JP3302465B2 - 発泡成形用原料充填機 - Google Patents

発泡成形用原料充填機

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JP3302465B2
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達男 林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、予備発泡粒子原料を金
型内に効率的に充填することができる発泡成形用原料充
填機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から発泡スチロール製品などの予備
発泡粒子原料を用いる発泡合成樹脂成形機においては、
発泡成形用の金型内に予備発泡粒子原料を充填する開口
部が先端に形成された原料供給管の後部にシリンダの作
動によって前記開口部を開閉するピストンを設けた発泡
成形用原料充填機が一般に使用されている(例えば、実
公平4−3786号公報参照)。
【0003】そして、最近では前記ピストンの後退位置
を従来の原料供給管の最後端部とせずに前方部途中とす
ることによってストロークを短くし、シリンダの小型化
を図ったものも開発され使用に供されつつあるが、この
ような充填機の場合、ピストンが原料供給管の途中で止
まった状態で予備発泡粒子原料を開口部に向けて供給す
るため、ピストンと原料供給管との隙間が急激に狭くな
ってこの隙間の部分においてブリッジと称される原料詰
まりが発生し効率的な原料の供給を行うことができない
という問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
するところは、上記のような従来の問題点を解決し、ピ
ストンを後退させたときにこのピストンと原料供給管の
内壁との隙間で原料詰まりが発生しないようにしてシリ
ンダストロークの小さな小型装置とするととともに、原
料を効率的に発泡成形用の金型内へ充填することができ
る発泡成形用原料充填機を提供することを目的として完
成されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明の原料充填機は、予備発泡粒子原料
を発泡成形用の金型内に充填する開口部を先端に備えた
原料供給管の後部にシリンダの作動により前記開口部を
開閉するピストンを設けた発泡成形用原料充填機におい
て、前記原料供給管の内部に、後退したピストンの前方
位置から開口部に向け原料給送用のエアを噴出するエア
通路と、ピストンの後方位置から該ピストンと原料供給
管との隙間に向けてエアを噴出して該隙間の原料詰まり
を防止するエアノズル管とを設けたことを特徴とするも
のである。
【0006】
【実施例】次に、本発明を図示の実施例について詳細に
説明する。図1は本発明の第1の実施例を示すもので、
1は金型内に縮径された原料充填用の開口部2が先端に
形成された原料供給管であり、3は原料供給管1の後方
同軸上に連設されて前記開口部2を開閉するピストン4
を作動するための比較的ストロークの小さいシリンダ、
5はピストンロッド、6はシリンダヘッドである。ま
た、前記シリンダ3にはピストン4を進退動するための
ピストン前進用給気孔7aとピストン後退用給気孔7bとが
連結されている。
【0007】なお、実施例においてはシリンダ3の外周
部には軸方向に平行な原料流通路8が設けられていてこ
の原料流通路8の後端部が原料供給口9に連通されてい
る。そして、前記シリンダ3と原料流通路8とは、例え
ば、アルミ合金ブロック体を母材として精密押出成形法
や引抜成形法などにより成形した一体成形部材10内に
形成されるものであり、このような構造の一体成形部材
10を用いることによって組立作業の容易化や製造コス
トの低廉化等を図ることができる。
【0008】一方、前記の原料供給管1の内部にはピス
トン4が後退したときこの後退したピストン4の前方位
置から開口部2に向け原料給送用のエアを噴出するエア
通路11が設けられている。このエア通路11は、図1
に示す第1の実施例では原料供給管1を構成する内外二
重の筒体12a、12b間に形成されていて原料供給用
エア給気孔13より供給されたエアが内側の筒体12a
の先端連結部に配設された噴出小孔14より開口部2に
向けて噴出されるよう構成されるとともに、ピストン4
の後方位置から該ピストン4と原料供給管1との隙間S
に向けてエアを噴出して該隙間Sの原料詰まりを防止す
るエアノズル管15が設けられている。
【0009】このエアノズル管15はピストン4が後退
したとき原料供給管1の内部の最も空間スペースが狭く
なるピストン4と原料供給管1との隙間Sの部分におい
て、予備発泡粒子原料がブリッジと称される原料詰まり
現象を発生させないよう該隙間Sに向けて常にエアを噴
出するものである。また、このエア源としては前記の原
料供給用エア給気孔13に連結して共用することがで
き、その他、別個のエア供給源を設けることや間欠的な
エア供給機構とするなど必要に応じて任意に設計変更す
ることができることは勿論である。なお、このエアノズ
ル管15は原料を金型内へ送るためのエアを供給するた
めのものではなくブリッジの形成を防止するためのもの
であるから、エアの供給量としては前記エア通路11よ
り供給される量より少ない量のエアを供給する構造とし
ておけばよい。
【0010】一方、図2は本発明の第2の実施例を示す
もので、前記した第1の実施例との相違点は、原料供給
管1が第1の実施例のような二重管とするとその内径が
小さくなるために、原料の流通効率をより高くできるよ
うに、エア通路11を原料供給管1の内部に配置したノ
ズル管12c で形成した点である。なお、第1の実施例と
共通する部分はこの点だけであるので図中に同一符号を
付すだけで詳細な説明は省略する。そして、このノズル
管12c は図3に示されるように前記したエアノズル管1
5にリング管16で連結したものとしてこれを前記の原
料供給用エア給気孔13に連結してある。
【0011】
【作用】このように構成されたものは、シリンダ3でピ
ストン4を進退動させることにより開口部2を開閉し、
この開口部2が開かれたときに後退したピストン4の前
方位置から開口部2に向け原料給送用のエアを噴出する
エア通路11よりエアが噴出され、これにより原料供給
口9から原料流通路8を通じて原料が原料供給管1の内
部に吸引されたうえ原料供給管1より金型内へ所要量の
原料をエア供給するものであることは従来のこの種原料
充填機と同様であるが、本発明はシリンダストロークを
小さくしてピストン4が原料供給管1の内部の原料流路
の途中に位置させた状態で停止させても、ピストン4の
後方位置から該ピストン4と原料供給管1との隙間Sに
向けてエアを噴出して該隙間Sの原料詰まりを防止する
エアノズル管15が設けてあるので、原料がこの隙間S
でブリッジを形成する原料詰まり現象を発生させること
を確実に防止することとなり、この結果、金型内へ所要
量の原料を短時間にかつ効率よく充填することとなり優
れた成形効率を発揮できることとなる。
【0012】
【発明の効果】本発明は以上の説明からも明らかなよう
に、シリンダストロークを小さくしてピストンが原料供
給管内の原料流路の途中に位置させた状態で停止させて
も、エアノズル管から噴出されるエアにより原料である
予備発泡粒子がピストンと原料供給管の内壁との間で詰
まるブリッジ現象を起こすことがないので、装置の小型
化を図ることができるとともに、発泡成形用の金型内へ
原料を効率的に充填することができるものである。よっ
て本発明は従来の問題点を一掃した発泡成形用原料充填
機として、産業の発展に寄与するところは極めて大であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す一部切欠正面図で
ある。
【図2】本発明の第2の実施例を示す一部切欠正面図で
ある。
【図3】本発明の第2の実施例におけるエア通路を示す
斜視図である。
【符号の説明】
1 原料供給管 2 開口部 3 シリンダ 4 ピストン 11 エア通路 12a 内筒 12b 外筒 12C ノズル管 15 エアノズル管 16 リング管

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予備発泡粒子原料を発泡成形用の金型内
    に充填する開口部(2) を先端に備えた原料供給管(1) の
    後部にシリンダ(3) の作動により前記開口部(2) を開閉
    するピストン(4) を設けた発泡成形用原料充填機におい
    て、前記原料供給管(1) の内部に、後退したピストン
    (4) の前方位置から開口部(2) に向け原料給送用のエア
    を噴出するエア通路(11)と、ピストン(4) の後方位置か
    ら該ピストン(4) と原料供給管(1) との隙間(S) に向け
    てエアを噴出して該隙間(S) の原料詰まりを防止するエ
    アノズル管(15)とを設けたことを特徴とする発泡成形用
    原料充填機。
  2. 【請求項2】 エア通路(11)が、原料供給管(1) を構成
    する内外二重の筒体(12a) 、(12b) 間に形成されている
    請求項1に記載の発泡成形用原料充填機。
  3. 【請求項3】 エア通路(11)が、原料供給管(1) の内部
    に配置したノズル管(12c) で形成されている請求項1に
    記載の発泡成形用原料充填機。
  4. 【請求項4】 ノズル管(12c) とエアノズル管(15)とが
    リングパイプ(16)により連結されている請求項3に記載
    の発泡成形用原料充填機。
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