JP3303654B2 - アクチュエータのロック装置 - Google Patents

アクチュエータのロック装置

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JP3303654B2
JP3303654B2 JP05458396A JP5458396A JP3303654B2 JP 3303654 B2 JP3303654 B2 JP 3303654B2 JP 05458396 A JP05458396 A JP 05458396A JP 5458396 A JP5458396 A JP 5458396A JP 3303654 B2 JP3303654 B2 JP 3303654B2
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直樹 山崎
哲也 ▲高▼島
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、揺動型の磁気ヘッ
ドを有する磁気ディスク装置における磁力吸引型のアク
チュエータのロック装置(G11B 21/22)に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】揺動型の磁気ヘッドを有する磁気ディス
ク装置においては、電源オフの状態の時、磁気ヘッドと
磁気ディスクの保護のため、磁気ヘッドが磁気ディスク
の非記録部分に位置する非動作位置に、アクチュエータ
アームをロックするためのロック装置が必要である。従
来のアクチュエータのロック装置は、特開平6−203
516号公報に示すように、固定されたロック用のマグ
ネットとキャリッジの一端部に設けられた磁性部材との
間に働く磁力でキャリッジの磁性部材を吸引するロック
装置、または、特開平6−231550号公報に示すよ
うに、キャリッジ側に突設したロックピンと、そのロッ
クピンと係合するロックピンの突出、非突出を電磁ソレ
ノイドの駆動電流をオン、オフすることにより、キャリ
ッジの保持を行う機構、また、米国特許第4,692,
829号公報に記載されているように、動力源として回
転するディスク表面に生じる風を利用して、機械的にロ
ックする方法等が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ロック装置に要求され
るトルク特性には、ロックトルクが大きいことの他に、
解除時のトルクが小さいこと、そして、解除後はアクチ
ュエータに対し、外力として何らの影響も及ぼさないこ
と、更に、サーボ系にも外乱を与えないことが必要であ
る。
【0004】マグネットを用いて、アクチュエータをロ
ックする場合には、ロック解除時にロック力よりも大き
なトルクをアクチュエータに生じさせなければならず、
このため、ロック力に限界があり機械的なロックと比べ
てアクチュエータの動作方向に対する衝撃に弱い。更
に、アクチュエータ動作時においては、ロック用マグネ
ットの磁力が外乱としてアクチュエータのサーボシステ
ムへ作用し、その外乱はロック用マグネットに近づくと
大きく、遠ざかると小さくというように位置により大き
さが異なるため、アクチュエータの制御を行いにくくし
ているという問題があった。
【0005】電磁ソレノイドを用いて機械的にロックす
る場合は、ロックあるいはロック解除状態の保持のため
に電流を流し続ける必要があり、消費電流が多くなると
いう問題が、また米国特許第4,692,829号公報
に記載されているように動力源として回転するディスク
表面に生じる風を動力源として機械的にロックするもの
があるが、この方式ではディスクの径が小さくなると十
分な動力が得られないという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明のアクチュエータのロック装置は、アクチュ
エータの駆動コイルに、そのアクチュエータを非動作位
置に向けて回動せしめる電流が流れたときのコイルの磁
力により吸引されてロック位置に向けてロックアームを
回動し、前記コイルにアクチュエータを動作位置に向け
て回動せしめる電流が流れた時、そのコイルの磁力によ
り離反されてロック解除位置に向けてロックアームを回
動する第2の磁石を前記ロックアームに設けるととも
に、前記アクチュエータ部に前記ロックアームを係合す
る切欠きを設け、機械的保持機構を設けたことを特徴と
したものである。
【0007】本発明によれば、ロック装置のための動力
電流源を特に必要とせず、アクチュエータの回動に有効
でないコイルの一辺に対向して配置するため、サーボ系
に外乱を与えることなく、簡易な機構で構成することが
出来、また、機械的なロック機構を併用するため、十分
なロック力を得ることができるロック装置を提供出来
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載のアクチ
ュエータのロック装置は、一端に磁気ヘッドが、他端部
にコイルがそれぞれ固定され、中間部において回転可能
に固定部に支持されたアクチュエータアームを、前記コ
イルに対向して固定部に設けられた第1の磁石の磁力の
影響下において前記コイルを流れる電流を制御すること
により前記磁気ヘッドが非動作位置と動作位置との間を
移動可能に回動せしめるように構成するとともに、前記
アクチュエータアームと係合してそのアクチュエータア
ームを前記非動作位置にロックするロック位置と、アク
チュエータアームから離反したロック解除位置との間を
回動可能なロックアームを前記固定部に設けたアクチュ
エータのロック装置において、前記ロックアームを前記
ロック位置とロック解除位置との間を回動せしめるため
の駆動源として、前記第1の磁石と吸引する極性で、前
記コイルにアクチュエータを非動作位置に向けて回動せ
しめる電流が流れたときのコイルの磁力により吸引され
てロック位置に向けてロックアームを回動し、前記コイ
ルにアクチュエータを動作位置に向けて回動せしめる電
流が流れた時、そのコイルの磁力により離反されてロッ
ク解除位置に向けてロックアームを回動する第2の磁石
を前記ロックアームに設けたことを特徴としたものであ
り、ロック装置のための動力電流源を特に必要とせず、
磁石間の吸引力と、アクチュエータのコイルに流す電流
の向きにより、第2の磁石であるロックマグネットを前
記コイルに反発吸引させ、アクチュエータアームと係合
してロックすることが出来る。
【0009】次に、本発明の請求項2に記載のアクチュ
エータのロック装置は、前記コイルは略台形状に構成さ
れており、前記第2の磁石は、前記コイルの前記アクチ
ュエータアームの回動に有効でない一辺に対向するよう
にロックアームに配置されるとともに、ロックアームに
係合する切欠き部をアクチュエータアームに設けたこと
を特徴としたものであり、大きなロックトルクが得ら
れ、解除時のトルクを小さく設定出来るとともに、第2
の磁石は外力としてサーボ系に影響を与えることのない
ロック装置を実現しうるものである。
【0010】次に、本発明の請求項3に記載のチュエー
タのロック装置は、前記ロックアームに当接し、ロック
アームの回動をロック解除位置に規制する規制ピンを磁
性体で構成し、前記第2の磁石との磁気的結合により、
ロックアームをロック解除位置に保持するように構成し
たことを特徴としたものであり、アクチュエータのサー
ボ系に外乱を与えることのないロック装置を実現出来
る。 (実施の形態1)以下に、本発明の請求項1から請求項
3に記載された発明の実施の形態について、図1から図
2を用いて説明する。
【0011】図1において、1は中間部において支軸2
により回動可能に非磁性体の基盤12に取り付けられた
アクチュエータアームであり、その一端には磁気ヘッド
(図示せず)が固定されたサスペンション14が、他端
部には略台形状のコイル5がそれぞれ固定されている。
【0012】4は前記コイル5に所定の空隙をもって対
向するように磁性材よりなる下マグプレート7を介して
前記基盤12に取り付けられた第1の磁石のボイスコイ
ルモータ磁石(以後VCM磁石と呼ぶ)であり、6は前
記コイル5の他方の面に所定の空隙をもって対向するよ
うに配置された磁性材よりなる上マグプレートであり、
支柱8、9を介して前記下マグプレート7にねじ10、
11により固定されている。
【0013】すなわち、前記コイル5、VCM磁石4、
上マグプレート6、下マグプレート7によりボイスコイ
ルモータ(以後VCMとよぶ)3が構成され、前記VC
M磁石4の磁界の影響下において、前記コイル5を流れ
る電流を制御することにより、前記サスペンション14
の先端部に取り付けられた磁気ヘッドが磁気ディスク1
3の内周部の非記録領域に位置する非動作位置と、磁気
ディスク13の記録領域に位置する動作位置との間を移
動可能にアクチュエータアーム1を回動せしめるように
構成されている。
【0014】17は先端部に第2の磁石(以後ロック磁
石と呼ぶ)15が固定されたロックアームであり、支軸
18により回動可能に基盤12に取り付けられており、
後述の構成によって、ロックアーム17は、図2(a)
に示すようにロックアーム17に形成された係合爪16
がアクチュエータアーム1の切欠き部と係合してアクチ
ュエータアーム1を非動作位置にロックするロック位置
と、前記係合を解き、基盤12に植設された磁性体より
なる規制ピン19に当接するロック解除位置との間を回
動する。
【0015】前記ロック磁石15は、前記VCM磁石4
と吸引する極性で、このVCM磁石4の磁力と前記コイ
ル5にアクチュエータアーム1を非動作位置に向けて回
動せしめる電流が流れた時のコイル5の磁力により吸引
されてロック位置に向けてロックアーム17を回動し、
前記コイル5にアクチュエータアーム1を動作位置に向
けて回動せしめる電流が流れた時には、そのコイル5の
磁力により離反されてロック解除位置に向けてロックア
ーム17を回動するようにその磁力が設定されている。
【0016】次に、このロックアーム17の動作につい
て図2を参照して説明する。図2(a)はコイル5とロ
ック磁石15の、非動作位置における位置関係を示す平
面図であり、同図(b)はコイル5の、動作状態におけ
る磁束を示す斜視図である。
【0017】停止時には、図2(a)に実線で示すよう
にロック磁石15はVCM磁石4に吸引されて、コイル
5に近接した位置で停止している。そして、ロックアー
ム17に形成された係合爪16がアクチュエータアーム
1の切欠き部と係合し、アクチュエータアーム1を非動
作位置でロックしている。この時、回転方向Fの力が働
いても、ロックアーム17の係合爪16には、回転方向
Fの接線方向の力、すなわち、ロックアーム17の長手
方向の力として作用するのでアクチュエータアーム1は
機械的にロックされた状態となり、ロックが保持され
る。また、前記回転方向Fと反対方向の力がアクチュエ
ータアーム1に働いた場合は、前述の支柱9にアクチュ
エータアーム1は当接し、その回動は阻止される。
【0018】動作開始時、この図2(a)の状態よりコ
イル5に図2(b)の矢印21と逆方向に駆動電流を流
すと、アクチュエータアーム1の回動方向に対して略直
角方向に伸びるコイル5の辺24に生じる磁束22Aと
VCM磁石4の磁束20との電磁相互作用により、コイ
ル5(アクチュエータアーム1)を動作位置に向けて移
動する矢印23と逆方向の力が働く。この時、コイル5
のアクチュエータアーム1の回動方向に対して略平行方
向に伸びる辺25に生じる磁束22Bは、前記矢印23
と逆方向の駆動力としては、あまり有効に作用しない
が、この辺25に近接しているロック磁石15にコイル
5から離反させる方向Eの力が働き、ロックアーム17
を前記VCM磁石4とロック磁石15の吸引力に抗し
て、ロック解除位置に向けて移動する。そして、ロック
アーム17がロック解除位置に向けて移動すると、前記
係合爪16とアクチュエータアーム1の切欠き部との係
合が解け、アクチュエータアーム1は動作位置に向けて
移動し、以後磁気ディスク13の記録領域部にて通常の
記録再生動作が行われる。
【0019】一方、ロック解除位置に向けて移動された
ロックアーム17は、図2(a)に点線で示すように磁
性材よりなる規制ピン19に当接して、その回動位置が
規制されるとともに、規制ピン19とロック磁石15と
の磁気的吸引力により、ロックアーム17はロック磁石
15がアクチュエータアーム1に作用しないロック解除
位置に保持される。
【0020】記録再生動作の終了後、電源をオフする
と、従来と同様、磁気ディスク13の回転用モータ(図
時せず)の余力回転により発電された起電力をVCM3
の駆動に用い、アクチュエータアーム1を非記録領域の
ロック位置に退避させる。すなわち、コイル5に図2
(b)の矢印21の方向に前記発電された電流を流す
と、アクチュエータアーム1は矢印23の方向に動き出
し、ロック位置に移動し始め、コイル5とロック磁石1
5が近接し、ロック磁石15とコイル5の辺25による
磁界の作用で、コイル5とロック磁石15間に吸引力が
働き、ロック磁石15がロック位置側に移動し、アクチ
ュエータアーム1がロック位置に達するとともに、ロッ
クアーム17もロック位置に達する。コイル5の前記駆
動電流がなくなっても、ロック磁石15とVCM磁石4
の磁気吸引力により、ロックアーム17がロック位置に
保持されるとともに、係合爪16がアクチュエータアー
ム1の切欠き部と係合してアクチュエータアーム1がロ
ック位置に機械的に保持される。
【0021】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、アクチュ
エータ非動作時、大きなロックトルクを得ることがで
き、アクチュエータ動作時においては、余分な外乱がア
クチュエータのサーボシステムへ作用することのないロ
ック装置を提供することが出来る。
【0022】また、従来の機械的なロック機構と比較し
て、ロック機構のための動力源を必要としないために構
造が複雑にならず低コストで実現出来、またディスクの
サイズに関係なくロック機構は動作可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるアクチュエータの
ロック装置を示す分解斜視図
【図2】(a)同実施の形態のロック機構部分の平面図 (b)同実施の形態のアクチュエータの駆動コイルの磁
束を示す斜視図
【符号の説明】
1 アクチュエータアーム 2 アクチュエータ支持軸 3 ボイスコイルモータ(VCM) 4 VCM磁石 5 アクチュエータ駆動コイル 6 上マグプレート 7 下マグプレート 8、9 支柱 10、11 ねじ 13 磁気ディスク 14 サスペンション 15 ロック磁石 16 ロックアームの係合爪 17 ロックアーム 18 ロックアーム支軸 19 規制ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 21/02 G11B 21/22

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端に磁気ヘッドが、他端部にコイルが
    それぞれ固定され、中間部において回転可能に固定部に
    支持されたアクチュエータアームを、前記コイルに対向
    して固定部に設けられた第1の磁石の磁力の影響下にお
    いて前記コイルを流れる電流を制御することにより前記
    磁気ヘッドが非動作位置と動作位置との間を移動可能に
    回動せしめるように構成するとともに、前記アクチュエ
    ータアームと係合してそのアクチュエータアームを前記
    非動作位置にロックするロック位置と、アクチュエータ
    アームから離反したロック解除位置との間を回動可能な
    ロックアームを前記固定部に設けたアクチュエータのロ
    ック装置において、 前記ロックアームを前記ロック位置とロック解除位置と
    の間を回動せしめるための駆動源として、前記第1の磁
    石と吸引する極性で、前記コイルにアクチュエータを非
    動作位置に向けて回動せしめる電流が流れたときのコイ
    ルの磁力により吸引されてロック位置に向けてロックア
    ームを回動し、前記コイルにアクチュエータを動作位置
    に向けて回動せしめる電流が流れた時、そのコイルの磁
    力により離反されてロック解除位置に向けてロックアー
    ムを回動する第2の磁石を前記ロックアームに設けたこ
    とを特徴とするアクチュエータのロック装置。
  2. 【請求項2】 前記コイルは略台形状に構成されてお
    り、前記第2の磁石は、前記コイルの前記アクチュエー
    タアームの回動に有効でない一辺に対向するようにロッ
    クアームに配置されるとともに、ロックアームに係合す
    る切欠き部をアクチュエータアームに設けたことを特徴
    とする請求項1記載のアクチュエータのロック装置。
  3. 【請求項3】 前記ロックアームに当接し、ロックアー
    ムの回動をロック解除位置に規制する規制ピンを磁性体
    で構成し、前記第2の磁石との磁気的結合により、ロッ
    クアームをロック解除位置に保持するように構成したこ
    とを特徴とする請求項1記載のアクチュータのロック装
    置。
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