JP3302742B2 - 横形pnpトランジスタの製造方法 - Google Patents

横形pnpトランジスタの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、横形PNPトランジ
スタに関し、その集積度向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】バイポーラトランジスタは、2個のPN
接合が相互に作用し合う程度に近接して配置された構造
をもつデバイスで、現在使用されている半導体デバイス
の中では、最も重要なものといえる。
【0003】図5に、従来の横形PNPトランジスタの
断面図を示す。このトランジスタは、P型基板5,P+
イオンの拡散層であるコレクタ領域2およびエミッタ領
域4,N-イオンのベース領域61,N+イオンの拡散層
であるベース領域62,N+埋め込み層(B/L)8を備
えている。また、各領域にはコレクタ電極12,エミッ
タ電極14,ベース電極16が取り付けられ、これら
が、トランジスタの端子となって外部回路に接続され
る。
【0004】コレクタ,エミッタ間電圧VCEが印加され
た活性領域ではエミッタ電流IEの大部分がコレクタ電
流ICとなって流れ、一部分がベース電流IBとなってコ
レクタ領域2とエミッタ領域4との間に形成されるN-
イオンのベース領域61、N+埋め込み層8,N+イオン
のベース領域62を通って流れる。
【0005】これにより、わずかなベース電流IBによ
り大きなコレクタ電流ICを制御できることになり、電
流増幅作用が得られる。
【0006】図6に、ベース電流IBにおけるVCEに対
するコレクタ電流ICの変化特性を示す。横軸をVCE
縦軸をICとしている。ベース電流IBに対するコレクタ
電流ICの増幅率は、電流増幅率hFE=IC/IBで表わ
される。
【0007】従来は、このような横形PNPトランジス
タが用いられていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
横形PNPトランジスタにおいては、次のような問題点
があった。
【0009】トランジスタは、本来VCEに対してIC
一定であること、すなわち静特性がよいことが望まし
い。しかし、一般的な横形PNPトランジスタ構造で
は、図7に示すように、コレクタ領域2のP+イオン濃
度よりベース領域61のN-イオン濃度の方が薄いなどの
理由により、コレクタ接合20の空乏層DRがベース領
域61側に伸び、実効的なベース幅L2が狭くなる場合が
ある(エミッタ接合部の空乏層伸びはほとんど無い)。
このような場合、トランジスタ特性(図6参照)が点線
のように、VCEに対してICの変化が大になり、静特性
が悪くなるという問題があった。
【0010】また、トランジスタの集積度を上げるため
に、コレクタ領域2,エミッタ領域4間の距離L1を狭
くすればするほど、コレクタ接合20の空乏層DRの幅
Wに対してベース幅L2が狭くなる割合が大きくなるの
で、静特性が顕著に悪くなる。すなわちトランジスタの
集積度を向上することが困難であるという問題があっ
た。
【0011】この発明は、上記の問題点を解決して、静
特性がよくて集積度の高い横形PNPトランジスタを提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願請求項1の横型PN
Pトランジスタの製造方法は、第1のP型領域及び第3
のP型領域がコレクタを形成し、第2のP型領域がエミ
ッタ領域を形成し、さらにN型領域がベース領域を形成
する横型PNPトランジスタの製造方法において、マス
クを用いて前記第1のP型領域を形成し、 回転斜めイ
オン注入方式により、前記マスクを用いて、前記第1の
P型領域の外側に、当該第1のP型領域より不純物濃度
を薄くした第3のP型領域を形成すること、を特徴とす
る。
【0013】
【0014】
【作用】請求項1の横型PNPトランジスタの製造方法
は、第1のP型領域の外側に、第1のP型領域より不純
物濃度を薄くした第3のP型領域を形成している。従っ
て、P型領域接合の空乏層を第3のP型領域へも伸ばし
て、N型領域側への伸びを抑えることにより、N型領域
幅が狭くなることを防止することができる。
【0015】さらに、第3のP型領域は、回転斜めイオ
ン注入方式により形成されている。従って、第3のP型
領域は、第1のP型領域と同一マスクにて形成すること
ができる。
【0016】
【実施例】図1に、この発明の一実施例による横形PN
Pトランジスタの断面図を示す。
【0017】このトランジスタ10は、P型基板5,第
1のP型領域であるコレクタ領域(P+イオン)21,第
2のP型領域であるエミッタ領域(P+イオン)41,第
3のP型領域であるコレクタ領域(P-イオン)22およ
びエミッタ領域(P-イオン)42,N型領域であるベー
ス領域(N-イオン)61,ベース領域(N+イオン)
2,N+埋め込み層(B/L)8を備えている。また、
各領域にはコレクタ電極12,エミッタ電極14,ベー
ス電極16が取り付けられ、これらが、トランジスタ1
0の端子となって外部回路に接続される。
【0018】ここで、図2に、トランジスタ10のコレ
クタ接合の状態を示す。本発明のトランジスタ10にお
いては、コレクタ領域(P+イオン)2の外側に、コレ
クタ領域(P-イオン)21が形成されており、エミッタ
領域(P+イオン)4の外側に、エミッタ領域(P-イオ
ン)41が形成されている。
【0019】これと同時に、コレクタ領域21,エミッ
タ領域41のP-イオン(不純物)濃度が、コレクタ領域
2,エミッタ領域4のP+イオン(不純物)濃度より薄
く形成されている。
【0020】従って、コレクタ接合30は、コレクタ領
域(P-イオン)21とベース領域(N-イオン)61との
接合になっている。そして、この接合部30に空乏層D
Rがつくられている。
【0021】これにより、空乏層DR(幅Wは一定)
は、イオン濃度が薄いコレクタ領域21へ(A方向)の
伸びが大きくなり、このA方向の伸びが大きくなる分、
ベース領域61へ(B方向)の伸びが抑えられることに
なる(ほとんど伸びない)。すなわち、図6の従来例
(P+イオンのコレクタ領域2とN-イオンのベース領域
1とが接合)に比較して、空乏層DRのB方向への伸
びが抑えられることにより、ベース幅L2が狭くなるこ
とを防止することができる。
【0022】このように、このトランジスタ10は、P
+イオンのコレクタ領域2とN-イオンのベース領域61
との間にイオン濃度が薄いコレクタ領域21を形成する
ことにより、空乏層DRのベース領域61への伸びを抑
えるようにしている。これにより、ベース幅L2が狭く
なることが防止されるので、静特性がよくて集積度の高
い横形PNPトランジスタを提供することが可能とな
る。
【0023】次に、この横形PNPトランジスタ10の
製造工程について説明する。図3〜図4に、このトラン
ジスタ10の製造フローを示す。
【0024】まず、図3において、P型シリコン基板5
に、酸化膜をマスクに用いる(フォトエッチング)方法
により、N型の不純物(例えばヒ素,アンチモン)を熱
拡散させてN+埋め込み層(B/L)8を形成する。そ
して、同様にP型の不純物(例えばボロン)を熱拡散さ
せて素子分離領域50を形成する(図3a)。
【0025】次に、気相成長(エピタキシャル)によ
り、N-層を成長させる。その後、フォトエッチング方
法を用いて、N型の不純物を熱拡散させてDeepN+
層52を形成する(図3b)。
【0026】次に、フォトエッチング方法を用いて、熱
酸化法により素子分離用酸化膜54を形成する。そし
て、同様に、N型の不純物を熱拡散させてベースN+
2を形成する(図3c)。
【0027】次に、フォトエッチング方法を用いて、P
型の不純物を熱拡散させてコレクタP+層2,エミッタ
+層4を形成する。そして、これと同一のマスクによ
るフォトエッチング方法を用いて、回転斜めイオン注入
方式により、コレクタP+層2の外側にコレクタP-層2
1,エミッタP+層4の外側にエミッタP-層41を形成す
る。なお、トランジスタの特性によって、注入角度αは
10°〜40°に設定される(図4a)。
【0028】次に、基板5全面にCVD法により層間膜
56を形成する。そして、コンタクトホール58を開口
する(図4b)。
【0029】次に、開口部にアルミニウムを蒸着させて
メタル配線60を形成する(図4c)。その後、基板5
全面に保護膜62を形成する。
【0030】なお、この実施例では、図4aにおいて、
-拡散層21,41をP+拡散層2,4と同一マスクにて
形成しているが、別マスクにて前工程で形成してもよ
い。
【0031】
【発明の効果】請求項1の横型PNPトランジスタの製
造方法は、第1のP型(コレクタ)領域の外側に、第1
のP型領域より不純物濃度を薄くした第3のP型(コレ
クタ)領域を形成している。従って、P型領域接合の空
乏層を第3のP型領域へも伸ばして、N型(ベース)領
域側への伸びを抑えることにより、N型領域幅が狭くな
ることを防止することができる。これにより、静特性が
良くて集積度の高い横型PNPトランジスタを提供する
ことができる。
【0032】さらに、第3のP型領域は、回転斜めイオ
ン注入方式により形成されている。従って、第3のP型
領域は、第1のP型領域と同一マスクにて形成すること
ができ、製造工程を簡略化することができる。これによ
り、静特性が良くて集積度の高い横型PNPトランジス
タを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による横形PNPトランジ
スタの断面図を示す。
【図2】上記の横形PNPトランジスタのコレクタ接合
の状態を示す図である。
【図3】上記の横形PNPトランジスタの製造フローを
示す図である。
【図4】上記の横形PNPトランジスタの製造フローを
示す図である。
【図5】従来の横形PNPトランジスタの断面図を示
す。
【図6】トランジスタ特性を示す図である。
【図7】コレクタ接合部の空乏層を示す図である。
【符号の説明】
2・・・コレクタ領域(第1のP型領域) 4・・・エミッタ領域(第2のP型領域) 21・・・コレクタ領域(第3のP型領域) 41・・・エミッタ領域 5・・・P形基板 61・・・ベース領域(N型領域) DR・・・コレクタ接合の空乏層
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/331 H01L 29/73

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1のP型領域及び第3のP型領域がコレ
    クタを形成し、第2のP型領域がエミッタ領域を形成
    し、さらにN型領域がベース領域を形成する横型PNP
    トランジスタの製造方法において、 マスクを用いて前記第1のP型領域を形成し、 回転斜めイオン注入方式により、前記マスクを用いて、
    前記第1のP型領域の外側に、当該第1のP型領域より
    不純物濃度を薄くした第3のP型領域を形成すること、 を特徴とする横型PNPトランジスタの製造方法。
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