核構造が生成されるがこれらの構造や量も特に限定
されない。炭素数が36のダイマー酸残基以外では、変
形性や耐衝撃性の付与が充分でないので好ましくない。
ダイマー酸残基の含有量は全酸成分中5〜50モル%
である必要がある。5モル%未満では、変形性や耐衝撃
性の付与が不充分となるので好ましくない。逆に、50
モル%を越えると変形性や耐衝撃性が飽和し、かつ、耐
熱性が低下するので好ましくない。
【0008】B層を構成するポリエステル樹脂は、上記
した範囲を満足すれば酸成分としてテレフタル酸および
炭素数が36のダイマー酸以外のジカルボン酸残基を含
むことも特に制限はない。また、炭素数36のダイマー
残基は1種類でも良いし、2種以上を併用してもよ
い。B層を構成するポリエステル樹脂は、全アルコール
成分の50モル%以上がエチレングリコール残基である
必要がある。ポリエステルの製造工程で副生するジエチ
レングリコール以外はエチレングリコール残基のみであ
るのが好ましい実施態様である。上記した範囲内であれ
ばエチレングリコールおよびジエチレングリコール以外
のジオール成分残基を含んでもかまわないがコスト面よ
り好ましくない。B層を構成するポリエステル樹脂は、
ガラス転移点が40℃以下である必要がある。30℃以
下がより好ましい。ガラス転移点が40℃を越えた場合
は、変形性や耐衝撃性の付与が充分でなくなるので好ま
しくない。
【0009】B層を構成するポリエステル樹脂は、上記
範囲内であればその構成は任意に設定することができ
る。該B層厚みは3〜60μmが好ましい。5〜40μ
mがより好ましい。3μm未満では変形性や耐衝撃性の
付与が充分でなくなるので好ましくない。逆に60μm
を越えると変形性や耐衝撃性の付与が飽和し、かつ、耐
熱性が低下するので好ましくない。また、コスト的にも
不利になる。
【0010】C層を構成するポリエステル樹脂は、融点
が180〜230℃である必要がある。融点が230℃
を越えると、金属板との加熱ラミネート時の密着性が低
下し、製缶加工時に缶壁部において局所的なフイルム剥
離を起点としたフイルム破れ(クラック)が発生しやす
くなるので好ましくない。逆に、180℃未満では、密
着性は良くなるが耐熱性が低下し、製缶加工工程後の熱
処理時に皺が入り易く金属缶内面保護層としての商品価
値が低下するので好ましくない。
【0011】該ポリエステル樹脂は、上記融点範囲のも
のであればその構造は制限を受けないがコスト面より共
重合ポリエチレンテレフタレートが好ましい。共重合成
分としては、酸成分でアルコール成分でも良い。該酸成
分としてはイソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカル
ボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカ
ルボン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸、シクロ
ヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸等が例示
でき、また、アルコール成分としては、プロパンジオー
ル、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチル
グリコール等の脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタ
ノール等の脂環族ジオール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のエ
ーテル結合含有ジオール等が例示できる。これらは単独
または2種以上を使用することができる。該ポリエステ
ル樹脂は密着性の点より非晶質なものが好ましい。該C
層の厚みは1〜15μmが好ましい。2〜10μmがよ
り好ましい。1μm未満では、金属板との密着性が不充
分となるので好ましくない。逆に、15μmを越えた場
合は金属板との密着性が飽和し、かつ、変形性や耐衝撃
性が低下するので好ましくない。
【0012】A層、B層、C層を構成するポリエステル
樹脂は、いずれもが極限粘度で0.5以上のものである
ことが好ましい。0.7以上のものがより好ましい。ま
た、各層を構成するポリエステル樹脂は1種類でもかま
わないし、2種以上をブレンドして用いてもかまわな
い。更に、これらのポリエステル樹脂には、必要に応じ
て酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、顔
料、帯電防止剤、潤滑剤、結晶核剤、無機あるいは有機
粒子よりなる潤滑剤等を配合させることは何ら制限を受
けない。前記したポリエステル樹脂の製造方法も何ら制
限はなく、エステル交換法あるいは直接重合法のどちら
の製造法で製造されたものであっても使用できる。ま
た、分子量を高めるために固相重合法で製造したもので
あってもかまわない。缶に内容物を充填後のレトルト処
理等でのポリエステル樹脂からのオリゴマーの析出を少
なくする点より、A層を構成するポリエステル樹脂は減
圧法固相重合法で製造したオリゴマー含有量の低いポリ
エステル樹脂を用いるのが特に好ましい実施態様であ
る。
【0013】本発明の複合フイルムは、以上のごとくA
層、B層、C層の順に構成されておれば、未延伸のフイ
ルムであっても、延伸フイルムであってもどちらでもか
まわない。該構成のフイルムは多層押出法で製造するの
が好ましい。延伸フイルムの場合は1軸延伸および2軸
延伸のいずれでもかまわないが等方性より2軸延伸フイ
ルムが好ましい。該複合フイルムの製造方法は何ら制限
を受けない。たとえば、延伸フイルムの場合は、Tダイ
法、チューブラー法のいずれの方法も適用できる。本発
明の複合ポリエステルフイルムを金属貼合せ用として使
用する時は、C層表面を金属板側として用いる必要があ
る。該貼合せ方法は特に限定されないが通電法で加熱し
た金属板に複合ポリエステルフイルムを圧着し熱接着さ
せる方法が最も好ましい実施態様である。
【0014】以下に本発明を実施例に基づき説明する。
実施例で用いた測定方法は次の通りである。 (1) 融点(Tm)、ガラス転移点(Tg) 示差走査型熱量計を用いて求める。サンプルを300℃
で5分間加熱溶融した後液体窒素で急冷しその10mg
を10℃/分の昇温速度で昇温していった際に、ガラス
状態からゴム状態への転移に基づく比熱変化を読みとり
この温度をガラス転移点(Tg)とした。また、結晶融
解に基づく吸熱ピーク温度を融点(Tm)とした。
【0015】(2) 接着性 230℃に加熱した金属ロールとゴムロールとの間を複
合ポリエステルフイルムと厚さ0.29mmのブリキと
を重ね合せ(複合ポリエステルのC層表面をブリキと接
触)、圧力20kg/cmで通過させた。通過後のフイ
ルムとブリキのラミネート品の接着力(ラミネート強
さ)をテンシロンで測定した。 ○:ラミネート強さが200g/cm以上 ×:ラミネート強さが200g/cm未満
【0016】(3) スティック温度 所定の温度に加温した金属ロールに(2)の方法でブリ
キ板にラミネートしたラミネートフイルムのフイルム面
を接触させ、手で押え粘着により抵抗が急激に増大する
温度を測定。5℃ピッチで評価し、最後は1℃ピッチで
評価しスティック温度を求めた。スティック温度が80
℃未満では、製缶工程でポンチの粘着が起り製缶の操業
性が低下するので好ましくない。
【0017】(4) 耐熱性 (2)の方法でブリキ板にラミネートしたラミネートフ
イルムを5cm×5cmに切断したものフイルム面に、
100gの分銅の跡形の発生状況を目視で評価した。
【0018】(5) 耐衝撃性 (2)の方法でブリキ板にラミネートしたラミネートフ
イルムのフイルム面に、先端径4mm、重量0.4kg
の錘を高さ30cmより垂直に落下し変形させ製缶のモ
デルとした。該製缶モデルラミネートフイルムを220
℃で10分間熱処理した後、水をはったオートクレープ
に入れて120℃で30分間加熱しレトルトのモデル処
理を行なった。該レトルトモデル処理ラミネートフイル
ムの製缶モデルで変形した部分にブリキ板側より、底面
が平坦で重量が0.4kgの錘を高さ24cmより垂直
に落下させ衝撃を与えた。該衝撃を与えたラミネートフ
イルムのフイルム側に塩ビ製のパイプを接着剤で接合
し、この中に1%食塩水を入れ電極を挿入し、ブリキ板
を陽極として6Vの電圧をかけ30秒後の電流値(m
A)を測定した。0.2mA以下であることが好まし
い。
【0019】(6) 熱処理後のしわ (2)の方法でブリキ板にラミネートしたラミネートフ
イルムをプレス機で100kg/cm2の圧力でプレス
成形しカップを得た。該カップを200℃で5分間加熱
した後のフイルムの皺の発生状態を目視評価した。
【0020】(7) 耐フレーバー性 A層側を内面として10cm角のフイルムをインパルス
シーラーで三方シールをする。該三方シール袋にd−リ
モネン30cmを充填し、開封口をインパルスシーラー
で密封をする。該密封袋を40℃の恒温室で10日間静
置し、d−リモネンの吸着を行なう。該吸着袋を開封し
d−リモネンを排出させた後、未シール部分のフイルム
を4cm角の大きさに切出し、表面に付着しているd−
リモネンをキムワイプ(紙製ふきん)できれいにふきと
りフイルムの重量W1 を測定する。該フイルムを60℃
で24時間真空乾燥した後、再度フイルムの重量W2 を
測定する。 d−リモネンの吸着量を次式により求め重量%で表示し
た。 d−リモネン吸着量(%)=W1 −W2 /W2 d−リモネン吸着量が2%以下のものが実用的である。
【0021】実施例1 A層レジンとして平均粒径が3μmの球状ゼオライト2
000ppmを含むテレフタル酸/イソフタル酸(モル
比95/15)とエチレングリコールからの共重合ポリ
エステル(Tm245℃)〔ポリエステルA〕をB層レ
ジンとしてイルガノックス1330を0.2重量%を含
むテレフタル酸/炭素数36ケのダイマー酸(モル比9
0/10)とエチレングリコールからの共重合ポリエス
テル(Tm230℃、Tg22℃)〔ポリエステルB〕
を、C層レジンとして平均粒径3μmの球状ゼオライト
2000ppmを含むテレフタル酸/イソフタル酸(モ
ル比83/17)とエチレングリコールからの共重合ポ
リエステル(Tm=215℃)〔ポリエステルC〕をそ
れぞれ別々の押出し機で溶融させ、この溶融体をダイ内
でA/B/C層の順に合流させた後、冷却ドラム上に押
出して冷却させ総厚み32μm(A層厚み12μm、B
層厚み15μm、C層厚み5μm)の未延伸フイルムを
得た。得られたフイルムおよびブリキ板とのラミネート
フイルム(C層面側をラミネート、以下の実施例および
比較例は全てC層面側をラミネート)の特性を表1に示
す。本実施例で得られた複合フイルムは、接着性、製缶
操業性、耐熱性、耐衝撃性、耐フレーバー性の全ての特
性に優れており、金属貼合せ用フイルムとして実用性が
高いものであった。
【0022】比較例1 実施例1において、A層レジンとしてポリエステルAに
替えて、平均粒径3μmの球状ゼオライト2000pp
mを含むテレフタル酸/イソフタル酸(モル比80/2
0)とエチレングリコールとからの共重合ポリエステル
(Tm=200℃)〔ポリエステルD〕を用いる以外、
実施例1と同じ方法で得た未延伸フイルムおよびブリキ
板とのラミネートフイルムの特性を表1に示す。本比較
例で得た複合フイルムは、ステック温度が低く、かつ耐
熱性が悪く製缶操業性に劣り、金属貼合せ用フイルムと
しては実用性の低いものであった。
【0023】比較例2 実施例1においてC層レジンとしてポリエステルCに替
えて、平均粒径3μmの球状ゼオライト2000ppm
を含むテレフタル酸/イソフタル酸(モル比67/3
3)とエチレングリコールとからの共重合ポリエステル
(Tm170℃、メトラー社の融点測定装置にて測定)
〔ポリエステルE〕を用いる以外、実施例1と同じ方法
で得た未延伸フイルムおよびブリキ板とのラミネートフ
イルムの特許を表1に示す。本比較例で得られた複合フ
イルムは、接着層の耐熱性が低く、ラミネート後の熱処
理によりしわが発生し金属貼合せ用フイルムとしては実
用性の低いものであった。
【0024】比較例3 実施例1においてB層レジンのポリエステルBのテレフ
タル酸/ダイマー酸のモル比を90/10から97/3
に変更(Tm250℃、Tg52℃)〔ポリエステル
F〕する以外、実施例1と同じ方法で得た未延伸フイル
ムおよびブリキ板とのラミネートフイルムの特性を表1
に示す。本比較例で得られたフイルムは耐衝撃性に劣
り、金属貼合せ用フイルムとしては実用性の低いもので
あった。
【0025】比較例4 実施例1においてB層レジンのポリエステルBに替えて
A層レジンと同じのポリエステルAに変更する以外、実
施例1と同じ方法で得た未延伸フイルムおよびブリキ板
とのラミネートフイルムの特性を表1に示す。本比較例
で得られた複合フイルムは耐衝撃性に劣り、金属貼合せ
用フイルムとしては実用性の低いものであった。
【0026】比較例5 実施例1においてC層レジンをポリエステルCに替えて
ポリエステルAを用いる以外、実施例1と同じ方法で得
た未延伸フイルムおよびブリキ板とのラミネートフイル
ムの特性を表1に示す。本比較例で得られた複合フイル
ムは接着性に劣り金属貼合せ用フイルムとしては実用性
の低いものであった。
【0027】比較例6 実施例1においてA層レジンをポリエステルAに替えて
B層レジンと同じのポリエステルBを用いる以外、実施
例1と同じ方法で得た未延伸フイルムおよびブリキ板と
のラミネートフイルムの特性を表1に示す。本比較例で
得られた複合フイルムは耐フレーバー性に劣り、金属貼
合せ用フイルムとしては実用性の低いものであった。
【0028】実施例2 A層レジンとして、平均粒径2.5μmの不定形シリカ
700ppmを含むテレフタル酸/イソフタル酸(モル
比85/15)とエチレングリコールとからの共重合ポ
リエステル(Tm220℃)〔ポリエステルG〕を、B
層レジンとしてポリエステルBをC層レジンとしてポリ
エステルDをそれぞれ別々の押出し機で溶融させ、この
溶融体をダイ内でA/B/C層の順に合流させた後、冷
却ドラム上に押出して冷却させて未延伸フイルムを得
た。該未延伸フイルムをまず縦方向に85℃で3.3
倍、次いで横方向に100℃で3.4倍に延伸した後、
170℃で熱セットを行ない総厚み30μm(A層厚み
9μm、B層厚み18μm、C層厚み3μm)の2軸延
伸フイルムを得た。得られたフイルムおよびブリキ板と
のラミネートフイルムの特性を表1に示す。本実施例で
得られた複合フイルムは、接着性、製缶操業性、耐熱
性、耐衝撃性、耐フレーバー性のいずれかの特性にも優
れており、金属貼合せ用フイルムとして実用性が高いも
のであった。
【0029】比較例7 実施例2においてB層レジンとしてポリエステルBに替
えてポリエステルFを用いる以外、実施例2と同じ方法
で得た2軸延伸フイルムおよびブリキ板とのラミネート
フイルムの特性を表1に示す。本比較例で得られた複合
フイルムは耐衝撃性に劣り金属貼合せ用フイルムとして
は実用性の低いものであった。
【0030】比較例8 実施例2においてB層レジンとしてポリエステルBに替
えてポリエステルGを用いる以外、実施例2と同じ方法
で得た2軸延伸フイルムおよびブリキ板とのラミネート
フイルムの特性を表1に示す。本比較例で得られた複合
フイルムは、耐衝撃性に劣り金属貼合せ用フイルムとし
ては実用性の低いものであった。
【0031】比較例9 実施例2においてC層レジンをポリエステルDに替えて
ポリエステルAを用いる以外、実施例2と同じ方法で得
た2軸延伸フイルムおよびブリキ板とのラミネートフイ
ルムの特性を表1に示す。本比較例で得られた複合フイ
ルムは接着性に劣り金属貼合せ用フイルムとしては実用
性の低いものであった。
【0032】比較例10 実施例2においてA層、B層およびC層の全てのレジン
としてポリエステルDを用いるよう変更する以外、実施
例2と同じ方法で得た2軸延伸フイルムおよびブリキ板
とのラミネートフイルムの特性を表1に示す。本比較例
で得られた複合フイルムは製缶操業撃性の尺度であるス
テック温度が低く、かつ、耐熱性、耐衝撃性に劣り金属
貼合せ用フイルムとしては実用性が低いものであった。
【0033】比較例11 実施例2においてA層レジンとしてポリエステルGに替
えてポリエステルBを用いる以外、実施例2と同じ方法
で得た2軸延伸フイルムおよびブリキ板とのラミネート
フイルムの特性を表1に示す。本比較例で得られた複合
ポリエステルフイルムは耐フレーバー性に劣り金属貼合
せ用フイルムとして実用性が低いものであった。
【0034】実施例3 A層レジンとして、平均粒径が3μの球状の架橋ポリメ
チルメタアクリ系ビーズ2000ppmを含む極限粘度
が1.00のポリエチレンテレフタレート(Tm254
℃)を、B層レジンとしてイルガノックス1010を
0.2重量%含むテレフタル酸/炭素数36ケのダイマ
ー酸(モル比85/15)とエチレングリコールからの
共重合体(Tm220℃、Tg16℃)を、C層レジン
としてポリエステルCを用い実施例1と同様の方法で総
厚み32μmA層6μm、B層23μm、C層3μmの
未延伸フイルムを得た。得られたフイルムおよびブリキ
板とのラミネートフイルムの特性を表1に示す。本実施
例で得た複合フイルムは全ての特性が優れており金属貼
合せ用フイルムとして実用性の高いものであった。
【0035】実施例4 A層レジンとして平均粒径が3μmの球状シリカ200
0ppmを含むテレフタル酸/イソフタル酸(モル比8
8/12)とエチレングリコールからの共重合ポリエス
テル(Tm225℃)を、B層レジンとしてテレフタル
酸/セバシン酸(モル比80/20)とエチレングリコ
ールからの共重合ポリエステル(Tm205℃、Tg1
8℃)を、C層レジンとしてポリエステルDを用い実施
例1と同様の方法で総厚み32μm(A層9μm、B層
20μm、C層3μm)の未延伸フイルムを得た。得ら
れたフイルムおよびブリキ板とのラミネートフイルムの
特性を表1に示す。本実施例で得た複合フイルムは全て
の特性に優れており金属貼合せ用フイルムとして実用性
の高いものであった。
【0036】実施例5 A層レジンとしてポリエステルGを、B層レジンとして
テレフタル酸/ドデカンジカルボン酸(モル比85/1
5)とエチレングリコールからの共重合ポリエステル
(Tm218℃、Tg20℃)を、C層レジンとしてポ
リエステルDを用い実施例2と同様の方法で総厚み32
μm(A層9μm、B層20μm、C層3μm)の2軸
延伸フイルムを得た。得られたフイルムおよびブリキ板
とのラミネートフイルムの特性を表1に示す。本実施例
で得た複合フイルムは全ての特性に優れており金属貼合
せ用フイルムとして実用性の高いものであった。
【0037】
【発明の効果】本発明の金属貼合せ用ポリエステル複合
フイルムは、三層構成よりなり、かつ、各層を構成する
ポリエステル樹脂の特性が適正な範囲に制御されている
ため、たとえば、金属板と貼合せた後に製缶加工し缶壁
部が長い金属缶を製造する用途に適用した場合に、金属
板との熱接着性や製缶加工性に優れ、かつ、耐熱性に優
れており製缶加工工程での操業性が良好で、更に、製缶
後の耐衝撃性や耐フレーバー性に優れており極めて有用
である。
【0038】
【表1】
フロントページの続き (72)発明者 森 邦治 愛知県犬山市大字木津字前畑344番地 東洋紡績株式会社 犬山工場 (72)発明者 井坂 勤 大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋 紡績株式会社 本社内 審査官 芦原 ゆりか (56)参考文献 特開 平5−154971(JP,A) 特開 平5−338103(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A層、B層、C層より構成されるポリエ
    ステル複合フィルムであって、A層は融点が210℃以
    上のポリエチレンテレフタレートイソフタレートであ
    り、B層は全酸成分の50モル%以上がテレフタル酸残
    基、5〜50モル%が炭素数36のダイマー酸残基を含
    有し、全アルコール成分の50モル%以上がエチレング
    リコール残基よりなり、C層は融点が180〜230℃
    のポリエステル樹脂よりなることを特徴とする金属用貼
    合せ用ポリエステル複合フィルム。
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